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174 音 声 言 語 医 学 in Japanese-speaking children (18 normal, 21 with developmental dyslexia). The duration time of the reading tasks was measured with an

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Academic year: 2021

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音声言語医学 52:173 ─ 182,2011 

原  著

有色透明フィルムが発達性読み書き障害児の音読速度に与える影響

後藤多可志1,2)  宇野  彰2,3)  春原 則子1,2)  金子 真人2,4) 粟屋 徳子2,5)  狐塚 順子2,3)  柴田 圭介6) 要 約:本研究では,日本語話者の発達性読み書き障害児に音読課題を実施し,有色透明フィ ルムの色の要因が音読速度に与える影響を検討した.対象は発達性読み書き障害児 21 名と典 型発達児 18 名である.刺激はひらがなの単語と非語,カタカナの単語と非語および文章である. 音読課題はフィルム不使用条件,無色透明フィルム使用条件および有色透明フィルム使用条件 の 3 条件で実施し,音読所要時間を計測した.本研究では,照度,対象児と刺激間の距離,刺 激の単語属性,教示方法,順序効果およびプラシーボ効果に関して実験条件を統制した.その 結果,発達性読み書き障害児群と典型発達児群の音読所要時間は,5 種類の音読課題のいずれ においても,3 条件間で有意差は認められなかった.有色透明フィルム使用による紙面の色の 変化は,音読速度に影響を与えないのではないかと考えられた. 索引用語:発達性読み書き障害,有色透明フィルム,音読速度,Mears-Irlen syndrome, visual stress

The Effect of Coloured Overlays on Reading Speed in Japanese Children

with Developmental Dyslexia

Takashi Goto1,2), Akira Uno2,3), Noriko Haruhara1,2), Masato Kaneko2,4), Noriko Awaya2,5),

Junko Kozuka2,3) and Keisuke Shibata6)

Abstract: We conducted reading tasks in Japanese children with developmental dyslexia

under controlled experimental conditions in order to reveal the effect of the colour factor, using coloured overlays, on reading speed. We evaluated the duration time of reading tasks of hiragana words, katakana words, hiragana non-words, katakana non-words, and sentences

目白大学保健医療学部1):〒339-8501 埼玉県さいたま市岩槻区浮谷 320 NPO 法人 LD・Dyslexia センター2):〒272-0033 千葉県市川市市川南 3-1-1-315 筑波大学大学院人間総合科学研究科3):〒305-8577 茨城県つくば市天王台 1-1-1 帝京平成大学健康メディカル学部4):〒170-8445 東京都豊島区東池袋 2-51-4 東京都済生会中央病院リハビリテーション科5):〒108-0073 東京都港区三田 1-4-7 松伏町立松伏中学校6):〒343-0106 埼玉県北葛飾郡松伏町大川戸 1136

1)Faculty of Health Sciences, Mejiro University: 320, Ukiya, Iwatsuki, Saitama-shi, Saitama 339-8501, Japan 2)LD/Dyslexia Centre: 3-1-1-315, Ichikawa-minami, Ichikawa, Chiba 272-0033, Japan

3) Graduate School of Comprehensive Human Sciences, University of Tsukuba: 1-1-1, Tennoudai, Tsukuba, Ibaraki 305-8577,

Japan

4)Faculty of Medical Science for Health, Teikyo Heisei University: 2-51-4, Higashi-ikebukuro, Toshima-ku, Tokyo 170-8445, Japan 5)Department of Rehabilitation, Saiseikai Central Hospital: 1-4-17, Mita, Minato-ku, Tokyo 108-0073, Japan

6)Matsubushi Junior High School: 1136, Okawado, Matsubushi-machi, Kitakatsushika-gun, Saitama 343-0106, Japan

(2)

は じ め に

近年,一部の発達性読み書き障害(developmental dyslexia)児には,波長や白黒のコントラストに強い 影響を受ける視知覚の異常があると指摘されてい る1-9).この視知覚の異常は,海外では Mears-Irlen

syndrome,scotopic sensitivity syndrome お よ び vi-,scotopic sensitivity syndrome お よ び vi-scotopic sensitivity syndrome お よ び vi-お よ び vi- vi-sual stress などと呼ばれており,音読速度に影響を及 ぼすと考えられている10-12).本研究では上記の視知覚

の異常に関して用語の統一を図るため,Kruk et al.13)

