島根 県立看護短 期大学紀要 第12巻,79‑90,2006
I.は じ め に
島根県立看護短期大学看護学科では,1998年 のカ リキュラム改正により老年看護学が独立 し た。指定規則上では講義 は成人看護学6単位,
老年看護学4単位,臨地実習は成人看護学8単
位,老年看護 学4単位 とされているが,本学 に
おけるカ リキュラムでは成人看護学 と老年看護 学 とを同単位 とし,それぞれ講義5単位,臨地
実習6単位 としている。よって,本学 カ リキュ ラムにおける老年看護学の教育が果たすべ き役 割 は大 きく,カ リキュラム上の特徴 と言 える。
老年看護学の臨地実習 は,高齢者 を中心 とした 保健 ・福祉施 設で実習 を行なう老年看護実習I
(以下老年看護実習 Iと す る)を 3単位 (135時 間),医療施 設 で実習 を行 な う老年看護実習 Ⅱ
3単位 (135時間),計 6単位で展開 している。
老年看護実習Iは,介護老人福祉施設 (以下,
福祉施設)も しくは介護老人保ltt施設 (以下,
老健施設)で実施 している。
1997年の保健師助産師看護師学校養成所指定 規則の改正以降,老年看護学の施設実習 におけ
要 概
老年看護施設実習 における 学生の学び と指導上の課題 の検討
加藤 真紀 ・梶谷みゆ き
老年看護施設実習の学びを分析 した。介護老人福祉施設,介護老人保健施設の学 びのうち,【生活史・体験世界からの老年期の理解】 【コミュニケーションを築い ていく際の技術】 〔エンパワーメントを促進する援助の理解】 【生活行為への援助 の理解】 【老年看護における倫理的態度構築の必要性】 【施設ケアにおける看護師 に求められる力・役割】の6カテゴリが共通 していた。また,【施設ケアにおける 他職種との連携の意義・必要性】,【維持期 リハビリテーション実践の技術】 【へ ルスアセスメントに求められる技術】は,それぞれの施設実習特有の学びとして得 られていた。学びの関連,意義を考察し,学びの構造化の試案と今後の実習指導の 課題を検討した。
キーヮー ド:老年看護実習,施設実習,看護教育
る学習効果 や指導上 の課題等 が報 告 されて きた (松田,1999)(濱畑他,1999)(水 口,2000)
(小野,2000)(島田他,2001)(沖 中,2002)
(小西他,2003)(久代他,2004)。
しか し,老年看護学 の施設実習 と して同 じ施 設 で3週間の実習 を展 開 し,その学習効果 を検 討 した もの は見当た らなか った。 また,福祉施
設 と老健施設 では施設 の もつ役割 や,入所 され
て い る高齢者 の特性 が異 な る面 が あ るため,そ
れ ぞれの施設 にわかれて実習 を展 開す る場合 で は,学生 の学 び に差 が生 じる可能性 もある。
よって今回,老年看護実習Iを通 して記述 さ
れ た学生 の レポー トの内容 を分析 す る ことによ り,福祉施設及び老健施設 の施設 間での学び を 明 らか に し,どの よ うな高齢者 の特性 や老年看 護 の学びが得 られてい るか を検討す る。 さらに, その学 びの構造 を試案 し,今後 の実習指導上 の
課題 を検 討す る。
Ⅱ.研 究 方 法
1.対象およびデータ収集の方法
対象は,平成16年度3年次生において,老年
加藤 真紀 看護実習Iを履修 した学生80名が実習終 了後 に 作成 した レポ ー トで あ る。 その うち,本研究 の
主 旨 を説明 し,デー タと して使 用す る事 に同意 の得 られた75名の学生 の レポ ー トを分析対象 と
した。
2.データの分析
実習終 了後 に「実習 を通 して 自 らの援助過程 を振 り返 り,今後の 自己の課題 を明 らかにする とどもに自己の老年看護観 について考 える」を テーマとして記述 した レポー トをもとに質的・
帰納 的方法 によ り学びの内容分析 を行 なった。
記述の内容か ら,「・・・がわかった」「・・・
の重要性 を感 じた」「・・・が必要 だと感 じた」
などの言葉 を,学びの内容の表現 と捉 え抽出 し た。抽出 した学びの内容 を詳細 に読み,その意 味内容が変化 しないように,ま た記述 されてい る語録 を残すように忠実に要約 し,それぞれ を 1記 述 としてコー ド化 した。学びの内容 は,意
