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(1)

養護学校進路指導の新たな展開

内海 淳 一 秋 田大学教育文化学部

本稿 の目的 は,新 たな進路指導への転換 を促すための文献的検討 によ り,養護学校進路 指導 の実践転換 の方 向 と実践構造 を明 らかにす ることである.

養護学校進路指導 は歴史的に転換期 にあるが,新 たな進路指導が構想 。試行 。蓄積 され て きた.それ は,進路学習 ・個別移行支援計画 ・ネッ トワークなどのキーワー ドに象徴 さ れ る実践である.このよ うな実践転換 の背景 は,実践的基盤 の変化であ り,転換 を促 した 要因 は進路学習 などの新 たな進路指導 の実践的探求である.

キーワー ド:養護学校,進路指導,転換期

1

,問題の所在

養護学校進路指導 1 )は, その歴史的展開を仮説的 に示せば,表

1

のよ うな展開を して きた. このよ う な整理 は,実践的展開の現在 の位置 と今後の方向を 確認す るために必要 な作業である.

「 形成期」 は

,

「実習的活動 中心」 とい う実践的 特徴 が形成 された時期であ る

2)

. この特徴 はその後 の展開期 に引 き継がれ ることとなる.校外実習 は当 初学校 内に実習的活動 の条件がないために始 め られ た.学校工場方式 に代表 され る校内での実習的活動 が組織 され るよ うになると,校外実習 は就職 トライ アルの機会 として位置づ くよ うにな った.

「 展開期

Ⅰ」

は,障害児 の教育機会が拡大す るな かで,徐 々に養護学校が実践的に大 きな位置を占め るよ うにな った.進路指導 とい う用語が一般的 とな り,実習 も職場実習 と表現 され るよ うにな った.形 成期の学校工場方式 に代表 される極端な職業教育 は, 適応主義教育 と批判 され,校内の実習的活動 は作業 学習 と して位置づ くよ うにな った.

「 展開期

Ⅲ」

は,高等部が整備 され るのにともな い多様 な生徒が入学す るよ うにな った.福祉的な環 境 も整備 され るなかで福祉進路率が増加 し,就職率

2004

1

23

日受理

千De v e l opme nti nt heCar r i e rGui danc ef orHandi c appe d St ude nt s

* JunUTS UMI , Fac ul t yofEduc at i onandHumanSt ud‑

i e s ,Aki t aUni v e r s i t y,Aki t a

は低下 してい った. このよ うな状況か ら, 「 高等部 における職業教育 の充実」が政策的に課題化 され, 職業学科 の設置等 も進 め られた.作業学習 ・現場実 習などの実習的活動 を中心 とす る高等部教育が注 目

されたが,青年期論か らの批判 も展開 された.

「 転換期」 は,進路の自己選択 ・決定 を促す進路 学習 3 )の実践的試みか ら開始 された. そ して,地域 生活への移行 を意識 した個別移行支援計画

4)

及 び地 域 ネッ トワークづ くりが試み られている. しか し, このよ うな新 たな進路指導が構想 ・試行 o蓄積 され ている一方で,実習的活動 を中心 とす る伝統的な進 路指導観 を克服 しきれない実践状況 にある.転換期 は進路指導の歴史的展開のなかで,時代 の前髪 と後 髪が混在 している時期である. このよ うな時代状況 を克服 し,新 たな進路指導への転換 を促す理論的な 方向づ けが求 め られている.

本稿 の目的 は,新 たな進路指導実践への転換 を促 すために,進路指導実践 の転換 の方向 と実践構造 を 文献的な検討か ら明 らかにす ることである. そのた めに,養護学校進路指導 の実践的基盤 の変化 を整理 し,進路指導実践 の転換構図を伝統的な進路指導 と 新 たな進路指導の対比的検討 によ り, その実践的特 質を探 りだ してい く.

2 ,進路指導の実践的基盤の変化

養護学校進路指導の基本的性格 は,社会 の状況,

(2)

表 1 養護学校進路指導実践の歴史的概略

区分 形成期 展開期 Ⅰ 展開期 Ⅱ 転換期

特 徴 実習的活動中J L 、 の 教育拡大期の進路 高等部整備と職業 新たな進路指導の

職業指導 指導 教育 開拓

時期

1950

年代

1960‑1970

年代

1980‑1990

年代前半

1990

年代後半〜

内容 実習的活動中J L 、 , 実習的活動中心, 実習的活動中心, 高等部整備 .拡充 校外実習,学校工 職場実習,学習指 現場実習,高等部 実践的基盤の変化 場方式,中学校特 導要領,適応主義 整備,就職率低下 進路学習,個別移 殊学級,進路環境 批判,作業学習, 職業教育政策,宿 行支援計画,ネッ

社会資源 ・制度 の整備等 の影響 をっ よ く受 けること であ る.例 えば,バ ブル崩壊後 の経済不況 は,障害 者 の就労 ・雇用 に大 きな影響 を与 え,高等部卒業者 の就職率低下 の一因 とな って いる. そ して,養護学 校進路指導 は, この

10

年余 り以下 に述 べ るよ うな新 たな動 向の もとにあ る. このよ うな動 向には,問題 の捉え方 と問題解決 の仕組みの転換が含 まれてお り, 進路指導 の実践的 ・理論的基盤 の転換 を促す もので あ る

5).

1

)

高等部 の整備 ・拡充

養護学校義務化後,高等部 の整備が課題 とされて きた.義務教育後 であ る高等部 は入学者選抜 が実施 されて きたが,保護者 の期待 やニーズを背景 に,各 自治体が高等部 の整備 に取 り組 んで きた.高等部訪 問教育 も本格実施

(2000

年) され,多 くの 自治体で 高等部希望者全員入学 が可能 とな った. また,高等 部 の整備 ・拡充 は, 「 職業教育 の充実」 とい う文脈 で も展開 された.高等部単独校及 び高等養護学校 の 設置,職業学科の設置,教育課程の類型化 によるコー ス制 の導入 などであ る.

