た病院管理会計の展開のために
著者
大坪 宏至
著者別名
Ohtsubo Hiroshi
雑誌名
経営論集
巻
47
ページ
1-20
発行年
1998-03-24
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00005620/
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja経 営 論 集 第47 号 (1998 年3 月 )
QOL
意 識 に 関 す る 基 礎 的 考 察QOL
を意識した病院管理会計の展開のために
大 坪 宏 至 はじ めにI こ わ が国 のQOL 関心度 ニn. 医師 の 仕事 意識 Ⅲ.医師 のQOL 意識1. 医 師 自身 のQOL 意識2. 患 者のQOL に対 す る医 師 の意識 お わ りに 1 は じ め に 厚 生 省に よ れば、 わが 国 の1995年 度 の国 民 医療 費 は 前年度 より4.5%増 加し 、26 兆9 千5 百77 億 円 であ る。 国民1 人 当 りの医療費 では 、70歳 以上 で63 万9 千8 百 円 と、高齢 者 で 特 に高 く なっ てい る(15 から44 歳で は7 万1 千2 百 円、45か ら64歳 で19万6 千3 百 円等 と比較 し て)。こ うし たこ とか ら 、 政 府 は医 療費 の抑 制 のた めの政 策を 検 討 し てい る。 一 方 で は、 大阪 の病 院不 祥事、 岐 阜県 の 医療 機 器納 入を 巡 る収賄 容疑 、薬 剤0 「す りかえ」 に よ る不 正 請求 、医 師 へ の謝 礼 やお世 話料 とい っ た不 透 明な保 険外 負担 の膨 張等、 医 師 や 病 院に 関す る 記 事 が紙 面を 賑 わ せてい る のも事 実 であ る。医療 の基本 目標が 患者 のQOL (qualityoflifeの 略、以 下、QOL と略 称 する。)の向 上 であ るな ら ば、QOL に 配慮 する こと が常 に 必 要 であ る。QOL を 考 慮 するこ と なく、 医療 費 抑 制 のた め の 部分 的 な 改革 や、 病院 経営を 考え た とし て も、 い ず れ限 界が く るであ ろ うし、 そ の時 点 で 再び 部分 的 改 革を 検討 して も、果 たし て本 質的 な 解 決に 結 び 付 くであ ろ うか。 わ が 国 の医療 変革 が 求めら れてい る時 代 だか ら こそ 、QOL を 意識 する こと も必 要 な の でぱ なか ろ うか。 そ れは 医療費 抑 制 のため の改 革 検討 や 健 全 な病 院経営 、 さらに 、そ れ ら のた めに 会 計 が十 分 に 機能 す るた めに も必 要であ ろ う。 そ こで 、本 稿 ではQOL に焦 点を 当 て、 わ が 国 のQOL の関 心は ど の程度で あ る のか 、 他 の国 々 と 比較 し なが ら 明ら か にし てい きたい 。 また、 医 療 サ ービ スの提 供者 であ る医 師 の 意識 につ い て も 若 干 の考察 を 加え るこ と とする。
I. わ が 国 のQOL 関 心 度 わ が国 のQOL 関心度 は ど の程度 なの であ/ろ うか。 こ め程度を 明 らか にす る た めに は 、諸 外 国と の 比較 をす ること が有効 で あ る。 ニQOL 関 心度 の国 際比 較研 究 は、 アップリ ョ ン社 が1991年に 行 って い る1)。 調 査 対 象 者 の居 住 国 は 、 ア メ リカ、 フ ラン ス、 イギ リ ス、ベ ル ギ ー・ オラン ダ、韓国、 日本 であ る2)。 ここ で は、こ の調 査 結果 に 基づ い て、わ が国 のQOL 関心 度を 探 る こと とする。 表I −1 仕 事 上 医 師 や 看 護 婦 と の 会 話 の 中 で 、QOL が 話 題 に な る こ と が あ り ま す か
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資 料 出 所: 『SCOPEJ 、Vol.30 、No.4 、 日 本 ア ップ リ ョ ン 株 式 会 社 、1991 年4 月1 日 、15 頁 。
表I −1 は 、 各 国 の ア ッ プ リa ン 社 の 医 療 情 報 担 当 者 と 、 医 師 や 看 護 婦 と の 日 頃 の 会 話 の 中 で 、QOL
が 話 題 に 挙 が る 頻 度 を 示 し て い る 。 イ し 「 し ば し ば 話 題 に 挙 が る 」 と し て い る 割 合 が 最 も 高 い の は フ ラ ン ス で 、69 % と な っ て い る 。 以 下 、 割 合 の 高 い 順 に 、 ア メ リ カ が53 % 、 ベ ル ギ ー ・ オ ラ ン ダ が50 % 、 イ ギ リ ス が42 % 、 日 本 は10 % 、 韓 国 はO % と な っ て い る 。 韓 国 が 最 も 低 い が 、 日 本 は 韓 国 に 次 い で 低 く な っ て い る こ と が わ か る 。 「 ほ と ん ど 話 題 に 挙 が ら な い 」 と し て い る 割 合 が 最 も 高 い の は 韓 国 で 、62 % と な っ て い る 。 以 下 、 割 合 の 高 い 順 に 、 日 本 が31 % 、 イ ギ リ ス が26 % 、 ベ ル ギ ー ・ オ ラ ン ダ が10 % 、 ア メ リ カ が8 % 、 フ ラ ン ス が5 % で あ る 。 し こ れ ら の こ と か ら 、 欧 米 で はQOL 関 心 度 が 高 く 、 特 に フ ラ ン ス で 高 い こ と が わ か る。QOL 研 究 が 欧 米 を 中 心 に 行 わ れ で き た こ と か ら す れ ば 、QOL の 歴 史 も 深 く 、 現 代 で も な お 高 い 関 心 が あ る と い う こ と に な る 。 そ れ に 比 べ て 、 日 本 や 韓 国 で はQOL 関 心 度 は 非 常 に 低 く な っ て い る 。 医 師 や 看 護 婦 のQOL 関 心 度 の 傾 向 は 明 ら か に な っ た が 、 医 療 現 場 以 外 の 社 会 で は 、QOL 関 心 度 は 国 に よ り ど の よ う に 違 っ て い る の で あ ろ う か 。 次 に 、 こ の 社 会 的 なQOL 関 心 度 に つ い て 分 析 す る こ と と す るQ − ■ ■r ・・ 社 会 的 なQOL 関 心 度 に つ い て は 、 マ ス コ ミ で の 扱 わ れ 方 を み る こ と に よ り 、 明 ら か に さ れ よ う 。
QOL 意識に 関す る基礎的 考察 マ ス ご=・ミを 通 じて、QOL がどの程度 取 り挙げ ら れ てい る かを示 し た のが表I −2 で あ る。 表I −2QualityofLife という言葉は まだ 医 療 関 係 者 の 間 ほとんど 話 題 | 新 聞 などでよく見 か け る1 だけ で使 わ れる程 度 になら ない 白 詰lffP8 ゛ダJ;< 尚 尚 レ脳O 猫 ゛ 暖 巾丿宍ぼ フ ラ ン ス イ ギ1
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3 ^^■-゛-ち ばf! ■"'"[35%I資 料 出 所: 『SCOPEJ 、Vol.30 、No.4 、 日 本 ア ッ プ リ ョ ン 株 式 会 社 、1991 年4 月1 日 、14 頁 。
