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報
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R e s e a r c h C e n t e r f o r G e n e t i c I n f o r m a t i o n
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Division of Genome Analysis
ヒトゲノム配列解読の完了という生命科学上の一大転換によって,その成果を利用 して生命の理解をより深め医学等に応用していくための新たな広範な研究分野が展開 している.ヒトゲノム多様性解析は大規模ゲノム情報を有効に利用しヒトの生物学, 特に医学に役立てようというもので注目を集めている.我々は独自の方法論および情 報抽出技術を開発することにより遺伝子多型および変異が人間の疾病とどのように関 わっているかを解明し,病気の予防,診断,治療に役立てることを目指している.ま た,遺伝子機能解析の方法論確立のために,DNA 結合能に基づいて単離された転写因 子 MIBP1 の標的遺伝子の検索および他の細胞内蛋白質との相互作用の解析を行ってい る.さらに,DNA の配列情報をその自己組織化能力とカップルさせて次世代のナノ素 材・素子を開発するために,デザイナブル DNA ナノ構造体をシステマティックに作製 する研究も行っている. 平成 21 年度は,助教であった久木田洋児が退職し大阪府立成人病センター研究所に 就職したが,共同研究を引き続き行った.研究補助員の岡崎優子は 12 月に退職した. 当分野と共同研究をおこなっていた医学系大学院生の官彦雷が “Narrowing of the regions of allelic losses of chromosome 1p36 in meningioma tissues by an improved SSCP analysis” により医学博士の学位を取得した.
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D3&566&3 ἲᇶ࡙࠸ࡓ 613 ᳨ฟ࣭ᐃ㔞ࢩࢫࢸ࣒ࡢ㛤Ⓨ 個人間の遺伝的素因(いわゆる体質)の違いはヒトゲノムの配列のわずかな違いに 起因する.このような違い(多型)のなかで最も多いのが一塩基多型(single nucleotide polymorphisms:SNP)である.これを効率よく解析するため,PCR 産物を ポストラベルし,蛍光キャピラリーアレイ自動シークエンサーを用いて SSCP 解析する 手法(PLACE-SSCP 法)を確立した.さらに DNA プールを対象にした PLACE-SSCP 解析 による SNP アレル頻度算出法を開発した.この方法を利用して遺伝子転写開始点領域 の SNP 約 10,000 個を網羅的に解析し dbQSNP データベース(http://qsnp.gen.kyushu-u. ac.jp/)として公開してきた.この成果は,「pooled DNA の PLACE-SSCP 解析(定量的 SSCP 解析)」による SNP アレル頻度決定法が極めて信頼度が高く,ほとんどの SNP に ついてこの方法が適用可能であることを証明するものである.この方法は患者群・対照群での SNP アレル頻度を比較する関連解析に有用であると 考えられたので,疾患関連解析を効率よく行うためのツールとして,このシステムの
中核機能を Windows 上で実現する解析ソフトウェア「QSNPlite」を開発し公開した (http://qsnp.gen.kyushu-u.ac.jp/placeSSCP/qsnplite/).これは,シークエンシン グ及び DNA プールの PLACE-SSCP 法を行い,それらの結果を統合して SNP を同定し,ア レル頻度を決定するためのものである.また,これら一連の解析手法を”Estimation of SNP allele frequencies by SSCP analysis of pooled DNA”として Methods in Molecular Biology 「SNP 2nd edition」の第 12 章にまとめた.
