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2) 調査の概要 上海 香港 シンガポールにおいて 中小規模のレストランを中心に 需要量 嗜好調査を実 施した 1 調査対象品目 マグロ ( シンガポール 上海 香港 ) マチ類 ブダイ類 ( シンガポールと香港のみ ) 活クルマエビ ( シンガポールの一部店舗と香港のみ ) 冷凍クルマエビ ( シ

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Ⅳ 海外市場マーケティング戦略の策定

1.レストラン等消費動向調査

1)海外における日本食レストランの動向 農林水産省によれば、日本食レストランは、和食の普及と共に、世界的に、約 2.4 万店(平成 18 年)→約 5.5 万店(平成 25 年)→約 8.9 万店(平成 27 年)と増加傾向にある。 こうした流れを踏まえ、本県の水産物の海外への供給可能性も大きくなっていると推察される。 本事業では、実証試験に合わせ、対象地域の飲食店に対し、本県の水産物の需要等についてア ンケート調査を実施した。 図 4-1 海外における日本食飲食店の数(平成 27 年(2015) 農林水産省)

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2)調査の概要 上海、香港、シンガポールにおいて、中小規模のレストランを中心に、需要量・嗜好調査を実 施した。 ① 調査対象品目 ○マグロ(シンガポール、上海、香港) ○マチ類、ブダイ類(シンガポールと香港のみ) ○活クルマエビ(シンガポールの一部店舗と香港のみ) ○冷凍クルマエビ(シンガポールのみ) ② 調査の主な項目 ①水産物の仕入実態 ②沖縄県産水産物の評価(認知度、品質など) ③沖縄県産水産物の取扱意向(プロモーションや情報提供方法など支援施策など) ③ 調査の方法と内容 実証試験と連携させ、対象品目をサンプル提供し、アンケート調査を実施した

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72 ④ 調査対象レストラン

㈱ぐるなびの各国支店とのネットワークから、各地域10 店舗ずつ選定した。

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3)調査の結果 ① 水産物の仕入実態(現在取り扱っている主な水産物) ○上海 マグロのほか、脂分の多い魚種が好まれる傾向にあることから、サーモン等を扱っている店 舗が多い。マグロについては日本から仕入れる店舗が多く、サーモンについてはノルウェーか ら仕入が多い。 表 4-4 魚種別仕入実態(上海) 魚種 仕入 形態 回答店舗数 (10 店舗中) 年間 取扱量 (㎏) 産地国 マグロ 生鮮 3 件 1,160 日本(長崎など) 1 件 96 無回答 冷凍 1 件 600 スペイン 無回答 4 件 無回答 無回答 サーモン 生鮮 1 件 2,200 ノルウェー 1 件 120 日本 2 件 360 無回答 無回答 1 件 9,000 ノルウェー 2 件 無回答 無回答 甘エビ 無回答 2 件 無回答 無回答 ボタンエビ 無回答 2 件 無回答 無回答 ホッキガイ 無回答 2 件 無回答 無回答 赤エビ 生鮮 1 件 週 4 箱 アルゼンチン 赤貝 生鮮 1 件 96 日本 うに 生鮮 1 件 150 北朝鮮、大連 地魚 生鮮 1 件 72 無回答 法螺貝 生鮮 1 件 60 無回答

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74 ○香港 マグロのほか、ウニ、イクラ、ハマチ等を扱っている店舗が多い。マグロ、ウニ、ハマチに ついては日本から生鮮の状態で仕入れる店舗が多い。 表 4-5 魚種別仕入実態(香港) 魚種 仕入 形態 回答店舗数 (10 店舗中) 年間 取扱量(㎏) 産地国 マグロ (生本マグロ、生本マグロ等) 生鮮 5 件 2,291~2,311 日本 1 件 240 インドネシア、タイ 冷凍 2 件 323 日本 ウニ 生鮮 4 件 382 日本(北海道など) 1 件 30 ロシアなど イクラ 冷凍 1 件 100~120 ロシア 2 件 51 カナダ ハマチ 生鮮 3 件 1,100~1,140 日本 シマアジ 生鮮 2 件 295 日本 タイ 生鮮 2 件 460~500 日本 ヒラメ 生鮮 1 件 60 日本(和歌山) 活魚 1 件 200 日本 ホタテ 生鮮 2 件 206 日本 冷凍 1 件 150 日本 甘エビ 生鮮 1 件 40 日本(北海道) 冷凍 1 件 150 ロシア あさり 生鮮 2 件 1,360 日本 カニ(タラバ、ズワイガニ) 活魚 1 件 7,300 日本(北海道)、ロシア カニ(毛ガニ) 活魚 1 件 730 日本(北海道) 赤貝 生鮮 1 件 120 日本(愛知) カキ 生鮮 1 件 56 日本 ハマグリ 生鮮 1 件 80 日本 貝類 生鮮 1 件 20 日本 穴子 生鮮 1 件 150 日本 イカ 生鮮 1 件 15 日本 クルマエビ 活魚 1 件 75 日本 しらす 冷凍 1 件 60 日本(静岡) 白身魚 活魚 1 件 144 日本 タコ 生鮮 1 件 56 日本 ブリ 生鮮 1 件 120 日本 ロブスター 冷凍 1 件 25 カナダ

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○シンガポール マグロのほか、イクラ、ウニ等を扱っている店舗が多い。マグロについては日本から仕入れ る店舗もみられたが、取扱量が多い店舗では日本以外の産地から仕入れている。 表 4-6 魚種別仕入実態(シンガポール) 魚種 仕入 形態 回答店舗数 (10 店舗中) 年間 取扱量 (㎏) 産地国 マグロ (生ホンマグロ、インドマグロ等) 生鮮 2 件 600 日本 1 件 7,500 インドネシア 冷凍 1 件 100 日本 2 件 2,210 無回答 イクラ 冷凍 4 件 2,695 日本(北海道など) ウニ 生鮮 4 件 342 日本(北海道など) サーモン 生鮮 3 件 8,580 ノルウェー タイ(マダイ等) 生鮮 3 件 920 日本 カニ 活魚 1 件 2,500 アラスカ 1 件 800~900 インドネシア 鮮魚 生鮮 2 件 1,450 日本 ホタテ 生鮮 1 件 240 日本 冷凍 1 件 6 日本(北海道) ロブスター 活魚 1 件 900 オーストラリア 1 件 60 アメリカ、カナダ クルマエビ 活魚 1 件 320 インドネシア、マレーシア ボタンエビ 冷凍 1 件 960 ロシア エビ 活魚 1 件 1,800 マレーシア 貝類 生鮮 1 件 80 シンガポール カキ 生鮮 1 件 500 個 アイルランド、カナダ マテ貝 活魚 1 件 800 スコットランド グルクン 生鮮 1 件 150 シンガポール スジアラ 活魚 1 件 720 マレーシア スズキ 生鮮 1 件 200 シンガポール

