(1)Ⅲ
【1】
【2】
【3】
【4】
【5】
【6】
【7】
【8】
疑義照会に関するヒヤリ・ハット
はじめに
薬剤師は、患者から処方せんを応需した際、処方内容を監査し、処方内容に疑問がある場合は、医
師に疑義照会し疑問を解消してから適切に調剤、交付を行う。具体的な疑義内容として、用法用量、
併用薬、副作用歴、禁忌投与、重複投与などが挙げられる。
本事業では、疑義照会の事例についても報告の対象としており、薬局でエラーを発見し、疑義照会
により処方内容を修正することの重要性を、講演会等を通じて特に情報発信してきた。
疑義照会は医薬品の適正使用において薬剤師の担う重要な業務であり、また、事例が継続的かつ増
加傾向に報告されていることから、総合評価部会において、本年報のテーマとして、再び疑義照会に
関するヒヤリ・ハットを取り上げることとした。薬局で発見された疑義照会の事例、及び疑義照会は
していないが処方内容を確認した事例を集計、分析することは、薬局においても有用であるとともに、
処方せんを作成している医療機関においても有用な情報を提供することが出来ると考えられる。
平成21年年報から平成23年年報では、「薬剤変更」「分量変更」「薬剤削除」について集計、分
析した。そこで本年報では、これまでに分析してない変更内容である「用法変更」「用量変更」につ
いて分析、集計を行った。なお「用法変更」「用量変更」は日本薬剤師会「平成22年度薬剤服用歴の
活用、疑義照会実態調査報告書」
1)
において、疑義照会の内容として上位にランキングされている。
また、疑義照会を行った事例が、本年も多く報告される一方で、処方内容に誤りがあったが、疑義
照会されることなく、交付された事例が継続的に報告されている。疑義照会はしていないが処方内容
を確認した事例についても集計、分析した。
【4】
疑義照会に関するヒヤリ・ハット
(2)Ⅲ
【1】
【2】
【3】
【4】
【5】
【6】
【7】
【8】
疑義照会に関するヒヤリ・ハット
Ⅰ 疑義照会に関する分析
1)疑義照会の事例全体に関する分析
(1)報告件数
平成24年1月1日から同年12月31日までに報告されたヒヤリ・ハット事例のうち、事例の概要に
ついて「疑義照会」が選択されていた事例は、730件あり、それらを疑義照会に関する事例、また
は疑義照会の事例とした。「疑義照会」の事例は、ヒヤリ・ハット全体の10.
2%であり、平成23
年年報の7.
4%から増加していた。
図表4―Ⅰ―1 報告件数
(2)疑義があると判断した理由
薬剤師が処方に関して疑義を抱く過程では、処方せんを見て記載の誤りに気付く場合や、前回の
処方記録と照合して誤りに気付く場合、薬剤服用歴(薬歴)の情報や、患者へのインタビューの中
で得られた情報により処方せんの誤りに気付く場合などがある。そこで、疑義照会の事例について、
疑義があると判断した理由、及び変更内容について分析した。
図表4―Ⅰ―2 疑義があると判断した理由
疑義照会の事例のうち、「疑義があると判断した理由」として、「当該処方せんと薬局で管理して
いる情報で判断」を選択した事例が52.
2%(381/730件)、「上記以外で判断」を選択した事例が
20.
7%(151/730件)あり、合計で72.
9%(532/730件)であった。「当該処方せんと薬局で管理
している情報で判断」の割合は、平成22年年報では29.
6%、平成23年年報では45.
9%であり、
平成24年の集計でも引き続きその割合は増加していた。
報告件数
平成24年 平成23年 平成22年
ヒヤリ・ハット事例 7,166(100.0%) 8,082(100.0%) 12,904(100.0%)
疑義照会の事例 730 (10.2%) 601 (7.4%) 656 (5.1%)
疑義があると判断した理由 疑義照会の事例の報告件数
平成24年 平成23年 平成22年
当該処方せんのみで判断 198(27.1%) 197(32.8%) 304(46.3%)
当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 381(52.2%) 276(45.9%) 194(29.6%)
上記以外で判断 151(20.7%) 128(21.3%) 158(24.1%)
合 計 730(100.0%) 601(100.0%) 656(100.0%)
※ 割合については、小数点第2位を四捨五入したものであり、合計が100.0にならないことがある。
(3)Ⅲ
【1】
【2】
【3】
【4】
【5】
【6】
【7】
【8】
疑義照会に関するヒヤリ・ハット
(3)疑義照会による処方変更内容
(ⅰ)疑義照会の「変更内容」と「疑義があると判断した理由」
疑義照会の結果、エラーが発見され、修正された場合は、エラーの種類によって、薬剤が削除、
変更されたり、処方の用法や用量が変更されたりすることとなる。このように様々な種類や性質
の変更が生じうる。それらのエラーの種類に応じて、発生状況を詳細に分析することには意義が
あると考えられることから、疑義照会による変更内容を集計、分析した。
図表4―Ⅰ―3 疑義照会による処方変更内容
疑義照会の結果行われた変更内容の結果を集計すると、「薬剤変更」を選択した事例が35.
5%
(259/730件)と最も多かった。平成22年、平成23年年報においても「薬剤変更」が最も多
く、平成24年も同様の結果であった。次いで「薬剤削除」を選択した事例が32.
3%(236/730
件)であり、平成22年年報以降、報告件数は増加傾向であった。一方「その他」を選択した事
例は4.
5%(33/730件)と減少していた。具体的な内容は疑義照会をしたことによる薬剤の追加
などであった。
(ⅱ)「変更内容」と「疑義があると判断した理由」
「変更内容」と「疑義があると判断した理由」を集計、分析した。
図表4―Ⅰ―4 「変更内容」と「疑義があると判断した理由」別に見た報告件数
変更内容 疑義照会の事例の報告件数
平成24年 平成23年 平成22年
薬 剤 変 更 259 (35.5%) 182 (30.3%) 179 (27.3%)
用 法 変 更 67 (9.2%) 50 (8.3%) 78 (11.9%)
用 量 変 更 33 (4.5%) 33 (5.5%) 74 (11.3%)
分 量 変 更 102 (14.0%) 72 (12.0%) 104 (15.9%)
薬 剤 削 除 236 (32.3%) 127 (21.1%) 96 (14.6%)
そ の 他 33 (4.5%) 137 (22.8%) 125 (19.1%)
合 計 730(100.0%) 601(100.0%) 656(100.0%)
※ 割合については、小数点第2位を四捨五入したものであり、合計が100.0にならないことがある。
変更内容
疑義があると
判断した理由
薬剤変更 用法変更
平成24年 平成23年 平成22年 平成24年 平成23年 平成22年
当該処方せんのみで判断 63 61 76 43 31 61
(4)Ⅲ
【1】
【2】
【3】
【4】
【5】
【6】
【7】
【8】
疑義照会に関するヒヤリ・ハット
○「薬剤変更」の事例
「当該処方せんと薬局で管理している情報で判断」、次いで「当該処方せんのみで判断」が多
く、疑義照会の事例全体の内訳と同じ傾向であった。「当該処方せんと薬局で管理している情
報で判断」の割合は平成22年年報以降、増加傾向であり、「当該処方せんのみで判断」の割
合は減少傾向であった。
○「用法変更」の事例
「当該処方せんのみで判断」が多く、疑義照会の事例全体の内訳と比較して多く、平成23
年年報と比較すると割合は同程度であった。
○「用量変更」の事例
「当該処方せんのみで判断」が多く、疑義照会の事例全体の内訳と比較して多く、平成23
年年報と比較すると割合は増えていた。
○「分量変更」の事例
「当該処方せんと薬局で管理している情報で判断」、次いで「当該処方せんのみで判断」が多
く、疑義照会の事例全体の内訳と同じ傾向であった。「当該処方せんと薬局で管理している情
報で判断」の割合は平成22年年報以降、増加傾向であり、「当該処方せんのみで判断」の割
合は減少傾向であった。
○「薬剤削除」の事例
「当該処方せんと薬局で管理している情報で判断」が多く、他の「変更内容」の「当該処方
せんと薬局で管理している情報で判断」の割合と比較しても最も多かった。平成23年年報と
比較すると割合は同程度であった。
変更内容
疑義があると
判断した理由
用量変更 分量変更
平成24年 平成23年 平成22年 平成24年 平成23年 平成22年
当該処方せんのみで判断
(48.16
5%) (39.13
4%) (47.35
3%) (38.39
2%) (50.36
0%) (61.64
5%)
当該処方せんと薬局で管理している情
報で判断 (21.72%) (24.82%) (14.119%) (51.520%) (38.289%) (29.318%)
上記以外で判断
(30.10
3%) (36.12
4%) (37.28
8%) (10.11
8%) (11.8
1%) (8.9
7%)
合 計
(100.33
0%)(100.33
0%)(100.74
0%)(100.102
0%)(100.72
0%)(100.104
0%)
変更内容
疑義があると
判断した理由
薬剤削除 そ の 他
平成24年 平成23年 平成22年 平成24年 平成23年 平成22年
当該処方せんのみで判断
(11.28
9%) (7.10
9%) (28.27
1%) (27.9
3%) (33.46
6%) (32.41
8%)
当該処方せんと薬局で管理している情
報で判断 (60.1422%) (67.867%) (43.428%) (51.175%) (39.544%) (30.384%)
上記以外で判断
(28.66
0%) (24.31
4%) (28.27
1%) (21.7
2%) (27.37
0%) (36.46
8%)
合 計
(100.236
0%)(100.127
0%)(100.96
0%)(100.33
0%)(100.137
0%)(100.125
0%)
※ 割合については、小数点第2位を四捨五入したものであり、合計が100.0にならないことがある。
(5)Ⅲ
【1】
【2】
【3】
【4】
【5】
【6】
【7】
【8】
疑義照会に関するヒヤリ・ハット
2)疑義照会の結果「用法変更」となった事例に関する分析
平成21年年報から平成23年年報では、「薬剤変更」「分量変更」「薬剤削除」について集計、分
析した。そこで本分析では「用法変更」「用量変更」について分析、集計を行った。「用量変更」の分
析については後述する。
(1)用法変更の事例の報告件数
図表4-Ⅰ―3に示したように、平成24年の用法変更の事例は67件であり、疑義照会の事例中の
9.
