リミット：3 サイクル PC 人数：3 人 レベル：2～3 ・忘却の子は非推奨。愛されし者については GM と要相談。 ・新規作成 PC の場合は、レべル 2 での作成を推奨。 ・基本ルルブ掲載の「シーンの再訪」は本シナリオにおいては基本的に不可。 ◆PC1 ：【技術】B 以上推奨 ◆PC2 ：【日常】B 以上推奨 ◆PC3 ：【愛】B 以上推奨 【暗示】 あなたは未来を幻視する。 多くの人々が絶界の中に取り込まれ右往左往している。 その人数は徐々に増えていく様子だ。 …神話災害が拡大しているのだろうか？ あなたの【任務】はこの神話災害を解決することである。 【暗示】 あなたは万神殿から神話災害解決の要請を受けた。 何でも千葉県のとある施設が絶界と化したそうだ。 内部には多くの人々が取り込まれているらしい。急いで向 かわなければ。 あなたの【任務】はこの神話災害を解決することである。 【暗示】 あなたは絶界となったその場所にいる。 何か大きな音がした後、突然周りの人間たちの動きが目 に見えておかしくなっていった。 「ひとまずこの場からは離れた方が良さそうだ。 恐らく神子たちがやってくるだろうから、施設前にあるカカオ へ向かうこととしよう」 親神はあなたにそう告げた。 あなたの【任務】は絶界から無事脱出することである。
とある休日、事態は千葉県某所で発生する。多くの人が 集まった施設、「千葉サンシャインステーション」が急に絶望の 闇に覆われ絶界と化した。その様子を幻視した者、万神殿 から解決依頼を受けた者、そしてその場で事態に巻き込ま れてしまった者。3 名は銘々に万神殿に集い、運命共同体 として突発的な神話災害に挑むことになったのであった。 神話災害は、北欧神群のロキの気まぐれによるもの。影 霊であってほしい。何か面白い出来事を、と思いついたのが 「ゾンビ映画の再現」。ちょうど元ロケ地に人が集まっていたか ら、しかも放送が利用できるのは呪文で変身させるにはちょう どいい環境だったから利用しただけ。その集まっていた人という のが、PC3・アーティスト「KERS」のフリーライブに集まった人 間たちだった。要するにとばっちりである。 呪文は複雑で、普通に耳に入る分にはノイズにしか聞こ えない。ロキはそれをタワーから流して、高いところから様子を 見たり、黒い犬に変身して近くで様子を見たりして楽しんで いた。 変身させられる過程で人間の知性は徐々に下がり、自身 がその時点で望むことを行なうようになっていた。現場には一 定数いる「好きなアーティストで繋がる友人(を作れる自分)」 が好きな人間が、SNS 中毒で拡散を続けるのはその影響で ある。(アーティスト本人の入りと同時に会場に居るのは相当 のファンか、相当のウェイ系かどちらかだろうというシナリオ作者 の偏見もある。) このシナリオは、実質 PC3 が主人公的なムーブをするシナ リオとなっている。「PC の【真実】の上書き」はインセイン的で はあるが、正体を隠していた状態から如何に格好良く手のひ らを返すかを PL にも考えてもらえると展開もドラマチックにな るかもしれない。GM にもそのフォローをしてもらえると、楽しい 卓になるのではないか、と。 なおシナリオの発想元は、千葉県某所で撮られた PV 群。 ご興味あればぜひ。
a flood of circle 『Dancing Zombiez』 UNISON SQUARE GARDEN
『桜のあと（all quartets lead to the?）』 KANA-BOON 『ウォーリーヒーロー』
POLYSICS 『SUN ELECTRIC』
