DIP パッケージマイコン 78K0S/KA1P CX
NEC エレクトロニクス 8 ビットマイコンのあゆみ
1.70 ~ 80 年代 マイクロプロセッサの黎明期
インテル社が 1971 年に 4 ビットマイクロプロセッサ 4004 を発表しました。それまではコンピュータの基本的構 成(ALU やレジスタなど)を別素子として基板に配置していたのを、1つのシリコンチップ上に作りこんだ世界初 の 1 チップのマイクロプロセッサでした。その後 8 ビットマイクロプロセッサ(8008(1972 年)、8080(1974 年))、 16 ビットマイクロプロセッサ(8086(1978 年))と続けて発表しました。 インテル社に対抗する形で、モトローラ社も 1974 年に 8 ビット MPU(Micro Processing Unit)の MC6800 を発表しました。モ トローラ社の MPU はインテルよりも後発だったためシェアを奪 うことはできませんでしたが、使いやすさで一定の評価を得てい ました。その後 1979 年に 16 ビット MPU MC68000 を発表しイ ンテル社の 8086 と双璧をなすようになりました。 ザイログ社も 1976 年に 8 ビットマイクロプロセッサ Z80 を、 1979 年に 16 ビットの Z8000 を発表します。Z80 はインテル社の 8080 プロセッサをより使いやすくしたもので、その後 8 ビットマ イクロプロセッサの標準となるほど長く使われました。 16 ビットマイクロプロセッサは、各社が激しい競争を繰り広げ ますが、事実上インテル社とモトローラ社の 2 社の一騎打ちとな りました。(1)日本国内メーカーの動向
アメリカでのマイクロプロセッサ市場の拡がりを受け、日本国内の各メーカーによるマイクロプロセッサの開発も さかんに行われました。 他に先駆けて発売されたインテル社、モトローラ社、ザイログ社のマイクロプロセッサはすでに広く使われており、 市場に出回ったものと同じ仕様のものが求められるようになりました。そこで、後発メーカーはインテル社やザイロ グ社のマイクロプロセッサのセカンドソース品か、あるいは互換性の高い製品を発売するようになります。 当時は半導体製造の歩留まり(不良品でない製品の発生率)が良くありませんでした。製造できる設備の整った工 場も少なく、災害や事故が起きると供給が止まってしまう可能性もありました。そこで顧客への安定供給のために他 社とセカンドソース契約を結び、セカンドソース品の製造、販売を認めていたのです。また知的財産の重要性が今ほ ど認識されておらず、他社が互換性のあるプロセッサを製造、販売することはあまり問題とされていませんでした。 大きな流れとしては、インテル社のセカンドソース品を NEC(正式名は日本電気株式会社、2002 年に半導体事業 を NEC エレクトロニクス社として分社する)などが、モトローラ社のセカンドソース品を日立製作所、富士通株式 会社などが、ザイログ社のセカンドソース品をシャープ株式会社などが発売するようになりました。 80 年代中ごろになると製造技術の進歩もあり、インテル社は他社によるセカンドソースあるいは互換性のあるプ ロセッサの製造、販売を禁止する方向に転換しました。 世界の動向 1968年 インテル社設立(元フェアチャイルドセミコンダクター社員が設立した) 1969年 AMD 社(Advanced Micro Devices)設立(元フェアチャイルドセミコンダクター社員が設立した) 1971年 インテル社が世界初の 4 ビット マイクロプロセッサ 4004 を発表 1972年 インテル社が世界初の 8 ビット マイクロプロセッサ 8008 を発表 1974年 ザイログ社設立(元インテル社社員が設立した) モトローラ社初の MPU MC6800 を発表 1976年 ザイログ社初の 8 ビット マイクロプロセッサ Z80 を発表 1978年 インテル社が 16 ビットマイクロプロセッサ 8086 を発表 1979年 モトローラ社 16 ビット MPU MC68000 を発表 ザイログ社が 16 ビット マイクロプロ セッサ Z8000 シリーズを発表
(2)NEC による日本初のマイクロプロセッサ