高等部 の整備 ・拡充 は,後期 中等教育段階の教育 の場 の限定 もあ り,多様 な生徒 の入学 を促 し,重度 化 ・多様化 といわれ る高等部生徒の実態 を形成 した.

このよ うな実態 は生徒 の進路先 に も反映 し,重度生 徒 の進路 と して,福祉的環境が整備 され るなかで福 祉 的進路率 が増加 し,経済的不況 も絡 んで就職率が 低下 して い った ( 表

2).

またなによ りも,高等部 の整備 ・拡充 は,障害 のある生徒 の社会参加 の時期 ( 移行期) を高等部卒業 時 とす る段 階 ・時代 に到達 させ た.

2 ) 自立観 ・障害観 の転換

新 たな 自立観 は支援 を前提 に した自立 であ り,本 人 の 自己決定 や意思 を尊重 しよ うとす る自立観 であ

表 2 知的障害養護学校高等部卒業者の進路動向

6)

1980

1985

1990

1995

2000

2002

年 卒業生総数( 人)

福祉進路率( %) 就 職 率( %) 就職者実数( 人)

026.76572308.72り叫

059.0162972cc.62ワ叫

16.8

. 4

7643347

63

り叫

69.8.7116607cDR54cqR

480.85389743.531

17.6.91092711351

*福祉進路率には,その他無業者等 も含まれる

る. そ して,権利論 を基盤 とす る自立観 であ る. そ の 日立像 は強 い られ る自立 で はな く,本人が獲得 し てい く自立 である.必要 な支援 を受 け られ る環境が 整 えば,障害が あ って も一人 の市民 と して主体 的 に 社会参加 し, 自分 の生活 を築 いて い くことがで きる

とす る考 え方 である.

自立観 の転換 は, ノーマ ライゼー シ ョン理念 の進 展 が促 して きた ものであ る. また,重度身体障害者 の 自立生活運動 にみ られ る自立観 の影響 も大 きい.

特 に, 養護学校進路指導 で は, 「自己決定 と本人参 加」 な どのキーワー ドで新 たな 自立観が語 られて き た. そ して,新 たな 自立観 は,進路指導 は進路選択

と社会参加 す る主体 を育 て る実践であ るとの認識 を 培 って きた.進路学習 な どに象徴 され る新 たな進路 指導 は, 自立観 の転換 をっ よ く意識 している.

このよ うな 自立観 とも絡 んで,障害 の捉 え方 も大 き く転換 して きた.

WHO

( 世界保健機 関) の障害 の捉 え方 も国際障害分類

(1980)

か ら国際生活機能 分類

(2001)

へ と改定 された. これ は,医療 モデル か ら人間 と環境 の相互作用 モデルへの転換 ともいわ れ る.個人 の生活機能 ( 障害) の在 り方 を環境 との 相互作用 の もとで理解 してい く 「 障害の構造的理解」

で あ る7 ) . この よ うな捉 え方 は, 自立観 とも大 き く

絡 んで くる.つ ま り,環境調整 によ り,障害者 の社

会参加 を促進す るとい う捉 え方 につなが って い く.

(3)

3)

就労 ・福祉環境 の整備

就労 ・福祉環境 の整備 は,第‑ に地域で生 きるこ とを基本 とす る運動 ・実践 ・施策が,適所施設,小 規模作業所, グループホーム,家族支援 な どの整備 を促 して きた.特 に,重度生徒 の進路先 と して,小 規模作業所 や適所施設が地域格差 を含 みなが らも多 様 に整備 されて きた.第二 に,就労拡充施策 の整備 である.障害者雇用率の改訂

(1.8%)

,特例子会社, 障害者就業 ・生活総合支援事業,就労 ・雇用支援 セ

ンター,障害者雇用機会創出事業 (トライアル雇用) , 福祉就労か ら一般就労への移行,就労支援 ネ ッ トワー

ク, ジ ョブコーチなどが近年 の動 向であ る.特 に, ジ ョブコーチ支援事業が地域障害者職業 セ ンター等 の もとで本格実施

(2002

年) されて いる.

就労 ・福祉環境 の整備 は,地域 で暮 らし 。働 くこ と及 び就労支援 と生活支援 を一体 的 に提供す ること な どを基本的方 向 とす るものであ る. このよ うな就 労 ・福祉環境 の整備 は,地域格差 もいまだ大 きいが, 生徒 が進路選択 で きる現実 的な環境 を構築 しっつあ

り,生徒 の 「 地域生活への移行」 を支援す る環境整 備が課題化 されて いる.

4)

新 たな職域 開拓 と就労像 の転換

知的障害者 の伝統的な就労産業 は,製造業が大 き な位置 を占めて きた. これ は単純作業 の繰 り返 しが 適応 しやす い と考 え られて きた こと及 び現実的 に こ の業界が障害者 を多 く受 け入 れて きた ことによる.

このよ うな就労産業 ・仕事 内容 は,進路指導 の在 り 方 に も就労像 と して大 きな影響 を与 えて きた. しか し, 日本 の産業構造 は産業 の空洞化 ・高度化 などか ら大 き く構造転換 し,雇用形態 も多様化 して いる.

産業構造 の変化 か ら,都市部 において従来 とは異 なる産業 ・仕事 に就労す ることが多 くな っていった.

例 えば, フ ァ ミリー レス トランな どの外食産業であ る. このよ うな状況か ら進路指導関係者 は,新 たな 職域 ・業種 の開拓 に迫 られて きた.高等部学習指導 要領 に も 「情報

J

「流通 ・サ ー ビス」 な どの選択教 科 が新設 された. また近年,知的障害者 の新 たな職 域 の例 と して,喫茶接客 ・保育士補助 ・ホームヘル パ ー ・パ ソコン入力 な どが紹介 されて いる

8).

新 たな職域 の開拓 は,地域 の産業 ・仕事 の見直 し を必要 と し,地域 の関係機関 との新 たな連携 を求 め る. さ らに,新 たな職域 の事例 にみ られ るよ うに, 伝統的 な進路指導が実践的前提 と して きた就労像 の 転換が必要 とされ る状況 にある.

