Title
アイオノマーのミクロ相分離構造の制御と機能化( はしがき
)
Author(s)
矢野, 紳一
Report No.
平成7年度-平成8年度年度科学研究費補助金 (基盤研究(C)(2)
課題番号07650797) 研究成果報告書
Issue Date
1996
Type
研究報告書
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/258
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。アイオノマーのミクロ相分離構造
の制御と機能化
平成7年度∼平成8年度科学研究費補助金 (基盤研究C2) (課題番ぢ▲ 07650797)且.研究目的・研究概要
==研究目的
丁′イすノマ門は疎水朋高分「申に少量(通常10mol%以下)のカルポン酸あ るい圧スルホン酸跡金属塩あるいはアンモニウム塩などL7)イオン基をもつ高分 き■才一∴`であるし,親水性のイオン塵はホスト疎水性高分子マトリックス中でミクロ相 ′;、)、離を起こし、ナノメーターサイズのイオンドメイン(イオン会合体)を形成 守′ぞ〇.)ニのイオン会合体は宅温では高分子i 三鎖の架橋点となることでホスト高 寸r一▼と比較して曲げ剛性率などの力学的性質を向卜させるととヰ)に、高温では イオン結合による架橋であるがゆえに優れた溶融加丁惟をも付卜する。また、 \iliiしIn 律し1王)()た1り卜)やド1emi()rl(旭硝F)などのパープルオロスルホン酸系ア 1⊥オノマー一においては、イオン会合体の構造に由来して優れたイオン分離機能 を.■】二し、守でに選択的イオン分離膜として実用の用途に使われていろ。この上 ピーコに、アイオノー√・-一一は高作能・高機能牲高分子として魅力ある素材である。し かしながら、そのミクロ細分離構造やイオン会合体の構造に関する詳細な理解 となると未だ不完全なまよであり、望圭しい物性をもったアイオノマーの開発は訪わ錯誤の域を出ないのが現状である。この現状を踏まえ、本研究は次の:ミ
点を=的としている。 == イオン会合体の構造とその温度変化に関する基礎的理解 (2) イオンイオン相_互作用を利用したミクロ相分離構造およびイオン会合 体の構造の制御 (3) イオン会合体を機能発現の場として利用した機能性アイオノマーの開 発アイオノマーのミクロ相分離構造
の制御と機能化
平成7年度∼平成8年度科学研究費補助金
(基盤研究(二2) (課題番‡;▲ 07650797)且.研究目的・研究概要
==研究目的
∵イ守一ノマーーは疎水性高分「申に少量(通常10mol%以下)のカルポン酸あ るいほスルホン酸跡金属塩あるいはアンモニウム塩などのイオン農をもつ高分 j∴である、,親水性のイオン蒐はホスト疎水惟高分ナマトリックス中でミクロ相 一;、)、離を起こし、ナノメーターー・-サイズのイオンドメイン(イオン会合体二)を形成 j∵う。ニのイオン会合体は室温では高分「盲三鎖の架橋点となることでホスト高 一ニケi∴と比較して曲げ剛性率などの力学的惟質を向卜させるととヰ)に、高温では イオン結合による架橋であるがゆえに優れた溶融加t惟をも付与する。また、 M汗ふ州1(仇1i)(jll!.ノ杜)やド1emi()rl(旭硝f㌧)などのハーフルオロスルホン酸系ア 1∴ナノマー1こおいては、イカ ン会合体の構造に由来して優れたイオン分離機能 吏・′′I二し、十でに選択的イオン分離膜として実用の用途に使われていろ。このよ -二に、アイオノー、f・"-一は高性能・高機能惟高分子として魅力ある素材である。し かしながら、そのミクロ細分離構造やイオン会合体の構造に関する詳細な理解 となると未だ不完全なよまであり、望ましい物性をもったアイオノマーの開発 は試行錯誤の域を出ないのが現状である。この現状を踏まえ、本研究は次の3 点を臼的としている。 (i) イオン会合体の構造とその温度変化に関する基礎的理解 (2) イオンーイオン相互作用を利用したミクロ相分離構造およびイオン会合 体の構造の制御 (3) イオン会合体を機能発現の場として利用した機能性アイオノマーの開 発ル1-(2)
