(12) 特許協力条約に基づ て公開さ
れ
た国際出願 (19)世界 知的所有 権機関 国際事務局 (10)国際公開番号 (43)国際公開日 2010 年 5月20 日(20.05.2010)WO 2010/055878 Al
(51) 国際特 許 分類 (74) 理人:鎌田耕一, 1(KAMADA Koichi助al・) ; 丁 B29C 43/20 (2006.01) B2 L乃90(2006.01) 5300047 阪府 大 阪市 区西 4 T 目3番2 5 B29K 27/18 (2006.01) 号梅 田プラザビル J 8階 Os刃 (JP). (21) 国際 出願 番 号 PCT/JP2009/069266 (81) 定国(表示のな 限り、全ての種類の国 内保(22) 国際 出願日 2009 年 11 月12 日(12.11.2009) 可 ) :AE, AG, AL, AM, AO, AT, AU, AZ, BA, BB,BG, BH, BR, BW, BY, BZ,CA, CH, CL,CN, Cの,
(25) 国際 出願の言語 日本 語
CR, CU, CZ, DE, DK, DM, Dの,DZ,EC, EE,EG,ES,FI,
(26) 国際公開の言語 日本 語 GB, GD,GE,GH, GM, GT, HN, HR, HU,ID, IL, IN, IS, KE, KG, KM, KN, KP, KR, KZ, LA, LC, LK, LR, LS,
(30) 優先権データ LT, LU,LY, MA, MD, ME, MG, MK, MN, MW, MX,
願 2008-289989 2008 年 11 月12 日(12.11.2008) JP MY, MZ, NA, NG, NI, Nの, NZ, OM, PE, PG, PH, PL,
(71) 出願人 米国を除 全ての指定国につ て 日 PT, RO, RS, RU, SC, SD, SE, SG, SK, SL, SM,ST, SV, 東 電 エ 株 式 会 (NITTO DENKO CORPORA¬ SY,TJ,TM, TN, TR, TT, TZ, UA, UG, US, UZ, VC, VN, TION) [JP/JP]; 〒5678680 大 阪 府 茨木市 下 穂 積 1 ZA, ZM, ZW.
丁目1番 2号 Osaka(JP). (84) 国(表示のな 限り、全ての種類の哀域保
(72) 発明者 および 可 ) :ARIPO (BW, GH, GM, KE,LS,MW, MZ,
(75) 発明者/ 願人 (米国につ てのみ) : 和野隆司 NA, SD, SL, SZ, TZ, UG, ZM, ZW), --Lーラシア
(WANO Takashi) [JP/JP]; 〒5678680 大 阪府 茨木市 (AM, AZ, BY, KG,KZ,MD, RU,TJ,TM), ヨーロ ツパ 下穂 積 1 丁目1 番 2 号日東電エ株 式 会 社内 O s (AT,BE,BG, CH, CY, CZ,DE,DK, EE, ES,FI,FR,GB,
GR, HR, HU,IE, IS,IT, LT,LU,LV, MC, MK, MT, NL, aka(JP). 北川大 輔 (KITAGAWA Daisuke) [JP/JP]; 〒
NO, PL, PT, RO, SE, SI, SK, SM, TR), OAPI (BF, BJ, 5678680 大 阪府 茨木市 下 穂 積 1 丁目1 番 2 号日
CF, CG,CI, CM, GA, GN, Gの, GW,ML,MR, NE, SN, 東 電 エ 株 式 会 社 内 Osaka (JP)・ 高 山嘉 也 TD,TG). (TAKAYAMA Yoshinari) [JP/JP]; 〒5678680 大阪府 茨木市 下 穂 積 1 丁目1番 2 号日東電 エ 株 式 会 添付公開書類 社内 Osaka(JP). 国 帯 査報告 条約第2 1条(3))
(54) Title:METHOD FOR PRODUCING INSULATING THERMALLY CONDUCTIVE SHEET, INSULATING THERMAL
