• 検索結果がありません。

発展途上国における地域開発のガイドラインの提案に関する研究(その1)研究のパースペクティブとカンボディアにおける予備調査 利用統計を見る

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "発展途上国における地域開発のガイドラインの提案に関する研究(その1)研究のパースペクティブとカンボディアにおける予備調査 利用統計を見る"

Copied!
28
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

発展途上国における地域開発のガイドラインの提案

に関する研究(その1)研究のパースペクティブとカ

ンボディアにおける予備調査

著者

金子 彰

著者別名

KANEKO Akira

雑誌名

国際地域学研究

6

ページ

115-141

発行年

2003-03

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00003927/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

(2)

国 際 地 域学 研究 第6 号2003 年3 月

発 展 途 上 国 に お け る 地 域 開 発 の

ガ イ ド ラ イ ン の 提 案 に 関 す る 研 究 ( そ の1

一 研究のパースペクティブ とカンボディアにおける予備調査 −

は じ め に 金 子 彰 * 115 1 )研 究 の背 景 と目的 (研 究 の背 景) 地域 開 発 は従来 か ら国 全体 の発 展 と国 内 の 格差 の是正 のた めに お こな わ れて きた。し かし なが ら、 後 で述 べる よう に従来 型 の国 家主 導 、 経済 優先 の地 域 開発 は大 きな成 果 をあ げ たが 、20世 紀 の終 わ りが み えて きた ころ から と その行 き 詰 まりが認 識 さ れる よう に なっ た。 従来 型 の地 域開 発で は、 社 会 、 経 済、環境 のい ず れの面 を とっ て も地 域 の将来 が持 続 可能 で あ るか 疑問 が呈 さ れ るよ うに なっ て きた。 一方 で 、特 に発 展途 上 国 につい て は貧困 削 減 に直接 働 きか け るた め コミ ュニ ティレ ベ ルで の 草の 根の 社会 開発 が重 視 さ れる よう にな っ て きた。 同 時 に、市 場 経済 化 の動 き の中 で発 展途上 国 で も民 営 化 が進 めら れる ように なっ た。 こ の よう な 取組 は地 域 の活性 化 に 大 きく 寄与し て い るこ と はい う まで もない が、 草の 根レ ベ ル と民 間 企業 だけ で地 域 の長 期 的、 持 続的 な成長 が達 成 さ れる かに つい て は結論 が でた と は言い 難い。 社 会、 経 済、 環境 のい ず れを とっ て も持 続 可能 な地 域 開発 が特 に発展 途上 国 で は喫 緊の必 要性 が ある 課題 で ある。 国 とい う マ クロ なレ ベ ルで は国 内 の多 様性 を考 慮 し、 また具 体的 なプ ロ ジェ クト や環境 といっ た ものに対 応 する に は大 きす ぎる。 一 方、 草 の根レ ベ ル での 取組 は個 別 に は卓 越し た 成 果 が 得 られる ものの、 より広 域的 に その成 果 を広 げてい くこ と は容易 で は ない。 また、 このレ ベ ルを超 え た大 きなプ ロ ジェ クト な ど に対応 する こ とは容易 で は ない。 こ のよ うな こ とから 国レ ベル と草 の根レ ベ ル の中 間、 こ れが地 域 であ る と考 え る、 が今 後 の持 続 可能 な 開発 にお い て重 要な 位置 を占 める もの と考 え本研 究 の対 象 とし てい る。 こ の よう な地域 開発 を考 える場 合、 国レ ベ ル と も草 の 根レ ベ ル と も異 なった 開発 の手 法 や 開発 の た めのル ール が必 要 に な る。 また、 こ れらの手 法 や ル ール が発 展途 上 国で 適用 可能 で あ る こ とを考 え ると先 進国 で用 い ら れてい る もの が その ま ま適 用で きる と は考 えに くい。 さら に多 く の発 展途上 国 で も分 権化 が 進 めら れ てい る。 分 権化 とい っ て もそ の内容 は多 様 であ る '国 際地 域学 部教授 兼国 際共 生社 会研 究 セン ター、 地 域活 性化研究 所、 現代 社 会総 合研 究所 研究員

(3)

目6 国 際地 域学研 究 第6 号2003 年3 月 が、 国 と地 方 公共 団体 の 適切 な機 能 分担 と連携 が必 要で 、 かつ 地 方公共 団 体 も基 礎的 な団 体 、 中 間 的 な団 体 に よっ て果 たす べ き役 割 は異 な るが、上 の よ うな認 識 を ふ まえ る と、 地域 開 発 は州 や 県 な ど と訳 さ れ る中 間的 な団 体 が大 き な役 割 を示 すべ きで あろ う。 地 域開 発 を進 め るにあ た って は 先進 国 で はプロ ジェ クト マニ ュ ア ルに 、個別 施 設計 画 の た めの 計 画 標 準に や さ ら に発展 途上 国 にお け るプ ロ ジェ クト の評 価 の た めの マ ニ ュア ルiiL3)な どが つ くら れ 実 際 に利 用 さ れて い る。また、我 が国 の援 助 機関 に より地 域総 合計 画 作成 の た めの要 領“t4)な ど が作 ら れて い る。 こ れら先行 す る調査 研 究 をふ ま えつ つ も多様 性 を損 な わな い形 で の発 展途 上 国 にお け る地 域 開発 の 指針 的 な ものが 必 要 と考 え る。 これが本 研 究 の目指 すガ イド ライ ンで あ る。 (本 研究 の対 象 と する地 域 開発 ) 地 域 (Region ) とい う こ とば は2 つ の使 わ れ方 が あ る。 その ひ とつ は、 複数 の国 より構 成 さ れ共 通 性 を もつ一 定 の空 間 をさ す場 合 で、 広 く は東南 アジ ア地 域 あ る い は大 メ コ ン圏 (GMS:GreaterMekongSub-region )とい っ た使 わ れ方 で あ る。 この場 合、国 家 間 の連携 あ るい は利 害 の調 整 が そ の 課 題 とな り、 国 際機関 謡5;が主 導 す る場 合 もあ る。 も うひ とつ の使 わ れ方 は、あ る国 の一 部 分 を構成 し てい る一 定 の空 間 で他 の空 間 から 地 理、歴 史、 文 化 、 行政 な どの条件 に よ り他 と区別 さ れる1 つ また は複数 の 行政 区 画に よ り定義 さ れ る場 合 が多 い。 な お、 場 合 に よっ て は国境 を はさ んで 複数 の国 に また がる 場合 もあ る。 実務 的 に も研 究 的 に も こ の2 つ は大 き く異 な る。 すで に述 べ た よう に本 研 究で は後 者 を主 た る対 象 とす る。 (研 究 の目的 ) 本 研 究 にお い て は、最終 的 に は発 展途 上国 にお け る持 続可 能 な地 域開 発 のた めの あ る種 の指 針(ガ イド ライ ン) の提 示 を目 的 とし てい る。 そ のガ イド ライ ン の中 で は後 で述 べ る ように 特 に参 加 型地 域 開発 におけ る手 法 (ヽソー ル) を提 示 した い。 なお、 この ツー ル は単 なる技 術的 な 手 法で はな く 地 域 開発 を進 める た めの何 ら かの 公的 な制 度・ 組織 ( ル ール) と結 びつい た もの を想 定 し てい る。 本 報告 書 に おい て は その スタ ート にあ たっ て上 記 につ いて 基本 的 な考 え 方を研 究 のパ ー スペ クテ ィブ とし て 示 す。 2 ) 報告 書 の位 置 付け と 構成 (本 報告 書の 位 置付 け) 本 報 告書 は「発 展 途上 国 にお け る地域 開 発 のガ イド ラ イ ンの提 案 に 関 する研 究( そ の1 )一 研究 の パ ー スペ クテ ィブ とカ ン ボデ ィ アにお ける予 備調 査− 」 とい う タイト ル に示 す よう に研 究 全 体 の序 章 とし て位 置付 け ら れ、 今 後 の研 究 の展望 を明示 する もので あ る。 ( 本報 告書 の 構成 ) 本 報 告書 にお い て は、 まず 従来 の地 域 開発 の成果 と課題 につ い て整 理 する。 す な わち、 従 来 型 の 地 域 開 発 とそ の成果 が大 きい こ とを示 す。 それを ふ まえ た上 で まず日 本 にお ける 地域 開 発 を と り ま く状 況 と課題 、 次い で発 展 途上 国 にお け る地 域開発 を と り まく状 況 と課題 を述 べ、 我 が国 にお い て も発 展途 上 国 におい て も従 来型 の 地域 開 発 は大 きな成果 をあげ た が今 大 きな課 題 に面 し て い る こ と

(4)

金子 :発 展途 上国 にお け る地域 開 発のガ イド ラ インの 提案 に関 す る研究 ( その1 ) 一 研究 の パー スペ クテ ィブ とカ ン ボデ ィ アにお ける 予備 調査 一 117 を示し 、 現状認 識 を明 らか に す る。 以 上 の よう な現 状認識 の も とに 、発 展途 上 国 の地 域開 発 に今 日求 めら れる も のは何 か を整理 する。 す なわ ち、 発展 途上 国 の地 域 開発 に今 日 求 めら れ る5 つ の ポ イント を あげ る。 つ いで こ の各々 につ い て言 及し てい く。 まず、 経 済・ 社会 ・ 環境 といっ た広 義 の持 続可 能性 が 地 域開 発 の基礎 とな るこ とを 示 す。 次い で今 日的 課題 で あ る地 域 開発 の ル ール、 評価 と情 報公 開 につい て述 べる。 また、 地 方分 権 と市 民参 加 の地域 開 発 にお け る意義 を明 らか にす る。 こ れ らを ふ まえ る と今日 の発 展途 上 国 にお け る地 域開 発 は漸 進的 アプ ロ ーチ で な けれ ばなら ない こ と、 開発 を進 め る上 で、発 展 途上 国 に 適 用 可 能か つ参 加 を確保 す るた め に は計 画や 予 測技術 に おけ る適 正 技術 が 必要 で ある こ とを示 す。 さ て、 本研 究 にお い ては こ れから 本 格的 な 地域 開発 に と りく むこ とにな るカ ン ボデ ィア を ケ ース とし て 選定し て い る。 本 年度 はヒ ヤ リン グや 資料 収集 といっ た予 備 調 査を お こなっ た。 その 結果 を 示 す。 まず、 カ ン ボデ ィア にお ける 地 域開 発 の動 向 につい て述 べ る。 次い で昨年 (2002年 )策 定 さ れた カ ン ボディ ア におけ る 社会 経済 計 画 につ い て紹介 す る。 なお 、 カ ン ボデ ィア にお け る社会 経 済 計 画 であ る 「第2 次 社会 経 済発展 計 画2001−2005 」i*6)の詳 細 につ い て は本研 究 の目 的 か ら はず れる ので 、別 途 の報 告書 に とり まとめ る こ ととし 本報 告 書に おい て は本 研究 に 必 要な部 分 の み簡単 に の べ るこ と とする。 さ ら に、 カン ボ デ ィア にお け る地 域開 発 の体 系 につい て 述 べる。 以上 のこ とをふ ま え、 本研 究 全体 のパ ー スペ クティブ を示 す。 すな わち 、発 展途 上 国 にお け る地 域開 発 に関 す る従来 の取 り 組 みのレ ビ ュー、 発 展途上 国 にお け る地 域 開発 の ガイド ラ イ ンや デ ータ に つい て最 終的 に得 る べ き成果 の考 え方 を示 す。 さ らに本 報 告書 の まと め と残 さ れ た今後 の課 題 を改 めて示 す。