Eࣉ࣮ࣝ '1$ ࢆ⏝࠸ࡓࢤࣀ࣒࣡ࢻ㛵㐃ゎᯒ㸦3*:$6㸧ࡼࡿ⮬ᕫචᝈឤཷᛶ㑇 ఏᏊࡢྠᐃ 近年の DNA マイクロアレイ技術の進歩により,糖尿病・癌など多因子疾患の原因遺 伝子を網羅的に探索するゲノムワイド関連解析は現実的なものとなってきた.しかし, 既成のシステムを利用して非常に多数の検体を解析するのはコスト面での限界がある. そこで,大規模ゲノムワイド関連解析を低コストで行うプール DNA を用いたゲノムワ イド関連解析(P-GWAS)を確立した.多因子性自己免疫疾患である全身性エリテマト ーデス(systemic lupus erythematosus: SLE)を対象とし,患者群および対照群の DNA プールを被検材料とし,関連解析研究を行った(医学研究院・病態修復内科学分 野との共同研究).まず,Affymetrix 500K アレイによる患者群プールと対照群プール の定量的 SNP 解析で 1 次スクリーニングを行った.両群の比較は相対的蛍光強度をも とにシルエットスコアを算出することにより行った.マイクロアレイを用いた解析で はノイズによる擬陽性が大きな問題となる.これを除外するためにスライディングウ インドウ解析を行った.これにより,患者群と健常者群のプールでアレル頻度が異な ると予想される複数の領域が検出された.この中からさらに擬陽性のシグナルを除外 するために,より精度の高い定量が可能である PLACE-SSCP 法を2次スクリーニングと して用いて DNA プールでの SNP アレル頻度を測定し比較した. これら2段階の検討で非常に強い関連が示された複数の SNP について TaqMan アッセ イによる個別タイピングによって最終的に疾患との関連を確認した.最も強く疾患と 関連していたのは IKZF1 (Ikaros) 遺伝子の上流で,このほかに PRDM1(Blimp1)遺伝 子下流領域,HLA-G 下流領域,さらに欧米におけるゲノムワイド関連解析で SLE との 関連が検出された TNFAIP3(A20)遺伝子領域,BLK 遺伝子が上位に検出された. 今回の解析では SLE との強い関連がすでに報告されている STAT4 遺伝子,IRF5 遺伝 子の SNP は検出されなかった.これらの SNP(およびこれらと強い連鎖不平衡にある SNP)は使用したアレイに搭載されておらず,従って,今回検出されなかったのはマー カーの搭載がまだ不十分であるためである.またこのほかに欧米の先行研究で強い関 連が検出されているにもかかわらず今回の解析で検出できなかった多数の領域につい て定量的 SSCP 解析で関連を検討した結果,関連が弱いことが確認され,疾患感受性の
遺伝的背景に人種差があることが明らかになった. 以上の結果は,患者群および対照群の DNA プールをゲノムワイドアレイでのタイピ ングによる定量と PLACE-SSCP 法による定量の2段階で関連解析する手法が疾患関連 SNP を効率的に同定するのに有用であることを示した.また,SLE の疾患要因として, 多数の遺伝子が関与していることを明らかにした.さらに,今回同定した感受性領域 は,他の自己免疫疾患とも関連している.すなわち,IKZF1 遺伝子の上流はクローン 病との関連が,PRDM1 遺伝子下流領域は関節リウマチとの関連が報告されている.こ のことから,未だその機能は不明であるが自己免疫疾患に共通のパスウェイに係わる 遺伝子領域を検出していると考えられる. F⬊≧ወ⫾ࢆ⏝࠸ࡓࢤࣀ࣒ࣁࣉࣟࢱࣉࡢ┤᥋Ỵᐃ 多因子疾患の原因遺伝子をゲノムワイドな関連解析により同定するために必要な全 ゲノムのハプロタイプを決定する目的で国際ハップマッププロジェクトが遂行された. しかし,このプロジェクトでは 2 倍体細胞に由来する DNA を用いて決定した SNP ジェ ノタイプから間接的にハプロタイプを推定している.特に,東アジア人(日本人及び 中国人)の試料に関しては,不特定個人 45 人由来のジェノタイプデータを基にハプロ タイプを遺伝統計学的モデルのみに基づいて推定しているので,その結果は家系を用 いて解析した結果(西欧人など)に比較して誤りが多い.そこで我々は,単一精子由 来のハプロイドゲノムを持つ全胞状奇胎を解析することにより,日本人ゲノムのハプ ロタイプを直接決定し,より精細な疾患の関連解析に耐えうるゲノム情報基盤を確立 することを目指している(医学研究院・生殖病態生理学分野との共同研究). これまでに約 28 万個の SNP(D1 phase),約 50 万個の SNP(D1 phase の結果とあわ せて D2 phase と呼称),約 100 万個の SNP(D3 phase),約 180 万個の SNP(D4 phase) を DNA マイクロアレイによりタイピングし,これにより得られたゲノムワイドな確定 ハプロタイプを決定した.