2%であった。
(2)用法変更の事例で報告された、処方された医薬品の薬効及び疑義があると判断した理由
疑義照会により用法が変更される事例では、誤った用法で医師が処方した事例や、薬局で新たに
判明した事実が疑義照会によって医師に伝えられることによって用法を変更する根拠が得られた事
例がある。このような事例の中で処方されている医薬品の薬効や、疑義を抱いた理由となった情報
を分析するために、疑義の対象となった医薬品の販売名を入力する項目である「処方された医薬品」
の販売名からその薬効を調べて集計、分析した。
図表4―Ⅰ―5 用法変更の事例で報告された、処方された医薬品の名称・薬効等及び疑義がある
と判断した理由
(単位:回)
医薬品の名称及び薬効等
疑義があると判断した理由
合計
当該処方せん
のみで判断
当該処方せん
と薬局で管理
している情報
で判断
上記以外で
判断
①中枢神経系用薬 10
②催眠鎮静剤、抗不安剤 1
③ベンゾジアゼピン系製剤 1
ソラナックス0.4mg錠 1 0 0 1
②抗てんかん剤 2
③その他の抗てんかん剤 2
リボトリール錠0.5mg
(ハイリスク薬) 0 1 0 1
ラミクタール錠25mg
0 1 0 1
(6)Ⅲ
【1】
【2】
【3】
【4】
【5】
【6】
【7】
【8】
疑義照会に関するヒヤリ・ハット
医薬品の名称及び薬効等
疑義があると判断した理由
合計
当該処方せん
のみで判断
当該処方せん
と薬局で管理
している情報
で判断
上記以外で
判断
②抗パーキンソン剤 1
③その他の抗パーキンソン剤 1
レキップ錠1mg 0 1 0 1
②精神神経用剤 1
③その他の精神神経用剤 1
デパス錠0.5mg
(ハイリスク薬) 0 1 0 1
②総合感冒剤 2
ピーエイ配合錠 2 0 0 2
①末梢神経系用薬 1
②鎮けい剤 1
③アトロピン系製剤 1
ブスコパン錠10mg 1 0 0 1
①感覚器官用薬 3
②眼科用剤 1
③眼科用抗生物質製剤;オキシテトラサイクリン眼軟膏剤 1
ベストロン点眼用0.5% 1 0 0 1
②耳鼻科用剤 2
③その他の耳鼻科用剤 2
ナゾネックス点鼻液50μg56噴霧用 1 0 0 1
アラミスト点鼻液27.5μg56噴霧用 1 0 0 1
①循環器官用薬 13
②不整脈用剤 1
③β-遮断剤 1
アルマール錠5
(ハイリスク薬) 0 0 1 1
②利尿剤 2
③その他の利尿剤 2
ラシックス錠20mg 1 0 0 1
ラシックス錠40mg 0 0 1 1
②血圧降下剤 3
③その他の血圧降下剤 3
アーチスト錠2.5mg 0 1 0 1
イルベタン錠100mg 0 1 0 1
(7)Ⅲ
【1】
【2】
【3】
【4】
【5】
【6】
【7】
【8】
疑義照会に関するヒヤリ・ハット
医薬品の名称及び薬効等
疑義があると判断した理由
合計
当該処方せん
のみで判断
当該処方せん
と薬局で管理
している情報
で判断
上記以外で
判断
プレミネント配合錠 1 0 0 1
②血管拡張剤 4
③冠血管拡張剤 4
アダラートCR錠20mg 1 0 0 1
ノルバスク錠2.5mg 0 1 0 1
ノルバスク錠5mg 0 1 0 1
ミオコールスプレー0.3mg 1 0 0 1
②高脂血症用剤 1
③その他の高脂血症用剤 1
ローコール錠30mg 0 0 1 1
②その他の循環器官用薬 2
サアミオン錠5mg 0 0 1 1
ホスレノール顆粒分包250mg 1 0 0 1
①呼吸器官用薬 12
②鎮咳剤 2
③デキストロメトルファン製剤 1
メジコン錠15mg 1 0 0 1
③その他の鎮咳剤 1
フスタゾール糖衣錠10mg 1 0 0 1
②去たん剤 3
③システイン系製剤 2
C-チステン錠250mg 1 0 0 1
ムコダインシロップ5% 0 0 1 1
③その他の去たん剤 1
ソロムコ錠15mg 1 0 0 1
②鎮咳去たん剤 1
③その他の鎮咳去たん剤 1
アスベリンシロップ0.5% 0 0 1 1
(8)Ⅲ
【1】
【2】
【3】
【4】
【5】
【6】
【7】
【8】
疑義照会に関するヒヤリ・ハット
医薬品の名称及び薬効等
疑義があると判断した理由
合計
当該処方せん
のみで判断
当該処方せん
と薬局で管理
している情報
で判断
上記以外で
判断
①消化器官用薬 8
②止しゃ剤、整腸剤 1
③活性生菌製剤 1
ミヤBM細粒 0 0 1 1
②消化性潰瘍用剤 2
③その他の消化性潰瘍用剤 2
セルベックスカプセル50mg 0 0 1 1
ムコスタ錠100mg 0 1 0 1
②制酸剤 1
③無機塩製剤;炭酸水素ナトリウム等 1
マグミット錠250mg 0 0 1 1
②その他の消化器官用薬 4
③他に分類されない消化器官用薬 4
ペラプリン錠5mg 1 0 0 1
エリーテン錠5mg 1 0 0 1
プリンペランシロップ0.1% 0 1 0 1
ペリゼリン錠10mg 1 0 0 1
①ホルモン剤(抗ホルモン剤を含む。) 3
②甲状腺、副甲状腺ホルモン剤 1
③抗甲状腺ホルモン製剤 1
プロパジール錠50mg 1 0 0 1
②卵胞ホルモン及び黄体ホルモン剤 1
③その他の卵胞ホルモン及び黄体ホルモン剤 1
プレマリン錠0.625mg 0 0 1 1
②混合ホルモン剤 1
③卵胞ホルモン、黄体ホルモン混合製剤 1
プラノバール配合錠 0 0 1 1
①外皮用薬 4
②鎮痛、鎮痒、収斂、消炎剤 2
③その他の鎮痛、鎮痒、収斂、消炎剤 2
モーラステープL40mg 1 0 0 1
モーラスパップ60mg 1 0 0 1
(9)Ⅲ
【1】
【2】
【3】
【4】
【5】
【6】
【7】
【8】
疑義照会に関するヒヤリ・ハット
医薬品の名称及び薬効等
疑義があると判断した理由
合計
当該処方せん
のみで判断
当該処方せん
と薬局で管理
している情報
で判断
上記以外で
判断
②寄生性皮ふ疾患用剤 1
③イミダゾール系製剤 1
アイコザールクリーム1% 1 0 0 1
②その他の外皮用薬 1
③他に分類されない外皮用薬 1
ディフェリンゲル0.1% 1 0 0 1