注I ) 例 え ばTheUrbanLandInstitute “DevelopmentImpact" (邦 訳 は 軸 日 本 不 動 産 研 究 所 訳 「 新 し い 開 発 影 響 評 価 」1999 年 住 宅 新 報 社 刊 ) は 名称 は と もか く都 市 開 発プ ロ ジ ェ ク ト の 詳 細 な 開 発 マ ニ ュ ア ル で あ る。 注2 ) 例 え ば 港 湾施 設 で い え ば 国 土 交 通 省 港 湾 局 監 修 「 港 湾 の構 造 物 の 技術 上 の 基 準・同 解 説 」(平 成 目 年 改 訂 版 ) 圓 日 本 港 湾 協 会 刊 が あ る。 こ の 基 準 の 基 本 的 な 事 項 は 法 令 で 規 定 さ れ てい る 。 注3 ) 例 え ば 国 際 協 力 事 業 団 「JICA 事 業 評 価 ガ イド ラ イ ン 」2001 年 国 際 協力 事 業 団 注4 ) 例 え ば 国 際 協 力 事 業 団 社 会 開 発 調 査 部 「 地 域 総 合 開 発 計 画 調 査 標 準 要 綱 改 訂 版 」 平 成14 年3 月 な お 内 容 に つ い て は 後 で レ ビ ュ ー す る 注5 ) 例 え ば ア ジ ア開 発銀 行 (ADB ) が こ のGreaterMekongSub-region の 構 想 を 提 唱 、 推 進 し て い る 。 注6 ) カ ン ボ デ ィ ア に お い て は 内 戦 後1996 年 に 「 第1 次 社 会 経 済 発 展 計 画1996 ―2000 」(FirstSocioeconomicDevelopmentPlan1996-2000 ) が 策 定 さ れ た 。 そ の 概 要 及 び評 価 に つ い て は 金 子 彰 「 発 展 途 上 国 の 社 会 経 済 計 画 に関 す る 一 考 察 」 国 際 地 域 学 研 究 第5 号39−60 東 洋 大 学 国 際 地 域 学 部2002 に 示 さ れ て い る 。「 第2 次 社 会 経 済 発 展 計 画2001 −2005 」(SecondSocioeconomicDevelopmentPlan2001-2005 ) は 第1 次 計 画 の後 継 とし て 策 定 さ れ た 。 そ の 内 容 は 国 とし て の計 画 で あ り 本 報 告 書 で は 本 研 究 に 関 連 す る 部 分 の み示 す。 こ の 計 画 全 体 の概 要 と 評 価 な ど に つい て は 別 途 報 告 と す る。

(5)

118 国際 地域 学研究 第6 号2003 年3 月 1 従 来 型 の 地 域 開 発 の 成 果 と 課 題1) 従 来 型の 地域 開発 とその 成果( 従 来 型の 地域 開発) 従来 型 の 地域 開発 は我 が国 におい ては 高度 成長 の初 期か ら最 近 に至 る まで行 わ れ てい た地 域 開 発 で あ り、 そ れ は日本 のみな ら ず発 展途 上国 におい て も概 ね同 様 の 考 えに 従っ た地 域 開発 が行 わ れて い る。 そ の特 徴 とし て ①国 主 導、 ② 固定 目標 、③大 規 模プ ロジ ェ クト 中心 、 ④環境 は付 随 的お よび ⑤参 加 の程 度 は少 ない こ とがあ げ ら れ る。 以 下 これ につい て 述 べる。 ① 国 主 導: 開 発の 初期 にお い て は地 域自 体 に開発 のた め の資 源が な いこ と、 国全 体 とし て も 急速 な 経 済 発 展が求 めら れてい た こ とか ら、 国 によ る基本 的 な計 画が あ り、 国家 資金 が 投入 さ れ産 業 政 策 に 基い た 外か ら の企業 誘 致 に よる 開発 が行 わ れた。地 域 自体 のイニ シ アテ ィブ はい か にそ の対 象 に 選定 され るか とい う こ とが中 心で あっ た といっ て も過 言で はない。 ここ で は個々 につ い て は 示 さ な いが我 が 国で は新 産業 都 市 や工 業整 備特 別地 域 に よる開 発 はその典型 であ っ た。 ②固 定 目標 : まず戦略 的目 標 が設定 さ れ それを具 体化 し たマ ス タ ープ ラン が作成 さ れた。 こ の 目標 とマ ス タ ープ ラ ン にし たが っ た目 標達 成 のプロ グ ラム が設定 さ れた。 こ れら は単 線 的 な成長 を 前 提 に長 期的 かつ 整合 的 な もの で はあっ た が固定 的で あ り途 中で 柔 軟 に変 更 する こ とを想 定し て は い なかっ た。 ③大 規 模プ ロ ジェ クト 中心 : 特 に開 発 の初期 にお い ては 国全 体 とし て も経 済開 発が 優 先 さ れた こ と や 重 化 学 工 業 に お い て は ス ケ ール メ リット が 大 きい た め 大 規 模 プ ロ ジェ クト が 中 心 と な っ だ 白 。 我 が 国の各 地 の臨海 工 業 地帯 や 発展途 上 国の 同様 な開発 に みら れる よ う に、こ の結果 極 め て短 期 間 に工 業 化 によ る成長 が 達 成 さ れた 口 。 ④環 境 は付随 的: 初期 にお い て は経 済 開発が 最優 先課 題 であ り環 境 は その阻 害 要因 とし て の認 識 で あ っ た。 その後 環境 問題 が顕 在化 し、 認識 もか わっ て きた が そ れで も まず開発 計 画 があ り 環 境 は その 計 画の チェ ッ ク項 目 の一 つ とし ての位 置付 けで あ った。 ⑤ 参 加 の 程度 は少 ない: まず 開発 を効 率 よ く進 めるこ と が優先 さ れた。 し か も高度 成長 の段 階 にお い て は需 要 に開発 が 追い つ か ない状 態 が続 いた。 し か も経 済成 長 とし て成果 が 目 に 見 える形 であ ら わ れた。 し た がっ て この段 階 で は開 発を 評価し それ に よっ て 意 思決定 を行 う 、 あ るい は そ の た め の 情報 公開 といっ た こ とは ほ とん ど行 わ れな かっ たに 。( 従 来 型 の地 域開 発の 成果) 従来 型 の地域 開発 は日 本 の みな ら ずア ジア の新興 工 業国 にお い て もい くつ か の大 き な問 題 を生 じ させ た も のの相 対的 に は大 き な成果 を もたらし た とい え る。 以 下 こ れにつ い て概 観 す るが具 体 的 な 事 例 や デ ータ につい て は多 く の文献 に示 さ れてい るの でこ こで は示 さ ない。 まず、 すべ てが 従来型 の地 域 開発 の成果 で はない とし ても、 国全 体 の経 済成長 の達 成 であ る。我 が国 の 高度 成長 の みな らず アジ ア の新 興工 業国 の高 度 成長 が みら れた。 同 時 に産業 構 造 の高 度 化 す なわ ち農 業 から 軽工 業 へ、軽 工 業 から 重化 学工 業 へ と産 業 の中 心 が移 動し た。こ れ につ れ てNIES の

(6)