が提唱した略表記である MISViS を使用する.MIS は Mears-Irlen syndrome を表し,ViS は visual stress を表している.MISViS の主症状は,印刷物上の文字 が歪んで見えるもしくは動いて見える,印刷物の白い 背景の部分が文字を侵食するように見える,等とされ ている2,7,8).眼精疲労,偏頭痛および感光性てんかん との関連も指摘されている7).MISViS の出現率は, 発達性読み書き障害児のなかの 30 〜 45%と報告され ている8) 現在,MISViS への対策として,色の付いたプラス チックフィルム(以下,有色透明フィルムとする)を 用いる方法がある.有色透明フィルムを印刷物にかぶ せて音読を実施すると,発達性読み書き障害児の音読 速度が短縮したという報告がある1-9).しかし,これ らの先行研究では,照度,対象児と刺激間の距離,教 示方法,順序効果およびプラシーボ効果など音読速度 に影響を与えることが想定される複数の要因が統制さ れていない.発達性読み書き障害児の音読速度改善に, 有色透明フィルム以外の要因が関与している可能性を 否定できず,有色透明フィルムの使用が発達性読み書 き障害児の音読速度改善に真に有効な手段か否かを検 討することは困難である.また,MISViS の症状を示 す発達性読み書き障害児において有色透明フィルムの 使用が音読速度を改善させるとしても,それがどのよ うな背景によるものかについても明らかにされていな い. 以上のことから,音読速度に影響を与えることが想 定される複数の要因を統制し,有色透明フィルムの色 の要因に焦点を当てた音読実験を実施することによっ て,有色透明フィルムの色の要因が発達性読み書き障 害児の音読速度向上に寄与しているのか否か検討でき ると考えられる.本研究では,日本語話者の発達性読 み書き障害児を対象に実験条件を統制した音読課題を 実施し,有色透明フィルム使用が音読速度に与える影 響を色の要因のみに焦点を当てて群研究にて検討する ことを目的とした. 方 法 1 .対象児 1 )典型発達児 通常学級に在籍する小学 1 年生から中学 1 年生の児 童 18 名(男児 9 名,女児 9 名)である.本研究にお ける典型発達の基準は,全般的知能が正常域であるこ と,読みに関する学習到達度に遅れがないことの 2 点 とした.全般的知能が正常域であることを確認するた め,WISC-Ⅲ知能検査(Wechsler Intelligence Scale for Children-Third Edition)と有意な高い相関がある

と報告されている14)レーヴン色彩マトリックス検査

(Raven’s Coloured Progressive Matrices ; RCPM)を 実 施 し た. 典 型 発 達 児 18 名 の RCPM に お け る z-score の平均値は−0.11 であった.読みに関する学 習到達度を評価するため,小学生の読み書きスクリー ニング検査(Screening Test of Reading and Writing for Japanese Primary School Children ; STRAW)15)

の音読課題を実施した.小学 1 年生の児童にはひらが な 1 文字とひらがな単語の音読を実施した.小学 2 年 生以上の児童にはひらがな 1 文字,カタカナ 1 文字お よび学年に応じた漢字単語の音読課題を実施した.中 in Japanese-speaking children (18 normal, 21 with developmental dyslexia). The duration

time of the reading tasks was measured with and without coloured overlays and neutral density overlays. In this study, we controlled the experimental conditions with regard to luminance, distance between participant and stimuli, word attributes, instruction, order effect, and placebo effect. All participants did not show a significant difference in reading duration under the three conditions. Our results suggest that changing the background colour using coloured overlays does not improve reading speed in Japanese children with developmental dyslexia.