さらに情報学的解析を行い,日本人ゲノムのハプロタイプ ブロック構造・SNP 間連鎖不平衡ビンを決定し,関連解析を効率よく行うための tagSNP の選定を行った.これらの結果を「D-HaploDB」(http://orca.gen.kyushu-u.ac.jp) デ ータベースに集約した.このうち,D3 は Affymetrix SNP アレイ 6.0 によりコピー数 多型を含む約 180 万個のマーカーについてタイピングした結果であり,D4 は Illumina 1M アレイによりコピー数多型(CNV)プローブを含む約 107 万個のマーカーについてタ イピングし,Affymetrix SNP 6.0 アレイの結果とあわせたものである. D3 phase のハプロタイプデータをもとに,全胞状奇胎 DNA による日本人確定ハプロ タイプ構造(D-HaploDB)と国際 HapMap 計画による日本人推定ハプロタイプ構造とを 比較した.この結果,大部分の領域では類似の構造であるが,HLA 領域をはじめ,多 くの領域で推定ハプロタイプの誤り(スイッチエラー)の影響が高くなっており,また
このような領域の多くがこれまでの遺伝学的解析で自然選択を受けた領域として報告 されたものと一致することを見出した.またディプロイドゲノムからハプロタイプを 決定する際に,この確定的ハプロタイプの情報を用いることで,スイッチエラーが減 少し推定精度が向上することを明らかにした. 図 A. 1 確定ハプロタイプを含 めたハプロタイプ決定によるス イッチエラーの減少 (Higasa et al., 2009)
コピー数多型(Copy number variation: CNV)は近年疾患との関連が注目されている ものであるが,ディプロイドゲノムでこれを検出するのは技術的に困難であり,また CNV のハプロタイプを決定するのも難しい.全胞状奇胎は,倍加したハプロイドゲノ ムをもつので,これを解析することにより CNV が感度良く検出されると考えられる. 実際 Illumina 1M アレイと,Affymetrix SNP 6.0 アレイの両方で全胞状奇胎 サンプ ルと通常のディプロイドサンプルを解析した結果を比較し,全胞状奇胎では CNV 領域 がはるかに検出されやすいことを確認した.またディプロイドゲノムの場合のように 2 つのアレルの CNV セグメントの重なりにより範囲が不確定になることもない.そこ で,CNV プローブを持つ Affymetrix SNP アレイ 6.0 によりタイピングした結果のコピ ー数解析を行い,これにより日本人ゲノムの CNV 領域(すべての CNV セグメントを統 合したもの)を決定した.このときクオリティーコントロールを厳密に行い最終的に 85 個の全胞状奇胎サンプルに約 7000 個の CNV セグメント,1300 個の CNV 領域を同定 した.欠失のほうが増幅より数が多く,サイズは小さかった.また多くの CNV 領域が セグメントゲノム重複(segmental duplication)の領域にあり,その場合はサイズが大 きい傾向があった.McCaroll ら(2008)により HapMap 計画の日本人サンプル(JPT)を同 じアレイで解析して同定された CNP(Copy number polymorphism, CNV のうち頻度が 1% 以上のものと定義)が報告されたので,その結果(頻度 2%以上に限定)と比較したとこ ろ約 4 割は同じ領域に検出された.共通する CNV のサイズは両方のサンプルでよく相 関しており,同じ CNV を検出したことが示された.我々が見出した CNV 領域の約 6 割
は新しく見つかった領域であり,そのほとんどは頻度が低いものであった. 各ハプロタイプの CNV セグメントを相互の重なり具合から CNV イベント(CNVE)にま とめ,その周辺の SNP ハプロタイプ構造を比較した.その結果,同じ CNV 領域の CNVE の間ではハプロタイプが有意に類似していた.この結果から,特定のハプロタイプで CNVE がおこりやすいことが判明した.この結果は SNP がほぼランダムに生じるのと対 照的であり,CNV の形成機構の理解につながるものである.
