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シロイヌナズナのアルミニウム耐性QTLに関する研究

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Academic year: 2021

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Title

シロイヌナズナのアルミニウム耐性QTLに関する研究( 内容

の要旨 )

Author(s)

小林, 佑理子

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(農学) 甲第408号

Issue Date

2006-03-13

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/3105

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏 名(本(国)籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月 日 学位授与の要件 研究科及び専攻 研究指導を受けた大学 学 位 論 文 題 目 審 査 委 員 会 小 佑理子 (三重県) 博士(農学) 農博甲第408号 平成18年3月13日 学位規則第3条第1項該当 連合農学研究科 生物資源科学専攻 岐阜大学 シロイヌナズナのアルミニウム耐性QTLに関する 研究 主査 岐阜大学 助教授 副査 岐阜大学 教 授 副査 静岡大学 教 授 副査 信州大学 教 授 之 夫 雄 潔 博 徹 明 山 田 野 小 原 森 伴 論 文 の 内 容 の 要 旨 世界に広く分布する酸性土壌では、可溶化したアルミニウム(Al)が作物の生育を著しく阻害している。 そのため、植物のAl耐性を向上させることができれば、酸性土壌での作物の収量を増加させることがで きると考えられる。申請者は、本学位論文において、モデル植物シロイヌナズナを用いてAl耐性に関する 研究を進め、以下の3点を明らかにした。 1)シロイヌナズナの刃耐性に関するqTL解析 ⅣLs100ラインの刃ストレス区での根長を測定し、コントロール区に対する相対根長を算出し、Al耐性 を数値化した。その結果、遺伝率0.9以上の形質値を得られたこと、また刃障害のインデックスである根 端へのAl、カロース、活性酸素集積程度とAl耐性程度は一致することを見出した。これらの形質値と連 鎖地図を用いて、COmPOSiteintervalmapping法及び、完全組み合わせ法により単因子QTLとエビスタシ ス(交互作用遺伝子対)を検出した。その結果、それぞれ2つの単因子qTL並びに、5組または11組の エビスタシスが検出された。このように、シロイヌナズナにおけるAl耐性は複数の遺伝子に制御されてお り、遺伝的に複雑であることを明らかにした。 2)シロイヌナズナ刃耐性qTLlの機能推定とファインマッピング Alストレスと共通の生理的作用をもつLaについて、先と同様にQTL解析を行ない、Al耐性とLa耐 性は遺伝的関連性がないことを明らかにした。一方、Hoekengaら(2003)は、本研究の報告(Kobayashi andKoyama2002)に引き続いて、同じLer/CoIRILsを用いて、主導QTLはリンゴ酸放出を増加させるこ

