第7章 水産物・水産加工品
1.品目の定義 本調査が対象とする水産物および水産加工品は次の通りである。 重点品目 グループ 対応HS コード 重点個別品目 香港における対応 (輸入用)HS コード (1) さけ(冷凍) 03031100~ 03032900 (2) さば(生鮮・冷凍) 03026400 03037400 (3) 干しなまこ 03079930 (4) 貝柱調製品 03072920 (5) ほたて貝 03072110~ 03072910 (6) かつお(冷凍) 03034300 (7) 魚肉かまぼこ・ 練り製品 16042019 16042099 (8) すけそうだら (鮮魚) 03026929 (9) たい (活魚、冷凍) 03019999 03037929 (10)さんま(冷凍) 03037929 水産物・ 水 産 加 工 品 HS0301~ 0307 HS1604~ 1605 (11)魚缶詰 16042019 出所:香港統計局 2.輸出の可否 水産物および水産加工品について、我が国から輸入が解禁されていない品目はない。 3.手続き全体の流れ (1)フローチャート 香港における水産物および水産加工品の輸入手続きは以下の流れである。 日本の輸出業者:商品の出荷とともに以下の書類を準備・送付 ①インボイスおよびパッキングリスト ②衛生証明書、検疫証明書など ③オーシャンB/L(船荷証券)、 エアウェイビル(航空貨物運送状) または他の同等書類 ④税関申告書 ⑤その他(税関より必要と指示された場合) ③、④の書類の作成は、通関業者、貨物取扱い業者(フォワーダー)等が請負い、 代理作成する場合が多い。(2)留意点
香港において、通関手続き上の制限は公衆衛生や安全、保安上必要な場合に原則限られて おり、食品については、公衆衛生および市政条例第132 章(Public Health and Municipal Services Ordinance(Cap.132))およびその関係附則に基づき、主に食品衛生上の観点から輸 入ライセンスの取得、食品衛生証明書や検疫証明書等の添付、製造元に関する事前認可の取 得などが規定されている。 水産物および水産加工品について、我が国から輸入が解禁されていない品目はない。 また、水産物については、当該商品の原産国の保健当局によって発行された食品衛生証明 書を準備することを、強く推奨している。香港に貨物が輸入される段階で検査対象となるこ とがあり、衛生証明書が提出されない場合はサンプル検査の対象となる。 4.輸入制度・輸入規制 (1)輸入手続き 香港は自由貿易政策を取っており、輸入品には関税を課していない。ほとんどの商品 は香港に入るためにライセンスを必要としない。 輸入時における通関では、積荷目録(マニフェスト)等の書類の検査、および必要に 応じて輸入される商品のサンプル検査が行われる。サンプル検査は抽出ベースで行なわ れ、検査のために抽出された商品は税関の検査官によって収去される。 税関によって当該商用貨物が書類検証やサンプル検査に抽出された場合には、標準の 日本側:通関およびシッピング 香港の輸入業者:日本の輸出業者または航空ターミナル会社から書類を受領。通関 および輸入申告手配 申告に必要な書類: ①積荷目録(マニュフェスト) ②オーシャンB/L(船荷証券)、 エアウェイビル(航空貨物運送状) または他の同等書類 ③パッキングリストおよびインボイス ④各種ライセンス ⑤衛生証明書、検疫証明書など ⑥その他(税関より必要と指示された場合) 香港側: 通関および商品の引き取り 香港では多くの輸入業者や貨物取扱い業者がオンラインによる通関システムを導 入している。したがって、実際には香港の輸入業者が申告に必要な書類と、引渡し 指図書(リリースレター)によって貨物の引き取りを行う場合が多い。
書類を提出するべきである。それ以上の問い合わせは、付録Aに記載されている税関の 24 時間照会ホットラインで行なうことができる。
① 輸入申告 ①―1 輸入申告
香港の輸出入条例(第 60E章) (Import and Export Ordinance (Cap.60E)、輸出入(登 録)規則(Import and Export (Registration) Regulations Cap.60)に基づき、食品を輸
入する者は誰でも通常当該商品の輸入から14 日以内に、必要事項をもれなく記入した輸 入申告書を税関局長に提出しなければならない。 上記の 14 日は香港の公休日を含む。しかし、14 日目が公休日、強風警報日、または 黒色(= 最高レベルの)暴風雨警報日と重なった場合には、提出期限は公休日、強風警 報日、または黒色暴風雨警報日ではない次の日まで延長されるものとする。 申告は政府によって認可された 2 つの電子貿易サービスシステムのどちらかを通じて 電子的に提出されるべきである。2 つの電子貿易サービスシステムとは、グローバル・E
