Title
機能性膜としてのバクテリアセルロース膜の製造と特性評
価( 本文(Fulltext) )
Author(s)
知久, 達哉
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(農学) 甲第601号
Issue Date
2013-03-13
Type
博士論文
Version
publisher
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/47984
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。機能性勝としてのバクテリアセルロース膜の
製造と特性評価
目次 Summery… … … … ‥1 第1章 序論… … … ‥・… …・3 第2章 N-Cl化バクテリアセルロースの調製と極薄シート化…… …8 第3章 N・Clバクテリアセルロースシートの耐水性評価… … …・22 第4章 アミノエチル化バクテリアセルロースシートの調製とその強度特性‥ 30 第5章 N-Cl化バクテリアセルロースおよびLBEPの混抄紙の製造と特性評価38 第6章 総括… … … … 42 謝辞
Snmmary ceuuloseisoneofthesustainablebiomassresource;itisthemostabundantorgamic polymerinnature・Itisproducedmainlybyhigherplant・Inaddition,itisknownthat somespeciesofbacteria(AαtObactwsp・,ABmbacteLltLmSp・,戯血biumsp・,ぷ生花由a sp.,heuLhmoassp・,、AchzwobacteFSP・,A肋偽印闇SP・,Aembactersp・,A甜tObacteF sp.)producecellulose・Thisceuuloseiscauedbacterialceuulose(BC)・BCisextremeb pureandexhibitsahigherdegreeofpobTmerizationandcrystamnitythanthe丘brous polymerfromplantsourceswhichcomposedwithligmin,hemice11ulose・memOSt remarkablepropertyofBCisverythinwidth・ MainpurposeofthisstudywasthepreparationandcharacterizationofN-Chlorinated
BC and aminoethylatedBC anditsultra-thinsheetmaking,andevaluationas、
functionalBCmembranes. 1PreparationofN-ChlorinatedBacterialCelluloseanditsUltra-thinSheet・making N-Chl。rinatedBC(N・CIBC)waspreparedbyathreestepreaction:cyanoethカation, carbamoylethylationandN・Chlorination・ CyanoethylatedBCofDS(degreeofsubstitution)0・05waspreparedMichaeladdition withacrylomitrileat400Cforabout2・5hCatbamoylethylationofcyanoethylatedBC readibTPrOCeededbyadditionofH202 atrOOmtemPerature(200C)andreachedDS o.05forab。utlhr.Inthethirdstep,CarbamoylethyletedBC(CBBC)eas止yreacted
with NaClO andgave N・CIBC・The drytensileindexofN-CIBC sheet(10pm
thickness)wasaboutl.7timeshigherthanthatofaBCsheet,andthewettensile indexwasabout3.6timeshigher.ByN-ChlorinationofBC,WeCOuldpreparesheets
downtoathicknessof3pm.
2.Evaluationofwater-reSistantpropertiesofN-CIBCsheet
Wbt tensileindex of N・C迅C sheetincreased about2.2times when degree of
substitution(DS)waso.025,andincreasedabout3.2timeswhentheDSwasO・05
comparingwithBCsheet・DimensionalstabihtyofN・CIBCsheetwasalsoimprovedas
comparedwiththatofBCsheet・Itisconsideredthatremarkableimprovementof
water-reSistance and dimensionalstability by N・Chlorinationis attributed to the
3PreparationofaminoethylatedBCsheetsandevaluationoftheirstrengthproperties
TheaminoethylatedBC(AEBC)waspreparedinaheterogenuossystemandstrengthpropertiesof
their丘bersheetswereevaluated・AEBCwasobtainedbyuslngtheHo血annreaCtionofCBBC・
CBBC was prepared via cyanoethylation ofBCandits hydrolysis by hydrogen peroxide・
CationizationwasconnrmedbythemethodofacidorangedyeingandFTRspeCtrOSCOPy・The
optimumNaOHconcentrationfortheHo血annreactionofCBBCwaslmol几・Thedryandwet
tensilestrengthsofAMBCsheets(thicknessof20押n)weregreaterthanthoseofBCsheet・
Especiallywater-reSistantandquick-dryingpropertieswereexcellent・
4ProductionandcharacterizationofmixedsheetcontainingN-CIBCandLBEP
The mixed sheet containing N-CIBC and LBKPwaspreparedbychangingthe
mixingrati0.Strengthpropertiesoftheirsheetswereevaluated・Drytensileindexof mixedsheetincreasedaboutl.3timeswhenthemixingratioofN-CIBCwasl%.Wbt tensileindexincreasedbyincreasingmixingrati0・Fromthisresult,itwasconsidered thatN-CIBCfiberobtainedbyN-Chlorinationimprovedinter一丘berbonding.Inaddition, itisconsideredwater-reSistancewasimprovedbytheincreaseofN-Clgroupinmixed sheets.
In conclusion,We COuld prepare waterresistance sheets by N-Chlorination and
aminoethylation and make thin membrane by the dispersion characteristics of
N・CIBC.ItisconsideredthatN-CIBCisexcellentmaterialbecauseofmixedsheetof
第1章 序論 セルロースは循環可能なバイオマス資源の一つであり、自然界で最も多く生産される天 然高分子である。そしてそれは紙、繊維、木材をはじめ、樹脂、塗料、食品、医薬品、化 粧品、電化製品に至るまで我々の生活の多岐にわたり深く関わる製品の重要な構成原料の 一つであるl)。セルロースは主に高等植物によって生産されている他に、動物のホヤの外 套膜の主成分であることや、微生物が生産することが知られている2)。 セルロースを生産する微生物として、Aαわ由血・属、卸血c血属、肋放皿 属、励花由∂属、蝕〟血∂βg属、A血0由仁ぬr属、A極月甜属、Aem血cお属、 .4及7ぬ由c由r属などがある3)。この中でも本論文の供試菌株である酢酸菌(AαぬムβCぬr 刃滋mⅧ)などはセルロースを菌体外に大量に産出することが知られている(Fig.1.1)。 このように微生物から算出されるセルロースはバクテリアセルロースと呼ばれている。 Fig・1・1SEMphotographofAcetobECぬ・痴LLm バクテリアセルロースは静置培養法では、グルコース、フルクトース、スクロースな どを基質とする培養液へ酢酸菌を添加すると、ゲル状の膜(ペリクル)が培養液の表面に 形成され、培養時間の経過とともに厚くなる。また、培養液の表面に形成されたペリクル が培養液中に水没し、培養液の表面にべリクルが無くなると、再び培養液の表面にべリク ルが形成される。このペリクルは酢酸菌、バクテリアセルロース、培養液から構成されて おり、そのほとんどが培養液であり、バクテリアセルロース量は1%程度であり、極めて
