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この比率は約50 に高まります この比率をアップさせていくためには さらなる権益の獲得が必要となります PPCはチリのほか ペルーおよびオース トラリアに探鉱会社を設立し 積極的に 優良案件の調査に努めています その中 でも鉱床ポテンシャルが高く 投資環境 も比較的整っているチリは優位にあるの で

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Academic year: 2021

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ワールドレポート

はじめに

南米大陸を南北に縦断するアンデス山脈の太平洋岸 に位置するチリは世界最大の銅生産国として知られ、 多くの本邦企業も、わが国の安定的な資源供給を目的 としてチリの銅開発事業に積極的に投資している。 今回は、世界最大の銅生産量を誇るエスコンディー ダをはじめ、国内主要鉱山であるコジャワシやロスペ ランブレスでの銅開発事業に参画、現在、同国初とな る本邦企業のみでの開発が進む“カセロネス銅・モリ ブデン鉱床開発プロジェクト”(以下、本事業)に取 り組むJX日鉱日石金属(以下、JX金属)チリ事務所 所長兼MLCC注 会長・村上健一氏とのインタビューを 通じて、同社の現地における活動状況や事業内容につ いて紹介させていただく。

注:本鉱山の運営会社SCM Minera Lumina Copper Chile社。

1. “カセロネス銅・モリブデン鉱床

開発プロジェクト”について

本事業のプロジェクト所在地は、チリ第3州(アカ マ州)の州都であるコピアポ(Copiapo)から南東 162km、アルゼンチンとの国境から15kmに位置して いる。付近の標高は、4200∼4600mときわめて高い。 2006年5月の権益取得以降、経済性評価や現地政 府からの環境認可取得を通じて、2010年4月から建 設を開始し、本年2月のカソード、年末の精鉱生産開 始に向けて現在建設中である。権益比率はパンパシフ ィック・カッパー(以下、PPC。JX金属66%と三井 金属鉱業34%出資の合弁会社)75%、三井物産25% であり、生産期間は今年から28年間を予定している。

2.

村上チリ事務所所長への

インタビュー

――銅精鉱必要量の80%を自らの権益をもつ銅鉱 山から調達する“Integrated Copper Pro-ducer”を目指すと掲げられていますが、同 方針実現においてチリの役割は。 現在、PPCの電気銅生産量に必要な銅精鉱につい ては、JX金属が出資している3鉱山(ロスペランブ レス、エスコンディーダ、コジャワシ)から約20%を 調達しています。カセロネス鉱山の生産開始により、

JX日鉱日石金属、

“Integrated Copper

Producer”を目指し、チリで初の

本邦企業100%出資でオペレーター

シップをとって銅開発事業に挑む

◆ 国際協力銀行 ブエノスアイレス駐在員事務所 首席駐在員

鈴木 将仁

from Buenos Aires[ブエノスアイレス]

チリ

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さらなる権益の獲得が必要となります。 PPCはチリのほか、ペルーおよびオース トラリアに探鉱会社を設立し、積極的に 優良案件の調査に努めています。その中 でも鉱床ポテンシャルが高く、投資環境 も比較的整っているチリは優位にあるの で、今後とも自山鉱比率向上のためには チリの役割はきわめて重要です。 ――世界でも最大級のロスペランブレ ス鉱山への参画を含め、チリでの 銅開発事業に積極的に参画されて いますが、チリに直接進出された 契機とは。 JX金属は、前身である日本鉱業時代の1950∼60年 代から融資買鉱などによりチリの銅鉱山開発にかかわ ってきました。その後、90年代にはエスコンディー ダ、コジャワシ、ロスペランブレスといった大型鉱山 への出資を通じてチリとの関係を深めてきました。 特にロスペランブレス鉱山については、権益を有し ていたチリの財閥であるルクシックグループとの間に 30年余に及ぶ友好関係があったことから、現地調査の うえ、本事業への参加を決定したものです。 ――隣国ペルーなどでの銅開発事業も最近活性化 しており、同国の銅生産量は世界第 3 位と聞 き ま す が 、 銅 生 産 地 と し て の チ リ の 優 位 性 とは。 チリは南米の銅資源保有国の中では政情が安定して おり、急激な国体変更などのリスクが小さく、また、 外資法により投資家の権利が保護されるなど、投資環 プロジェクト全容 JX金属 足立吉正社長(左から2人目)、中村年孝常務(中央)、村上健一チリ事務所所長(右端)