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c-myc Intron Binding Protein 1 (MIBP1)は c-myc intron 1 をはじめ様々な遺伝子 の転写調節領域に結合する全長 2437 アミノ酸からなるタンパク質をコードする遺伝 子として同定された.このタンパク質は,C2H2 タイプのダブル Zinc フィンガーを持 ち転写因子と考えられている.これまで報告されたノックアウトマウスの表現型は,T 細胞,脂肪細胞,骨芽細胞,破骨細胞の分化異常や,不安様行動・多動性などの行動 異常と多岐にわたるが,こうした表現型を担う転写調節の標的遺伝子・具体的な転写 調節の分子メカニズムは未だ確立されていない.MIBP1 の強制発現による遺伝子発現 の変化をマイクロアレイで測定し,Gene Set Enrichment Analysis (GSEA)を行った結 果,MIBP1 によって MYC, NF-kB, TGF-β に関連する Gene Sets の発現が有意に減少し ていることが分かった.また,転写因子結合部位の出現頻度の偏りを測る oPOSSUM ソ フトウエアを用いると,MIBP1 によって発現が減少していた遺伝子プロモーター領域 の進化的に保存された部位には,NF-kB 認識配列や MYC の認識配列である E-box など が,有意に多く存在していることも分かった.次に,MIBP1 と結合するタンパク質を 免疫沈降-質量分析を用いてスクリーニングしたところ,MIBP1 は糖転移酵素 O-GlcNAc transferase (OGT)と結合することが分かった.OGT が結合する MIBP1 内の領域を同定 し,その領域が MIBP1 の O-GlcNAc 化に必要であることを示した.最後にルシフェラー ゼアッセイによって,MIBP1 が NF-kB レポーター活性を抑えるが,TGF-β レポーター への応答性には変化を与えないことを見出した.このことから,NF-kB 認識配列を介 した転写抑制が,MIBP1 の主要な役割であると考えている.また OGT 結合領域を欠く と MIBP1 の転写抑制能は強まり,この結果は OGT の結合と O-GlcNAc 化によって MIBP1 の転写抑制能が弱められる可能性を示す.細胞外グルコース濃度上昇によって様々な タンパク質が O-GlcNAc 化されるが,NF-kB パスウエイを構成するタンパク質の機能も OGT によって調節されることが相次いで報告された.MIBP1 による NF-kB 標的遺伝子 の転写抑制と OGT あるいは O-GlcNAc 化による活性調節も,こうしたグルコース代謝に 依存した NF-kB 標的遺伝子の転写調節を担う仕組みの一つとして機能していると考え ている.
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DNA の「自己組織化」,すなわちアデニンはチミンと,シトシンはグアニンとそれぞ れ水素結合して塩基対形成する性質を利用したナノデバイスの構築や DNA コンピュー タの開発が世界中で行われている.我々は DNA-DNA 二重螺旋または DNA-RNA 二重螺旋 を骨格とし,かつ階層的な構築を可能とするナノ構造体の新しいデザインシステムの 確立を目的として研究している.今回,我々は正八面体のオリゴマーを基本ユニット とした三次元ナノトラス構造体を設計,作製した.これらは,正八面体のオリゴマー のほぼ全ての辺を一筆書きで通る DNA または RNA の長い一本鎖に複数の短いオリゴヌ クレオチドが適切に結合することによって構築される.さらには,複数のユニットの 一部に共通の配列を持たせて,それらを階層的に構築することも可能である.実際に は,合成された長い一本鎖と短いオリゴヌクレオチドの全てを同時に混合し,一定の 適切な温度でアニーリングすることによってデザインされた構造体を構築した.その 構造体の配列は我々が独自に開発した C 言語によるプログラム「T-GUSP」を用いて選 び出した.「T-GUSP」は自分と完全に相補な鎖とのみ会合しうる配列対の集合を独立配 列対の集合をして選択する.またダイナミックプログラミングアルゴリズム法を導入 することにより全ての鎖の二本組の自由エネルギーを網羅的に評価することによって 意図しない会合や二次構造を回避する機能を持たせた.構造体の構築はゲル電気泳動, 温度変化による構造体の観測により確認し、原子間力顕微鏡(AFM)によっても確認中で ある.さらに透過型電子顕微鏡(TEM)によっても確認する予定である.