①ビタミン剤 1
②ビタミンA及びD剤 1
③合成ビタミンD製剤 1
エディロールカプセル0.75μg 1 0 0 1
①その他の代謝性医薬品 9
②解毒剤 2
③その他の解毒剤 2
キューカル細粒分包2g 1 0 0 1
ユーゼル錠25mg 0 1 0 1
②糖尿病用剤 5
③スルフォニル尿素系製剤 1
アマリール1mg錠
(ハイリスク薬) 1 0 0 1
③その他の糖尿病用剤 4
ベイスン錠0.2
(ハイリスク薬) 1 0 0 1
ベイスン錠0.3
(ハイリスク薬) 1 0 0 1
グルファスト錠10mg
(ハイリスク薬) 1 0 0 1
エクア錠50mg
(ハイリスク薬) 1 0 0 1
②他に分類されない代謝性医薬品 2
③他に分類されないその他の代謝性医薬品 2
(10)Ⅲ
【1】
【2】
【3】
【4】
【5】
【6】
【7】
【8】
疑義照会に関するヒヤリ・ハット
医薬品の名称及び薬効等
疑義があると判断した理由
合計
当該処方せん
のみで判断
当該処方せん
と薬局で管理
している情報
で判断
上記以外で
判断
①腫瘍用薬 2
②代謝拮抗剤 2
③その他の代謝拮抗剤 2
ユーエフティ配合カプセルT100
(ハイリスク薬) 0 1 0 1
ティーエスワン配合カプセルT20
(ハイリスク薬) 0 1 0 1
①アレルギー用薬 2
②抗ヒスタミン剤 1
③その他の抗ヒスタミン剤 1
ペリアクチンシロップ0.04% 0 0 1 1
②その他のアレルギー用薬 1
タリオンOD錠10mg 1 0 0 1
①漢方製剤 1
ツムラ抑肝散エキス顆粒(医療用) 1 0 0 1
①抗生物質製剤 6
②主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの 2
③ペニシリン系抗生物質製剤;合成ペニシリン 1
サワシリン錠250 1 0 0 1
③セフェム系抗生物質製剤 1
フロモックス小児用細粒100mg 0 0 1 1
②主としてグラム陽性菌、マイコプラズマに作用するもの 4
③その他の主としてグラム陽性菌、マイコプラズマに作用するもの 4
クラリス錠200 0 0 1 1
ジスロマック錠250mg 2 0 0 2
ジスロマックSR成人用ドライシロップ2g 1 0 0 1
①化学療法剤 3
②合成抗菌剤 2
③ピリドンカルボン酸系製剤 2
ジェニナック錠200mg 1 0 0 1
グレースビット錠50mg 1 0 0 1
②抗ウイルス剤 1
バルトレックス顆粒50% 0 1 0 1
(11)Ⅲ
【1】
【2】
【3】
【4】
【5】
【6】
【7】
【8】
疑義照会に関するヒヤリ・ハット
(ⅰ)薬効等別に見た疑義照会の変更内容が「用法変更」である事例
疑義照会の変更内容が「用法変更」であった事例における医薬品の作用部位、成分で多かった
ものとして「循環器官用剤」が13回と多かった。次いで「呼吸器官用剤」が12回、「中枢神経系
用剤」が10回、「その他の代謝性医薬品」が9回、「消化器官用剤」が8回などであった。
「疑義があると判断した理由」のうち、「当該処方せんと薬局で管理している情報で判断」し
た事例における医薬品の作用部位、成分については、「中枢神経系用薬」が5回と最も多く、次
いで「循環器官用薬」が4回であった。「上記以外で判断」した事例における医薬品の作用部位、
成分については、「循環器官用薬」が4回と最も多かった。「当該処方せんのみで判断」した事例
における医薬品の作用部位、成分については、「呼吸器官用薬」が9回と最も多く、次いで「そ
の他の代謝性医薬品」が8回であった。
ハイリスク薬は「糖尿病用剤」「代謝拮抗剤」「不整脈用剤」「精神神経用剤」「抗てんかん剤」
で報告された。ハイリスク薬全体では「疑義があると判断した理由」のうち、「当該処方せんの
みで判断」「当該処方せんと薬局で管理している情報で判断」がそれぞれ5回と多かった。
(ⅱ)用法変更となった事例で報告された、主な処方された医薬品の販売名
疑義照会の用法変更に関する事例において、処方された医薬品の販売名のうち、複数回報告さ
れた医薬品は、「メプチンエアー10μg吸入100回」が3回、「カロナール錠200」「ピーエイ配合錠」
「シムビコートタービュヘイラー60吸入」「ジスロマック錠250mg」がそれぞれ2回であり、いず
医薬品の名称及び薬効等
疑義があると判断した理由
合計
当該処方せん
のみで判断
当該処方せん
と薬局で管理
している情報
で判断
上記以外で
判断
①寄生動物用薬 1
②駆虫剤 1
③その他の駆虫剤 1
ストロメクトール錠3mg 0 1 0 1
合 計注)
48 17 14 79
※「上記以外で判断」の「上記」とは、疑義照会の事例の報告項目の選択肢のうちの「当該処方せんのみで判断」と「当
該処方せんと薬局で管理している情報で判断」を示す。
※ ①:作用部位、成分 ②:主たる薬効 ③:薬効 を示す。(60ページ参照)
注)疑義照会の対象となった医薬品の販売名を入力する項目である、「処方された医薬品」に入力された販売名は複数入
力することが可能であるため、合計(79回)は事例の件数(67件)と異なる。
(12)Ⅲ
【1】
【2】
【3】
【4】
【5】
【6】
【7】
【8】
疑義照会に関するヒヤリ・ハット
(3)用法変更となった事例の発生要因
用法変更となった事例について、発生要因を集計した。
図表4―Ⅰ―6 発生要因及び選択件数
注)
発生要因としては、「知識が不足していた」が17.
4%(20/115件)、「確認を怠った」が13.
9%
(16/115件)、「記録などに不備があった」が11.
3%(13/115件)、「勤務状況が繁忙だった」「コン
ピュータシステム」がそれぞれ10.
4%(12/115件)であり多かった。
疑義照会の事例全体では「その他」「その他(ヒューマンファクター)」を除くと、「確認を怠っ
た」が12.
7%、「知識が不足していた」が9.
3%であり多かった。次いで、「患者側」が7.
0%、「連携
ができていなかった」が6.