・このシナリオでは基本及び 02 のルールブックのデータを使用 します。02 を使用できない場合は、脅威データ等の調整を 行なうようにしてください。 ・02 以降の追加ルールやアイテム、ギフト等については自由 に組み込んで遊んでください。 ・PC 作成について、特に PC3 は特殊な設定を生やすことに なるので、継続 PC は使いづらいかもしれません。その点につ いては PL に了承を得るようにしてください。 ・PC の【予言】と一緒に技能値の推奨を設けていますが、条 件に満たない場合でもシナリオ的に詰むわけではないことは 周知するようにしてください。あくまでも推奨です。 ・オフラインセッションでこのシナリオを遊ぶ場合、PC3 の【真 実】の上書きについての HO の受け渡しに工夫が必要かと思 います。著者はオフセでアマデウスを遊んだことがないので勝 手が掴めませんが、休憩時間や喚問などで対応することがで きるのではないかと思います。GM をされる方に丸投げになっ てしまいますが、いい感じにどんでん返しができるようにしてあ げて欲しいです。
◆PC1 ：【技術】B 以上推奨 ▼【真実】が公開されなかった場合、第 2 サイクル開始時、他の PC と少し 離れた場所でゾンビに噛み付かれる PC1 の状況を描写しても良いだろう。 【技術】B 以上の推奨は、移動判定への挑戦・インガ確保のため、及びシナ リオ後半のギミックに少し有利にできるようにするためのもの。 ◆PC2 ：【日常】B 以上推奨 ▼「KERS」は読み：ケルス。「KERS」が PC3 であることは、PC2 は知らな い。もし PC3 と GM がすり合わせ可能であれば、性別や音楽ジャンルなど を PC2 に伝えても良い。 裏書きの【本当の任務】の達成が、終了フェイズでの評価に関わるものであ ることは伝えておくこと。(インセインにおける【本当の使命】と同じものと考え てもらえると良いだろう。) 【日常】B 以上の推奨は、倹約判定でのインガ確保のため、及び調査判定 を少し楽にできるようにするためのもの。 【暗示】 あなたは未来を幻視する。 多くの人々が絶界の中に取り込まれ右往左往している。 その人数は徐々に増えていく様子だ。 …神話災害が拡大しているのだろうか？ あなたの【任務】はこの神話災害を解決することである。 【暗示】 あなたは万神殿から神話災害解決の要請を受けた。 何でも千葉県のとある施設が絶界と化したそうだ。 内部には多くの人々が取り込まれているらしい。急いで向 かわなければ。 あなたの【任務】はこの神話災害を解決することである。 【真実】 未来の幻視には続きがあった。絶界内を歩き回る人々が 皆一様に生気のない瞳であなたを見つめていた。 ずきり、肩口に鈍い痛みが走る。 痛みに目を向けると、焼け爛れたような皮膚、欠損のある 身体ーー所謂ゾンビのような生物があなたに噛み付いて いたのだ。 慌てて振り払うと、先程まであなたを見つめていた人々も また、醜い姿となってあなたに迫ってきていた。 この真実が第 1 サイクル終了時までに公開されなかった 場合、予言は現実のものとなる。あなたは、第 2 サイクル の開始時に【重症:2】および【絶望】の変調を受ける。 トリガー：黒および青の領域の覚醒段階がともに 1 以上 になる 【真実】 あなたは絶界となった場所の名前に聞き覚えがあった。 というのも今日、その場所で行なわれる予定であったアー ティスト「KERS」のフリーライブに、ファンであるあなたは参 加するつもりだったのだ。 しかしその場所が絶界になってしまったということは、あの 人も巻き込まれてしまったのではないか？！ あなたの【本当の任務】は、絶界においてアーティスト 「KERS」を見つけ出すことだ。 この真実が公開されたとき、あなたは任意の色の領域に あるインガを 2 つまで別の領域に移動させることができる。 トリガー：PC2 の属する色の領域の覚醒段階が 2 になる