味内容の類似性 に従 い分類 し,サブカテゴ リ,
カテゴ リヘ と拍象度 を高め,その内容 を表すよ うにカテゴ リ名を命名 した。 さらに,そのカテ ゴ リ間の関連性 を明 らかにす るために,記述内 容 に戻 りなが ら学びの構造の試案 を検討 した。
なお,信頼性 ・妥 当性 を高 めるために,共同研
究者間で内容の検討 を行 った。
3.倫理的配慮
学生には,研究の 目的,プライバ シーの保護,
研究協力は自由意思 に基づ くものであり,拒否 す る権利 があること,協力の有無 によ り不利益 を受 けることはない こと,データは本研究の 目 的以外 に使用す ることはな く,匿名性 を保持す ることを説明 し,同意書に署名 を得た上で実施 した。なお,本研究 は島根 県立看護短期大学の 倫理審査委員会の承認 を得 て実施 した。
梶谷みゆき
Ⅲ.実 習 の 概 要
1,実習 目的および実習 目標
老年看 護 学 実 習 の 目的 は,「 高齢者 の諸特性 を理 解 し,老年看護 に必要 な知識 ・技術 と基本 的 な態度 を養 う」 と し,その 目的の もと,老年 看護実習Iと老 年看護 実習 Ⅱの実習 を展 開 して い る。老年看護実習Iの実習 目標 は表1に示 し た。
2.実習方法
老年看護実習Iの実習施設 は福祉施設2施設,
老 健施設3施設 の5施設 で展 開 してお り,学生
はその うちの いずれか1施設 で実習 を行 う。原 則1名の利 用者 を受 け持 ち,看護過程 を展 開す る。 この間,各実 習施設 においてカ ンフ ァレン ス を行 ってい る。 その内容 と して,実習2週目
に,受け持 ち利 用者 の ケアプ ラ ンの検 討 の場,
実習最終 日にケ アプ ラ ンを実践 しての評価 の発 表 の場 を設定 して い る。 また,それ ぞれの実習 施設 にわかれて い る学生 の学 びの共有化 を図 る ため,実習3週目に学 内での カ ンフ ァレンスの 場 を設定 してい る。内容 は,各実習施設毎 にカ ンフ ァレンスで討議 したいテーマ を学生 に設定 させ,相互 学習 を促 進 で きるよ うに して い る。
また,オプ シ ョン実習 と して,各施設 にお け る利 用者 向 けの食 事の試食,施設看護 の実際 を 学ぶ半 日の看護師実習,その施設 が持つ通所サー ビスの体験等 を行 ってい る。
Ⅳ.結 果
1.福祉施設 お よび老健施設 の学生数 と記述 の 内訳
協 力 が得 られ た学生75名の うち,福祉施設 で 表 1老年看護学実習I 実習 目標
1.高齢者の諸特性 を理解 で きる。
2.健康障害 をもって生活す る高齢者 の看護上の問題解決す る方法の基礎 を学ぶ。
3.高齢者 を中心 と した保 健 ・医療 ・社会福祉の連携 ・協働 の あ り方 と看護職の役割 について理解 し、
相互 に協力 ・協働 で きる能 力 を養 う。
4.実施 した高齢者への看護 を振 り返 り、老年看護 の実践者 と しての 自己の課題 を述べ ることがで き る。 ・
5。 高齢者の人権 と権利 を擁護す る態度 を養 う。
老年看護施設実習における学生の学び と指導上の課題の検討 実習 を実施 した者 は36名,老健施 設 で実 習 を実
施 した者 は39名で あった。抽 出 され た学 びの記 述 内容 の総 数 は147で,その うち福 祉 施 設70, 老健施 設77であった。
2.学生が捉 えた老 年看護 実習 Iの 学び 福祉施設 の実習 で抽 出 され た学 び は,33サブ カテ ゴ リ, 7カ テ ゴ リで あった (表 2)。 老健 施設 での実習 で抽 出 され た学 び は,38サ ブカテ ゴ リ, 8カ テ ゴ リで あった (表 3)。 以下,カ
テゴ リは 【Iで示 す 。
表2介護老人施設実習の学生の学び
1)福祉施設実習の学び
【コ ミュニ ケ ー シ ョン を築 い てい く際 の技 術】は,学生が高齢者の理解 と関係形成の為に コ ミュニケーシ ョンを築いてい くプロセスか ら 得 た学びである。疾病,感覚機能に合わせたコ ミュニケーシ ョンの方法 。留意点や認知症の特 性 を踏 まえた支持 的なコ ミュニケーシ ョンの方 法 ・留意点などの学びがみ られた。また,語 り