金子: 発展 途上国 に おけ る地 域開 発 のガ イド ラ イン の提案 に関 す る研究 ( その1 ) 一研 究 のパー スペ ク ティ ブ とカン ボディ アにお け る予備 調 査一 119 みな ら ずASEAN 諸 国 におい て も工 業 製品 が 輸 出 の中 心 に な りつつ あ る。こ の従来 型 の地 域開 発 の 重 要 な 要素 に基幹 的 な社 会資 本 の整 備 があ る。我 が 国でい え ば高速 道 路、新 幹線 、国際 港 湾、ジ ェ ッ ト化 空 港 や大型 発 電所 な どがあ げ ら れ るが 、 社会 資本 の質、 量 と も飛 躍的 に向上 し た。 従来 型 の地 域開 発 は地 域 の人 々 の 生活 条件 の向上 に も大 き く貢献 し た。 こ れに関し て は環 境 の悪 化 や地 域 社会 の崩壊 とい っ た負 の 側面 も大 きい が少 な く と も物 的 な生 活 条件 が大 きく向上 し た こ と は事 実 であ る。 し か し ながら こ のよ うな 従来型 の地 域 開発 が成 功 す るた めの 条件 は現在 急速 に変 化し てい る。 そ の原 因 の中 に は従来 型 の地 域開 発 の成 功 に よ り生 じた もの・4)、負 の側面 の顕 在化 に より生 じ た もの ・siさ らに他 の国 々 にお け る同 様 の 地 域開 発 の成 果 によ る もの・S)な ど が指 摘され る。 2 ) 日本 にお け る地域 開 発を と り ま く状 況 と課題 一 般論 でい え ば地域 の 経 済成長 は人 口増 、 資本 の増 加お よ び技 術 進歩 で 説明 さ れる。 従来 型 の地 域 開 発 はこ のこ とと符 合 す る と考 えら れ る。し かし なが ら我 が国 に おい て は少 子高 齢化 が 急速 に進 展 し てお り、 日本 全体 で みて も2006年 をピ ー クに人 口減 とな る こ とが想 定 さ れてい る。 生産 年齢 人 口 に つい てい え ばすで に ピ ーク に達 し てい る。 低 廉豊 富 な労働 力 を 背景 とし た従来 型 の地域 開発 は その 基盤 の一 つ を失い つ つあ る。 今 日多 くの 地域 で人 口減 に なっ てい るが、 従来 人 口増 であ っ た首 都 圏 にお い て も高齢化 と人 口 減少 はさ けら れ ない と考 えら れ る。 こ の場 合、 人 口増 加 を前提 とし た 従 来 型 の地 域開発 で は地 域 に大 き な負 の遺 産 を残 す こ とにな り か ねないに 。 また、 上 に述 べた よう に 国 主 導 の社 会 資 本 整備 が従 来型 の 地 域 開 発 を 成 立 さ せ る大 き な 要素 で あ っ た が我 が国 の財政 は極 めて悪 い状 況 にあ る。 すなわち 国・地 方合 計 で平 成14年 度末693兆 円 の長 期 債 務 を抱 えてお り、国 債 の残 高414兆 円 は税収 の9 年分 に 相当し てい る。こ のよう な財 政状 況 の も と公 共事 業 に対 す る国の 予算 は減 少 し てお り、同 じ く財政 状況 が悪化 し てい る地方 公共 団 体 も同様 であ る。さ ら に、将来 の維 持更 新 が可 能 か とい う問 題 も生じ て い る。、この よ うな状 況 は従来 型 の地 域開 発 の基 礎 の一 つ を揺 る がし てい るo さ ら に産 業構 造 の変化 が あげ ら れ る。 上 に 述 べ た産 業 構造 の 高度 化 は次 の段 階 に入 る。工 業 か ら サ ービ ス業 な どへ の転化 であ る。 我 が 国 製造 業 が高 コ スト 化 し た 結果 製造 業 は海 外 シフト を すす め てい る。 この中 で新 興工 業 国 の技術 水準 が向 上 し 汀 な ど にお い て は我 が国 を上 回 る国 もで て きて い る。 こ のた め水平 分業 が 進 む とと もに最終 製 品 の輸入 が増 加し てい る。 し たが っ て製造 業 の国 内 立 地 を前提 とし た従来型 の地域 開 発 は著し く困 難 になっ てい る。 以 上 のこ とに加 え て環境 問題 の顕 在化 があ げ ら れ る。 公 害問 題 が従 来型 の地 域開 発 の中で 生じ 大 きな問 題 となっ た。し かし 、 異な る評 価 はあ るが我 が 国 は比 較 的 適切 な対 応 をし て き た とい え る。 し かし 、 開発 の 規模 が大 き くな るに つ れて事 後 的 な対 策 によ り対 応可 能 とはい え ない ものが で て き た。 地 球 環境 の問 題 な どの新 た な問 題 は その 例で あ ろう。 また、 廃棄 物 の問 題 な どは地 域 をこ え た 広域的 な問題 に なっ てい る。 こ れら は成 長 の 成果 を利 用し て改 善 を は かっ てい く こ とに より解 決 さ れう る問 題 とは 異な る。 し た がっ て 、 従来 型 の地 域開 発 を続 け るこ とが 地 球全 体 に とっ て も地 域 に

(7)

120 国際地 域学 研 究 第6 号2003 年3 月 とっ て も持 続可 能 な開発 な の か とい う疑問 が 呈さ れて い る。 さ て 、地 域 の イニ シア テ ィブ の強 化 の動 きが ある。地 域 の問 題 は なる べく 地域 で 意 思決定 を する。 さ ら に多 くの 市民 や関 係主 る者 が決 定 に参 加す るこ とで 地域 に とっ て望 まし い 開発 が 行 える とい う 考 えが 強 く なっ て きた。地 方 分権 を 進 める動 きや地域 の行 政 の決 定 過程 へ の参加 の 進 展が みら れ る。 こ の よう 中 で従来 型 の地 域 開発 が必 ずし も地域 の理 解 を得 ら れない 事 例が 増 えて き てい る・≒ 行 政 につい て い えば今 そ の効 率性 と透明 性が 問 われて い る。 効 率的 な行 政 を行 う た めニ ュ ーパ ブ リ ッ クマ ナジ メント の 考 え方が 多 く の自 治体 に取 り入 れら れてい る。 国 にお いて も行 政 評 価 をす す めて お り将来 の成長 を期 待し た開 発が 合 理的 とは判 断 さ れない 事 例 もで て きてい る。 また 適切 な評 価 を行 い そ れを施 策 の実施 に反 映 さ せ るた めに は適 切 な情 報 の公 開 が必 要で あ る。 国 にお い て も 情 報 公 開 が 法制 度化 さ れてい る。 過去 こ の ようなし く みが無 い 中で 進 められて きた従来 型 の地 域開 発 は情 報 公 開を ふ まえ た評 価 の中 で その適 正 さ を自ら示 す 必 要に せ まら れてい る。 こ の よう に我 が 国 の従来 型 の地 域 開発 はその 前提 が くず れつつ あ る とい え よう。 3) 発 展途 上国 に おけ る地 域 開発 をと り まく状況 と課 題 我 が国 の 従来型 の 地域 開発 を とり まく状 況 と課題 は2) に述 べ た とお りで ある。そ れで は、我 が 国 で は課 題 が多 い とし て も発展 途 上国 に おい て は従来型 の地 域開 発 は依 然 とし て有効 で 過 去 の我 が 国 の経 験 はスト レ ート に適 用 す るこ とが で きる のであ ろ うか。 以 下 こ の点 につ いて 述べ る。( 良 き統治) 発 展途 上国 の 発展 のた めに「良 き統 治」(GoodGovernance) 自")が不 可欠 と考 え ら れて い る。 こ の 良 き統治 に は民主 主義 の確立 と政府 の 統 治能力 の向 上 の両 方 の側面 があ る。 発 展途 上 国 の発 展 の た めに なさ れ た多 くの 支援 が必 ず し も有効 に機能 しな かっ た 背景 に こ の良 き統治 の 欠如 が あっ た と考 えら れ る。発 展途 上国 の 地域 開 発 につ い て も同 様 と考 えら、 民主 主 義 が確立 され てい な け れ ば参 加 は機 能 せ ず また腐 敗 も放 置 さ れた ま まに な る。一 方で 統 治能 力 が不 足 の ま まで あ れ ば必 要 な行 政 サ ービ スは提 供 され ない。 こ の良 き統 治 は一般 的 な概 念 であ る とし て も、 発展 途上 国 の地 域 開 発に具 体 的 に適 用 す るた め に は後 で 述 べ る ように その国 固 有 の歴 史 や制度 などの 条件 が重 要 な要 素 と考 え られ る。 し た がっ て我 が国 は一 定水 準の 良 き統治 を 確 立し て い ると考 えら れ るが、 それ をそ の まま直 ちに す べ ての 国 に適 用 で き る わけで はない。( 分権 と地 域 の重 視) 発 展途 上 国 にお いて も国 内 の各 地域 に は大 き な多 様性 と格差 があ り、 また 社 会開 発 と いっ た 住民 に直 結 し た政策 に つい て はよ り地 域 のニ ー ズが反映 で き る こ とが 適切 で あ る'.-lij。従 来型 の地 域開 発 にお い て は大規 模 な経 済開 発 に より国 全 体 の発 展 を めざ し た こ と、分 権 を進 め るこ と は国 の統 合 に 支障 が あ るので は とい う懸 念 また 地域 レ ベ ルの行政 能力 が十分 で ない こ とか ら分権 や 地 域 を重 視 し た開 発 は か な らずし も行 わ れ て こ な かっ た が、 上 述 の とお り地 域 特性 を ふ ま え た地 域 の イ ニ シ ア ティブ と連携 が より必 要 となっ て い る。 同 時 に地 方 分権 とその た めの地 方 政府 の 強化 が 必 要 とな っ

(8)