5%などであった。
いずれも「知識が不足していた」の件数が上位であったが、用法変更の事例ではその割合が多かっ
た。「確認を怠った」の割合は同程度であった。
発生要因 用法変更となった事例 疑義照会の事例
確認を怠った 16 (13.9%) 141 (12.7%)
報告が遅れた(怠った) 0 (0.0%) 3 (0.3%)
記録などに不備があった 13 (11.3%) 65 (5.9%)
連携ができていなかった 5 (4.3%) 72 (6.5%)
患者への説明が不十分であった(怠った) 3 (2.6%) 19 (1.7%)
判断を誤った 2 (1.7%) 21 (1.9%)
知識が不足していた 20 (17.4%) 103 (9.3%)
技術・手技が未熟だった 0 (0.0%) 16 (1.4%)
勤務状況が繁忙だった 12 (10.4%) 69 (6.2%)
通常とは異なる身体的条件下にあった 1 (0.9%) 2 (0.2%)
通常とは異なる心理的条件下にあった 2 (1.7%) 6 (0.5%)
その他(ヒューマンファクター) 6 (5.2%) 122 (11.0%)
コンピュータシステム 12 (10.4%) 71 (6.4%)
医薬品 3 (2.6%) 59 (5.3%)
施設・設備 0 (0.0%) 8 (0.7%)
諸物品 0 (0.0%) 3 (0.3%)
患者側 4 (3.5%) 77 (7.0%)
その他(環境・設備機器) 2 (1.7%) 31 (2.8%)
教育・訓練 5 (4.3%) 33 (3.0%)
仕組み 0 (0.0%) 17 (1.5%)
ルールの不備 0 (0.0%) 15 (1.4%)
その他 9 (7.8%) 154 (13.9%)
合 計 115(100.0%) 1,107(100.0%)
注)「発生要因」は複数回答が可能であるため、選択件数は事例数と一致しない。
※ 割合については、小数点第2位を四捨五入したものであり、合計が100.0にならないことがある。
(13)Ⅲ
【1】
【2】
【3】
【4】
【5】
【6】
【7】
【8】
疑義照会に関するヒヤリ・ハット
主な事例の内容や発生要因、処方された医薬品の販売名等を以下に示す。
発生要因 販売名 事例の内容等
【事例1】
知識が不足し
ていた
シムビコートタービュ
ヘイラー60吸入、メプ
チンエアー10μg吸入
100回
(事例の内容)
シムビコートタービュヘイラーが、定時吸入に加え、喘鳴時追
加吸入指示があったにもかかわらず、メプチンエアーも喘鳴時吸
入で処方されていた。疑義照会後、シムビコートは定時吸入のみ
に変更し、喘鳴時にはメプチンエアーを使用することとなった。
(背景・要因)
シムビコートタービュヘイラーの、喘鳴時追加吸入が可能になっ
たことにより、メプチンエアーとの使い分けが徹底されていなかっ
た。
(改善策)
シムビコートタービュヘイラー1本で、定時吸入と喘鳴時追加
吸入出来ることを、再度医師と確認する。
【事例2】
連携ができて
いなかった
勤務状況が繁
忙だった
ティーエスワン配合カ
プセルT20(ハイリス
ク薬)
(事例の内容)
ティーエスワンの用法について処方のコメントとして『本日夕
方より』となっていたが薬歴を確認すると通常4週服用2週休薬
のところまだ1週間しかたっていないことに気づき本人に聞くが
やはり休薬は1週間であることを確認したため処方医に問い合わ
せをしたところ、もう1週間休薬して11/○夕方より服用するよ
うにとの回答あり、本人にも伝えたことで事なきを得た。
(背景・要因)
ドクターが繁忙時であること。また、本人にもスケジュールの
意識が薄かったことが考えられた。
(改善策)
薬歴によりスケジュールの管理することの必要性を改めて再確
認し、本人にもスケジュールに対して強い関心を持って服用する
よう指導した。
【事例3】
その他(ヒュー
マンファクター)
セルベックスカプセル
50mg
(事例の内容)
患者が歯の治療のため歯科受診した際、セルベックスカプセル
50mg3カプセル分3毎食後で処方された。当該患者は別の医療
機関から、セルベックス細粒が分2朝夕食後で処方されている事
をお薬手帳で確認したため、疑義照会したところ、セルベックス
カプセル50mgが分1昼食後処方に変更となった。
(背景・要因)
(14)Ⅲ
【1】
【2】
【3】
【4】
【5】
【6】
【7】
【8】
疑義照会に関するヒヤリ・ハット
(4)疑義があると判断する契機となった情報
「当該処方せんと薬局で管理している情報で判断」と「上記以外で判断」を選択した事例には、
薬剤服用歴(薬歴)や前回処方歴の活用や、患者へのインタビューから得られた情報の活用等、処
方せん以外の何らかの情報が契機となって疑義照会が行われた内容が報告されている。そこで、
「疑義があると判断した理由」の項目で「当該処方せんと薬局で管理している情報で判断」または
「上記以外で判断」が選択されていた24件について、事例報告項目のテキスト情報である「事例の
内容」「背景・要因」「改善策」の記述から、疑義があると判断する契機となった情報がわかるもの
を検索したところ23件あった。その内容を整理して次に示す。
図表4―Ⅰ―7 疑義があると判断する契機となった情報
疑義があると判断する契機となった情報のうち、服用時点・回数が添付文書上の用法と異なる薬
物動態から判断し服用時点変更を提案した事例など「通常とは異なる用法などを含む処方内容」が
9件と最も多かった。次いで「患者が理解している用法と処方内容との相違」「併用薬」がそれぞ
れ4件、「薬局で管理している情報と処方内容との相違」が3件などであった。
疑義があると判断する契機となった情報が記載されていた主な事例の内容や疑義があると判断し
た理由、処方された医薬品の販売名を併せて次に示す。
疑義があると判断する契機となった情報 件数
通常とは異なる用法などを含む処方内容 9
患者が理解している用法と処方内容との相違 4
併用薬 4
薬局で管理している情報と処方内容との相違 3
患者の疾患 2
コンプライアンス 1
処方内容 1
副作用歴 1
合 計注)
25
注)「通常とは異なる用法などを含む処方内容」と「患者の疾患」の両方に該当する
事例をいずれにも計上しているため、合計(25件)は事例の件数(23件)と異なる。
(15)Ⅲ
【1】
【2】
【3】
【4】
【5】
【6】
【7】
【8】
疑義照会に関するヒヤリ・ハット
疑義があると
判断した理由 販 売 名 事例の内容 等
○通常とは異なる用法などを含む処方内容
【事例1】
当該処方せん
と薬局で管理
している情報
で判断
アーチスト錠2.5mg (事例の内容)
アーチスト錠2.5mg2T分1朝食後で処方。 患者からは、
Drより分1朝で服用するようにと訴えがあったが、添付文書上
2.5mg錠は慢性心不全の適応しかなくその場合1日2回なので疑
義照会。2T 1日1回朝食後→1日2回朝夕食後へ変更。
(背景・要因)
記載なし
(改善策)
患者からの訴えがあっても、添付文書と異なる用法の場合は疑
義照会する。
【事例2】
上記以外で判
断
プレマリン錠0.625mg、
プラノバール配合錠
(事例の内容)
患者との面談でプラノバール10日服用後、プレマリン10日服用
するとの話だったが、薬効上、プレマリン服用後プラノバール服
用が一般的と考えられたため、処方医に疑義照会した。プレマリ
ン服用後プラノバール服用が正しいと確認し、患者服用前に説明。
(背景・要因)
記載なし
(改善策)
記載なし
○患者が理解している用法と処方内容との相違
【事例3】
当該処方せん
と薬局で管理
している情報
で判断