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1. Kozawa M, Kondo H, Tahira T, Hayashi K, Uchio E. 2009.
Novel mutation in PAX3 gene in Waardenburg Syndrome accompanied by unilateral macular degeneration. Eye, 23(7):1619-1621.
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Evaluation of haplotype inference using definitive haplotype data obtained from complete hydatidiform moles, and its significance for the analyses of positively selected regions.
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3. Umeno J, Matsumoto T, Esaki M, Kukita Y, Tahira T, Yanaru-Fujisawa R, Nakamura S, Arima H, Hirahashi M, Hayashi K, Iida M. 2010
Impact of group IVA cytosolic phospholipase A2 gene polymorphisms on phenotypic features of
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Ueda A, Harashima S, Sawabe T, Tahira T, Hayashi K, Yoshizawa S, Shimoda T, Akashi K, Harada M.
Association of killer cell immunoglobulin-like receptor 2DL5 with systemic lupus erythematosus and accompanying infections.
Rheumatology, in press.
5. Poulter JA, Ali M, Gilmour DF, Rice A, Kondo H, Hayashi K, Mackey DA, Kearns LS, Ruddle JB, Craig JE, Pierce EA, Downey LM, Mohamed MD, Markham AF, Inglehearn CF, Toomes C. 2010 Mutations in TSPAN12 cause autosomal-dominant familial exudative vitreoretinopathy.
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1. Tahira T, Kukita Y, Higasa K, Okazaki Y, Yoshinaga A, Hayashi K. 2009. Estimation of SNP allele frequencies by SSCP analysis of pooled DNA
Methods in Molecular Biology: SNP 2nd edition, A. Komar ed. Humana Press, Totowa NJ, U.S.A. 578:193-207.
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1. 田平知子,岡崎優子,吉永亜紀,高地雄太,山本一彦,堀内孝彦,林 健志 (2009, 9/24) DNA プールを利用したゲノムワイド解析による全身性エリテマトーデス(SLE)疾患感受性 遺伝子の同定. 日本人類遺伝学会第 54 回大会,東京 2. 堤 孝信, 岡田孝夫, 林 健志 (2009, 10/31)Expandable nano-truss-structures made of self-assembled nucleic acids: Their designing and hierarchical construction.
日本生物物理学会第 47 回年会 徳島
3. 田平知子,岡崎優子,吉永亜紀,高地雄太,山本一彦,堀内孝彦,林 健志 (2009, 12/9) Identification of systemic lupus erythematosus susceptibility loci by pooling-based genomewide association scan and replication studies.
第 32 回日本分子生物学会年会, 横浜
4. 堤 孝信, 岡田孝夫, 林 健志 (2009, 12/9)
Expandable nano-truss-structures made of self-assemble nucleic acids: their design and hierarchical building.
第 32 回日本分子生物学会年会, 横浜
5. 岩下 雄二, 田平 知子, 林 健志 (2009, 12/10)
Genome-wide repression of NF-kB target genes by transcription factor c-myc intron binding protein 1 (MIBP1) and its attenuation by O-GlcNAc transferase (OGT)
第 32 回日本分子生物学会年会, 横浜
6. Yoji Kukita, Koichiro Higasa, Tomoko Tahira, Kiyoko Kato, Norio Wake, Kenshi Hayashi (2009, 9/14-17)
SNP/CNV haplotype map determined using complete hydatidiform moles carrying haploid genomes.
Personal Genome, Cold Spring Harbor Laboratory, New York, U.S.A.
7. Kenshi Hayashi, Yoji Kukita, Koichiro Higasa, Tomoko Tahira, Koji Yahara, Kiyoko Kato, Norio Wake (2009, 10/20-25)
Definitive SNP/CNV haplotyping of Asian genomes using DNAs derived from complete hydatidiform moles.
58th Annual Meeting of American Society of Human Genetics. Honolulu, U.S.A.
8. Tahira T, Masumoto K, Kukita Y, Okazaki Y, Yoshinaga A, Higasa K, Horiuchi T, Hayashi K (2009, 10/20-25)
Identification of loci for systemic lupus erythematosus by pooling-based genome-wide association study.