◆PC3 ：【愛】B 以上推奨 ▼「KERS」は読み：ケルス。オランダ語での桜。「KERS」の性別や音楽ジ ャンルは PL とのすり合わせで決めて構わない。ただしソロアーティストにしてほ しい旨は伝えておくこと。 表向きの職業(職業修正用)は「アーティスト」等である必要はない。 「KERS」を探している人物がいることは、PC3 は知らない。 裏書きの【本当の任務】の達成が、終了フェイズでの評価に関わるものであ ることは伝えておくこと。(インセインにおける【本当の使命】と同じものと考え てもらえると良いだろう。) また PC3 の【真実】は、シナリオの展開によって変更されるが、初期配布 HO としては上記の内容となる。 【愛】B 以上の推奨は、シナリオコンセプトによるもの。後述するが、シナリオ 最後の嘆願判定は PC3 に行わせることを想定している。 ◆導入 物語における季節は自由。日付的には土曜か日曜で、 PC たちはそれぞれ休日を過ごす予定であったという状況から 描写。PC 順に、個別に親神との交流を挟みつつ進行。 話す内容は基本的には【真実】に触れない程度で【予言】 に沿う形にする。以下は描写例。 ◇PC1 今日は休日。午前中をゆっくりと過ごし、そろそろ行動 開始しようとしたところで、あなたの目の前の景色がガラリと 変わる。あなたは直感的に、今見ているのが未来の幻視 であることが分かるだろう。周りはショッピングモールのような、 テーマパークのような…見覚えのない場所だ。自分以外 にも多く人がいて、あちらこちらへと行き交っている様子だ。 しかもその人数は徐々に増えていっている…辺りを見回し て瞬きをしたその後、あなたの視界は元の場所に戻ってい た。 親神は「神話災害の幻視を見たようだな。それはお前が 解決すべきものだ。」と話しかけてくる。 「お前が解決すべきものだが、お前だけで挑む神話災害 ではない。運命共同体はお前を含め 3 人、万神殿で合 流するといい。」親神の言葉を受け、あなたは近場のカカ オに向かうことになる。 ◇PC2 あなたも今日は休日を過ごす予定であった。昼前には 外出をしようと用意をしていたところで、あなたの携帯電話 に着信がある。メールが届いたようだ。差出人は知り合い の伝説の子だ。確か万神殿で案内に従事している人物 だったはずだ。メールの内容は「千葉県に急に絶界が発生 した。神話災害の調査及び解決のため万神殿に来られ たし。」といったもの。 【暗示】 あなたは絶界となったその場所にいる。 何か大きな音がした後、突然周りの人間たちの動きが目 に見えておかしくなっていった。 「ひとまずこの場からは離れた方が良さそうだ。 恐らく神子たちがやってくるだろうから、施設前にあるカカオ へ向かうこととしよう」 親神はあなたにそう告げた。 あなたの【任務】は絶界から無事脱出することである。 【真実】 あなたは、今日この場でフリーライブを行う予定だったアー ティスト「KERS」だ。会場の様子見がてらオフの格好で外 に出てきたら、このまま運命共同体を組むであろう者たち と会わなければならなくなってしまった…。 アーティストとしてのイメージもある、何よりオフの自分を見 せたくないのは自分自身だ。どうにかして隠し通さねば。 あなたの【本当の任務】は、自身がアーティストであること を公にされないことだ。 この【真実】が公開されたとき、あなたは【恥辱】の変調を 受け、黒の領域にインガを 2 つ配置する。 トリガー：いつでも公開できる。(PC3 自身が公開するこ とはできない)