LY CONDUCTIVE SHEET AND HEAT DISSIPATING MEMBER
(54)発明の名 称 : 絶 縁性 熱伝導 シー トの製造方法、絶 縁性 熱伝導 シート及び放 熱部 材
(57)Abstract: A method for producing an insulating thermally conductive sheet comprises:(I)astepof preparing a plurality of sheet-like molded bodies, each of whichissubstantially composed of a fluororesin containing a polytetrafluoroethylene, thermally conductive inorganic particles and a molding assistant; (II)astepof rolling the plurality of sheet-like molded bodies laminatedt o
gether; and ( I)astepof removing the molding assistant. Inthe production method, thestep (I)and thestep (II)may be repeated alternately. As a sheet-like molded body used in the production method, there can be used, for example, a base sheet obtained by molding a mixture, which iscomposed of a fluororesin containing a polytetrafluoroethylene, thermally conductive inorganic parti clesand a molding assistant,intoa sheet-like form, or a multilayer sheet obtained by rolling a plurality of the base sheetslam in at ed together・ (57)要 約 : 本 発明の絶 縁性 熱伝導 シー トの製造方法は、 ( I ) 実質的に、ポリテ トラフル オロェチレン を含むフッ素 樹 脂 と、熱伝導 性無機 粒子と、成形助剤 と、からなるシー ト状成形 体を複数準備するエ程 と、 (II) 複数の前記 シート状成形 体を重ね合わせて圧 延するエ程と、 (III) 前記成形助剤 を除 去するエ 程と、を含む。本 発明の製造方法 では、エ程 I ) とエ程
:
π
)
とが交互に繰り返 されても よ 。また、 本 発明の製造方法にお て用 られるシー ト状成形 体として、例えば、ポリテ トラフル オロェチレン を 含むフッ素 樹 脂、熱 伝導性無機 粒子及び成形助剤からなる混 合物 を シー ト状に成形 した母シー トを用 る こともできるし、母シー トを複数重ね合わせて圧 延する ことによって得られる積層シー トを用 る こ ともできる 。明
細
書
発
明
の
名称
絶
縁
性 熱伝導
シ
ー
トの
製
造 方 法
、
絶
縁
性 熱伝導
シ
ー
ト及
び
放
熱部
材
技
術
分野
000 本発明は、絶縁性熱伝 導シー トの製造方法と、絶縁性熱伝 導シー トと、放 熱部材 とに関す
る。背
景技
術
000 モバイルコンピュ
ータ及び携帯電話に代 表 され
る電子機器 では、処理能力 向上による部材自体の発熱、さ らには小型化にともなう高密 度 実 装により、 「放熱」が大 きな課 題 となっている。 0003 そこで、半導体素子等の動作特性や信 頼性等を保つため
に、効率的な熱拡 散 ・熱輸 送 システムな る概 念が生まれ
、種々
の手法 が提 案され
ている。 000 例えば、熱伝 導 性の充填材を含有 したシリ コーン系グリースやシリ コーン ゲル を用いて形成され