5)

障害者福祉 システムの転換

障害者福祉 の仕組 みは,措置制度 か ら支援費 ( 契 約)制度 に転換 された

(2003

年).行政が決 め る福 祉か ら利用者が選ぶ福祉への転換 である.同時 に, 障害者 ケアマネ ジメ ン トも開始 された.契約制度 ・

システムで は,選ぶ福祉 と して利用者 の意思 とその 表現が問われ る. そ して,地域生活への移行 と支援 が課題化 されている. また,知 的障害者 の当事者活 動 が活発 に展開 され,支援費制度 の学習会 も企画 し ている.地域 での生活 の質 を確保 し,利用者 と して の権利擁護 の活動 であ る. しか し,開始 されたばか りの支援費制度 であるが,財政問題 を背景 に高齢者 の介護保険 と統合す る動 きがあ る.

福祉 システムの転換 は,在学 中か ら福祉 サー ビス を利用す るなかで,利用で きる福祉 サー ビス と利用 の仕方 を学ぶ ことを求 めている. そ して,福祉 サー ビスの利用 は,相談 や支援 を媒介す ることになるの で,在学 中の 「 相談 しなが ら問題解決す る体験」が 必要 とな って くる.福祉 システムの転換 は,生徒 を 将来 の福祉 サー ビスの利用主体 に位置づ けることを 要請 している.

6)

特別支援教育への転換

特別支援教育への転換 は,国際的動 向を背景 に, 文部科学省 の①

21

世紀 の特殊教育 の在 り方」報告

(2001

年) と② 「 今後 の特別支援教育 の在 り方」報 告

(2003

年)が提言 している方 向であ り,障害児 の 教 育 につ いて新 たな対象 。仕組 みを提案 している.

高 等部及 び進路指導 の関連事項 は,① で 「 乳幼児期 か ら学校卒業後 まで一貫 した相談支援体制 の整備」

「後期 中等教育機 関‑ の受入 の促進 と障害 のあ る者 の生涯学習 の支援」 であ り,② で東京都等 で研究開 発 されている 「 個別移行支援計画」 を含 めて,多様 なニーズに対応す る仕組 みであ る 「 個別 の教育支援 計 画」 を策定 す るとい う内容であ る.

特別支援教育への転換 は,福祉 。医療 。労働等 の 関係機関 と連携 し,学校生活 と地域生活全体 を見通 した相談支援体制 の構築 と個別 の教育支援計画の策 定 を求 めている. そ して,進路指導 の新 たな実践的 枠組 みに,移行期 を支援す るための新 たな仕組 みで あ る 「 個別移行支援計画」 の活用 を位置づ けた9 ) .

3

,進路指導実践 の転換構図 1 )実践転換 の方向

進路指導 の実践転換 の方 向を, 「 発達 の遅 れ と教

(4)

表 3 雑誌の特集 にみる進路指導実践の変化

教 師 のための福祉 .就労 ‑ ン 新 .教 師のための福祉 .労 ハ 保存版進路 .卒業後 のサ ボ‑

ドブ ック (

1989)

ン ドブ ック (

1996)

卜ガ イ ド

(2003)

「発達 の遅 れ と教育」別冊

(1989,7)

「 発達 の遅 れ と教育」別冊

(1996,9)

「 発達 の遅 れ と教育」N

o.547 (2003,3)

1 , よ りよい社会参加 を進 めるための視点 1, よ りよい社 会参加 を支援 す るための視 1 ,進路支援 の在 り方 を求 めて ( 論説)

精神遅滞者 の社会参加 とは,社会参加 と 点 進路実態 と要因,移行支援,職業教育 の

法制,雇用 と就労 の概念, ノーマ ライゼ‑ 社会参加 を進 め る理念, 自己決定 と本人 充実,進路学習 の開発,個別移行支援計画 シ ヨン

,QOL

,ア ドヴオカ シー,キ ャ リア 参加,障害者 の権利 と支援,雇用 と就労 の

2

,主体 的 な進路選択 の ために‑‑‑進路学 教育 とガイ ダ ンス 概念,地域生活 と生涯 にわたる支援,職業 習 の開発

2

,進路指導 と卒業後指導 教育 とキ ャ リア教育 小 .中学校段階 の進路支援 と進路学習, 進路指導 と卒業後指導 の意義,中学校特

2

,進路指導 の意義 と指導計画 . 高等部 の進路学習 の位置づ け,進路学習 の 殊学級 の進路指導,養護学校 中学部 の進路 進路指導 の意義,小学校特殊学級 .養護 実際,進路支援 と保護者 .関係機 関 との連 指導,養護学校高等部 の進路指導,進路懇 学校小学郡 の進路指導,養護学校 中学部 の 樵

談会 の聞 き方,進路相談 の進 め方,個人別 進路指導, 中学校特殊学級 の進路指導,義

3

,個別移行支援計画 の作成 と実施 資料 の作成 と活用,職業能力 .適性 の評価, 護学校高等部 の進路指導,職業能力 .適性 個別 の指導計画 との関係,個別移行支援 進路情報 の収集 .保管 .活用,職場実習 の の評価,個人資料 の作成 と活用,個別 の進 計画 の作成,移行期 と移行後 の計画 と展開 ね らい と指導計画,職場開拓 の方法,実習 路指導計画,進路情報 の収集 と活用

4

,就労 を 目指す現場実習 と職場 開拓 先 リス トの作成 と活用,実習 と報酬,実習

3

,進路指導 の実際 現場実習 の計画 と展開,実習先 の開拓 . 先 の選 び方 と手続 き,実習 の事前事後指導, 進路相談 の進 め方,進路選択 の支援,保 選定 .手続 き,実習評価 の生 か し方,新 し 実習 における巡回指導,校内実習 の進 め方, 護者 との面談,進路懇談会 の聞 き方,職場 い職域の開拓 ( 喫茶接客 .保育士補助 .ホ‑

実習 の評価,家庭 の協力,実習 中の事故 の 説明会 .職場見学 会,福祉施設説明会 .施 ムヘルパ ー .パ ソコン入力) 予 防 と対処,就職先決 までの手順,福祉事 設見学会,関係諸機 関 との連携