金子 :発 展途 上国 にお け る地域 開 発のガ イド ライ ンの 提案 に関 す る研究 (そ のI) 一 研究 のパ ー スペ クテ ィブ とカ ンボデ ィアに おけ る予 備調 査− 121 て い る 。 我 が 国 の 地 方 公 共 団 体 は 高 い 行 政 能 力 を 有 し て い る が さ ら に 地 域 の 自 立 の 重 視 と地 方 分 権 の 推 進 が 行 わ れ て い る 。 発 展 途 上 国 に お い て は 国 に よ っ て 状 況 の 違 い が 大 き い た め 我 が 国 の 経 験 が ス ト レ ー ト に 適 用 で き る と は考 え ら れ な い が 、 我 が 国 の 地 方 公 共 団 体 の 様 々 な 取 組 は 発 展 途 上 国 の 地 域 開 発 に 対 し て 有 益 な 示 唆 を あ た え る も の と 考 え ら れ る 。( 弱 者 へ の 直 接 寄 与 の 必 要 性 と 参 加) 従 来 型 の 地 域 開 発 に お い て は 国 全 体 の 成 長 が 結 果 とし て 国 民 全 体 の 生 活 の 向 上 に 結 び つ く こ と を 前 提 と し て い た 。 こ の こ と は 上 に 述 べ た よ う に か っ て は 成 果 が あ っ た こ と は 事 実 で あ る が 、 発 展 途 上 国 に お い て 特 に 支 援 を 必 要 と し て い る 女 性 、 貧 困 層 な ど 弱 者 へ の 直 接 的 な 支 援 に は 迂 遠 で あ る と の 批 判 が で て い るtJ-:12)。 ま た 社 会 開 発 に 中 心 を 置 く場 合 上 か ら の 開 発 で は な く 、 参 加 に よ る 自 主 、 自 立 的 な 開 発 が よ り 効 果 的 で あ る と 考 え ら れ る 。また 、こ の 場 合 政 府 と 同 時 にNGO の 果 た す べ き役 割 が 大 き い 。 我 が 国 に お い て は、 発 展 の 状 況 の ち が い か ら こ の よ う な地 域 開 発 は 一 般 的 で な い 。 ま た 、 コ ミ ュ ニ テ ィ レ ベ ル の 開 発 に お い て は 我 が 国 に お い て も 発 展 途 上 国 に お い て も 参 加 型 開 発 が 進 め ら れ 成 果 が 得 ら れ て い る が こ こ で い う 規 模 の 地 域 開 発 に お い て は ど の よ う に 参 加 を 確 保 し て い く か は さ ま ざ ま な 試 み が な さ れ て い る段 階 で あ る。 少 な く と も 現 在 行 わ れ て い る我 が 国 の 地 域 開 発 が 直 ち に こ の 面 に お い て 発 展 途 上 国 に 適 用 で き る わ け で は な い 。( 環 境 と 持 続 可 能 な 開 発) 上 で も 述 べ た こ と で あ る が 従 来 型 の 地 域 開 発 に お い て は 成 長 の 成 果 が 社 会 開 発 や 環 境 改 善 に 寄 与 す る と の 前 提 で あ っ た 。し か し 発 展 途 上 国 の 開 発 に お い て も環 境 問 題 が 成 長 の ネ ッ ク と な っ て お り 、 さ ら に 地 球 環 境 問 題 や 広 域 的 な 環 境 間 題 も さ け て 通 れ な い 。 し た が っ て 、 社 会 経 済 、 環 境 の 持 続 可 能 な 開 発 注l3)が 不 可 欠 と な り地 域 開 発 の あ り 方 も 従 来 型 か ら 変 わ る こ と を 迫 ら れ て い る。 上 述 の と お り 我 が 国 の 現 在 の 地 域 開 発 に お い て は 環 境 保 全 は 重 要 な 位 置 付 け が な さ れ て い る 。 我 が 国 の 環 境 保 全 の た め の 取 組 の 成 果 は 発 展 途 上 国 の 地 域 開 発 に 大 き な 貢 献 を な し う る。 し か し 、 発 展 途 上 国 に お い て 持 続 可 能 な 環 境 を ふ ま え た 地 域 開 発 を行 う た め に は 各 種 の 条 件 が 大 き く 異 な る こ と か ら 我 が 国 の 経 験 が そ の ま ま 適 用 で き る わ け で は な い 。( 市 場 経 済 の 重 視) 発 展 途 上 国 に お い て は 従 来 政 府 主 導 の産 業 化 が 進 め ら れ る の が 多 か っ た 。 従 来 型 の 地 域 開 発 も そ れ を ふ ま え た も の で あ っ た。 し か し 、 現 在 多 く の 発 展 途 上 国 で 市 場 経 済 化 が 進 め ら れ て い る。 国 主 導 の 産 業 開 発 の 行 き詰 ま り か ら 市 場 経 済 の 導 入 に よ る発 展 が 図 ら れ て い る 。 し た が っ て 地 域 開 発 の 枠 組 み が 大 き く か わ り つ つ あ る 。 こ の 場 合 、 市 場 経 済 が 円 滑 に 機 能 す る た め に は そ の た め の 法 制 度 の 整 備 や 政 府 に よ る適 切 な 運 用 が 不 可 欠 で あ る。 し た が っ て 市 場 経 済 に 対 応 し た 政 府 機 構 / 人 材 育 成 が 必 要 と な るa;14)。 こ れ ら に つ い て 多 く の 発 展 途 上 国 で は 未 だ そ の 途 中 に あ る と い え る。 こ の よ う に 発 展 途 上 国 に お い て 市 場 経 済 化 の 中 で の地 域 開 発 と い う 従 来 と 異 な る 開 発 の あ り 方 が 求 め ら れ て い る 。一 方 、現 在 の 我 が 国 は 基 本 的 に市 場 経 済 が 定 着 し た 中 で の 地 域 開 発 を 行 っ て い る。

(9)

122 国際 地域 学研 究 第6 号2003 年3 月 我 が 国 の地 域開 発 の成果 は発 展途 上国 に貢 献 する面 が 大 きい とし て も その まま直 ち に適 用 で きる わ けで はない。 以 上 の とお り発 展途 上国 に おい て も地 域 開発 を めぐる環 境 は大 きく変化 し つ つあ り、 従 来型 と は 異 なる 地域 開 発が必 要 となっ てい る。 また、 我が 国 の地 域開 発 の経 験が 貢献 で きる 分野 が 大 きい が 必 ずし もわが 国の 経験 は直 接 適 用で き ない面 が多 い と考 え られ る。 こ の点、 歴史 的 な 経緯 を ふ まえ た我 が 国 の地 域開 発 の成果 を 総括 し 、我 が国 の経 験 の中で 何 が今 日 の発 展途上 国 の 地域 開 発 に適 用 、 貢 献 し 得 るか は大 き な研究 課 題で あ るsi;)。 注1 ) 国 の 新 全 国 総 合 開 発 計 画 に 基 き6 箇 所 の 大 規模 工 業 基 地 開 発 が 計 画 さ れ た が 、そ の う ち 苫 小 牧 東 部 、む つ 小 川 原 の 大 規 模 工 業 基 地 プ ロ ジ ェ クト が 実 施 さ れた が 、 状 況 の 変 化 に よ り大 幅 な 見 直 し を 迫 ら れ てい る 。 こ の こ と も12 ) に 示 す こ と の証 左 で あ る。 注2 ) 例 えば 韓 国、 メ キシ コ、 タ イ な ど に 臨 海 工 業 地 帯 が 形 成 さ れた 。 た だ し 、 メ キ シ コ 、 タ イ に つ い て は我 が 国 と異 な り 国 内 資 源 を 利 用 し た 輸 出 指 向 の工 業 開 発 で あ る 。 い ず れ に せ よ大 き な 成 果 を え て い る 。 注3 ) こ の 段 階 に お い て は 参 加 、 情 報 公 開 は あ ま り考 慮 さ れ て い な か っ た 。 こ の た め 反 対 運 動 と い う 形 で 開 発 者 側 と地 域 住 民 の 対 立 が先 鋭 化 し た ケ ー ス も 少な く な い。 注4 ) 低 賃 金 、 過 剰 労 働力 とい う 構 造 を 脱 却 す る こ と は地 域 開 発 の目 的 で あ る 。 こ れ が 達 成 す る 中 で安 い 豊 富 な 労 働 力 は高 度成 長 の 中 で 人 手 不 足 、 高 賃 金 に変 わっ て い っ た 。 注5 ) 公 害 問 題 、 交 通 渋 滞 な ど が あ げ ら れ る 。 注6 ) ア ジ ア の 新興 工 業 国 の工 業 化 に と もな う 工 業 製 品 の我 が 国 へ の 輸 出 が こ の例 であ る 。 例 え ば 鉄 鋼 が あ る。 当 初 は 我 が国 の 協力 に よ り ス タ ー ト し た 韓 国 、 中 国 の製 鉄 は 今 や世 界 の ト ップ ク ラ ス に な っ てい る 。 注7 ) 大 都 市 近 郊 の 住宅 団 地 は 人 口 の 都 市 集 中 対 策 とし て建 設 さ れ た が 高 齢 化 、 人 口 減 少 に 直 面 し てい る 個 所 も 少 な くな い 。 注8 ) 内 閣 府 政 策 統 括 官 ( 経 済 財 政 一 経 済 社 会 シ ステ ム担 当 ) 編 「 日 本 の 社 会 資 本 世代 を 超 え る スト ッ ク 」 平 成14 年 財務 省 印 刷 局 刊 に よ る と 公 的 社 会 資 本 の維 持 更 新 費 の 投 資 全 体 に占 め る 割 合 は2005 年 度 に は49 ∼53 % 、2015 年 に は80 ∼89 % と推 計 さ れ て い る 。 こ の 本 で は こ れ を 小 さ くで き る 可 能 性 が あ る もの の い ず れ に せ よ維 持 更 新 費 は 高 度 成 長 期 に 蓄 積 さ れ た 社 会 資 本 が 更 新 期 を 迎 え る こ と に よ り 増 大 し て い く傾 向 にあ る と指 摘 し て い る 。 注9) 地 域 に 負 の影 響 が 懸 念 さ れ る 発 電 所 や 空 港 な ど の 施 設 に つ い て 、 そ れ を 核 とし た 地 域 開 発 が 地 域 の 賛 同 を 得 ら れ な い ケ ー ス が あ る 。 注10 )TheAidStudyCommitteeonParticipatoryDevelopmentandGoodGovernance “ParticipatoryDevelop-tnentandGoodGovernance"JapanInternationalCooperationAgency1995 注H ) 後 で 述 べ る が カン ボ デ ィ ア の「 第2 次 社 会 経済 発 展 計 画2001 −2005 」(SecondSocioeconomicDevelopmentPlan2001-2005) に お い て こ の こ と が 強 調 さ れ て い る

注12 )TheWorldBank “AttackingPoverty(WorldDevelopmentReport20 }0/2001)"OxfordUniversityPress2001

注13 )OECD “TheDACGuidelinesStrategiesforSustainableDevelopmentInternationalDevelopment"OECD2001

注14 ) 注10 ) と 同 様

注15) 国 の 国 土 計 画 につ い て は 多 く の 研 究 が あ る が県 総 合 計 画 に つ い て そ の変 遷 も 含 め た 研 究 は 過 去 い くつ か 行 わ れ て い る が 最 近 の も の は少 な い 。 例 え ば 角野 幸博・今 井 良 広「 都 道 府 県 総 合 計 画 の変 遷 に 関 す る 研 究 ―兵

(10)