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76 ② 対象魚種の取扱経験 【沖縄県産マグロ】 上海と香港では「取り扱ったことが無い」がほとんどであったが、シンガポールでは「単発 で取り扱ったことがある」が50%あった。 ○上海 ○香港 ○シンガポール 【沖縄県産鮮魚(アオダイ)】 香港、シンガポールともに80%以上の店舗で「取り扱ったことが無い」という回答であった。 ○香港 ○シンガポール

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【沖縄県産冷凍魚(キツネブダイ)】 香港、シンガポールともに80%以上の店舗で「取り扱ったことが無い」という回答であった。 ○香港 ○シンガポール 【沖縄県産活クルマエビ】 香港では10 店舗中 4 店舗、シンガポールでは 3 店舗中 2 店舗で取扱経験があるという回答 であった。 ○香港 ○シンガポール 【沖縄県産冷凍クルマエビ】 シンガポールでは10 店舗中 2 店舗で取扱経験があるが、8 店舗では「取り扱ったことがない」 という回答であった。 ○シンガポール

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78 ③沖縄産水産物の評価(認知度、品質等) 【魚種(沖縄県産のイメージ)】 上海では「乏しい」「イメージがわかない、わからない」、香港では「どちらかといえば豊富 である」、シンガポールでは「どちらかといえば乏しい」という回答がそれぞれ最も多く地域に よって差がある。 ○上海 ○香港 ○シンガポール 【品質】 上海では「良い」、香港では「どちらかといえば良くない」「良くない」という回答が多く、 シンガポールでは「どちらかといえば良い」「どちらかといえば良くない」という回答が最も多 く、地域によって評価が分かれている。 ○上海 ○香港 ○シンガポール

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【価格】 上海では「高い」、シンガポールと香港では「安い」「イメージがわかない、わからない」、と いう回答がそれぞれ多く、地域によって差がある。 ○上海 ○香港 ○シンガポール ④ 対象魚種の評価 【沖縄県産マグロ】 ・品質 上海、香港、シンガポールともに「まあまあ良い」という回答が最も多かった。 ○上海(ビンチョウ1種類について回答) ○香港(メバチ3種類についてそれぞれ回答)

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80 ○シンガポール(メバチ3種類についてそれぞれ回答) ・規格(魚体サイズ、重量など) 上海、香港、シンガポールともに「ちょうど良い」という回答が最も多かったが、香港で は「少し多い」という回答も30%あった。 ○上海 ○香港 ○シンガポール (納品形態:5 ㎏程度にカット)(納品形態:柵 500g) (納品形態:柵 500g)

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・向いていると思う調理・提供メニュー 上海、香港、シンガポールともに「生(刺身・寿司など)」という回答が最も多かったが、 上海と香港では「揚げ物(から揚げなど)」、シンガポールと香港では「焼き物(バター焼き など)」という回答も多かった。 ○上海 ○香港 ○シンガポール 【その他の回答】 ○香港…タルタル、油とハーブを使う料理 ○シンガポール…漬け、たたき、ネギトロ、蒸物

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82 【沖縄県産鮮魚(アオダイ)】 ・品質 香港では「とても良い」「まあまあ良い」、シンガポールでは「まあまあ良い」という回答 が最も多かった。 ○香港 ○シンガポール ・規格(魚体サイズ、重量等) 香港、シンガポールともに「ちょうど良い」という回答が最も多かったが、香港では「少 し少ない」という回答も30%あった。 ○香港(納品形態:ラウンド 1 尾) ○シンガポール(納品形態:ラウンド 1 尾)

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・向いていると思う調理・提供メニュー 香港では「生(刺身・寿司など)」、シンガポールでは「焼き物(バター焼きなど)」や「揚 げ物(から揚げなど)」、という回答が多かった。 ○香港 ○シンガポール 【その他の回答】 ○香港…鍋物、蒸物 ○シンガポール…蒸物 【沖縄県産冷凍魚(キツネブダイ)】 ・品質 香港、シンガポールともに「どちらとも言えない」「まあまあ良い」がという回答が多かっ た。香港では「あまり良くない」と回答があった一方で、シンガポールでは「とても良い」 という回答もみられた。 ○香港 ○シンガポール

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84 ・規格(魚体サイズ、重量等) 香港、シンガポールともに「ちょうど良い」という回答が最も多かったが、香港では「少 し少ない」という回答も20%あった。 ○香港(納品形態:フィレ 2 枚) ○シンガポール(納品形態:フィレ 2 枚) ・向いていると思う調理・提供メニュー 香港、シンガポールともに「焼き物(バター焼きなど)」や「揚げ物(から揚げなど)」と いう回答が多かった。 ○香港 ○シンガポール 【その他の回答】 ○香港…鍋物、蒸物 ○シンガポール…蒸物

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【沖縄県産活クルマエビ】 ・品質 香港、シンガポールともに「とても良い」と回答が最も多かった。 ○香港 ○シンガポール ・規格(魚体サイズ、重量等) 香港、シンガポールともに「ちょうど良い」という回答が最も多かった。 ○香港 ○シンガポール (納品形態:500g 箱 25~29 尾) (納品形態:500g 箱 25~29 尾)

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86 ・向いていると思う調理・提供メニュー 香港、シンガポールともに「生(刺身・寿司など)」という回答が最も多かった。また、香 港では「焼き物(バター焼きなど)」や「揚げ物(から揚げなど)」、シンガポールでは「その 他」という回答も多かった。 ○シンガポール ○香港 【その他の回答】 ○香港…塩ゆで、パスタ ○シンガポール…ボイル、蒸物 【沖縄県産冷凍クルマエビ(シンガポールのみ)】 ・品質 ・規格 「とても良い」「あまり良くない」と回答が 「ちょうど良い」と回答が最も多かった。 それぞれ最も多く、評価が分かれている。

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・向いていると思う調理・提供メニュー 「揚げ物(から揚げなど)」という回答が最も多かった 【その他の回答】 しゃぶしゃぶ、蒸物 ⑤ 沖縄県産水産物の取扱意向 【沖縄県産マグロ】 ・今後の取扱意向 上海、香港、シンガポールともに「条件によっては検討したい」という回答が最も多く、 次いで「取り扱うことは難しい」という回答が多かった。香港では「継続的に取り扱いたい」 という店舗も1 店舗だけ見られた。 ○上海 ○香港 ○シンガポール