5

,卒業後支援 の在 り方 と実際

務所 との連携,公共職業安定所 .職業 セ ン 4 ,進路学習 の指導計画 卒業後支援 と地域 ネ ッ トワークづ くり, 夕‑との連携,卒業後指導の計画,同窓会 . 進路学習 とは,主体 的な進路選択 と進路 職場定着 への支援,障害基礎年金 の支給 卒業生親 の会等 の組織作 り,地域 にお ける 学習,進路学習 の指導計画,進路学習 の展

6

,就労 を進 めるための基礎知識

進路指導 .卒業後指導 の組織作 り 開 雇用促進 に関す る制度 の体系,公共職業

3

,施設利用 の基礎知識

5

,現場実習 の進 め方 と進路先 の決定 安定所 の役割 と利用,雇用促進 に関す る各 福祉 サー ビスの窓 口,療育手帳 の交付, 現場実習 とは,現場実習 の指導計画,職 種助成制度, 障害者職業 セ ンターの役割 と 福祉施設 の体系,施設入所 のケース,居住 場開拓 の方法,実習先 リス トの作成 と活用, 利用

施設 の種類 と役割,適所施設 の種類 と役割, 実習先 の選 び方,実習 の事前 .事後指導,

7

, コラム

作業所 の種類 と役割,適所施設入所手続 き, 実習期間中の指導,校 内作業週間,実習 の これか らの進路指導 の在 り方, アメ リカ 通勤寮 の役割 と利用,施設作 り 評価,家庭 の協力,実習 中の事故 の予 防 と 合 衆 国 の Ⅰ TP ( 個 別 移 行計 画 ) と比 較 し 4 ,就労 を進 め るための基礎知識 対処,実習 と報酬,進路先決定 までの手順, て,各地 での就業支援 セ ンターの設置 の動

就労援助 の窓 口,障害者職業訓練校 の利 労働条件 の決 め方 向 用,能力開発 セ ンターの利 用,職業準備訓

6

,卒業後指導 の意義 と指導計画 の立 て方

練 の利用,各種学校 や専修学校 の利用,雇 卒業後指導 とは,組織作 り,同窓会 .ク *本号 は 「 就労 を 目指 し支 え る」 と副題 の 用促進助成金制度,職場適応訓練制度 の利 ラス会,卒業生親 の会,卒業後 の職場訪問, つ いた特集 であ る○

用,雇用 の形態 と労働条件,労働条件 の決 就職 当初 の問題 と対処,事故 や トラブルへ め方,事業所受入 の実際,就職 当初 の問題 の対処,離職 への対応,地域 ネ ッ トワー ク

と対処,職場定着 の条件,卒業後 の職場訪 作 り,雇用主会組織作 り ≡※各種学校 や専修学校,多数雇用事業所, 問,就職後 の事故 .トラブルへの対処,離

7

,福祉施設 の利用 に関す る基礎知識 r福祉工場,職場づ くり,職場定着,福利厚 職 ‑の対応,雇用主会 の組織作 り,多数雇 福祉施設体系,福祉事務所,更生相談所, ≡生活動,各種保険制度

用事業所 の受入, 障害者 の店, 自治体委託 児童相談所,保健所,児童福祉施設,居住

≒9

,地域生活 に関す る施策 の活用

事業 施設,通所施設,小規模作業所,通勤寮, 地域生活 の施策,経済保障,交通機関 の

5

,家庭 .地域生活 に関わ る施策 の活用 療育手帳,施設 の作 り方 割 引,地域療育拠点施 設,地域 障害者 セ ン 年金 .手 当,運賃割 引 .税 の減免, 医療

8

,就労 を進 め るための基礎知識 夕‑, ホ‑ムヘルプサー ビス, シ ョー トス 費補助, グループホーム,里親 と職親,地 雇用促進 の制度,公共職業安定所,助成 ≧ティ,生活支援事業, グル ープホーム,悼 域 セ ンター, シ ョー トステイ, ホ‑ムヘル 金制度,職業適応訓練,雇用 の形態 と労働 ≡と結婚の相談,生涯学習機関,文化 .スポ‑

パ ‑,学童保育,性 と結婚,青年学級, ス 条件,最低賃金制度,職業 セ ンタ‑,職業 : Iツ活動,人権擁護機 関,高齢化対応,旅行

(5)

育」誌 ( 月刊)

10)

の特集 内容 の変化か ら探 ってい く.

3

3

つの時期 の特集 は

,89

年版 は

1980

年代 の伝 統 的な進路指導 の実践 の蓄積 が反映 されている

,96

年版 は新 たな考 え方 や実践が一部取 り入れ られてい

,03

年版 は新 たな進路指導 の考 え方 や実践 もとで 編集 されて いると概括 ・位置づ けで きる.

進路指導の基本的考え方 は

,89

年版 にも時代のキー ワー ドが 「 視点」 と して取 り上 げ られたが

,96

年版 は新 たな自立観 である 「自己決定 と本人参加」 が重 要 な位 置 を 占め, アメ リカ合衆 国で制 度化 され た

「 移行 サー ビス」 (キ ャ リア教育)が紹介 された. さ らに

,03

年版 で は,進路指導 に代 わ る用語 と して, 生徒主体 の意味を含 む 「 進路支援」 が使用 されてい る. また,「 主体的な進路選択」 を促す 「 進路学習」

と 「 移行期」 を支援 す る 「 個別移行支援計画」 が基 本的考 え方 にな って いる.

進路指導 の実践 内容 は

,89

年版 は伝統的 な実習 を 中心 とす る編集 である.

96

年版 は進路学習が初 めて 特設 された.

03

年版 は進路学習 と個別移行支援計画 の実践 を中心 に編集 された. そ して

,89

年版 と

96

年 版 で も基本 的考 え方 の 「 視点」 は,新 たな時代 ・進 路指導が意識 されているが,実践内容 は必ず しもそ れに伴 っていなか った.

03

年版 になると,基本 的考 え方 と実践 内容が一致 して くる.