金 子: 発展 途上国 にお け る地 域開 発 のガ イドラ イン の提案 に関 す る研究 ( その1 ) 一研 究の パー スペ ク ティブ と カン ボディ アにお け る予備 調 査− 庫 県 総 合 計 画 を 事 例 に 一 」 計 画 行 政 第21 巻 第3 号 平 成10 年 が あ る。 123 2 発 展 途 上 国 の 地 域 開 発 に 今 日 求 め ら れ る も の1 )発 展途 上国 の 地域 開発 に今 日求 めら れる5 つ のポ イ ント 上 に述 べ た とお り従来 型 の 地 域 開 発で は 今日 発 展途 上 国 の地 域 開 発-an に求 め ら れてい る 問題 へ の対応 は困難 であ る。 また、我 が国 の 従来 の 経 験が直 接適 用 で きる わ けで は ない こ とも述 べ た とお りで あ る。前 章3 ) を再 整理 する と以 下 の3 点 が必 要条 件 とな る。 すな わち 、 ① 経済 ・ 社会・ 環 境 の持 続可能 性 ② 制度 ・ 組織、 評 価 と情報 公 開 ③ 分権 と多 様 な主 体 の参 画 であ る。 これを 実際 の地 域 開発 に適 用 する た めに は次 の2 点 が重 要 にな る。 す なわち 、 ④ 単 に計 画時点 におい て 参加 を はか るの で はな く、 実 施段 階 にお い て も常 に多 様 な主 体が 参加し 進 捗 を評価 し そ れをフ ィ ード バ ッ クし なが ら 開発 を行 って い く漸 進的 アプ ロ ー チ ⑤開 発過 程 をブ ラッ ク ボッ ク ス化 し ない た めの 開発 にお け る適正 技 術 が必 要 で ある。以 下 各々 につい て 述 べ てい く。 なお 、 この5 点 は発 展途上 国 の 地域 開発 だ けで はな く我 が 国 の地 域開 発にお い て も考慮 さ れる べ き もの と考 え る。 2 )経 済・ 社会 ・環境 の持 続 可能性 今日 、持 続可 能 な開発 という こと が開 発 にあ たっ て先 進国 、発展 途 上国゜2)共 通に最 優 先 の課題 と 考 え ら れてい る。 従来型 の地域 開 発 にお い て は上 述の とお り、 そ の効 果 に のみ 着目し 同 時 に生 ず る 副 作 用 と もい うべ き面 に留 意 し てこ な かっ た傾 向 があ る。 例 え ば大 規模 な森 林 伐採 に よ る農 業 開発 や 環境 に 配慮 し ない観光 / 工業 開 発 な ど は開発 の 結果 回復 不 可能 な 影響 を地 域 に もた らし、 こ れ が さ ら な る開発 の阻 害要 因 にな る場 合 な ど があ げ られる。 これ は まさ に持 続 可能 な開発 の対極 で あ り 我 が国 に おい て も発展途 上 国 にお い て も容 易 に みら れる事 例で あ る。 世 界銀行 は今日 の世 界 の開 発 の課 題・31は「持 続 可能 な開 発 」だ とし て、 その た めに は長期 的 な視 点 を持 ち 直ち に行 動 す る必 要 が あ る、 そ の行 動 として 、①多 分野 に ま たが る行 動 が必要 な こ と、 そ のた め に制度、 組 織 といっ た 社会 の枠 組 み を変 えてい く こ と、 ②人 々 の声、 特 に周 辺部 に い る人 々 の発 す るサ イン を早 く聴 く こ とが後 に なっ て大 きな危 機 を招 か ない た めに必 要 であ る こ と、 ③ 諸利 害 の バ ラン スを とる こ と、 ④ 実行 に 移 す こ とさ らに⑤ より 広 い参 画 を 確保 す る こと、 こ のた めに は 民 主化 が必 要な こ とな どをあ げ てい る。 以 上の よ うな政 策提 言 を ふ まえて 実 際 の地 域開 発に おい て どの よう な具 体的 な 方法 を とる べき か あ るい はそ のた めの指 標、 デ ータに つ い て は後で 述 べ る。

(11)

124 国際地 域 学研 究 第6 号2003 年3 月 3 ) 制 度 ・組 織、 評価 と情報 公 開 現 在 ソー シ ャル・キャ ピタ ルに が発 展途上 国 の開 発 に重 要 な役 割を果 たし てい る と考 え ら れ て い る。 まだ 概念 とし て 確立 し た とはい い が たい が、世 界銀 行白口こよれ ば、相 互 の信 頼、社 会的 ネ ット ワ ー ク、 価値 の共 有、 規 範あ る い は宗 教 といっ た ものが 含 まれる とさ れ てい る。 こ れら は社 会 の基 底 をな す もの であ る が、伝 統的 、非 公式 的 な ものと考 え ら れる。上 述 の報 告書 に よ れば ソ ーシ ャ ル・ キ ャピ タ ル と公式 的 な制度 ・ 組織 が あい まっ て人々 の行 動 を調 整し てい る と考 え ら れる。 こ れら が 持続 可 能 な開 発 の一 つの 要素 に な るが、 本報 告書 で は より操 作可 能 な組 織 ・制 度 に焦 点 をあ て る。 上 に 述 べた とお り良 き統治 が地 域 開発 のよ り適 切 な実 施 に不 可欠 であ る。 その うち 、民 主 主 義 と い う 側 面 から は、 開発 に関 する必 要 な情 報 が公開 さ れてい るこ と、 そ の情 報を ふ ま えて 開発 主 体 だ けで な く地 域 におい て も評 価 が可 能 な こ とそして そ れが 開発 に反 映 さ れる こ とが求 めら れる 。 こ の こ とを 前提 とし た 開発 が適 切 かつ 効 率的 に行 わ れなけ れば なら ない。 それ を保証 す る ものが 制 度 や 組 織 で あ る と考 えら れる。 制度 や 組 織 といっ て も公式 的 な もの から非 公 式的 な もの まで様々 な もの があ る。 草 の根 レベ ル の開 発 であ れば公 式的 な制 度・ 組織 より も コミ ュニ ティ の伝 統的 な社 会的 な ネッ ト ワ ー クや ル ールが 重 要 で そ れに よる開 発が 最 も良 く機 能 する が、 本研 究 で対 象 と する 地 域 開 発 はそ れ より も大 きな ス ケー ルを 対 象 とす るた め公的 な制 度 や組 織 が必 要 とな る と考 えら れる。 4) 分 権と多 様 な主 体の 参画 現 在、 多 く の発展 途上 国 で地 方 分権 化 が進 めら れて い る。 多 様 性が あ り 異な る課 題 を抱 え てい る 地 域 の 開発 を国 だ けで 進 める こ とは で きないし 、 また 地域 の イニ シ アテ ィブ が なけ れ ば持 続可 能 な 開発 は行 わ れな い。 こ の ため に は地域 の イニ シア ティ ブ によ り開 発 を行 うた め計 画 や 実施 の手 段 、 内 容 や 参加、評価 、情報 公 開 を含 む手 続 、関連 す る行政 との関 係 な どを規 定 する公 的 な制度 ゜6)の確 立 が 不可 欠 であ る。 また、 そ の中 に は伝 統的 な もの も含 む非 公 式 的 な制 度 との連 携 も含 まれ る必 要 が あ る。 組 織 につい て は、 まず当 事者 能力 を もつ地 域 の行 政組 織 の確 立 が重 要で あ るが、 同 時 に民 間 企業 、NGO な ど民間 非営 利 団 体に 、地域 の 住民組 織 な どが共 同 のプ レ イ ヤー とし て参 加 す る こ と で 地 域開 発が 実 現 さ れる。 こ の こ とによ り地 域へ の分 権 と多 様 な主 体 の地域 開 発 への 参加 が確 保 さ れるが、 現 実 に は発 展 途 上国 にお い て は地方 の行 政 機構 や 地域 社会 は必 ずし も地域 開発 を推 進 す るた めの 十分 な能 力 を もた ない こ と、地 域 におい て は開発 の た めの 独自 の資金 が ない こ とが 指摘 さ れ地 域の イ ニ シア テ ィブ を 確保 し つ つ こ れらを 解決 し てい く こ と注s)が大 きな課 題 となっ てい る。 5 )漸 進的 ア プ ロ ーチ 今 日、 世界 的 に市 場経 済化 が 進 ん でい るこ と、 情 報技 術 の発 達 と普 及 が著し い こ とか ら発 展 途 上 国 の一 つ の地 域 とい え ど もと り まく社 会 経済 環境 はかっ て の よう な タイ ムラ グを もつ こ とな し に 急 速 に 変化 し うる。 この こ とは大 きな メリ ット を もたらし うるが 同時 に陳腐 化 も早 い こ とを意 味 し長 期的 に 確た る見 通し を もつ こ とが 困難 に なる。 従来 型 の地 域開 発 は この よう な状 況 を前 提 とはし て

(12)

金子: 発展 途上 国に おけ る地 域開 発 のガ イドラ イ ンの提案 に関 す る研 究( そ の1 ) 一研 究 のパ ースペ クティブ とカ ンボ ディ アに おけ る予 備調 査− 125 い ない。 また、上 述2) ∼4) に述 べた よう に 、 つ ねに地 域 の評 価 をふ ま えフ ィ ード バ ッ クas)し なが ら地 域 開 発 を進 めてい くこ とが求 めら れて い る。 さ ら に、開 発の 規模 が拡 大 し た こ とに より環 境 への影 響 が広 範 か つ大 規模 化し て い る。 さ らに地 球環境 の問題 な どの よう に個々 の開 発 で は大 き な影響 はない とし て も総 体 とし て大 きな影響 が出 る ものが あ る。この ような場 合 環境 への イ ンパ クトKW'は予 想し 難 い。さ ら に地域 開 発 の環境 へ の大 き な影響 の中 に は不 可逆的 な もの あ るい は回復 に 大 きなコ スト が か か る ものが 少な くない。 以 上 の こ とから ステ ップ ・バ イ・ ス テップ で 実施 の 結果 を評 価し つ つ柔 軟 に対 応し て 進 めてい く 地 域開 発 の進 め方 が提 案さ れ る。 た だし 、 個別 事業 にお い て は途中 で 中止 あ る い は大 幅 な変 更 を行 う こ とに よ り既に 実施 し た事業 が全 く無 駄 に な る、極端 な場 合 取 り壊 す こ とに な る場 合 も想 定 さ れ る。この よう な問題 注u)も含 めて具 体 的 な漸 進的 ア プロ ーチ に よ る地 域開 発 の進 め方 につ い て はなお 今 後 の課 題 と考 えら れ る。 考 え 方 の方向 につ いて は後 で のべ る こ とと す る。 6) 開発 に おけ る適 正技術 この よう な地 域開 発 のた めの 予測 、 計 画策 定、 評価 の た めの技 術 は 従来 か ら開発 さ れ先 進国 に お い て も発展 途上 国 におい て も実 際 に活 用 さ れて い る。 将来 の地 域 の経 済 の予測 のた めに は計量 経 済 モ デ ル注il)が利 用さ れてお り 、また こ の モデ ル を用 いて様々 な政 策 の比較 も可 能で あ る。また こ のよ う な将 来 の経 済予 測 を 前提 に交 通量 の予 測に が 行 わ れそ れ に も とづ い た交 通 プ ロ ジェ ク ト が計 画 さ れ る。さら にこ れら を も とに し たプ ロ ジェ クト の経済 的、財務 的 妥当 性 の評 価 手法 は標 準化 注i4)さ れ実務 的 に も必 須 の もの となっ て い る。 この よう な計 画 技術 につい て は、 コ ンピ ュ ータ ー の能力 向 上 とあい まっ てさ ら なる開 発 が すす め ら れてい る。 我 が国 の ような 先進 国 にお いて は精 度 の よい 社 会経 済デ ー タが 過去 か ら時 系列 に整 備 さ れ、し か も国全 体 の みな らず市 町村 段階 まで多 くの デ ータ が容 易 に 入手 で き る“15)。また環 境 に関 す るデ ータ や 国土 に関 する詳細 なデ ータ も整備 さ れて い るtt!6)。 し かし な がら この よう な計画 技術 は本 研 究で 対 象 とし て い る発展 途 上国 の地 域開発 、し か も分 権、 参 加 を前提 とし持 続的 開発 を ス テップ ・ バ イ・ ス テップ で 進 めて い くた めに は必 ずし も適切 とはい え な い。 そ れに は以 下 の4 つ の問題 点 が 指 摘さ れる。 ① 我 が国 の よう な先進 国 で は統計 調 査 の シス テム が完 備し てお り多 くの 社会 経 済統 計 が市町 村 段 階 か らの積 み上 げで つ くら れ てい る。 この 結果国 全 体 の みな らず 地域レ ベ ルで も精度 の良 い デー タが あ るが発 展途 上国 で は国 勢 調 査&m は別 とし て もか なら ずし もそう で はな い。し た がっ て推計 に より 全国 の デー タが 得 ら れて も地 域レ ベ ルで は得 ら れな い こ とが あ る。 ② 発 展途 上国 で は地 方分 権 を進 めて い る が必 ずし も地 域で 高度 な 専門 家 が常 に得 られ るわ けで はない 。この 結果 地域 のイ ニ シ アテ ィブ といい つつ 外部 専 門家 が 作成 し た計 画柱l5)を地域 が十 分 咀 囃 す るこ とな くうけ とる こ とと な る。 ③ 参加 を前提 とし た 開発 を行 う場 合 可能 な 限 り計 画 の ブ ラッ ク ボッ ク ス化 はさ け る必 要 が あ