イルベタン錠100mg、
ノルバスク錠2.5mg
(事例の内容)
患者と話をしている時に、本人は夜服用だと話していたが、処
方せんの用法では、ノルバスク錠2.5mgとイルベタン錠100mg
が朝食後となっていた。疑義照会により、朝食後となった。
(背景・要因)
記載なし
(改善策)
処方からピッキングをする際、処方内容を検討しながら行う。
薬の数だけを気にしながらだと、どうしても処方内容を見落とし
がちになる。薬の数もそうだが、疑義照会すべき内容をしっかり
見落とさないようしなければ、患者に対して重大な健康被害が起
こりうる。皆の自己意識の向上が必要である。
(16)Ⅲ
【1】
【2】
【3】
【4】
【5】
【6】
【7】
【8】
疑義照会に関するヒヤリ・ハット
疑義があると
判断した理由 販 売 名 事例の内容 等
【事例4】
上記以外で判
断
ラシックス錠40mg (事例の内容)
ラシックス40mg2T 2×朝昼食後→ 1T 1×朝食後へ
減量する予定が用法が2×朝昼食後のままであった。患者へ確認
したら昼の薬をやめるという話だったので用法違いに気がついた。
(背景・要因)
病院クラークが錠数を変更したのみで用法変更をしていなかっ
た。
(改善策)
記載なし
○併用薬
【事例5】
上記以外で判
断
クラリス錠200 (事例の内容)
薬局で併用薬の確認をしたところ、クラビット500を服用中で
あることが判明。しかし、医師にはそれを伝えていなかった。同
種の薬剤が処方されていたので疑義照会をした。
(背景・要因)
患者さんが併用薬を医師に知らせていなかった。
(改善策)
薬局では併用薬の確認を徹底。患者さんには手帳活用の促進に
努める。
【事例6】
当該処方せん
と薬局で管理
している情報
で判断
デパス錠0.5mg(ハイ
リスク薬)
(事例の内容)
デパスを他院で服用中だったが、患者がDrにお薬手帳を見せ
なかった。(病院側も服用中の薬の確認できていなかった)その
ために重複して処方された。疑義照会により服用されていること
を知り、服用方法などの変更に至った
(背景・要因)
お薬手帳をきちんと病院、薬局に持参し管理すること
(改善策)
患者にも手帳の重要性を再度お話し、服用中の薬については申
し出ること。
○薬局で管理している情報と処方内容との相違
【事例7】
当該処方せん
と薬局で管理
している情報
で判断
ラミクタール錠25mg
(ハイリスク薬)
(事例の内容)
ラミクタール錠25mg3錠 1日1回夕食後で処方、前回2錠1
日2回朝夕食後だったため、医師へ確認した。その結果、ラミク
タール錠1日2回 朝食後1錠夕食後2錠へ用法変更された。
(背景・要因)
記載なし
(改善策)
記載なし
(17)Ⅲ
【1】
【2】
【3】
【4】
【5】
【6】
【7】
【8】
疑義照会に関するヒヤリ・ハット
疑義があると
判断した理由 販 売 名 事例の内容 等
【事例8】
上記以外で判
断
ローコール錠30mg (事例の内容)
ローコールの用法間違い(正しいのは朝食後だが、夕食後に変
わっていた
(背景・要因)
コレステロールの薬は夕食後服用も多い
(改善策)
前回データの確認
○患者の疾患
【事例9】
上記以外で判
断
サアミオン錠5mg (事例の内容)
パナルジン、サアミオン錠5mgが脳梗塞後から処方されてい
る患者だった。今回の処方でパナルジンのみ14日分少なく処方さ
れていたため患者に確認すると、全身麻酔で開腹手術を予定して
いるため、術前14日前から中止することが分かった。サアミオン
錠5mgも弱いながら出血傾向を増強するため処方医師へ確認し
たところ、術前3日前から中止となった。
(背景・要因)
記載なし
(改善策)
薬局内でも術前の中止薬の意識が統一されていなかったため、
表を配布して知識の統一を図る。
○コンプライアンス
【事例10】
上記以外で判
断
フロモックス小児用細
粒100mg、ミヤBM細
粒、アスベリンシロッ
プ0.5%、 ムコダイン
シロップ5%、ペリア
クチンシロップ0.04%
(事例の内容)
分3で処方されていたが、幼稚園に行っている間はくすりを飲
ませてもらえないとの申し出があり、分2に変更を提案した。
(背景・要因)
記載なし
(改善策)
記載なし
(18)Ⅲ
【1】
【2】
【3】
【4】
【5】
【6】
【7】
【8】
疑義照会に関するヒヤリ・ハット
(5)薬局から報告された主な改善策
薬局から報告があった改善策のうち主なものを整理して以下に示す。
(ⅰ)薬局内での確認方法
○どのような状況であっても、まずは調剤・鑑査に集中。そこから処方意図・妥当性を考える。
○変更があるものは、特に注意し確認すること、再度認識をする。
○処方せんの内容がいつもと違う場合は、薬剤師に確認する習慣をつける。
○処方からピッキングをする際、処方内容を検討しながら行う。薬の数だけを気にしながらだと、
どうしても処方内容を見落としがちになる。薬の数もそうだが、疑義照会すべき内容をしっか
り見落とさないようしなければ、患者に対して重大な健康被害が起こりうる。皆の自己意識の
向上が必要である。
疑義があると
判断した理由 販 売 名 事例の内容 等
○処方内容
【事例11】
当該処方せん
と薬局で管理
している情報
で判断
シムビコートタービュ
ヘイラー60吸入
(事例の内容)
シムビコートタービュヘイラー60吸入を定期使用するよう説明
を受けている方で、用法が(2吸入/日)と曖昧な指示。定時の
内服処方日数と合わない。患者様からの聞き取りでは判別不可で
あったので疑義照会。1日2回・1回2吸入(4吸入/日)へ変
更となった。
(背景・要因)
処方せんは印字処方。医療機関事務が処方せん作成時に誤って
入力した可能性がある。
(改善策)
シムビコートは用量・用法の幅が広いので、投薬時に医師から
どのような説明を受けているか必ず確認し、はっきりしない場合
は疑義照会する。また、医療機関へ用法指示の記載方法の改善を
申し入れる。
○副作用歴
【事例12】
上記以外で判
断
マグミット錠250mg (事例の内容)
マグミット錠250mg分3で処方されていたが、下痢が続いて
いたことが判明し、同薬1錠頓用に変更を提案した。
(背景・要因)
記載なし
(改善策)
記載なし
※「上記以外で判断」の「上記」とは、疑義照会の事例の報告項目の選択肢のうちの「当該処方せんのみで判断」と「当
該処方せんと薬局で管理している情報で判断」を示す。
(19)Ⅲ
【1】
【2】
【3】
【4】
【5】
【6】
【7】
【8】
疑義照会に関するヒヤリ・ハット
(ⅱ)患者に対する確認事項
○シムビコートは用量・用法の幅が広いので、投薬時に医師からどのような説明を受けているか
必ず確認し、はっきりしない場合は疑義照会する。
(ⅲ)患者への指導
○患者に、お薬手帳は医院でも提出して頂き、有効活用していくために、声かけを行っていく。
○患者にも手帳の重要性を再度お話し、服用中の薬については申し出ること。
○薬歴によりスケジュールを管理することの必要性を改めて再確認し、本人にもスケジュールに
対して強い関心を持って服用するよう指導した。
(ⅳ)知識の確認・習得
○薬局内でも術前の中止薬の意識が統一されていなかったため、表を配布して知識の統一を図る。
(ⅴ)医療機関に向けた対応策
○喘息吸入薬の種類、分類等についての資料を医師に持参する。
○シムビコートタービュヘイラー1本で、定時吸入と喘鳴時追加吸入出来ることを、再度医師と
確認する。
3)疑義照会の結果「用量変更」となった事例に関する分析
(1)用量変更の事例の報告件数
図表4-Ⅰ―3に示したように、用量変更の事例は33件であり、疑義照会の事例中の4.