「 発達 の遅 れ と教育」誌 の

90

年代半 ば以後 の進路 指導関連 の特集名 は

,

「自己決定 と本人参加

」(94)

,

「 社会参加 をめざ した進路決定

」 (95),

「 青年期 は青 年 らしく

」(96)

,「 進路指導 と移行 サー ビス

」(97)

,

「 働 く生活への参加 と支援

」(98),

「これか らの進路 支援

」(99),

「 積 み上 げ る進路学習

」(00),

「 学校生 活 か ら社会生活 へ の移行支援

」 (01)

な どであ る.

このよ うな特集名 か らも,進路指導 の基本的考 え方 と実践 内容 の変化 を読 み取 ることがで きる. このよ うな変化 か ら実践転換 の方 向を概括すれば

,90

年代 後半以後 「 伝統的な進路指導」 か ら 「 新 たな進路指 導」へ と転換 しっっあ る.以下 に, その実践的特質 等 を比較検討す る.

2) 伝統 的な進路指導 の実践

4

,89

年版特集 に掲載 された高等部進路指導 の年間計画例である1 1 ) . この年間計画 は,現場実習 ・ 関係機 関 との連携 ・保護者 との連携か ら構成 されて いるが, その中核 は現場実習であ る.

1980

年代 の伝 統的な進路指導 の実践的モデル と考 え られ るこの年 間計画 は,現場実習 ( 産業現場等 にお ける実習) と

い う 「 実習的活動中心」の進路指導である.つま り, 関係機関や保護者 と連携 しなが ら,現場実習 を展開 す るなかで生徒の進路 を決 めてい く進路指導である.

ここでの現場実習 は,働 く力 o職場 に適応す る力 を 培 う機会であ り,進路決定 の機会 とな っている.莱 習 の事前学習が設 け られているが, その学習 内容 は 実習先 での対応 などの限 られた内容であ り,進路学 習的展開 には至 っていない.進路相談 は保護者 との 相談が中心で,生徒 は形式的に参加す ることが多 い.

この実践例 の何 よ りの特徴 は,進路担 当者 の活動が 計画 の中心 であ り,生徒主体 の年間計画で はない こ

とである.

伝統的な進路指導 の実践的特徴 は,①実習的活動 中心 の実践であること,②個人 の適応能力 を重視 ・ 開発す ること,③実習的時間を多 く確保 して適応行 動 。スキルの形成 を促す こと,④生徒が進路選択す る主体であるとの認識が弱 い ことなどである.故 に, 現場実習が中核的な位置 を占め るのであ る ( 図

2

参 照). これ は 「 個人」 に重点 をお き

,

「 能力開発 と適 応」 に焦点化 された実践 と概括 で きよ う. この実践 を規定 して きた背景 には,進路先確保 の困難 さや進 路環境 の不十分 さがあ る.故 に,進路担 当者 の役割 は,生徒 の進路先確保 の活動が中心 を占めて きた.

しか し, よ り根本的問題 は時代 の実践的基盤 や障害 観等 に も規定 されて,生徒が進路選択 と社会参加 の 主体であるとの認識が弱か った ことであろ う.

3 )新 たな進路指導 の実践

5

は,近年 の高等部進路指導 の年 間計画例 であ る

12)

.新 たな進路指導 の実践 的 モデル と考 え られ る この年間計画 は,進路学習 o現場実習 。進路相談 か ら構成 されて いる. そ して, この年間計画 は進路選 択 ・決定 の過程 を組織す る計画 なので

,3

年 間の系 統的な計画 とな っている. また, この年間計画例 は, 社会参加 を支援す る仕組 み と して,個別移行支援計 画の活用 と地域 ネ ッ トワークによる支援 を想定 して い る ( 図

2

参照). この実践例 の何 よ りの特徴 は, 生徒主体 の構成 と計画であることである. この点が, 伝統的な進路指導 の年間計画 との基本的な違 いであ

る. .生徒 を進路選択 と社会参加 の主体 と位置づ け,

その主体形成 と進路選択 を学習的 。体験的 ・相談的

に組織 し

,3

年間の計画的な展開 と してい る. つ ま

..

①進路学習では進路関連事項 を計画的に学習 し,

社会的認識 や 自己認識 を培 う,( 診現場実習で は段階

的 に進路体験 を拡大 し,選択 の経験的基盤 を培 う,

(6)

表 4 進路指導の年間計画例 ( 1 9 8 9 )

月 現場実習関係 関係機関 との連携 保護者 との連携

4

職場 開拓 福祉事務所訪問 進路希望調査 ( 家庭訪 問 1 .2 年)

J 職業安定所訪 問

J現場実習依頼 年 間計画提 出

5

現場実習 1実習先見学 ( 実習事前学習

(2.3

1年) 年) 就職担 当者会議 実習先一覧表提 出 実習説 明会 実習先見学会 ( 2.3 年)

6 実習報告会 福祉事務所 との懇談会 実習反省会 ( 2.3 年)

企業主懇談会 職業相談会 進路相談会

7 職場開拓 J現場実習依頼 実習先一覧表 の提 出 関係役所 との懇談会 実習説 福祉施 明 策 会 に

( 2年) い て の

要 請

現場実習

(3

年 の一部) 地域作業所見学 行動

8 I 地域作業所見学 施設見学会

9 職場開拓 職業安定所訪 問 適所施設訪問 個別面談 適所施設説 明会

10

J現場実習依頼 実習事前学習 職業安定所訪 問 関係役所訪 問 適所施設見学会

l

l

現場実習

(2.3

年) 福祉事務所訪 問 実習説 明会

(2.3

年)

l

中間登校 日指導 実習先一覧表提 出

12

実習報告会 求職票提 出 実習反省会

(2.3

年) 職業評価

(2

年対象) 個別面談

(3

年)

1 現場実習依頼 関係機関 との懇談会 施設入所 申 し込 み説 明会 現場実習

(3

年 の一部) 実習先一覧表提 出

(3

年)

2 1実習報告会 雇用条件 の話 し合 い 職業安定所訪 問 進路先諸手続 き 個別面談

3 現場実習先 お礼 適所施設入所決定 進路希望調査

(2

年)

(7)