(13)

126 国 際 地 域 学 研 究 第6 号2003 年3 月 る。 一 方で モ デル化 する場 合 は現実 を良 く再 現で きる こ とも重 要で あ る。 こ れに対 し て比 較 的 わ か りや す く 操 作 し や す く デ ータ の 精 度 も余 り 要 求 さ れ ない シ ミュレ ー ショ ン モ デ ル が 開 発注li)lさ れ てい るが汎 用的 に実 用化 さ れ るに は至 っ てい ない 。 ④ 地 域 の社 会 的 なつ な が り とい っ た質 的 デ ータ は そ れ自 体価 値 が あ り抽 象 的 な定 量 化ttai)は有 効 とは考 え られ ない。 一 方地 域 の フィ ジカ ルな環 境 の よう にあ る程 度 標準化 が可 能 な分 野 に つ い て は既 に取 組が なさ れてお り、 さ ら にマッ ピ ン グ もな さ れて お り有効 な手 法 と考 えら れ る。 こ のよ うに発 展途 上 国 の地 域 開発 の計 画作成 におい て採 用 さ れる べ き手 法 は多 くの ば あい 、 従来 の 方法 論 の直 接 的 な適 用 で はな く、上 記 の諸点 をふ ま えた開 発 特に 計画 技術 にお け る適 正 技術 が必 要 と考 え られ る。 た だし、 本 研究 にお い て は適 正 技術 の 開発 まで はめざ さ な い。 注1 ) 上 で も整 理 し た が 国 際 協 力 事 業 団 は 地 域 総 合 計画 と い う 名 称 で 発 展 途 上 国 の 地 域 開 発計 画 作 成 を 支 援 し て き た 。 経 緯 と 考 え 方 は国 際 協 力 事 業 団 社 会 開 発調 査部 「 地 域 総 合 開 発 計 画 調 査 標 準 要綱 改 訂 版 」 平 成14 年3 月 に 簡 単 に 述 べ ら れ て い る。 注2 )1992 年 リ オ デ ジ ャ ネ イ ロ で 開 催 さ れ た 国 連 環 境 開 発会 議 で 採 択 さ れ た ア ジェ ン ダ を ふ ま えOECD (経 済 協 力 開 発 機 構 ) が1995 年 に21 世 紀 の戦 略 とし て採 択 さ れ た。 さ ら に2002 年 南 ア フ リ カ で 開 催 さ れた 国 連 環 境 サ ミ ッ ト の テ ー マ と な っ てい る 。 注3 )TheWorldBank “SustainableDevelopmentinaDynamicWorld-TransformingInstitutions,Growth,andQualityofLife"2002OxfordUniversityPress 注4 ) 国 際 協 力 事業 団 国 際 協 力 総 合 研 修 所「 ソ ー シ ャ ル・キ ャ ピ タ ル と 国 際 協 力 − 持 続 す る 成 果 を 求 め て 」2002 年 国 際 協 力 事 業 団 国 際 協 力 総 合 研 修 所 に ソ ー シ ャ ル ・ キ ャピ タ ル と は 何 か ま た こ れ に 特 に 配 慮 し た プ ロ ジ ェ ク ト の 例 が 示 さ れ て い る。 注5 ) 注3 ) に同 じ 注6) 公 的 な 制 度 とし て は我 が 国 で は 国 の 法 律 、 地 方 公 共 団 体 の 条 例 お よ び こ れ ら を受 け た 政 令 、 省 令 、 規 則 な ど が あ る 。 我 が 国 で は 現 在 参 加 型 開 発 に よ る まち づ く り の た め 市 民 立 法 とい う こ と で ま ちづ く り条 例 を 制 定 す る 動 き が 活 発化 し て い る。 こ の た め の 手 法 や 事 例 な ど は 例 え ば 高 橋 秀 行 「 協 働 型 市 民 立 法 」2002 年 公 人 社 刊 な ど に詳 し く 紹 介 さ れ て い る が 、ど こ ま で 法 制 度 とし て 規 定 す る か は 後 の 議 論 に 譲 る が こ こ で は、 地 域 の イ ニ シア テ ィブ に よ る 地 域 開 発 を 制 度 とし て 明 確 に 位 置 付 け る 立場 か ら 国 の 法 律 を 念 頭 に お い てい る。 特 に 発 展 途 上 国 に お い て は 地 方 分 権 は そ の初 期 段 階 で あ り 、 枠 組 み を 国 の 法 制 度 へ 位 置 付 け る こ と で 地 域 の イ ニ シ ア ティ ブ が 発 揮 さ れ る 。 注7 ) 国 に よっ て は国 際 機 関 な ど の 援 助 機 関 も 含 む こ と に な る 注8 ) 地 域 開 発 の た め の資 金 が ない こ とが 最 大 の 問 題 で あ る 場 合 が 少 な く な い 。 た だ し 、 国 家 資 金 と海 外 か ら の 援 助 お よ び 外 国 の民 間 資 本 と い っ た 資 金 源 は不 可 欠 で あ る が そ れだ け で は自 ら の イ ニ シ ア テ ィ ブ に よ る 地 域 開 発 ( 通 常 開 発 の オ ー ナ ー シ ッ プ と い わ れ る) に は な ら な い 。 注9 ) ニ ュ ー ・ パ ブ リ ッ ク ・ マ ネ ジ メ ン ト と よ ば れ 、 欧 米 で 普 及 し て きた が我 が 国 で も 最 近 に な っ て こ の 考 え 方 が 広 ま っ て き た 。 こ れ に つ い て は 例 え ば 大 住 荘 四 郎 「 ニ ュ ー ・ パ ブ リ ッ ク・ マ ネ ジ メ ン トI1999 年 日 本 評 論 社 刊 な ど に示 さ れ て い る 。PFT も こ の 考 え 方 の 一 環 で あ る 。 注10 ) 我 が 国 はじ め先 進諸 国 で は環 境 ア セ ス メ ン ト が 制 度 化 さ れ て い る 。 また 。 発 展 途 上 国 へ の援 助 に お い て も 環 境 へ の 配 慮 は大 き な 要 素 で あ る 。 環 境 へ の 影 響 の 予 測 に つ い て は様 々 な 技 術 開 発 が な さ れ手 法 と し て は 確 立 し つ つ あ る。 し か し 厳 し い 自 然 条 件 の とこ ろ が 多 く ま た 十 分 な デ ー タ の 蓄 積 が な い 発 展 途 上 国 に お い て は こ の よ う な場 合 で な く て も的 確 な 環 境 予 測 は 必 ず し も容 易 で は な い と考 え ら れ る 。

(14)

゛ で隨 匠 歴聯 習習

イ ボ ガ ン ド ラ インの提 案に関 す る研究 ( その1 ) ディ アにおけ る予 備調 査 一 127 注 川 実 際 、 我 が 国 で は公 共 事業 の 見 直 し に お い て こ れ ま で の投 資 の 扱 い が 議 論 の 焦点 に な ゜ て い る ゜ 注12 ) 多 く の地 域 計 量 経 済 モ デ ル が 地 域 計 画 や 将 来 予 測 の た め に 利 用 さ れ て い る。UNCRD “QuantitativeToolsinEconomicPlanning:ApplicationandIssues"1999UnitedNationsCenterforRegionalDevelopment に お い て 我 が 国 お よ び ア ジ ア 各 国 に お け る利 用 と 課 題 が包 括 的 な 議 論 さ れ て い る。こ の 中 でNimalSiripala は ス リ ラ ン カ の 事 例 を あ げ 国 レ ベ ル は と も か く地 域 レ ベ ル のGDP 予 測 は デ ー タ が不 備 な た め に困 難 と し て い る。(pi10 ∼Ill ) 注13 ) 交 通 量 の 予 測 手 法 に つ い て は元 田 良 孝 他 「 交 通 工 学 」2001 森 北 出 版 ほ か多 数 の 教 科 書 に 示 さ れて い る が 実 際 の 交 通 計 画 も将 来 の経 済状 態 を予 測 し そ れ と交 通 の関 係 を 把 握 し て 将 来 の交 通 を 予 測 し て い る。 注14 ) 例 え ば 国 際 協 力 事 業 団 「JICA 事 業 評 価 ガ イド ラ イン 」2001 年 国 際 協 力 事 業 団 注15 ) 県 レ ベ ル ま で は ホ ー ムペ ー ジ で 詳 細 な 最新 デ ー タ が公 表 さ れ て い る。 さ ら に 、 こ れ を加 工 し た も の と し て 朝 日 新 聞 社 編 「2002 民 力 」2002 朝 日 新 聞 社 あ るい は 東 洋 経 済 「2003 地 域 経 済 総 覧 」2002 東 陽 経 済 新 報 社 が あ る。 また こ れ ら のCD-ROM 版 も 市 販 さ れ て い る。 注16) 我 が 国 で は環 境 省F 環 境 白 書 」 平 成14 年 が 公 刊 さ れ て い る ほ か 各 県 に お い て も同 様 の も の が 公 刊 さ れ て お り そ の 中 に 環境 に関 す る デ ー タ が 含 まれ て い る。こ の 他 こ れ ら は各 機 関 の ホ ー ム ペ ー ジ に公 表 され てい る。 注17 ) 例 え ば 後 で 述 べ る カ ン ポ デ ィ ア に お い て も 国 連 の 支 援 に よ り 国 勢 調 査 が 実 施 さ れ 公 表 さ れ て い る。NationalInstituteofStatistics,MinistryofPlanning"GeneralPopulationCensusofCambodia1998FinalCensusResults"1999NationalInstituteofStatistics.MinistryofPlanningFundedbyUnitedNationsPopulationFund こ こ で は市 町 村 レ ベ ル の 人 口 デ ー タ が 得 ら れ る 注18 ) 我 が 国 で も同 様 の状 態 で あ る と 指 摘 す る 意 見 は多 い が デ ー タ と し て は示 さ れ て い ない 。 し か し 、 こ の場 合 計 画 が 自 ら の イ ニ シ ア テ ィブ で あ る と の 認 識 が薄 く 実 効 性 に疑 問 が 出 る の は 当 然 で あ る。 注19 )国 連 地 域 開 発 セ ン タ ー に よ りREPLEX お よ びPANGIA とい う モ デ ル が 発 展 途 上 国 の 地 域 開 発 担 当 者 の