せっかくの休日の予定ではあったが、呼び出しがあった ということはどう足掻いてもこの神話災害には関わることに なるのだろう。親神も「お前がこの神話災害の解決に臨む のは運命づけられたものだ。運命共同体の仲間と共に全 力を尽くすように。」と話している。 まずは仲間との合流をしよう。あなたもまた、近場のカカ オに向かうことになる。 ◇PC3 あなたは今、PC1 が幻視したその場所にいる。PC1 の 幻視のとおり辺りには人が多く、銘々に買い物に行ったり 通りを歩いたりしていた。あなたもその内の 1 人だった。 穏やかな休日の景色に似つかわしくない、大きなノイズ が辺りに響いた。途端、周りの人間たちがガクンと頭を垂 らした。 あまりにも異様な光景に驚いていると、人々は緩慢な動 きで顔を上げ、どこか虚ろな目をあなたに向け、じりじりと 迫ってきている。 「ひとまずこの場からは離れよう。絶望の闇が辺りに漂って いるようだ。恐らく神子たちがやってくるだろうから、施設前 にあるカカオで彼らと合流したほうが良い。」親神もどこか 驚いた様子であなたに告げる。ゆっくりとした動きの人々を 振り切るようにあなたはカカオに向かって走り出す。 ◆冒険の準備 カカオへとやってきた PC たちは、万神殿で今回の運命共 同体のメンバーと顔を合わせる。 自己紹介などを済ませたあたりで、万神殿にいた伝説の 子から今回の任務についての話を聞くことができる。聞ける内 容は概ね以下のようなもの。 ・「千葉サンシャインステーション」という場所が、急に絶界化 した。そこは大きめのショッピングモールと公園が一体化したよ うな施設である。 ・急なことなので情報がそれほど入ってきていない。 ・絶界は閉鎖空間になっているわけではないが、休日である ためか一般人も多く絶界内に取り込まれている。 ・3 人の変則的な運命共同体にはなるが、内部の調査、解 決を行ってもらいたい。 話が一段落した所で、冒険の準備を行わせる。倹約判 定や、買い物が出来る。準備が終わった後、以下のような 描写を行ない、移動判定に移る。 万神殿から、PC3 が利用した施設前のカカオの扉をくぐ って外へ出る。そこには、…特に施設から出てきた PC3 に とっては、信じ難い光景が広がっていた。 施設の周りを囲うように、底の見えない谷が出来上がっ ている。施設入り口に向かって道が 1 本伸びているが、そ れもどこか頼りない。その道を通るか、神子としての力を使 うか、どうにかして絶界に到達しなければ。 PC 全員は、移動判定を行なう。「危険な旅」扱いのため、 神々の乗騎を使用することは可能。判定に失敗した場合、 以下の試練表を使用した後到着することができる。 移動判定の処理が終わった後、次ページの千葉サンシャ インステーション、取り込まれた人々の【予言】を提示する。 【予言】の提示後、冒険フェイズへ移行する。 ◆試練表 1 外から見ても人は多くいる様子であるのにどこか雰囲気は暗い。不安が頭をよぎる。黒の領域にインガを 1 個配置する。 2 腹を空かせた鳩に囲まれる。食料を 1 つ失う。所持していない場合は【生命力】を 1 点減少させる。 3 どうやって出来たのか、深い谷は黒々としていて底が見えない。慄いた拍子に持ち物を 1 つ落としてしまった。 4 先へ進もうと足を踏み出すと突然足元の地面が崩れ始めた。【技術】で判定を行なう。失敗すると【生命力】を 1D6 点 減少させる。 5 どこからか強烈な視線を感じる。【霊力】で判定を行なう。失敗すると【臆病:2】の変調を受ける。 6 同じ扉から出たはずなのに仲間を見失ってしまった。もう一度試練表を使用する。
◆千葉サンシャインステーション ◆取り込まれた人々 以下のシーン表を使用してシーンを開始する。 マスターシーン「楽屋」終了以後はシーン表の描写に合 わせて処理が発生するので要確認。同上の理由で、シーン の舞台の再訪は当シナリオでは行なうことが出来ない。 ◆シーン表 1 彷徨い歩く人の中にあなたの友人がいたような気がする…慌てて追おうとしたが、見失ってしまった。 2 照りつける太陽の日差しを浴びている。周りの生気のない人々の表情と、とてもミスマッチだと感じられる。 3 施設内にいくつかテナントは入っており、人も歩いているようだがどこか閑散とした雰囲気だ。 