を聴 く関係 を構築す ることの意義 。重要性や語 りを引 き出す コ ミュニケーシ ョン技術 など言葉
ゲ ゴ リ
カ サ ブ カ テ ゴ リ カテゴリ
数 計
生活 史・体験世 界の視点か らの老年期の 理解
高齢者の生活史を知 ることの意味・意義
認知症高齢者の関わ りにおける,生活 史を理解す ることの意義 全人的・多角的な捉 え方の必要性
認知症高齢者の感 じる不安,孤独感等の自己概念の揺 らぎの理解 4 3 2 2
コ ミュニケーションを築いていく除の 技術
疾病,感覚機能に合わせたコ ミュニケーシ ョンの方法・留意点 世代の異なる高齢者 との コミュニケーシ ョンの工夫
語 りを聴 く関係 を構築す ることの意義・重要性
認知症の特性 を踏 まえた支持的なコ ミュニケーシ ョンの方法・留 意点
認知症高齢者の言動の背景にある意味 を考慮 した関わ り
認知症高齢者の関わ りにおける援助者 自身の感情 コン トロールカ の必要性
非言語的コ ミュニケーシ ョンの活用 とその意義 語 りを引 き出すコ ミュニケーシ ョン技術の必要性 エ ンパ ワーメン トを促進する援助の理解 高齢者のできることに注 目した自立支援
高齢者の意思を尊重 した援助の必要性
高齢者ケアにおける自己決定 を尊重す ることの意味 ・意義 認知症高齢者の残存能力を促進 させ るケアの必要性 認知症高齢者のスタッフ間の多角的なアセスメン トの必要性
3 3 3 1 1
生活行為への援助の理解 生活の場 という視点での看護の必要性
高齢者の他者 とのつなが りを支援す ることの必要性 ・意義 排泄 ケア時の高齢者への尊厳の尊重の態度の必要性 生活の場の変化への適応 を支援す ることの必要性
高齢者の生活習慣 ・生活様式 を尊重 した関わ りの必要性 ・意義 認知症高齢者が安心 して生活で きる場の調整の意義
認知症高齢者における良好な人的環境作 りの意義
1 3 1 1 2 1 3 老年看護における倫理的態度構築の
必要性
高齢者への尊厳 をもった態度の必要性 老年観の構築の意味・意義
認知症高齢者の自尊心に配慮 した尊厳 ある関わ り方の必要性
1 1 1
3
施設ケアにおける看護師に求め られる 力 と役割
看護師に求め られ る健康管理 。異常の早期発見・対応で きる力 施設看護 として、QOLの視点 を重視 した援助の意義 ・必要性 看護師に求められ る他職種 との連携力
高齢者の個別性ケアを実践す る技術力の必要性
3 3 1 2 施設ケアにおける他職種 との連携の
意義・必要性
よりよい援助方法検討のためのスタッフ間の連携 個別性の理解を深めるための他職種 との連携
1 2
加藤 真紀 ・梶谷みゆき 表3介護 老 人保健施設実習の学生 の学び
カテ ゴ リ サ ブカテゴ リ 一一一口一 カテゴ リ
数計 生活 史・体験 世界の祝点か らの老年期の
理解
高齢者の生活史を知 ることの意味・意義
認知症高齢者の関わ りにおける,生活史を理解することの意義 加齢に伴 う諸機能の理解
7 2 1
コ ミュニケーションを築いていく除の
1支争行
疾病・感覚機能に合わせたコ ミュニケーションの方法・留意点 世代の異 なる高齢考 とのコ ミュニケーションの工夫
語 りを聴 く関係 を構築す ることの意義 ,重 要性
認知症の特性 を踏 まえた支持的なコ ミュニケーシ ョンの方法・留 意点
認知症高齢者の言動の背景にある意味を考慮 した関わ りの意義 認知症高齢者の関わ りにおける援助者自身の感情 コン トロールカ の必要性
真のニーズを引 き出す コ ミュニケーション エ ンパ ワーメン トを促進する援助の理解 高齢者のできることに注 目した自立支援
高齢者の意思 を尊重 した援助の必要性 高齢者のペースを尊重 した援助の必要性 高齢者の喪失体験 に伴 う自尊心低下への援助 高齢者への楽 しみ・生 きがい作 りの重要性
認知症高齢者の意思 を見出す (表示 を促す)支援の意義 認知症高齢者のペースに合わせた介入の必要性 生活行為への援助の理解 生活の場 とい う視点での看護の必要性