ト レ ー ニ ン グ用 と し て 開 発 さ れ た 。 例 え ば、UNCR )"GAMINGSIMULATIONE χERCISEFORSUSTAINABLEREGIONALDEVELOPMENTPANGIA"1998UnitednationsCenterforRegionalDevelopment

(UNCRD )が あ る 。 た だ し 研 修 用 に は有 効 で あ る と 評 価 さ れ て い るが 実際 の 計 画 へ の 適 用 は な さ れ て い ない 注20) 定 量 化 が で きな く て も構 成 員 の 認 識 が 明 確 で あれ ば コ ミュ ニ テ ィ レ ベ ル の 開 発 に お い て は 必 ず し も 大 き な 問 題 に はな ら ない 。 一 方 国 レ ベ ル で は 個 別 の 空 間 や社 会 的 っ な が り を 抽 象 化 し た レ ベ ル で 計 画 を す る た め 定 量 化 が容 易 で あ り かっ 有 効 で あ る。 地 域 開 発 は 本 研究 で 対 象 と す る 地 域 開 発 に お い て は そ の 中 間 で あ る ミで? 祐で で ツズ フ1 スyj ま社 会的 っ なが り を ど の よ う に抽 象 化 し 計 画 を す る か が問 題と な る。 こ れ に っ い 3 カ ン ボ デ ィ ア に お け る 社 会 経 済 計 画 と 地 域 開 発 の 現 状¨) 1 )カ ン ボデ ィア にお ける 社 会経 済計 画 一 第I 次社 会経 済 開発 計 画 カン ボ ディア にお い て は、 こ れか ら本 格的 な地 域開 発 の計 画 づ く りを行 う こ とにな るが、 まず は じ めに その前提 とな る国全 体 の社会 経 済開 発計 画 につい て述 べ る。 カッ ボ デ ィアにお い て は内戦 終 了 後 の復興 と開 発 のた め の努力 が な さ れて いる。 その た めの具 体 的 な計画 とし て1996年に第1 次 社 会経 済 開発5 か年 計 画1996-2000(FIRSTFIVEYEARSOCIOECONOMICDEVELOPMENTPLAN1996-2000 略称SEDP )が策定 さ れた。 こ の計 画 をふ ま え 国づ く りが 進 めら れた。計 画途 中 に起 こっ た国 内問 題 や災 害 な どあ り 必 ずし も目標 どお りに は進 まなか った が概 ね計 画し た方向 へ 前進 が みら れたむ 。

(15)

128 国際 地域 学研究 第6 号2003 年 丿月 こ の計 画 を引 き継 ぎ第2 次 社会 経 済発 展5 か年 計 画200ト2005 (SECONDFIVEYEARSOCIO-ECONOMICDEVELOPMENTPLAN200 ト2005 略 称SEDPII ) が2002年7 月 策 定 さ れ た。 本 計 画 は本 編 と付 編 の2 部 か ら なっ てお り、 本 編は総 論 で展 望、 目的 、 戦略 、政 策 な どが 示 さ れてい る。 付 編 は15章 から なっ てお り具 体的 な計 画内 容 と計 画 の モニ タ リン グ、 評 価 が述 べ ら れて い る。 この計 画 の 詳細 につ い て は本 報 告書 の 目的 から やや はずれ る ので別 途 報告 す るが、以 下 に基 本 的 な 方 向 や地 域 開発 に 関係 す る内容 を紹 介 す るtti>>。 国 の開 発 の目昨u, とし て は3 ゛Dヽ すなわ ち① 貧困者 に も寄与 し う る広 範 な経 済成 長、 ②社 会文 化 開 発お よ び③天 然資 源 の持 続的利 用 と適切 な 環境管 理 があ げら れてい る。 また 計 画案 の作 成as'にあ たっ て は① 国 際社 会 を含 む広範 な 関係 者 の参加 に 配慮し た こ と、② 過度 に 詳 細 な 計 画や 逆 に抽 象 過 ぎ る 計画 とな ら ない よ う配慮 し たこ とお よ び③ 計画 の 原 理 とし てI. よ り 高い 経 済成長 の方策 、2.貧困 の正 確 な原因 とそ れ に対 する 政府 の行 動、3. 政府 の 支出 の 優先 順 位 を 示 す こ と、4.政府 の政 策 の評 価 と そ の反 映 方法 を示し た とと もに5. 計 画案 の作成 にあ たっ て は主 要 な 関 係者 との協議 を お こなっ た こ とが あげ られる。 計 画 の量 的 な目 標 とし て経 済成 長(6-7 %)、貧困 削 減(36% から31 %へ)、12歳 で の就 学、識 字・ 計 算能 力(33 %か ら90% へ) な ど、 経 済、 貧 困 削減、 社会 開発 の 指標S6) があ げら れ てい る。( カン ボ デ ィア に おけ る地方 分 権 の推 進に) カ ン ボデ ィ アに おい て上 記 の目 標 を達成 する た めに は地 方分 権 が重 要 と考 えら れ、SEDPII に お い て そ の 方向 が示 され てお り、2002年 に市 町村 レ ベル の地方 分権 法 が制 定 さ れてい る。 また 地 方分 権 が 実効 性 のあ る ものに な るた め市 町村 の 強化 を はかっ てい く こ と とし て い る。 2 ) カ ン ポ デ ィ ア に お け る 地 域 開 発 の 体 系an! (地 方 行 政 と 中 央 政 府 の 関 係 ) ま ず 、 はじ め に カ ン ボ デ ィ ア に お け る 地 方 行 政 につ い て 概 観 す る 。 カ ン ボ デ ィ ア に は4 つ の レ ベ ル の 行 政 機 構 が あ る 。 す な わ ち 国 / 州 (Province )/ 郡 (District)/ 市 町 村 (Commune ) で あ る 。 こ の う ち 州 は 自 治 体 で は な く 国 の 機 関 で そ の 長 で あ る 知 事 (Governor) は 任 命 制 、 職 員 は 国 の 公 務 員 で あ る 。 州 に は 計 画 部 、 公 共 事 業 部 を は じ め と す る部 が 設 け ら れ 州 行 政 の 実 施 に あ た っ て い る が こ れ は 同 時 に 国 の 各 省 の地 方 組 織 とし て 位 置 付 け ら れ て い る 。 州 の 下 に あ る 郡 は 郡 長(DistrictGover-nor ) は 任 命 さ れ る が 実 質 的 な 権 限 は な い 。 予 算 制 度 は 、 国 道 の よ う に 国 自 ら 事 業 を 行 な う も の に つ い て は 各 省 が 予 算 要 求 し 経 済 財 務 省 か ら 配 算 さ れ る 。 州 の 予 算 は 経 常 経 費 と 資 本 的 経 費 に 分 か れ る 。 経 常 経 費 に つ い て は3 つ の 基 準 す な わ ち 各 州 共 通 の 基 礎 的 部 分 、 当 該 州 の 市 町 村 数 、 当 該 州 の 人 口 に よ り 国 か ら 配 算 さ れ る 。 州 道 の 整 備 の よ う に 州 の 行 な う 事 業 に 関 す る投 資 的 経 費 に つ い て は 州 の 各 部 が 原 案 を 作 成 し 、 知 事 が と り ま と め た 上 で 所 管 各 省 に 要 求 す る。 つ い た 予 算 は 各 省 を 経 由 し て州 に 配 算 さ れ る 場 合 と直 接 州 に 配 算 さ れ る も の が あ る が 、 い ず れ に せ よ一 度 ま と め て 各 州 知 事 に 配 算 さ れ る 。 各 州 知 事 は 要 求 内 容 、 実 施 能 力 、 国 の 政 策 と の 整 合 性 を勘 案 し て 各 部 に 配 算 す る 。

(16)