トレーディング・サービス・リミテッド (Global e-Trading Services Limited)が提供す るGETS(Government Electronic Trading Services)、またはトレードリンク・エレクト ロニック・コマース・リミテッド(Tradelink Electronic Commerce Limited)が提供す
るトレードリンク(Tradelink)であり、いずれかを通じて、電子申告にて提出するべき である。不正確な申告は1 万香港ドルの罰金の対象となる。 これらの電子申告が出来ない業者および企業は、GETS の電子貿易アクセスサービス (ETAS)センター、またはトレードリンクのサービスセンターに書面を提出することで 申告することが可能である。これらの各センターの場所は付録Aに、また関連フォーム のダウンロード情報は付録Bに記載されている。 輸入申告に必要なフォーム: 輸入申告フォーム(Form 1A) 衛生証明書 申告に必要な情報: 1)輸入業者の基本情報 2)荷積み港 3)貨物到着日 4)輸出国 5)輸送方法 6)商品の詳細(パッケージの数と種類、荷印とコンテナ番号、HS コードを含む) 7)輸入数量とCIF 価格 ①―2 輸入申告料金 申告時には申告料金の支払が必要である。食品の輸入に対しては、政府は食品の価格 に関係なく、1 電子申告当り 0.50 香港ドルを請求している。政府に指定された 2 社のサ ービスプロバイダーは、紙および電子媒体の両方の申告サービスを提供している。サー ビスプロバイダー両社は提出方式次第で追加料金を請求している:
Global e-Trading Services Limited
電子申告に対しては使用頻度等に応じた料金(概ね1 申告あたり HK$12 程度) 通常の窓口サービスでの書面による申告に対して、1 申告あたり HK$42.80
上記に示した政府への支払HK$0.50
Tradelink Electronic Commerce Limited (Tradelink)
電子申告に対しては1 申告あたり HK$12.60 書面による申告に対して、1 申告あたり HK$30.30 上記に示した政府への支払HK$0.50 サービスプロバイダー2 社ともに、電子申告料金はそれぞれのサービスセンターで入 手可能である。これらのサービスセンターのリストは付録Aに記載されている。 ①―3 輸入申告の免除
輸出入(登録)規則(Import and Export (Registration) Regulations Cap.60)によれ
ば、HK$1,000 以下の価値のサンプルや贈答品、または展示会出品のために一時的に輸 入される商品は、輸入申告が免除される。免除には明確な条件が付けられており、サン プルは小額の価値で、かつサンプルによって代表される種類の品物に対する注文を勧誘 するためのみに使用されるべきである。 輸入・輸出申告の免除に関する問い合わせは、付録A記載の税関24 時間照会ホットラ イン、またはサービスプロバイダーのどちらかで行なうことができる。
香港政府統計處(Census and Statistics Department(CSD))は輸入および輸出の申
告から収集したデータを統合している。CSD の特定職員は税関局長によって輸入申告に
関する法律を執行する権限を与えられている。輸入申告に関する問い合わせは、付録A
記載のCSD の貿易統計支部に対して行なうことができる。
② 検査のために抽出されたサンプルについて
公衆衛生および市政条例第 132 章(The Public Health and Municipal Services Ordinance (Cap.132))の第 59(1)(c)条(Section59(1)(c))では、香港食物環境衛生署(Food and Environmental Hygiene Department(FEHD))は輸入食品を検査する権限を有して
いる。検査を行う際、FEHD は抽出された食品の品目および数量を明記したサンプリン グ通知を当該輸入業者に対して発行し、輸入業者へ抽出したサンプルに対する市場価格 を輸入業者から請求があった場合に支払う。この支払を受けるためには、輸入業者はサ ンプリング通知と共にインボイスをFEHD に送付する必要がある。また、検査が完了し た時には、輸入業者は当該サンプルを回収することができる。 ③ 所要時間 税関は、通常1 日以内に輸入申告の処理を完了する。 (2)輸入許可のための要件 ① 通関 通関に伴う提出書類は次の通りである: 積荷目録(マニフェスト) エアウェイビル(航空貨物運送状)、オーシャンB/L(船荷証券)、または 他の同様の書類 インボイスおよびパッキングリスト
引渡し指図書(リリースレター)または貨物保管通知 ② 輸入ライセンス ほとんどの食品における輸入は輸入量の制限がないが、健康・安全および環境保護や保安 の理由に関する食品は除外される。 水産物および水産加工品の輸入においては、一般に輸入ライセンスの取得の必要はない。 ③ 水産物および水産加工品の輸入における留意事項