Key words: developmental dyslexia, coloured overlays, reading speed, Mears-Irlen

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学 1 年生の典型発達児 2 名(児童 17,18)は中学生 の音読基準値がないため,小学 6 年生用の課題を使用 した.典型発達児 18 名の STRAW 音読課題における z-score の平均値は,ひらがな 1 文字の音読が 0.32, カタカナ 1 文字の音読が 0.29,小学 1 年生の児童にお けるひらがな単語の音読が 0.58,小学 2 年生以上の児 童における漢字単語の音読が 0.28 であった. 全例,RCPM と STRAW 音読課題の成績は正常範 囲内の得点を示しており,本研究における典型発達の 基準を満たしていた. 2 )発達性読み書き障害児 発達性読み書き障害児は,小学 3 年生から中学 3 年 生までの児童 21 名(男児 13 名,女児 8 名)である. 2 名のみ左利きで 19 名は右利きであった.対象は, 練習を繰り返しても読み書きが困難であるという本人 や家族の主訴にて LD 児,者へのサポート専門機関に 来所した児童である. 図 1 に発達性読み書き障害児の初診時における認知 神経心理学的所見を示した.WISC-Ⅲ知能検査によ る 全 症 例 の IQ の 平 均 は, 言 語 性 IQ 98, 動 作 性 IQ 95, 全 検 査 IQ 96 で あ っ た.RCPM に お け る z-score の平均値は−0.71 であった.STRAW におけ る z-score の平均値は,ひらがな単語の音読が−0.59, カ タ カ ナ 単 語 の 音 読 が−2.08, 漢 字 単 語 の 音 読 が −2.47,ひらがな単語の書字が−1.72,カタカナ単語 の書字が−2.09,漢字単語の書字が−4.42 であった. 要素的な認知機能検査として実施した単語の逆唱課題 では,正答数における z-score の平均値は−0.90,平 均所要時間における z-score の平均値は 3 モーラ語が 2.93,4 モーラ語が 2.11 であった.非語の復唱課題に お け る z-score の 平 均 値 は−1.21 で あ っ た.Rey-Osterrieth Complex Figure Test(ROCFT) に お け る z-score の平均値は,模写課題が−0.51,直後再生 課題が−0.86,30 分後遅延再生課題が−1.23 であった. 全例,WISC-Ⅲ知能検査と RCPM の結果から全般 的知能は正常域だが,STRAW の結果から読み書き の学習到達度に遅れがあると考えられた.単語の逆唱 課題,非語の復唱課題および ROCFT の結果から, 音韻情報処理過程と視覚情報処理過程の双方に障害が あると考えられた.なお,全例,本研究において音読 課題で使用した文字はすべて音読可能であった. 2 .手続き 典型発達児 18 名と発達性読み書き障害児 21 名に, 視機能検査,音読課題および質問紙検査を実施した. 1 )視機能検査 視力,視野,眼球運動機能および色覚を評価した. 視力は,新標準近距離視力表(はんだ屋商店,東京) を使用して,近見視力を片眼ずつ測定した.視野は, 対座法で中心視野を片眼ずつ評価した.眼球運動機能 は,視標の追視,輻湊および跳躍眼球運動(サッケー ド)に関して,日本感覚統合障害研究会認定講習会で 使用される臨床観察マニュアルを用いて直接視察し た.また Developmental Eye Movement Test(DEM, BERNELL,アメリカ)を使用して評価した.色覚の 評価には,石原色覚検査表(国際版 38 表,はんだ屋 商店,東京)を使用した. 2 )音読課題 (1)対象児が最も文字が見えやすいと感じる有色透 明フィルムの選択 先行研究7)と同様に,対象児には,最も文字が見え やすいと感じる有色透明フィルムを Irlen Institute 製 Irlen Overlay 9 色(紫色,ローズ色,黄色,水色,桃 色,橙色,灰色,緑色,青灰色)の中から 1 色選択し てもらった.選択の方法は,日本語の文章が書かれた A3 用紙に 2 色の有色透明フィルムをかぶせて提示し, 見えやすいと感じる色を選択させた.選択されなかっ たフィルムを他色のフィルムと入れ替え,再度文字が 見えやすいと感じる色を選択させた.上記の過程を繰 り返し実施し,最終的に最も文字が見えやすいと感じ 表 1 対象児 典型発達児 児童 年齢 学年 性別 1 6 小 1 男 2 7 小 1 女 3 7 小 1 女 4 7 小 1 女 5 8 小 2 男 6 8 小 2 男 7 9 小 3 男 8 9 小 3 男 9 8 小 3 女 10 10 小 4 男 11 9 小 4 女 12 10 小 4 女 13 10 小 5 男 14 10 小 5 男 15 10 小 5 女 16 11 小 6 女 17 12 中 1 男 18 13 中 1 女 発達性読み書き障害児 症例 年齢 学年 性別 利き手 1 9 小 3 男 右 2 9 小 3 女 右 3 8 小 3 女 右 4 9 小 4 男 左 5 10 小 4 男 右 6 10 小 4 男 右 7 10 小 4 男 右 8 9 小 4 男 右 9 9 小 4 女 右 10 9 小 4 女 右 11 10 小 5 男 右 12 10 小 5 男 右 13 11 小 5 男 右 14 11 小 5 男 右 15 11 小 5 男 右 16 10 小 5 女 右 17 11 小 5 女 右 18 11 小 6 女 右 19 12 小 6 女 右 20 13 中 1 男 左 21 14 中 3 男 右

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る 1 色を選択させた.フィルムの選択時の文章には, 10 分で読めるお話シリーズ(学習研究社)の一部を 使 用 し た. 照 度 は 調 光 機 能 付 き ラ イ ト ス タ ン ド (National 製 SQ 890)を使用し,750 〜 1000 Lx に統 制した. (2)音読課題 音読課題は,ひらがな単語課題,カタカナ単語課題, ひらがな非語課題,カタカナ非語課題および文章課題 を実施した.単語課題,文章課題ともにフォント,行 間および文字のポイント数等はすべて小学校で使用す る国語の教科書を参考に作成した(HG 教科書体 16 ポイント,行間 1 ポイント).ひらがな単語課題とカ タカナ単語課題は,NTT データベース「日本語の語 彙特性」16)において親密度,心像性ともに 5.7 以上で, かつ同データベースの見出し語にひらがな,もしくは カタカナ表記で記載されている単語から,2 〜 5 モー ラ語を各 7 語ずつ計 28 語選択した.ひらがな非語課 題とカタカナ非語課題は,「を」と「ヲ」以外の清音 を 1 回以上使用し,2 〜 5 モーラ語を各 4 語ずつ計 16 語作成した.文章課題は既知の内容では実験結果に影 響することが想定されるため,低学年(小学 1,2 年生) 用,中高学年(小学 3 年生以上)用の 2 種類を新たに 作成した.なお,文章中で使用した漢字にはすべてル ビを振った. 図 1 発達性読み書き障害児 21 名における認知機能検査結果

WISC-Ⅲ:Wechsler Intelligence Scale for Children-Third Edition(WISC-Ⅲ 知 能 検 査 ),RCPM:Raven’ s Coloured Progressive Matrices( レ ー ヴ ン 色 彩 マ ト リ ッ ク ス 検 査 ),STRAW:Screening Test of Reading and Writing for Japanese Primary School Children(小学生の読み書きスクリーニング検査),ROCFT:Rey-Osterrieth Complex Figure Test