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Division of Human Molecular Genetics
当研究室では,一個の遺伝子の異常により起きる単一遺伝子病や,複数の遺伝子と環境 因子の相互作用により発症する多因子病の解析と共に,ストレスや薬物への応答遺伝子 の解析を行うことにより,遺伝情報制御機構の観点から生命現象を理解することを目指 しており,さらに疾病の診断および治療法の確立にも寄与したいと考えている. 2009 年度の研究室への新たな参加者は,システム生命科学府博士課程1年として九州 大学農学部出身の孫 竹である.
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統合失調症は主に思春期に発病し,幻覚,妄想,思考障害などの陽性症状や,感情の平 板化,寡動,意欲・自発性の欠如などの陰性症状を特徴として,多くは慢性に経過する 頻度の高い精神疾患である.複雑な遺伝様式から多因子病と考えられている.生涯発症 リスクは約 1%,同胞発症相対リスクλSは 10,遺伝率は約 80%であり遺伝子の関与が比 較的高いことが知られている.この疾患の感受性遺伝子を同定し,分子機構を解明する ために,遺伝統計学的,機能ゲノム学的および発生工学的アプローチをとっている. D ೃ⿵㑇ఏᏊࡘ࠸࡚ࡢ㛵㐃ゎᯒ 統合失調症のグルタミン酸伝達異常モデルに基づき,グルタミン酸受容体遺伝子,グル タミン酸トランスポータ遺伝子,グルタミン酸代謝系遺伝子の体系的な関連解析を行っ ている.今回は III 型メタボトロピックグルタミン酸受容体遺伝子GRM4とGRM7につい て解析を行った.まずGRM4については 8 個,GRM7については 43 個の SNP を選択した.100 ペアのケース・コントロールサンプルを用いて単点およびハプロタイプ関連解析を行っ た.GRM4 の SNP については関連が認められなかったが,GRM7の 2 つの SNP(rs12491620 と rs1450099)についてハプロタイプで関連が認められた.またこの有意差は FDR (False Discovery Rate)による多重検定の補正を行っても消失しなかった.そこでこの 2 つの SNP につきサンプルを追加して(合計 404 のケースと 420 のコントロールサンプル)解 析を行ったところ,有意差が認められた(p = 0.002).以上の結果から,GRM4 については 日本人の統合失調症発症への主要な関与はないが,GRM7は疾患感受性遺伝子と考えられ た(Shibata et al., 2009). グルタミン酸脱炭酸酵素 2 型遺伝子(GAD2)の 14 個の SNP と,グルタミン合成酵素遺伝子(GLUL)6 個の SNP につき,300 ペアのケース・コントロールサンプルを用いて単点お よびハプロタイプ関連解析を行った.GAD2の rs3847378 ではアレル頻度でp = 0.036, rs4747547 のゲノタイプ頻度でp = 0.043,アレル頻度でp = 0.036 と有意差が見られ たが,FDR の補正により有意差が消失した.GLULについても関連は認められなかった. 一方 GAD2 のハプロタイプ関連解析において,4 つのペアワイズハプロタイプに有意差 が見られたが,FDR の補正により消失した.さらに MDR(Multifactor Dimensionality Reduction)により,両遺伝子間とともに,これまで関連解析を終了しているグルタミン 酸受容遺伝子GRIA4, GRIN2D, GRIK3, GRIK4, GRIK5, GRM3 間とのエピスタシスの解析 を行ったが,いずれの遺伝子とも疾患感受性に寄与する遺伝子間の相互作用は認められ なかった.以上から日本人集団において,GAD2とGLULは統合失調症発症への主要な寄 与や,6 つのグルタミン酸受容体遺伝子のいずれかとの相互作用よる発症への寄与はな いものと考えられた(Arai et al.,2009). �� �������������������� 先に関連を報告しているメタボトロピックグルタミン酸受容体 3 型遺伝子GRM3の統合 失調症への関与を機能的に検討するために,mGluR3 の膜貫通ドメインを欠損させた mGluR3 ノックアウトマウスを作出後,C57BL/6 系マウスへの戻し交配を 7 世代まで終了 し,発現解析および行動解析を実施した.統合失調症患者で機能異常が示唆される前頭 前野の RNA を用いたマイクロアレイによる発現解析の結果,統合失調症への関与が報告 されている 14 遺伝子,39 個の神経分化への関与が知られる遺伝子,20 個の行動に関わる 遺伝子の発現に変化が見られた.また行動解析の結果,統合失調症のエンドフェノタイ プとして知られる運動量の亢進,ワーキングメモリーの障害が見られ,病態への関与が 示唆された.
