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鉄筋コンクリートを用いた

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Academic year: 2022

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(1)

鉄筋コンクリートを用いた TRU 廃棄物処分廃棄体の開発 ( 5 )

−高透気性充填モルタルの開発−

原子力環境整備促進・資金管理センター     大和田 仁  三菱重工業 正会員○伊藤 貴司,正会員 大川 賢紀,正会員 近藤 誠,松原 龍一  太平洋コンサルタント    小川 秀夫 

1.はじめに 

  再処理施設やMOX燃料加工施設から発生する超ウラン(TRU)核種を含む放射性廃棄物のうち地下埋設処分 が適切と考えられる廃棄物は,安定な地層中に処分する方針[1]のもとに検討が行われている。この際,廃棄物はドラ ム缶等に充填後,コンクリート製あるいは金属製の容器に封入し地下へ埋設処分することが考えられており,原子力 環境整備促進・資金管理センターでは,これらの容器の開発を実施中である。本稿では,鉄筋コンクリートを用いた 廃棄体/廃棄体(1)の充填材として用いる高透気性モルタルの開発の結果について報告する。 

 

2.高透気性モルタルの開発    (1) 目的 

高透気性充填モルタルを用いる廃棄体については,

H13 年度までに基本設計を実施した[2,3]。残された主要 な課題として,埋戻し後に地下水で飽和した環境におい ても廃棄体内で発生したガスによる過度な内圧上昇を抑 制し,廃棄体に対する重大な損傷の発生を防止するガス ベントシステムの構築があり,このシステムを成立させるた めに必要となる,水で飽和した状態でも高い透気性を有 するモルタルの開発を実施している。これまでに,気泡容 積 500l/m3程度の気泡モルタルが,高透気性の充填モル タルとして有望であること,その透気性をテストピースレベ

ルで解析評価可能なことを報告した[4,5]。本報告では実機廃棄体製作時に必要な気泡 モルタルの主要物性のばらつき低減のための品質管理手法の確立,硬化時発熱への対 応,およびガス影響解析評価手法の廃棄体レベルへの拡張を目的として検討した。 

地下水の浸入

腐食ガス発生/透過

廃棄物 (ドラム缶等)

充填モルタル (飽和状態)

コンクリート

図-1 本廃棄体のガスベントシステム 表-1 H14 年度の代表配合 

軽骨 高性能

軽骨 軽骨 合計 /セメント /セメント 減水剤

骨材 骨材 重量比 重量% C×%

198 高炉 130 500 172 1000 198 395 18 198 808 0.5 50.0 0.8

単位容積量(L/m3 単位重量(kg/m3 セメント

気泡 合計 セメント 気泡

中 

下  上 

強 度 の 差 が大きい  中部  2.44N/mm2 下部  4.54N/mm2 20cm 沈下 

 

(2) 実機品質の管理手法確立 

 本モルタルは,多量の気泡(500l/m3程度)を含むため,気泡の上昇などの要因によって,

上部に比べ下部の密度が大きくなり,上下方向のばらつきを生じる可能性がある。そこで,

直径 15cm,高さ 1m の縦長供試体を作成し,上下方向の主要物性のばらつきの程度を確 認した。ばらつきの程度確認には,前報で報告した代表配合を用いた(表-1)。その結果,

激しい分離が認められ,上面が約 20cm 沈下した。密度,強度のばらつきも大きく,分離低 減対策が必要であることが判明した。 

図-2 分離状況

 上下方向の品質のばらつきを抑える方策として,①練り混ぜ時の気泡量の管理を徹底し,気泡量の変動を抑制す る。②分離し難い最適な粘性,流動性に調整する。2 点を検討した。①については,投入する気泡量をフレッシュ密 度により管理した。具体的には,フレッシュ密度の計画値と実測値の差が許容範囲内となるよう管理した。管理値は,

既往技術を調査し設定した。この密度管理及び②の調整により,以後沈下は発生しなかった。②の粘性及び流動性 の調整は,粘性については軽量骨材量(軽量骨材/セメント比:0.0,0.2,0.5)、流動性についてはフローを高性能 AE 減水剤剤量によって調整(150±20mm,180±20mm,230±20mm)し,上中下部での密度,強度のばらつきの程度を

土木学会第59回年次学術講演会(平成16年9月)

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1.E‑09 1.E‑08 1.E‑07 1.E‑06 1.E‑05 1.E‑04

200 300 400 500 600 700 800 気泡容積(L/m3)

(cm/sec)