含水率の高いペリクルである。 酢酸菌が産出するバクテリアセルロースが木材などの植物セルロース原料と異なる点と してヘミセルロースやリグニン等の非セルロース成分を含まず、高純度のセルロースが得 られることである刃。植物体内でのセルロースの主な役割は細胞壁を構成し、植物体を支 えることであり、植物の細胞壁にはセ/レロースのほかに、ヘミセルロースが存在する。ま た維管束を有する高等植物にはリグニンが存在している。そのため植物からセルロースを 抽出するには脱リグニン処理を行う必要がある。一方バクテリアセ′レロースの場合、酢酸 菌が形成するゲル状膜には、菌、培地成分と原料となるものを除けば、非セルロースが存 在せず高純度のセルロースが得られる。また、バクテリアセルロースの最も注目すべき特 徴は非常に微細なフィブリル構造を持つことである。 Fig.1.2SEMphotographsofbacterialcelluloseandLBKP hft,bacterialceuulose;Right,LBKP Fig.1.2にバクテリアセルロースとLBEp(広葉樹クラフトパルプ)のSEM写真を示すo LBEアの繊維幅が数p血であるのに対レミクテリアセルロースの繊維幅が数十nm程度で ある。このようにバクテリアセルロワスが構築する綱目構造は極端に細かいことがわかる。 その他の特徴として高い結晶化度、重合度による優れた物理特性などが既に明らかにされ ており、バクテリアセルロースはナノレベルの新素材として注目されている。 バクテリアセルロースについての研究は植物由来のセルロース生産量に比べはるかに少 ないことが現在でも課題になっているため生産性向上を目的とした論文が多く見られ5畑、 利用についてもいくつかの報告がある。最も有名なものはナタデココでありバクテリアセ ルロースをシロップ漬けにして食品としたものである。また、他のポリマーとコンポジッ ト化したものや10)・1刃、紙力向上を目的として紙への添加も試みられている。澤渡15)はバク
テリアセルロースを女性用パンプスの中敷きとしての利用を検討し、好結果を得ている。 またバクテリアセルロースをシート化したものは高弾性率を有することからスピーカーの 振動板等に実用化されている1¢。さらにバクテリアセルロースの利用拡大を目的として化 学改質よる機能化も試みられており、mmら17)はBCの表面アセチル化により、物理的性 質の改善をはかっている。また根本、磯貝らはBCと同様にナノレベルの繊維幅を有する ミクロフィブリルセルロースを原料としてTEMPO酸化を行い、カルポキシル基を有する 多孔質体の合成に成功している18)。 上記背景の中、本論文ではバクテリアセルロースの繊維を基材とし、繊維表面を化学改 質することで機能性膜の調製し、特性評価することを目的とした。 第2章ではペリクルおよびスラリー状にしたバクテリアセルロースの化学改質として N-Cl化バクテリアセルロースを調製するためにシアノエチル化、カルバモイルエチル化お よびN-Cl化を行い、反応性について検討した。 第3章ではシアノエチル化、カルバモイルエチル化およびN-Cl化したバクテリアセル ロースの強度特性について比較した。またN-Cl化したバクテリアセルロースについては 耐水性評価を行った。 第4章ではバクテリアセルロースのカチオン化を検討し、マイケル付加反応とホフマン 反応を経由するアミノエチル化を試みた。 第5章ではN-Cl化したバクテリアセルロースとLBKPを混抄し、N・ql化バクテリア セルロースの機能性材料としての特性評価を行った。 最後に第6章ではこれら一連の研究を総括した。 文献 1)上出健二,岡島邦彦(2003).機能性セルロース.セルロース誘導体,普及版第1刷 pp.50-111,シーエムシー出版,東京 力柴崎秀樹,空閑重則(1996).製紙用機能化材料としてのバクテリアセルロース.紙パ技 誌.50(5)pp.772-776. 3)高井光男,藤原政司(2008).セルロースの事典(セルロース学会).微生物,新装版pp.43・46, 朝倉書店,東京 4)高井光男(1992).微生物セルロースの合成とその利用,SEN-IGAmHI48(4)pp. 153-157
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第2章 N・Cl化バクテリアセルロースの調製と極薄シート化 2.1 はじめに 本章では、バクテリアセルロースの機能化として化学改質N-Cl化バクテリアセルロー スの調製を行った。N-Cl化反応はシアノエチル化、カルバモイルエチル化、N-Cl化の3 段階からなり、植物セルロースではすでに試みられている1)2)。そこで各反応性を検討する とともに極薄シートの作製を試みた。 2.2 実験方法 2.2.1バクテリアセルロース(BC)の調製 本研究で使用したBCを調製するため、酢酸菌(Aαわ由c鹿r画比ⅢATCClO245株) を用いた。Thble2.1に示すHestrin・Schramm(HS)液体培地に1%の寒天を加えた固体 培地に保存した酢酸菌を採取し、200mlのHS液体培地の入った300ml三角フラスコへ移 植した。 Table2.1CompositionofHestrin-Schrammliquidculturemedium
Glucose CitricAcid Na2HPO4 YeastExtract Pepton ⅠmitialpHs
1.0 0.1 0.3 0.5 0.5 6.0 培地は280C、暗室にて14日間静置培養した。ここまでを前培養とする。前培養後、30ml のHS液体培地の入った100ml三角フラスコに前培養後の培養液を10ml添加し、前培養 と同条件で培養期間を変えて培養した。培養後、培養液表面に形成されたペリクルを回収 し、1NNaOH水溶液に浸漬させ、800C、1時間湯煎し、菌体を溶解させた。その後1% 酢酸水溶液で中和後、蒸留水で洗浄、浸漬させることで培地成分を除去してBCペリクル を得た。またBCペリクルをブレンダー(11,500rpm)で解繊しスラリー状にしたBC(以 後BCスラリー)も調製した。 2.2.2 BCのシアノエチル化 2・2・1で得たBCペリクル及びBCスラリーはセトン対水を1:2で混合した溶液中に分 散させ、アクリロニトリルとNaOⅡをそれぞれ0.42mol几、0.1moVLの濃度になるよう に添加し、反応温度400Cでマイケル付加を行った。反応式を次に示す。 BCen-OH+CH2=CHCN→BCell-0-CH2CH2CN
ここでBCen-OHはBCの水酸基を表す。 2.2.3 シアノエチル化BCのカルバモイルエチル化 2.1.2で得たシアノエチル化BCをNaOHO.1moIA、H2020.3mol/L、室温(200C)、400C の条件下で反応させた。反応式を次に示す。 BCen-0-CH2CH2CN+H202→BCen-0-CH2CH2CONH2 2.2.4 カルバモイルエチル化BCのN-Cl化 2.2.3で得たカルバモイルエチル化BCをNaOHO.1moML反応温度00Cの条件下で NaClO(反応液中での濃度0.1mo〟L)と反応させた。反応式を次に示す。 BCen-0-CH2CH2CONH2+NaClO→BCen・0-CH2CH2CON'CINa++H20 2.1.5反応の追跡 シアノエチル化反応におけるアクリロニトリルの付加量は反応時のBCのケルダール分 解による窒素定量により求めた。カルバモイルエチル基ならびにN・Cl基の定量はヨード 法を用いた。なお各反応で得られたBC誘導体はFT・IR(島津製作所製8400S型)によ りIRスペクトルを測定し、反応を確認した。 2.2.6 シート作製 BCペリクルおよび各反応で得たBCペリクル誘導体はプレス後、緊張状態で風乾した。 またBCスラリーおよび各反応で得たBCスラリー誘導体はブレンダー(11,500rpm)で解 繊した後、pH6.5に調製したスラリーをF短.2.1に示した装置で吸引ろ過し、手すき紙(ハ ンドシート)を作製した。ハンドシートはプレス後、緊張状態で風乾し、薄葉シートを得 た。
Fig.2.1ApparatusforpreparingBChandsheets.SIwrywasobtainedbydefibrating BCpe山cleandBCderivativespdpbyblender(15000rpm).FilterusedwasPTFE (Polytetrafluoroethylene)fi1terPFO20(ADVAmEC). 2.2.7引張強度試験 前述の膜及びハンドシートから、幅10mmの試験片を作製した。これを東洋精機製万 能試験機に取り付け、スパン長5cm、引張速度10mm/min乾燥引張試験を行った。また 湿潤引張強度は試験片を24時間蒸留水中に浸漬後、ろ紙で過剰の水を拭き取り、上記試 験機でただちに測定した。
2.3 結果および考察 2.3.1BCのシアノエチル化(CE化) Fig.2.2にBCのCE化反応の一例を示す。CE化反応の進行に伴い、繊維表面の疎水性が ますことから、溶媒にはアセトンを用いた。反応は400Cで速やかに進行し、BCペリク ルは反応時間1時間で置換度(DS)約0.1反応時間5時間には約0.14となり、BCスラリー は反応時間1時間でDS約0.04、反応時間5時間にはDS約0.07となった。実際には不 均一系での反応であることから、BCの結晶領域内部に反応は起こり難いと考えられ、反 応は主に繊維表面と非晶領域に限られるものと推察される。また、置換度の算出方法がBC 全体に均一に反応したものと計算しているため、反応部位、特に繊維表面付近の実際の置 換度はFig.2.2よりも高いと考えられる。坂島らは多糖類のマイケル付加反応を速度論的 に検討し、1級水酸基への付加が優先されることを明らかにした3)。本実験でもBCのグ ルコース残基のC6位の水酸基へのCE化が優先的に起きているものと考えられる。 0.14 dコOh誠一hヨ告白dむー○∽口 0 8 6 1 0 0 ● ● 0 0 0 0 1 2 3 4 5 Reactiontime(h) Fig.2.2Cyanoethylationofbacterialcellulose(CEBC).CEBCwaspreparedfromBC whichwasreactedinthemixture仏£etOn:H20=1:2,NaOHO.1mom,CH2=CHCN O.42mo山at400C.SymboIsindicatedBCcondition:●,Slurry;□,Pe山cle. Note:DS:DegreeofSubstitution.