「新 聞等 で よく見かけ る」 と答え た割 合 が最 も高 い のは、 フ ラ ンスで76% と なっ てい る。 次 に高 い 割合を 示 し てい る めは ア メリカで61% 、 以下 、 割 合 の高い 順 に、 イギ リ スが52% 、韓 国 が47% 、 日本 が25% 、 最 も低い のは ベル ギ ー・ オ ランダ で15% とな ってい る。 逆 に、づ ほ とん ど話題 に ならない] と答 え た割 合 が 最 も高 かっ た のは、韓 国 で49% と な って い る。 以 下、 割 合 の 高い順 に、 ベ ルギ ー・ オラ ン ダが35 %、 イ ギ リス が12 % 、 フ ラ ン ス が7 % 、 日 本 が6 %、 ア メリ カが4 % とな ってい る。 ま た、「 まだ 医療 関 係者 の間だけ で使 わ れ る程 度」 と答 え た割合 が 最 も高い のは 、 日 本 で69 % と な って い る。 次い で 、ベ ル ギ ー・ オラ ン ダでbO% 、 イ ギ リ スで36% 、 ア メリ カで35% 、 フ ラ ンス で17 %、 韓 国 で4 % の順に なっ てお り、 日本 の 割合 の高 さ と韓 国 の割合 の低 さが 極立 っ てい る。 表I −2 の調 査結果 を、 表I −1 の 調査 結果 と比 較し な がら 、各 国 の特 徴を ま とめ て み たい。 まず、 フ ラン スにつ い ては、 新聞 等 でQOL とい う用 語 はし ばし ば取 り挙げ ら れて お り、 医 療関 係者 の 間だ け では な く、広 く 社会的に も話 題に な る程 関心 度 も高 く、医 師や 看 護婦 の 関 心度 も非 常 に 高い こ とが わか る。 アメ リカ は フ ラン スに似 た 傾向を 示 し てい るレQOL は 新 聞等で よく取 り挙げ ら れ てお り、 社会 的 に も話 題 にな っ てお り、 医師や 看護 婦 め 関心 度 もフ ラン スに 次い で高い こ とに な る。 韓 国 で は、QOL とい う用 語を新 聞 等 で見 かけ る こ とは 日本 よりは多い が 、社 会的 に は 話題 に な ら ない 程 関心 度 が低 い。 ま た、医 師や 看 護婦 の 間 で もほ と ん ど話題に なら な い とい う よ うに、 関 心 度 は低い 。 日本に おい て は、QOL とい う用 語を 新 聞 で 見 かけ る こ とは非 常に 少 な く、 まだ 医 療 関 係者 の間
だ け で使 わ れてい る とい うこ とに な る。 しか し、 医 療関 係者 の 間だけ でQOL と い う用 語 が使 わ れ て い る とは いっ ても、 医師 や看 護 婦 の 間 でし ばし ば話題に なるか とい えば 、そ うで もな い。 日本 は 他 国に 比 べ て、医 師や 看護 婦 の関 心度 は低 く 、そ れ以上に 、 社会的 な 関心度 も 低い と い う特 徴 がみ ら れ よ う。 イギ リ スは、 フ ラ ンスや ア メ リカ の よ うな 関心 度 の高い 国 々と、 関心 度 の低 い 日本や 韓 国 の、 中 間的 な 関心 度 の傾 向を示 し てい る とい え よう。 ベル ギ ー・ オ ランダ でのQOL 関 心 度 の 傾向 は 、他 国に 比べ て特 異で あ るとト え る。 こ こ で、表I −2 の [新聞 等 で よく見 かけ る] と答 えた 割 合 と、表I-1 の 「しば しば あ る」 と答 え た割 合 と を 比 較し て み ると、 ベ ルギ ー・ オ ラン ダ 以外 の各 国で は、前 者 の数値 の方 が後 者 の数 値 より も高 く なっ てい るこ とがわ か る3)。つ ま り、医 師や 看 護 婦 の関 心度 が高い イもし くは 低 い) 場 合に は、社会 的 な 関心 度 も相対 的 に高 く( も し くは 低 く) な っ てい る。 しかし 、 ベル ギ ー・ オラ ンダ だけ は、 各 国 と逆 に な ってい る4)。 そ こで 、 ベル ギ ー・オ ラン ダの 特 徴 は とい う と、 マ スコ ミでQOL を 取 り挙 げ るこ とは 少 な く、 社会 的 に も話題 に なら ない とい うこ とで あ る。 と ころ が、 医 師や看 護婦 の 関心 度 は 高い とい うこ と であ る。 社 会的 にQOL が 話題 に な らな い とい うこ とは、 社会 的に は既 に広 くQOL が 認識 さ れ て い ると い うこ とを 意味し な い。 なぜ なら ば、 表I −2 で 「まだ 医療 関 係者 の間 だけ で 使 わ れ る」 割 合 が50% と高い こ とから 、医 師や 看 護 婦 の関 心 度 だけ が高 い といえ るか らで あ る。 以 上 のこ とか ら、 わ が国 の社会 的 関 心度 は 、 他 国に 比べ て低 い ことは 明ら か であ る。 次に 、QOL とい う用 語か ら、 どの ような こ とを 連想 す るの かにつ いて 、 各 国 の相 違を みて み る こと とす る( 表I −3 を 参照。)。 表I −3QualityofLife とい う言葉 からあ な たが連 想するこ とは ア メ リ カ フ ラ ン ス イ ギ リ ス ベルギー・オランダ 韓 国 日 本 作 。 八324544616 回 心 ゛ 作一 芒 鏃35454244 死 壽 皿3738 一41 辿1216 テ 群 丿 四19219 一1086 の 査 痛0 検 苦153164 資 料 出所: 『SCOPE 』、Vol.30、No.4、 日 本 アップリ ョ ン株式 会社、1991年4 月1 日、 心 皿 浜m1522 ゜ づ 瓦
QOL 意識 に関す る基礎的 考察 5 QOL とい う用 語 から連 想する ことを 、ご項 目毎 に みて い く。「癌末期 」を 連想 す る と答 えた 割 合 が 最 も 高か っ た の は日本 で、89%とな っ てい る。 この項 目は韓 国 を除 いた各 国に お いて 、 高い 割 合を 示 し てい る。 「高 齢 社 会」 を 連想す る と答えた 割合 は、 ア メリ カで 最 も高 く64% とな って い る。 日本 は フ ラ ン スや イ ギ リ ス よりは 高 く、 ベ ルギ ー・ オ ラン ダや韓 国 と 同程 度 で44% とな って い る。韓 国 にお い て は、 こ の項 目 の割合 が他 の項 目の割 合に 比べ て 最 も高 く な ってい る。 「入 院 生活 」 を 連想す ると 答え た 割合 は、 ベ ル ギ ー・ オ ラン ダで最 も高 く60% とな って い る。 日 本で はそ れ程 高くは なく、27% とな って い る。 「尊厳 死 」 を 連想 する と答え た割 合は、 ア メリ カ、 フ ラン ス、 イギ リス、 ベル ギ ー・ オラ ンダ の 各 国 では ど こ も40% 前後で あ る。そ れに 対 し て、 韓 国 (12%) と 日本(16%) で は低 い 割合 を示 し て い る。 これ は、 尊 厳死 の問題につ い て の議 論 が欧米 に お いて は 日本 より も以前 か ら盛 んに 進 めら れ てい た り、 また 、文化 の 違いとい っ た こと が関 連 して い る もの と思わ れる≒ 「在 宅 ケ ア」 を 連想 する と答えた 割合 が 最 も高 か った の はフ ラ ンスで、67% と なっ てい る。 韓 国 を除 い た 他 の 国 々は40% 前後 と高い 割合 を示 し て い る。 高齢 者 の増 加、 及 び医 療費 抑制 の政 策は 、 在宅 ケア の 重 視に も結び 付い てくる。 こ の よ うな 観点 か ら、 わ が国 より も先に 参照 価 格制度 等 を 導 入し て い る ド イ ツに つい て も、同 様 の調 査 がな さ れれ ば、 比較 研 究 として 一層 興味 深い 結果 が得 ら れ るか も し れ ない≒ イ 検査 の苦 痛」を 連 想す ると答 えた割 合 は各 国 と も低 く、10% 以 内と なっ てい る。