4 施設内には今の状況とは不釣り合いな楽しげな BGM が流れている。時折ザザ…と小さくノイズが混ざる。 5 目の前に広がる芝生は青々としている。寝転がってみればきっと気持ちが良いだろう。 6 誰かが連れてきていたのだろうか、リードのついた黒い犬があなたたちの方を見つめていた。 【暗示】 万神殿から絶界化していると告げられた場所。 カラフルな建物が並んでいたり、芝生の広場があったりと 敷地は広い。 建物はどこかのショッピングモールのような見た目だが、 それほど多くテナントが入っているわけではないようだ。 【真実】 この施設は映画やドラマ・PV の撮影、ライブの会場として 利用されることが多いらしい。確か、以前パニックホラー系 の映画の舞台になっていたのを見たことがある気がする。 建物内にも人々は多く徘徊している様子だ。 辺りを見回すと「野外ステージ」と「展望台」への案内標 識を発見した。 この真実が公開された直後、予言が 2 つ追加される。 トリガー：いつでも公開できる。 【暗示】 何かイベントでも予定されていたのだろうか、多くの一般 人が絶界の中にいる。皆一様にぼんやりとした瞳で辺りを 歩き回っている様子だが…。 この予言は【日常】でも調査できる。 【真実】 人々は皆、携帯電話やタブレット等を手に歩いているよう だ。ぶつかっても互いに気にする様子もなく、ぼんやりとま た歩き出す。手元の画面を覗けば、どれもこれも SNS の 画面ばかりだ。 「今日は千葉サンシャインステーションで KERS のフリーラ イブに参戦！みんなで一緒に楽しもーね！！ #KERS_FREE_LIVE」 「KERS 好きで繋がってくれる人は RT！ライブ後みんなで 記念撮影しましょー:D #KERS_FREE_LIVE」 メッセージは拡散され続けている…。 トリガー：任意の PC が交流判定に成功する。
◇冒険フェイズ進行 千葉サンシャインステーションの【真実】が公開される。 野外ステージ、サンシャインタワーの【予言】を提示する。 ▶ p.7 野外ステージの【真実】が公開される。 マスターシーン「楽屋」が発生する。 ▶ p.7,8 以降シーン表に「人」の表記があった場合、【武勇】または 【技術】での判定をシーンプレイヤーに行わせる。 ▼マスターシーンが発生しなかった場合 PC3 の【真実】の上書きは発生しない。 サンシャインタワーの【真実】が公開される。 マスターシーン「対峙」が発生する。 ▶ p.9 その後決戦フェイズへ移行。 ▼マスターシーンが発生しなかった場合 3 サイクル終了後に決戦フェイズへ移行。 その際の描写は決戦フェイズの項目を参考に。 野外ステージの【真実】が公開された直後に発生する。 PC は全員登場。「野外ステージの【真実】を公開した PC」 の言葉を受け、PC たちがステージ横のテントへと向かうシー ンとなる。 テント内の様子は以下のようなもの。 ・楽屋スペースになっているようで、キャンプ用の椅子やテーブ ルなどが置かれている。 ・割と殺風景で、ごちゃごちゃと物が多いわけでも、荒らされて いるわけでもない。 ・衣装であろう服は、簡易的なラックにかけられたままになって いる。 ・そのスペースの一角で、人が倒れている。成人男性。 ・近くに寄って様子を見てみれば、首からスタッフ証を下げて いる。 ◆野外ステージ ◆サンシャインタワー 【暗示】 2m 弱の高さのステージが組まれている。 野外に設置されてはいるが屋根もあり、照明装置や音響 装置が設備されているようだ。 ステージ上に人の姿はない。 【真実】 ステージ袖のテントは、ステージ裏へと続いている。 楽屋として使われていたのであろうスペースにも人気はなく 思えたが…あそこで倒れているのは、誰だ？ この真実が公開された直後、マスターシーン【楽屋】が発 生する。 トリガー：任意の色の領域の覚醒段階が第 2 段階にな る。 