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ワールドレポート 境も整っています。さらに、平均的な国民の教育レベ ルが高いので、技術者層だけでなく作業員層にも安全 への配慮、機械・装置の理解等の基本事項の教育訓練 を施しやすい環境だと感じます。 地勢的には、チリは東西の距離が短いために銅鉱山 から生産品を出荷する海岸(港)までの距離が短く、 輸送コストの面で有利です。また、銅資源が多く賦存 する北部チリ地域は人口が少ないため、道路、送電線、 パイプライン等、インフラの建設がやりやすいという 面があります。 ――チリでは初めての本邦企業100%出資による 銅開発事業ですが、かかる形態での事業実施 を決定した理由は。 当社のルーツは日立銅鉱山ですが、長くカスタムス メルター(買鉱製錬業)として製錬事業を中心に事業 を展開してきたので、銅鉱山事業で主体的にオペレー ターシップをとることまでは考えていませんでした。 しかしながら、鉱床の遠隔地化、高地化、品位低下 に伴い新規鉱山開発が徐々に困難となっていくなか で、銅事業者として常に安定した収益を上げるために は、原料を安定して供給できる体制を自ら築くこと、 つまり、ルーツの姿である鉱山と製錬所とのIntegra-tion(垂直統合)が必須であるとの考えに到 りました。銅鉱山および、銅製錬の全体を理 解したうえで、より効率的な運営を図ること が重要と考えたわけです。 このPPCの方針のもと、資源関連権益の多 様化を図る三井物産の参加(25%)を得て、 本邦企業100%出資の事業形態が確定しま した。 ――チリで御社が参画した過去の銅開発事 業と異なり、今回の事業計画は完全に ゼロからのスタートだったと思われま す。開発に向けた体制づくりを含め生 産開始に至るまで、かかる業務を実際 油圧シャベル JX金属 足立社長(左から3人目)、中村常務(左から4人目)、村上チリ所長(左から2人目)

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に対応していくうえでは、特に現地代表の立 場 に お い て 多 く の 苦 労 が あ っ た と 思 わ れ ま すが。 初めてオペレーターの立場で権利、許認可の取得手 続きを行ったので、苦労というより日本との違いに多 くの驚きがありました。たとえば、鉱業用地の購入に あたっては、昔の土地登記は図面がなく「北は○○山 まで、南は△△川まで、東は道路まで、西は××さん との土地境界まで」といった記述だけですので、多く の関係者の証言に基づいて調整を図り範囲を特定する 必要がありました。さすがに山の位置は不変ですが、 川と道路の位置は長い年月のうちに変わりますし、他 人との合意は代替わりしたら見解が見事に違いますの で……。 また、水利権の取得にあたっては、行政の許認可権 ではなく土地と同様に私有財産であ るため、需給の関係で売買価格が大 きく変わること、水利権水量が自然 がもたらしてくれる取水可能量に比 べ過大な状態なので、水利権を買っ ても水が満足に出ないこともあるこ とから、慎重な対応が必要でした。 改めて、水資源の豊富な日本をあり がたく思いました。 ――チリでは銅開発事業の活性化 から人件費の高騰に加え、事 業などの管理を行うマネジメ ントクラスの人材確保が大変 困 難 に な っ て い る と 聞 き ま すが。 私どもも状況は同じです。設計、 施工管理、工事等のすべての人件費 組み立てが完了した300tトラック