WISC-Ⅲのグラフは症例 21 名の平均値と±1 標準偏差値を示している.RCPM,STRAW,単語の逆唱課題および非語の復唱課題の グラフは症例 21 名の z-score の平均値を示している. RCPM の課題数は 36 問,STRAW におけるひらがな,カタカナおよび漢字単語の課題数はおのおの 20 問,単語の逆唱課題の課題数 は 3 モーラ語,4 モーラ語ともに 10 問,非語の復唱課題の課題数は 7 問である.中学 1 年生の症例 20 と中学 3 年生の症例 21 は便宜 的に小学 6 年生の典型発達児における平均値と標準偏差値を適用した. (IQ) 120 110 100 90 80 70 言語性 IQ 動作性IQ 全検査IQ 正答数 0.5 1 0 −0.5 −1 (z-score)

(z-score) (z-score) (z-score) (z-score) (z-score) カタカナ 単語 ひらがな 単語 漢字単語 −1 0 −2 −3 −4 −5 (z-score) カタカナ 単語 ひらがな 単語 漢字単語

WISC-Ⅲ RCPM STRAW(音読課題) STRAW(書取課題)

−1 0 −2 −3 −4 −5 1 2 0 3 3モーラ語 4モーラ語 正答数 −1 0 −2 1 2 −1 0 −2 1 2 −1 0 −2 1 2 正答数 単語の逆唱課題 平均所要時間 単語の逆唱課題 非語の復唱課題 ROCFT 模写 直後再生 遅延再生

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本研究では,フィルム不使用条件,無色透明フィル ム使用条件および有色透明フィルム使用条件の 3 条件 に関して音読課題を実施した.無色透明フィルムを使 用した音読課題は,プラシーボ効果の影響を統制する ために実施した.3 条件の実施順序にはカウンターバ ランスをかけて順序効果を相殺した.刺激の表面照度 を一定にし,明るさの要因を統制した.すなわち,有 色透明フィルムと無色透明フィルムを使用した際,低 下した課題の表面照度を調光機能付きライトスタンド の調光機能によって補正した.無色透明フィルムは, 複数のメーカー製の OHP フィルムから,フィルムを 印刷物にかぶせた際に印刷物の色が最も変化しなかっ たフォーレックス社製のレーザープリンタ用 OHP フィルム BG-71 LP を使用した. 対象児には,「これから見せる単語や文章をできる だけ速く間違えないように読んでください」と教示し, 始めの合図をしてから単語課題または文章課題が書か れた用紙を呈示した.文字は目から約 60 cm 離した. 録音機器を使用して音読サンプルを録音するととも に,音読所要時間をストップウォッチで計測した. (3)質問紙検査と内観の聴取 音読課題終了後,質問紙検査を実施した.質問紙検 査は Irlen Institute Self Test の項目17)から簡便に実

施できるように考慮し,15 課題を選択した.内容は, 光への敏感さ,読み書き,および MISViS の症状をも つ児童にとって困難を示すとされる楽譜の読み取り18) を含んだ音楽に関する質問である.それぞれの内容に 関して該当するか否か判断してもらった.また,有色 透明フィルムを使用した際に,文字が音読しやすく なったか否か内観を聴取した. 3 )解析 有色透明フィルムに関して,典型発達児群と発達性 読み書き障害児群で選択する色に違いがあるか否か検 討した.解析にはフィッシャーの直接確率検定を用い た.音読課題における音読所要時間は,フィルム不使 用条件における音読所要時間を 1 として,無色透明 フィルム使用条件における音読所要時間と,有色透明 フィルム使用条件における音読所要時間を比率に換算 した.その後,各種音読課題におけるフィルム不使用, 無色透明フィルム使用および有色透明フィルム使用の 各条件における音読所要時間について Friedman 検定 にて検討した.また,質問紙検査と内観報告の関連を 検討するため,内観報告にて有色透明フィルムを使用 すると文字が音読しやすいと答えた児童と,有色透明 フィルムを使用しても文字の読みやすさは変わらない と答えた児童の 2 群に対して,質問紙検査の回答(該 当する,該当しない)に差のある項目があるか否かを フィッシャーの直接確率検定にて検討した. 結 果 1 .視機能検査の結果 典型発達児では,視機能を評価する課題において基 準値19)よりも低い成績を示した児童は 18 名中 3 名で あった.3 名とも眼球運動機能を評価する課題で基準 よりも低い成績を示していた.一方,発達性読み書き 障害児では,視機能を評価する課題において基準値19) よりも低い成績を示した児童は21名中16名であった. このうち,眼球運動機能を評価する課題で基準よりも 表 2 質問紙検査 質問 1 太陽の光をいやだと思うことがよくありますか? 質問 2 明るい光や蛍光灯の光をいやだと思うことがよくありますか? 質問 3 文字を読んでいるとき,光の量が足りないと思うことがよくありますか? 質問 4 文字を読んでいるとき,光の量が多すぎると思うことがよくありますか? 質問 5 ことばや行を飛ばして読んでしまうことがよくありますか? 質問 6 どこを読んでいるのか分からなくなることがよくありますか? 質問 7 目を近づけたり遠ざけたりして文字を読むことがよくありますか? 質問 8 読んでいる文字が動いたり,点滅したりして見えることがありますか? 質問 9 文字を読んでいると頭がいたくなってしまうことがよくありますか? 質問 10 書いた文字と文字の「あいだ」や書いたことばとことばの「あいだ」が,離れすぎてしまったり, くっつきすぎてしまうことがよくありますか? 質問 11 線にそって文字を書くことができないことがよくありますか? 質問 12 文字が見づらいせいで,文字を速く書き写せないと思うことがよくありますか? 質問 13 音符が見づらいと思うことがよくありますか? 質問 14 楽譜を読むときに指でなぞって読むことがよくありますか? 質問 15 楽譜のどこを読んでいるのか分からなくなることがよくありますか? 楽譜の読み取りを含んだ音楽に関する質問(質問 13 〜 15)は,音符が読める児童のみ実施した.