香港食物環境衛生署(Food and Environmental Hygiene Department(FEHD))は、 水産物および水産加工品を香港に輸入する際は、当該水産物および水産加工品は食用に適し ていると証明できる、原産国の保健当局によって発行された衛生証明書を用意することを強 く奨励している。 ③-1 商品テスト 水産物および水産加工品が香港に到着した際、当該貨物が検査またはサンプル抽出の対象 となる可能性がある。輸入業者がこの検査時に衛生証明書を提示することができない場合に は、FEHD は当該貨物リリースの前に検査のためにサンプル抽出することができる。一般に、 検査された商品は6 時間以内にリリースされる。 FEHD は水銀、カドミウムおよびひ素の各重金属類について、重金属全体の最大濃度を含 む検査を行う。また、FEHD は生鮮海産物には使用が認められていないホウ酸と二酸化硫黄 を含む防腐剤を監視している。ホウ酸の濃度は1,000 ppm 以下である。 ③―2 シガテラ魚中毒に関する基準について 輸入業者はシガトキシンを含んでいる可能性が高いと知られている魚や、供給元が不明確 なサンゴ礁魚類や疑わしい魚類の輸入を避けなければならない。FEHD は業界に対して、シ ガテラ魚中毒に対し高リスクであると見なされる魚類のリストを定期的に更新し、頒布して いる。これらの魚類の現行リストは、付録B記載の実施基準ガイド内に載っている。 シガテラ魚中毒が発生した場合に、速やかで有効な管理対策を行うために、輸入業者は各々 の取引日から少なくとも60 日の間、魚の供給源、入国地点、販売日、買い手の氏名および住 所についての明細が記された、全ての生鮮海産物の供給および販売ルートと、魚の種類、数 量および寸法について適切かつ正確な記録を保存しなければならない。また、これらの記録 は常時香港政府による検閲の際に直ちに確認できるようにしなければならない。 輸入業者は全てのサンゴ礁魚類の輸入について、FEHD に報告する必要がある。また、輸 入業者は全ての貨物の到着から48 時間以内に、付録B記載の実施基準ガイド内のフォームを 使用して、輸入した魚の到着日、数量、種類、寸法および供給元について報告を行なわなく てはならない。 ③―3 梱包に関する所要条件について 水産物および水産加工品の梱包は当該商品の汚染を予防するために、衛生的に満足できる 条件下で実施されなければならない。また、水産物と接触する梱包材料および商品は、全て の衛生規則に従うと同時に、下記に記した対応が充分でなければならない: ・梱包資材は、当該商品の感覚的刺激(味覚、嗅覚)に関する特性を損なってはならない ・梱包資材は、人体の健康に危険な可能性がある量で当該商品に物質を転移し得ないもので なければならない
・梱包資材は、当該商品を充分に保護するために、充分に強固でなければならない 衛生証明書は以下の情報を必要とする: ・商品は衛生的な条件下で加工されかつ梱包されている ・商品は食用に適しており、原産国にて食用の食品として販売されることができる ・生で消費される海産物(例)寿司や刺身)は、「生の状態での食用に適している」とい う追記を必要とする ・コレラの流行地から輸入される海産物に対しては: *商品はコレラ発生が報告された地域で採取されていない *商品はコレラ菌の感染がないと認められた ・二枚貝の甲殻類(カキ、ホタテ貝等)について: *二枚貝甲殻類は汚染されていない衛生的な海中で採取または捕獲された; または甲殻類は定められた日数の間、清潔な水を交換して洗浄した、 または甲殻類は許可され、かつ定められた洗浄工場で洗浄された *甲殻類は衛生的条件下で梱包された *甲殻類は人体の健康に有毒、有害、または障害となる量の、イオトキシンを 含む物質、殺菌剤、微量金属等のような汚染物質を含んでいない *甲殻類は食用に適しており、原産国にて食用のための食品として 販売されることができる *微生物学上のガイドライン ‐合計生菌数:1 グラムの肉当り 50,000 の微生物を超えない ‐最大推定数:1 グラムの肉当り 3 の微生物(大腸菌)を超えない ④ 香港の食品輸入業者および卸売業者に対する任意登録制度
食品の安全性を管轄する香港食品安全中心(Centre for Food Safety(CFS))は、2007 年 8 月1 日から、下表の予定で品目ごとに段階的に当該品目を輸入する輸入業者と卸売業者に対 して、CFS に登録を行うよう進言している。 この登録は、現在は任意性であるが、将来的には義務化する方向で法的規制を設けること で検討されている。登録された輸入業者や卸売業者のリストはCFS のウェブサイト上で閲覧 可能となる予定である。 登録フォームはCFS のウェブサイトからダウンロードできる。また CFS 内 43F にて受領 できる。 なお、本件に関する詳細問い合わせは、CFS 担当(電話:+852-2867-5582)にて確認でき る。 自発的登録を進める対象品目 登録開始日 食肉類(ゲームミート含む) 2007 年 8 月 1 日 食肉用の生きた家畜類 2007 年 9 月 1 日 牛乳、乳飲料、クリーム、冷凍菓子類 2007 年 10 月 野菜、果物類 2007 年 11 月 水産物および水産加工品類 2007 年 12 月 その他の食品カテゴリー 上記以降