高齢者の他者 とのつなが りを支援することの必要性・意義 口腔ケアの必要性 と意義
排泄のアセスメン トと援助方法
排泄 ケアにおける尊厳 を尊重す る態度・羞恥心への配慮の必要性 認知症進行予防のための環境調整・生 きがい作 りの必要性 老健の在宅復帰支援 とい う役割の理解
1 1 1 1 3 1 1
9
老年看護における倫理的態度構築の必要性 高齢考への尊厳 をもった態度の必要性 1 1
施設ケアにおける看護師に求め られる 力 と役割
看護師 に求め られ る高齢者の健康管理,異常の早期発見・対応で きる力
在宅復帰支援 における多角的なアセスメン トの視点の理解 看護RTによる介誰職への教育的関わ りの必要性
6
維持期 リハ ビリテーシ ョン実践の技術 高齢者の リハ ビリテーシ ョンにおける生活 史,趣味等 を生か した 個別性 を尊重 した展開方法
高齢者の リハ ビリテーシ ョン意欲 を支 える声がけ
リハビリテーションにおいて,見守 りと介助の区別の必要性 と意義 高齢者 リハ ビリテーシ ョンの実践における知識 と技術力の必要性
自立支援における環境調整の必要性 ,意義
リハ ビリテーシ ョンにおける他職種 との連携の必要性 自立支援の関わ りにおける危険予測・予防の重要性 転倒予防ケアにおける自尊心 を配慮することの必要性
1
1 3 2 1 1 2 1
ヘルスアセスメン トに求められる技術 高齢者ケアにおける多角的な観察視点の必要性の理解
援助者に求められるケアの技術力と方法のバ リエーションの豊か さ 6 2
や思 い を引 き出す力,認知症 高齢者 の関 わ りに おけ る援助 者 自身の感情 コ ン トロール カの必要 性 な ど,関わ り手の力量 を高 め る必要性 の学 び が得 られ て いた。
【生活行為への援助の理解】は,施 設で生活
をす る高齢者の生活行為 を支 えるための援助 の あ り方 や その実践方法 の理解 につ いて述 べた学 びで ある。学生 は高齢者 と他 者 とのつ なが りを 支援 す ることの必要性 ・意義 や認知症高齢者 に お け る良好 な人的環境作 りの意義 な ど,人と人
老年看護施設実習 における学生の学 び と指導上 の課題の検討
との交流 をつないでい く援助についての学びが 多 くみ られた。
【生活史・体験世界の視点か らの老年期の理 解】は,高齢者 を理解す るプ ロセスにおいて,
高齢者の生活史や体験 している世界の視点か ら 理解 を深めてい くことについて述べた学びであ る。学生 は高齢者 と接 しなが ら,高齢者 の生活 史 を知 ることの意義 を理解 し, さらに高齢者 を 全人的・多角的に捉 えることの必要性 について 学んでいた。 また,認知症高齢者の関わ りにお いては,生活史や 日々大切 に してい る事象 を知 ることで認知症高齢者の体験世界 を理解 してい た。
【エ ンパ ワーメン トを促進す る援助の理解】
は,高齢者 との関わ りにおいて,高齢者の もっ
ている潜在的な力や可能性 について気づ き,尊
重すること及びそれ を引 き出 してい く関わ りに ついて述べた学びである。学生 は高齢者ので き ることに祝点 をおき,できるだけ自立 した生活 が営めるような支援について学んでいた。また,
高齢者の意思 を尊重 した援助の必要性,老年看
護における自己決定 を尊重す ることの意義 など,
関わ りの 中で援助者 が高齢者の意思や 自己決定 を支 えることの必要性 について学びの記述が多 くみ られた。
〔施設 ケアにおける看護師に求め られる力 と 役割】では,看護師の健康管理,異常の早期発
見・対応で きる力,QOLの 視点 を重視 した援
助の意義 ・必要性 などを学 んでいた。
【施設 ケアにおける他職種 との連携の意義 と 必要性】では,施設での看護職 ・介護職の体制 か ら,入所高齢者の理解 ・援助 にあたって,そ れぞれの関わ りか ら得 られた情報 などをいかに 共有化 してい くかが重要で あるとい うことを学 び,他職種 間での連携の意義や必要性 について 述べていた。