2.3.2 シアノエチル化BCのカルバモイルエチル化(CB化) CE化BCスラリー(CEBC)(DSO.05)のCB化反応の一例をFig.2.3に示した。反応は 200Cの常温で速やかに進行し、60分後にDSO.05に達した。またCE化BCペリクルの CB化においても速やかに反応が進行したが、静置状態で反応させると反応時に発生する
酸素がCE化BCづリクルの層中に侵入し、反応後も気泡が残る、あるいはペリクルの薄
層を破裂させてしまった。そこで反応溶液を混ぜながら、さらに超音波装置で振動させる ことで、気泡によるペリクルの薄層の破裂を防いだ。 なお、CB化には直接アクリルアミドをマイケル付加させる方法もあるが、CE化に比べ 反応速度が遅く、副反応としてアクリノレアミドの加水分解も起こり易いことから㊥、本実 験では2段階でのCB化を選択した。 シアノエチル基のCB化反応には過酸化水素を用いるが、この際セルロースの酸化分解 が起こり易い。千手らはこの酸化分解を抑えるためKIの添加が有効であることを見出し ている劫。本実験でもⅢを添加することにより400Cの比較的高温でも酸化分解を抑え て短時間でCB化することができた。 0.05dnO誌l含竜一きヨdq議じ篭S口
0 10 20 30 40 50 60 Reactiontime(min)Fig.2.3Carbamoylethylation ofCEBC(CBBC).cBBCwaspreparedfrom CEBC
Slurrywhichwasreactedinthemixture(H2020.3mouL,NaOHO.1mo山.symboIs indicatedreactiontemperature:●,200C;○,400C.
2.3.3 カルバモイルエチル化BCのN-クロル化(N-Cl化) Fig.2.4にDS O.05のCB化BCスラリー(CBBC)に対するN-Cl化反応の一例を示し た。N-Cl化反応は00Cで約1時間、200Cでは約15分で完了することが分かった。な おN-Cl化したBCは常温で長時間放置するとN・Cl基量の低下が起きることから6)、シー ト作製はN-Cl化反応終了後速やかに行った。 0.05 dnOh餌p①届書旨コPNJOS口 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 Reactiontime(min) Fig.2.4N-ChlorinationofCBBC(N-CIBC).N-CIBCwaspreparedfromCEBCslurry whichwasreactedinthemixture(NaClOO.1mouL,NaOHO.1mol心atooC.
2.3.4 各種作製シートのFTIRスペクトルの比較 各種改質BCは従来の製紙に用いられる抄紙網ではシート化できないので、Fig.2.1に示 した装置で手抄きシートを作製した。シート化した未改質のBC、CEBC、CBBCおよび N・Cl化BC(N-CIBC)のFTLIRスペクトルの比較をFig.2.5に示した。ここでCEBCはニ トリル基由来の2260cm・1に吸収が現われており、CE化の進行が確認された。さらに CBBCではニトリル基由来の吸収ピークが消え、1560cm・1および1664cm-1に鋭い吸収 ピークが出現した。これらはアミド基由来の吸収ピークと考えられる。N-CIBCはCBBC と類似のスペクトルが観察されたが、CBBCに比べ1560cm'1のピークは減少し1664 cm・1のピークは増加した。前述したようにN-Cl基は不安定な官能基であり、アミノ基を はじめとしてFig.2.6に示す尿素結合やウレタン結合並びにアルキルアシル尿素結合等さ まざまな反応が考えられる。なお木材由来のセルロース繊維のN・Cl化シートの場合アル キルアシル尿素結合が繊維間結合反応の多くを占めるとされている2畑。FFIRの結果とも 考え合わせ、本実験でも同様の反応が起きているものと推察される。 2500 2000 1500 Wavenumber(cm-1) 1000 Fig.2.5mtIR(FourierTransformInfrared)spectraofbacterialcenuloseandbacterial cellulosederivatives. Nbte:A,Bacterialce皿ulose(BC);B,CyanoethylBC(CEBC)0)SO.05); C,CarbamoylBC(CBBC)(DSO.05);D,N-ChlorinatedBC(N・CIBC)(DSO.05).
1.Urethanebond O
BCellモ0-CH2-C=2-NH-C-0-BCell*
2.Ureabond OBCell-0-CH2-CH2-NH-C-NH-CH2-CH2-0-BCelf
3.Alkylacylureabond O O * ll Il BCell-0-CH2-CH2-C-NH-C-NH-CH2-CH2-0-BCell Fig.2.6Proposedinter-fiberbondinginN-CIBCsheet. *BCell:Bacterialce皿ulose2.3.5 各種作製シートの引張強度特性 BCペリクルをN-Cl化までの各改質段階復調製したペリクルの乾燥および湿潤引張強 度を未改質のそれと比較してⅢ1e2.2に示した。なおTable2.2はペリクルの厚さを10 pmに揃えて比較したものである。 恥ble2.2DryandwettensileindexofBC,CEBC,CBBCandN-CIBC・Pellicles (thicknesslOpm)
Sbeet Condition Tensileindek(N・m/g)
BC dry 129.63 Wet 82.28 CEBCa) dry 109.29 Wet 7.20 CBBCa) dry 41.69 Wet 5.39 N-CIBCa) 血y 64.99 Wet 13.57 d)DSofBCderivativepellicleswasO.09 乾燥引張強度はCE化をすることで若干低下するが、CB化をすることでBCと比較す ると約0.3倍と極端に低下した。N・Cl化することで若干向上したが、それでもBCのそれ と約0.5倍という結果であった。また湿潤引張強度も同様にN-Cl化することでCE化、 CB化と比較すれば向上しているが、未改質に比べ明らかな低下が見られ、反応をさせる ことにより逆に乾燥および湿潤引張強度を低下させてしまう結果となってしまった。特に CB化後の極端な引張強度の低下の原因は2.3.2に述べているように反応時に発生する酸 素がペリクルの層に侵入することにより繊維間結合が切断されたこと、またCB化とN・Cl 化を比較するとN-Cl化することで強度の向上が見られることから置換基によって期待さ れた強度の向上よりも大きな強度低下を引き起こしてしまったことが原因であると推察し た。 次にBCスラリーおよび各改質段階後のシートを作製して引張強度特性を検討するにあ たり、まずシート作成時に使用したブレンダーの性能を調査した。これはシート作製にお
いて解繊の度合いによりシートの地合への影響が高く、それはシートの引張強度だけでな く、各種強度を変化させるからである。そこでBCペリクルからBCスラリーに解繊する 工程が最も解繊すべきであることから、ブレンダーの使用時間を変えて解繊した後、シー トを作製して、乾燥引張強度を測定して調査した。その結果をFig.2,7に示す。
(空白・N)雲p雇∵貨牒宍戸