NEC(2002 年に半導体事業を NEC エレクトロニクス社として分社する)は 1973 年に日本初の 4 ビットマイク ロプロセッサ µCOM4 を発売したのを始めに、1974 年に µCOM8(8 ビット)、µCOM16(16 ビット)シリーズを 発売しました。 当初は、オリジナルのものや、既に発売されていたインテル社やザイログ社のマイクロプロセッサに互換性があり ながらも独自の特長を持たせたものを発売しましたが、市場の要求から完全互換のセカンドソース品を発売するよう になります(当時の逸話ですが、オリジナルのマイクロプロセッサが持っていたバグも忠実にコピーしたほどです)。 NEC製マイクロプロセッサ/マイクロコンピュータの系譜(1973年~84年) µCOM-41 µCOM-4 µCOM-42 µCOM-47 µCOM-43 ∼ 46 µCOM-43N (N-ch 型 MOS) µCOM-43C (CMOS) µPD75xx シリーズ 75X シリーズ 75XL シリーズ インテル社のセカンドソース オリジナル 1973 年∼ 80 年代前半まで主力 µCOM-8(µPD753) µCOM-80(µPD8080A) µCOM-80F(µPD8080AF) µCOM-82(µPD780) µCOM-87 シリーズ µCOM-87LC シリーズ µPD70008 µCOM-85(µPD8085) µCOM-84(µPD8048) µCOM-84C(µPD80C48H) µCOM-87AD µPD78C11 1974 年 75 年 78 年 1978 年 80 年 79 年 インテル社のセカンドソース µCOM-16(µPD755,6) ※ただし 1 チップではなく µPD755(ALU、レジスタ)、 µPD756(コントローラ)の 2 チップで構成されていた µCOM-1600(µPD768) µCOM-86(µPD8086) 16 ビット V シリーズ V20,V30 V40,V50,V25 V33,V33A,V55 1974 年 78 年 1980 年 1984 年∼ 1978 年∼ PC など プリンタ ,FAXなど制御用 ザイログ社の セカンドソース オリジナル オリジナル オリジナル LCD、FIP (蛍光表示管) 等の制御用 (全て C-MOS 化) 電子レジスタ や POS システム など主に計算用
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µPD780D Zilog 社 Z80 の互換品 µUPD780C-1 Zilog 社 Z80 の互換品µPD8085A Intel 社 8085A の互換品
■マイクロプロセッサ、CPU、マイコン…
マイクロプロセッサ: 集積回路(LSI)技術を用いて実現したプロセッサ(演算処理装置) をさします。同様の表現がモトローラのMPU(マイクロプロセッシン グユニット)です。 CPU(中央処理装置): コンピュータの中心になる演算処理装置ということで、機能からの呼 び名といえます。 これらはコンピュータのキーになる部品ではありますが、これだけではコンピュータにはなりま せん。コンピュータにするためにはプログラムやデータを格納するためのメモリや、外部とデータ をやり取りするためのI/Oポートと組み合わせる必要があります。 これらがそろって初めてコンピュータといえますが、特にCPUやMPUを中心にして構成され たものをマイクロコンピュータと呼びます。これらが1個のチップに集積されたものをシングル チップ・マイコン、ワンチップ・マイコンと呼びます。これは日本独自の呼び方です。日本では TK-80(先日情報処理学会で情報処理技術遺産に認定)に始まるホビー分野では「自分の」の意 味もかけてマイコン(マイ・コンピュータ)と呼んでいました。 世界的にみるとMCU(マイクロ・コントロール・ユニット)が一般的です。PickUp
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2.80 年代以降の NEC 8 ビットオリジナルマイコンの歩み
(1)初のオリジナル 8 ビットマイコンシリーズ µCOM-87 ファミリ
1978 年に NEC は、8 ビットでは初めてのオリジナルアーキテクチャによる µCOM-83 を開発しました。当時とし ては画期的な乗除算命令をもったものでしたが、その分チップサイズが大きくなり過ぎ、販売するにまではいたりま せんでした。 翌々年の 1980 年に µCOM-87(ミューコム ハチナナ)ファミリをリリースします。この µCOM-87 ファミリは C-MOS 版 となる µCOM-87LC シリーズ、A/D 変換器を追加した µCOM-87AD と展開されます。当時は A/D 変換 器の内蔵は大きなインパクトでした。最後にリリースした A/D 変換器内蔵の C-MOS 版 UPD78C11 は世の中に広く 受け入れられ、この後に µCOM-78K ファミリがリリースされた後も永く使い続けられました。内蔵された ROM は、大量生産に適したマスク ROM、1 度だけ書き込める少量生産に適したワンタイム PROM、 再書込み可能な評価に適した UV-EPROM がありました。 