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88 ・取り扱う場合の仕入条件(取扱意向を示した店舗のみへの設問) 1 回当たりの内容量については、上海は(無回答を除いて)「(3 ㎏超)5 ㎏以下」、香港は 「(1 ㎏超)3 ㎏以下」、シンガポールは「1 ㎏以下」「3 ㎏以下」、という回答が多かった。 週当たりの平均納品回数については、香港は「(週2 回以上)3 回以下」、シンガポールは 「週1 回以下」、という回答が多く、上海は回答がまちまちであった。 1 ㎏当たりの希望仕入価格については、上海は「(101~)200 元以下」、香港は「(201~) 400 香港ドル以下」、シンガポールは「100 シンガポールドル以下」、という回答が多かった。 ○上海 ○香港 ○シンガポール

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【沖縄県産鮮魚】 ・今後の取扱意向 香港では「条件によっては検討したい」、シンガポールでは「取り扱うことは難しい」という 回答がそれぞれ最も多かった。 ○香港 ○シンガポール ・取り扱う場合の仕入条件(取扱意向を示した店舗のみへの設問) 1 回当たりの内容量については、香港は「1 ㎏以下」「(1 ㎏超)3 ㎏以下」、シンガポールは 「(1 ㎏超)3 ㎏以下」という回答が多かった。 週当たりの平均納品回数については、香港は「(週2 回以上)3 回以下」、シンガポールは「週 1 回以下」「(週 2 回以上)3 回以下」という回答が多かった。 1 ㎏当たりの希望仕入価格については、香港は「(101~)200 香港ドル以下」「(201~)400 香港ドル以下」、シンガポールは「100 シンガポールドル以下」という回答が多かった。 ○香港 ○シンガポール

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90 【沖縄県産冷凍魚】 ・今後の取扱意向 香港、シンガポールともに「取り扱うことは難しい」という回答がそれぞれ最も多かった。 ○香港 ○シンガポール ・取り扱う場合の仕入条件(取扱意向を示した店舗のみへの設問) 1 回当たりの内容量については、香港は「(1 ㎏超)3 ㎏以下」、シンガポールは「(1 ㎏超) 3 ㎏以下」「(3 ㎏超)5 ㎏以下」という回答が多かった。 週当たりの平均納品回数については、香港、シンガポールともに「週 1 回以下」という回 答が多かった。1 ㎏当たりの希望仕入価格については、香港は「(101~)200 香港ドル以下」、 シンガポールは「100 シンガポールドル以下」という回答が多かった。 ○香港 ○シンガポール

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【沖縄県産活クルマエビ】 ・今後の取扱意向 香港、シンガポールともに「条件によっては検討したい」という回答が最も多かった。 ○香港 ○シンガポール ・取り扱う場合の仕入条件(取扱意向を示した店舗のみへの設問) 1 回当たりの内容量については、香港では「1 ㎏以下」、シンガポールは「(1 ㎏超)3 ㎏以 下」「(3 ㎏超)5 ㎏以下」、が多かった。 週当たりの平均納品回数については、香港は「(週2 回以上)3 回以下」、シンガポールは 「週1 回」「(週 2 回以上)3 回以下」、という回答が多かった。 1 ㎏当たりの希望仕入価格については、香港は「(601~)1,000 香港ドル以下」、シンガポ ールは「100 シンガポールドル以下」、という回答が多かった。 ○香港 ○シンガポール

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92 【沖縄県産冷凍クルマエビ(シンガポールのみ)】 ・今後の取扱意向 シンガポールでは「条件によっては検討したい」という回答がそれぞれ最も多かった。 ・取り扱う場合の仕入条件(取扱意向を示した店舗のみへの設問) 1 回当たりの内容量については「1 ㎏以下」、週当たりの平均納品回数については「(週 2 回以上)3 回以下」、1 ㎏当たりの希望仕入価格については「100 シンガポールドル以下」と いう回答が多かった。

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⑥ 沖縄県産水産物の取り扱いにあたってのご意見、ご要望 【生産・流通面】 ○配達時間に関する意見 ・個店は小ロットが望ましい。ディナーの支度で 16 時までには宅配してくれる時間帯が良い (その日のディナーに間に合う)。【香港】 ・那覇空港は香港向けの食材の流通にとって、他県とも連携していただいている重要な空港 だと思っております。翌日配達していただけることは強みだと思います。【香港】 ・理想は朝現地から出発し夕方に香港の店に配送される環境。【香港】 ・理想の流通のスピードは、前日の 24 時までにオーダーの翌日夕方の店着、少量のオーダー 可能じゃないと仕入は難しい。【香港】 ・香港は発注して翌日に届く市場なので発注から 2 日以内には届いてほしい。【香港】 ・沖縄からの直行便を利用し、FOB(Free on Board 本船渡し価格)がどこまで減少し コストダウンできるかが課題だと考えます。生鮮の箱詰めの方法。【シンガポール】 ○その他 ・主に築地、福岡からの仕入が多く、早いし鮮度が良いため、沖縄で 1 日置く必要がない。 【香港】 ・適切な温度帯で届けてもらいたいです。一部溶けていたので…。【香港】 ・香港では、マグロの大トロ、ハマチ、シマアジといった脂がのった鮮魚を好むので、沖縄 の鮮魚はタンパクなので、もっと脂がのった鮮魚があればなと思います。【香港】 ・水産物の状態、味は使い易いので、価格、仕入の条件次第では使えます。【香港】 【プロモーション面】 ○プロモーションのアイディア ・今回のサンプルの車エビをお客様にも食べていただきました。大変おいしい、味が濃いと 話されておりました。【香港】 ・期間限定・特別価格などがあると協力しやすい(畜産で本部、石垣牛は特別価格で仕入れ たフェア展開中)。【香港】 ・沖縄の地魚を前面に押し出したプロモーション。おいしい食べ方、魚と酒のマリアージュ まで含めたプロモーション。【香港】 ・①期間限定で沖縄の旬の鮮魚を安くお客様へ提供する。②沖縄の魚(方言名も一緒に)の パンフレットも日本食レストラン等に配布してもらう。【香港】

