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著者 久野 耕嗣

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Academic year: 2022

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パン酵母(Saccharomyces cerevisiae)の自律複製領 域ARA1と相互作用するタンパク質因子に関する研究

著者 久野 耕嗣

著者別表示 Kuno Koji

雑誌名 博士学位論文要旨 論文内容の要旨および論文審査

結果の要旨/金沢大学大学院医学研究科

巻 平成2年7月

ページ 13

発行年 1990‑07‑01

URL http://hdl.handle.net/2297/14764

(2)

学位授与番号 学位授与年月日 氏名 学位論文題目

医博甲第918号 平成元年9月30日 久野耕嗣

パン酵母(Saccharomycescerevisiae)の自律複製領域 ARS1と相互作用するタンパク質因子に関する研究

論文審査委員主査 副査

滋夫二

文龍久野

原田 福田

内容の要旨および審査の結果の要旨

下等真核生物であるパン酵母のDNA複製は,他の真核生物と同様に,染色体DNA上の多数の起点 から始まり,その数は1倍体細胞当たり約150個である。これらの複製開始点は自律複製起点

(autonomouslyreplicatingsequence,ARS)と呼ばれる。このARSを持つプラスミドはパン 酵母細胞内で自律的に複製されるが,その機構の詳細はまだ不明である。著者はこの複製開始機

構を明らかにする目的で,パン酵母第4染色体上にあるARSl領域と相互作用するタンパク質因子

について検討した。ARSl領域を含む97bpのDNA断片(K49)をプロープとして,これと特異的に結

合するタンパク質因子をゲルシフト法で調べた。ペン酵母の核抽出液をクロマトグラフィーで部 分的に精製した画分を用いると,K49プローブと結合したバンドが3~4個検出された。この結

合はpBR322等のDNAで競合されず特異的なものであったが,意外なことにK49DNAを熱変成して

一本鎖DNAにすると,この結合活性は著しく増強された。このK49-本鎖DNAとの結合も特異的で,

且ARS一般に共通として見られる約10ヌクレオチドのコンセンサス配列を含む30ヌクレオチドの e鎖(c6)によって強い競合を受けた。更にc6DNAをプローブとして用いると,このプローブ と結合したバンドが2本検出される。この結合はC6DNAと塩基配列上類似性のない種々のオリ ゴヌクレオチドによって全く競合を受けなかった。しかしながら上記の2本のバンドが異なった タンパク質因子によるものか否かの同定は出来なかった。

以上の結果から,ARs1のコンセンサス配列を含むe鎖に特異的に結合するタンパク質因子が 存在すると結論された。従来からARSのコンセンサス配列は,ARSを含むプラスミドの複製に必須 と信ぜられていたが,この領域に特異的に結合するタンパク質因子として初めての報告である。

著者は更にK49の①鎖にも結合するタンパク質因子の可能性を考え,該当する部の36塩基の オリゴヌクレオチドに5)を合成し,プローブとして用いた所,このC5と特異的に結合するタン パク質因子の存在も証明できた。

以上の研究は酵母におけるDNA複製の開始に一本鎖DNAに特異的に結合するタンパク性因子の関 与を強く示唆するもので真核生物の染色体複製の機構の解明に重要な知見を与えるものと評価さ れた。

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