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遊戯教育の翫味(3)
体育研究室 大 西 國 男
目 次
〔緒 言〕§1. i遊戯と激材の選定
逝iびの数 教材の選竈 §2,遊戯と学習活動 遊戯活動と学習目標 遊戯1渚舌動と学習活卿」
§3. 休育カリキaラムと遊戦の活動群 附 参考費料
〔結書〕
ノ
〔緒言〕この稿では「遊戯教育の翫味」第一・輯(休育の科学1953.7号)第二輯(新体育1・953.
12号)に続き,遊戯活動を体育指導の立揚において吟味せんとするものである。
即ち i.遊戯と教材の選定
fi. 遊戯と学習活璽力
iii.体育カリキュラムと遊戯の活動群 について体育科における遊蛾教育のあり方を考察した。
1.遊戯と教材の選定
遊戯教育は,広大な教材々料属から,枝会的(共同生活上)に必要なものを選定して実 施すぺきであり,カリキュラムの設定においても,現代の共同生活に必要であり猶かつ共 同生活を改善するに必要であるものを選び,人間的な教育の効果を企図すぺきであつて,
ここに教育の揚及び教材の工夫選択の必要が生ずるのである。
1)遊 び の 数
児童の遊んでいる遊びの毬類は,児童文化研究所編「遊び」によつてみるとその数は 392種をかぞえることができる。
これを「日本の遊戯」小高吉三郎菩に比べると(385樋)若干多くなつているが,小高氏
は古丈献によつて調査研究したものであり,極類の数の上からはあまり差はないけれども
遊びが社会環境や時代の変遷によつて変化することは当然である。(註1)
大西;遊戯教育の祇昧(3)
113(第1表) 児童生活時聞
l l逓日
匪納劉睡眠
1−…一
時間 539分
休 日 時間
%
37.4548分
37. 3
融生離ぴ墜画戴予習囎{嚇い1その他
442 120
30.6
8.4o
2100
14.557
55
227
3.8
77
_−1−一 3,7
5.3
149
10.3
16.1
456
(第2表) 幼稚園幼児時聞的生活表
(年少男0) (年長男K)
G
h 尋時 聞 的 動 時悶 哉繍匹
翻的時間
尋゜
̲c.睡眠時閥)
(年少女A)
a e C
雷_塗『」
(年長女W)
a r5 c
元来子供め遊びの数は普しく多極多様であること,そして子供は,年醸が増し心身が発 逮すると共に参加する遊戯の数は減少し向時にある種の遊戯に費す赫間を増して来る傾向 がみられること,そして生活時間に変遅をきたすことがあげられるが,これは児童の発逮 と共に興味が変化すること,知的発達の結果この面の満足を狙つてある特定め比較的綜合 的な運動が選ばれること,生活時間に制限が加わつて来ることなどによると考えられる。
(これについては拙稿遊戯教育の翫味第一輯でも吟味した)
茨城県雨引小学校の調査「放課後や家庭でどんな遊びをしているか」という簡に対して
次のi報告がある。(第3表)
類 別
陸上 的 球鼓 的
自 然 的 体 操 的
機 械的
格 力 的
精紳 的
男 (23)
囲1とり、八鬼、鬼ごつこ、かけつこ
リレー
野球、ドツチボール、球なげ 魚と1)、きのことり、たtあげ 鉄捧、跳箱
自転車のりN竹馬のり
相撲、馬のり、棒倒し、騎罵職トランプ、カルタ、しようぎ、十二 支合せ、ベー=マ、ピー王
なお鳳巌{蒙1論ふみ訓
ごつこ
、凋根つき、
風船つき ドツヂボールギまりつき たとあげ、砂あそび
鉄楴、跳箱
自転車のり うまの t)Nつなひき
ままごと、あやとlj、あみものhぐ う ちよう パー
(小学校四年生以上 1953.8)
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茨城大畢敏育學部紀要第四監
2)教材の選定
児亜の生活は学校だけに限らない。むしろ学校外,家奉における生活経験の範囲は遙か に広いものである。
遊戯は、児童の生活の表現であり,これ程児童の知的,情緒的,社会的,身体的各方面 の発達に影響するものはない。即ち児童の全生命が遊戯を通して発現するのである。
遊戯の類形,要求,条件,方法,管理など千差万別であるから(註2)児童の個々の立 揚を中心とした生活指導を建前として指導計画が立てられることは当然である。ある少数 の特定の教材を用いて体育の目指すいろいろのねらいを果すことは全く困難であるという ぺきであろう。