5%であっ
た。
(2)用量変更の事例で報告された、処方された医薬品の薬効及び疑義があると判断した理
由
疑義照会により用量が変更される事例では、投与制限のある医薬品を医師が誤って処方した事例
や、薬局で新たに判明した事実が疑義照会によって医師に伝えられることによって初めて用量を変
更する根拠が得られた事例がある。このような事例の中で処方されている医薬品の薬効の傾向や、
疑義を抱いた理由となった情報を分析するために、疑義の対象となった医薬品の販売名を入力する
項目である「処方された医薬品」の販売名からその薬効を調べて集計、分析した。
(20)Ⅲ
【1】
【2】
【3】
【4】
【5】
【6】
【7】
【8】
疑義照会に関するヒヤリ・ハット
図表4―Ⅰ―8 用量変更の事例で報告された、処方された医薬品の名称・薬効等及び疑義がある
と判断した理由
(単位:回)
医薬品の名称及び薬効等
疑義があると判断した理由
合計
当該処方せん
のみで判断
当該処方せん
と薬局で管理
している情報
で判断
上記以外で
判断
①中枢神経系用薬 13
②催眠鎮静剤、抗不安剤 7
③ベンゾジアゼピン系製剤 5
ハルシオン0.125mg錠 1 0 0 1
ハルシオン0.25mg錠 1 0 0 1
ロヒプノール錠2 0 1 0 1
レンドルミン錠0.25mg 1 0 0 1
ブロチゾラムOD錠0.25mg「タイヨー」 1 0 0 1
③その他の催眠鎮静剤、抗不安剤 2
マイスリー錠10mg 0 1 0 1
ルネスタ錠2mg 1 0 0 1
②解熱鎮痛消炎剤 3
③その他の解熱鎮痛消炎剤 3
トラムセット配合錠 0 0 1 1
ノルスパンテープ5mg 1 1 0 2
②精神神経用剤 3
③その他の精神神経用剤 3
リーゼ錠5mg
(ハイリスク薬) 2 0 0 2
エチカーム錠0.5mg
(ハイリスク薬) 0 0 1 1
①末梢神経系用薬 1
②骨格筋弛緩剤 1
③カルバメート系製剤 1
リンラキサー錠125mg 0 0 1 1
①感覚器官用薬 1
②耳鼻科用剤 1
③その他の耳鼻科用剤 1
ストミンA配合錠 0 0 1 1
(21)Ⅲ
【1】
【2】
【3】
【4】
【5】
【6】
【7】
【8】
疑義照会に関するヒヤリ・ハット
医薬品の名称及び薬効等
疑義があると判断した理由
合計
当該処方せん
のみで判断
当該処方せん
と薬局で管理
している情報
で判断
上記以外で
判断
①循環器官用薬 6
②利尿剤 1
③その他の利尿剤 1
ラシックス錠20mg 0 0 1 1
②血圧降下剤 1
③その他の血圧降下剤 1
ミカルディス錠20mg 0 0 1 1
②血管拡張剤 3
③冠血管拡張剤 3
アムロジン錠5mg 0 0 1 1
アムロジピン錠5mg「サワイ」 0 1 0 1
アムロジピン錠5mg「明治」 0 0 1 1
②高脂血症用剤 1
③その他の高脂血症用剤 1
リピトール錠10mg 1 0 0 1
①ホルモン剤(抗ホルモン剤を含む。) 4
②甲状腺、副甲状腺ホルモン剤 2
③甲状腺ホルモン製剤 1
チラーヂンS錠25 0 1 0 1
③抗甲状腺ホルモン製剤 1
メルカゾール錠5mg 0 1 0 1
②副腎ホルモン剤 1
③プレドニゾロン系製剤 1
プレドニゾロン錠1mg(旭化成)
(ハイリスク薬) 0 1 0 1
②混合ホルモン剤 1
③卵胞ホルモン、黄体ホルモン混合製剤 1
ルナベル配合錠 1 0 0 1
(22)Ⅲ
【1】
【2】
【3】
【4】
【5】
【6】
【7】
【8】
疑義照会に関するヒヤリ・ハット
医薬品の名称及び薬効等
疑義があると判断した理由
合計
当該処方せん
のみで判断
当該処方せん
と薬局で管理
している情報
で判断
上記以外で
判断
①ビタミン剤 2
②ビタミンA及びD剤 1
③合成ビタミンD製剤 1
エディロールカプセル0.75μg 1 0 0 1
②ビタミンB1剤 1
③ビタミンB1誘導体製剤 1
25mgアリナミンF糖衣錠 0 0 1 1
①血液・体液用薬 3
②止血剤 1
③カルバゾクロム系製剤 1
アドナ錠10mg 1 0 0 1
②血液凝固阻止剤 2
③ジクマロール系製剤 2
ワーファリン錠1mg
(ハイリスク薬) 0 0 2 2
①その他の代謝性医薬品 5
②解毒剤 2
③その他の解毒剤 2
クレメジン細粒分包2g 1 0 0 1
ユーゼル錠25mg 1 0 0 1
②他に分類されない代謝性医薬品 3
③他に分類されないその他の代謝性医薬品 3
リウマトレックスカプセル2mg
(ハイリスク薬) 0 0 1 1
フォサマック錠35mg 0 1 0 1
ベネット錠17.5mg 1 0 0 1
①腫瘍用薬 1
②代謝拮抗剤 1
③その他の代謝拮抗剤 1
ユーエフティ配合カプセルT100
(ハイリスク薬) 1 0 0 1
①アレルギー用薬 1
②その他のアレルギー用薬 1
ジルテックドライシロップ1.25% 0 1 0 1
(23)Ⅲ
【1】
【2】
【3】
【4】
【5】
【6】
【7】
【8】
疑義照会に関するヒヤリ・ハット
(ⅰ)薬効等別に見た疑義照会の変更内容が「用量変更」である事例
疑義照会の変更内容が「用量変更」であった事例における医薬品の作用部位、成分は、「中枢
神経系用剤」が13回であり最も多かった。次いで、「循環器官用剤」が6回、「その他の代謝性医
薬品」5回などが多かった。
「疑義があると判断した理由」のうち、「当該処方せんと薬局で管理している情報で判断」した
事例における医薬品の作用部位、成分については、「ホルモン剤(抗ホルモン剤を含む。)」「中枢
神経系用薬」がそれぞれ3回と多かった。「上記以外で判断」した事例における医薬品の作用部
位、成分については、「循環器官用薬」が4回と多かった。「当該処方せんのみで判断」した事例
における医薬品の作用部位、成分については、「中枢神経系用薬」が8回と最も多かった。
ハイリスク薬は「副腎ホルモン剤」「血液凝固阻止剤」「代謝拮抗剤」「精神神経用剤」「他に分
類されない代謝性医薬品」で報告された。ハイリスク薬全体では「疑義があると判断した理由」
のうち、「上記以外で判断」が4回と多かった。
(ⅱ)用量変更となった事例で報告された、主な処方された医薬品の販売名
疑義照会の用量変更に関する事例において、処方された医薬品の販売名のうち、「ノルスパン
テープ5mg」「リーゼ錠5mg」「ワーファリン錠1mg」がそれぞれ2回報告されており、「リー
ゼ錠5mg」「ワーファリン錠1mg」はハイリスク薬であった。
医薬品の名称及び薬効等
疑義があると判断した理由
合計
当該処方せん
のみで判断
当該処方せん
と薬局で管理
している情報
で判断
上記以外で
判断
①漢方製剤 1
ツムラ釣藤散エキス顆粒(医療用) 0 0 1 1
①化学療法剤 1
②抗ウイルス剤 1
ファルラックス錠400 1 0 0 1
合 計注)
18 10 13 41
※「上記以外で判断」の「上記」とは、疑義照会の事例の報告項目の選択肢のうちの「当該処方せんのみで判断」と「当
該処方せんと薬局で管理している情報で判断」を示す。
※ ①:作用部位、成分 ②:主たる薬効 ③:薬効 を示す。(60ページ参照)
注)疑義照会の対象となった医薬品の販売名を入力する項目である、「処方された医薬品」に入力された販売名は複数入
力することが可能であるため、合計(41回)は事例の件数(33件)と異なる。
(24)Ⅲ
【1】
【2】
【3】
【4】
【5】
【6】
【7】
【8】
疑義照会に関するヒヤリ・ハット
(3)用量変更となった事例の発生要因
用量変更となった事例について、発生要因を集計した。
図表4―Ⅰ―9 発生要因及び選択件数
注)
発生要因としては、「その他」を除くと、「確認を怠った」が20.
0%(10/50件)、「知識が不足し
ていた」が14.
0%(7/50件)であり多かった。次いで「コンピュータシステム」が8.