たシー ト等 が、放熱部材 と して知られ
ている (例えば 、特許 文献 「参照) 。 000 シリ コーン系グリース等のぺ一
ス ト状の材料は、接触熱抵 抗を低 く抑え る ことができる等の点で優れ
ている。 しかし、ぺ一
ス ト状であるため
塗布 エ程 が必要であり、この塗布 エ程のばらつきが放熱部材の熱伝 導 性に影響を及ぼす
という問題があった。さ らに、塗布したぺ一
ス トが流れ
てしまう等、取 り 扱いの点での問題もあった。 000 一方、シリ コーンゲルは取 り扱いの点で優れ
ているものの、熱伝 導率を高 くす
るため
に充填材を高充填す
る と、シー ト強度が低下して弱い力で破断し てしまうという問題があった。 000 また、合成ゴム及びポリテ トラフルオロェ
チレン (以下、T
三と記載す
る。) を含む結 着剤と、熱伝 導 性無機質 粉体 とを含む組成 物によって形成 され
た、熱伝 導 性に優れ
た絶縁 シー トも提案され
ている (特許文献 参照) 。このような絶縁シー トは、シー トの成形加エ性や機械的強度に優れ
、さ らに高い熱伝 導 性を実現
す
ることも可能 で あった。 0008 しかし、上記のように合成ゴムを含む絶縁シー トの場 合、加 硫エ程が必要 であり、さ らに加 硫剤として添加され
た過酸 化物等の残留によ り、電子機器 へ適用した際に当該機器へ悪影響を及ぼす
という問題があった。さ らに、ゴ ム成分の存在によ り無抵 抗を十分に低くす
ることができず、熱伝 導 性無機質 粉体を高充填 しても無抵 抗を ・3
K
w
程 度までしか下げることができな か った。そのため
、十分な放熱性 能を得 ることが困難であった。 000 さ らに、導電材料ではあるが、高熱伝 導 性を有す
る材料として、グラファ イ トがある。携帯電話機等のような薄型の電子機器においては、厚さが薄く ても面内方 向の熱伝 導率 が3
7
0
~
10
Ow
K
と大 きく、熱の拡散や 放熱に最適な、グラファイ トシー トが好ん で用いられ
ている (特許 文献3
及 び 参照) 。 00 0 携帯電話に限らず、モバイル機 器全体がよ り薄さと軽さとに開発の重 点を 置いてきたことで、ヒー トスポッ
ト対 策が重要となっており、グラファイ ト , ン一
トの放熱機 能 がこの用途に適 していたことで採用 が広がっている。 00 しかしながら、グラファイ トシー トは表面強度が弱く、表面からの剥離 及 び傷が問題 とな る。 さ らに、導電材料であるため
に、電子機器内で基 板等と 接触 した場 合には支 障 をきたす
。このため
に、グラファイ トシー トの表裏面 を別部材の薄いカバー層で覆った放熱部品が用いられ
ること とな る。す
なわ ち、グラファイ ト自体の放熱性 が高くとも、表裏面を絶縁層で覆わなけれ
ば 使うことができず、ハン ドリング性に劣る という問題があった。 00 ヒー トスポッ
ト対 策にセ ラミッ
クを利用す
ることも考えられ
る。 しかし、 セ ラミッ
クには柔軟性 がないため
、取 り付けの際に割れ
る、輸 送時の振動で 割れ
る といった問題があった。先
行
技
術 文
献
特
許
文
献
00 特許 文献 : 特開2 00
2
8 9
号公報 特許 文献 : 特 公9
6
3
6
2
号公報特許 文献3 : 特開
2 008
0 2 7
公報 特許 文献 : 特開2 008
8
3 8 0
公報発
明が解決
しよ
うと
す
る
課
題
00 そこで、本発明では、電子機器へ適用した際 芋 影響を及ぼさず、高い放 熱性 能と機械的強度 とを有 し、さ らにハン ドリング性に優れ
た絶縁性熱伝 導 シー トを提 供す
ることを目的とす
る。さ らに、本発明は、発熱部品からの熱 を速やかに拡散 (輸 送) して発熱部品の温度上昇を緩和 で きる、ハン ドリン グ性に優れ
た放熱部材を提 供す
ることも目的とす
る。課 題
を解決
す
る
た
め
の
手
段
00 本発明の絶縁性熱伝 導シー トは、 ( 1 ) 実質的に、P T
三を含むフッ
素樹脂と、熱伝 導 性無機粒子と、成 形助剤と、からな る シー ト状成形体を複数準 備す