セカンドソースからオリジナルマイコンµCOM-87ファミリまで µCOM-8(µPD753) µCOM-80(µPD8080A) µCOM-80F(µPD8080AF) µCOM-82(µPD780) µCOM-87 シリーズ µCOM-87LC シリーズ µPD70008 µCOM-85(µPD8085) µCOM-83(µPD767) ★販売されなかった µCOM-84(µPD8048) µCOM-84C(µPD80C48H) µCOM-87AD µPD78C11 インテル 8080 とピンコンパチブル、 80F で完全に互換になった ザイログ Z80、Z80A の コンパチブル インテル 8048 のコンパチブル C-MOS 化(省電力、高速化) インテル 8085 のコンパチブル オリジナル µCOM-87 の C-MOS 化 µCOM-87 の AD 機能追加 µCOM-87AD の C-MOS 化 インテル 8080 とソフトウェア互換 (端子数、配置は異なる) 1974 年 1975 年 1978 年 1980 年 1978 年 1979 年 1980 年 1978 年 C-MOS 化(省電力、高速化) インテル社のセカンドソース オリジナルマイコンシリーズ ザイログ社の セカンドソース ROM、RAM、I/O 外付け ROM、RAM、I/O を内蔵したワンチップ
■C-MOS化
C-MOSとは、Complementary Metal Oxide Semiconductor の略で、P型(Positive)とN 型(Negative)のMOS-FET(電解効果トランジスタ)を使うことからComplementary(組み合 わせることで補完する)が付けられています。 技術の変革としては、P型MOS→N型MOS→C-MOSと、より高速に、より低消費電力にという 要求に応えるべく移行していきました。 C-MOS ICはP型MOS、N型MOSのICと比べると製造が複雑でコストがかかるため、移行期は 初めにN型MOS版のICをリリースして、需要の多い品種をC-MOS化していました。PickUp
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UPD78C11 ブロック図(データシート抜粋)
■ 特殊機能レジスタのマッピング 1
このシリーズでは、I/Oポートなどの周辺機能のレジスタ(SFR:特殊機能レジスタ)がメ モリ空間(あるいはI/O空間)にマッピングされておらず、アドレスを持っていません。CPU 内部の汎用レジスタと同じように、固有のアドレス線が命令を実行する制御回路から配線され ていることが考えられます。 µPD78C11のレジスタ説明図の一例(データシート抜粋) 拡張機能のレジスタ図に アドレスの表記がありませんPickUp
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■ 特殊機能レジスタのマッピング 2
データを転送する「MOV」命令の機械語をみると、SFRにアクセスする場合はアドレスで はなく、個々に割り当てられたコードで指定していることがわかります。 メモリ(あるいはI/O)空間にマッピングしない方式は、アドレッシングという意味では CPU内部の汎用レジスタとほぼ同格になりますので、一部の命令の実行速度が速くなります が、マッピングされている場合に比べてCPU内部の配線が多く回路が大きくなると予想され ます。 次のµCOM-78Kファミリでは、SFRはメモリ空間上にマッピングされる方式となりまし た。 µPD78C11のニーモニック命令表の一例(データシート抜粋)PickUp
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(2)マイクロプログラム方式の高機能 C-MOS マイコンシリーズ 78K ファミリ
1986 年にこれまでのシリーズを刷新した、78K ファミリがリリースされます。78K ファミリは主にサーボ制御用 の 78K/1、汎用マイコンの 78K/2 シリーズ、16 ビットマイコンの 78K/3 シリーズ(後に 78K/6、78K/4 と展開しました) に分かれていました。マイクロプログラムを内蔵した高機能なマイコンで、全品種 C-MOS の IC で発売した初めて のシリーズでした。 µPD78112 µPD7813x µPD7814x 78K/1 シリーズ (専用サーポ) µPD7821x µPD7824x µPD7822x µPD7823x 78K/2 シリーズ (汎用) µPD7831x µPD7832x µPD7833x µPD7835x 78K/3 シリーズ (高機能版)8
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78K ファミリ
※ シリーズ名は 78K/Ⅰ、78K/Ⅱとギリシャ数字で表記されている場合もあります。 また、その後 78K1、78K2 とスラッシュが無い表記になりました。■ マイクロプログラム 方式