【暗示】 タワーと言う割にはあまり華美ではない塔。 この周辺にも人は多い。 上階には展望台があるようだが、塔の出入り口らしきもの は見当たらない。 【真実】 入る術がないようにしか感じられなかったタワーの展望台 に、黒い影が見える。…こちらを見ている、のだろうか。 よく目を凝らそうとしたところでその影は消えてしまってい た。 この真実が公開された直後、マスターシーン【対峙】が発 生し、決戦フェイズに移行する。 この真実が公開されなかった場合、決戦フェイズの間、 PC のすべてのギフトの条件に「黒」を追加する。 トリガー：PC の真実が 2 つ以上公開されて以降、いつで も公開できる。
・そこにはアーティスト「KERS」のマネージャーであることが書 かれている。(PC3 はスタッフ証などを見なくても気づける) ・男性を起こそうとすると、苦しげにうう、とうめき声をあげるが 目を覚ます様子はない。(以下の描写を行なうまで PC が何 をしても起きない) ・手に何か紙を握りしめている。 PC が紙を手に取る場合、右記の誰かのメモ書きの【予言】 を追加する。 PC たちがある程度マネージャーの様子を見た後、または 放置してその場を去ることを宣言したら、以下のような描写 を挟み判定に移る。 どこかから音楽が聞こえる。流れ出したメロディはこの施 設内で時折聞こえていたものだ。その音量は、だんだんと 大きくなってくる。 そしてそのメロディに、ノイズ音が大きく混ざり鳴り始める。 一際耳障りな音が鳴ったあと、ぴたりと全ての音が止んだ。 がさり、と放送とは別に音がする。 音のした方向を見やると、先程まで倒れていた男性がよ ろよろと立ち上がり、こちらに顔を向けた。…爛れた肌にど こか濁り血走った瞳。脚の肉は削げ落ち、骨が見えてしま っている。 あなたたちの呼びかけには応じない。じりじりと、近づきな がら腕を伸ばしてくる。 「様子がおかしい、今は一旦離れろ」と親神の声が聞こえ てきた。 PC 全員は【技術】で判定を行なう。 成功：特にペナルティなし。無事に逃げることができる。 失敗：その場で 1D6 点生命力を減らすか、次の判定に-1 の修正をつけるかを選択。噛み付かれたのを振り解いた、な どと軽く描写。 処理終了後、マネージャーの男性から離れて PC たちが辺 りの様子を見回してみると、そこには PC1 が幻視したような 光景…人々は皆醜い姿に変わり、施設内を歩き回るという 異様な光景が広がっている。 以降、シーンプレイヤーはシーン表で人のいる描写が入った 場合、【武勇】または【技術】での判定を行うよう指示をする こと。 失敗した場合、そのシーンでの判定に-1 の修正がつく。 また判定内容によって描写は以下のようなものになることを 伝えておく。 【武勇】での判定：ゾンビたちを蹴散らして進む 【技術】での判定：手を出さずに逃げる このとき GM は PL には非開示で PC が【武勇】で判定を行 った回数を記録しておくこと。 その回数分だけ、終了フェイズで行なう嘆願判定にマイナス の修正をつける。 ◆誰かのメモ書き また、この【真実】が公開されたときに次ページの情報を PC3 にだけ渡すこと。 追加情報で PC3 の【真実】の上書きが発生した場合、 公開のタイミングが自由になるが、そのタイミングは決戦フェイ ズくらいまで取っておくと美味しいかもしれない、とアドバイスを 投げてみても良いだろう。 【予言】 楽屋スペースに倒れていた男性が持っていたメモ書き。 …何か書いてあるのだろうか？ 【真実】 書かれていたのは、曲の歌詞だった。 ところどころ、滲んで読めない。 「…が世界を救うだなんて 僕は………」？ トリガー：いつでも公開できる。