るエ程 と、 ( ) 複数の前記 シー ト状成形体を重ね
合わせて圧延す
るエ程 と、 ( ) 前記成形助剤 を除去す
るエ程 と、 を含む。なお、本発明の製造方法において、 「実質的に、P
T
三を含むフッ
素樹脂と、熱伝 導 性無機粒子と、成形助剤と、からな る シー ト状成形体」 とは、シー ト状成形体に フッ
素樹脂、熱伝 導 性無機粒子及び成形助剤以 外の 材料 が含まれ
ないか、又 は、他の材料 が含まれ
る場 合でも、その含有量は、 他の材料を含ま ない絶縁性熱伝 導シー トの特性 (熱伝 導特性 ) を大 きく低下 させない程 度のごく少量 (例えば 「0
重量 以下 ) であることを意味す
る。 00 本発明の絶縁性熱伝 導シー トは、実質的に、P
T
三を含むフッ
素樹脂と 、熱伝 導 性無機粒子とからな る シー トであって、面内方 向の熱伝 導率 が~
OW
K
で厚さ方向の熱伝 導率 が 「~
「W
K
であり、且つ、耐電 圧 がV
以上 で ある。なお、本発明の絶縁性熱伝 導シー トにおいて 、 「実質的に、P
T
三を含むフッ
素樹脂と、熱伝 導 性無機粒子とからな る シー ト」 とは、シー トに フッ
素樹脂及び熱伝 導 性無機粒子以 外の材料 が含まれ
ないか、又 は、他の材料 が含まれ
る場 合でも、その含有量は、他の材料を含ま ない絶縁性熱伝 導シー トの特性 (熱伝 導特性 ) を大 きく低下させない程 度のごく少量 (例えば 「
0
重量 以下 ) であることを意味す
る。 00 本発明は、上記 本発明の絶縁性熱伝 導シー トの製造方法によって得られ
る 絶縁性熱伝 導シー トをさ らに提 供す
る。 008 本発明は、上記 本発明の絶縁性熱伝 導シー トを備 えた放熱部材をさ らに提 供す
る。発
明
の
効
果
00 本発明の製造方法によって得られ
る絶縁性熱伝 導シー トでは、マ ト リッ
ク スとして実質的に フッ
素樹脂のみ
が用いられ
ており、他の有機材料、ゴム成 分及び加 硫剤 等の不純物 が含まれ
ない。そのため
、電子機器へ適用した際に 当該機器に及ぼす
影響を考慮す
る必要 がない。 さ らに、本発明の製造方法に よって得られ
る絶縁性熱伝 導シー トは、シー トの面内方 向における熱伝 導率 が厚さ方向における熱伝 導率よ りも高いシー トとな る。このような熱伝 導異 方性によ り、面内方 向に熱 がす
ばやく拡散 して放熱面積 が大 きくなり、高い 放熱性 能を実現 で きる。 さ らに、本発明の製造方法によれ
ば、熱伝 導 性無機 粒子を高い割合で配合 した場 合であっても、十分な機械的強度を有す
る絶縁 性熱伝 導シー トを実現 で きる。このように、本発明によれ
ば、電子機器へ適 用した際 芋 影響を及ぼさず、高い放熱性 能と機械的強度 とを有 し、さ らに ハン ドリング性に優れ
た絶縁性熱伝 導シー トを提 供できる。 00 0 本発明の放熱部材は、上記の性能を有す
る絶縁性熱伝 導シー トを備 えてい るので、絶縁性と高い放熱性 能とを共に有 している。 したがって、本発明の 放熱部材は、絶縁性 が必要とされ
る電子機器にも利用 で き、ハン ドリング性 に優れ
、かつ、発熱部品からの熱を速やかに拡散 (輸 送) させて発熱部品の 温度を低 下させ、部分的な温度上昇を緩和す
ることが可能とな る。発
明 を
実
施
す
る
た
め
の
形 態
00 以下、本発明の実施の形態について説明す
る。なお、以下の記載は本発明 を限定す
るものではない。 00 本実施の形態の絶縁性熱伝 導シー トの製造方法は、( 1 ) 実質的に、
P
T
三を含むフッ
素樹脂と、熱伝 導 性無機粒子と、成 形助剤と、からな る シー ト状成形体を複数準 備す
るエ程 と、 ( ) 複数の前記 シー ト状成形体を重ね
合わせて圧延す
るエ程 と、 ( ) 前記成形助剤 を除去す
るエ程 と、 を含む。 003 また、本実施の形態の絶縁性熱伝 導シー トの製造方法は、前記エ程 ( け によって得られ
たシー ト状物 を加圧 成形す
るエ程 ( エ程 ( をさらに含 ん でもよい。エ程 ( ) で は、P