0 0 0 5 4 3 0 5 10 15 20 De丘bratingtime(min) Fig.2.7E鮎ctofdrytensileindexofBCsheetbydefibratingtime.(thickness20pm) 解繊時間1分まではゲル状のBCが残り、シートを作製することができなかったが、2 分間以上解繊することでゲル状のBCはなくなり、シートを作成することができた。そし て解繊時間3分間で引張強度が最大値を示し、その後はほぼ同じ強度を示した。以上の結 果から本研究で使用したブレンダーは解繊時間3分以上行いシートを作製すれば、ブレン ダーによる引張強度への影響は無いものと判断した。そこで本研究ではブレンダーによる 解繊時間を5分間とした。 BCスラリーのN-Cl化までの各改質段階で調製したBC誘導体シートの乾燥および湿潤 引張強度をBCシートのそれと比較してThble2.3に示した。なお恥ble2.3はシートの厚 さを10pm、20pmに揃えて比較したものである。乾燥引張強度はCE化およびCB化す ることにより若干低下するが、N-Cl化によりBCシートの約1.7倍(厚さ10pm)、約1.3 倍(厚さ20pm)に向上した。また湿潤引張強度もCE化およびCB化の段階で低下するThble2.3DryandwettensileindexofBC,CEBC,CBBCandN・CIBCsheet8
m血ess
1q】皿 20pm
Reaction Condi也on Tensjkindex(Nrm/g)
BC 血y 33.12 67.16 Wet 6.29 15月6 CEBC d巧■ 24.12 46.50 Wet 3,22 16.50 CBBC 血y 26.69 55.81 Wet 4.31 24.55 N-CIBC 血y 57.30 89.94 Ⅵret 22.45 34.73 a)I)SofBCderivativepeuicleswa80.09 が、N・Cl化によりBCシートの約3.6倍(厚さ10p皿)、約2.3倍(厚さ20p皿)に向上 した。N・Cl化シートの大幅な乾湿強度向上はN・Cl基による繊維間結合形成に起因するも のと考えられるが、シートの地合い(繊維の分散状態)も影響しているように見受けられ BC CEBC CBBC N-CIBC Fig.2.8PictureofBC,CEBC,CBBCandN・CIBCslurries
CEBC CI‡BC N-CIBC Fig.2.9PictureofBC,CEBC,CBBCandN-CIBCsheet8 た。pig・2・8にBC及びN-Cl化までの各化学改質した後、ブレンダーで解繊したときのス ラリーの写真を示す。酌g.2.8は同じ重量の繊維が混合されており、BC、CEBC、CBBC の解繊後のスラリーは目視では差が観察されなかったが、N-CIBCは他のスラリーに比べ より解放されていることが明らかにわかる。またF短.2.9にシートにした写真で示すよう にBC、CEBC、CBBCそれぞれのシートは目視では差が見られなかったが、N-CIBCシ ートと比較すると明らかにN・CIBCの地合いの良さがわかる。
各シート表面のSEM画像を飢g.2.10に示した。CE化、CIi化、N-Cl化と反応が進行 するとともに結束繊維が減少していることが分かる。特にN-CIBCシートは結束繊維のな い均一な線経で構成されており、このこともN・CIBCシートの乾燥および湿潤強度の向上 CBBC CEBC N-CIBC Fig・2・10SEMphoto官raPhsofBC,CEBC,CBBCandN-CIBCsheet8 に寄与しているものと推察される。 筆者らはこれまでBCの薄葉シート化を検討してきたが、未改質のBC繊維では厚さ 4∼5p皿が限度であった。しかしN-CBCを調製することにより厚さ3p皿の薄菓シート を作製することが可能となった。
文献 1)鈴木恭治(1994).N-クロル化パルプより得られる耐水紙の強度特性と耐水化機構.機 能紙研究会誌33pp.31・36 2)鈴木恭治(2006).不均一系でのセルロースの機能化とその利用.機能紙研究会誌45 pp.11-17
3)坂島邦彦,坂田功,千手諒一(1969)・デンプンのシアノエチル化反応の速度論的研究.
工業化学雑誌72(7)pp.1552-1558 弟坂島邦彦,坂田功,千手諒一(1969).デンプンのカルバモイルエチル化反応の速度論 的研究.工業化学雑誌72(7)pp.1558-1564 5)千手諒一,矢野研一郎(1982).アルカリ性過酸化水素によるシアノエチルセルロース の酸化分解とその分裂に対するヨードイオンの防御作用.高分子論文集39(11)pp. 693-698 ㊥樋口光夫,野間耕一,千手諒一(1971).カチオンパルプの製造とその2,3の特性につい て.紙パ技協誌25(粛pp.187-195第3章N-Clバクテリアセルロースシートの耐水性評価 3.1 はじめに 第2章でN-Cl化したBCを抄紙することにより乾燥状態での引張強度が向上だけでは なく湿潤状態においても引張強度が向上したことから耐水性が付与したと推察した。本章 では引張強度だけでなくその他諸強度を測定することにより、耐水性の評価を詳細に検討 した。 3.2 実験方法 3.2.1BCのN・Cl化 N-Cl化BCはシアノエチル化、カルバモイルエチル化およびN-Cl化の3段階の反応に より調製した。シアノエチル化は酢酸菌(Aαわぬcぬrj勇払と皿ATCClO245株)を培養 して得たBCのペリクルをブレンダー(11,500rpm)で解繊した後、アセトン対水を1:2 で混合した溶液中に分散させ、アクリロニトリルとNaOHをそれぞれ0.42mol几、0.1mol几 の濃度になるように添加し、反応温度400Cでマイケル付加を行い、シアノエチル化BC (CEBC)を得た。カルバモイルエチル化はシアノエチル化BCをNaOHO.1mol几、H2020.3 mol几、室温(200C)の条件下で反応させ、カルバモイルエチル化BC(CBBC)を得た。CBBC をNaOHO.1mol几、反応温度00Cの条件下でNaClO(反応液中での濃度0.1mol几)と反応 させ、N-Cl化BC(N-CIBC)を得た。 3.2.2 シート作製 バクテリアセルロースおよび各反応で得たセルロース誘導体はブレンダー(11,500叩m) で解繊した後、PH6.5に調整したスラリーをFig.2.1に示す装置で吸引ろ過し、ハンドシー ト(60釘m2)を作製した。ハンドシートはプレス後、緊張状態で風乾した。 3.2.3 ハンドシートの強度及び耐水性評価 (a)乾燥引張試験0ISP8113) 前述のハンドシートから幅15mmの試験片を作製した。これを東洋精機製万能試験機に 取り付け、スパン長10cm、引張速度10mm/min、230C土lOC、相対湿度5蝕2%下で乾燥 引張試験を行った。乾燥比引張強さは次の式によって算出した。 乾燥引張強さ S=F/0 S:乾燥引張強さ(kN/m),F:破断までの最大荷重(涌,Q:試験片の幅(mm) 乾燥比引張強さⅠ=S/gxlO3