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-103-とによってAl耐性に貢献していることを明らかにした。そこで、Le,イCviMLsにおいてもQTLlがAl耐性 遺伝子型(Cvi)であるRmsのAlストレス下でのリンゴ酸放出量を調べ、同じリンゴ酸放出モデルで説明 できることを明らかにした。この遺伝子座をNIL(QTLl領域のみを耐性型のColゲノムに持つ)により詳細 なマッピングを行い、QTLl遺伝子は第1染色体上部1.5Mbから2・6Mbの間に存在することが明らかに した。 3)qTLl遺伝子の同定 Alストレス下の根において耐性親で感受性親よりも発現量が高い遺伝子を、オリゴマイクロアレイ法によ ってNILマッピング領域内において探索した。その結果、3つの遺伝子がCol、Cviの耐性種に共通して感 受性種のLerよりも発現量が高いことを見出した。そのうち根端で発現する膜タンパク質をコードする AtlgO8430遺伝子は刃ストレスによって全遺伝子中最も誘される遺伝子であり、コムギリンゴ酸トランスポー ター(ALMTl)の相同遺伝子であった。同遺伝子の破壊株の表現型解析からとシロイヌナズナ野生アクセ ッションの相関解析から、同遺伝子がQTLlの主動遺伝子であると結論している。 審 査 結 果 の 要 旨 土壌瘡液中に含まれるアルミニウムイオンは、酸性土填での作物の生育を阻害す る原因である。 この過剰害を、アルミニウムストレスと呼ぶが、これは世界の食 糧生産に対して最もネガティブなインパクトを持つ環境ストレスとされている。 学位申請者は、モデル植物シロイヌナズナに対して、QTL解析とトランスクリプ トーム解析を適用して、アルミニウム耐性機構の分子レベルでの解明と、QTLの 原因遺伝子単離に関わる研究を行い学位論文として取りまとめた。研究内容とそ れに対する審査結果は以下の3点にまとめられる。 1)シロイヌナズナのAl耐性に関するQTL解析 シロイヌナズナでは分子マーカー密度が高い、QTL解析に適したマッピング集団が 世界の研究者で共有されている。そのため、環境要因と個体間差を排除した表現形 質値を得ること、つまり形質値判定の遺伝率を高めることができれば、精密なQTL解析 が可能となる。申請者は、100ライン以上の系統を同時に複数回栽培して、各30以 上のデータを集積した上で生育遅延個体を排除することにより、遺伝率0・9以上の形 質値評価系を構築した。この条件で評価される形質値は、他のAl障害(もしくは耐 性)の生化学的指標(感受性系統におけるAlと活性酸素の集積とカロース合成の誘 導)や、酸性土壌での生育と相関が高いことから、信頼性が高いものであった。この データを用いて、我が国では使用例が少なかったcompositeintervalmapping法及 び、完全組み合わせ法により単因子QTLとエビスタシス(交互作用遺伝子対)を検出 に成功した。これにより、2つの交配集団の最も主要なQTLが染色体1番の最北に 存在することを明らかにした。 2)シロイヌナズナ刃耐性qTLlの機能推定とファインマッピング Alストレスと共通の生理的作用をもつLaについて、比較QTL解析を行ない、Al 耐性とLa耐性は遺伝的関連性がないことを明らかにした0 このことから、1番染色体 最北に位置するQTL(以後QTLl)は、Al特異的な耐性遺伝子を含むQTLであると 結論した。Col几er集団のQTLlは申請者の報告(KobayashiandKoyama2002)に

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-104-引き続いて、米国コーネル大のHoekengaら(2003)が、リンゴ酸放出に関連すること を報告した。申請者は、別の交配集団(Le〟Cvi)を生理学的に解析し、同じ機構(リ ンゴ酸放出)によこの遺伝子座を、繰り返し戻し交配により作成したNm(QTLl領域 のみを耐性型のColゲノムに持つ)により詳細なマッピングを行ったところ、QTLlの

原因遺伝子は夷1染色体上部1.5Mbから2.6Mbの間に存在することが明らかとなっ

た。 3)qTLl遺伝子の特定 QTLlは単独で作用するため、1つの遺伝子の量的・質的な変異によるものであ ることが推定できる。この内、量的な変化が転写レベルで制御される場合、マイクロ アレイにより検出することが理論上可能である。申請者は、この作業仮説に従い、Q TLl領域で耐性親(Col及びCvi)の発現量が、感受性親に比較して高い遺伝子を 20Kのオリゴマイクロアレイにより解析した。その結果、3つに絞り込んだ遺伝子の一 っが、小麦のリンゴ酸トランスポーター遺伝子の相同遺伝子であることを見出した0 さらに、この遺伝子を破壊するとシロイヌナズナはAl超感受性となること及び、シロイ ヌナズナ品種間のAl耐性との相関解析から、転写レベルで制御されるタイプのAl耐 性遺伝子であると結論した。 以上の3点は、実用形質に関してモデル植物で展開したもので、新規性・拡 張性が高い研究として評価できる。このことから、審査委員全員一致で本論文が 岐阜大学大学院連合農学研究科の学位論文として十分価値あるものと認めた。 Kobayashi,Y.andKoyama,H・(2002)QTLanalysisofAltoleranceinrecombinant inbredlinesofArabidopsisthaliana.mantCellPbLSiol・43;1526-1533・

Kobayashi,Y・,Furuta,Y・,Ohno,T・,Hara,T・andKoyamチ,H・(2005)Quantitative

traitlocicontrollingaluminiumtoleranceintwoaccesslOnSOfArabidQPSislhalia,1a (Landsberge7・eCtaandCapeVerdeIsl早nds)・Phnt,Cel]andEnvi7Vn・28; 1516-1524.

参照

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