(老年 看 護 にお け る倫 理 的態 度 構 築 の 必要 性】では,高齢者 に対す る尊厳 を持 った態度の 必要性などの学びの記述が得 られていた。また,
援助者 が築 く老年観の あ り様 が関わ りに反映 さ れてい くことに気づ き,自分 を振 り返 る学生 も あった。
2)老健施設での実習の学び
【コ ミュニ ケ ー シ ョンを築 いて い く際 の技
術〕は,福祉施設実習の学び同様 に最 も記述の 多いカテゴ リであ り,内容 も疾病・感覚機能 に 合わせ たコ ミュニケーシ ョンの方法 ・留意点や 認知症の特性 を踏 まえた支持的なコ ミュニケー シ ョンの方法 ・留意点などの学びが多 くみ られ た。
【維持期 リハ ビ リテーシ ョン実践の技術】で は,高齢者の維持期 リハ ビ リテーシ ョンの実践 における知識 と技術力の必要性 について学び,
リハ ビ リテーシ ョンの関わ りにおいて,見守 り と介助の区別の必要性 と意義や,自立支援 にお ける危険予測 ・予防の重要性 などの学びの記述 が多くみ られ,高齢者の維持期 リハ ビリテーショ ンにおける専門性 についての学びが得 られてい た。
【エ ンパ ワーメン トを促進す る援助の理解】
では,福祉施設実習の学び同様 に,高齢者ので
きることに注 目した自立支援 についての学びが 多かった。そ して,疾病 に伴 い機能低下や障害 をもった高齢者が家庭復帰 を目指 して リハ ビリ テーシ ョンに取 り組む姿か ら,高齢者の喪失体
験 に伴 う自尊心低下への援助や楽 しみ 。生 きが い作 りの重要性 などの学びが得 られていた。
【生活史・体験世界の視点か らの老年期の理解
】で も,福祉施設の学び同様 に,高齢者の生活 史 を知 ることの意味 。意義 について多 く述べ ら れていた。
【生活行為への援助の理解】では,排泄 ケア における尊厳 を尊重する態度 ・羞恥心への配慮 についての学びが多 く得 られていた。排泄援助 においては高齢者の差恥心 を伴 った り,介入方 法 によっては自尊心の低下 を招いた りす ること につ ながる。そのため,排泄の アセスメ ン トと 援助方法についての基本的な学びか ら,差恥心・
自尊心への配慮 とい う高齢者の 自己概念 を支 え る援助者 とい う学びへ深 まりがみ られていた。
〔ヘルスアセスメン ト展開の技術】では,老
健施設 において,高齢者の生活行為の維持 。向 上 を目指 して援助 を展開す る中で,多角的な観 察視点の必要性 やケアの技術力及び方法のバ リ エーシ ョンの豊か さが援助者 に求め られている
ことを学んでいた。
【施設 ケアにおける看護師 に求め られ る力・
役割】,【老年看護 における倫理 的態度構築の
加藤 真紀 。梶谷みゆき
図1施設間の学びの共通 カテゴ リと相違 カテゴ リ
1図2老年看護実習 Iの 学びの構造化の試案
必要性】共に福祉施設同様の学びが得 られてい た。
3)老年看護実習 Iの 学びの関連性
それぞれの施設実習から抽出されたカテゴリ のうち,【生活史・体験世界からの老年期の理 解】 【コミュニケーションを築いていく際の技 術】 【エンパワーメントを促進する援助の理 解】 【生活行為への援助の理解】 【老年看護に `
おける倫理的態度構築の必要性】 【施設ケアに おける看護師に求められる力と役割】の6項目 のカテゴリが共通 していた。福祉施設のみから 得られたカテゴリは 【施設ケアにおける他職種
との連携の意義 ̀必 要性】の1項目であった。
またぅ老健施設か ら│のみ得 られたカテゴ リは
【維持期 リハビリテーション実践の技術】 【ヘ ルスアセスメン トに求められる技術】の2頂自 であった (図 1)。
さらに,学生が実習を通 して学んだ― 内容か ら 抽出したカテゴリについて,そのカテゴ リ間の
関連性 を検討 し,図 2に 学びの構造図を試案と して示 した。
高齢者の理解につなが│る 【生活史・体験世界 の視点から考年期のi理解】,援助者の倫理観形 成に繋がる 【老年看護における倫理的態度構築
黎 館瑠 瑠 鐵 駕 鶏 飾
:
介護老人福祉施設
老年看護施設実習における学生の学び と指導上の課題の検討 の必要性】を老年看護実習の基盤として基底面