「ス パゲ テ ィ症 候 群」 の割 合 も同様 に低い 。 しかし、 アメ リ カだけ は そ の中 で も19% と高 い割 合を 示し てい る。 い ず れ の項 目に つ いて も、背後 では イソ フ ォー ムド ・ コン セ ント(informedconsent 、以下 、IC と略称 す る。) と密接に 関 連して く るとい え る。 工C の考 え 方は 、 ナチの 非人道 的な 人体 実 験を 裁 い た ニ ュ ール ソベル タ裁判 に 関連 し て発表 され た とさ れ る 、1947年 のニ ュ ール ンベ ル ク綱 領に みら れ る≒ そ の後、 ヘ ルシ ンキ宣 言8)、 患 者 の 権利 章典9)、 リ ス ボン 宣言10)等に も織り込 まれ てい る。 ア メ リカ のIC は医師 の防 衛策 として も 必要 な も ので あ った呪 アメリ カの医 療訴 訟 に お け る平 均 賠 償 額 は、1975年 から 比べ て現在 では10 倍以 上 に も増 加し 、賠 償総 額 は30億 ド ルを超 え てい るこ とか ら も、 医師 の説明義 務 は求め られ てい る12)。 し たが って 、医療 は契 約 であ ると の考え か ら13)、IC を 考 え る とい う立 場が とら れる こと があ るH)。IC の訳 語 と しては 、砂原 茂一 氏は「知 ら され た 上 の同 意」とし5)、村 上 國男氏 は[十分 に 情報 を 与 え ら れた うえ での同 意] とし16)、1995年 の (イ ンフ ォ ー ムド ・ コン セント の在 り方 に 関 す る 検 討 会丿 )の 報 告 書!8)では、 種 々の訳語 が提 案 さ れ た た め ひ とつ の 訳 語 に 絞 れ な い とし て い る1≒ し た
が って 、一 般に 同 意の得 ら れた訳 語 ぱな く20)、IC とい う原 語の まま使 わ れ るこ とが多 い 。 わ が 国 で は、 患者 と同 様に家 族に 対し て の説 明を 重 視 す る傾 向 かあ り21)、IC の実 状は 欧 米 と 異な る22)。 日本 医師 会で は1990年に 「説 明 と同 意に つ い て」 の報 告書を 出し23)、 国立 癌 セン タ ーで は1995 年 以 降、[ 説明 ・同 意書] の使用を 義 務づけ た り24)、病 院に よって は個 々にIC の導 入を 図 っ て い ると ころ もあ る よ うだ が、 ア メリカに 比 べ るとIC は 未だ 定着 して い るとは いえ な い≒ こ の よ うなIC の考え 方や 導入 度 合 の違 い が最 も関 連 してい る と思わ れ るの は 、「尊 厳 死 」 の 項 目では な かろ うか。 n . 医 師 の 仕 事 意 識 医 師 の仕 事意識 につ いて は、『SCOPE 』の 編集 部力討994年に 行 った調 査 があ る。ここ で はそ の 調 査 結果 に基 づい て、 医師 の仕 事意識 に つ い て若 干 の考 察を す る。 こ の調査 は 、わ が国 の医師2115名を 対 象 とし て行 われ てい る26)。 調査 対象 者 の年 代 は、40代 が601 名 と最 も多 く、20代 から70歳 以上 まで 幅 広い27)。 診療 科 別に は 内科医 が840名 と最 も多 く28)、 男 性 医 師ば か りで な く、155名 の女性 医師 も含 まれ てい る。 まず 、‥医 師達 の仕 事 意識 とし て、 仕 事 が どの 程度 好 きな の かを み てみ る( 表H −1 を 参 照。)。 表n −1 医 師 と い う 仕 事 が 好 き で す か 好 きと も嫌い ともいえ ない あ まり好 きでない ー
ニ之
資料出所: 『SCOPE 』、Vol.33、Ncに0 、 日本アップジ3 ン株式会社、1994年io月、6 頁。
「医 師 と い う仕事 が好 きで すか」 とい う質問 に 対 して 、「非常に 好 き」 と答え た 医 師 の 割 合 は 、33 % とな っ てい る。また、「適度 に好 き」 と答 え てい る医 師 の割 合は52% とな ってt 、る。 こ れら2 つ
QOL 意識に 関す る基 礎的考 察 7 の回答 の合計 は 、85%に も なる。 他 の職業 に おけ る調 査 結果 が ない ため、 ここで は 比較 す る こ とが で きな い が、85 % とい う数値 は、他 の職業 に 比 べ て も、 おそ らく 非 常に 高い とい え る ので は なかろ うか。 「非 常に 好 き」 と答え た医 師達 の年 代別 割合 、 及び 診療 科 別 の割 合を示 しだ の が表H −2 で あ る。 2吠 目 蕪 蕪麗 麗24% 代 皿 %40 代 願厠圖 靉冒 靉 頭煕I31 % 50代60 代 , 1隔灘 回 目 隠隠 斟ヽ匪 顛皿 | 表 Ⅱ −2 非 常 に好き(n=698) 39 %41 % 皿 脳 神経外 科 整形外 科 外 科 産婦人 科 眼 科 44 % 39%38%38 %
資料出所: 『SCOPE 』、Vol.33、No.10、日本アップジョン株式会社、1994年10月、6 頁。
「非 常に 好 きト と答え た医 師の割 合を 年代 別 に み る と、最 も高い のは60代 で41% 、次 い で50代 が39 % 、 以下 、 割 合 の高い順 に70歳以 上が35% 、40代 で31%、30 代 で27% とな って お り、 最 も低 い の は20 代 で24% で ある。20代 から60代に かけ て は、年齢 が高 く なるに つ れて、「非 常に 好 き」とい う割 合 も 高 くな っ てい る。 診 療科 別に は、 脳神 経外 科で44%、 整 形外 科 で39% 、外 科 で38% と高 い割 合を示 してい る。 内科 系 に 比べ て外 科 系 で高 い といえ よ う。 こ の調 査で は 、 医師 にな って よかっ た と思 う理 由 につ い て も尋 ねて い る29)。 割 合 の高 か っ た 上 位3 つ の理 由は 、[社 会的 に重 要度 の高い 仕 事 で あ る ](59 % )、「 勉 強 し た こ と が 実 地 に 生 か せ る」 (51% )、「患 者さ ん に感謝 さ れる」(46%) で あ る。 ど の理 由に つい て 乱 開業 医 と勤 務医 とで は同 程度 の割合 を 示 して お り、同 じ ような傾 向 か窺 え る。 最 も 割合 の 高 かっ た 「社会 的に重 要度 の高い 仕 事 であ る」 とい う理 由につ い て は、20代 か ら60代 に かけ て年 齢 が 高 くな るに し たが って、 こ の項 目の 割合 も 高 くな る傾 向 かあ り、 また、 診 療 科別 に は 脳 神経 外 科 で 高い割 合に な ってい る30)。 医 師は 自 分 の仕 事 が好 きで あり、 社会 的に 重 要 度 の高 い仕 事 で あ ると感 じて い る ようだ が 、逆 に 、 どの ような こ とを大 変 だ と感 じてい るの で あろ うか丁 こ の点 に 関 す る調査 結果 が表n −3 で あ る。
表n −3 医 師 に な っ て 予 想 以 上 に 大 変 だ と 思 っ た こ と は ( 複 数 回 答 ) 体力 を消耗す る肉体 労働 であ る
九 谷