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94 ・鹿児島以南の水産物はあまり良いイメージがない。【香港】 ・魚に関して美味しいイメージがあまりないのでその点のプロモーションを…。【香港】 ・企画としては面白いが、沖縄の魚のイメージが浸透していないと考えられるためブランド 力に欠ける。【シンガポール】 ○沖縄県産の他の商材と一緒に提案してほしいという意見 ・他の商品を見たい(クルマエビ、メバチなど)。【上海】 ・他の農産物や、加工品と一緒に提案してほしい。【上海】 ・鮮度の良い物、ご当地ならではのものの商品をもっと知りたいです。沖縄の加工品も含め、 また、それとのコラボができたりするとありがたいです。【シンガポール】 ・今回の食材がとても良いので他の食材も知りたい。プロモーション等あれば協力したい。 【シンガポール】 ○プロモーション等への参加の難しさに関する意見 ・例えば海ぶどうやシークヮーサー、モズクなどの単品は使えるが、フェアなどにするとう ちでは難しいです。【香港】 ・プロモーションとなると厳しい。【香港】 ・フェアなどは難しい(沖縄単県のみだと季節感が出ない)。【香港】

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4)調査結果の総括 ① 水産物の仕入実態 マグロ類については、上海、香港、シンガポール、いずれの地域でも日頃から取り扱いの多い 魚種として挙げられた。主に日本から仕入れる店舗が多いが、日本以外ではインドネシア産やス ペイン産を使用する店舗も見られる。また、生鮮で仕入れる店舗と冷凍で仕入れる店舗に分かれ ている。 マグロ類以外の取扱魚種では、香港とシンガポールではイクラとウニ、上海ではサーモンが特 に多かったが、その他にも多種多様な水産物が取り扱われている。 その中にあって沖縄県産の今回の対象魚種については、マグロ類においてシンガポールで単発 での取扱経験を有する店舗が半数見られただけであり、全般的に、上海や香港ではほとんどの店 舗が取扱経験を有していなかった。 ② 沖縄産水産物の評価(認知度、品質等) 沖縄県産水産物全般のイメージについて、香港とシンガポールでは、品質が良くなく、価格は 安いまたはイメージがわかないという回答が多かった。また、魚種については、豊富であると回 答した店舗と乏しいと回答した店舗に半々に分かれた。 一方、上海では、魚種については乏しいまたはイメージがわかないという回答が多かったもの の、品質は良く、価格は高いと回答した店舗が多く、実際に扱ったことはないが高級なイメージ が持たれていることが伺えた。 今回の輸送試験で実際に手に取ってもらったサンプルの評価については、鮮魚(アオダイ)と クルマエビの品質に対する評価が高く、メバチと冷凍魚(キツネブダイ)の品質はまあまあ良い という評価だった。規格についてはいずれの魚種もちょうど良いという評価がほとんどの店舗か ら得られた。また、調理の用途については、生(刺身や寿司など)という回答が多かった。 ③ 沖縄県産水産物の取扱意向 今回サンプル送付した対象魚種について、メバチとクルマエビは条件次第という回答が多く、 アオダイとキツネブダイは取り扱うことが難しいという回答が多かった。 取引条件としていずれの魚種も1 回あたり 1~3 ㎏程度、週平均 1~3 回程度と回答する飲食店 が多かったことから、少量多頻度での取引の要望が高いことが伺える。

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2.海外マーケティング戦略の構築

1)関係者意見交換会 海外マーケティング戦略の策定にあたり、関係する生産者団体、輸送関係者、沖縄県海外営業 所等を招へい、意見収集を実施するため、「沖縄県海外市場マーケティング戦略策定に関する意見 交換会」を開催した。 ① 開催概要 「沖縄県海外市場マーケティング戦略策定に関する意見交換会」の開催概要は下記の通り。 ・日 時:平成 30 年 3 月 13 日(火)13:30~15:30 ・場 所:沖縄タイムズビル 5 階 第 1 会議室 ・次 第 1.開 会 2.県産水産物の海外市場拡大事業の概要説明 3.輸送実証試験等結果について 4.意見交換 ○海外市場の動向と沖縄県水産物の可能性 ○物流・梱包上の課題 ○その他課題 5.その他 6.閉 会 ・参加者 安里 一月 沖縄県車海老漁業協同組合 組合長 沖縄県海ブドウ生産者協議会 協議会会長 井手 一夫 エグジビション テクノロジーズ ㈱ 代表取締役 片山 誠 沖縄日通エアカーゴサービス㈱ 那覇空港支店長 田中 雅彦 沖縄日通エアカーゴサービス㈱ 那覇空港支店 国際貨物課 次長 亀谷 幸夫 沖縄県漁業協同組合連合会 漁政課長(代理:當間氏) 平田 明則 (財)沖縄県水産公社 事務局長 與那嶺 幸弘 八重山漁業協同組合 指導販売課課長 大濱 長健 沖縄県 上海・福州事務所 所長 税所 清隆 沖縄県 香港事務所 所長 玉城 勝也 沖縄県 シンガポール事務所 所長 ※五十音順。敬称略

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② 主な意見 ○安里氏 ・クルマエビは、日本一の生産県ではあるものの、出荷時期 11 月から 5 月までと限られてい るため、通年での出荷が困難でありグランドメニューには載りづらい。冷凍により通年出 荷が可能となり、市場価値の変動にも対応が可能となる。 ・活と平行して冷凍のPRや正しい取り扱い方を理解して頂く取り組みが必要である。 ○井手氏 ・各国で日本の水産物のプロモーションを手掛けており、競争が激しい。 ・輸出だけでなく、沖縄県には、多くの訪問客がいるので、県内消費を増やす方向を考える 必要がある。 ・輸出先の食文化に日常的に馴染む(流行の一時的なものではなく)ためには長い時間が必 要である。時間をかけてこつこつと取り組む必要がある。安定的な物流構築も同様である。 ・シンガポールにて旧正月の食の食材として初めて日本水産業者として採用された。このよ うに、地元の外食業者(和食、中華等)の事業者と関係性を構築していく必要がある。ス ポットでは取り扱われても、日常的には馴染んでいかない。 ・海外の漁港では鮮度管理ができている漁港は少ないため、ここで日本の強みをアピールす ることがとても大切である。認証までいかなくても、推奨でも良いので、見える化出来れ ば差別化ができて売れると考えられる。 ・予算があれば、流通機能も兼ねたアンテナショップのようなレストランがあると良い。 ○當間氏 ・県漁連では、乾燥モズクの加工工場を持ち流通・販売を行っており、単発ではあるが海外 取引もある。但し、現在、モズクが不作傾向であるので、輸出には積極的ではない。 ・乾燥モズクについては、輸出先に食べ方等に関する知識がないため、消費が拡大しない。 食べ方の提案が必要である。 ○平田氏 ・沖縄県の水産物は多品種少量の特性や台風といった天候条件等の理由から、安定供給が難 しいことが長年の流通・販売上の課題である。 ・沖縄県の主要水産物であるマグロは、需給バランス等により、値動きが激しいことも安定 的な商流構築を困難にする理由となっている。