サンシャインタワーの【真実】が公開された直後に発生。 PC は全員登場。 神話災害の元凶であるロキと対峙するが、ロキ自体と戦う わけではない。あくまでも神は神子たちの奮闘を映画の展開 と重ねて楽しんでいるだけである。 シーン表における黒い犬は変身したロキなので、PC たちと 同行していた場合はその変身を解くといった演出にしても良 いだろう。以下は描写例。 あなたたちは探索の中で違和感を感じたサンシャインタ ワーを見上げている。入ることができなかった展望台に、黒 い影が見えたような気がした。 不審に思い目を凝らしてみるも、その影は消えてしまって いたが…唐突に、あなたたちの背後からパチパチとゆっくり とした拍手の音が聞こえた。 「いやあ、お見事お見事。ここまででも十二分に楽しいエ ンターテイメントだよ、アマデウス諸君。 うんでも、僕としてはもう少しパニック成分が欲しいかな。」 振り返るとそこには、どこか楽しそうな表情の黒い人物、 北欧神群の神であるロキの姿があった。 「さあ、クライマックスだ。最後まで楽しませておくれよ。」 そう言ったロキがパチンと軽快に指を鳴らすと、先程まで より音量を増したノイズ音が辺りに響き渡る。 その姿は霞のように消えていってしまった。 ノイズが鳴り響く中、あなた達を取り囲むゾンビたちは、じ りじりと迫ってくる。 決戦フェイズに移行する。 ◇マスターシーン「対峙」が発生しなかった場合 決戦フェイズ導入として、神話災害を引き起こしたロキと 対峙することはなく、ノイズを鳴らすタワーに気づく、といった展 開にする。以下は描写例。 施設内を駆け回るあなたたちの耳に断続的に届いてい たノイズが音量を増していく。あなたたちを追うゾンビと化し た人々もどんどん増えてくる。 流れるノイズの大元は向こうに見えるサンシャインタワー だということに気がついたあなたたちは、顔を見合わせ駆け 出す。元凶が分からないことへの不安を抱えながら、あな たたちは決戦の地へ向かうことになる。 決戦フェイズに移行する。 【PC3 への追加情報】 書かれていたのは、あなたの曲の歌詞だ。 「そこにいる者達のほとんどはお前を見に来た者なのだろ う。愛が世界を救う、だなんて信じがたいことではあるかも しれないが、 きっとお前なら、お前を愛する人達を救うこ とができるはずだ。 …このまま、隠したままでいいのか？」 そんな親神の声が、脳裏に響いた。 「誰かのメモ書き」の【真実】の公開後、PC3 の【本当の 任務】を「絶界に取り込まれた人々を救うこと」に変更す ることが可能となる。 その際、PC3 自身による真実の公開が可能となり、公開 時の効果は無効となる。 また、PC3 は真実の公開以降 1 度だけ【愛】での判定に おけるマイナスの修正をすべて適用せずに判定を行うこと ができる。
◆エネミーデータ ▼本体 サンシャインタワー：電波塔 タグ：場所、建物 属性：黒 Lv.3 生命力：70 攻撃値：3 防御値：4 【人壁】「独立」のタグがついている脅威を撃破した場合、 本体へのダメージは発生しない。 【地形変形】怪物本体を捕縛・飛行・潜水状態にするこ とはできない。 【備え付け】「建物」のタグがついている脅威を、飛行・潜 水状態にすることはできない。 ▼脅威 パラグラフ 1 彷徨う人 ◀ 操り人形(基本 p.274) 改変：耐久度を元データから 4 増加、以下の効果を追加 【道連れ】この脅威カードを撃破した PC は、次に行うあらゆる判 定に-1 点の修正がつく。 パラグラフ 2 怪音波 ◀ 同名脅威(02 p.226) 改変：攻撃値を 1 増加 パラグラフ 3 ゾンビの群れ ◀ 黄泉軍(基本 p.276) 改変：防御判定技能を【武勇】に変更 パラグラフ 4 大音量ノイズ ◀ 仲間を呼ぶ(基本 p.281) 改変：Lv を 4 に、攻撃値を元データから 1 減少、効果名を【洗 脳】に変更 ◆戦闘後処理 戦闘に勝利した場合、PC 全員が(決戦)戦果表を使用し、 終了フェイズの描写を行なう。 