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低い成績を示した児童は 14 名,視力と眼球運動機能 を評価する課題で低い成績を示した児童は 2 名であっ た. 2 .音読課題の結果 1 )対象児が選択した有色透明フィルムについて 典型発達児では,緑色を選択した児童が18名中6名, 青灰色を選択した児童が 5 名,ローズ色を選択した児 童が 3 名,水色を選択した児童が 2 名,橙色を選択し た児童が 1 名,紫色を選択した児童が 1 名であった. 発達性読み書き障害児では,水色を選択した児童が 21 名中 7 名,黄色を選択した児童が 6 名,青灰色を 選択した児童が 3 名,紫色を選択した児童が 2 名,橙 色を選択した児童が 2 名,緑色を選択した児童が 1 名 であった.フィッシャーの直接確率検定にて,黄色 (df=1,χ2=6.08,p=0.02)と緑色(df = 1,χ2=5.37, p=0.04)の有色透明フィルムを選択した児童に関し て,2 群間で有意差が認められた.典型発達児は発達 性読み書き障害児に比して緑色の有色透明フィルムを 選択する児童が多かった.また,発達性読み書き障害 児は典型発達児と比べて黄色の有色透明フィルムを選 択する児童が多かった. 2 )音読所要時間について 本研究で対象となった典型発達児は低学年(小学 1, 2 年生)の児童が 6 名,中高学年(小学 3 年生から中 学生)の児童が 12 名であったため,低学年と中高学 年で解析を行った.音読所要時間に関して Friedman 検定を行ったところ,低学年,中高学年ともに,すべ ての音読課題で,フィルム不使用条件,無色透明フィ ルム使用条件および有色透明フィルム使用条件の 3 条 件間に有意差は認められなかった.発達性読み書き障 害児は全員が小学 3 年生以上であり,実施した音読課 題の刺激が同一であったことから,1 つの群として解 各課題において正常値を示す,もしくは在籍学年の典型発達児と比較して−1.5 SD 以上の 成績を示した場合は○,各課題において異常値を示すか在籍学年の典型発達児と比較して −1.5 SD 未 満 の 成 績 を 示 し た 場 合 は × と し た. な お,DEM(Developmental Eye Movement Test)に関しては,+1.5 SD 未満の成績を示した場合を○,+1.5 SD 以上の成 績を示した場合を×としている.眼球運動機能を評価する課題は 2 課題行っているが,在 籍学年の典型発達児と比較していずれか一方または双方の課題で異常値を示すか +1.5 SD 以上の成績を示した場合に×とした.典型発達児群における児童 17,18,発達性読み書き 障害児群における症例 20,21 は中学生のため,便宜的に小学 6 年生の典型発達児におけ る平均値と標準偏差値を適用した. 表 3 視機能検査の結果 典型発達児 児童 視力 視野 視機能色覚 眼球運動機能 1 ○ ○ ○ ○ 2 ○ ○ ○ ○ 3 ○ ○ ○ ○ 4 ○ ○ ○ ○ 5 ○ ○ ○ ○ 6 ○ ○ ○ × 7 ○ ○ ○ ○ 8 ○ ○ ○ ○ 9 ○ ○ ○ ○ 10 ○ ○ ○ × 11 ○ ○ ○ × 12 ○ ○ ○ ○ 13 ○ ○ ○ ○ 14 ○ ○ ○ ○ 15 ○ ○ ○ ○ 16 ○ ○ ○ ○ 17 ○ ○ ○ ○ 18 ○ ○ ○ ○ 発達性読み書き障害児 症例 視力 視野 視機能色覚 眼球運動機能 1 ○ ○ ○ × 2 ○ ○ ○ × 3 ○ ○ ○ × 4 ○ ○ ○ ○ 5 ○ ○ ○ ○ 6 × ○ ○ × 7 ○ ○ ○ × 8 ○ ○ ○ × 9 ○ ○ ○ × 10 ○ ○ ○ × 11 ○ ○ ○ × 12 ○ ○ ○ × 13 ○ ○ ○ ○ 14 ○ ○ ○ × 15 ○ ○ ○ × 16 × ○ ○ × 17 ○ ○ ○ × 18 ○ ○ ○ × 19 ○ ○ ○ × 20 ○ ○ ○ × 21 ○ ○ ○ ○