⑤ 食品安全法案(The Proposed Food Safety Bill)および食品中の残留農薬に対する規 制枠組み案(Proposed Regulatory Framework for Pesticide Residues in Food in Hong Kong) について《参考》
香港では、食品に対する安全性の向上に向けて、次の法律および規制の施行を検討してい る。
1)食品安全法案(The Proposed Food Safety Bill)の要旨 ⅰ)食品トレーサビリティの確保 ・食品輸入業者、流通業者(運送業者および小売業者は除く)は、衛生当局への事前登 録を義務とする。 ・食品輸入業者、流通業者、小売業者は、食品の移動についての記録管理を義務とす る。 ・香港産食品については、生産者にも上記を適用。 ⅱ)リスク度に応じた輸入食品管理措置の導入 ・輸入魚、水産物:原産地の衛生当局が発行する衛生証明書の添付、香港政府の輸入 許可を義務とする。(ただし、海洋魚への証明書添付は今後の検討 課題と言及)。輸入港の限定。 ⅲ)香港政府当局は、衛生問題が起きた食品について輸入禁止、販売禁止およびリコー ルする権限を持つ。 本法案の詳細等は下記ウェブページから参照出来る。 http://www.fhb.gov.hk/en/press_and_publications/consultation/080121_food/food_ safety_bill.html
2 ) 食 品 中 の 残 留 農 薬 に 対 す る 規 制 枠 組 み 案 (Proposed Regulatory Framework for Pesticide Residues in Food in Hong Kong)要旨は次のとおり。
・ポジティブリスト制を導入 ・国際基準、中国の基準等を参考にした残留基準を設定 ・残留基準が設定されていない農薬が残留する場合の許容基準を設定 ・対象外物質の一覧を作成 ・Codex の食品分類を適用 ・執行猶予期間は2年間 本法案の詳細等は下記ウェブページから参照出来る。 http://www.cfs.gov.hk/english/whatsnew/whatsnew_fstr/whatsnew_fstr_21_Pesticide.html (3)関税以外の国境特別措置 該当する規制はない。 5.販売時の規制・手続き (1)販売手続き 一般に水産物・水産加工品を販売する際に、特定の許可証や卸売登録等の必要はない。 (2)販売許可のための要件 一般に水産物および水産加工品の販売について、義務・強制的な規則や手続はない。輸入・
販売業者は各々の販売手順を設定することができる。
なお、海生魚類(マーケティング)条例第291 章(Marine Fish (Marketing) Ordinance (Cap.291))下では、全ての生鮮海生魚類(活魚)は魚類マーケティング機構(Fish Marketing Organization(FMO))によって経営されている卸売魚市場に水揚げの上、卸販売される必要 がある。 また FMO マーケティング所長によって発行された海生魚類輸送許可証を除いて、生鮮海 生魚類は60Kg を超える量で香港の陸上または海上を輸送してはならないと定められている。 規則に違反した者は、最高1 万香港ドルの罰金および 6 ヶ月の懲役刑の対象となる。
非営利である FMO は香港漁農自然護理署(Agriculture, Fisheries and Conservation Department(AFCD))の署長によって管理されている。FMO は次の 7 つの卸売魚市場を運 営して、商業漁業者と海生魚類小売業者に対して秩序あるマーケティングを提供している。 アバディーン卸売魚市場 チェンシャワン卸売魚市場 クントン卸売魚市場 サイクン卸売魚市場 シャウケイワン卸売魚市場 キャッスルピーク卸売魚市場 タイポ卸売魚市場 本件に関する問い合わせは、付録A記載の魚類マーケティング機構(FMO)で確認できる。 なお、香港食物環境衛生署(Food and Enviromnental Hygiene Department(FEHD))は、 次の営業用家屋での営業に対して、それぞれ食品事業ライセンスの申請を要求している: 一般レストランライセンス 茶菓軽食レストランライセンス 海鮮レストランライセンス ベーカリーライセンス 冷凍倉庫ライセンス 工場社内食堂ライセンス 生鮮店ライセンス シウメイおよびローメイ店ライセンス(ローストした肉および漬け込み肉の販売) 上記に係わる申請フォーム(FEHB 94)は付録Cを参照のこと。また、詳細問い合わせは、 付録A記載のFEHD に行う。 6.表示方法 (1)法律に基づく義務表示および手続き
