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亜瀝青炭混炭燃焼時の灰中未燃分低減技術の開発

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Academic year: 2021

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主要な研究成果

背 景

亜瀝青炭は、水分含有率が高いが、埋蔵量が多く安価であるため、現在、既設の微粉炭火力において導入拡 大が図られている。当面の既設火力での亜瀝青炭の利用は、瀝青炭に対して混炭率 30 %(火炉投入熱量ベー ス)以下の混炭燃焼が主になっている。亜瀝青炭の混炭燃焼時においては、亜瀝青炭中の水分が瀝青炭の燃焼 を悪化させることに加えて、亜瀝青炭の灰分含有率が低いため、灰中未燃分濃度が高くなるという問題がある。 大量に排出される石炭灰の処理費低減のためには、NOx 排出量を抑制しつつ、有価灰として利用できるよう 灰中未燃分濃度を低減することが重要となる。

目 的

当所の石炭燃焼試験炉* 1において、瀝青炭燃焼時に火炉出口 NOx 濃度 100ppm を維持しつつ、灰中未燃分 濃度を 1.5 ∼ 2.5 %に低減できる CI-αバーナ* 2と空気多段注入法* 3を用いて、亜瀝青炭の混炭率が 30 %の条件 で、火炉出口 NOx 濃度 100ppm 以下を達成すると共に灰中未燃分濃度を 3 %以下に低減できる燃焼法を明らか にする。

主な成果

1.燃焼用空気注入条件の適正化 (1)バーナ操作用空気注入条件の調整 亜瀝青炭混炭燃焼時は、亜瀝青炭から蒸発する水分によって、微粉炭搬送用ガス量が増大し、瀝青炭燃 焼時に比べて、微粉炭噴出流速が大きくなり、着火が遅れる。微粉炭搬送用ガス量は、亜瀝青炭の水分蒸 発量を考慮した限界値* 4まで減少し、微粉炭噴出流速を低下させると、バーナ近傍の燃焼が促進でき、 灰中未燃分濃度も低減した(図 1)。微粉炭搬送用ガス量が減少した分、増大する 2 次空気については、旋 回強度を弱め、火炎の拡がりを適正化することにより、還元領域が拡がり、火炉出口の NOx 濃度が低く なると共に灰中未燃分濃度も一層低減できた(図 2)。 (2)多段燃焼用空気注入条件の調整 亜瀝青炭混炭燃焼時の火炉内の温度は、亜瀝青炭から蒸発する水分の潜熱等によって、瀝青炭燃焼時に 比べて低くなるため、多段燃焼用空気を 2 段階で注入する場合、温度の高い火炉上流側の注入口(1 段目) に、空気を多く供給することが、灰中未燃分濃度の低減に効果的である(図 3)。その際、1 段目の多段燃 焼用空気の注入により、発生量が増加する NOx は、2 段目の注入位置を後方に移動し、還元領域を拡げる ことで分解でき、十分に火炉出口の NOx が低減できることがわかった(図 4)。 2.バーナ内1次空気管構造の適正化 燃焼用空気を亜瀝青炭混炭燃焼時に適した注入条件とし、かつ、微粉炭搬送用ガス量を減少させずに微粉 炭の噴出流速を抑制するため、1 次空気管の断面積を拡大した。さらに、1 次空気管内にスワラを設置し、 旋回流によって微粉炭を濃縮した(図 5)。これにより、バーナ出口の微粉炭の燃焼促進と NOx 還元領域の 拡大が図れ、灰中未燃分濃度は同等で、火炉出口 NOx 濃度を一層低減できることがわかった(図 6)。 以上のように、燃焼火炎を調整し、多段燃焼用空気注入条件を適正化することで、火炉出口 NOx 濃度が 100ppm 以下を達成し、かつ、灰中未燃分濃度を 3 %以下に低減できることが明らかとなった。

今後の展開

亜瀝青炭の混炭燃焼時において、灰中未燃分濃度以外の灰性状(粒径など)も有価灰としての利用可能範囲 に制御できる燃焼技術を開発する。 主担当者 エネルギー技術研究所 燃料・燃焼工学領域 主任研究員 池田 道隆 関連報告書 「微粉炭燃焼時の灰中未燃分低減・均質化技術の開発(その 2)―亜瀝青炭混炭燃焼時の検 討―」電力中央研究所報告: M05013(2006 年 8 月) 100

亜瀝青炭混炭燃焼時の灰中未燃分低減技術の開発

* 1 :石炭燃焼量 100kg/h(瀝青炭ベース)の鋼板製横置円筒型水冷炉。内径 0.75m、長さ 8m。(電力中央研究所報 告: W13 など) * 2 :バーナ近傍で微粉炭の滞留時間を長くできる再循環流を効果的に形成させて燃焼促進を図ると共に、その後流で 速やかに還元雰囲気を形成させ、発生した NOx の還元分解を図る方式の低 NOx バーナ(電力中央研究所報告: W93005、W03016) * 3 :二段燃焼用空気を分割して吹き込み、再燃焼による NOx の再発生を抑制しつつ、段階的に未燃分の低減を図る 方法(電力中央研究所報告: W89005) * 4 :微粉炭が送炭管内に沈降せず、火炉への安定供給が可能である微粉炭搬送用空気の限界流量