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98 ○与那嶺氏 ・沖縄県周辺海域での水揚げは、メバチよりキハダが多い。キハダについても考えていく必 要がある。 ・漁協としては、漁業者の生活を守るために、相場の下落時の対策が重要な課題。このため の対策として、冷凍してストック、出荷することを試みており、冷凍水産物の価値が向上 することが望まれる。 ○片山氏・田中氏 ・運送会社は、鮮度を保って送ることが大切と考えている。どの鮮度の魚を選ぶかは、買い 手が選択する。 ・飛び箱は、北米やEU市場といった長距離でも鮮度を確保できることを念頭に開発した。 ・将来的に那覇の施設を、ストックヤードとして使用するのは協力できる。 ○玉城氏 ・5 年ほど前から、観光に関するPRを行っている。また、直行便の運行が始まるなど、急 速に沖縄の認知度が高まっている。 ・沖縄県の水産物に関しては、インドネシア(かなり価格が低い)等の競合地域との異なる 戦略が必要である。沖縄県産品としてパッケージ化できれば、販路は拡大できるのではな いかと考えている。 ・県事務所としては、観光PRと連動して、県産水産物のPRもしていく方針である。 ○税所氏 ・他の地域(日本の地方)との競合が激化している。 ・沖縄県の地理的優位性を活用したPR戦略、販路開拓戦略が必要である。 ・沖縄を訪れる香港人は年々増えているので、沖縄県産品を食していただいてPRして、今 後に繋げることが大切である。 ・活魚のニーズは高い ○大濱氏 ・輸出に対するハードルが高いため参入が難しい。輸出に関する国内の認証書類を集めるこ とがかなり厳しいのが現状である。特に、放射能検査の認証を受けるのが一番厳しい。 ・競合は主に長崎だけ。しかし、長崎県産の水産物(特にマグロ)は単価が高い。かなりの 高級店でしか出せない。沖縄県の水産物にも商機はあると考えている。 ・中堅層のマーケットを意識して、日系スーパーで販売した。完売し、手応えを感じている。 ・ビンチョウに関しては食べ方の提案も必要である

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2)海外マーケティング戦略 実証試験、アンケート調査、意見交換会等に基づき、上海、香港、シンガポールを念頭におい た、国別・魚種別の海外市場拡大マーケティング戦略について、下記のように整理した。 ① 各国・各魚種における共通施策 今回の対象地域である、上海、香港、シンガポールでは、沖縄県からの近接性、沖縄県の認知 度、水産物の消費特性等において共通事項も多くみられるため、下記のような、各国・各魚種に おける共通施策が挙げられる。 ○消費地との近接性を活かす①(物流面) 本県は、日本国内の他の産地に比較して、下図(沖縄県による)の通り、アジア地域に対し、 圧倒的に地理的近接性を有している。また、他の都道府県が那覇空港をハブにして、輸出促進 に取り組んでいる事例もある等、物流インフラ上の優位性も有している。 こうした、地理的な近接性や物流インフラを活用し、漁場から消費地までの「高鮮度」流通 を実現することで、消費地において本県の水産物の「高鮮度」「高品質」の特性をPRし、海外 を含む、他の産地との差別化を図ることが必要である。

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100 ○消費地との近接性を活かす②(交流面) 近年、海外からの訪日観光客が増えている。特に、本県には平成 29 年(暦年)、近隣地域を 中心に、過去最高の 254 万 2,200 人(台湾、韓国、中国、香港等)が訪問している。沖縄を 好む方は多いと推測される。 例えば、香港からのリゾートウエディング利用が増えている(香港事務所長による。(一財) 沖縄観光コンベンションビューローによれば、平成26 年で 636 組。)ように、本県に来訪する 観光客の多くが本県に対して「青い海、健康」のポジティブなイメージを有すると推察される。 こうした知名度、ポジティブなイメージを活用した「沖縄県産」地域ブランドを確立してい くことが必要である。 ○日本食の本格的な普及を前提にした「沖縄らしい」食べ方の提案 アジア地域では、日本食が定番化(在留日本人だけでなく、地元の方が食する)している地 域もみられる。訪日経験者も多く、提供メニューのレベルが上がっており、現地経営者による 飲食店でも、レベルの低い日本食は減っている。 こうした環境変化を前提に、島唐辛子や辛子酢味噌により刺身を食す独特の食文化、現在、 上海で取り組んでいるビンチョウのカツといった、食材の特性にあった、本県の独自の食文化 やポジティブなイメージを活かし、競合する食材とは異なる特色を打出した「沖縄らしい」食 べ方の提案により、本県の水産物の普及を図ることが必要である。 写真:ナンヨウブダイ刺身(左) マース煮(右) (左:「ごーやードットネット」 (http://www.goyah.net/okinawa_ryouri/sashimi/irabutya_sasimi.html) 右:「日本の食べ物用語辞典」(http://japan-word.com/okinawa/maasuni) 一方、飲食店側では、日本食の普及に伴い、日本食の店舗数が拡大しているが、調理人の確 保の他に、利用する食材の特性や産地の知識、適した調理方法、季節感等の演出方法、切る・ 焼く・蒸す等日本食の調理に係る技術の普及等に多くの面で課題がある。特に、輸出先の現地 の調理人を雇用する場合には、基本的な知識と技術の継承が不可欠となる。 こうした課題を前提に、本県の水産物の輸出のみならず、調理方法、技術、メニュー提案と いった面を考慮した総合的な取り組みにより、本県の水産物の普及を図ることが必要である。

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○多頻度小口流通・高鮮度流通に係る技術や仕組みを活かす 近年、農林水産物の輸出施策、ネット通販の拡大等消費者ニーズへの対応といった面から、 運送会社と都道府県との連携による多頻度・小口流通の仕組み構築、発泡スチロールや塩水氷 等高機能の包装・梱包材等の開発が進展している。 こうしたことから、生産者、漁協、運送関係者等との連携により、本県の水産物の「高鮮度」 「高品質」を支える「ストックヤード」や「物流プラットフォーム」の構築を検討する必要が ある。 図 4-3 新たな梱包材・塩水氷、物流プラットフォームの事例(再掲)