香港では、食品および薬物(成分組成および表示)規則第132 条 W (Food and Drugs
(Composition and Labelling) Regulations (Cap.132W))に基づき、香港内で販売する商 品に対して食品製造者および包装業者は所定の、同一で、読みやすい方式で商品を表示 することを義務付けている。包装済食品とは、包装を開けるまたは包装を変更しなけれ ば中身を変更できない方法で包装された食品であり、最終消費者や飲食店に単一の食品 品目として供給する状態になっている食品を意味する。香港政府は所要条件を満たして いれば、この表示をラベルの貼付で実施することを許容している。 同規則によれば、「消費期限」として記載された日付後に食品を販売してはならない。
また、食品製造者や包装業者ではない者が、食品製造者・包装業者の書面認可なく、同 規制下で要求されている表示またはラベル貼付上の内容を除去・消去することはできな い。 漬物およびソース、酸化防止剤などを含んでいる食品に対しては、特別な表示または ラベル貼付の手続が課されている。これらの食品品目は、防腐剤および酸化防止剤の含 有量を英語で表示またはラベル貼付しなくてはならない。また、中華料理の用途として 使用される食品品目に限り、中国語による表示またはラベル貼付も求められる。 以下の食品品目は、表示またはラベル貼付規制を免除されている: 当該商品がばら売り品目として販売する目的である、個別包装の菓子類製品と保存性 のあるフルーツ類 直ちに消費されるために飲食店で販売される包装済食品で、かつ容量で 1.2%以上のア ルコールを含むもの
なお詳細は、食品および薬物(成分組成および表示)規則第132 条 W (Food and Drugs
(Composition and Labelling) Regulations (Cap.132W)) 付表 4(Schedule 4)「付表 3 の
規定を免除される項目(Items exempt from Schedules 3)内で確認できる。
① 食品表示における法律によって定められた事項について ①―1 食品名 包装済の食品は、その名称または呼称が読みやすく表示またはラベル貼付されるもの とする。食品名は虚偽であったり、誤解を招いたり、または偽装であってはならず、食 品の性格と種類を購入者に正確に知らせなければならない。 ①―2 原材料のリスト
ラベル表示は「材料」(ingredients)、「成分」(composition)、「内容」(contents)または 同様の意味の用語から成る適切な標題によって前置きされなければならず、原材料は食 品が包装された時に測定された重量または容量の、重いまたは多い順番で記載されなけ ればならない。 食品が下記の物質から成る、または下記の物質を含む場合には、その物質名を原材料 のリストにて表示またはラベル貼付しなければならない。 グルテンを含む穀類(小麦、ライ麦、大麦、カラス麦、スペルト小麦、それらの混成 種、それらの製品) 甲殻類および甲殻類製品 鶏卵および鶏卵製品 魚類および魚類製品 落花生、大豆およびそれらの製品 牛乳および乳製品(乳糖を含む) 木の実および木の実製品 包装済食品の原材料を構成する食品添加物は、その食品添加物のカテゴリー(機能分 類)と、その特定名称または食品添加物の国際番号システム(International Numbering System(INS))に基づいた識別番号を記載しなければならない。輸入業者は、INS 番号の 代わりに、EU で採択されているE-番号制度に基づいた E 番号(「E」または「e」を頭
につけた表記法)を付けて使用することもできる。
①―3 「賞味期限(best before date)」または「消費期限(use by date)」 における日付の表示またはラベル貼付 包装済食品は次に示す適切で耐用性のある表示方法によって、読みやすく表示または ラベル貼付されなければならない: 「賞味期限」(中国語でも) 微生物学的観点から、腐敗し易く、かつ短期間の後に人体の健康に直ちに危険となる と考えられる包装済食品の場合は、「賞味期限」の代わりに「消費期限」(中国語でも) 英語および中国語で「消費期限」および「賞味期限」と表記した後に、食品の品質保 持期限を示すため、食品の特性が保持できる期日を続けて表示またはラベル貼付する。 「消費期限」または「賞味期限」はアラビア数字、または英語と中国語両方による標記 のどちらかで示さなければならない。 アラビア数字による表示またはラベル貼付は、日、月、年の表記順はどんな順序であ っても構わないが、正確な順序が分かるように中国語と英語の両方で「日」「月」「年」 を明確に示さなければならない。 