確認したが,フローを 150±20mm としたときに自己充填性の不足により 明確なばらつきが確認された以外は,明確な差は認められなかった。但 し,あらかじめ吸水させた軽量骨材の量が多くなると圧縮強度の低下が 顕著であった。また,吸水させない軽量骨材を用いると沈下の恐れがあ るため,軽量骨材の適用は見送ることとした。以上より,気泡容積 500l/m3, 骨材なし,フロー180±20mm にて飽和時の透気係数を計測したところ,

安定した結果が得られなかった。気泡容積 500l/m3は,透気性能が急激 に向上するしきい値と考えられ,気泡量の変動が透気性能に大きく影響 している可能性が示唆された。また,高さ 1m では飽和時透気性に 1 オー ダ程度のばらつきが観察された。 

H14(フレッシュ時の実測気泡量で整理)

目標値

H15(下部:供試体1)

H14(計画気泡 量で整理) 

H15(上部:供試体2)

H15(中部:供試体2) 

H15(下部:供試体2)

図-3 気泡容積と透気係数の関係 

0 20 40

0 20 40 60 80 100 120 時間(H)

60 80 100

温度

許容値 (80℃) 最大値(57.8℃)

16.5H経過時

 

(3) 硬化時発熱に対する適用性評価 

 骨材を適用しない,セメント量の多い配合であることから,硬化時の 発熱特性評価を実施した。本モルタル(ペースト)の熱的データ取得なら びに断熱温度上昇試験を実施し,非定常熱伝導逆解析により発熱モデル を定式化した。定式化の妥当性は,実機廃棄体の一部分を切り出したモ デルの実験値と,実験を模擬した非定常熱伝導解析結果との比較により 確認した。定式化した発熱モデルにより,実機の熱解析を実施し,最高 温度はモルタル中心部で 57.8℃(初期温度 20℃)であり,設計上の温 度許容値 80℃以下であることを確認した。また,最高温度時の温度 分布により,熱応力解析を実施した。発生する最大引張応力は容器 上部の隅角部で 3.95N/mm2(材料引張強度:4.96N/mm2)の局部的なも のであり,打設回数の複数化や,隅角部にハンチを設ける等の細部 の設計対処で緩和可能な範囲であることを確認した。 

図-4 最高温度位置の温度履歴

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0

0.0E+00 1.0E-06 2.0E-06 3.0E-06 4.0E-06 ガス発生流量 Q (kg/s)

最大発生圧力 (MPa)

ガス発生量:2.688×10‑7kg/s

 

(4) ガス影響評価  図-5 ガス発生量と最大発生圧力の関係

 前報において適用性を確認した 1 次元のテストピースモデルを 2

次元の実機廃棄体レベルに拡張し,ガス移行挙動の解析評価を実施した。絶対浸透率の上下方向の分布を考 慮し,廃棄体レベルで評価可能な 2 次元モデルを構築した。構築した 2 次元モデルにより,ガス源の位置,

個数,ガス発生量,透気係数,ベント幅,ベント長さがガス移行特性に与える影響を把握した。また,透気 性確認試験により取得した透気データに基づき,容器に発生する内圧評価を実施した。図‑5 にガス発生量を パラメータとしたときの最大発生圧力を示す。本結果により,ガス発生量が大きいほど最大発生圧力は大き くなることが確認できた。また,既往の研究で予測されているガスの発生速度より 2 オーダ程度大きい流量

(2.688×10‑7kg/s)でも,最大発生圧力は 0.14MPa であるため,本検討で対象とした高透気性モルタル(平 均透気係数 1.06×10‑7cm/s)を対象とした場合には実際に想定される流量で許容値 0.3MPa をクリアできるも のと考えられる。なお,本報告は経済産業省からの委託による「地層処分技術調査等」の成果の一部である。

参考文献

[1]核燃料サイクル開発機構/電気事業連合会:TRU廃棄物処分概念検討書JNC TY1400 2000-001/TRU TR-2001-01, (2000)

[2]第57回年次学術講演会CS10-055「鉄筋コンクリートを用いた TRU 廃棄物処分廃棄体」(2002)

[3]原子力環境整備促進・資金管理センター,平成13年度放射性廃棄物処理システム開発調査報告書(第3分

冊)廃棄体の開発調査,(2002)

[4]第58回年次学術講演会CS7-003「鉄筋コンクリートを用いた TRU 廃棄物処分廃棄体の開発(その 2)」(2003)  [5]原子力環境整備促進・資金管理センター,平成 14 年度 TRU 廃棄物処分技術調査廃棄体開発調査報告 書,(2003)

土木学会第59回年次学術講演会(平成16年9月)

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