資料出所: 『SCOPE 』、Vol.33、No.10、日本アップジョン株式会社、1994年10月、8 頁。 最 も 高い 割合 は 「体力 を 消耗す る 肉 体労 働 で あ る」 の項 目で、58垢 とな って い る。 他 の項 目に つ い ては い ず れ も35% からA5% 程度 と な って い る。 ダ 開業 医 と勤 務医 とで 異 な る点 は、「い つ も 緊 張し て い なけ れば なら ない」と す る割合 が、勤務 医 よ い が高 く な ってい る。 研究 環 境 として は 勤務 医 の方 が恵 ま れて い るのか もし れな い。 勤 務 医 の方 が高 い 割 合を 示 し てい るのは 「とに か く忙 しい 」 とい う項 目であ る。 「体力 を 消 耗す る 肉体労 働で あ る」と感 じ て い る医 師 の割 合は20代 の勤務 医(64% )と30代 の 開業 医 (67% ) で高 く、40代 、50代、60代 で は開 業 医、 勤務 医 と も55% から60% 程度 で変 わ りは ない31)。 「い つ も緊 張 して いなけ ればな ら ない」 と 感 じて い る医 師は 、勤 務医 にお い ては 年齢 が高 くな る にし た が って そ の割合 も 高く なっ てい るが 、 開業 医に は そ の よう な 傾向 ぱみ ら れな い32)。 [忍 耐強 さ が 求めら れ る] と答 え た医 師 の割 合 は、年 代 別に はあ ま り差 はみら れない が≒ 「常に 勉強 し なけ れ ばな らな い」 とす る割 合 は、60 代 と70代 で 特に 高 くなっ てい る34)。逆 に 、「 とに かく忙 し い」 とす る医 師 の割 合は、60 代 と70代 で急 に 低 くな っ てい る35)。 こ れら の こ とから 、 医師 は基 本的 には 仕 事 が 好 きで あ る が、 体力 を 消耗 す る肉 体労 働 であ ると考 え てい るこ と がわ かる。 ま た、 医師 は緊 張 、 忍 耐、 研 究、多 忙 とい っ た ことに苦 痛 、 も し くは不 満 を感 じて お り、そ れらは 開業 医 と勤務 医 の別や 、 年 代別 に よって、 共通 の傾 向が みら れ る もの と、 異 なっ た 傾向 を示 して い る もの とがあ るこ とに な る。QOL 意 識 に 関 す る 基 礎 的 考 察 9 Ⅲ 。 医 師 のQoL 意 識 し1. 医師 自 身 のQoL 意識 『scoPE 』 編集 部で は、1991年1 月に 医 師 と看 護 婦を 対 象に 、QOL の意 識調 査を 行 っ てい る36)。 わが 国 のQoL の最 近 の調 査 として は大 規 模 な もので あ る とい え る。そ こ で、 こ こ で は こ の 調 査結果 に 基 づい て 、医 師 自身のQoL 意識を 探 る こ とと す る。 こ の調 査 で は、 医 師及 び看護婦 に次 の よ うな 質 問を し てい る。 「自分 自身 のQoL 向上 のために 、 よ り早 く 実 現さ せ たい こ とぱ 何です か。」 こ の質 問に 対 す る回 答結果 を まとめ たのが 表in−1 であ る。 表 Ⅲ−1 自 分 自 身 のQOL 向 上 の た め に 、 よ り 早 く 実 現 さ せ た い こ と は 働 きや す い 施 設 、環 境 の整 備 医療 スタッフ の拡 充 事 務 処理 、雑 務 の軽 減 勉 強 のた めの 時 間 の確 保 睡 眠 、休 憩 時 間 など、身 体を休 め るための 時 間の 確保 フフレッシユ、遊 びの ため の自由 時 間 の確 保 56 % 回 国 医師(上 段)[T] 看護婦(下 段) 70 55% f £rV-'i:-!'':.V"-t}^.'^: \' ■:'- ■-■ ■■:::.・.;,,. ■::;::..;■/.;:.;..,:.:;;,.■.:.,T-.'Z]68 % 48 % 48% 48% 36 % 47 % 41 % 26%
資 料 出所: 『SCOPE 』、Vol.30、No.4、 日本 アップ ジa ソ株式 会 社、1991年4 月 、8-9 頁 。
医 師 の 回 答 で 多 か っ た 項 目 か ら 順 に 示 す と 、[ 働 き 易 い 施 設 、 環 境 の 整 備 ]て56 % )、「医 療 ス タ ッ フ の 拡 充 」(55 % )、「事 務 処 理 、 雑 務 の 軽 減 」(48 % )、「勉 強 の た め の 時 間 の 確 保 」(48 % )、「睡 眠 、 休 憩 時 間 等 、 身 体 を 休 め る た め の 時 間 の 確 保 」(47 %) 、「 リ フ レ ッ シ ュ 、遊 び の た め の 自 由 時 間 の 確 保 」(41 % ) と な っ て い る 。 「 働 き 易 い 施 設 、 環 境 の 整 備 」 と 「医 療 ス タ ッ フ の 拡 充 」 は 同 程 度 の 欲 求 で あ り、 こ れ ら は 日 常 の 業 務 が よ り 円 滑 に 行 わ れ る た め の 欲 求 で あ り、 例 え ば 、 医 療 業 務 欲 求 と 呼 ぶ こ と が で き る か も し れ な い 。 「 事 務 処 理 、 雑 務 の 軽 減 」 は 忙 し さ の 軽 減 欲 求 で あ り 、「 勉 強 の た め の 時 間 の 確 保 」 は 研 究 欲 求 と も 呼 べ る で あ ろ う。「 睡 眠 、休 憩 時 間 等 、身 体 を 休 め る た め の 時 間 の 確 保 」は 休 息 欲 求 と 呼 べ る か 屯 し れ な い 。 こ れ ら の 欲 求 は 医 師 の 場 合 、 ど れ も 同 程 度 の 割 合 で あ る 。 「 リ フ レ ッ シ ュ 、 遊 び の た め の 自 由 時 間 の 確 保 」 は 自 由 欲 求 と 呼 ぶ こ と が で ぎ る が 、 こ の 欲 求 は 研 究 欲 求 や 休 息 欲 求 よ り もや や 低 い 割 合 で あ る 。
次 に 、 看 護 婦 の 場 合 を み て み る こ と と す る 。 、 看 護 婦 で は 、 割 合 の 高 い 順 に 、[ 働 き 易 い 施 設 、 環 境 の 整 備 ](70 % )、「 医 療 ス タ ダ フ の 拡 充 」 (68 % )、「 事 務 処 理 、 雑 務 の 軽 減 」(48 % )、「 睡 眠 、 休 憩 時 間 等 、 身 体 を 休 め る た め の時 間 の 確 保 」 (48 % )、「勉 強 の た め の 時 間 の 確 保 上(36 %) 、「 リ フ レ ッ シ ュ 、 遊 び の た め の 自 由 時 間 の 確 保 」 (26 % ) と な っ て い る 。 こ こ で 、 医 師 と 看 護 婦 を 比 較 し て み る 。 ま ず 、 両 者 の 類 似 点 と し て は 、 ど ち ら も 医 療 業 務 欲 求 が 最 も 高 い 割 合 で あ る と い う こ と と 、「働 き 易 い 施 設 、 環 境 の 整 備 」と [ 医 療 ス タ ッ フ の 拡 充 ] は ほ と ん ど 同 じ 割 合 で あ る と い う こ と で あ る 。 第2 の 類 似 点 は 、 忙 し さ の 軽 減 欲 求 と 休 息 欲 求 が 医 療 業 務 欲 求 の 次 に 高 い 割 合 で あ る こ と と 、 医 師 、 看 護 婦 と も に ど ち ら の数 値 も48 % で あ る と い う こ と で あ る 。 第3 の 類 似 点 は 、 最 も 低 い 割 合 を 示 し て い る 項 目 が 自 由 欲 求 で あ る と い う こ と で あ る 。 医 師 と 看 護 婦 の 相 違 点 は と い う と 、 ま ず 、 医 師 に お い て は 医 療 業 務 欲 求 が2 つ の 項 目そ れ ぞ れ で56 % と55 % で あ る の に 対 し て 、 看 護 婦 で は70 % と68 % で あ り 、 約15 % の 差 が あ る と い う こ と で あ る 。 