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析を行った.音読所要時間に関して Friedman 検定を 行ったところ,すべての音読課題において典型発達児 同様,フィルム不使用条件,無色透明フィルム使用条 件および有色透明フィルム使用条件の 3 条件間に有意 差は認められなかった. 3 .質問紙検査と内観報告の結果について 典型発達児では,内観報告にて有色透明フィルムを 使用した際に文字が読みやすくなったと答えた児童が 18 名中 7 名,有色透明フィルムを使用しても文字の 読みやすさは変わらないと答えた児童が 11 名であっ た.フィッシャーの直接確率検定の結果,質問紙検査 のいずれの項目においても,2 群間で回答数に有意差 は認められなかった.発達性読み書き障害児では,内 観報告にて有色透明フィルムを使用した際に文字が読 みやすくなったと答えた児童が 21 名中 10 名,有色透 明フィルムを使用しても文字の読みやすさは変わらな いと答えた児童が 11 名であった.典型発達児同様, フィッシャーの直接確率検定にて,質問紙検査のいず れの項目においても,2 群間で回答数に有意差は認め られなかった. 考 察 1 .対象児が選択した有色透明フィルムに関して 発達性読み書き障害児が選択する有色透明フィルム については,現在も一致した見解がない.stein20)

vidyasagar21)および Ray et al.22)は,発達性読み書き 表 4 対象児が選択した有色透明フィルム 有色透明フィルム 発達性読み書き障害児(人) 典型発達児(人) df χ2 p 黄色 6 0 1 6.08 0.02 * 緑色 1 6 1 5.37 0.04 * 水色 7 2 1 2.69 0.14 n.s. ローズ色 0 3 1 3.79 0.09 n.s. 青灰色 3 5 1 1.08 0.43 n.s. 紫色 2 1 1 0.22 1 n.s. 橙色 2 1 1 0.22 1 n.s. 桃色 0 0 0 0 1 n.s. 灰色 0 0 0 0 1 n.s. * =p<.05 表 5 典型発達児群と発達性読み書き障害児群の音読所要時間 フイルム 不使用 無色透明 フィルム使用 有色透明 フィルム使用 df χ2 p 典型発達児群・低学年(n=6)  ひらがな単語 1 1.05 1.17 2 0.00 1.00 n.s.  カタカナ単語 1 1.09 1.19 2 0.33 0.85 n.s.  ひらがな非語 1 1.02 1.01 2 0.00 1.00 n.s.  カタカナ非語 1 1.01 1.04 2 0.33 0.85 n.s.  文章 1 0.94 0.92 2 0.33 0.85 n.s. 典型発達児群・中高学年(n=12)  ひらがな単語 1 0.97 0.97 2 0.17 0.92 n.s.  カタカナ単語 1 0.98 0.97 2 0.17 0.92 n.s.  ひらがな非語 1 1.07 1.03 2 1.17 0.56 n.s.  カタカナ非語 1 0.98 1.05 2 3.50 0.17 n.s.  文章 1 0.99 0.95 2 3.50 0.17 n.s. 発達性読み書き障害児群(n=21)  ひらがな単語 1 1.02 1.02 2 0.70 0.70 n.s.  カタカナ単語 1 1.02 1.02 2 0.48 0.79 n.s.  ひらがな非語 1 1.02 0.97 2 2.30 0.32 n.s.  カタカナ非語 1 1.05 1.03 2 1.54 0.46 n.s.  文章 1 1 1.04 2 1.10 0.58 n.s. 音読課題における音読所要時間は,フィルム不使用条件における音読所要時間を 1 と して,無色透明フィルム使用条件における音読所要時間と,有色透明フィルム使用条 件における音読所要時間を比率に換算した.n.s.=not significant

(8)

障害児が抱える MISViS の症状を即時に改善させる有 色透明フィルムは黄色のみと報告している.一方, Wilkins et al.4)や Kriss et al.8)は,有色透明フィルム

は個々人に合わせて適切な色が選択される必要がある と述べており,前者とは異なる立場を取っている.

今回,Wilkins et al.7)の方法に則って,対象児には

最も文字が見えやすいと感じる有色透明フィルムを Irlen Institute 製 Irlen Overlay 9 色の中から 1 色選択 させた.その結果,発達性読み書き障害児群は典型発 達児群と比較して,黄色の有色透明フィルムを選択す る児童が有意に多かった.しかし,黄色以外の有色透 明フィルムを選択する発達性読み書き障害児も多く認 められた.本研究の結果は,Wilkins et al.4)や Kriss

et al.8)の報告を支持していた.発達性読み書き障害児 は黄色の有色透明フィルムのみを選択することはな く,個々人によって有色透明フィルムの選択が異なる のではないかと思われた. 典型発達児群は,発達性読み書き障害児群と比較し て,緑色の有色透明フィルムを選択する児童が有意に 多かった.熊谷9)は,14 〜 62 歳の健常者 50 名に最 も 文 字 が 見 え や す い 有 色 透 明 フ ィ ル ム を Irlen Institute 製 Irlen Overlay 9 色の中から 1 色選択させ たところ,青や緑色の有色透明フィルムを選択する人 数が多かったと述べている.また,Kriss et al.8)は 10 色の有色透明フィルムの中で mint green を選択する 典型発達児が最も多かったと報告している.本研究は 熊谷9)や Kriss et al.8)の報告と類似した結果であり, 典型発達の場合,選択する有色透明フィルムに関して 年齢や人種による違いはないのではないかと思われ た. 2 .有色透明フィルムが児童の音読速度に与えた影 響に関して 有色透明フィルムの使用が児童の音読速度に与える 影響を検討した先行研究では,照度,対象児と刺激間 の距離,順序効果,プラシーボ効果および単語属性な ど,音読速度に影響を与えることが想定される複数の 要因が十分統制されていなかった.たとえば,Kriss et al.8)は,文字の間隔や行間が極端に狭い Wilkins