敗北した場合、終了フェイズ【強制終了】の描写を行なう。 ◆決戦フェイズ勝利 決戦フェイズ勝利後、右記のような描写をする。 PC の攻撃によって、ノイズを鳴らしていたタワーは沈黙 する。ノイズが止んだことであなたたちを取り囲んでいたゾン ビは、傷付き倒れ伏した人々の姿に戻っていく。 苦痛に顔を歪める彼らを救えるのは、今この場ではあ なたたちだけだ。 人々の傷を癒やすには、嘆願判定が必要となる。その際 レベル 5 相当の 1 キャラクターとして扱う。 ただしこれまでの冒険で、彼らのことを武力でもって退けて いた場合、その回数分判定にマイナスの修正がかかる。 PC3 の変更後の【真実】の効果を使用する場合、絶望 の闇の効果及び上記の修正をすべて無効化することが可 能であることは伝えること。 嘆願判定に成功した場合、PC の言葉に親神は応え、倒 れた人々の傷は塞がれていく。 以降、エピローグは自由に演出すると良い。PC3 のフリー ライブに参加するような形や、その前に言葉を交わして解散 といった形でも良いだろう。 ◆強制終了 決戦フェイズ敗北後、もしくは黒の領域にインガが 10 個溜ま った場合、以下のような描写をする。 辺りに響き渡るノイズがますます大きくなっていく。 ゾンビとなった人々の数も数え切れないほどに膨れ上が り、その全てがあなたたち運命共同体を取り囲む。 「ああ、こういう終わりもよくあるものだね。最後まで君たち にはそのエンターテイメント性を保っていてほしかったな。 いやあ残念残念。 …まあ、その絶望顔くらいは、評価してもいいけれど。」 どこかからそんな神の声が聞こえたような気がしたが、そ れもゾンビたちの声にかき消されてしまうだろう。 そこにいるあなたたちは、未だ見ぬヒーローを待ち続ける ことしかできないのだ。 悪夢表を用いてセッションを終了する。
◆経験値処理 経験値処理は、戦闘勝利、強制終了いずれの場合もル ルブ準拠で行なう。「冒険」での獲得点数は 50 点とする。 データの調整等を行い、セッションを閉じる。 本シナリオを DL いただきありがとうございます。遊んでくださった方、楽しんでいただけたでしょうか。素敵なドラマが生まれていた ら、シナリオ作者としても嬉しいです。 神話が絡まないことに定評のある 37 のアマデウスシナリオですが、幾分当シナリオはインセインのエッセンスが強めのシナリオと なりました。一応馴染みのない方向けに「本当の任務」について等は補足も入れましたが、もし分かりづらい部分があればお気 軽にお問い合わせくださいませ。 シナリオ的には PC 番号詐欺と、任務の上書きによるヒーローとしての自覚、が裏テーマでした。「隠れていないでも大丈夫だ よ、ヒーロー。」的なタイトルという感じで。シナリオ背景でも触れましたが発想元の曲からは諸々の名前や曲の一節を借りたりし ております。舞台のイメージも PV から掴めるかと思うのでよろしければ。 あとは戦闘に関しては完全に「飛行状態」メタです。対空がお手軽で強いのでそれを封じてみるのと、倒しても本体にダメージ が通らない脅威を用意してみて PC たちがどういった選択をするのか、を GM 視点で見てみようという試みでした。シナリオ自体は ルルブ 02 発売頃に作ったものなので、脅威等は改めて構成を考えても良いかなあと思います。回す GM さんで凝りたい方は改 変して遊んでいただいても構いませんので、どうか楽しく遊んでやってください。 何かご意見ご要望がございましたらご一報いただけますと幸いです。
神話創世 RPG アマデウス シナリオ「Don’t worry, Hero.」 2017.8.11 pdf 版シナリオ公開 著：37 tw@37002
HP@皆実町掲示板 http://mn37002.sakura.ne.jp/373page/index.html