それぞれの教材は,それ自身のもつ独特の価値を有するものであり,他にえがたいもの
をもつている。筆者が第二輯に述べた如く,豊かな入間性,全人性を追及するならば,できるだけ数多 くの教材によつて広範囲のうちよりそれぞれのもつ特有の価値を引用す凡きである。
教材を数多く備え,.このうちから指導の立揚に応して最もふさわしいものを選び,価値 ある教材を合理的に配列しこれを整理して系統ずけることは,少数の教材の中より選ぶよ りは遙かに合理性,可能性を持つのである。教材選択の融通性や教材群の系統ずけや組織 統rと云う点を考えても非常に有効である。(註3)
融1,.(イ)児Σ詮文化研究所編一遊び
歴史的変遷の研究資料として「子供の遊び」P. 59がある。子供の遊ぶ遊戯の稲類と子供の好 む傾向として各年令にみられゐ「遊びの頻度」P.204を参照e
(ロ)四宮 牒一児童の遊びと体育活動 新体育 1954年12号を参照
註2 (イ)愛知縣遊戯研究協読会一遊びの研究,遊び挿目の分類より A.遊具遊び一学校の遊戯施設を使つての遊び
B.自然遊び一自然発生的な遊び イ 自然遜び一」純梓に自然遊戯
ロ 構成組織的遊び一構成的組織的な遊び ハ 遊具遊び一小道具使用の遊び
C.文化遊び一一学習指導要領体育科編にある遊び
D.,そ の 他(ロ) Vスアソゼルス地方教育委員会編より
大西:遊戯漱育の翫球(3)
ll5(a)
FALL SEMESTER 1 SPRING SEMESTER
GAMES FOR RELATED GAI C[F/ S:GAI 伍ES FOR ROGANIZED P工AY
ORGANTIZED P工AY F口NDAMENTAL iRELATED GAMES FU麗DA掘ENTAL
SKI肛S AND . l SKILLS AND
l 蹴AYs l RELAYS
(b)
ACrrlVITIES FOR ALL THE YEAR
GAMES FOR RECREATION AND PLAY
GROUND
GAMES TO PLAY AT
HOME
欝:lf°腱登器
S CLALL ARItasl wEATHER
GAMES TO PLAY AT PARTIES
(c)
RELAYS FOR GAMES FOR PLAY DAY RECREATION AND PLAYGROUND
L
I TRACK EVENTS lAND RELAYs
GAMES FOR RECREATION AND PLAYG ReUND
(第一表). 兜童文化研究所編 遊びより
(第二表).東京学藝大学附属幼雛園研究発表会要領より 罷3. (イ) 学習指導要領体育科編1949
教材選択の手順(1.激材評価法 2.目標分析法)を研究
漱材選択の手順については, 敬詞の理解t選択方法の理解,技術などについて指廓渚の常に 一卜分よぐナると(tろでなければならないe
(ロ)1953年指導要領(P.27)年閥計画の立て方以降を比較参照
2. 遊戯と学習活動
現在行はれている発達した高度のスポーツやゲームも,すべて遊戯や或は遊戯的な簡単 な運動の基礎的な発逮によると考えられる。
遊戯の教材観がこの点から出発し,スポーツやij ・一一ムのもつ高度な身体的能力や技術を 真向からもち出し,これが発達を第一目療として掲げ身体活動の程度をこれに撲近せしめ
ることを出発点として指導のねらいを掲げるならば,すでに始めにおいて六きなあやまち を犯していると云うぺきである。
殊に,幼児の遊びや児童の遊戯活動の各極教材の技術的指導は最も考慮を要する問題点
である。
1) 遊戯活動と学習目標
遊戯の価値は,教育的立揚から欠くぺからざるものである。児童の心慧の表現が体育領
116 茨城大學教育學郭紀要 第四號
域において取扱われ,学習目標のために遊戯の価値が利用されるのである。
現代社会にお財る人類の肇求,活動興味,理想などを分析して種々の地域社会におけ る生活に応じ,そのEヒ較的重要な事柄,望ましい事絹に応じて分析し,その結果を分類し 解釈することによつて体育の鼠漂を決定することが出来ると考える。