冷凍食品および 18 ヶ月以上の品質保持期限を持つ食品についても、「賞味期限」を表 示しなくてはならない。 ①―4 保管に対する特別な条件、または使用上の注意に関する説明書 品質保持のための保管に特別な条件を必要とするか、包装済食品の使用に対して特別 な指示が必要な場合は、その説明書は表示またはラベル貼付内に読みやすく表さなくて はならない。 ①―5 製造者または包装業者の名前と住所 包装済食品は次の場合を除き、製造者または包装業者の正式名および住所が読みやす く表示またはラベル貼付されなければならない: パッケージは原産国および香港における代理店またはブランド所有者の名前と住所 が表示またはラベル貼付されており、かつ原産国の製造者または包装者の住所が香港 食物環境衛生署(Food and Environmental Hygiene Department(FEHD))署長に対 して書面にて通知済である。 パッケージは原産国の表示とその国における製造者または包装業者の識別を確認す るコードで表示またはラベル貼付されており、かつコード識別と製造者の明細が香港 食物環境衛生署長に対して書面にて通知済である。 ①―6 数、重量または容量 食品表示内には当該食品の数、正味重量、または正味容量を表示しなくてはならない。 ①―7 適切な言語 包装済食品の表示またはラベル貼付は、英語または中国語のどちらか又は両方であっ ても良い。包装済食品の表示またはラベル貼付に英語と中国語の両方が使用されている 場合には、食品の名称と原材料のリストは両方の言語で表現されるものとする。
①―8 栄養成分表示について(参考) 食品の栄養成分に関する表示の義務化が検討されている。現在検討されている規制は、 食品の安全性をより確実にすることに加え、消費者がインフォームド・チョイス(充分な 知識を得た上での選択)を行い、消費者の健康を守ることを促進するためとしている。こ の検討されている規制の今後の内容および進行状況によっては、早ければ 2010 年にも栄 養成分に関する表示の義務付けを開始する。 現在提議されている、表示に必要とされる栄養成分は、エネルギーに加えて 7 の栄養素、 即ちタンパク質、炭水化物、総脂質、飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、ナトリウムおよび糖質 である。これらの表示として、その栄養分の量が、食品100 グラム(または 100 ml)当りの キロカロリー/メートル法での絶対量で表現しなければならない。 ①―9 バイオテクノロジー食品についての自主的表示(参考) 香港は遺伝子組み換え食品を含む、バイオテクノロジー食品の表示に関して、今のと ころ特定の法的規制を有していない。しかし、香港政府はバイオテクノロジー食品につ いての表示の義務化を検討中である。政府は 2006 年にバイオテクノロジー食品に対する 自主的表示について一連のガイドラインを発表しており、自主的表示の有効性を評価す る調査を開始している。 バイオテクノロジー食品の表示についてのガイドラインは、法的効力を有していない。 同ガイドラインは包装済食品に適用し、次の内容を基礎としている: バイオテクノロジー食品の表示は現行の食品規制に従う。 表示目的のためにガイドラインに適用されている閾値は、個別の食品材料に関して 5% である。 食品に、重大な遺伝子組換え操作((例)食品の化学組成、栄養価、栄養阻害因子、 天然毒物、アレルギー誘発物質に関する遺伝子、特定な使用目的のための遺伝子、動 物遺伝子の導入等)が行なわれた原材料が用いられる時には、食品表示に追加するこ とを勧告している。
否定表示(例えば「GMO(Genetically modified organism)フリー」や「GM(Genetically modified)材料の使用なし」)は避けなければならない。
遺伝子組み換え(GM)の否定表示を明確に行う製品に対し、香港政府はその製品を優
先的に検査する可能性を示している。また、その検査結果の基準はゼロトレランス(許容 誤差ゼロ)を採用することを検討中である。製品が誤解を招く表示をしていると認められ
た場合には、小売店は公衆衛生および市政条例第 132 章(The Public Health and
Municipal Services Ordinance(Cap.132)の第 61 節‐食品または薬品の虚偽表示および 宣伝広告(False Labelling and Advertisement of Food or Drugs (Section 61))に基づ き罰せられる可能性がある。 業界が否定表示を適用する場合には、香港政府は「非遺伝子組換え(NON-GM)供給源 から原材料を調達」(GM 含有量は 5%以下)など、あまり明確な表現でない表示を行うこ と、また、その表示を立証するための書面を保持していることをアドバイスしている。 政府はまた、2003 年 3 月からバイオテクノロジー商品の市場導入前における安全性評 価の可能性に対する研究も行っている。しかしながら、香港政府は導入展開に向けた、現 在の進捗状況を発表しておらず、まだ調査中である。