機械語命令をCPU内部のマイクロプログラムで解釈し実行する方法を、マイクロプログ ラム方式といいます。機械語命令をデコードして制御回路から各レジスタやALUに制御信 号を発生する代わりに、制御信号を表すコード(マイクロプログラムのコード)を専用の ROMに保存しておき、制御信号を発生させます。 このころは、ひとつの命令でさまざまな処理を実行できるようにしたり、複雑なアド レッシングモードに対応したりすることが競われていました。マイクロプログラム方式 は、限られたチップサイズの中でこれらの要求に応えるべく考えられた方式です。 その後RISC(Reduced Instruction Set Computer:命令を簡略化することでパイプ ライン処理の効率を高める方法)などメモリアクセスを含めた命令実行の高速化が考え出 されたり、メモリの性能が向上したりして、この方法はあまり使われなくなりました。 命令セットの仕様変更やバグの修正、異なる命令セットを持つCPUのプログラムのエ ミュレーションなどを、ハードウェア(ワイヤードロジック)で実現した場合より容易で あることも特長です。PickUp
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■ 複雑な動作をする命令
ビット操作命令は1つの命令で指定したレジスタのビット操作をする命令です。ストリ ング命令は1つの命令でブロック転送を行います。このように少ないバイト数の命令で複 雑な動作を行うのがマイクロプログラム方式の特長です。 次の78K0、78K0SマイコンではCPUがマイクロプログラム方式ではなくなったた め、ビット操作命令は違う方式で実装され、ストリング命令などはなくなりました。 µPD78112 (8ビットマイコン)のビット操作命令(データシート抜粋) CPU 内部のレジスタなどの記憶領域は 8 ビット幅なので、ビット操作は、他ビット のマスクなど数ステップが必要になります µPD78312 (16ビットマイコン)のストリング命令(データシート抜粋) C レジスタに設定した回数だけ、 DE レジスタで表すアドレスから順に A レジスタの内容を格納してゆきますPickUp
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■ マクロサービス
マクロサービスとは、自動的にメモリ転送をCPUに行わせる機能です。この機能も次の 78K/0シリーズ へは継承されませんでした。 µPD78312、78310のマクロ・サービス(データシート抜粋)PickUp
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(3)マイコン市場の拡張に伴い、シンプルで低価格な 78K/0 シリーズをリリース
1990 年代に入り半導体製造技術の進歩による歩留まりの改善や、設計開発のスピード化が進むと、マイコンの価 格競争はさらに激しくなりました。また、これまでマイコンが組み込まれる応用製品はプリンタや FAX など限られ たものでしたが、マイコンの認知度が上がるにつれて家電をはじめ様々な機器に組み込まれるようになり、機能を絞 り込んだ低価格なマイコンが求められるようになりました。 1995 年に、さらにシンプルな回路構成で低価格を実現した 78K ファミリのシリーズとして、 これまでの 78K/1 ∼ 78K/3 シリーズのコアを刷新した「78K/0」シリーズ(その後スラッシュ(/)がとれて「78K0」の表記になりました) がリリースされました。このシリーズでは、78K ファミリの基本的なアーキテクチャは踏襲しつつ、マイクロプロ グラム方式や、マクロサービスなど一部の機能はなくなりました。なお、型番が µPD7800xx のようになったころか らフラッシュメモリ内蔵品が登場し始めます。このころのフラッシュメモリ内蔵品は評価用のイメージが強く、マス ク ROM 品にあったマスクオプションは持っておらず、そのまま製品に組み込まれることはありませんでした。 汎用的な制御一般用途の他、特定用途として FIP ®(蛍光表示管)駆動用、LCD 駆動用、分野対応(ASSP)、メー ター用と展開されました。 78K0 シリーズ 制御用 µPD7801x ∼ 5x、7x、8x µPD78001x ∼ 3x、5x ∼ 7x FIP® 駆動用 µPD7804x µPD7802xx LCD 駆動用 µPD7806x µPD7803xx 分野対応(ASSP) µPD7809x µPD7808xx µPD7809xx メーター用 µPD7809588
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78K ファミリ