こ れ は 、 看 護 婦 の 医 療 業 務 欲 求 は 医 師 に 比 べ て 高 い と い うこ と に な る の か も し れ な い 。 第2 の 相 違 点 は 、 医 師 の 研 究 欲 求 は 看 護 婦 に 比 べ て 約10 % も 高 い と い う こ と で あ る 。 第3 の 相 違 点 は 、 看 護 婦 の 自 由 欲 求 は26 % で あ り 、 医 師 の41 % に 対 し て15 % も 低 い と い う こ と で あ る 。 自 由 欲 求 と 研 究 欲 求 の 割 合 を 比 べ て み る と 、 医 師 で は7 % の差 で あ る の に 対 し て 看 護 婦 で ぱ10 % の 開 き が あ る 。 つ ま り、 医 師 で は 自 由 欲 求 が 他 の 欲 求 よ り は 相 対 的 に 低 い と い え る が 、 看 護 婦 の 場 合 は 自 由 欲 求 が 極 め て 低 い とい う こ と で あ る 。 医 師 の 自 分 自 身 のQOL 意 識 は 、 看 護 婦 のQOL 意 識 と 類 似 す る 点 と 異 な る 点 の 両 側 面 を 有 し て い る と い うこ と に な る 。 以 上 の こ と か ら 、 わ が 国 の 医 師 自 身 のQOL 意 識 の 特 徴 は 、 あ る 程 度 は 明 ら か に な っ た と い え よ う。 2. 患者 のQoL に対 する 医師の 意 識 医 師 は患 者 のQoL を 向上 させ るた めに 、 ど の よ うな こ と が必要 であ ると 考え てい る の か、 もし くは ど の よ うなこ とを すべ きで あ ると考 え てい るの か。 こ こで はこ の点を 明 らか にす る た めに、 前 述 の『scoPE 』 編 集部 の調 査結果 に 基づ い て 検討 す る。 こ の調 査 では 医師 (1049人 ) と看護 婦 (410人 ) に 次 の ような質 問を し てい る√ 「患 者 のQoL 向 上 のため に、 より早 く実 現 さ せた い と思 うことは 何で す か。」 こ の質 問に 対す る 回答 結果 は表m −2 の よ うで あ る。 まず、医 師 の回 答で多 か った 順に示 す と、「患 者 さ ん の苦痛 、気 分 の悪 さを少 しで も取 り除 く」と
QOL 意 識 に 関 す る 基 礎 的 考 察 n い う苦痛 の 除去 が78% で最 も多い 。 これは 医 師 として 当 然 のこ と とい え よ う37)。 第2 位 は 「 患 者 さ ん が気 分転 換で き る よ うな施 設、 空 間を増 やす 」 とい う気 分転 換 の ため の施設 増加 で 、53% であ る。 次は 「患 者 さ んと 接す る時 間を もっ と長 く」 とト う患 者 と のふ れ あい が47%、 同 じ く 「食 事 内容、 電 話 、ト イレ等 、 よ り日常 に近い 環境づ く り」とい う日常 生 活環 境整 備 も47% であ る。次 い で、「家 族 が 少 しで も長 く 付 き添 って いられ る システ ムづ く り」 とい っ た家 族 と のふ れあい が37% 、最 も少 なか っ た回答 は [ も っと患 者 さんのプ ライ バ シ ーを 保 て る よ うに] とい うプ ライ バ シ ー保 護 で32% であ った。 看護 婦 の回 答 で 最 も多 かっ たのは、 苦痛 の除 去 で75% 、 次い で、 患 者 との ふれ あい が59% 、以 下、 気 分転 換 のた め の 施設 増加 が56% 、 日常 生活環 境 整備 が40% 、 プ ライ バ シ ー保 護 が36%、 家族 との ふれあ い が29% と い った順 に なってい る。 医師 と看護 婦 の 意識 の類 似点 とし ては、 例え ば 次 の よ うな点 が 挙げ ら れ よう。 医師 と看 護 婦 の 両者 と 乱 苦痛 の除 去を 第1 に 挙げ て お り、 医 師で78% 、看 護婦 で75% と 、 どち ら も4 人に3 人 の 割合 で あ るとい うことで あ る。2 つ 目は、 気 分転 換 の ため の施 設増 加 の回答 が 、 どち ら も同 程 度で あ る とい うこ と(医 師 で53%、 看 護婦 で56%) であ る。3 つ 目は、家 族 と のふ れ あい、及 びプ ライ バ シ ー保護 の回答 が、どち ら も少 ない とい うこと であ る。4 つ 目ぱ、 日 常 生活 環境 整備 の回答 が、 どち ら も4 番 目の割 合 であ る とい うこ とで あ るレ 以上 の ような 類似 点 が みら れるも のの、 次 の よ うな 相違 点 もみ ら れ る。 第1 の 相違 点 は、 医 師 の場合、 気 分転換 の ため の施 設 増 加 の方 を、 患者 とのふ れあ い よりも重 視 し てい る のに 対 し て( 前者 の割合 は53%、 後者 は47% ) 看護 婦 の 場 合、患 者 との ふ れあい の方を 気 分 転換 の ため の 施設 増 加 よ りも重 視し てい る (前 者 の割 合 は59% 、後 者は56 %) とい うこと で ある。 言い 換 え れば、 医 師 は ソフ ト面 よ りもハ ード 面を 、看 護 婦 は ハ ード面 より ソフト 面を より重 視し て い ると もい え よう。 相違 点 の2 つ 目は 、 医師 の場合 、患 者 のプ ライ バ シ ー保 護 よ りは家 族 と のふ れあい の方を 重 視し てい る のに 対し て( 前者 の割合は32%、後者 は37% )、看 護 婦 で は、家 族 と のふ れあ い よりは プ ライ バ シ ー保 護 の方 を 重 視 して い る( 前者 は29%、 後 者 は36%) とい うこ とで ある。3 つ 目は 、患 者 と自 分 自身 とのふ れあい を もっ と持 ち たい と考 え てい る割 合は 、 看護 婦(59% ) の方 が医 師 (47% ) より も高い のに対 して 、 患者 と家 族 と の ふ れあい を多 くし たい と考 えて い るの は、 医 師(37% ) の方 が看 護婦(29%) よ りも多 い とい うこ とで あ る。4 つ 目は 、医 師 は 患者 との ふれ あい と 日常 生活 環境 整 備を 同 等 に重 視 して い るの に対 し て( どち ら も47% )、 看 護 婦は 患 者 と のふれあ いを 日常 生活 環 境 整備 よ りもは る かに 重視 し て い る ( 前 者 は
59% 、後 者 は40%) とい うこ とであ る。 以上 の よ うな類 似点 と相違 点 がこ の調 査結 果 か ら推 測 で きる。 もちろ ん、 他 の調 査 との 比較 研 究 が な さ れなけ れば、 断定 す るこ とは でき ない か も し れない が 、 医師 の意識 の特 徴 はあ る程度 推 測 す る こ とが で きる ので はな かろ うか。 表III−2 患 者 さ ん のGOL 向 上 の た め に 、 よ り 早 く 実 現 さ せ た い と 思 うこ と は 患 者 さん の苫 痛 、気 分 の 悪 さを少しでも取 り除く 患 者さんが 気 分 転 換 できるような施 設 、空 間 を増 や す 患 者 さんと接 する時 間をもっと長く 食 事 内 容 、電 話 、トイレなど、より日常 に 近い 環 境 づ くり 家 族 が 少しでも長 く付 き添 っていられるシステムづくり もっ と患 者 さ ん のプ ラ イバ シ ー が 保 て る よう に 78 % 53 % 麗 麗│ 医 師( 上段) [TTTT] 看 護 婦( 下段) 皿 皿 感 服 誦 読 朧鸚 翻 護‐ 皿IS 皿 皿 瀧 贈 皿 47 % レ1 ・ 、40 % 鱗 朧 膳 罷 詰回 茲譜面 難鱗面 灘 素回 腸 朧 鱗│靉 29 % 32 % 37 % 36 % 47 %