(2)法律に基づく任意表示および手続き
香港では、法律に基づく任意表示は該当ない。
ただし、前述「(1)法律に基づく義務表示および手続き ①―9」で記した遺伝子組換え 商品に対する表示の義務化を検討する中で、現在、遺伝子組換え食品についてはその旨を自 主 的 に 表 示 す る こ と を 、 香 港 の 食 品 衛 生 を 司 る 香 港 食 物 環 境 衛 生 署 (Food and Enviromnental Hygiene Department(FEHD))内の食品安全中心(Centre for Food Safety(CFS))が推奨している。本件に関するガイダンスは、次の URL 内で確認できる。 http://www.cfs.gov.hk/english/programme/programme_gmf/programme_gmf_gi_label.html http://www.cfs.gov.hk/english/programme/programme_gmf/programme_gmf_gfd.html
(3)業界自主表示および手続き
香港において、食品を含む製品・サービスの向上に向けて業界が認証している表示の代表 として、香港工業総会(Federation of Hong Kong Industries)の賛助の元、香港 Q マーク 協議会によって認証されているQ マークという表示がある(1978 年から実施)。 本マークは、①製品・サービスの質を高め、環境保全に寄与し、国際的に認められる基準 に従った管理システムに対応する企業を育成すること ②製品、サービスおよび環境保全に 対してよい品質であることを証明すると同時に、国内外における品質および環境保全管理に 対する認識を上げることの目的で制度を制定し、本制度に適った生産・製造施設やその製品 に対して認証を行っている。 Q マークは赤色の「Q」の文字をモチーフにしたマーク(詳細は、下記リンク先を参照) だが、最近は、特に環境保全に対する観点から、環境保全に対する取り組みに対しても一定 の認証基準を設定した上、その取り組みを行っている申請者にはグリーンマークと呼ばれる 緑色の新しいQ マークを認証している。 Q-Mark に関する参照 URL http://www.industryhk.org/english/fs/fs_qmark/fs_qmark_prod.php (4)「食の安全・安心」に関する表示 a)食の安心・安全について、当該国政府が実施している認定制度とその表示
香港漁農自然護理署(Agriculture, Fisheries and Conservation Department(AFCD))は、 食の安心・安全に繋がる有機農産物等に対して直接的な認定制度を行っていない。しかし、 高品質、安全な農産物・食品等を生産する農家が、新たな市場開発を行うことや市場で販売 することを奨励しているとの見解である。有機農産物・食品に対する市場開発や啓蒙活動に 関する関連団体への支援は、2000 年 12 月から計画を立ち上げ実施している。 b)食の安心・安全について業界、生産団体等が独自に実施している認定制度とその表示 香港において、食の安心・安全の位置づけに繋がる有機農産物・食品に関連して、香港漁 農自然護理署(Agriculture, Fisheries and Conservation Department(AFCD))が次のホー ムページ内(http://www.afcd.gov.hk/english/agriculture/agr_orgfarm/agr_orgfarm.html) を通じて香港における有機農産物・食品の生産・販売支援や認証制度、啓蒙・教育活動を通 じた認知向上に関する取組などを紹介している。
c)我が国での認定マーク等(JAS 有機農産物、業界認定マーク等)の表示・販売に対する規 制等
2008 年 1 月にジェトロ香港から香港香港食物環境衛生署(Food and Environmental Hygiene Department (FEHD)へ我が国の認定マークを表示またはラベル貼付した商品に関 する輸入・販売に関する問合せを行ったところ、香港で販売のために供される食品は全て香 港の関連法規を遵守する必要があるが、我が国を含む外国の認証システム・マークに対する 特別なコメント等はない、との回答を得た。 7.税制度 (1)関税 該当する規定はない。 (2)消費税/付加価値税(もしくはこれに該当する各国・地域の税) 該当する規制はない。 (3)その他 特に記載する事項はない。 8.サンプル輸出の規制状況等