… … … ※ シリーズ名は 78K/0 とスラッシュがある表記もあります。 1995 年∼(4)フラッシュマイコンの幕開け 78K0/Kx1+、78K0/Kx2 シリーズをリリース
2002 年に、製品に組み込まれることを意識してつくられたフラッシュメモリを内蔵した「78K0/Kx1」シリーズ がリリースされました。これまでのフラッシュメモリ内蔵品と違い、マスク ROM 品が持っていたマスクオプション の機能に対応した品種をそろえることで、製品への組み込みを可能にしました(後の製品で、このマスクオプション の機能はオプションバイトで置き換えられています)。ただし、このシリーズのフラッシュメモリは、マイコン動作 のための電源とは別に書き込み用の電源が必要でした。 2004 年には単一電源で動作 / 書き込みができるフラッシュメモリを内蔵した「78K0/Kx1+」シリーズがリリース されました。このシリーズのフラッシュメモリには、Silicon Strage Technology 社の SuperFlash 技術が導入されま した。その後すぐに「78K0/Kx2」シリーズと、小ピン版マイコン「78K0S/Kx1+」シリーズがリリースされました。 同じ 2004 年に NEC エレクトロニクス社は「ALL Flash 宣言」として、今後新規開発をするマイコンには全てフラッ シュメモリを内蔵することを宣言しました。 半導体技術の進歩により、マスク ROM 内蔵品種と同価格で安定したフラッシュメモリを内蔵したマイコンが実現 し、これまでは企業の量産向け用途とされていた 1 チップマイコンが、個人ユーザーにもさらに広く普及しました。 その後「78K0/Kx2」、「78K0S」シリーズは広く受け入れられ、現在に至るまでシリーズも拡充しています。
78K ファミリ
78K0 シリーズ 78K0/Kx1 グループ (フラッシュメモリ搭載)8
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※書き込みのために 別電源必要 78K0/Kx1+ グループ (フラッシュメモリ搭載) ※単一電源 ※SuperFlash 技術 78K0/Kx2 グループ (フラッシュメモリ搭載) ※単一電源 ※SuperFlash 技術 2002 年 2004 年 78K0S シリーズ 78K0S/Kx1+ グループ (フラッシュメモリ搭載) ※小ピン版 ※単一電源 ※SuperFlash 技術 2004 年■ メモリの種類
マスク ROM
マスクROMとは、半導体製造工場でシリコンウエハに回路パターンを焼き付ける段階 で、メモリの内容も焼き付けられるROMのことをいいます。メモリの内容(プログラ ム、データ)ごとにフォトマスクを用意するので初期費用がかかりますが、量産効果が期 待できる方法で、大量生産向けです。後からの書き換えはできません。UV-EPROM
UV-EPROM(UV Erasable Programmable ROM)は、複数回(数十回ほど)の書 き換えが可能なメモリです。製造時にはメモリに内容が書き込まれず、書き込みは通常 ROMライタでおこない、消去はパッケージ上の窓に紫外線を当てます。パッケージ上に 窓が必要なのでワンタイムPROM(下記参照)に比べるとコストがかかりますが、繰り 返し書き換えられるので評価に向いています。
ワンタイム PROM
ワンタイムPROM(Onetime Programmable ROM)は、UV-EPROMのパッケージの 窓をなくしたROMです。製造時にはメモリに内容が書き込まれず、ユーザーがROMライ タを使って内容を書き込みます。1度書き込むと後からの書き換えはできません。多品種 少量生産向けです。フラッシュメモリ
フラッシュメモリは、電気的に書き換えができるメモリで、基板に実装した状態での書 き換えが可能です。書き換え回数は数百回~数千回(内容保証年数によって異なります) です。初期のフラッシュメモリは大変高価なものでしたが、各メーカーの回路、プロセス 技術の向上によりマスクROMとも遜色のない位の価格となりました。また、書き換えに 動作電源とは別の高電圧の電源が必要になるなど、使いにくい面がありましたが、半導体 技術の向上により単一電源での書き換えが可能になり、書き換え回数も増加していきまし た。 フォトマスク ランプ プロジェクション レンズ シリコンウエハ マスク ROM 内蔵マイコン 半導体工場で回路パターンと共に メモリの内容も焼き付ける ROM ライタで基板 実装前に書き込む UV-EPROM の場合は イレーサで消去できる 基板に実装した状態で PC 等と通信して書き代える UV-EPROM、 ワンタイム PROM 内蔵マイコン フラッシュメモリ内蔵マイコン PC 紫外線PickUp