5

進路指導の年間計画

(2002)

学年 進 路 学 習 現 場 実 習 進 路 相 談

1

年 ○仕事調べ 〇校 内実習 中心 の時期 ○進路相談 <生徒>

3

月 <保護者>

・家族 の仕事 <校 内実習①> 2 学期

.2

週間 ・保護者会

・身近 な人 の仕事 ・働 く意欲 の喚起

4,6,7

,

・私 の地域 の作業所 ・座 り仕事 中心

9,10,12

,

○働 く意義 ・働 くとい うこと ・職場見学 につ いて

○進路選択 の手l ・先輩 の実習先 ・私 の実習希望 ・進路相談 につ いて T r B ・生徒 の実態把握 ・進路実習 ・進路相談

2

懇談会

,3

,

2

年 ○関係機関の利用 ○経験 を広 げる時期 ○進路相談 ・保護者会

・仕事 を さが したいとき <校 内実習> 1 学期

.2

週間

4,6,7

( 公共職業安定所) 作業種 の選択

9,10,12

職場見学 につ いて ・立 ち仕事 中心

2,3

○進路先 の情報 ・いろいろな仕事

会社 と作業所 <現場実習( ・個別 の課題 にそ った 目標

∋> 2

学期

.2

週間 ○進路相談

7

月 ・進路相談 ・進路実習 ・職業相談

談会

○ 自己理解 ・働 く力 を育 て る 11 月

・私 のプ ロフィール ・実習先 の選択 ・職業相談

・今,で きること,で き ない こと

・自分 の意見 をいお う ・社会 的認識, 自己理解 ( 職業センタ‑)

3

年 ○卒業後 の生活 の場 ○進路選択 .決定 の時期 ○進路相談 ・保護者会

・いろいろな生活 の場 <現場実習②> 1 学期

.3

週間

4

月 ・進路相談 ・進路相談 ( 施設 .通勤寮 .生活寮) ・働 く力 を育て る ○進路相談

○制度 とサー ビス ・進路選択 ( 考 え る)

7

療育手帳 ・生活力 を育 て る ・求職登録 o求職登録 o進路相談

・年金 と手 当 <現場実習③> 2 学期

.3

週間 ( 職業安定所)

○生活 の質 を高 め る ・働 く力 を育 て る ○進路相談

・仕事 と余暇 ・進路選択 ( 決 め る)

1

1 月 ・進路実習

・ゆたかな暮 らし ・生活力 を育て る 懇談会

・私 の将来 <追加実習> 3 学期

.2

週間

(8)

進路学習

進路相談

現場実習

( 卒業)

1 一 社 会参加

I ネ ッ ト ワ ー ク 支 援

<個別移行支援計画 ( 1 ) ‑

‑‑・ ・ ‑‑‑・ 将来設計> 一 一<個別移行支援計画 ( 2 ) >

1 1 1 I

‑‑・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ <地域 ネ ッ トワーク :生活支援 ・就労支援 ・余暇支援等>‑‑・ ・ ・ ‑・ ・ ・ ・ ‑ 図

1

進路選択 ・決定 の過程 と支援 のモデル

③進路相談で は選択主体 と して学習や体験 を基礎 に 実習先及 び進路先 を選択す ることである.

新 たな進路指導 の実践的特徴 は,( 丑移行期 の地域 生活への移行 を支援す ること,②進路学習等 による 生徒 の主体形成 をはか ること,③地域生活への移行 を個別移行支援計画の活用 によ り支援す ること,④ 関係機関が地域 ネ ッ トワークを組織 し,支援す るこ

となどにある. これは 「 個人 と環境」 に重点をお き,

「 主体形成 と環境整備」 に焦点化 された実践 と概括 で きよ う.新 たな進路指導 の構成 と過程 は,図

1

の よ うな実践構造 として表現す ることがで きる. この よ うな実践的プ ロセスの もとで,生徒主体 の進路選 択 ・決定及 び社会参加が実現で きると構想 されてい る. ここで は生徒 の 「 主体形成」過程 とともに,社 会参加 を支援す る仕組 み ( 環境整備)である個別移 行支援計画 とネ ッ トワーク支援が位置づ け られてい る. ここには,社会参加 は主体形成 ( 個人) と環境 整備 ( 環境) の相互作用 の在 り方 に規定 され るとい

う捉え方がある.

また,新 たな進路指導 は, 「 移行期」 を支援す る

「 移行支援」 と規定す ることがで きる.移行期 には,

「 学校 か ら社会へ ・子 ど もか ら大人へ」 の二重 の意 味が含 まれている. 「 学校 か ら社会へ」 の移行 ( 礼 会的移行) は,狭義 の進路指導,すなわち進路先 の 確保 ( 移行) に止 ま らず,「 地域生活への移行」 を 含 む ものである.故 に 「 移行支援」 は,従来の進路 指導や近年使用 されている 「 進路支援」 よ り広 い視 野か ら支援 を捉 えている. 「 地域生活 への移行」 を 視野 に入れた捉 え方 は,個別移行支援計画の支援領 域設定 ( 家庭生活,進路先の生活,余暇 ・地域生活, 医療 ・健康) などに も反映 している. また

,

「 子 ど

もか ら大人へ」 の移行 ( 発達的移行) は, 「 青年期

の発達」を視野 に入れ,主体形成を促す ことである.

進路選択 と社会参加 の過程 は青年期 の発達 に必要か つふ さわ しい活動 であ り,青年期の発達的蓄積 は社 会参加 における主体性発揮 の発達的基盤 となること が期待 され る.新 たな進路指導 ・移行支援 は, この よ うな 「 移行期認識」 の もとで構想 され,社会的移 行 と発達的移行を統合的に実現 しようとす る.なお, 移行期 の時期設定 は,高等部入学時か ら卒業後

3

年 の期間が現状では目安 になるだろう.