資 料 出 所: 『SCOPEJI 、Vol.30 、No.4 、 日 本 ア ッ プ ジ ョ ソ 株 式 会 社 、1991 年4 月 、6 −7 頁 。
お わ り に 本稿 で はQOL の基 礎的 な考 察 として 、 まず 、 わ が国 で はQOL の 関心 がど の程 度で あ る のかに つい て明ら か に し た。 わが 国に おけ るQOL の関 心度 は 、欧 米 の国 々に 比べ て 極め て低 い こ とが 明 ら かに な っ た。 ま た、医 師 のQOL 意識を 探 る前 提と して 、 医 師 の仕 事 意識を 分 析し た。続 い て、 医 師 のQOL 意 識を2 つ の側面 か ら考 察し た。 ひ とつ は医 師 自 身 のQOL 意識 につ い てであ る。 医師 自身 のQOL 意識 は看 護婦 の 意識 と の比較 に おい て、 種 々の特 徴 かお るこ とが わ か った。 も うひ とつ ぱ、 患 者のQOL に対 す る 医師 の 意識 とい う視 点 から の考察 であ る。 こ こ で も看護 婦 と の比較 を す るこ と で、医 師 と看 護婦 とい うそ れぞ れ の立 場 の違い か ら、 様 々な相 違点 が み られ る こ とが 明ら かに な っ た。 同 時に 、立 場 は違 っ て もい くつ か の類 似点 のある こ ともわ か った。 医 師 のQOL 及 び患 者 のQOL に 関 する 研究 は 、 各種 の 医療 問題 の検討に は欠 か せな い も ので あ る。 病 院 の管 理 会計 研 究にお い て も、QOL は 常 に 考慮 さ れ なけ れば なら ないし 、 出発 点 であ る と もい え よう。 そ のた めに も、QOL 研 究は 今後 も一層 進 めら れる べき であ る。 なお 、本 稿 は平 成9 年 度東 洋 大学特 別 研 究個 人 研 究の 助成 を受 け てお り、 そ の成 果 の一 部で あ る。 こ こで 研 究助 成に 対 して 感謝 申し 上げ たい 。
QOL 意識 に 関 す る 基 礎 的 考 察 13 注 1 )各 国 の アップリ ョン社 に勤 務す る、 医療情 報担当 者762名を 対 象に 調査 してし る。 各国 の医療 情報 担 当者ぱ 、 日頃、医 師や看 護婦を始 め とす る、医 療従 事 者達 と接 する機 会に 恵ま れている た め、 医療 従事 者達 のQOL 関心 度を 推測す るこ とは可 能で あろ う。 こ の調査 は 、医 師や 看護 婦を対象者 としてい ない とい うこ とでは 、間 接的 である といえ ようが、む しろ客 観的 な推 測 かで きる か もしれない。 こ の調査 結果 の概 要 につい ては、以下を 参照 されたし 。
『SCOPE ムVol.30 、No.4、 日本ア ップリ ョン株式 会社 、1991年4 月1 日、14−15頁。2 』各国 の調 査対 象者 の 内訳は、 次の ようであ る。 3 ) 「 ア メ リ カ」 「フ ラ ン ス 」 「 イ ギ リ ス 」 「 ベ ル ギ ー ・ オ ラ ン ダ 」-「 韓 国 」 「 日 本 」 「新 聞 等 で よ く 割 合 見 か け る 」 フ ラン ス アメリ カ イギ リ ス 韓 国 日 本 76% -61 %-52 %-47 %-25 % 167人42 人34 人20 人50 人449 人 「医師や 看護婦 の間 でQOL がしばしば 話題 に なる」 割合 >69 % >53 % >42 % >0 % >10 % 4) ベ ルギ ー・ オ ランダ では 、「新聞等 で よく見かけ る」は15%、医師や 看 護婦 の間でQOL が「しば しば 話題 にな る」 は50% とな ってい る(表I −I 及 び表I −2 を 参照。)。5
) 最近、 わ が国 にお いて も、臓 器移植 の問題 と関連し て、 脳死を 巡 る議論 が 盛んにな って きたが、 尊厳死 に つい ては欧 米 に比 べて 検討 が遅 れてい るとい え よう。6 ) ドイ ツでは 参照 価 格制 度を1989年 に導入 してい る。 また定 額制 につ い ても 本格的に取 り組 んでいる。 ド イ ツやフ ラ ンス では 、薬 剤費等に予 算枠を 設け、 その枠 をい かに 守ら せ るか とい った取 り組 み方 をし てい る。 わが国 でも 総枠 予 算制 の導入を 図るべ きだ とす る主張 もあ る。 以下を 参照 さ れたし。 『朝 日新 聞』( 朝刊)、1997年9 月5 日、4 面。7 ) ニ ュ ール ン ベル ク綱 領は10項目から成 る が、そ の第1 で次 の ように述 べて いる。 [医学 的 研 究にお い ては、 その被験 者の 自発的同 意が 本質的 に絶 対に 必要 であ る。]( 星野一正 編著 『生命 倫理 と医 療- す こや かな 生とすこや かな死- 』、 丸善 株式 会社、1994年、181頁 。)8 ) ヘル シン キ宣 言は1964年 の第18回世界 医師会総 会(18thWorldMedicalAssembly )で承認 され、第29回世 界医師 会総 会 (東京 ) で修 正されてい る。 この宣 言 の うち、12項 目か ら成 る基 本原 則 の中 には 、イ ソフ ォヴ ムド ・コ ンセ ント は文書 でな さ れるべ き であ り、場 合に よ っては 、 第三 者の医師 がイ ソフ ォー ムド ・ コン セントを 得た り、 また、法的 無能力 者 の 場 合は、 法 的保 護者 か らイ ソフ ォー ムド ・ コンセントを 得 るこ と等、 イ ソフ ォ ームド ・コン セントに 関す る原 則 が示 され てい る。
京 都大学 医学 部・医 の倫 理委員 会訳 [ヘル シン キ宣 言]、 同上 、182−185頁 を参照 さ れたし。9 ) 患 者の権利 章 典は、 ア メリカ病院 協会に よって1973年 に発表 さ れ、12項 目から成 る。 そ の第3 項 目で、 イ ソ フ ォー ムド ・コ ンセント に必 要な 情報を伝 えら れる とい う権利 が患 者にはあ ると 明示し てい る。 患者 の権利 章 典につい ては以下 を参照 されたし 。 同上、186−187頁 。 砂原茂一 著 『医 者と患 者と病院 と』、 岩波 書店 、1983年 、150−151頁 。10 ) リス ボン宣 言は1981年に 世界医師 会 が発 表した も ので、6 項 目に 渡っ て示 され てい る。 どの項 目も短 く、 簡 潔に まと めら れてい る。 そ の第4 項 目で、 患者に はイ ソフ ォームド・ コン セント の権利 があ るこ とが示 されて いる。H ) 「医 師側 とし ては 、裁判 で患者 への説 明義務違反 で 敗訴し ない た めのIC のマ ニュ アル作成 が余 儀な くさ れ、 結果 的にIC の方 法論 が確立 される ことと なっ たの であ る。つ ま り、米国 のIC は『医 療者防 御』 の 道 具だと言 うこ ともで きる。」 ともいえ よ う。 廣瀬 輝夫 稿「米 国の イソフ ォー ムド ・コソセ ソトー そ の問 題点 と課題- 」、『医 療'96』、VOト12 、No.2、 メヂ カル フレ ソド社 、1996年2 月、48頁 。12 ) アメ リカ の医療 過誤 訴訟におけ る平均 賠 償額 及 び賠 償総額 は、 以下 の図 のように、 年 々増加し てい る。 過 去20年 間で10倍 以上に なってい るこ とが わかる。 米国 の医 療過誤訴 訟賠 償額 の年 次推 移 $2,200,000 2,000,000 1,800,000 1,600,000 1,400,000 1,200,000 1,000,000 800,000 600,000 400,000 200,000 0 $ 4billion 3billion 2billion lbillion 500million 0 資 料 出 所 : 同 上 、49 頁 。 1975808385909293