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筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis: ALS)は上位運動ニューロンと 下位運動ニューロンを選択的に冒す神経変性疾患で,重篤な筋肉の萎縮と筋力低下を来 たす.有病率は 10 万人当たり 4〜6 人といわれており,その 5〜10%が家族性である. 我々は九州大学医学研究院神経内科学分野で見出された日本人 6 世代にわたる優性遺 伝形式を示す家族性 ALS 家系を対象に解析を行った.本家系のうち協力が得られた 4 名 の発症者とその家族 33 名の末梢血より DNA を抽出し,776 個のマイクロサテライトマ ーカー(ABI-PRISM Linkage Mapping Set version 2.5)を用いてパラメトリック連鎖 解析を行った.その結果,5 番染色体の D5S433 で 2.157,7 番染色体の D7S684 で 2.137,
16 番染色体の D16S501 と D16S3099 で各々2.936、2.716 の LOD 値が得られた.しかし, 遺伝子の同定には至らなかった.最近家族性 ALS の一部にFUS遺伝子の変異が認められ た (Vance, et al, 2009; Kwiatkowski,et al, 2009).FUS(fusion involved int(12;16) in malignant liposarcoma)は,元来脂肪肉腫患者における転座部位に存在する遺伝子 として知られていたものである.そこで患者のFUS遺伝子の塩基配列をダイレクトシー クエンス法で決定したところ,エクソン 15 にミスセンス変異(R521C)を認めた.この変 異は上記報告の変異と一致し,家系内の 4 名の発症者にも認められた.また,ALS の原 因遺伝子として他に知られるSOD1,TARDBP遺伝子には異常はなかった(Tateishi et al., 2009).FUS は TDP-43 と同様にユビキタスに発現する RNA/DNA 結合タンパク質であり, FUS の変異がどのように病態に関わるかは今後の問題である.また,別の家族性 ALS の 患者において FUS 遺伝子のエクソン 15 に新たなミスセンス変異(H517P)を見出した (Suzuki et al., 2010).これらの変異は FUS の C 末端に位置しており,このタンパ ク質の機能異常を考える上で興味ある知見である.
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中 枢 神 経 系 の 髄 鞘 形 成 不 全 を 特 徴 と す る Pelizaeus-Merzbacher 病 (PMD) は proteolipid protein 1 遺伝子(PLP1)の点変異・完全重複 (量的効果)・完全欠失など によって引き起こされる X-連鎖遺伝病であり,変異の種類により先天型 PMD・古典型 PMD・さらに軽症な X 連鎖痙性対麻痺 (SPG2)まで幅広いスペクトラムを示す.今年度は MRI によるミエリン形成の遅れが指摘されたが,その後自立歩行を獲得した軽症の古典 型 PMD で PLP1の Exon 4 内に新規ミスセンス変異(G197R)を認めた.この変異では PLP1 の大きな構造変化やフォールディング異常はないものと推測された(Kibe, et al., 2009).'㧗ḟ⬻ᶵ⬟㛵㐃㑇ఏᏊࡢ㐍Ꮫⓗ◊✲