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102 ② 国別の施策 【上海】 上海は、航空便で約 2 時間程度の所要時間で、通関手続き等を含めて順調であれば、発注か ら翌日には店舗への配送が可能な地区である。 政治的要因等カントリーリスクはあるものの、日本食の飲食店が約 3,000 店舗立地し、日本 食が普及していること、本県への訪問経験者も多いことから、地域のイメージが伝えやすい、 ブランディングに取り組みやすい地区と考えられる。 日本食は普及していることから、生産地側の食べ方提案等店側の差別化に資する提案は受け 入れやすい。 【香港】 香港は航空便で約 3 時間弱程度の所要時間で、国際貿易の中心ということもあり、通関等手 続きもスムーズで、発注から翌日には店舗への配送が可能な地区である。 日本食の飲食店が約 1,000 店舗立地し、日本食が普及していること、水産物消費が旺盛で、 本県への訪問経験者も多いことから、地域のイメージが伝えやすい、ブランディングに取り組 みやすい地区と考えられる。 鮮魚より活魚に価値が置かれることから、鮮魚においても、品質保証と高鮮度を訴求する 必要がある。 日本食は普及していることから、生産地側の食べ方提案等店側の差別化に資する提案は受 け入れやすい。 【シンガポール】 シンガポールは、航空便で約 5 時間程度の所要時間で、国際貿易の中心ということもあり、 通関等手続きもスムーズであるが、我が国からの鮮魚等生鮮品輸入は、航空便が一般的で、競 合する周辺諸国に比べ割高となるデメリットがある。 日本食の飲食店が約 1,100 店舗立地し、日本食が普及していること、本県への訪問経験者も 多いことから、地域のイメージが伝えやすい、ブランディングに取り組みやすい地区と考えら れる。 国際的な会合が多い、一般消費者の外食への依存が多いといった特徴があり、飲食店側とし ては、迅速に大量の調理へ対応するような一次加工品(フィレ等)を好むことも多い。

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③ 魚種別・各国の施策(1)【マグロ類】 【生産流通等の概況】 マグロ類は、県内の漁獲生産量のおよそ半分を占める主要魚種であり、延縄漁業、パヤオ漁 業(ひき縄、一本釣り等)で生産されている。2016 年の生産量は、9,965tで、最近 5 カ年平 均では、約 9,300t(海面漁業生産統計調査)で概ね 9,000t程度の水準となっている。全国の 生産量の 5%程度の水準を占めている。 表 4-8 沖縄県マグロ類生産量の推移 資料:海面漁業生産統計調査 本県のマグロ類は、冷凍をしないで水揚げする「生鮮マグロ」の状態で流通されること、ク ロマグロ、メバチ、キハダ、ビンチョウの主要 4 種類が年間通じて漁獲され消費できること等 の点が大きな特徴となっている。 図 4-4 マグロ類生産量の内訳(5 ヵ年平均)

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104 「持続的な漁業生産額拡大のためのマーケティング支援事業」(沖縄県水産課)における消費 地調査によれば、マグロ類は、国内では一般消費者に好まれ、大きな消費量を有する一方、輸 入品、養殖魚等、全国的には競合の厳しい品目であること、沖縄県において中心的に漁獲され る「キハダ」「メバチ」より、「クロマグロ」への評価が高く、産地というよりは「脂ののり」 が評価され、沖縄県産品の「生鮮」という強みだけでは評価され難い商材ということ等から、 国内市場において一定の位置づけを得るのは難しいとされた。 また、プロモーションの基本的な考え方としては、2012 年より生産者、流通関係者が連携し 取り組まれている、「『沖縄』美ら海まぐろ」のブランディングをはじめ、「生鮮」の良さを訴求 できる県内市場において、主に、沖縄県民及び県外からの観光客をターゲットとし、酢味噌の 利用などによる「沖縄らしい食べ方」や新たなメニュー提案と合わせた「沖縄県産生鮮マグロ」 としての位置づけを確立し、一層の認知度の向上を図る必要があるとされた。 【海外マーケティングの基本的な考え方】 輸出については、刺身商材の分野ではサーモンが主流であること、小さなマグロ消費市場の 中においても、既に日本国内同様、卸売業者等を通じて高単価の「クロマグロ」が世界各地か ら供給されており、国内における以上に市場で地位を確立するのが難しいと考えられる。 こうしたことから、観光客等を含めた県内市場における消費拡大や認知度向上を中心的な取 り組みとしつつ、輸出促進に向けた戦略としては、日本食飲食店をターゲットと捉え、上図の ように、周年供給が可能で「鮮度」を示しやすい、「ビンチョウ」「メバチ」「キハダ」を対象品 目として、「沖縄らしさ」や「青い海、健康」のポジティブなイメージを発信するための飲食店 向けセミナー、輸出国先にあったメニュー開発、メニューフェア等プロモーション実施により、 「沖縄県産生鮮マグロ」や「沖縄県産高級魚」としての位置づけを確保し、一般消費者、飲食 店仕入れ担当者に対する認知度の向上を図る必要がある。 【上海】 ○消費特性 寿司ネタとして、マグロ類はサーモンと競合する。脂への強い嗜好があり、本県産マグロ 類にとっては不利な条件。 ○他産地との競合状況等 特に、長崎県からの輸入が主流であり、冷凍品だけでなく、生鮮品も養殖クロマグロが販 売されている。ただし、長崎県産品は価格が高く、取り扱える店舗が限られているといわれ ている。「メバチ」「ビンチョウ」といった本県産マグロ類でメニュー提案や有利な価格条件 を提示できれば、市場確保の可能性があると考えられる。 ○ターゲット 日本食飲食店、高単価の小売店 ○市場拡大施策 ・観光誘客施策との連携も含む、「沖縄県産」のイメージの普及と差別化。 ・「高鮮度」・「高品質」を武器にした、メバチ・ビンチョウによるメニュー提案と飲食店キ ャンペーンの実施。 ・増加する日本食飲食店向け「高鮮度」・「高品質」沖縄県産マグロセミナーの開催。