QOL 意 識 に 関 す る 基 礎 的 考 察 15 13) わ が 国 の 医 療 も 契 約 の 時 代 に な っ た と す る 次 の よ う な 指 摘 も あ る 。 「 日 本 も 古 き 良 き時 代 の 医 療 は 終お っ た よ うだ 。 権 利 と 義 務 、 利 害 得 失 が 絡 み 、 医 療 は 『契 約 』 の 時 代 に な っ た 。『 情 』 の果 た す 余 地 は 少 な く な り、 し た が っ て 『 法 的 』に な ら ざ る を 得 な く な っ た の だ 。」( 矢 島 嶺 稿 「 入 院 し て 医 療 を 考 え る 」、『 医 療'96 』、Vol.12 、No.2 、 メ ヂ カ ル フ レ ソ ド 社 、1996 年2 月 、79 頁 。)14 ) 例 え ば 、 村 上 國 男 氏 はIC を 次 の よ う に 説 明 さ れ て い る 。 「 ア メ リ カ の医 療 に お い て 、IC と い う こ と が重 要 視 さ れ る よ うに な っ た の ぱ 、 こ の 診 療 契 約 と い う 考 え 方 に 影 響 さ れ る と こ ろ が 大 きい 。 工C と は 、 す な わ ち 『 十 分 に 情 報 を 与 え ら れ た ( 説 明 さ れ た ) う え で の 同 意 』 と い うこ と で あ り 、 契 約 を 結 ぶ と き に は 、 事 前 に 契 約 内容 に つ い て 十 分 に 説 明を 聞 い て、 し か る 後 に 同 意 し て か ら サ イ ン す る の は当 然 だ とい う考 え 方 で あ る 。]( 村 上 國 男 著 『病 名 告 知 とQualityofLife 』、 メ ヂ カ ル フ レ ソ ド 社 、1994 年 、230 頁 。)15 ) 砂 原 茂 一 、 前 掲 書 、149 、150 、156 、166 頁 。16 ) 村 上 國 男 、 前 掲 書 、230 頁 。17 ) こ の 検 討 会 の メ ン バ ■―は 次 の よ うで あ る 。 な お 、 肩 書 は 当 時 の も の で あ る 。 座 長 ・ 柳 田 邦 男 ( 評 論 家 )、 井 部俊 子 ( 聖 路 加 国 際 病 院 副 院 長 ・ 看 護 部 長 )、 榎 本 昭 二 ( 東京 医 科 歯 科 大 学 歯 学 部 教 授 )、 ロ ザ ソ ナ 加 藤 ( 歌 手 )、 垣 添 忠 生 ( 国 立 癌 セ ン タ ー 中 央 病 院 長 )、 上 坂 冬 子 ( 作 家 )、 坂 上 正 道 ( 北 里 大 学 客 員 教 授 )、 白 男 川 史 朗 ( 日 本 医 師 会 副 会 長 )、全 田 浩 ( 信 州 大 学 医 学 部 薬 剤 部 教 授 )、竹 中 浩 治 ( 厚 生 年 金 事 業 振 興 団 理 事 )、 根 岸 昌 功 ( 都 立 駒 込 病 院 感 染 症 科 医 長 )、 二 川 俊 二 (順 天堂 大 学 医 学 部 教 授 )、 松 尾 浩 也 ( 上 智 大 学 法 学 部 教 授 )、森 鴬 昭 夫 ( 名 古 屋 大 学 法 学 部 教 授 )、 山 崎 敏 雄 ( 前 日 本 精 神 病 院 協 会 副 会 長 )。18 ) 「イ ソ フ ォ ー ム ド ・ コ ン セ ン ト の 在 り方 に 関 す る 検 討 会 」 は 、1993 年 か ら12 回 の 検 討 を 重 ね 、1995 年6 月22 日 に 、[ 元 気 の 出 る イ ン フ ォ ー ム ド ・ コ ン セ ン トを 目指 し て ]と い うサ ブ タ イ ト ル を 提 し た 報 告 書 を 、厚 生 省 健 康 政 策 局 長 に 提 出 し て い る 。19 ) 同 報 告 書 は 、IC の 訳 語 に つ い て は 以 下 の よ う な 提 案 が あ っ た こ と が 示 さ れ て い る 。 [ 説 明 ・ 理 解 と 同 意 ]、「 説 明 と理 解 ・ 納 得 ・同 意 」、「( 医 療 従 事 者 の ) 十 分 な 説 明 と(患 者 の )理 解 に 基 づ く 同 意 」、「医 療 を 受 け る 側 に 立 っ た 説 明 と 同 意」、「 説 明 と 理 解 ・ 選 択 」、「十 分 理 解 し た うえ で 自 分 で 決 定 す る こ と 」 等 で あ る 。20 ) 例 え ば 、 次 の よ う な 訳 語 を 主 張す る 者 もい る 。 「 わ か り 易 い 説 明 と 納 得 し た うえ で の 了 解 あ る い は 承 諾 」( 隅 谷 護 人 稿[ 日 本 の 特 殊 性 と イ ソ フ ォー ムド ・ コ ン セ ン ト ]、『医 療'96 』、Vol.12 、No.2 、 メ ヂ カ ル フ レ ソ ド 社 、1996 年2 月 、45 頁 。)21 ) こ の 点 に つ い て は 、 例 え ば 次 の よ う な 指 摘 が あ る 。 「 わ が 国 で は 以 前 か ら 、 患 者 は と も か く と し て家 族 に 対 す るIC は よ く 行 わ れ て い た と もい え る 。 … … ( 中 略 ) … … 欧 米 流 に い う と 工C の 基 本 は 患 者 本 人 の 問 題 で 、 家 族 は い わ ば 他 人 で あ っ て 、 本 人 の 許 可 な く家 族 に 患 者 の 秘 密 を 漏 ら す こと は 犯 罪 的 行 為 と も い え る。 し か し 、 わ が 国 の 実 状 で は な お 家 族 の 存 在 が 大 き く 、 こ の 点 も 欧 米 諸 国 と 極 め て 異 な っ た 状 況 で あ る 。]森 岡 恭 彦 稿[ 日 本 式 イ ソ フ ォ ー ム ド ・ コ ソ セ ソ ト の 課 題 ]、『 医 療'96 』、Vol.12 、No.2 、 ノ ヂ カ ル フ レ ソ ド 社 、1996 年2 月 、32 頁 。)22 ) わ が 国 のIC の 実 状 は 欧 米 と は 異 な る 。 し た が っ て 、「 も と も と 説 明 が あ っ て 同 意 が あ る 精 神 土 壌 で は な い わ が 国 の こ と 、 現 実 の 患 者 の気 持 ち に 即 し て 考 え る 程 、IC 論 議 は な か な か ク リ ア カ ッ ト に は い か な い 。」 と も い え よ う 。 特 集 「 イ ソ フ ォ ー ム ド ・ コ ン セ ン ト 患 者 の 気 持 ち 」、『 医 療'96 ムVol.12 、No.2 、 タヂ カ ル フ レ ソ ド 社 、1996 年2 月 、19 頁 。23 』 日 本 医 師 会 生 命 倫 理 懇 談 会 『[ 説 明 と 同 意 に つ い て ] の 報 告 書 』、 日 本 医 師 会 、1990 年1 月 。