Dࢢࣝࢱ࣑ࣥ㓟ཷᐜయ㑇ఏᏊࡢẚ㍑ࢤࣀ࣑ࢡࢫ ヒトにおける高次脳機能の進化機構の解明を目的として,グルタミン酸受容体遺伝子の 比較ゲノム研究を進めている.グルタミン酸受容体遺伝子群全 26 遺伝子のチンパンジ ーにおける全翻訳領域とその上流約1kb のチンパンジーにおける塩基配列の決定を行 った(国立情報研の藤山 秋佐夫博士,理研の榊 佳之博士,豊田 敦博士,黒木 陽子博 士,東大の服部 正平教授らとの共同研究).その結果,いずれのグルタミン酸受容体遺 伝子についても Ka/Ksはヒト-チンパンジーともに平均よりも小さく,翻訳領域への強い進化的制約が示唆された.またヒト-チンパンジー間で同定した非同義置換 78 個をヒト 系譜側で起きたものとチンパンジー系譜側で起きたものに選別するために,ゴリラ, オ ランウータンなどの他の霊長類 8 種の該当配列を決定した.その結果 37 個が,チンパ ンジーとの分岐後ヒト系譜側でおきたアミノ酸置換であることを確認した.さらにそれ らを世界各地の 7 集団からなるヒト 80 検体でタイピングし,そのうちの 30 個がヒトで 固定していることを確認した.これら「ヒト特異的アミノ酸置換」は,チンパンジーと の分岐後に正の自然選択によってヒト集団に急速に固定した可能性がある.モチーフ検 索の結果,これら 30 個のうち 11 個は重要な機能モチーフの中に位置することを見出し た.特にそのうちの 2 個はチンパンジーとの分岐後の機能モチーフの出現と消失に対応 していたため(GRIN3Aにおける N-ミリストイル化サイトの消失とGRIN3Bにおける PKC リン酸化サイトの出現),ヒト系譜において脳機能に重要な変化をもたらしたアミノ酸 置換である可能性が強く示唆された(Goto et al., 2009). E⢭⚄ᝈ㛵㐃㑇ఏᏊ⩌ࡢ㞟ᅋ㑇ఏᏛⓗゎᯒ 統合失調症をはじめとする精神疾患は,高次脳機能の障害と考えられる.ヒト系譜にお ける高次脳機能形成の進化過程解明を目指して,また疾患の進化学的意義を検討するた め,統合失調症関連遺伝子群の進化集団遺伝学的解析を行っている.統合失調症は,遺 伝的要因の寄与が強い多因子病であり,多くは青年期までに発症する.その精神症状か ら,発症者の婚姻,挙子および子供の養育は困難となり,疾患感受性アレルの集団遺伝 学的適応度は極めて低いことが期待される.しかし,その罹患率は地域・集団によらず ほぼ一定(1%)である.本疾患感受性アレルの集団内での維持機構を解明するために, 統合失調症との有意な関連が報告されている多くの遺伝子群の感受性多型の周辺領域 および転写開始点上流の遺伝子発現調節領域を対象に,ヒト 98 検体(日本人 50 検体, ヨ ーロッパ人 24 検体,アフリカ系アメリカ人 24 検体)とチンパンジー50 検体について リシークエンスによる全変異検出を行い,頻度スペクトラム法による自然選択の検出を 行っている.イオンチャンネル型のグルタミン酸受容体遺伝子 14 種の解析を行った結 果,GRIN2Bの転写開始点上流 1.5 kb において,中立からの有意な逸脱を示す領域が観 察され,ヒトにおける平衡選択が示唆された(Tajima’s D = +2.14, p <0.05).連鎖 不平衡解析と合体シミュレーションによるハプロタイプ年代推定の結果,平衡選択の対 象となったと考えられるこの領域の 2 種のハプログループの起源は 104 万年前と極めて 古く,平衡選択によって安定して 2 種のハプログループが維持されて来たことが示唆さ れた.このブロック内に含まれる別の common SNP(rs1019385)は, 統合失調症との極 めて強い関連が報告されており(Miyatake et al., 2002; Di Maria et al., 2004;
Martucci et al., 2006; Allen et al., 2008),下流のGRIN2B の遺伝子発現に影響を 与える機能 SNP であることも報告されている(Miyatake et al., 2002).したがって我々 が GRIN2B上流領域に見出した平衡選択は, 統合失調症に関連する表現型をそのターゲ ットとしていると結論した(論文投稿中).代謝調節型グルタミン酸受容体遺伝子群や, COMT, BDNF, SLC18A1などの統合失調症に関連する他の遺伝子群についても同様の全変 異検出による集団遺伝学的解析を進めている.
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