Ⅰ:乾燥比引張強さ,g:試験片の坪量(g/m2) (b)破裂強さ試験(JISP8131) ハンドシートから100×100mmの試験片を作製した。これをミューレン高圧形試験機 に設置し、加圧装置によって圧力を試験片が破れるまで加え、その最大圧力を測定し、被 裂強さを測定した。破裂強さは次の式によって算出した。 Ⅹ=P/W X:比被裂強さ仮gf/cm2・m2/∂,P:破裂強さ仕gf/cm2),W:試験片の坪量(m2/g), (c)耐折強さ試験(JISP8115) ハンドシートから幅15mmの試験片を作製した。これをMIT試験機に長さ11(辻5mmで 設置し、1.5kgfの荷重をかけ耐折回数を測定し耐折強さを測定した。耐折強さは次の式に よって算出した。 FE=loglON FE:耐折強さ N:耐折回数 (d)湿潤引張強さ試験(刀SP8135) ハンドシートから幅15mmの試験片を作製した。これを24時間蒸留水中に浸漬し、その 後、ろ紙で過剰な水を取り除き、直ちに東洋精機製万能試験機に取り付け、スパン長10cm、 引張速度10mm/min、230C土lOC、相対湿度50土2%下で湿潤引張試験を行った。湿潤比引 張強さは次の式によって算出した。 湿潤引張強さ Sw=F/o Sw:湿潤引張強さ(kN/m),F:被断までの最大荷重(N),O‥試験片の幅(mm) 湿潤比引張強さIw=S/gxlO3 Iw:湿潤比引張強さ,g:乾燥時の試験片の坪量(g/m2) (e)寸法安定性試験 ハンドシートから長さ10cm、幅15mmの試験片を作製し、24時間蒸留水中に浸漬、1050C、 ・2分間の熱乾燥、24時間風乾の乾湿繰り返し試験の際の寸法変化率を測定した。
3.3 結果及び考察 3.3.1BCおよび各種改質BCシートの特性 BCおよび各種改質BCシートの各種強度を恥blelに示す。CEBCおよびCBBCシー トの各強度は、置換度を上げるとCBBCシートの引張強度を除き向上するものの、BCシ ートと大差ない。しかしN-CIBCシートは置換度を上げると各強度が向上し、BCシート に比べ置換度0.05において乾燥引張強度が約1.4倍、破裂強さが約2倍、引裂強さが約 2.3倍、耐折強さが約2.8倍、湿潤引張強度が約3.2倍向上した。またBCシートの乾燥引 張強度に対する湿潤引張強さ残留率を求めると BCシートが約12%であるのに対し N-CIBCシートは置換度0.025で約28%、置換度0.05で約42%であった。BCをN-Cl 化することによりBCシートに比べ乾燥状態での各強度が向上するだけでなく、湿潤引張 強度すなわち耐水性も向上することが示された。これらの結果は植物セルロースで試みら れた結果と同様の傾向が示され1)、,特に耐折強さに関してBCの状態でも植物セルロース に比べ非常に優れており、各反応によりさらに向上することが示された。 Thble3.1StrengthpropertiesofBC,CEBC,CBBCandN-CIBChandsheets Sheets DS☆ Dry tensile index (N・m/g) Wet tensile index (N-m/g) Burst払ctor (kg批m2・ m2/∂ Tearindex (mN・m2/∂ Fol血ng endurance (loglON)柚 BC 0 63.13 8.15 0.38 2.09 2.97 CEBC 0.025 56.72 7.14 0.30 3.02 2.79 0.05 57.21 7.39 0.38 3.78 3.11 CBBC 0.025 65.72 6.68 0.26 2.13 3.26 0.05 63.13 10.27 0.49 2.80 3.32 N-CIBC 0.025 67.09 18.17 0.59 3.61 3.33 0.05 89.29 26.86 0.79 4.82 3.42 ☆D・S・(Degreeofsubstitution):Numberofcorrespondingfunctionalgroupperglucose nnit. **FoldingenduranCeWaSteStedunderatensionofl.5kg【
3.3.2 N-CIBCの耐水性 3.1において、N-CIBCシートの湿潤引張強度が向上することが示された。そこでN-CIBC の耐水性についてさらに詳しく検討するため、シートの湿潤時の特性を経時的に測定した。 Fig.3.1にBCシートおよびN-CIBC(置換度0.05)シートを水に浸漬した場合の浸漬 時間と湿潤引張強度の関係を示す。BCシートおよびN-CIBCシート共に強度低下がみら れたが、BCシートは浸漬期間14日目、N-CIBCシートは28日目以降明らかな強度低下 がみられず、N-CIBCシートがBCシートの強度まで低下しないことが示された。 (ゼ己・N)崇p眉①一偏dβ葛旨 0 0 0 7 6 5 0 0 0 4 3 2 0 0 1 ♂ 7 14 21 28 35 42 49 56 Immersiontime(d) Fig.3.1E飴ctofimmersiontimeinwateronthewettensileindexofBCandN・CIBC sbeets. SymboIs:BCsheet:▲,N-CIBC(D.S.0.05)sheet:●. ☆Tbnsileindexofimmer$iontimeOisdrytensileindex. 以上の結果より浸漬期間28日目以降のN-CIBCの湿潤引張強度(17.7N・'m/g(28 days))とBCの湿潤引張強度(5.6N・m/g(14days))の差(12.1N・m/g)がN-Cl基に よる耐水性向上であり、浸漬したことによる急激な引張強度の低下、浸漬期間28日まで の緩やかな引張強度の低下は水により水素結合がはずれることによると推察した。
F短.3.2に各シートを24時間浸潰後、水中から引き上げ、ろ紙で過剰の水を除いた後、 230C土lOC、相対湿度5(辻2%下で乾燥した時の引張強度の経時変化を示す。乾燥時間が経 過するとともにBCシートおよびN・CIBCシートは含水率も低下し、引張強度が向上し、 BCシートでは乾燥時間11分で浸漬前の乾燥引張強度と等しくなった。N・CIBCシートで は置換度0.025で9分、置換度0.05で7分と置換度を上げることにより浸漬前の乾燥引 張強度と等しくなる時間が早くなる傾向が示された。
(如\百・N)宏p月遥岩責
0 0 7 6 0 0 0 5 4 3 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1011 Drytime(min) Fig・3・2Changesintensilestrengthofsheetsbyleavinginanatmosphereof230C, 50%RHafter24hoursimmersioninwater. SymboIs:BCsheet:▲,N-CIBC(D.S.0.025)sheet:■, N-CIBC(D.S.0.05)sheet:●.3.3.3 N-CIBCの寸法安定性 3.3.2ではN-Cl化、置換度により耐水性、速乾性の向上が示されたが、この要因として N-Cl化による吸水性の低下、繊維間結合数の増加によるものと推察した。そこで乾燥湿潤 繰り返し試験による寸法変化率を測定し、その結果をF短.3.3示す。BCシートの最大変 化率は4.0%であった。これに対しN・CIBCシートは置換度0.05で2.4%、置換度0.025 で1.9%でありBCに比べ寸法変化率が減少したことが示された。
(芭①浮d貞Ol召○頂已①百石
5 0 5 3 3 2 0 5 0 ● ● 2 1 1 1 2 3 1 2 3 1 2 31cycle 2cycle 3cycle
Fig・3・3DimensionalchangesofBCandN-CIBCsheetsbywet・drycycle.
Notes:1:airdry;2:wet(24hrimmersion),3:thermaldry(1050C,2min)
SymboIs:BCsheet:▲,N・C迅C(D.S.0.025)sheet:■, N-CIBC(D.S.0.05)sheet:●.