救急 部 集中治 療部 形 成 外科 口腔外 科 そ のほ かの科 79人62 人60 人28 人27 人19 人14 人 内 科 外 科 小児科 精神科 麻 酔科 産婦人 科 耳 鼻咽喉 科 資 料 出 所 : 同 上28 ) 調 査 対 象 者 の 診 療 科 別 の 人 数 は 、 次 の よ う で あ る 。 471 人476 人 引 丿 ︲ 作 以5060 歳 明 卜 卜1 卜 抑 い 不 186 人 1955 人155 人5 人 人 人 人6616 資 料 出 所 : 同 上 。 男性 女性 不 明 脳神 経 外科 整形 外 科 皮 膚 科 眼 科 泌尿 器科 放 射 線科 歯 科 13 人7 人 840人312 人159 人151 人103 人100 人82 人 24) 国 立 癌 セ ン タ ーで は 、 臨 床 試 験 の 際 に 同 意 書 を 作 成 し て は い た が 、 患 者 に 同 意 書 の 写 し は 渡 し て い な か っ た 。1995 年4 月 以 降 、 セ ン タ ー 内 の 倫 理 審 査 委 員 会 の 決 定 を 受 け て 、 説 明 文 書 と 同 意 書 が 一 体 に な っ た 「 説 明 ・ 同 意 書 」 の 使 用 を 義 務 づ け 、 患 者に 持 ち 帰 っ て も ら う よ う に し た 。25 ) こ の 点 に つ い て は 、 例 え ば 次 の よ う な 指 摘 が あ る 。 「米 国 で は 、IC は 制 度 化 さ れ て お り、 監 視 制 度 も 厳 密 に 運 営 さ れ てい る 。 そ れ に 対 し て 、 日 本 で は多 く の国 民 に と っ て 医 療 はい ま だ 医 師 に 『 お 任 せ 』 し て おけ ば い い も の で あ り、 シ ス テ マ テ ィ ッ ク な 仕 組 み を 求 め る 動 き は 弱 い 。」( 江 口 研 二 稿 「 が ん の臨 床 試 験 と イ ン フ ォ ー ムド ・ コン セ ン ト 」、『医 療 ■96』、Vol.12 、No.2 、 メ ヂ カ ル フ レ ン ド 社 、1996 年2 月 、55 頁 。)26 ) 調 査 対 象 者 の う ち 、 勤 務 医 と開 業 医 の 割 合 は 次 の よ う で あ る6 回答 数:2115 通 勤 務 医 不明9 人 二 資 料 出所: 『SCOPE 』、Vol.33、No.10、 日本 アップ ジョ ソ株式 会社、1994年10月 、5 頁。 27 ) 調 査 対 象 者 の 年 代 構 成 は 次 の よ う で あ る 。 開 業 医 20 代30 代40 代 勤 務 医
29 ) 30 ) 多 く の人 と出 会え る 一 経済的 に安 定し てい る 他人に 使 われ ない。= QOL 意 識に 関 す る 基 礎 的 考 察 医 師に な っ て よ か っ た と 思 う こ と は ( 複 数 回 答 )
九 回T
資 料 出 所 : 同 上 、7 頁 。 20代30 代40 代50 代60 代70 歳以上 §S厘 竃参 席説 示 贈 朧 朧 獄則回回帽 社会 的に 重要度の高 い 仕事であ る (n=1247) 50 % 詣§ 鋲亘 、、尽 ぶ図 二二膜 9 心 U 四 回言 Bs |RI詣脂顎髭言 千回丿罰 54 % 胆 詣言 訓 冒 脱 脂卜四冪 。事皿 誤 聞 自譜 56 % 蕊百 二落読百 素願 言冪ご回 示驚 羅潔 胆言 罰 肺 談 詣前頭脳 請願 言丿 蕪皿余則厨 房誤診 回目頂詞 祐 話│謳 題 言 回回三百総 座頭 言 飯冪 回j52% 70% 脳神 経外科 小 児科 内科 外科 産婦 人科 72% 17 68 % 回目U 耳聯 顕 示席 順言 言 言 朧 朧 賠 回 皆 皆 諮顕宗町Us に に乱賜薗 冪 白目 回 刊 鈴箆 贈 了丿 轟 言朧 朧 千 談 則言回i 60% 59% 資 料 出 所 : 同 上 。 「医 師 とい う 仕 事 が 非 常 に 好 き 」 と 答 え た 医 師 の 割 合 が 最 も 高 か っ た のは 脳 神 経 外 科 で あ っ た が(44 % 、 表1 −2 を 参 照 。)、 こ こ で も 脳 神 経 外 科 の割 合 が72 % と 最 も 高 く な っ て い る 。 第2 位 は 小 児 科 で68 % 、 次 い で 内 科 で60 % と な っ て い る。「非 常 に 好 き 」の 項 目 の 調 査 結 果 で は 、内 科 系 よ り も 外 科 系 で 高 い 割 合 を 示 し て い た が 、 こ こ で は 小 児 科 や 内 科 に 比 べ て 、 外 科 や整 形 外 科 の 方 が 低 い 割 合 に な っ て い る 。31 ) 32 ) 資 料 出 所 : 同 上 、9 頁 。 体 力 を 消 耗 す る 肉 体 労 働 で あ る い つも緊 張してい なけ れば なら ない 資料 出所 : 同上。 各年代 に おい て も、開業 医の方 が勤 務医 よりも高 い割合 に なっ てい る。 勤 務医の30代、40代、50代では 徐 々に増 加は して いる も のの、そ れ程差は ない が、60代、70代 にな ると急 増し てく る。 開業 医 の30代、40 代、50代 では 勤務 医同 様に それ程差 はな く、ほぼ 同じ 割合 にな っ てい るが、60代にな るとそ の割合 は低く
QOL 意識に 関する基 礎的考察 19 な り、70代に なる と急に 増 加してい る。33 ) 「忍 耐強 さが 求めら れる 」 と答えた医 師の開 業医 ・勤 務医別 の割 合、=及 び年 代別 の 割合は 次の ようであ る。 忍耐強 さが求 めら れる 資 料 出除 :同上 。 よ34 ) 「常 に勉 強し なけ れば な らない」 と答 えた 割合 は、20代か ら50代 までは、 勤 務医 と開業 医 の別 に 関係な く、 どち らも30% から40% の間 であ り、年 代の違 いに よっ てもあ ま り変 わ らな い。 ところ が、 勤務 医 では50代 で37% であ った 割合 が、60 代では54%に、70代 では78% に増 加し てい る。 同様 に、 開業医 にお いて も、50 代 で35%の 割合 であ った の が、60代で60%に 、70代 で68% に急 増し てい る。 以下 の表を 参 照さ れたし。 常 に勉強 しなけ ればな らな い38 % 資 料 出所 : 同 上 。35 ) [ と に か く 忙 し い ] と 答 え た 医 師 の 割 合 は 、20 代 の 勤 務 医 で 最 も 高 く51 % と な っ て い るノ 勤 務 医 で は 、30
代 、40代 、50代 は どれ も40% 強で変 わらない が、60代(27%)、70代(24%)に なる と低 くな ってい る。 開 業 医 の場合 も 、30代、40代、50代 では そ れ 程 差 は み ら れ な い が 、60 代 (30 %) で 若 干 低 く な り √70 代 (16%) に な る と急 に 低くな ってい る。全 体とし ては 、60代に な ると 「とに かく忙 しい」 とい う割 合は低 く なる。 以 下 の表を 参照 された し。 とくに 忙 しい % 資 料 出所 :同 上。36 ) 調査 対象 者は 、医 師1049名 と看 護婦410名 である。 こ の調 査の 概 要につ いて は、以下 を参 照 されたし。 『SCOPE 』、Vol.30、No.4、日本 アップ ジ ョソ株式 会 社、1991年4 月 、5 −13頁 。37 ) 医師 も患 者に な って みる と、特に この点を 痛感 する よ うであ る。 「医 療とい うも のは ど うに もなら ぬ苦 痛のあ る ときは、 まず 苦 痛を取 り除 くこ とが最 重要 だ。 そ のあ と救 命・延 命を 考 えれ ば よい。 ……( 中略) …… 『医師 は患 者に な って みなけ れば人 の苦 痛は わからな い』 と い うこと が、 よ うや く 理解 できた 次第 である。」(矢 島嶺 、 前掲稿 、79頁 。) ダ (1997 年12 月8 日 受 理)