輸出入(登録)規則(Import and Export (Registration) Regulations Cap.60)によれば、 HK$1,000 以下の価値のサンプルや贈答品、または展示会出品のために一時的に輸入され る商品は、輸入申告が免除される。 免除には明確な条件が付けられており、サンプルは小額の価値で、かつサンプルによっ て代表される種類の品物に対する注文を勧誘するためのみに使用されるべきである。 輸入・輸出申告の免除に関する問い合わせは、付録A記載の税関24 時間照会ホットライ ン、またはサービスプロバイダーのどちらかで行なうことができる。 9.関連企業・団体概要リスト (1)輸入業者・卸業者(直接輸入している小売業者を含む) City Super Ltd. Coverage: Retailer
Address: 8/F., Wharf T & T Centre, Horbour City, 7 Canton Road, Tsimshatsui, Kowloon, Hong Kong
Tel: +852 2306 3824
Fax: +852 2956 0336
Dah Chong Hong Ltd
Coverage: Grocery wholesaling
Address: 8/F 20 Kai Cheung Road, Kowloon Bay, Hong Kong Tel: + 852 2768 3388
Fax: + 852 2796 8838 Website: http://www.dch.com.hk
Coverage: Mainly covering restaurant sector
Address: 15-17 Moon St. Great Asia Hse, Wanchai, Hong Kong
Tel: +852 2527 4339
Fax: +852 2861 2860
New Kondo Trading Co. Ltd
Address: Unit No. 8, 3/F, Eastwood Centre, A Kung Ngan Village Road, Shau Kei Wan, Hong Kong
Tel: +852 2566 3700
Fax: +852 2887 0326
Ng Fung Hong Limited
Coverage: Frozen foods (wholesale)
Address: 8/F China Resources Building, No. 26, Harbour Road, Wanchai, Hong Kong
Tel: +852 2593 8777
Fax: +852 2827 5985
Website: http://www.nfh.com.hk
NIPPON FOODS Co., Ltd.
Address: Unit1110, 8 Commercial Tower, No.8 Sun Yip Street, Chaiwan, Hong Kong
Tel: +852 2898 8126
Fax: +852 2897 9553
Wah Tai
Coverage: Fish and seafoods wholesale
Address: Ground Fl Hing Tai Bldg 139 Connaught Rd, Hong Kong
Tel: + 852 2548 9557
Fax: + 852 2548 3561
(注)業者が引合い交渉を開始するかどうかは、市場動向等にもよるため、上記の リストは引合いの手がかりとして参考に願いたい。
(2)関連団体
Fish Marketing Organization (FMO) Tel: +852 2150 7066
Fax: +852 2314 2866
10.水産物および水産加工品に関する補足コメント (国内マーケット事情、流通経路、新規参入の留意点等) 干しなまこ、干しあわび、干し貝柱等、乾物水産品の流通経路については、古くから香港の 乾物商経由の取引が行われており、上記の他にも輸入経路が確立されている。 寿司・刺身をはじめとした日本食の人気が高い香港において、水産物の安定的な需要が、日 本食・中華料理レストランや小売店、乾物店等を中心に続いている。2006 年度での、香港にお ける日本からの食品輸入の総額は 3,855 百万香港ドルであるが、このうち魚介類・同調製品が 2,329 百万香港ドルであり、全体の 6 割を占め、圧倒的なシェアを占めている。主に香港に輸 入される水産品は、中華食材として使用される、ホタテ、なまこ、ふかひれ等が輸入金額の上 位を占める。また、香港で主に消費される水産物のうち、ホタテ、マグロ、カキ、魚卵等は日 本が2006 年度では輸出量の上位 3 カ国に入っており、また水産ねり製品の輸入量も中国、台 湾に次いで第 3 位である。なまこ、貝柱調製品などの日本からの輸出金額は、他の諸外国への 輸出に比べ、香港への輸出が圧倒的に高い。一部の小売店では、これらの水産物と他の日本産 品を陳列し組み合わせ販売を行うといった工夫をし、新たな品目の需要を掘り起こしている。