T
三の焼成温度範囲
内の温度で加圧 成形 を行うことが望ま しい。 00 エ程 ( 1 ) の例について説明す
る。 00 まず、エ程 ( 1 ) において準 備す
るシー ト状成形体の一例について説明す
る。 00 まず、P
T
三を含むフッ
素樹脂を準 備す
る。このフッ
素樹脂は、P
T
三のみ
によって構成され
ていてもよいし、P
T
三と他のフッ
素樹脂との混 合物であってもよい。フッ
素樹脂は、P
T
三を少なくとも 重量 以上含 むことが好ま しく、「 重量 以上含むことがより好ま しい。P
T
三と混 合す
る他のフッ
素樹脂は、熱分解生成 物の理由から、2
0
。C以上の融点を 有す
るものが好ま しい。他のフッ
素樹脂には、例えばテ トラフルオロェ
チレ ン ・パーフルオロアル キルビニルェ
一
テル共 重 合 体 (以下、P
A
と記載す
る。) や、テ トラフルオロェ
チレン ・ヘキサフルオロプロ ピレン共 重 合 体 ( 以下、 三 と記載す
る。) 等の、P
T
三と相溶性の良い溶融系フッ
素樹 脂を用いることが好ま しい。このような溶融系フッ
素樹脂を用いる と、後の 熱プレスエ程 ( エ程 ) において効率良 く気孔率を低 下させることができる ので、熱伝 導率をより向上させることが可能とな る。そこで、シー ト状成形 体の作 製に用いられ
るフッ
素樹脂としては、例えば、 (A
)T
三によって構成され
ているフッ
素樹脂、 (P
T
三とP
A
とによって構成され
てい
るフッ
素樹脂、又は、 (C
)T
三と 三 とによって構成され
ているフッ
素樹脂、が好適である。 00
ア
のように準 備 したフッ
素樹脂に、熱伝 導 性無機粒子及び成形助剤 を混 合 して、ぺ一
ス ト状の混合物を作 製す
る。この混合は、P
T
三の繊維化を 極 力抑制す
る条件で行うことが望ま しい。具体的には、P
T
三にせん断力 を加 えないように、回転 数を小さく し、混合時間を短く して、混練せずに混 合す
ることが望ま しい。材料を混合す
る段階でP
T
三の繊維化が起こる と 、エ程 ( ) において圧延す
る際に、既に形成され
ているP
T
三の繊維 が 切断され
てP
T
三の網目構 造が破 壊され
てしまう可能 性 が あり、シー ト形 状を保つことが困難 とな る場 合がある。 したがって、本実施の形態のようにT
三の繊維化を抑 制す
る ように混合す
ることによって、後のエ程でのP
T
三をマ ト リッ
ク スとす
るシー ト状物の加エ が 容易とな る。 008 熱伝 導 性無機粒子は、絶縁性熱伝 導シー トに十分な熱伝 導 性を付与す
るため
に、熱伝 導率 が 「~
2
0
OW
K
の無機材料によって形成され
ているこ とが好ま しい。また、絶縁性熱伝 導シー トに高い電気絶縁性を付与す
るため
に、熱伝 導 性無機粒子は電気抵 抗率 が 「~
「 の ・ の無機材料によっ て形成され
ていることが好ま しい。本実施の形態における熱伝 導 性無機粒子 には、熱伝 導率 が高く且つ電気抵 抗率も大 きいことから、窒化ホウ素 が好適 に用いられ
る。 したがって、本実施の形態における熱伝 導 性無機粒子は、実 質的に窒化ホウ素からな ることが好ま しい。なお、 「実質的に窒化ホウ素か らな る熱伝 導 性無機粒子」 とは、熱伝 導 性無機粒子に窒化ホウ素以 外の物質 が含まれ
ないか、又 は、他の物質が含まれ
る場 合でも、その含有量が、他の 物質を含ま ない熱伝 導 性無機粒子 (窒化ホウ素粒子) を用いた際の特性 (熱 伝 導特性 ) を大 きく低下させない程 度のごく少量 (例えば 「0
重量 以下 ) であることを意味す
る。 00 熱伝 導 性無機粒子の形状は、特には限定 され
ないが、熱伝 導異方性を有す
る絶縁性熱伝 導シー トを得 るため
に、圧延によ り面内方 向に整 列しやす
い平 板状や鱗片状であることが好ま しい。また、同様の理由から、熱伝 導 性無機 粒子 自体が熱伝 導異方性を有 している方 が好ま しい。また、厚さ方向の熱伝導率を向上させる場 合には、各社から販売さ