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(5)16 ビットマイコン 78K0R シリーズが登場
2006 年には 78K0 シリーズのコアを拡張した 16 ビットマイコンシリーズ「78K0R」がリリースされました。当 時 NEC エレクトロニクス社の「ALL Flash」製品は、8 ビットの 78K ファミリ、32 ビットの V850 と展開してい ましたが、16 ビット製品はありませんでした。78K0R の登場により 8、16、32 ビットと出そろったことになりました。 78K0S/KB1+ 78K0S/KA1+ 78K0S/KY1+ 78K0S/KU1+ 2004 年 2004 年 78K0S シリーズ (8 ビット小ピン) 78K0/Kx2 78K0/Kx2-L 78K0/Lx2 78K0/Lx3 78K0/Ix2 µPD179Fxx µPD78F0730 µPD78F07x 78K0 シリーズ (8 ビット) 78K0R/Kx3 78K0R/Ix3 78K0R/Lx3 78K0R/Kx3-L 78K0R/Kx3-C 78K0R/Kx3-A µPD78F8043 µPD78F8058 78K0R シリーズ (16 ビット)
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78K ファミリ
2006 年(6)合併により「ルネサス エレクトロニクス社」として、新マイコンファミリもスタート
2010 年に NEC エレクトロニクス社を存続会社として、ルネサス テクノロジ社(2003 年に日立製作所と三菱電機 の半導体部門の事業統合によって設立)と合併し、新たに「ルネサス エレクトロニクス社」としてスタートするこ とになりました。 2000 年に入って続いた半導体会社の合併は、国内での足固めを強固にすることにより、海外展開をさらに積極的 にすすめたい各社の思惑が一致したものでした。合併により、各マイコンシリーズも新しいシリーズに移行すること になりました。 78K ファミリは、78K0R シリーズと旧ルネサス テクノロジ社の 16 ビットマイコンシリーズ「R8C ファミリ」が 統合され、「RL78 ファミリ」として、そのコアが引き継がれることになります。 1974 1979 1986 1995 20022004 20102011 µCOM-87 ファミリ 78K ファミリ RL78 ファミリ R8C ファミリ 78K0 シリーズ 用途別に品種展開 78K/1 シリーズ µcom-87 µcom-87LC µcom-87AD µPD78C11 µcom-8 µcom-80 µcom-85 µcom-84 µcom-84C µcom-82 µPD70008 78K/2 シリーズ 78K/3 シリーズ(16 ビット) 78K0/Kx1+ グループ 78K0/Kx2 グループ µCOM-8、80、82、85、84 ALL Flash 宣言 … NEC から半導体部門を分社化して NEC エレクトロニクス社となる※ ルネサス テクノロジ社と合併しルネサス エレクトロニクス社としてスタート CISC 全盛のころ 高機能なマイコン 78K0S シリーズ 78K0S/Kx1+ グループ 新製品から C-MOS IC としてリリース 高機能な CISC コンピュータ全盛期 インテル社と ザイログ社の セカンドソース 初のオリジナルマイコン µPD78C11 はロング セラーとなる マイコンの応用分野が拡がり、小物 家電などにも組み込まれる シンプルな構成で価格を追求 フラッシュメモリ内蔵 さらに低消費電力化、 外部回路の内蔵化など 使いやすさを追求 旧ルネサス テクノロジ社の R8C ファミリと 78K ファミリのテクノロジーを受け継いだ ローエンドクラスシリーズ「RL78 ファミリ」 として新たにスタート 78K マイコンのあゆみ(1974 ∼ 2011) 旧ルネサス テクノロジ社 16 ビットマイコンシリーズ 低消費、高性能な 78K0R のコアと 多機能な R8C ファミリの周辺機能を併せた 新シリーズCopyright© 2012 Sunhayato Corp. 本資料について 本資料は、電子工作や電子回路、パーソナルコンピュータ の操作について一般的な知識をお持ちの方を対象にしてい ます。 Microsoft®、Windows® は米国 Microsoft 社の米国および その他の国における登録商標です。 その他、記載されている製品名は各社の商標または登録商 標です。 本資料のご利用にあたって 本資料に掲載している内容は、お客様が用途に応じた適切な 製品をご購入頂くことを目的としています。その使用によ り当社及び第三者の知的財産権その他の権利に対する保証、 又は実施権の許諾を意味するものではありません。また、 権利の侵害に関して当社は責任を負いません。