4)実践転換 の構図

養護学校進路指導 は, 「 伝統 的な進路指導」 か ら

「 新 たな進路指導」 へ転換 しっっ あ る. それ は,覗 場実習 に象徴 され る実習的活動 を中心 とす る 「 能力 開発 と適応」 の実践か ら進路学習 ・個別移行支援計 画 ・ネ ッ トワー クな どのキー ワー ドに象徴 され る

「 主体形成 と環境整備」 の実践への転換 である. こ のよ うな実践転換 は,表 6と図 2のよ うに表現す る ことがで きる.表

6

は,実践転換 を対比的 に検討す るべ く整理 した表である.前述 のよ うに,伝統的な 進路指導 と新 たな進路指導 は, その特質 ・観点 ・内 容 を著 しく異 にす る.伝統的な進路指導 の課題性及 び新 たな進路指導 の実践的方 向や要点 を理解 してい くことが,今後の進路指導 の新 たな展開 において必 要 となる.図

2

は,伝統的な進路指導 の実践 モデル か ら新 たな進路指導 の実践 モデル‑の転換を図式的 に表現 した ものである

13)

.図

2

にみ られ るよ うに, 養護学校進路指導 の実践 は, その転換 の背景 と要因 を時代的 ファクターと して転換 しっっある.

このよ うな実践転換 の背景 と要因を探れば,実践

転換 の背景 は,養護学校進路指導 の 「 実践的基盤 の

変化」である.多様 な実践的基盤の変化 ( 転換 の客

観的条件)が,新 たな進路指導の展開を促 して きた.

(9)

表 6 伝統的な進路指導と新たな進路指導

区分 伝統的進路指導 新たな進路指導

特質 能力開発と適応 主体形成と環境整備

観点 個人 個人と環境

内容 実習的活動 ( 個人の適応能力の重視 .開発 現場実習)中心の実践 移行期の地域生活への移行を支援 進路学習等による生徒の主体形成 実習的時間の確保と適応行動の形成 個別移行支援計画の活用による支援

社会参加

<転換の背景と要因: >

・背景 ( 実践的基盤の変化) ( 伝統的な進路指導) ・要因 ( 新たな実践の開拓)

( 新たな進路指導) 図 2 進路指導実践の転換構図

次 に,実践転換 の要因 は,実践的基盤 の変化 を意識 した関係者 によ る 「新 たな実践 の開拓」 ( 転換 の主 体 的条件) である. まず,進路学習 の実践的試 みが

1990

年 頃か ら開始 された. その蓄積 や問題意識 の も

とで, アメ リカ合衆 国 の

IT

P ( 個別移行計 画) の 制度化1 4 ) ・地域生活支援 の福祉実践 ・就労支援 の実 践等 に学 びなが ら,個別移行支援計画 の開発や ネ ッ

トワーク支援 が実践的課題 とされて きた.

4

,結語

新 たな進路指導1 5 )は, 「個人 と環境」 に重点 をお き, 「 主体形成 と環境整備」 に焦点化 した実践 で あ る. しか し,転換期 の養護学校進路指導 の現状 は, 伝統的な進路指導観 のまま進路学習や個別移行支援 計画 を表面 的 に取 り入 れている実践状況が多 い.本 稿 で 「 転換 しつつ あ る」 と限定的 に表現 して きたの は, このよ うな 「 実践的矛盾」 を含 んだ実践が多 い ことを意味 している.進路学習や個別移行支援計画 に関す る全国調査 の結果1 6 )も, その ことを指摘 して いる.故 に, このよ うな実践的矛盾 を克服 し,新 た

な進路指導へ転換 してい く方略が問われている.

方略の第一 は,本稿 で試 みたよ うな理論 的整理 ・ 検討 である.実践的矛盾 を きた したひ とっ原因 は, 新 たな進路指導 の理論的検討及 び表現の弱 さにある.

新 たな進路指導 は,本稿 で検討 。紹介 して きたよ う に新 たな基盤 ・発想 の もとにあ る. しか し,多 くの 場合,進路学習や個別移行支援計画 とい う実践的様 式 ばか りが普及 し, その基本的な考 え方 は十分 に理 解 されて こなか った.今後,①養護学校進路指導 の 歴史的な検討 か ら,歴史的蓄積 と課題及 び転換 の方 向を明確 にす ること,②新 たな進路指導 の教育論 と

しての吟味 によ り,確 かな実践論 を構築す ることな どが当面 の課題 となる.

方略の第二 は,進路学習 や個別移行支援計画 の理

解促進方策である.実践的矛盾 を きた したひ とっの

原因 は,用語 がひ とり歩 き し,理解 の不十分 さや誤

解 を もた らしていることである. また,関係者 が共

通理解 ・役割分担 してい くツールである個別移行支

援計画 をめ ぐり,教師間 。保護者 。関係機関 との共

通理解が課題 とされている.進路学習や個別移行支

(10)

援計画を適切 に理解 ( 関係者 の共通理解を含む) し, 実践 してい くには,問題意識 を もっ関係者 に新 たな 進路指導の適切な情報提供をす ることが必要 となる.

例えば,障害者 ケアマネ ジメ ン トの開発では, その 要点 を整理 したガイ ドライ ンが作成 ・普及 している

ことなども参考 となるだろ う.

<注 ・文献>

1 )本稿で は知的障害養護学校 を検討対象 とす る.

2)

内海淳

(2001)

「 職業教育 の歴史 ( 上) 一進路 指導 の形成期 と転換期 ‑」,発達 の遅 れ と教育

No.532

3)進路学習 は,生徒が進路探索 のために行 な う学

習であ り,進路 に関す る社会的認識や 自己認識 を 培 う学習機会である.表

5

は,養護学校での進路 学習実践例 ( 内容 と計画) である.

