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非対称Shapley-Owen指数とその応用

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Academic year: 2021

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1996年度日本オペレーションズ・リサーチ学会 春季研究発表会

引対称Shapley−Owen指数とその応岡

02003662 東北大学大学院経済学研究科 小野理恵 はじめに 非対称Shapley−Owen指数は、投票者のイデオロギーの違いを導入してShapley−Shtlbik投票力指数を非 対称一般化したものである。非対称性を考えることでかなり現実の状況が的確に分析されるように考え られているが、この非対称Shapley−Owen指数を用いた分析はまだまだ少数である。本報告では、従来 の分析方法の違いを明らかにし、現実の分析、特に参議院における政党の投票力分析に応用する上で、 それぞれがどの様な特徴があるかを考える。 非対称SIlapley−Owen指数 非対称Shapley−Owen指数は、Shapley−Shubik投票力指数に「順列の起こり易さ」の重みをっけて非対 称一般化した指数である。この起こり易さを定義するためにpIOⅢe空間を考える。,この空間は投票者や 議案の特性を表すために考えられた多次元実数空間で、各次元が、例えば左派か右派か、保守的か革新 的か、等を数値で表したものに対応している。この空間上に投票者や議案が位置付けられると、それら がどれだけ類似しているかを表すことができる。 非対称Shapley−Owen指数は最初、OwerL(1971)によって与えられた。OweIlは投票者と議秦をそれ ぞれ点として表し、議案との距離が近いはど投票者が賛成しやすいものとして、順列を形成した。議案

が空間上でランダムに起こると仮定すれば、それによってどの順列がどれだけ形成され易いかを定義す

ることができる。 一方、Owenの指数をより求め易いように修正したのがSha.pley(1977)である。Shapleyは議案を 原点を通るベクトルで表した。このベクトルに各投票者の点から垂線を下ろし、その足と原点との・(正 負も考えた)距離を考える。この時、原点からの距離が大きいほど、投票者がその議案を強く支持する と考えれば、やはり順列を作ることができる。議案のベクトルがあらゆる方向にランダムに起こるとす れば、順列の起こり易さを定義することができる。次元が十分多く、また議案が全空間で一様に起こる ことを前提にすれば、Owenの方法もShapleyの方法も同L:指数を導く。 Owenの指数と数量化ⅠⅠⅠ頬 従来までの非対称Shapley−Owen指数の現実の状況への応用の多くは、投票結果を因子分析することに よってproAle空間を導いている。因子分析はその手法から、Shapleyのpro魚1e空間の構成方法に従って いる。しかし因子分析では、一般に議案は一様に分布しない。そのために、さらにその空間を線形変換 したり、議案の起こる空間を制限したりする工夫がなされてきた。特にOno−MⅦtO(1995)では、議案の 偏りが非常に強いために、一様分布の仮定そのものを取り除き、実際に起こった議案の分布にのみ基づ いて投票力指数を計算している。 Owenの方法は実数空間上の点の一様分布を考えなくてはならないために、これをそのまま分析に使 うことは難しい。しかしOno−M山0(1995)と同様に観測された議案のデータのみの分布を考えるのであ れば、それらと投票者の距離によって順列を構成することは可能である。ところで、Owenに基づいて pIO丘1e空間を構成するには、これまで用いられてきた因子分析では不適当である。本報告ではより適当 な手法として、数量化ⅠⅠⅠ頬を考える。 数量化ⅠⅠⅠ頼を用いて、1989年から1992年の間の参議院における投票結果から各政党のpTO且1e空 間(2次元の場合)上での位置を構成すると右京の図のようになる。議案は全部で133件あったが、同 じ投票パターンのものが多いため、A∼Hまでの8種頬に分頬されている。詳しいデータについては Ono−M山0(1995)を参照。各議案について、投票者が(ユークリッド距離の意味で)近い順に賛成する ような順列を考えると、8種類の順列が形成され、その起こり易さがそれぞれ議案の起こり易さに対応 −248− © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

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表1:投票力指数 自民 社会 公明 共産 民社 連合・ S−S指数 .567 .117 .117 .067 .067 .067 因 非 子 .000 .000 .932 .oo .068 .000 対 分 2 .639 .000 .293 .000 .068 .000 称 S−0 指 .714 .241 .000 .045 .000 .000 数 化 2 .759 .000 .241 .000 .000 ,doo 5 .563 .170 .147 .005 .045 .071 する。これらから非対称Shapley−Owen指数を計算したものが表1である。分析方法の詳細については Omo(1996)を参照。 結論 従来までの非対称Shapley−OwerL指数の応用には、主に因子分析が用いられてきた。さらに議案が空間 上でランダムに起こるという条件を加えるために、様々な工夫がなされてきた。ところが本報告で分析し たような、議案ゐ偏りの強い状況を取り上げると、指数は非常に奇妙な数値になる(小野・武藤(1994))。 そこでOno−MⅦtO(1995)では、一様分布の仮定をなくし、観測された議案の分布に基づいた分析を行っ ている。本報告では、このような場合、さらに数量化ⅠⅠⅠ類を用いることにより、Owenの元々の考え方に 沿った指数を求めることができることを示した。一様分布の仮定の下では高次元の分析は困難であるカ 観測亭れた議案の分布のみに基づく場合には、高次元でも容易に分析できる。しかも今回のケースでは、 観測された議案の分布のみに基づく場合にも、高次元にすれば、因子分析による非対称Shapley−Owen 指数と数量化ⅠⅠⅠ類による元々のOwenの指数がほぼ一致することが分かった。 参考文献 【1】Ono,R・(1996)Anα小一…/ア灯ffeβ’ア“〟er fn fゐe 跳朋柁 扉(玩冊茄r∫前払Ⅳ〃那ymmefric∫ゐ叩Jey− Ot〟erl九de∬ニ 仇im∫班e伽α和書所cαfi〃n〟e‘ゐod〃ろ 京都大学数理解析研究所講究録,tOappe定. 【2】小野理恵・武藤滋夫(1994)「参議院における改定の投票 力分析一非対称Shapley−Shubik指数を用いて」1994 年度秋季研究発表会アブストラクト集,日本オペレー シヨンズ・リサーチ学会・ 【3】Ono,R・andM雨0,S・(1995)飢rわe∫Poひfrinfんe 飢uβ=/C…CiJo”inJ里川nごAnAppJic血〃Jfゐe Ⅳ〃那ymmefric∫ゐ叩Jey−0ひe柁九deJ,DiscnsslOn Pa− per,No.417,KyotoInstituteofEconomicResearch, KyotoUniversity. 【4】OwerL,G.(1971)・“PohticalGames”,NavatResearch 上叩iβficβ伽αrferJy,18,345−355. 【5】Shapley,L.Sし.(1977)・J4Compari80n OJPowerIn− diceβα托dαⅣ川叩mme行ic(フenerαJizαfi㈹,P−5872, TheRandCorporation,SantaMorLica.,CaliforrLia. −249− © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

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