研究概要
本研究で得られた成果を、卜述の‖的ごとに分けて概説する㌧。 [I的のlに対しては、我々が1987年に提案したイオン会合体の秩序一冊無秩序 転移モデルがH-1発点である。これは、十分に宅温で貯蔵したエチレンアイオノ 「′-のイオン会合体はある種の秩序構造をもつが、昇温するとごうゎ℃付近で無秩 序状態に転移し、冷却後宅温で約40 口の貯威を経て再び元の秩序状態になると いうモデルである。このモデルはエチレンアイオノマーー・-の熱的性質や力学的作 質の経時変化をうまく説明することができるが、未だ群棲的な証拠を得ること ができていない。本研究では、一三SRや赤外吸収スペクトルといった分光学約 手法を用いてイオン会合体中のイオンの抽軒構造とその温度′変化に関する知見 を得ることができた。例えば、Cu(=)塩アイオノマーや〔てu(†りイオンをスヒン ブローーブとしてドーープした7n(‖)塩アイオノマー一において、イオン会合体の構 造相転移やポリエチレンの結晶領域の融解が金属イオン町配位構造に影響を及 ぼすことを明らかにした(3-l、2)。また、スピンブローt-ブとしてステアリ ン酸骨格をもつこト キシドラジカルを用いることで、吸湿したエチレンアイ オノマー中や水溶液中でのイオン其の会合状態および水和状態さらには運動状 態についての有用な知見を得ることができた(3-3)、)現在、乾燥固体アイオ ノマ一におけるイオン会合体の構造相転移やイオンの局所構造に関する知見を 得ることを目的として、常磁性金属イオンやステアリン酸骨格のニトロキシド ラジカルをスピンプローブとして用いたスピンプローブFSR法による研究を 展開中である。一方、Co(‖)塩アイオノマーの赤外吸収バンドの解析からも 50℃付近で配位構造が変化していることがわかり、これがイオン会合体の構造 相転移に関係していることを指摘した(5-1)。 目的の2に関連した研究っいては、まずエチレンアイオノマーとしては初め てネオジム(ⅠIl)塩の合成に成功し、三価カウンターカチオンをもつアイオノマ ーーのミノクロ相分離構造や力学的性質における特徴を明らかにした(∠巨1)。そ の後さらに、他の希_土二類(lII)塩、ユウロピウム(=り塩、ガドリニウム(l rl)塩、 エルビウム(丁‖)塩、の合成に成功し、希1二類(丁二rl)塩の間でもイオンの配位構 造には違いがあることが明らかとなった(発表予定)。現存、希__圭二類(=け塩と 一価金属塩、二価金属塩との異種金属塩二成分ブレンドアイオノマーーの試作と その構造及び物性の検討を行っているところである。ブレンド効果と呼べるい くつかの興味深い現象を得つつあり、さらに確認・検討を打りているところで ある。 臼的の3については、まずCo(‖)塩アイオノマーやMn(‖卜有機アミン錯体 アイオノマーーの酸素吸着特性について詳細な研究を行った。これらの酸素吸着(2)
研究概要