0%(4/50
件)などが報告されていた。
疑義照会全体の事例と用量変更の事例のいずれも「確認を怠った」「知識が不足していた」の件
数が上位であり、同様の傾向が見られた。
主な事例の内容や発生要因、処方された医薬品の販売名等を次に示す。
発生要因 用量変更となった事例 疑義照会の事例
確認を怠った 10 (20.0%) 141 (12.7%)
報告が遅れた(怠った) 0 (0.0%) 3 (0.3%)
記録などに不備があった 2 (4.0%) 65 (5.9%)
連携ができていなかった 3 (6.0%) 72 (6.5%)
患者への説明が不十分であった(怠った) 1 (2.0%) 19 (1.7%)
判断を誤った 3 (6.0%) 21 (1.9%)
知識が不足していた 7 (14.0%) 103 (9.3%)
技術・手技が未熟だった 1 (2.0%) 16 (1.4%)
勤務状況が繁忙だった 3 (6.0%) 69 (6.2%)
通常とは異なる身体的条件下にあった 0 (0.0%) 2 (0.2%)
通常とは異なる心理的条件下にあった 0 (0.0%) 6 (0.5%)
その他(ヒューマンファクター) 3 (6.0%) 122 (11.0%)
コンピュータシステム 4 (8.0%) 71 (6.4%)
医薬品 1 (2.0%) 59 (5.3%)
施設・設備 1 (2.0%) 8 (0.7%)
諸物品 0 (0.0%) 3 (0.3%)
患者側 1 (2.0%) 77 (7.0%)
その他(環境・設備機器) 0 (0.0%) 31 (2.8%)
教育・訓練 2 (4.0%) 33 (3.0%)
仕組み 0 (0.0%) 17 (1.5%)
ルールの不備 1 (2.0%) 15 (1.4%)
その他 7 (14.0%) 154 (13.9%)
合 計 50(100.0%) 1,107(100.0%)
注)「発生要因」は複数回答が可能であるため、選択件数は事例数と一致しない。
※ 割合については、小数点第2位を四捨五入したものであり、合計が100.0にならないことがある。
(25)Ⅲ
【1】
【2】
【3】
【4】
【5】
【6】
【7】
【8】
疑義照会に関するヒヤリ・ハット
発生要因 販売名 事例の内容等
【事例1】
確認を怠った、
知識が不足し
ていた、施設・
設備、教育・
訓練
ファルラックス錠400 (事例の内容)
ファルラックス錠400が1日10錠/分5で1日処方となってい
た。他にカサールクリーム3%10gも処方されていた。患者から
のインタビューから帯状疱疹と考えられるので、処方医に帯状疱
疹なら7日処方となる事を疑義照会した結果、7日処方に変更と
なった。
(背景・要因)
単純疱疹と帯状疱疹では、1回量や使用日数が異なるので、用
法、用量、処方日数には通常から気を付けている。
(改善策)
処方せんからだけでなく、患者からのインタビューを含めて処
方の妥当性を判断する必要があると思われる。
【事例2】
連携ができて
いなかった
ルネスタ錠2mg (事例の内容)
新薬のルネスタ2mgが処方されたが14日分までの制限がある
のに21日処方だった。
患者に説明したのち疑義照会して14日分に変更となった。
(背景・要因)
多忙であったのと医師が新薬に気づかなかった。
(改善策)
医療機関に連絡しルネスタは新薬で14日処方制限であることを
再確認した。
【事例3】
確認を怠った フォサマック錠35mg、
プレドニゾロン錠1mg
(旭化成)(ハイリスク
薬)
(事例の内容)
Do処方で他剤は、35日分から今回56日分に変更になっていた。
処方1 プレドニゾロン錠1mg(旭化成) 1錠1日1回朝
食後 8日分
処方2 フォサマック錠35mg 1錠1日1回起床時 週1
回起床時内服 56日分
明らかに処方1と処方2の投与日数が逆の可能性があった為、
疑義照会した所、投与日数が逆に変更になった。
(背景・要因)
プレドニゾロン錠1mgは、前回2錠/日から、今回1錠/日に
減薬になっていたので、その方に気が取られてしまったと思われ
る。
(改善策)
(26)Ⅲ
【1】
【2】
【3】
【4】
【5】
【6】
【7】
【8】
疑義照会に関するヒヤリ・ハット
(4)疑義があると判断する契機となった情報
「当該処方せんと薬局で管理している情報で判断」と「上記以外で判断」を選択した事例には、
薬剤服用歴(薬歴)や前回処方歴の活用や、患者へのインタビューから得られた情報の活用等、処
方せん以外の何らかの情報が契機となって疑義照会が行われた内容が報告されている。そこで、
「疑義があると判断した理由」の項目で「当該処方せんと薬局で管理している情報で判断」または
「上記以外で判断」が選択されていた17件について、事例報告項目のテキスト情報である「事例の
内容」「背景・要因」「改善策」の記述から、疑義があると判断する契機となった情報がわかるもの
を検索したところ15件あった。その内容を整理して次に示す。
図表4―Ⅰ―10 疑義があると判断する契機となった情報
疑義があると判断する契機となった情報のうち、「受診状況」「残薬」「処方日数制限」がそれぞ
れ3件で多かった。次いで「通常とは異なる用量などを含む処方内容」「お薬手帳の内容と処方内
容との相違」「同時処方薬の処方日数」がそれぞれ2件などであった。
疑義があると判断する契機となった情報が記載されていた主な事例の内容や疑義があると判断し
た理由を併せて以下に示す。
疑義があると判断する契機となった情報 件数
受診状況 3
残薬 3
処方日数制限 3
通常とは異なる用量などを含む処方内容 2
お薬手帳の内容と処方内容との相違 2
同時処方薬の処方日数 2
患者との会話 1
合 計注)
16
注)「同時処方薬の処方日数」と「通常とは異なる用量などを含む処方内容」の両方
に該当する事例をいずれにも計上しているため、合計(16件)は事例の件数(15件)
と異なる。
(27)Ⅲ
【1】
【2】
【3】
【4】
【5】
【6】
【7】
【8】
疑義照会に関するヒヤリ・ハット
疑義があると
判断した理由 販 売 名 事例の内容 等
○受診状況
【事例1】
当該処方せん
と薬局で管理
している情報
で判断
アムロジピン錠5mg
「サワイ」
(事例の内容)
初めて血圧の薬が14日分出て、お薬手帳を確認したところ、初
めに医師と薬剤師に伝えた薬は1年以上前の薬で、現在は他病院
にて血圧の薬が出ていた。しかし、家には無いとのことだった。
次回他病院にかかる予定までの5日処方に変更をお願いした。
(背景・要因)
本人への聞き取りに対して反応がほとんど無く、家族も薬が出
ていることを知らなかった。
(改善策)
本人だけでなく、家族にも服用している薬が分かるように、お
薬手帳は持っていただくようにする。
○残薬
【事例2】
上記以外で判
断
エ チ カ ー ム 錠 0.5mg
(ハイリスク薬)
(事例の内容)
14日分の処方があったが、本人申し出により、残薬があること
が発覚。8日分の処方へ変更となった。
(背景・要因)
記載なし
(改善策)
記載なし
○処方日数制限
【事例3】
当該処方せん
と薬局で管理
している情報
で判断
マイスリー錠10mg、
ロヒプノール錠2
(事例の内容)
マイスリー10mg1T ロヒプノール2mg1T 1日1回寝
る前 35日分の処方。向精神薬30日投与日数制限あり。疑義照会
後、30日分+頓服不眠時5回分へ変更となった。
(背景・要因)
処方医の認識不足によるもの。(投与日数制限の設けてある薬)
(改善策)
処方医へ投与日数制限の設けてある医薬品リストを提供する。
薬局内にも掲示しておく。
(28)Ⅲ
【1】
【2】
【3】
【4】
【5】
【6】
【7】
【8】
疑義照会に関するヒヤリ・ハット
疑義があると
判断した理由 販 売 名 事例の内容 等
○通常とは異なる用量などを含む処方内容
【事例4】
当該処方せん
と薬局で管理
している情報
で判断
フォサマック錠35mg、
プレドニゾロン錠1mg
(旭化成)(ハイリスク
薬)
(事例の内容)
Do処方で他剤は、35日分から今回56日分に変更になっていた。
処方1 プレドニゾロン錠1mg(旭化成) 1錠 1日1回朝
食後 8日分
処方2 フォサマック錠35mg1錠 1日1回起床時 週1
回起床時内服 56日分
明らかに処方1と処方2の投与日数が逆の可能性があった為、
疑義照会した所、投与日数が逆に変更になった。