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ワールドレポート が高騰し、建設費を見直さざるを得ませんでした。し かし幸いなことに、人材確保の点では、2006年の権 益取得直後に本事業の強力な推進者として、元ロスペ ランブレス鉱山社長、当時コデルコ副総裁のネルソ ン・ピサロ氏をMLCCの社長に迎え、氏の豊富な人 脈から主要ポストに有能な人材を得ることができまし た。プレFS開始から生産開始間近の現在まで6年余、 キー・パーソンはほとんど変わっておらず、大変質 の高いマネジメント・チームを擁することができま した。 ―― 開発中の本事業の現場は、標高が4200∼ 4600mときわめて高いところにあり、実際 の作業実施には多くの難題があるかと思われ ます。かかる高地での事業実施における課題 および対応とは。 この標高では、平地と同じとまではいきませんが、 体をある程度順応させることができるので、特別な装 備、たとえば空気呼吸器や予圧設備などを使うことは ありません。しかし、体調が少しでもおかしいと感じ たときには、直ちに応急処置を施し、高度を下げるこ とが肝心です。このため、カセロネスでは標高4400m と4100mの2カ所に現場診療所を置き、救急員と救急 車を常駐させて万一に備えています。アクセス・ルー トの地形にも恵まれ、自動車で3000mまで30分、 2000mまで1時間で降りることができます。また、宿 泊設備(キャンプ)は、高地作業者が毎晩十分な休息 をとることができるよう、体が高度の影響をほとんど 受けない標高2000m地点に設けました。なお、キャン プでは働く人の健康管理のため、適度な運動(ジム、 テニス、フットサル)ができるようにしたり、食事の 内容にも留意しています。 もうひとつは、天候急変への備えです。現場は急峻 な山岳地帯で、突然の降雪や強風に見舞われることが あり、オンライン気象観測と多重通信設備によって迅 速な退避が可能です。加えて、万一に備え避難所を設 置しています。 ――御社ゆえのノウハウ、長年の銅開発などを通 じて蓄積された知見が多いに活かされている ということですね。 プロジェクト会社で働く日本人20名のうち技術者 は11名ですが、全員が日本または海外の鉱山勤務経験 者で、南米の鉱山勤務経験者が7名含まれています。 これまで、技術者が経験を積む場であった国内鉱山の 縮小や休山に伴い、JX金属はロスペランブレスなど、 三井金属鉱業はワンサラなどの関係鉱山で技術者を育 ててきました。各鉱山での研さんの成果を今こそ発揮 するときと、皆、張り切っています。 ――銅に加え製鉄などで利用されるモリブデンの 生産も計画されています。御社が参画し操業 中のロスペランブレス鉱山でモリブデンを生 産中ということで、そのノウハウが本事業に 活用されていますね。 はい、ロスペランブレス鉱山には常時2∼3名の技 術者を派遣してきました。そのうち、モリブデン・プ ラントでの操業を実地で経験した選鉱技術者が中心に なってカセロネスのプラントの仕様を決めています し、今後の操業にも携わることになります。 ――国際協力銀行(JBIC)はチリ国内で本邦企業 が参画する銅開発事業などを積極的に支援し 水送パイプライン 水路整備でつくった迂回路

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を淡水化して利用されているとのことです。 本事業も開発現場が海からも遠く離れた場所 に位置し、水の調達は特に苦労が多いと思わ れますが、実情および対応はどうされていま すか。 カセロネスが位置するコピアポ川流域にはアンデス の雪氷を源とする地下水があり、幸い、この水利権を 確保することができました。しかし、水量は豊富では ないので、広い範囲から少量ずつ取水するために、分 散している約20本の井戸から延長80km、標高差 3000m、直径70cmの用水パイプラインを使ってポン プアップすることとしました。海岸からの距離250km、 標高差4000mに比べるとはるかに短いパイプラインで 済んでいます。 一方で、カセロネスの取水による下流域への影響を 極力なくすために、地元との約束として、河川やかん がい水路の清掃、補修工事を行い漏水・蒸発抑制を図 るとともに、2014年からは鉄鉱山会社が海岸で進め ている脱塩水製造・供給事業から淡水を購入し、約 100km内陸のコピアポ地区などへ無償提供すること も行います。 しかしながら、今後、他鉱山での海水使用実績が増 加してくると、地下水や河川水の鉱業利用に対して行 政当局および地域住民の反応はますます厳しくなると 考えられます。これにどう対応できるかについて、検 ――チリでは、数年前に環境省が設立されるなど、 従来あまり問題とならなかった環境対応に対 する関心が高まっています。本事業実施にお いては十分な環境対策をとられているとお聞 きしていますが、具体例とは。 地域住民の方々のためには、先ほどお話しした水に 関する対策のほか、建設工事や操業に伴う道路交通量 の増加対策として、市街地を迂回するバイパス建設 (約2km)、ガードレール・安全標識・信号機等の整 備(約100km区間)、道路沿いの公共・民間施設への 防音工事などを行っています。また、鉱山付近に居住 する先住民の方々とは定期的に懇談の場を設け、より よい関係を保つことに努めています。 また、自然環境の保全のため、事前調査に基づいて 動植物の保護、移動・移植を行ったほか、化石、遺跡 の保護、移設を丁寧に行ったことはいうまでもありま せん。 ――最後になりますが、事業の確実な実施には環 境対策に加えて地域社会との良好な関係が必 要不可欠ということで、以前から御社はすで にさまざまな地域社会貢献をされていると理 解しています。本事業は未だ建設中ではあり ますが、すでに実施されていることや今後の 対応などについてお教えください。 建設開始からこれまでの 間、地元行政当局や住民の 方々の要望に応えるかたち で、消防車の寄贈、FM放 送機材の寄贈、消防詰所や 公民館の整備、公共プール や体育館の建設等を行って きました。また、地元小学 校での交通安全教育、先住 民文化祭、地元祭礼等への 後援も行っています。今後 はこれらに加え、地元学校 の学生・生徒への奨学金提 供など貢献の幅を広げてい くつもりです。 村上チリ所長と現地スタッフ

参照

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