本研究で得られた成果を、上述の【▼- l的ごとに分けて概説する、。 [I的の1に対しては、我々が1987年に提案したイオン会合体の秩序-一無秩序 転移モデルが出凝点である。ニれは、十分に宅温で貯蔵したエチレンアイオ/ マーのイオン会合体はある種の秩序構造をもつが、昇温すると5n℃付近で無秩 序状態に転移し、冷却後室温で約40 口の貯蔵を経て再び元の秩序状態になると いうモデルである。このモデルはエチレンアイオノマーーの熱的性質や力学的咋 質の経時変化をうまく説明することができるが、未だ匪接的な証拠を得ること ができていない。本研究では、‡一三SRや赤外吸収スペクトルといった分光学約 手法を用いてイオン会合体中のイオンの局所構造とその温度ノ変化に関する知見 を得ることができた。例えば、(二u(‖)塩アイオノマーや(「u(川イオンをスヒン プローブとしてドーーブした7n(†り塩アイオノマ一において、イオン会合体の構 造棚転移やホリエチレンの結晶領域の融解が金属イオンの配位構造に影響を及 ぼすことを明らかにした(3-1、2)。また、スヒンブローーーブとしてステアリ ン酸骨格をも/つこ卜 ■そシドラジカルを用いることで、吸湿したエチレンアイ オノマー中や水溶液中でのイオン基の会合状態および水和状態さらには運動状 態についての有用な知見を得ることができた(:卜3)、。現在、乾燥同体アイす ノマ一におけるイオン会合体の構造相転移やイオンの局所構造に関する知見を 得ることを目的として、常磁性金属イオンやステアリン酸骨格のニトロキシド ラジカルをスピンプローブとして用いたスピンプローブESR法による研究を 展開中である。一方、Co(1り塩アイオノマーの赤外吸収バンドの解析からも 50℃付近で配位構造が変化していることがわかり、これがイオン会合体の構造 相転移に関係していることを指摘した(5-1)。 目的の2に関連した研究っいては、まずエチレンアイオノマーとしては初め てネオジム(ⅠⅠⅠ)塩の合成に成功し、三価カウンターカチオンをもつアイオノマ ーーのミクロ相分離構造や力学的性質における特徴を明らかにした(4-1)。そ の後さらに、他の希土類(Hり塩、ユウロピウム(Ⅰ‖)塩、ガドリニウム(l r`l)塩、 エルビウム(TTり塩、の合成に成功し、希上類(†‖)塩の間でもイオンの配位構 造には違いがあることが明らかとなった(発表予定)√)現在、希__巨類(†=)態と 一価金属塩、二価金属塩との異種金属塩二成分ブレンドアイオノ「7--の試作と その構造及び物性の検討を行っているところである。ブレンド効果と呼べるい くつかの興味深い現象を得つつあり、さらに確認・検討を行っているところで ある。 口約の3については、まずCo(Ⅰり塩アイオノマーーーやMn(†り一有機アミン錯体 アイオノマーの酸素吸着特惟について詳細な研究を行った。これらの酸素吸着 2-特性はモノマーの対応する化合物では発現しないことから、イオン会合体を機 能瀧現の場として用いた機能性アイオノマーの一つであるといえる。Cn(Ⅰり塩 アイオノマーー一においては、酸素吸着特経と〔二()(l‡)イオンの配位構造との関係(5 ・-り を、Mn(1丁)一番機アミン錯体アイオノマー一については、酸素吸着特性と有 機アミンの化学構造とげ)関係(5-2)を明らかにした。さらに、側鎖にイオン 旗の代わりiニ多分岐アルキルエステルを導入し、ガラス転移温度や結晶化度に 叶する効果をl )S(∴ 誘電測定尊から検討した(5-3)。さらに、ポリジメチ ルンロキサンとのブレンドを合成し、相溶性やガス透過惟を検討し、このブレ ンドが高い酸素透過作を存するとの結果を得た(5-∠り。また、側鎖としてか さだかいイオン基を導入し、イオン会合体形成に与える効果をnSC、Ⅹ線r百】 折、誘電及び動的力学緩和測定等から検討した(5-5)。 なお、本研究の遂行ほ、共同研究者各位の挿々ク)協力、並びに文部省科学研 究補助食の援助に上ってなされたものであり、ここに深く感謝致します。