Rate of Reading Test(WRRT)を作成して音読実験 を行っているが,刺激と対象者間の距離を統制したか 否かについて明確な記述はない.日本語話者の発達性 読み書き障害児 1 例を対象とした熊谷の報告9)では, 刺激と対象者間の距離,照度および順序効果に関して 実験条件を統制したか否か明確でない.また教示方法 に関して,多くの先行研究ではできるだけ速く間違え な い よ う に 音 読 す る よ う 被 験 者 に 指 示 し て い る が8,11,23,24),熊谷9)の研究では具体的な教示方法が明 記されていない.このように有色透明フィルム使用に よる音読速度の改善を報告した先行研究については, 有色透明フィルム以外の要因が音読速度の短縮に関与 している可能性がある. 本研究では,典型発達児群,発達性読み書き障害児 群ともにフィルム不使用条件,無色透明フィルム使用 条件および有色透明フィルム使用条件の 3 条件間で, 各音読課題における音読所要時間に有意差は認められ なかった.照度,対象児と刺激間の距離,教示方法, 順序効果,プラシーボ効果および単語属性などが統制 された場合,先行研究において報告されているような 有色透明フィルム使用による音読速度の有意な短縮は 典型発達児群,発達性読み書き障害児群のいずれにお いても認められないのではないかと思われた. 一方,本研究における照度の統制が先行研究との結 果の相違に影響を与えている可能性もある.光に対す る強い感受性は MISViS の主要な症状の一つであり2) 表 6 対象児における内観報告の結果 有色透明フィルムを 使用すると文字が読 みやすい 有色透明フィルムを 使用しても文字の読 みやすさに変化なし 典型発達児(n=18) 7 11 発達性読み書き 障害児(n=21) 10 11 (人) 表 7 対象児の内観報告と質問紙検査の関係について 典型発達児 (n=18) 発達性読み書き障害児 (n=21) df χ2 p df χ2 p 質問 1 1 1.47 0.77 n.s. 1 1.29 0.39 n.s. 質問 2 1 4.41 0.16 n.s. 1 0.01 1.00 n.s. 質問 3 1 3.01 0.32 n.s. 1 2.01 1.00 n.s. 質問 4 1 2.01 0.44 n.s. 1 2.01 0.31 n.s. 質問 5 1 1.16 0.78 n.s. 1 1.24 0.81 n.s. 質問 6 1 2.34 0.45 n.s. 1 1.29 0.82 n.s. 質問 7 1 1.25 0.76 n.s. 1 2.95 0.18 n.s. 質問 8 1 2.29 0.69 n.s. 1 2.43 0.21 n.s. 質問 9 1 2.29 0.69 n.s. 1 1.16 0.48 n.s. 質問 10 1 3.27 0.30 n.s. 1 5.09 0.07 n.s. 質問 11 1 2.37 0.38 n.s. 1 1.17 1.00 n.s. 質問 12 1 1.67 0.72 n.s. 1 3.85 0.09 n.s. 質問 13 1 0.26 0.87 n.s. 1 0.26 1.00 n.s. 質問 14 1 1.77 0.52 n.s. 1 1.26 0.46 n.s. 質問 15 1 4.78 0.13 n.s. 1 2.76 0.19 n.s. n.s.=not significant

(9)

文字と背景のコントラストが高いほど MISViS の症状 は顕著になる7).Kriss et al.8)は Intuitive Overlays を

二枚重ねて使用することを認めており,実際に有色透 明フィルムの二枚重ねを選好した児童が 32 名中 2 名 存在したと報告している.照度を統制せずに有色透明 フィルムを二枚重ねて使用すれば文字と背景のコント ラストは低下する.したがって,Kriss et al.8)におい て示された有色透明フィルム使用が音読速度に与える 効果は色の要因だけでなく,明るさの要因も含めた結 果である可能性が高い.本研究では,有色透明フィル ム,無色透明フィルム使用時に低下した課題の表面照 度を補正した結果,少なくとも色そのものの影響は認 められないと思われた. 3 .主観的な報告と有色透明フィルムの効果との関 係 本研究では,典型発達児群,発達性読み書き障害児 群ともに,有色透明フィルムを使用した際の文字の読 みやすさに関する主観的報告と MISViS の特徴的症状 を尋ねる質問紙検査の結果に有意な関連は認められな かった. Bouldoukian et al.23)は,発達性読み書き障害児, 者に対して,被験者に有色透明フィルムを提供する際, 有色透明フィルム使用が音読速度の改善に効果的であ ることを伝えたうえで音読課題を実施した.すなわち, 有色透明フィルムに関するプラシーボ効果が統制され ていなかったことになる.彼らの研究では,音読課題 終了後の内観において,被験者は音読課題時に使用し た有色透明フィルムは音読速度の改善に効果があった と述べているが,有色透明フィルム使用による音読速 度の有意な短縮は認められなかった.Kruk et al.13)は, MISViS の症状を示す発達性読み書き障害児に,音読 課題の成績に影響を及ぼす視覚的問題について自覚症 状 を 訪 ね る Irlen Reading Perceptual Scale(IRPS) を実施して,音読,書字および読解課題の成績との関 連を検討した.しかし,IRPS の該当項目数と,音読, 書字および読解課題の成績との間に有意な相関は認め られなかった.これらの先行研究の結果は,有色透明 フィルムを使用した際の文字の読みやすさに関する主 観的報告や,MISViS の特徴的症状を尋ねる質問紙検 査の結果と実際の音読速度の変化とは関連が低いこと を示していると思われる.