F短.3.4に湿潤状態における寸法変化率の経時変化を測定した結果を示す。培養で得られ たBCペリクルは通常BCの乾燥重量の100∼200倍の水を含んでいるが2)、乾燥すると セルロース間の水素結合によって、フィブリルが強固に相互癒着し、再び水に入れても癒 着が解除されない性質がある3)。BCシートは14日目、・N-CIBCシートはBCシートに比 べ緩やかに寸法変化率が上昇し28日目で最大変化率に到達し、BCの性質およびN-Cl化 による寸法変化率の低下が示された。
(芭&喜一Ul昌○頂已①白岩
0 5 ● ● 3 2 0 5 2 1 0 7 14 21 28 35 42 49 56 Immersiontime(d) Fig・3・4E飴ctofimmersiontimeinwateronthewetdimensionalchangesofBCand N・CIBCsheets. SymboIs:BCsheet:▲,N・CIBC(D.S.0.05)sheet:●. 以上の結果よりN-CIBCシートの耐水性はN・Cl化によりBCに比べ解繊時の繊維の状 態(F短・2・8)、シートの状態(Fig.2.9)で示されたように地合が均一化され、F短.3.1に示 したN-CIBCシートの湿潤引張強度が浸漬期間28日目まで緩やかに低下することから繊 維間結合数の増加が推察され、さらにN-Cl基によって繊維間結合強度を向上させたこと により、耐水強度および寸法安定性が向上したと考えられる。文献 1)鈴木恭治(1994).N-クロル化パルプより得られる耐水紙の強度特性と耐水化機敵機 能紙研究会誌33pp.31・36 2)柴崎秀樹,空閑重則(1996).製紙用機能化材料としてのバクテリアセルロース・紙パ技 誌.50(5)pp.772-776. 3)渡部乙比古(20鵬).セルロースの事典(セルロース学会).微生物,新装版pp・556・563,朝 倉書店,東京
第4章 アミノエチル化バクテリアセルロースシートの調製とその強度特性 4.1はじめに 第2章ではバクテリアセルロースの化学改質としてシアノエチル化、カルバモイルエチ ル化およびN-Cl化までの3段階の反応の検討、第3章ではその強度特性を詳細に検討し てきた。本章ではバクテリアセルロースのカチオン化を目指し、カルバモイルエチル化BC からホフマン反応を経由するアミノエチル化を試みた。 4.2 実験方法 4.2.1バクテリアセルロースのアミノエチル化 アミノエチル化BCは酢酸菌(Aαわぬ鹿野肋比びATCClO245株)を培養して得た BCのペリクルをブレンダー(11,500叩m)で解繊した後、シアノエチル化、カルバモイ ルエチル化を行い、カルバモイルエチル化BCを調製する。次にカルバモイル化BCにア ルカリ条件下で次亜塩素酸ナトリウムを添加しN-Cl化後70。Cに昇温しホフマン分解を 行いアミノエチル化した。反応式を次に示す。 BCe皿-0・CH2・CH2・CONH2+ClO・→Cen・0-CH2-CH2・CON-CI BCen-0・CH2・CH2・CON・Cl+NaOH→【BCeu-0-CH2-CH2・N=C=0+H20】→ BCen・0-CH2・CH2-NH2 調製したBCell・Q-CH2・CH2-NH2は以後AE化BCと表記する。 4.2.2 染色法によるアミノ基定量 AE化BCのアミノ基定量は次の方法で行った。 0.05mouLのAcidorange7水溶液を1N硫酸によりpH2・3に調製するoこの中に試料 約0.1gを2時間浸漬し、染色を行う。そして、染色した試料から色素が出なくなるまで繰 り返し洗浄を行う。その後、繊維に含まれる水分をできるだけ絞り、0・1NNaOH水溶液 に2時間浸漬させ′Addorangeを試料から脱着させる0脱着したAcidorange水溶液は弱 酸性にした後、分光光度計により、波長490nmでの吸光度を測定し、別に定めた検量線 により定量を行った。なお比較のため染色復水洗した試料をシート化し飢g・4・1に示した0
AEBC(DSO.02) AEBCsbet(DSO.0由 Fig.4.1BCandAEBCsheetsa鮎rAddorangetreatment・ 4.2.3 反応の追跡 N・Cl化終了後、アセトンで次亜塩素酸ナトリウムを除去、NaOH濃度を調節した後、 試料の入ったビーカーを70。Cのウオーターバスに漬ける瞬間を、劇化反応の開始0分 とした。以後5分、15分、30分、60分に試料を抽出し、N・Cl基量、アミノ基量をそれ ぞれヨード法と比色定量法により測定し、N-Cl基の分解とアミノ基の生成過程を追跡した。
AE化時のNaOH濃度は0.25Nと1Nで行った。. 4.2.4 作製シートの強度試験 ・ 各作製シートから幅10mmの試験片をとり、スパン長40mm、引張速度5m血/血nで 東洋精機製万能試験機にて引張強度試験を行った。湿潤引張強度は同サイズの試験片を蒸 留水に1時間浸漬した後、ろ紙で余分な水分を拭き取り測定した。 4.3結果および考察 4.3.1アミノエチル化法の検討 ここでAE化法について次の二通りの方法を試みた。 ① N・Cl化とAE化を分けて行う方法 N・Cl化終了後、蒸留水で繰り返し洗浄を行うことで次亜塩素酸Naを除去した後、NaOH 濃度を調節し、700Cの湯浴でAE化を行う。 ② N・Cl化とAE化を続けて行う方法 N・Cl化終了後、少量のアセトンを加え、次亜塩素酸Naを除去し、素早くNaOH濃度 を調節し、そのまま700Cに昇温し、AE化を行う。 上記①、②の方法についてA酎ヒを行った後、定性試験を試みた0定性は、スラリー状 のまま酸性染料Addoran酢を添加し、繊練の着色の有無を調べた0また、吸引濾過装置 で厚さ20pmのシートを作製し、門IRで官能基のピーク検出を行った0 上記①と②の方法でAE化を行った試料に対するAddorange染色の結果、方法①では 染色されず、方法②のみ染色された。この原因はおそらく、①では洗浄に20分程度の時 間がかかっているため、その間に温度が常温まで上昇し、AE化の反応が開始されたが、 洗浄によりNaOH濃度が低下したことから、AE化がうまく起こらず、N-Cl基が尿素系 の結合やウレタン結合などに変化してしまったことが考えられる。これに対して②では次 亜塩素酸ナトリウムをアセトンで取り除き、NaOH濃度を調節した復すばやく・昇温するた め、AE化にとって好条件であったと推察できる。 なお広葉樹由来の漂白パルプ繊維で同様の実験を行ったが、こちらでは①、②ともにAdd or弧酢の染色が見られた。N・Clパルプを洗浄する場合、吸引ろ過する時間がBCのそれ に比べかなり早く、2分程度で行うことができた。このため、洗浄も含め短時間でAE化 をスタートできたため、広葉樹由来の繊維では①でもAE化が容易に起こったと考えられ る。
刑g.4.2は未改質BCと方法②で調製したAE化BCシートのF一皿スペクトルを示す。 AE化BCの1570cⅡrI付近に未改質BCには見られないピークが検出された。この波長 は1級アミンの示すピークに一致した。これらの結果からAE化が起こったことを確認で きた。この結果から、以後のBCのAE化には方汝②を用いた。 3000 2700 2400 2100180015001200
WavenⅦ血ber(cm■1)
(登¢日月領事叫百00dd占■
Fig.4.2FItrR伊ourierTranBformInfrared)spectraofbacterialcenuloseandbacterialce皿uloBe derivative乱Linesindicated FTm8PeCtra:green止ne,BC;bl11e hne,
4.3.2 アミノエチル化反応の追跡 Fig.4.3はN・Cl基分解とアミノ基生成の経時変化を示す。アミノ基の定量方法はケルダ ール法、バンスライク法、ニンヒドリン法などが知られている1)。アミノ基を含め、全室 素量を測定するケルダール法、多量の資料を必要とするバンスライク法など本研究には不 適であると考え、本研究では定性試験でも使用した微酸性下でほ電気的吸引力によりアミ ノ基を吸着し、アルカリ性下では脱着する性質を持つAd山ed7を使用した。縦軸は試料 1gあたりの官能基量、横軸は時間を示すoNaOH濃度が1Mのものはおよそ30分で、0・25M のものでも60分でN・Cl基がほぼ分解し、反応が終了した。どちらの系列を見ても、反応 前のN-Cl基が全てアミノ基に分解しているわけではないことが分かる。このことから、 アミノ基以外の副生成物が生じていることが推察された。アミド基がN・Cl化を受け、そ れがイソシアネートを経て、OH・と反応してアミンを生成するとされている。このイソシ ァネートとアミンとは極めて反応しやすいと報告されていることから主な副生成物は尿素 系の結合やウレタン結合である2畑と考えられるが、酌g.4.2の門IRからは結合形態が 特定できなかった。
やl0日ま)dまh加l∃。琶∃h
10 20 30 40 50 60 Reactiontime(min) Fig.4.3Ho蝕IannreaCtionofcarbamoylethlatedBC・ItwasreactedinNaOHsolution at50。C.SymboIsindicatedfunctionalgroup:●,aminogroup(0.25mouLNaO白);○, aminogro叩(1mduLNaOH);▲,N-Chlorogroup(0.25mol几NaO功;△,N・Chhro許0叩(1mol瓜NaOH) 4.3.3 乾燥、湿潤引張強度試験 恥bk4.1にそれぞれの試料の乾燥・湿潤引張強度、乾燥強度向上率、湿潤強度率、湿潤 強度向上倍率を示した。置換度(DS)0から0.03までは置換度が上がるにしたがい、乾 燥、湿潤強度ともに向上した。特にDSO.03の湿潤強度率は107%と、未改質の乾燥強度 よりも強くなるという結果が得られた。 DSO.04の試料で乾燥、湿潤強度が低下しているのは、AE化時のNaOH濃度を2moⅢ と高くしたため、・繊維がダメージを受けていることが考えられる。この結果より、アミノ 化率と繊維のダメージを考慮すると、AE化時のNaOH濃度は約1mo∽が最適な濃度と 言える。 DSO.05の試料は最もアミノ基を多く有し、AE化時のNaOH濃度を適当な濃度である 1m。∽で行ったため、試料の中で最も強度が向上すると期待された。しかし、今回の結 果からは乾燥、湿潤共にDSO.03のものよりも低かった。 ThblelStrengthpropertiesofBCandaminoethylatedBCsheets・