金子: 発展途 上国 にお け る地 域開 発 のガ イド ラ インの 提案 に関 す る研究 ( その1 ) 一研 究の パー スペ クティブ とカン ボディ アにお け る予備 調 査− 129 市 町 村 の 経 費 に つ い て は、 州 知 事 が 市 町 村 か ら の 要 求 を と り ま と め て 要 求 す る 。 た だ し ヽ 経 常 経 費 に つ い て は国 が す べ て を 負 担 し 、 直 接 経 済 財 務 省 か ら 市 町 村 に 配 算 さ れ る。 市 町 村 の 投 資 的 経 費 に つ い て は3 種 類 の 資 源 が 想 定 さ れ て い る。 第 一 は 国 の 資 金 、 第 二 は 国 際 機 関 、NGO 、 民 間 な ど に よ る 支 援 、 第 三 は 地 域 住 民 に よ る 貢 献 で あ る 。 こ れ は 必 ず し も資 金 だ け で は な く労 力 、 資 材 な ど も 含 ん で い る。 な お 、 国 か ら の 経 費 は 経 常 経 費 と 同 様 直 接 経 済 財 務 省 か ら 市 町 村 に 配 算 さ れ る 。 国 と し て は 市 町 村 の 分 権 を 進 め る 立 場 か ら 地 域 住 民 の 発 意 と貢 献 が 重 要 と 考 え て お り 、 地 域 住 民 の 貢 献 は 必 要 予 算 の10 ∼15 % を 占 め る に す ぎ な い が 自 分 の こ と は 自 分 で や る とい う こ と で 大 変 効 率 的 と考 え て い る 。 計 画 関 係 の 組 織 とし て は 国 に は 計 画 省 (MinistryofPlanning )が あ り そ の 中 に 計 画 総 局 (GeneralDirectorateofPlanning ) と 統 計 院 (NationalInstituteofStatistics ) が あ る 。 州 に も類 似 の 組 織 が あ り州 計 画 部 (ProvincialPlanningDepartment )、 そ の 下 に 計 画 課 (PlanningDivision )、 統 計 課 (StatisticsDivision ) が あ る 。 郡 に は 計 画 室 (DistrictPlanningOffice ) お よ び そ の 下 に 計 画 係 (PlanningSection )、 統 計 係 (StatisticsSection) が あ る。 (地 域 開 発 計 画 ) カ ン ボ デ ィ ア に お い て は 、 法 に 定 め ら れ た 計 画 とし て は 国 の 計 画 と 市 町 村 計 画 が あ り 、 州 レ ベ ル の 独 自 の 地 域 計 画 は な い 。 国 の 計 画 は 上 で 述 べ た 社 会 経 済 開 発5 か 年 計 画 で あ る。 さ て、市 町 村 は 独 自 の 開 発 計 画 を 策 定 す る こ と と さ れ て い る。市 町 村 開 発 計 画 はSEIRA プ ロ グ ラ ム に れ は ク メ ー ル 語 で 石 の 意 味 で 市 町 村 開 発 計 画 は あ た か も 建 物 の 礎 石 で あ る とい う 考 え を 表 し て い る) を も と に し て お り 、 分 権 化 を 進 め 、 貧 し い 地 域 、 貧 し い 市 町 村 に 焦 点 を あ て て い る 。 州 内 の 市 町 村 の 開 発 の た め に州 知 事 の 権 限 でPRDC (ProvincialRuralDevelopmentCommittee: 州 地 方 開 発 委 員 会 ) が 設 立 さ れ る 。 こ の 委 員 会 は 州 内 の 地 方 開 発 に 関 す る す べ て の 活 動 に 責 任 を も つ 。SEIRA プ ロ グ ラ ム に し た が っ て 毎 年 こ の 委 員 会 は 市 町 村 の 開 発 計 画 に 対 し て助 言 を 与 え る と と も に 公 共 事 業 部 な ど の 州 の 事 業 実 施 各 部 に た い し て も 助 言 を 与 え る 。 な お 、 こ の 委 員 会 に は す べ て の 関 係 者 が メ ン バ ー と な っ て お り 日 常 的 な 活 動 は 行 え な い た め 、 知 事 や 関 係 機 関 の 職 員 な ど か ら な る 幹 部 会 (ExecutiveCommittee ) を設 け 業 務 を 効 率 的 に 処 理 す る よ う に し て い る 。 各 市 町 村 毎 の 開 発 計 画 は 郡 単 位 で 取 り ま と め ら れ る と と も に 州 の 事 業 実 施 各 部 の 計 画 も 統 合 さ れ 、 郡 単 位 の 計 画(DistrictIntegratePlan ) が つ く ら れ る 。 こ の た め に 郡 単 位 で セ ミ ナ ー あ る い は ワ ー ク シ ョ ッ プ と い っ た 会 合 が も た れ る 。 こ の 会 合 に は 、 開 発 計 画 に 関 す る す べ て の 関 係 者 が 参 加 す る。 そ の 中 に はNGO 、国 際 援 助 機 関 、民 間 も 含 ま れ る 。郡 毎 に 集 約 さ れ た 計 画 が ま と め ら れ 州 と し て の 開 発 計 画 に な る 。 こ の よ う に 州 とし て は 各 市 町 村 に 対 し て 助 言 を あ た え る こ と 、 各 市 町 村 か ら あ が っ て き た も の を 集 約 す る こ と の 両 方 向 で 州 とし て 計 画 の 整 合 性 を 図 っ て い る。 3 )カ ンボ デ ィア にお け る地域 開 発 の動 向 (広 域的 な地 域 開発白>と社 会資 本 整 備に ) カン ボデ ィア にお け る広域 的 な地 域 開発 とし て は以 下 の もの が考 え ら れてい る。

(17)

130 国際地 域学 研究 第6 号2003 年3 月 ’成 長回 廊(プ ノン ペン∼ シタ\ヌ ー クビ ル間 の国 道3 、4 号線 沿 線 を中 心 とし、輸 出加 工 区 を 設 け産 業 振 興 を図 ろ う とす る ものでJICA で開発 調査 を行 なっ て い る) ゛カ ン ボデ ィア ゜タ イ国境 地 域 開発 ( タイ国 境 にあ るバ イ リン州 、 ポイペ ト 州、 ココ ン州 に輸 出加 工 区 を設 け カン ボ ディ アの低 賃 金 労働力 を使う とい う もの) ゛シェ ム リア ップ地 域開 発 ( アン コ ール ワッ トを核 とし た地 域 開 発。 現在 の とこ ろ総 合 計 画 が な く 現状 は虫食 い的 な 開発 が行 な わ れて い る) ・ ラ オ ス、 ヴェト ナム、 カン ボ ディ ア国 境地 帯 以 上 の よう な ものが 検討 さ れ てい る がい ず れも実現 に むけ て の課題 が 少 なく ない。 特 に実 現性 や 地域 に とっ て のメ リ ット が明 確で な い ことで あ る。 社 会 資本整 備 の状 況 につ い て概 観 す る と復 興段階 は終 わりつ つ あ りこ れ から どの よう にし てい く かが 大 きな問 題 となっ てい る。 この た め交通 に関し て 調査 が なさ れて い る。 税 収 増 もあ り以 前 に比 べて 公共 事業 運輸 省 の国 内財 源 に よ る投資 額 は増 加 し てい るが ガ ソ リン税 に よる 道路 特 定財 源 (道 路 維 持 にあ て る) は制度 は導入 さ れた が 実施 には至 っ てい ない。 道路 につ いて は基 本的 な復 興 は概 ね終 了 し、 現在 首都プ ノン ペ ンのバ イパ ス、 幹 線 道路 の橋 梁 な どが 主 な整備 対 象 と考 えら れ、 交通 量 か らみ てその 他 の地 方部 は今 後 の課題 で あ ろう。 鉄道 につ い て は現 在1 日7 便 運行 さ れてお り、 貨 物に つ いて は南線 は増 加 した が旅 客 は大 幅 に減 少し てい る。 港湾 につ い ては、 シ ハヌ ー クビ ル港 はコン テ ナが大 幅 に増 加し16 万TEU に達 し て い る が 製造 業 の 今後 の動向 や 道路 や 他港 との 競合 の可能 性 を考慮 す べ きこ とが 指摘 さ れ る。 首 都プ ノンペ ン 港 に つ い て は利 用 が低迷 し てい る が新 た な活性 化 のプロ ジ ェ クトが 進 んで い る。 河川 交 通 につい て は貨物 の 利 用 が急速 に 減少し て い るこ と から、 今 後 の対 応 につ いて 十 分考 え る必 要が あ る。 空港 に つ い て は、 地方 空港 の整 備 が提 案さ れ てい るが現 状 の利 用 や維持 管 理 をふ まえた検 討 が必 要 であ る。 ( コミ ュニ テ ィレベ ルの 開発 への 支援 ) カ ン ボデ ィア にお いて は全 体的 な発 展 と同時 に緊 急的 に特 に問 題 のあ るとこ ろ への 支援 を行 な う 必 要 があ る。 こ のた め地 方公 共団 体 やNGO が 実施 し 特 に社 会開 発 に役 立つ もの を対 象 とし て 日本 が援 助 し てい る のが「 草 の根無 償協力 」とい わ れる もので あ り平成13 年度 は42件3.4百万 ド ル の 支援 注il)を行 なっ てい る。 さ らに やや 規 模 の大 きい もの として 地雷 除 去 に とり くんで い る。 ま た、日 本 のNGO 自町 ま持 続可 能 な農 業 と農村 開発 を ミ クロ な 形で 支援 し てい る。こ の中 で 地 域 住民 自 ら が主 体 とな らな け れば持 続 可能 に は ならな い との考 え を中 心 にリ ーダ ー の育成 、 地 域 で共 同使 用 する施 設 な どを対 象 に資 材、 技術 を提供、 自 主的 な参 加 に委 ね る とと もに村 民 の多 数 が参加 し た場 合 に支 援 す るな どの 方法 を とっ て支 援 をお こ なっ てい る。 さ ら にや や大 き な もの とし て 現 在 重 要 な課題 となっ てい るト ンレ サ ップ 湖の 漁業振興 お よび土 地問 題 に取 組 んで い る。 (国 際 機関 の支 援) 国 際機 関 のう ち国 際連 合開 発計 画(UNDP )゜'^'}まカ ン ボデ ィ アを含 む 広域的 な 観点 か ら の活 動、例 えば持 続 可能 な環 境 の維 持 と特 に貧 困 削減 に焦点 を あて た政 府 の能力 開発、 人権 問 題 と情 報 通 信技 術 の活 用を 進め てい る。 また、 カ ン ボデ ィア 国内を対 象 とし て、 ガ バ ナン ス、 貧困 削減、 天 然 資 源

参照

関連したドキュメント

担い手に農地を集積するための土地利用調整に関する話し合いや農家の意

この調査は、健全な証券投資の促進と証券市場のさらなる発展のため、わが国における個人の証券

6 Baker, CC and McCafferty, DB (2005) “Accident database review of human element concerns: What do the results mean for classification?” Proc. Michael Barnett, et al.,

広域機関の広域系統整備委員会では、ノンファーム適用系統における空容量

仕出国仕出国最初船積港(通関場所)最終船積港米国輸入港湾名船舶名荷揚日重量(MT)個数(TEU) CHINA PNINGPOKOBELOS ANGELESALLIGATOR

さらに体育・スポーツ政策の研究と実践に寄与 することを目的として、研究者を中心に運営され る日本体育・ スポーツ政策学会は、2007 年 12 月

Abstract: This paper describes a study about a vapor compression heat pump cycle simulation for buildings.. Efficiency improvement of an air conditioner is important from

(1) As a regional characteristic of Alvesta, because of its strong community foundation based on its small size, a high level of consciousness regarding establishing a welfare living