れ
ている凝集 形状の熱伝 導 性無 機粒子を用いてもよい。 0030 熱伝 導 性無機粒子は、絶縁性熱伝 導シー トの状 態でその含有率 が0
~
9
重量 とな る ように配合され
ることが好ま しく、6
0
重量 以上配合され
ることがより好ま しい。熱伝 導 性無機粒子の配合量をこのような範囲
とす
る ことにより、シー トの面内方 向における熱伝 導率を十分高くできるので、よ り良 好な放熱性能を実現できる。 003 熱伝 導 性無機粒子は、脱落す
ることなくP
T
三マ ト リッ
ク スに担持され
、且つ、得られ
る絶縁性熱伝 導シー トに十分な熱伝 導 性を付与す
ることがで きれ
ばよいため
、その粒 径は特には限定 され
ないが、例えば粒 径0
・3
~
のものが望ま しい。ただし、熱伝 導 性無機粒子は、高熱伝 導化にお いては、粒 径が大 きい方 が好ま しい。これ
は、熱伝 導 性無機粒子の含有量が 同じであっても、粒 径が大 きい方 が界面の数が少なくなり、熱抵 抗を低 くで きるため
である。なお、こ こでの粒 径 とは、レーザ回折 ・散 乱式粒子径 ・粒 度分布測定装置 ( マイウロ トラッ
ク) によって測定 され
る値のことである。 003 成形助剤には、例えば ドデカンやデカン等の飽和炭化 水素を使用 で きる。 成形助剤は、全 重量に対 して2
0
~
重量 とな る ように添加すれ
ばよい 。このような混合物を押出し及び圧延によってシー ト状に成形 して得られ
る 母シー トを、本発明のシー ト状成形体 (シー ト状成形体の第 「の例 ) として 用いることができる。このようにして得られ
るシー ト状成形体の厚さは、例 えば ・~
である。 0033 また、エ程 ( 1 ) において準 備す
るシー ト状成形体の別の例として、上記 母シー トが複数重ね
合わされ
て圧延され
ることによって得られ
た積層 シー ト (シー ト状成形体の第2
の例 ) も挙 げられ
る。積層 シー トの積層 数は、特に は限定 され
ず、製造 しようとす
る絶縁性熱伝 導シー トの構成層 数 (絶縁性熱 伝 導シー トを構成す
る層の数) を考慮 して、適 宜 決定す
ることができる。 003 なお、シー ト状成形休が フッ
素樹 脂、熱伝 導 性無機粒子及び成形助剤以 外 の他の材料を微 量に含ん でいてもよいが、本発明の効果を効 率良く得 るため
には、フ
ッ
素樹脂、熱伝 導 性無機粒子及び成形助剤のみ
によってシー ト状成 形体を作 製す
ることが好ま しい。 003 以上のようにして、シー ト状成形体を準 備できる。 003 次に、エ程 ( ) の例について説明す
る。 003 エ程 ( ) で は、エ程 ( 1 ) で準 備 した複数のシー ト状成形体を重ね
合わ せて圧延す
る。具体的には、エ程 ( 1 ) で準 備 した複数のシー ト状成形体を 積層 し、この積層物 を圧延 して積層シー トを得 る。上述 したように、シー ト 状成形体は、上記母シー ト (第 「の例のシー ト状成形体) で あってもよいし 、母シー トを複数重ね
合わせて圧延す
ることによって得られ
た積層 シー ト ( 第2
の例のシー ト状成形体) で あってもよい。エ程 ( ) において重ね
合わ せるシー ト状成形体の数は、特には限定 され
ず、例えば2
~
「0
枚程 度が可 能である。高い強度を実現す
るため
に、シー ト状成形体を「つずつ重ね
合わ せて圧延す
ることが望ま しい。 003 本実施の形態の絶縁性熱伝 導シー トの製造方法では、エ程 ( 1 ) とエ程 ( ) とが交互に繰 り返され
てもよい。この場 合の具体例を、以下に説明す
る。 003 まず、複数 (例えば2
~
「0
枚 ) の母シー トを準 備す
る ( エ程 ( 1 ) 次に、複数の母シー トを積層 し、この積層物を圧延 して積層 シー ト (第 「の 積層 シー ト) を得 る ( 程 ( ) 。こ こで得られ
た第 「の積層 シー トをさ らに複数 (例えば2
~
「0