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【香港】 ○消費特性 鮮魚より活魚に価値が置かれることから、鮮魚においても、品質保証と高鮮度を訴求する 必要がある。 寿司ネタとしてマグロ類はサーモンと競合する。脂への強い嗜好があり、本県産マグロ類 にとっては、不利な条件。 ○他産地との競合状況等 築地、福岡市場を中心に発注日翌日配送が標準的な流通となっている。飲食店の仕入れ担 当者が日本産の水産物の輸入や品ぞろえで困ることはないとされている。 特に地理的に近く、航空便の本数の多い福岡との競合は厳しく、配送時間や高鮮度等近接 性を活かせる包材、輸送システム等が必要である。 ○ターゲット 高単価帯の日本食飲食店 ○市場拡大施策 ・観光誘客施策との連携も含む、「沖縄県産」のイメージの普及と差別化。 ・増加する日本食飲食店向け「高鮮度」・「高品質」沖縄県産マグロセミナーの開催。 【シンガポール】 ○消費特性 寿司ネタとしてマグロ類はサーモンと競合する。脂への強い嗜好があり、本県産マグロ類 にとっては、不利な条件。 本県からの輸出の取り組みが継続しており、「沖縄県産マグロ」の取扱店舗もみられ、一定 の立場を得つつあるところといえる。店舗間の競合も厳しいことから、生産地側の食べ方提 案等店側の差別化に資する提案は受け入れやすい。 ○他産地との競合状況等 地理的な条件から、水産物は全般的に日本以外からの輸入も多い。クロマグロではインド ネシアからの輸入も多い。 ○ターゲット 高単価帯の日本食飲食店 ○市場拡大施策 ・飲食店と連携した集客キャンペーンによる「沖縄県産」のイメージの普及と差別化。 ・近年の健康志向に対応した、高鮮度・高品質・赤身のうま味を活かしたメニュー提案と

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106 ④ 国別・魚種の施策(2)【マチ類】 【生産流通等の概況】 今回サンプルとして使用したアオダイ(シチューマチ)は、近年は、200t(沖縄県)程度の 生産量の水準で推移し、資源回復計画の対象種となっている。また、アオダイは、主に一本釣 り漁法等で漁獲される。他の漁法に比べ、技術や経験を必要とすることもあり、若い漁業者が 少なく、担い手の高齢化が進んでいる。 「持続的な漁業生産額拡大のためのマーケティング支援事業」(沖縄県水産課)における消費 地調査において、アオダイを含むマチ類は優れた身質、食味から東京など中央市場でも高い評 価を得ている品目であるが、出荷量が限られ、沖縄県産として一定の地位を築くことは難しい 状況であること、主に出荷先となる県内飲食店、ホテルでは県産高級魚として一定の認知度が あるが、仕入れが安定しない、単価が高いなどの理由で食材としての利用が進んでいないこと が明らかとなった。 また、プロモーションの基本的な考え方としては、広域資源管理の対象魚種でもあり、生産 量が限られることから、主に県内の客単価の高い飲食店、ホテル等を中心に、海外も含めた観 光客をターゲットとするメニューフェアなどのプロモーション実施により、「沖縄県産高級魚」 としての位置づけを確保し、一般消費者における認知度の向上を図る必要がある。 【海外マーケティングの基本的な考え方】 輸出については、アジア諸国で消費の多い「白身魚」ということもあり、日本食の分野のみ ならず、中華系等幅広い分野への供給が可能な品目である。 資源管理に配慮し、限られた生産量を補うため、ヤイトハタ、スジアラ等本県の他の高級品 目と合わせた「沖縄県産高級魚」としての取り組みとして、「沖縄らしさ」や「青い海、健康」 のポジティブなイメージを発信する飲食店向けセミナー、輸出国先にあったメニュー開発、メ ニューフェア等プロモーション実施により、一般消費者、飲食店仕入れ担当者に対する認知度 の向上を図る必要がある。 【上海】 ○消費特性 「白身魚」を好むため、日本食向け以外にも中華系への食材供給が可能と考えられる。た だし、「活魚」への嗜好が高いこと、地元の水産物流通へ日本産の水産物を提供するルートが 限られること等販路を確保するには難しい条件となっている。 日本食は普及していることから、生産地側の食べ方提案等店側の差別化に資する提案は受 け入れやすい。 ○他産地との競合状況等 日本産の水産物は、特に、長崎県からの輸入が主流となっている。ただし、長崎県産品は 価格が高く、取り扱える店舗が限られているといわれている。 また、「白身魚」は中国国内でも生産され「活魚」で流通されており、「沖縄らしさ」を表 現できるような、メニュー提案等を行っていく必要がある。

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○ターゲット 高単価帯の日本食飲食店及び中華料理店 ○市場拡大施策 ・観光誘客施策との連携も含む、「沖縄県産」のイメージの普及と差別化。 ・増加する日本食飲食店及び中華料理店向け「高鮮度」・「高品質」沖縄県産高級魚セミナ ーの開催。 【香港】 ○消費特性 「白身魚」を好むため、日本食向け以外にも中華系への食材供給が可能と考えられる。た だし、「活魚」への嗜好が高いことから、鮮魚においても品質保証と高鮮度を訴求する必要が ある。 日本食は普及していることから、生産地側の食べ方提案等店側の差別化に資する提案は受 け入れやすい。 ○他産地との競合状況等 築地、福岡市場を中心に発注日翌日配送が標準的な流通となっているため、飲食店の仕入 れ担当者が、日本産の水産物の輸入や品ぞろえで困ることはないとされている。 特に地理的に近く航空便の本数の多い福岡との競合は厳しく、配送時間や高鮮度等近接性 を活かせる包材、輸送システム等が必要である。 ○ターゲット 高単価帯の日本食飲食店及び中華料理店 ○市場拡大施策 ・距離的な近さ、生物的な特性を活かした、活魚輸送(船舶輸送あるいは、水なし輸送等) 方法の確立。 ・観光誘客施策との連携も含む、「沖縄県産」のイメージの普及と差別化。 ・増加する日本食飲食店及び中華料理店向け「高鮮度」・「高品質」沖縄県産高級魚セミナ ーの開催。 【シンガポール】 ○消費特性 国際的な会合が多い、一般消費者の外食への依存が多いといった特徴があり、飲食店側と しては、迅速に大量の調理へ対応するような一次加工品(フィレ等)を好むことも多い。