(背景・要因)
プレドニゾロン錠1mgは、前回2錠/日から、今回1錠/日
に減薬になっていたので、その方に気が取られてしまったと思わ
れる。
(改善策)
記載なし
○お薬手帳の内容と処方内容との相違
【事例5】
上記以外で判
断
ラシックス錠20mg、
ワーファリン錠1mg
(ハイリスク薬)、
アムロジピン錠5mg
「明治」
(事例の内容)
大学病院から紹介状を持参して転院された患者さんが、かかり
つけ医からの処方せんをだされた。患者さんの話と処方内容が異
なっていたので、処方医に疑義照会したところ、ラシックスは中
止された薬とのことであった。そのあと、さらに疑義が残ったが、
紹介状のとおりの内容ということで、お薬手帳との比較を行った
ところ、大学病院の退院時の処方でワーファリン錠1mgとアム
ロジピン錠5mgの用量が異なっていた。
(背景・要因)
かかりつけ医から、直接大学病院の医師に確認してもらったと
ころ、紹介状の記載ミスであることが分かった。
(改善策)
他の病院からの転院時には、紹介状だけでなく、お薬手帳も持
参されることが重要だと考える。紹介状の記載ミスもこの方法で、
確認できる場合が多く、重大な症状の変化を防ぐことができると
思われる。
(29)Ⅲ
【1】
【2】
【3】
【4】
【5】
【6】
【7】
【8】
疑義照会に関するヒヤリ・ハット
(5)薬局から報告された主な改善策
薬局から報告があった改善策のうち主なものを整理して以下に示す。
(ⅰ)お薬手帳(服薬記録)の活用
○残薬がある場合、患者が手帳にメモして処方医に渡すか、薬局で残薬の日数調整を依頼すると
よい。
疑義があると
判断した理由 販 売 名 事例の内容 等
○同時処方薬の処方日数
【事例6】
上記以外で判
断
リウマトレックスカプ
セル2mg
(ハイリスク薬)
(事例の内容)
普段は2週間処方の患者。今回ほかの内服薬は4週間分に変更
されたのに対し、リウマトレックスは2週間分のままだったため
処方医に確認。
リウマトレックスカプセル2mg 2カプセル 2×MA(木
曜日) 2日分→4日分に変更
(背景・要因)
記載なし
(改善策)
記載なし
○患者との会話
【事例7】
上記以外で判
断
リンラキサー錠125mg (事例の内容)
リンラキサー錠はいつも7日分しか処方されていなかった。他
剤は28日分。患者さんと医師の間で、調節服用するよう話がされ
ていた。手書き処方せんのため字が分かりづらく、7日分だろうと
渡そうとしたところ、患者さんが今回は調子が悪いと話したため、
念のため確認したら、28日分だった。渡す前に気付けてよかった。
(背景・要因)
思い込み、手書き処方せんの字の分かりづらさ
(改善策)
思い込みや、慣れは禁物だと認識する。手書き処方せんは特に
注意深くみていく。
※「上記以外で判断」の「上記」とは、疑義照会の事例の報告項目の選択肢のうちの「当該処方せんのみで判断」と「当
該処方せんと薬局で管理している情報で判断」を示す。
(30)Ⅲ
【1】
【2】
【3】
【4】
【5】
【6】
【7】
【8】
疑義照会に関するヒヤリ・ハット
ると思われる。
(ⅱ)表示等による注意喚起
○休薬が必要な医薬品のリストを薬局の目に付く場所に掲示しておく。
○棚にいつから長期処方可能か記載した。
○処方医へ投与日数制限の設けてある医薬品リストを提供する。薬局内にも掲示しておく。
(ⅲ)医療機関に向けた対応策
○医療機関に連絡しルネスタは新薬で14日処方制限であることを再確認した。
○処方医へ投与日数制限の設けてある医薬品リストを提供する。薬局内にも掲示しておく。(再
掲)
(ⅳ)その他
○処方せんからだけでなく、患者からのインタビューを含めて処方の妥当性を判断する必要があ
ると思われる。
○思い込みや、慣れは禁物だと認識する。手書き処方せんは特に注意深くみていく。
○休薬が必要な医薬品については念のため確認を行う。
4)考 察
(1)疑義照会の事例全体に関する分析
(ⅰ)疑義照会の事例の報告件数
○平成24年1月1日から同年12月31日までに報告されたヒヤリ・ハット事例のうち、事例の概要
について「疑義照会」が選択されていた事例は730件あった。ヒヤリ・ハット全体に占める割
合は10.
2%であり、平成23年年報の7.
4%から増加していた。
○疑義照会は、医療機関で生じた処方せんのエラーを薬局が発見することができる重要な機能で
ある。抗がん剤やインスリンなどのハイリスク薬を必要とする患者が増加し、併せて処方の機
会も増加することが予想されることなどから、適切な疑義照会の実施による医療事故防止を図
ることは重要である。
(ⅱ)疑義があると判断した理由や処方変更の内容
○ヒヤリ・ハット事例の中で、疑義照会の事例のうち、「疑義があると判断した理由」が処方せ
ん以外の情報による事例は72.
9%あり、多くのヒヤリ・ハット事例で処方せん以外の情報を活
用することによってエラーを実施することなく、ヒヤリ・ハットに留めていた。これに該当す
る平成23年年報の結果は67.
2%であり、平成24年年報では増加していた。今後もこのよう
に、処方せん以外の情報が積極的に活用され、重大事故につながるエラーが修正されることが
期待される。
○薬局において、処方せん以外の情報、例えば薬剤服用歴(薬歴)に記載された処方歴や併用薬、
(31)Ⅲ
【1】
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【3】
【4】
【5】
【6】
【7】
【8】
疑義照会に関するヒヤリ・ハット
副作用歴、また患者とのインタビューにより得られた情報等が活用されることにより、誤った
処方を発見してヒヤリ・ハットに留め、医療事故を防ぐことにつながると考えられる。このよ
うに、処方せん以外の情報を活用することの重要性が示唆され、また、経年的に活用が進んで
いる実態があることが示された。
○疑義照会による処方の変更内容は「薬剤変更」が最も多かった。平成21年から平成23年年
報においても同様であったことから、改めて「薬剤変更」となる事例の重要性が示唆された。
次に多かったのは、「薬剤削除」であり、平成23年年報から100件以上報告件数が増加した一
方、「その他」の件数が大きく減少していた。このように、疑義照会による変更内容の中には、
経年的に変化の少ないものもあるが、「薬剤削除」のように割合が変化する変更内容があった。
○「薬剤変更」や「用法変更」などの変更内容と、その変更に至る過程で確認された処方せんや
処方せん以外の情報などの情報を見ると、変更内容により確認に使用された情報は様々であっ
た。例えば、最も報告件数が多かった「薬剤変更」で確認に使用された情報は、疑義照会の事
例全体の傾向と類似した割合であったが、「用法変更」や「用量変更」などは処方せんのみで
誤りが発見されていた事例が多く、これは平成22年、平成23年年報と同様であった。また、
「薬剤変更」「分量変更」「薬剤削除」は、処方せん以外の情報も多く活用して誤りが発見、修
正されていた。特に「薬剤削除」になった事例では、処方せん以外の情報で確認された事例の
割合が88.
2%と最も多かった。これは平成22年、平成23年年報と同様であった。このこと
から、処方された薬剤を削除する場合には、処方せんの情報だけでなく、それ以外の情報も活
用し、一層慎重な確認がなされている可能性が示唆された。
○このように、「変更内容」によって「疑義があると判断した理由」の内容の割合は異なってい
た。また、「変更内容」ごとに「疑義があると判断した理由」を経年的にみると、平成22年か
ら平成24年を通じ、処方せんのみで誤りが確認された事例が多いものや、処方せん以外の情報
も活用して誤りが確認された事例が多いものなどがあった。
(2)疑義照会の結果「用法変更」となった事例に関する分析
○平成21年年報から平成23年年報では、「薬剤変更」「分量変更」「薬剤削除」について集計、
分析した。そこで本分析では「用法変更」「用量変更」について分析、集計を行った。
(ⅰ)疑義照会による変更内容が用法変更であった事例の内容等
○用法変更の事例は67件であり、疑義照会の事例に占める割合は9.
2%であった。また、平成23
年年報の50件(8.
3%)から件数と割合のいずれも増加していた。
○「用法変更」の事例について、処方された医薬品の作用部位、成分を集計したところ、「循環