以上,本研究の結果は Bouldoukian et al.23)や Kruk

et al.13)の報告を支持していた.対象児にとって有色 透明フィルムの使用が主観的には文字の読みやすさに つながったとしても,客観的な音読速度の向上や, MISViS のような視知覚の異常とは必ずしも結びつか ないのではないかと思われた. 文   献

1)Robinson GL and Miles J: The use of coloured overlays to improve visual processing ―A preliminary survey. Int J Disabil Dev Educ, 34: 65-70, 1987.

2)Irlen H and Lass MJ: Improving reading problems due to symptoms of scotopic sensitivity syndrome using Irlen lenses and overlays. Education, 109: 413-417, 1989. 3)Wilkins AJ, Jeanes RJ, Pumfrey PD et al: Rate of Reading

Test: Its reliability, and its validity in the assessment of the effects of coloured overlays. Ophthal Physiol Opt, 16: 491-497, 1996.

4)Wilkins AJ and Lewis E: Coloured overlays, text and texture. Perception, 28: 641-650, 1999.

5)Evans BJW and Joseph F: The effect of coloured filters on the rate of reading in an adult student population. Ophthalmic Physiol Opt, 22: 535-545, 2002.

6)Northway N: Predicting the continued use of overlays in school children ―a comparison of the developmental eye movement test and the rate of reading test. Ophthal Physiol Opt, 23: 457-464, 2003.

7)Wilkins AJ, Huang J and Cao Y: Visual stress theory and its application to reading and reading tests. J Res Read, 27(2): 152-162, 2004.

8)Kriss I and Evans BJW: The relationship between dyslexia and Meares-Irlen syndrome. J Res Read, 28: 350-364, 2005.

9)熊谷恵子:読みに関連する色フィルムの効果に関する研究 ―日本人の一般的な傾向と読み書き障害児の結果―.LD 研究,15(2):198-206,2006.

10)Wilkins AJ, Sihra N and Myers A: Increasing reading speed using colours: issues concerning reliability and specificity, and their theoretical and practical implications. Perception, 34: 109-120, 2005.

11)Hollis J and Allen MP: Screening for Meares-Irlen sensitivity in adults: can assessment methods predict changes in reading speed? Ophthal Physiol Opt, 26: 566-571, 2006.

12)Smith L and Wilkins A: How many colours are necessary to increase the reading speed of children with visual stress? A comparison of two systems. J Res Read, 30(3): 332-343, 2007.

13)Kruk R, Sumbler K and Willows D: Visual processing characteristics of children with Meares-Irlen syndrome. Ophthal Physiol Opt, 28: 35-46, 2008.

14)宇野 彰,新家尚子,春原則子,他:健常児におけるレー ヴン色彩マトリックス検査―学習障害児や小児失語症児の スクリーニングのために―.音声言語医学,46:185-189, 2005. 15)宇野 彰,春原則子,金子真人,他:小学生の読み書きス ク リ ー ニ ン グ 検 査 ― 発 達 性 読 み 書 き 障 害( 発 達 性

(10)

dyslexia)検出のために―,インテルナ出版,東京,2006. 16)天野成昭,笠原 要,近藤公久:NTT データベースシリー

ズ 日本語の語彙特性第 4 期(NTT コミュニケーション科 学基礎研究所監修),三省堂,東京,2008.

17)Irlen H: Irlen Institute Self Test, http://irlen.com/index. php?s=selftests(最終アクセス 2010 年 9 月 28 日). 18)Carroll TA, Mullaney P and Eustace P: Dark adaptation

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19)後藤多可志,宇野 彰,春原則子,他:発達性読み書き障 害児における視機能,視知覚および視覚認知機能について. 音声言語医学,51:38-53,2010.

20)Stein J: Visual motion sensitivity and reading. Neuropsychologia, 41: 1785-1793, 2003.

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23)Bouldoukian J, Wilkins AJ and Evans BJW: Randomised controlled trial of the effect of coloured overlays on the rate of reading of people with specific learning difficulties. Ophthal Physiol Opt, 22: 55-60, 2002.

24)Chase C, Ashourzadeh A, Kelly C, et al: Can the magnocellular pathway read? Evidence from studies of color. Vis Res, 43: 1211-1222, 2003.

別刷請求先: 〒339-8501 埼玉県さいたま市岩槻区浮谷 320       目白大学保健医療学部言語聴覚学科

参照

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