(2)

6.化石燃料発電/微粉炭高度燃焼技術の構築

101 100 120 140 160 180 200 2 3 4 5 50 60 70 80 火炉出口NO x 濃度(O 2 6% 換算 ) [ppm] 灰中 未燃 分濃 度 ( 実機 換 算 ) [%] 2次空気旋回角度 [deg] 項目 記号 NOx濃度 ▲ 灰中未燃分濃度 ▲ ( Air+H2O)/Coal 1. 9 瀝青炭 瀝青炭燃焼時 亜瀝 亜瀝青炭 混炭 混炭燃焼時 80 100 120 140 160 180 2 3 4 5 1.9 2. 0 2. 1 2. 2 2. 3 1. 8 1.9 2. 0 2. 1 2. 2 [ppm] 火炉 出口 N O x 濃 度 ( O2 6%換算) [ppm] 火炉 出口 N O x 濃度( O2 6%換算) [ppm] 火炉 出口 N O x 濃度( O2 6%換算) [ppm] 火炉 出口 NO x 濃 度 ( O2 6%換算) 灰中未燃分濃度(実機換算 ) [%] Ai r/Coal [(kg/h)/(kg/h)] 項目 記号 NO x濃度 ● 灰中未燃分濃度 ● マウントアーサ炭:70% ア ダロ炭 :30% CI-α バーナ 多段空気注入率 40% 空気比 1. 24 瀝青炭燃炭燃焼時焼時 ( Air+H2O) /Coal [( kg/h) /(kg/h) ] 亜瀝 亜瀝青炭 混炭 混炭燃焼時 70 90 110 130 150 170 0 1 2 3 4 4. 0 5.0 6. 0 7. 0 灰中未燃分濃度(実機換 算) [%] 灰中未燃分濃度(実機換 算) [%] 多段燃焼用空気2段目の注入位置 [m] 項目 記号 NOx濃度 ▲ 灰中未燃分濃度 ▲ 瀝青炭燃炭燃焼時焼時 亜瀝亜瀝青炭混炭混炭燃焼時 多段燃焼用空気  1段目:50% 多段燃焼用空気  2段目:50% 70 90 110 130 150 170 0 1 2 3 4 20 30 40 50 60 多段燃焼用空気  1段目:2.59m 多段燃焼用空気  2段目:4.59m 多段燃焼用空気1段目の注入配分 [%] 灰中未 燃 分 濃 度(実機 換算) [%] 瀝青 瀝青炭燃炭燃焼時 亜瀝 亜瀝青炭青炭 混炭 混炭燃焼燃焼時 項目 記号 NOx濃度 ● 灰中未燃分濃度 ● 1次空気管 微粉 微粉炭 スワ スワラ 90 100 110 120 A B C 燃焼条件 項目 記号 NOx濃度 灰中未燃分濃度 ● 0 1 2 3 4 5 6 * スワラの旋回流を用いて 微粉炭を濃縮 燃焼条件 1次空気管 微粉炭濃縮機能 A 瀝青炭用 なし B 拡大 なし C 拡大 あり 2次空気の旋回強度を弱め、火炎の拡がりを適 正化することにより、還元領域が拡がり、火炉出 口のNOx濃度が低くなると共に、灰中未燃分 濃度も一層低減。 多段燃焼用空気を2段階で注入する場合、温 度の高い火炉上流側の注入口(1段目)に、空 気を多く供給することが、灰中未燃分濃度の低 減に効果的。 Air/Coal を低下させると、バーナ近傍の燃焼 が促進でき、灰中未燃分濃度が低減。 1段目の多段燃焼用空気の注入により、発生量 が増加するNOxは、2段目の注入位置を後方に 移動し、還元領域を拡げることで分解でき、十分 に火炉出口のNOxが低減。 燃焼火炎を調整することで、火炉出口NOx濃 度が100ppm以下を達成し、かつ、灰中未燃分 濃度を3%以下に低減。 1次空気管の断面積を拡大して微粉炭噴出流 速を抑制し、さらに、1次空気管内にスワラを設 置し、旋回流によって微粉炭を濃縮。 図2 2次空気旋回角度が火炉出口NOx濃度お よび灰中未燃分濃度に及ぼす影響 図1 微粉炭搬送用ガス量が火炉出口NOx濃度 および灰中未燃分濃度に及ぼす影響 図3 多段燃焼用空気1段目の注入配分が火炉 出口NOx濃度および灰中未燃分濃度に及 ぼす影響 図4 多段燃焼用空気2段目の注入位置が火炉 出口NOx濃度および灰中未燃分濃度に及 ぼす影響 図6 1次空気管の構造の差異が、火炉出口NOx 濃度および灰中未燃分濃度に及ぼす影響 図5 1次空気管構造の適正化 *実機換算:これまでに実機で回収される石炭灰の未 燃焼濃度は、当所の火炉で回収される石 炭灰の1/3になることを明らかにしている。 (電力中央研究所報告:W92002)

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