4)個別移行支援計画 は,高等部入学時か ら卒業後 3

年 を 目安 とす る移行期 を支援す るための個別 の 支援計画である.文部科学省委嘱事業 によ り東京 都 の委員会 などが研究開発 に取 り組んでいる.全 国特殊学校長会編

(2002)

「障害児 ・者 の社会参 加 をすすめる個別移行支援計画」 ジアース教育新 社,東京都矢口的障害養護学校就業促進研究協議会 編

(2003)

「 個別移行支援計画

Q&A基礎編」 ジ

アース教育新社

5)

原智彦 ・内海淳 ・緒方直彦

(2002)

「 転換期 の 進路指導 と肯定的 な 自己理解 の支援」,発達 障害 研究 第

24

巻 第

3

6)

日本知 的障害福祉連盟編 「 発達 障害 白書」,各 年度版 による

7)

佐藤久夫 ・小津温

(2003)

「障害者福祉 の世界 ( 改訂版)」,有斐閣

8)

発達 の遅 れ と教育

No.547(2003,3)

「 保存版 進路 ・卒業後 サポー トガイ ド」, 日本文化科学社

9)

文部科学省特別支援教育 の在 り方 に関す る調査

研究協力者会議

(2003,3)

「 今後 の特別支援教育 の在 り方 について ( 最終報告)」

10)

「 発達 の遅れ と教育」誌 は,全 日本特別支援教 育研究連盟機関誌 として, 日本文化科学社 よ り月 刊で発行 されている.書名 は時代 に応 じて変 わ っ たが約

50

年余 りの歴史がある.

ll)

教師のための福祉 ・就労‑ ン ドブ ック

(1989

,

7)発達 の遅れ と教育別冊, 日本文化科学社 12)5)

に同 じ

13)5)

に掲載 された図を修正 した ものである.

14)

水谷 由美 ・柳本雄次

(2002)

「アメ リカ合衆国 における

ITPの発展経緯 と現状」,心身障害学研

究 第

26

巻 ( 筑波大学心身障害学系)

15)

養護学校進路指導 は新 たな進路指導 ・移行支援 へ転換 しっっあるが,中学校 ・高等学校 の進路指 導で は 「キ ャ リア教育」が導入 されよ うと してい る.文部科学省 のキ ャ リア教育 に関す る総合的調 査研究協力者会議 は 「中間まとめ一児童生徒一人 一人 の勤労観,職業観 を育て るために‑

」(2003

,

7)

を報告 している.

16)

緒方直彦

(2003)

「 知的障害生徒 の個別移行支 援計画 に関す る一考察 一進路学習 の課題 をふ まえ て ‑」 ( 東京学芸大学大学 院教育学研究科修士論 文),佐藤圭吾

(2004)

「 知 的障害養護学校 にお ける進路指導 に関す る研t j k ‑ . : 個別移行支援計画 と ネ ッ トワーク支援 を中心、 に‑」 ( 秋 田大学大学院 教育学研究科修士論文)

Summary

Themethodofcareerguidanceforhandicapped studentshasrecentlybeenundergoingsubstantial changesinvariousways.Suchchangeswouldbest becharacterizedbyasetofwordsthatarecur rentlybeingusedinthefield,including'career learning

,

Hindividualized guidance

,

Hnetworking theguidancesystem,andsoforth.Thesechanges mayalsoreflectmajorshiftsintheoriesunderly‑

ingpractice.Itseemsasiftheguidanceinthefield wereataturningpointinhistory.Inordertoas sisthandicappedstudentsinabetterwayastothe coursethattheywouldtakeaftercompletinga formaleducation,variousattemptshavealready beenmadebyvariousparties,whichinturnhave beenprovidingalargeamountofusefulinforma‑

tion.玩 ordertorendersuchsetsofinformation usableforactualcareerguidance,thepresentpa‑

persummarizesarecentdevelopmentinthefield byreferringtoanumberofrelatedpublications.

KeyWords:SpecialSchoo

l

,CareerGuidance

,

TurninngPoint

(ReceivedJanuary23,2004)

表 1 養護学校進路指導実践の歴史的概略 区分 形成期 展開期 Ⅰ 展開期 Ⅱ 転換期 特 徴 実習的活動中J L 、 の 教育拡大期の進路 高等部整備と職業 新たな進路指導の 職業指導 指導 教育 開拓 時期 1 9 5 0 年代 1 9 6 0 ‑1 9 7 0 年代 1 9 8 0 ‑1 9 9 0 年代前半 1 9 9 0 年代後半〜 内容 実習的活動中J L 、 , 実習的活動中心, 実習的活動中心, 高等部整備 .拡充校外実習,学校工 職場実習,学習指 現場実習,高等部 実践的基盤の変化場方式,
表 3 雑誌の特集 にみる進路指導実践の変化 教 師 のための福祉 .就労 ‑ ン 新 .教 師のための福祉 .労 ハ 保存版進路 .卒業後 のサ ボ‑ ドブ ック ( 1 9 8 9 ) ン ドブ ック ( 1 9 9 6 ) 卜ガ イ ド ( 2 0 0 3 ) 「発達 の遅 れ と教育」別冊 ( 1 9 8 9 ,7 ) 「 発達 の遅 れ と教育」別冊 ( 1 9 9 6 ,9 ) 「 発達 の遅 れ と教育」N o
表 4 進路指導の年間計画例 ( 1 9 8 9 ) 月 現場実習関係 関係機関 との連携 保護者 との連携 4 職場 開拓 福祉事務所訪問 進路希望調査 (家庭訪 問 1 .2 年)J職業安定所訪 問J現場実習依頼年 間計画提 出 5 現場実習 1実習先見学 (実習事前学習(2.3 1年)年) 就職担 当者会議 実習先一覧表提 出 実習説 明会 実習先見学会 ( 2.3 年) 6 実習報告会 福祉事務所 との懇談会 実習反省会 ( 2.3 年) 企業主懇談会 職業相談会 進路相談会 7 職場開拓 J現場実
表 5 進路指導の年間計画 例 ( 2 0 0 2) 学年 進 路 学 習 現 場 実 習 進 路 相 談 1年 ○仕事調べ 〇校 内実習 中心 の時期 ○進路相談&lt;生徒&gt;3月 &lt;保護者&gt;・家族 の仕事&lt;校 内実習①&gt; 2学期.2週間・保護者会・身近 な人 の仕事・働 く意欲 の喚起4,6 ,7 ,・私 の地域 の作業所・座 り仕事 中心9,10,12, ○働 く意義 ・働 くとい うこと ・職場見学 につ いて○進路選択 の手l・先輩 の実習先・私 の実習希望 ・進路相
+2

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