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108 輸入も多く、価格も安い。 ○ターゲット 高単価帯の日本食飲食店及び中華料理店 ○市場拡大施策 ・近年の継続的な本県の水産物の輸出による飲食店側の知名度を活かした集客キャンペー ンの実施。 ・一般消費者への認知度向上を目指し、「青い海、健康」のポジティブなイメージを伝える、 料理教室、メディア活用等によるプロモーションの展開。 ⑤ 国別・魚種の施策(3)【クルマエビ】 【生産流通等の概況】 本県産のクルマエビは全量養殖によるものであり、平成 28 年の生産量は、504tで、最近 5 カ年平均では約 500t程度(漁業・養殖業生産統計)の水準となっている。全国の養殖生産量 の約3 割を占め、全国でも有数の養殖生産地となっている。 クルマエビ養殖は昭和 46 年頃から始まり、配合飼料の開発、沖縄独自の生産技術の確立、海 洋深層水を活用した健全で安定した種苗の周年供給体制の確立等により、全国的な地位を築い てきたが、現在経営者の世代交代が進んでおり、県内における積極的なプロモーションへの取 り組み、急速凍結機の導入による冷凍品としての新たな商品開発への取り組み等積極的な展開 を図っているところである。 表 4-10 沖縄県クルマエビ(養殖)生産量の推移 資料:漁業・養殖業生産統計 なお、本県及び主要な産地におけるクルマエビ養殖の出荷シーズンは、下表の通りである。 クルマエビは山口県や愛知県における天然物があり、これらは夏場に出荷されている。 県産クルマエビの輸出にあたっては、活を出荷できない時期を冷凍品で補うことで出荷を安 定させることや、予め相手先に大きな相場変動による価格変更に関する理解を得られるように 情報提供を行うといった点への配慮が求められる。 表 4-11 養殖クルマエビの生産年間スケジュール 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 沖縄県 鹿児島県 熊本県 山口県 資 料:養 殖業者 HP等 より作成 出荷時期

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「持続的な漁業生産額拡大のためのマーケティング支援事業」(沖縄県水産課)における消費 地調査によれば、クルマエビは和食のなかでも天ぷら、寿司の高級店で使用されている品目で あるが、「活き」を重視し、「産地名」が消費者まで届かない(複数産地のものを仕入れ、「活き」 で目利きして出荷する)という流通の特性上、一般消費者における沖縄県産の知名度が低いこ と、流通業者との意見交換では主要な顧客である高級寿司店、高級天ぷら店などで消費が伸び ていないことも判明し、沖縄県産の認知度の向上だけでなく、クルマエビの消費市場の確保も 大きな課題とされた。 また、プロモーションの基本的な考え方としては、クルマエビ祭り、飲食店フェア等、これ までの取り組みの継続や養殖場の立地する地区における給食への食材提供といった地産地消へ の取り組みを進めていくことで、観光客を含む県内市場の確保や沖縄県民の認知度の向上を図 っていくこと、高級和食を切り口に、TV や雑誌など全国的な主要メディアを活用し、広範に消 費意欲を刺激していくことが必要とされている。 【海外マーケティングの基本的な考え方】 輸出については、エビ類はアジア諸国で消費が多く、中華食材への供給も考えられるものの、 生産国も多く、安い価格で出荷されていることもあり、クルマエビは、主に「和食」に利用さ れる高級商材としての位置づけを考えていく必要がある。 ただし、アジア諸国で流通している他のエビ類と異なり、生食可能で「活」出荷できるとい う点から、高級中華等への活用も可能と考えられる。 日本有数の産地として、世界的な「和食」の普及を支えるとともに、「沖縄らしさ」や「青い 海、健康」のポジティブなイメージを発信する料理教室、メディア活用等による一般消費者向 けのプロモーションや飲食店向けセミナー等プロモーション実施により、一般消費者、飲食店 仕入れ担当者に対する「沖縄県産」としての認知度の向上を図る必要がある。 【上海】 中国に対しては、現在、我が国からの活魚出荷の実績が乏しいこと、上海における我が国か らの「活魚」の配送体制が未整備といったことから、「活魚」出荷が主流であるクルマエビにつ いては、当面取り組みは難しいと考えられる。 【香港】 ○消費特性 エビ類の消費が多く、かつ「活魚」への強い嗜好のあることから、「活」出荷の可能なクル

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110 産クルマエビも多く出回っている状況である。なお、競合産地である熊本県からは、輸送時 間の関係で「活」出荷ができないとのことであった。 ○ターゲット 高単価帯の日本食飲食店、ホテル ○市場拡大施策 ・観光誘客施策との連携も含む、「沖縄県産」のイメージの普及と差別化。 ・ホテル等宴会やランチ等で大量に利用する業務筋向け冷凍クルマエビセミナーの開催。 ・増加する日本食飲食店及び中華料理店向け「高鮮度」・「高品質」沖縄県産高級魚セミナ ーの開催。 【シンガポール】 ○消費特性 エビ類の消費が多く、かつ「活魚」への強い嗜好のあることから、「活」出荷の可能なクル マエビは、日本食向け以外にも中華系への食材供給が可能と考えられる。ただし、安いエビ 類も多く供給されており、生食ができること、養殖環境が良好であること、品質保証等とい った点を訴求する必要がある。 本県からの輸出の取り組みが継続しており、「沖縄県産」の取扱店舗もみられ、一定の位置 づけを得つつあるところといえる。 ○他産地との競合状況等 地理的な条件から、水産物は全般的にインドネシアやマレーシアといった日本以外からの 輸入も多く、価格も安い。 ○ターゲット 高単価帯の日本食飲食店及び中華料理店 ○市場拡大施策 ・近年の継続的な本県の水産物の輸出による飲食店側の知名度を活かした集客キャンペー ンの実施。 ・ホテル等宴会やランチ等で大量に利用する業務筋向け冷凍クルマエビセミナーの開催。 ・一般消費者への認知度向上を目指し、「青い海、健康」のポジティブなイメージを伝える、 料理教室、メディア活用等によるプロモーションの展開。

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⑥ 国別・魚種の施策(4)【冷凍魚】 現在、多くの県内生産地で補助金等を活用した急速凍結機の導入が図られ、一次加工と組み合 わせて、漁獲変動を平準化する取り組みが試みられている。 アジア諸国では、「活魚」への嗜好が高いが、飲食店ではランチ等低価格帯のメニューにおける 冷凍食材提供へのニーズがあるといわれている。 日本食の普及に合わせて、こうした新たな市場を開拓していくことが必要である。 ○ターゲット 高単価帯の日本食飲食店(ランチ中心) ○市場拡大施策 ・近年の継続的な本県の水産物の輸出による飲食店側の知名度を活かした集客キャンペーンの 実施。 ・ホテル等宴会やランチ等で大量に利用する業務筋向け冷凍水産物セミナーの開催。なお、冷 凍品の活用方法に加え、シェフ等へ「適切な解凍方法」を伝える必要がある。

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表 4-1  調査対象レストラン

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