枚 ) 準 備 し、当該第 「の積層 シー トをエ程 ( 1 ) におけるシー ト状成形体 と して用いる。次に、複数 (例えば2
~
「0
枚 ) の 第 「の積層 シー トを積層 し、この積層物を圧延 して積層 シー ト (第2
の積層 ,ン一
ト) を得 る ( エ程 ( ) 。さ らに、得られ
た第2
の積層 シー トを複数 (例えば2
~
「0
枚 ) 準 備 し、当該第2
の積層 シー トをエ程 ( 1 ) における ,ン一
ト状成形体 と して用いる 。次に、複数 (例えば2
~
「0
枚 ) の第2
の積 層 シー トを積層 し、この積層物を圧延 して積層 シー ト (第3
の積層 シー ト) を得 る ( エ程 ( ) 。このように、 目的とす
る絶縁性熱伝 導シー トの構成 層 数にな るまで、エ程 ( 1 とエ程 ( とを交互に繰 り返す
こ とができる 。なお、こ こで説明した例 では、積層 数が同じである積層 シー ト同ア
(第 「の積層 シー ト同士、第
2
の積層 シー ト同士等 ) を重ね
合わせて圧延 している が、積層 数が互いに異な る積層 シー ト同士を重ね
合わせて圧延す
ることも可 能である。 00 0 エ程 ( ) を繰 り返す
際に、圧延方向 を変 更す
ることが望ま しい。例えば 、第2
の積層 シー トを得 るため
に行う圧延では、その圧延方向 を、第 「の積 層 シー トを得 るため
に行った圧延の方向から9
0
度 変 更す
る と よい。このよ うに方 向 を変えながら圧延す
ることによって、P
T
三のネッ
トワークが縦 横に延び、シー ト強度の向上及び熱伝 導 性無機粒子のP
T
三マ ト リッ
ク ス への強固な固定が可能にな る。 00 絶縁性熱伝 導シー トの構成層 数を、当該絶縁性熱伝 導シー トに含まれ
る母 シー トの総 数で表す
とき、構成層 数は、例えば2
~
000
層 とできる。シ ー ト強度を上げるため
には、層 数は2
00
層 以上 が望ま しい。また、薄膜化 (例えば 「 以下のシー トとす
る) ため
には、層 数は「00
層 以下 が望 ま しい。構成層 数を多くす
るほ ど、得られ
るシー トの強度を高くできる。 00 圧延初期 (含まれ
る母シー トの総 数が少ない段階 ) は、強度が低く高倍率 の圧延に耐 え ることが困難であるが、シー ト状成形体の積層 及び圧延を繰 り 返す
にしたがって圧延倍率 が上 が り、シー ト強度の向上及び熱伝 導 性無機粒 子のP
T
三マ ト リッ
ク スへの強固な固定が可能にな る。また、積層 構 造 ( 構成層 数) は、得られ
るシー トの熱伝 導 性や絶縁性にも関係す
る。 したがっ て、十分な熱伝 導 性と絶縁性とを備 えたシー トを得 るため
に、構成層 数は「0
~
「0
00
層が好ま しい。 003 最終的に、厚さ ・ 「~
3
程 度のシー トを作 製 し、その後、エ程 ( ) として、加熱 して成形助剤 を除去す
ることによって、本発明の絶縁性熱伝 導シー トを得 ることができる。 00 成形助剤 を除去 した後に、エ程 ( ) によって得られ
たシー ト状物を加圧 成形 してもよい ( エ程 ( ) 。このような加圧 成形のエ程を含むことによ り、気孔をなくす
ことができ、熱伝 導 性の向上に寄与す
る。す
なわち、得られ
る絶縁性熱伝 導シー トの熱伝 導 性をさ らに向上させるため
には、気孔率を小さく
す
ることが望ま しく、例えば気孔率を3
0
以下とす
ることが望ま し い。なお、こ こでいう気孔率とは、後述の実施例 で行った測定方法によって 求め
られ
る値である。また、エ程 ( ) で は、P
T
三の焼成温度範囲
内の 温度で加圧 成形を行うことが望ま しい。このような焼成温度で加圧 成形す
る ことによ り、効率よく気孔率を低 下させることができる。 00 本実施の形態の製造方法では、エ程 ( 1 ) において、フッ
素樹脂、熱伝 導 性無機粒子及び成形助剤 を混合 してぺ一
ス ト状の混合物を作 製す
る際に、P
丁「
三の繊維化を極 力抑制す
る条件で混合を行っている。これ
によ り、後に 続くエ程 ( ) の圧延において、シー ト形状への変化 とP