Sbeets DS★1 NaOH D町 Ⅵ毎t Dry Wet
concentration'2
(mo∽)
tens止e tensile Streng也 Stren離h
index index 1nCreaSe rate
(Ntm/g) (N・m/g)
(亘)★3
(%)★ヰ BC 0 40.47 24.13 AEBC 0.02 0.3 44.59 35.66 10.2 88.1 AEBC 0.03 1 50.96 43.44 25.9 107.3 AEBC 0.04 2 40.45 22.37 0 55.3 AEBC 0.05 1 42.67 30.05 5.4 74.2 *1DS(Degreeofsubstitution):numberofaminogroupperglucoseumit・ ★2NaOHconcentration(mouI)attheHo血annreaction. ☆3Drystrengthincrease(%)=((Dryten$ileindexofAEBCsheet÷Drytensileindex ofBCsbeeゎー1)×100 ☆4Wbtstrengthrate(%)=(WbttensileindexofAEBC$heet÷Drytensileindexof BCsheet)×1004.3.4 湿潤処理後放置時間と湿潤強度の関係 Fig.4.4は湿潤処理後放置時間と比引張強度の関係を示す。折れ線でつながれた強度の 変化を見ると、未改質BCでは湿潤比引張強度が乾燥比引張強度と同等まで回復するのに およそ10分程度かかっている。これに対して、置換度0.03のAE化BCは湿潤処理後放 置時間3分程度で乾燥強度とほぼ同じ水準に回復した。このことからAE化BCは湿潤強 度に強いだけでなく、湿潤後も風乾により直ちに乾いて強度が回復する力、つまり速乾性 に優れていることが分かった。
や貞・Z)崇p月遥岩芦
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 A止dryingtime(min) Fig.4.4Changesinbreakinglengthofsheetsbyleavinginanatmosphereof23OC, 50%RHa氏er24hoursimmersioninwaterlSymboIsindicatedten8ileindex:◆,BC sheet;■,AEBCsheet(DSO.03);◇,dryBCsheet;口,dryAEBC$heet(DSO.03) 以上の結果よりATCClO245株から得られたBC繊維に対しCE化、CB化、N・Cl化を 経てホフマン分解を行い、カチオン性のAE化BCを調製した。これは、Addorange染 色とFTIRにより確認できた。また、BCのAE化ではN・Cl化後、アセトンで残存NaClO を消去し、NaOH濃度を調節し直ちに昇温する方法が適していると分かった。 アミノ化率はAE化時のNaOH濃度を上げるほど向上した。しかし、引張強度試験の唐果 から繊維への影響を考慮すると、1mo∽程度が最適な濃度であると考えられた。AE化BC繊維から得られたシートは未反応のBCシートに比べ、乾燥、湿潤強度が向上 した。特に湿潤強度が優れており、良好な耐水性と速乾性を有していることがわかった。 以上からAE化BCは耐水性・速乾性を有する新たなカチオン性素材としての利用が期待 できる。 文献
1)N.Thhara,M.Thbuchi,鱒Ⅵ加anabe,H・%no,Y鵬0rinaga,andFIYbshinaga(1997)・
Degree Of Polymerization Of Cellulose From血etobacter&linum BPR2001
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2)田中浩雄,千手諒一(1976).ポリアクリルアミドのホフマン分解・高分子論文集
33(¢pp.309・316
3)鈴木恭治(200隠不均一系でのセルローズの機能化とその利用.機能紙研究会誌45
第5章 N・Cl化バクテリアセルロースおよびLBEPの混抄紙の製造と特性評価 5.1 をまじめに 本章では第2章、第3章の結果よりBCをN・Cl化することにより低置換度においても シートの耐水性が向上することが示された。耐水性の向上の要因の一つとしてBCの水酸 基がN・Cl基によって繊維間結合強度を向上させたことと考えられた。そこでN・Cl化BC とLBⅨPの混抄紙作製した場合においてもN・Cl化BCによる耐水性の向上が示されるか 検討した。 5.2 実験方法 5.2.1N-Cl化バクテリアセルロースおよびLBEPの調製 N・Cl化BCは酢酸菌uatobactwphzLT22ATCClO245株)を培養して得たBCのペ リクルをブレンダー(11,500rpm)で解繊した後、シアノエチル化、カルバモイルエチル 化、N・Cl化の3段階の反応により調製した。置換度の調整はシアノエチル化反応の際に行 い、カルバモイルエチル化、N-Cl化では置換基を完全にそれぞれの官能基へと置換させて 調製した。 LBIαは乾燥パルプを水に浸漬させ、製紙用離解機により離解した後、ナイヤガラ型ビ ーターで叩解をし、濾水度485mlのLBEPを調製した。 5.2.2 N・Cl化バクテリアセルロースおよびLBEPの混抄紙の作製 5.2.1で調製したN・Cl化BCはブレンダー(11,500叩m)で解繊した後、LBEPに添加 し、製紙用離解機により離解・混合し、TAアヤⅠスタンダードマシンで混抄紙(60釘m2) を作製した。混抄紙はプレス後緊張状態で風乾した。 5.2.3混抄紙の物性評価 混抄紙の強度および耐水性を評価するために乾燥引張試験(JISP8113)、破裂強さ試験 (JISP8131)、引裂強さ試験(JISP8116)、耐折強さ試験(JISP8115)、湿潤引張強さ 試験(JISP8135)、寸法安定性試験を行った。
5.3 結果および考察 5.3.1N・CIBCおよびIJBEP混抄シートの特性 本研究ではN・CIBCおよびLBKPの混抄シートを作製し各強度測定を行い、N・CIBCの Thble5StrengthandpropertiesofNCIBC/LBKPcomposite8heet Sbeets LBEP:
Dry Wet Burst Tear
Folding
endurance
(bglON)☆
tensile 鱒ns止e 払cbr index
N-CIBC Index Index (k甜cm2・ (mN・
(N・m/g) (N・m/g)
m2/∂
m2/∂
LBEP 100:0 54.34 0.10 0.05 3.41 1.34 LBKP +N-CIBC 99:1 71.68 0.25 0.07 3.15 1.32 LBKP +NtCIBC 95:5 70.97 0.93 0.09 3.33 1.30 LBEP +N・CIBC 90:10 68.69 1.24 0.10 3.99 1.40 LBEP +N-CIBC 80:20 89.36 2.21 0.16 4.25 1.88 LBEP+BC 95:5 50.61 0.85 0.08 5.60 0.73 Note:LBEPk.s.freeness=485ml). ☆FoldingenduranCeWereteStedunderatensionofl.5kgf 混抄紙の調製および特性を検討した。混抄シートは坪量60g/諷こなるようにN・CIBC(置 換度0.05)とⅠ月鱒の混抄率を変えて作製した。恥ble5に示すようにN-CIBC混抄シー トはLBEP シートと比較すると1%混抄するだけで乾燥引張強度の向上が示された。N-CIBCの混 抄率で比較するとLBEPシートよりは向上を示したものの混抄率10%までは混抄率によ る乾燥引張強度の向上は示されなかった。しかし混抄率を20%にすると混抄率1%に比べ 約′1.2倍、Ⅰ虚ⅩPシートと比べ1.6倍と乾燥引張強度の向上が示された。湿潤引張強度で は混抄率をあげることで向上し、混抄率20%にするとLBEPシートと比べ約8.8倍向上した。ここでBC混抄率5%シートの測定結果をみると、LBEPシートと比べ湿潤引車強 度と引裂強さは向上するものの、その他の強度の向上は示されなかった。また同じ混抄率 でBCとN-CIBCを比較すると特にN・CIBCの乾燥引張強度が向上していることがわかる。 5.3.2 N-CIBCおよびⅠ月EP混抄シートの寸法安定性 Fig.5.1に各シートの乾燥湿潤繰り返し試験による寸法変化率の結果をに示す。N・CBC 混抄率10%まではLBEPシートと比べ寸法変化率の大きな変動がなかったが20%になる と寸法変化率が上がった。またBC混抄率5%シートはN-CIBC混抄率5%シートと比べ 寸法変化率が高く最大で1.95%であった。以上よりN・Cl丑Cを複合させることにより少量 でもN・CIBCの特性を発揮し、強度の向上、耐水性を付与することが示された。 0 5 1 〇.