然るに,現実の聞煙としてこれらの分析に当つてはそれぞれは密接な関蓮をもつている のであり,それは実際活動を導くにあたつてはじめてその重要なる実際的意味が生ずるも のである。従つて,重点は活動の分析におくぺきである。
生活鋤の頒の結壁活騨(カリキ=ラムと勲搬.…躰白験}臨情辛鵬
社会的側面)と結びつけ,「社会的必要」を体育科として可能な範囲で児童の必要経験の うちに見定め,体育の主要目標を定めるぺきである。(粧1)
2) 遊戯活動と学習活動
体育科の学習活動は,運動的教材を中心とした形で用いられ運動技能中心の学習となり
がちである。然しこの方法は,児童がこの時期にふさわしい正常な発達をとげ彼等の生活が望ましい 形で営まれるために児童に是非学習させたい宴柄として十分ではない。
「・咽人及びグループが広く認めている教育及び体育の目的は,提案されるカリキュラム の種類を決定する。例えば,教育の目的をもつて大人が参加する特種な活動をゼつそう巧 みにやるように子供に準備を与えることであるど信ずるものは,日常生活の問題を解決し
ようとす姓徒勘けたり鰍によっで嚴雑させたりすることを鞘の舳ζ信ずる 人の別キaラムとは異つたもの鯉立てるであろう」
体育の目的は,少年少女を助けて,生酒上彼等に役立つ事柄をもっと立派にやらせるよ うな身体活動に参加させるために,便宜と指導と機会とを与えてやることである。
このような立揚で考察すると,・遊戯指導のねらいは,あくまでも児童それぞれの時期に おいて営まれる生活々動め能力や態度を身につけるこζであり,児童の生活に挙要なもの をよろこんで行うように児童の活動を方向ずけることである。
而し C児童の現准の生活を立派にやらせるということのために碧、慰深い手段が講ぜられ ると去うことは,そめままおとなを通しでの望ましい生活に必要なものであるとは断定し 難恥点をもつことを留意すべきである。
繊の騨で1ま・耀や単に躰の活動を楽しIS t云う域鱒えて雄と鰍く齢と 云う嵌的嬉びに進めるぺき筋ゐ・騰の揮燗嘩び燦しもうとす磁び沖間9
集りであり,そこには仲間に対する敬愛の心や親睦の心が培はれ望ま}イい社会的聾度が育
成されるのであるv
大西:遊戯敏育の7:味(3)
117融1.(イ)小学校学習指導要領休育科編より体育科の目標及び休汀科の目標に結びつく学習内容
を参照1)身体の正常な肇蓮を助け,活動力を高める。
2)身体活動を通して民主的生活態度を育てる。
3)各種の身体活動をレクリエーシヨソとして正しく活用ナることができるようにナる。
(ロ) 竹之下休藏薯 体育のカリキユラムよlj クリーブラソド市の体育学習指重耳要領(低学年)
1) 創逓釣表現の能力をイIIIばす。
2)指螂力を発蓮させるe
3)活発でたのい・蓮動に参加の鰻会を與える。
4) 自然的蓮動の技能を発蓮させる。
5)民主的な雰囲気の中で幸編で健康な生活をさせる。
6) 身休的発達を助ける。
7) 知白勺発蓮をB,力唱ナる。
8) 融会的生長を助ける
※ ジヤクゾソR,シヤーマソ(今村嘉雄訳)遭代体育原理よザ
3. 体育カリキュラムと遊戯4)活動群
遊戯の教材選択に開する根本的な観点についてはさきに考察したのであるが,現在実施 されているいろいろな活動を各学年に配列するゆき方はとこにその根拠があるか,各学年 段階に与えられている活動によつて学習能率がどれ程向上したかについて現在の科学的研 究も実験も1これを証明するeF−1一分なデークを提供するとは云い難いp(註1)
むしろそれは過去における畏い経験や歴史的丈化材的価値によることが多いと,騨まれ
る。
遊戯運動を年贈や学年に応して採用し,配列することはカリキュラムの諸活動を構成す
る過程において最も困難な事栖である。児童の現在及びこれからの生活や発達に最もよく
貢献できるように遊戯の活動をどのように配列したらよいかと云うことが常に聞題となる
であろう。118
〔参考資料〕
(第4表)
茨城大學教育學部紀要 第四號
わが國における小学校体育カリキユラム中における活動群
低 学
年1.固定施設を使つて遊ぶ 12.力試しの蓮動する 13,ボール遊びをナる
1例ズム暢轟馳する
「h「
学 年 高 学
年 1,力試しの蓮動をする2,リレーをする 3.ボール蓮動をする リズムや身ぶりの遊び
4.