T
三の繊維化が 同時に進行す
る。 したがって、エ程 ( ) の圧延では、熱伝 導 性無機粒子はP
T
三の繊維に拘 束され
ていない状 態で圧延の押圧にさ ら され
て、シー ト に対 してほぼ平 行 な状 態に配置され
ること とな る。また、熱伝 導 性無機粒子 として鱗片状粒子を用いる場 合は、圧延の際に当該粒子が流れ
方向に向くの で、面内方 向の熱伝 導率 がよ り高くな る。 さ らに、例えば窒化ホウ素粒子の ように粒子 自体が熱伝 導異方性を有す
る粒子を用いることによ り、面内方 向 の熱伝 導率をよ り高くできる。熱伝 導 性無機粒子がこのような状 態で配置され
ることによ り、得られ
る絶縁性熱伝 導シー トには熱伝 導 に異方性 が現れ
る 。す
なわち、本実施の形態の製造方法によれ
ば、シー トの面内方 向における 熱伝 導率 が厚さ方向における熱伝 導率よ りも高い絶縁性熱伝 導シー トを得 る ことができる。例えば、実質的に、P
T
三を含むフッ
素樹脂と熱伝 導 性無 機粒子とからな る シー トであって、面内方 向の熱伝 導率 が~
OW
K
で厚さ方向の熱伝 導率 が 「~
「W
K
であり、且つ、耐電圧 がV
以上の絶縁性熱伝 導シー トが得られ
る。この絶縁性熱伝 導シー トは、厚 さ方向に比べて面内方 向の熱伝 導率 が高いので、面内方 向に熱 がす
ばやく拡 散 して放熱面積 が大 きくなり、高い放熱性 能を実現 で きる。す
なわち、本発 明の製造方法によって作 製され
るシー トが、絶縁性を有 し、熱拡散 性に優れ
ていることが 見出され
た。 00 本実施の形態の製造方法によって作 製され
た絶縁性熱伝 導シー トには、マトリ
ッ
ク スとして フッ
素樹脂のみ
が用いられ
ており、他の有機材料、ゴム成 分及び加 硫剤 等の不純物 が含まれ
ない。そのため
、電子機器へ適用した際に 当該機器に及ぼす
影響を考慮す
る必要 がない。また、面内方 向の熱伝 導率 が 高く、熱の拡散や放熱に最適である。 したがって、これ
までになか った、絶 縁性と高い熱拡散機 能とを共に備 えたシー トを実現 で きる。さ らに、この絶 縁性熱伝 導シー トは機械的強度も高く、たとえ熱伝 導 性無機粒子を高い割合 で配合 した場 合であっても、十分 な機械的強度を実現できる。 00 本実施の形態の製造方法によれ
ば、引張り伸び率 が 「~
00
である絶 縁性熱伝 導シー トを作 製できる。なお、こ こでの引張り伸び率とは、引張り 試験 機を用いて試験片を速 度 「0
0
i で引 っ張った際に、試験片 が切断 (破断 ) した時の当該試験片の伸び率のことである。引張り伸び率は 、次の式によって算出できる。 張り伸び率 ()
二 「0
0
X (」
一」
0)」
0 (」
0 試験前の試験片の長さ、」
: 破断 時の試験片の長さ) 008 このような高い引張り伸び率 を実現 で きるので、この絶縁性熱伝 導シー ト を放熱部材 と して電子機器内に設置す
る場 合でも、設置箇所の形状に撚らず に所望の箇所に配置す
ることが可能とな る。 00 なお、本実施の形態の製造方法では、材料の混合時にP
T
三の繊維化が それ
ほ ど起こ らないため
、工程 ( ) の圧延エ程が繰 り返され
ても、P
T
三の繊維 が切断され
て形状を保てなくな る という問題が生じず、シー ト形状 の維持が 容易 で ある。また、本実施の形態では、複数のシー ト状成形体を積 層 して圧延す
るので、圧延によってある層に欠陥が生じた場 合でも、他の層 によってその欠陥 を補うことができる。 したがって、シー ト形状が保てなく な る という問題が生じない。さ らに、本実施の形態では、工程 ( ) を繰 り 返す
際に圧延方向 を変 更 しているので、P
T
三が等 方的に結 着 して綺麗 な シー トが得られ
る。これ
らの理由により、本実施の形態の製造方法によれ
ば 、長尺シー トや
連続シー トを得 ることも可能である。 00 0 また、上記のとおり、本実施の形態の製造方法で作 製され
た絶縁性熱伝 導,ン