(登&遥Ul召○頂岩層口
′ 1 2 3 1 2 3 1 2 31cycle 2cycle 3cycle
Fig.5.1DimensionalchangesofLBKP+N-CIBC8heetandLBKP+BCsheetbywet・dry CyCle Notes:1:airdry;2:wet(24hrimmersion),3:thermaldry(1050C,2min) SymboIs:●,LBEP占beet; ■,99%LBKP+1%N-CIBCsheet; ◆,95%LBKP+5%N・CIBC血eet; *,90%LBKP+10%N・CIBCsheet; 「×,80%LBEP+20%N-CIBCsheet; ▲,95%Ⅰ.BKP+5%BCsbeet.
以上の結果よりこれまでBCの利用法としてコンポジット化等が検討されてきた。主な 方法として培養液中に複合材を添加し、BCが生産されるときに複合される方法、BCペリ クルに複合材を浸透される方法などが報告され好結果を得ているl畑。また本章で試みた ようにBCペリクルを解繊し混抄紙を製造する報告もある伽)。これらの報告も踏まえ、本 研究結果はBCをN・Cl化する.ことでBCにくらべより解繊されLBXPとの各種強度、耐 水性が向上した混抄紙を製造できたことでN・CIBCは複合材として利用が期待される。 文献 1)M.Thkai,FINonomura,M.Fujiwara,J.Hayashi(1991).FIIRMION AND
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第6章 総括 機能性膜としてのバクテリアセルロース膜の製造と特性評価を行った。 第1章では、最近のバクテリアセルロース(BC)の利用と研究の動向について、バク テリアセルロースの概要とこれまでの報告および本研究の目的について述べた。 第2章では、BCの機能化の方法として化学改質を検討することとし、N・Cl化BCの調 製と極薄シート化を行った。N-Cl化はシアノエチル化、カルバモイルエチル化、N・Cl化 の3段階の反応によって行った。これら各種反応性についてはケルダール法、ヨード法お よびFTIRで測定し、シアノエチル化は反応400Cで速やかに進行し、反応時間5時間に はBCペリクルでは置換度0.14、BCスラリーでは置換度0.07となった。カルバモイルエ
チル化はシアノエチル化BC(置換度0.05)を反応温度200C、1時間で完全に反応させる
ことができ、N-Cl化はカルバモイルエチル化BC(置換度0.05)を反応温度00C、1時間 で完全に反応させることができた。極薄シート化において、未改質のBC繊維では厚さ4 ∼5pmが限度であった。しかしN・C旺iCを調製することで解繊による繊維の分散状態が 向上し、厚さ3pmの薄葉シートを作製することが可能となり、加えて引張強度を向上さ せることが示された。 第3章ではN・Cl化BCシートの強度特性および耐水性について検討した。N-Cl化BC シートは比較的低置換度でも乾燥引張強度、破裂強さ、引裂強さ、耐折強さが向上した。 耐水性については湿潤引張強度が向上し、蒸留水中への浸漬したときの経時変化では浸漬 期間14日以降は強度の低下がみられなかった。また蒸留水中へ浸漬した後230C土10C、相 対湿度5蝕2%下で乾燥した時の引張強度の経時変化では、乾燥時の引張強度と同じ強度を 示す時間が短くなり、寸法安定性も向上した。以上のことからBCシートに比べ繊維が均 一化され、速乾性が向上し、N-Cl基により繊維間結合強度も向上することにより、耐水性 が向上したと推察した。 第4章ではBCのカチオン化により機能性を付与させることを目指し、カルバモイル化 BCからホフマン反応を経由するアミノエチル化を試みた。アミノエチル化はN・Cl化終了 後、加熱すれば脱塩素イオンをおこしてイソシアナート基になり、生成したイソシアネー ト基は直ちに分解してアミノ基になる。しかし副反応もおこりアミノ基以外の生成物とな るため、次亜塩素酸ナトリウムの除去方法を蒸留水による除去方法とアセトンによる除去 方法の2通りを検討した。その結果、アセトンによる除去方法を採用することで、次亜塩 素酸ナトリウムの除去時間が短縮され、除去している間に官能基が結合してしまう軽減させることができ、アミノ基がBCに存在することが確認できた。またこの副反応は水酸化 ナトリウム濃度を変化させることによっても軽減させることが示された。ただし、乾燥、 湿潤引張強度を行ったところ、良好な耐水性と速乾性を有しているシートを作製すること ができたが、反応時に水酸化ナトリウム濃度を高くすると繊維がダメージを受け、強度が 低下することが考えられることから、アセトンで次亜塩素酸ナトリウムを除去し、水酸化 ナトリウム濃度を調節し、直ちに昇温する方法が適していることがわかった。 第5章では本研究で最も耐水性が向上したN-Cl化BCとⅠ月EPの混抄紙の強度特性お よび耐水性の検討をした。N-Cl化BCを1%混抄すると各強度の中で乾燥引張強度が最も 向上し、混抄率を上げていくと湿潤引張強度の向上も示された。また寸法安定性もN-α 化BCを混抄することで向上した。これらの傾向からN・Cl化BCはⅠ月KPの繊維間結合 を向上させ、混抄してもN・Cl化BCの持つ耐水性の効果を発現することが示された。 以上の研究結果から、バクテリアセルロースをN・Cl化あるいはアミノ化により耐水性 を付与することができ、特にN・Cl化においてはBC繊維の分散状態を向上させることで より薄い膜の製造が可能となり、機能性(耐水性)膜の製造ができた。また、LBEPとの 混抄紙で低混抄率であっても強度の向上、耐水性を示したことから機能性材として優れて いると考える。したがって本研究で調製したN・Cl化BCは特に今後、耐水性機能性膜、 あるいは耐水性複合材としての利用が大いに期待される。
謝辞 本研究を遂行するにあたり、終始御指導、ご鞭撞を賜った静岡大学農学部鈴木恭治先生 に心から感謝いたします。また、本論文の審査にあたりお世話いただきました静岡大学農 学部釜谷保志先生、岐阜大学応用生物科学部光永徹先生、信州大学農学部武田孝志先生に 厚く感謝敦します。 実験材料の提供及び有益なアドバイスをいただきました高知大学名誉教陵鮫島一彦先生、 常に暖かい御助言や実験の指導をしてくださった静岡大学農学部渡連拡先生、実験装置の 提供をいただきました静岡大学農学部山田雅章先生に深く感謝の意を表します。 本論文の研究を共に取り組んでいただいた、村田淳君に心より感謝の意を表します。最 後に多年にわたり研究の支援をしていただいたバイオ々ス水環境科学研究室の皆様へ感謝 いたします。