をする
型魑そびをす乱__1」≧一
水あそびや雲あそびを
16
6,ナる
鬼あそびをする 水泳・z ?−Nスケー
トをする
1.力試しの蓮動をする 2.徒手体操をする 3.リレーをする 4.ボール蓮動をする
5. リズム運動をiする
6.鬼あそびをする7.・
D霧キー・スケー
(第5表) シカゴ大学における小学校体育ガリキSラムの中の活動群
低
学 年リズミカノレな活動(P昌{歌1遊戯フオー一・.
1.
クダyス)
2. 構成の距純な遊戦
3. リレー
4.真似遊戦 5.お話遊戯 6.競技 7.暴具体操 8.巧茸と自試的活動
9, 個人的競技活動.0
1 ウイソタースボーツ
高
学リズミカルな活動(ワオ・一クダソス、
1. 敢交ゴソス)
2.構成の軍純な遊戯 3. リレー
4,真似遊戯 5.競技
6、 水上競技 7.器具体躁
8. 巧按と自試的活動 9.t個人的競按活動10. ウインタ・一スボ・一ツ
11. ボクシソグとレスリソグ(第6表)
東京学藝大学附属幼稚園にオδける体育的活動の内容 1. リズム遊び歌を俘う郷土的遊び 傭畢なリズムにのせる遊び
2.表現あそび
ごつこあそび模倣あそび 物語りあそび
3. リズミカル表現あそび
さくらさくらsあぶくたつた、花いちもんめ、せつせ
その他書樂に合せて歩くこと、走るとと、スキヅプすることなど
動物sのbもの、お花、とげその他周囲にあるもののまね
おそうじ、せんたく、大工さん、まりなげなど仕事や遊びのまね 浦島太郎、あbときりぎ1)す、遠足など物語りや一蓮の生活のまね
表現あそびがリズミカルに発展したもの 情景を表おす音樂によつて表現するもの
大西:遊臓敏育の翫昧 (3) 119
4. 器機あそび
固定施設を使つての自由なあそ び
5.簡箪な遊ぎ
力試しまたは 競i巽的なあそびぶらんこ、ナベリ台、太妓稿sジヤyグルジ ・ 低鉄棒、シーソー、雫均台、廻旋塔など
一入又は二人で行うもの一なおとび、まi)つき、ボールなげ ナもう、おしくら、ひきくらなど
集li甜で行うもの 一たまいれ、すずわり、つなひき、ねことねずみxおにごつこなど 6. その他
/雄び・騎そびr・・er(第7表)
シ加 大学における幼稚園向け体育的活動の内容1
1 リズミカルな活動
12・お話遊蛾
3. 創意的活動
4.器具体操
5. 摺成の簡箪な遊敬リズ」、nVLMJJ、 II昌歌遊戯
農園について、溜防夫、ザーカスなど 自由あそび、ごつこあそび
自由あそび中にi主として 1
ねことねずみ、いナとり、ハソケチ落しなど
16・真似隙
7
巧按及自試的活動リズミカルな活動やs二お言舌遊裁と関係力{洩…し・
ねこの歩行、あひるのよたよた渉1きなど
猫「・スアソゼルス案」(竹之下休li購休育のカリギニラt・)は休育1こついて各学年の目隙を示 し,これに懸ずる学習活動を配列している。わが國の指導嬰領と対象しながら研究ナべきである。
第4表 交部省指螂要領 1953年
第6表 東京学塾大学附風幼稚園研究発表会嬰領 1954年
舞關東知駅r…W・アーウイソ{融儲のカ・キユラムより
1*アメリカの全学校を通して現在の惰況からみれば,体育のカリキュラムがそれ程厳密 に標準化されていないことは,きわめて幸なことである。さもないと気候や揚所や設備の
ような条件に合わない身体的活動の教授を強いるようになるかもウiliれない」と述ぺてい
る。
以上の導柄に関連して,若しある教師達が体育の目標を達成せんがために画一・的な純然 と形にはまった活動のブ・グラムを希薙するならば,それは却つて体育の目的を十分に逮 成できないものとなるであろう。これはわが国における学習指導要領(試案)の作成にあ
たつて配慮した最大の問題の一つであつたとも云えよう。
画一的な活動のプ・グラムは,体育の目標を達成する手段としてあまり役立つものでは ないと考えられる。即ち地域社会の特徴やそれぞれの学校のもつ問題と関連した目標を達 成するに十分ではないからである. 1
誰L 学智指導要領体育科編 1953
児葉の発蓮上の特性
120
茨城大學教育學部紀要 第四號卜
年聞計画の立て方を吟味せよ 砦L.W.アーウ1ン (東 俊廓訳)
保健と体育のカリキュラムよt)
〔結 言〕