に配した。そして高齢者との関係強化と看護実 践を展開するための重要概念として 【コミュニ ケーションを築いていく除の技術】を基底面の 中心に置き具体的な実践へつないだ。さらに高 齢者への看護実践を通して,【エンパワーメン トを促進する援助の理解】を中心に 【生活行為 への援助の理解】 【維持期 リハビリテーション 実践の技術】 【ヘルスアセスメント展開の技術
】について学習する。また,学生の臨地実習と して多くの時間をさいている医療現場とは異な る高齢者施設での実習において,【施設ケアに おける看護師に求められる力と役割】 〔施設ケ アにおける他職種との連携の意義・必要性】は 本実習の特徴であり,かつ基底面に配 した内容 の発展的な学びとして位置づけた。
V.考 察
1.老年看 護 実習 Iの 学び とその意義
高齢者 は個 別性 が強 く,長年 の生活 体験 や人 生経験 に よ り,身体 的側面 ・精神 的側面 ・価値 観 な どに個 別性 が生 じて くる。学生 は,高齢者 との関 わ りを通 して,今の高齢者 だけ をみ るの ではな く,【生活史・体験世界の祝点か らの老 年期の理解】 を し,今まで生 きて きた過程 を合 めた理解 をす ることの意義 を改めて実感 し,高
齢者の理解の深 まりにつながっていたと考 える。
また,高齢者 と関わるとき,高齢者の生活史 を
十分 に把握 しアセスメン トし,できるだけ生活
史の延長 で必要 なケアが提供で きるよ うに支援 す ることが重要である (奥野,2006)こ とか ら, その基礎 となる学びが得 られていると考 える。
〔老 年看 護 にお け る倫理 的態度構 築 の必要 性】につ いては,高齢者への尊厳 をもった態度 の必要性 を述べていた。 しか し,これは基礎 的 な学びにとどまり,老年看護 における倫理的課 題,高齢者 の権利擁護 について考 えた学び に深 まっていない現状がみ られた。
学生 は,高齢者 と向 き合い,高齢者の語 りに
耳 を傾 けなが ら理解 を深めてい く。 しか し,高
齢者 は難聴 や認知症 などにより言語的なコ ミュ ニケーシ ョンが図 りにくくなっている場合が多 い。 また,世代の違 う高齢者 との コ ミュニケー
シ ョンのすすめ方に戸惑 うことが しば しばみ ら れ る。その戸惑いを起点 として学生 はどの よう な工夫・配慮により高齢者とのコミュニケーショ ンを図 るかということを学んでいる。 また,先
に述べた高齢者の生活史 。体験世界 を理解 して い くプロセスにおいては,高齢者の心の奥 に潜 む言葉や語 りに耳 を傾 ける必要があり,人生経 験 や価値観 など高齢者のその人 らしさを発見す るためのコ ミュニケーシ ョンとなる必要がある。
志村 は,「人生の語 りを聴 くにおいて,話 し手
と聞 き手の関係性が非常に重要であり,他の誰 で もないその聞き手がそばにいるか らこそ,思
い出す出来事,語られ ることがある」 と述べて い る (志村,2005)。 学生 は,【コ ミュニケー
シ ョンを築いてい く際の技術】を活用 して語 り を聴 く関係の構築す ることの重要性や語 りを引 き出す コ ミュニケーシ ョン技術の必要性へ学び を深 めてい くことにつ ながると考 える。 【エ ン パ ワーメン トを促進す る援助の理解】では,そ れぞれの施設 とも,高齢者ので きることに注 目
した自立支援について述べ られていた。福祉施 設へ入所 している高齢者 は,身体上 または精神
上著 しい傷害があるために常時の介護 を必要 と し,かつ,居宅 において これ を受 けることが困 難 な要 介護者 で ある (奥野,2006)。 一方,老
健施設へ入所 している高齢者 は,病状安定期に あ り,入院治療 をす る必要 はないが, リハ ビリ テーシ ョンや看護 ・介護 を必要 とす る要介護者 で ある (奥野,2006)。 そのため,学生 は看護 過程 を展開す る際 に対象 とす る高齢者の様 々な 問題やで きない部分について注 目しやすい。 し か し,学生 は単にで きない部分へ問題解決 とし て援助 を展開するだけでなく,高齢者ので きる 部分 に注 目した自立支援 について も学んでいた。
また,高齢者のペースや意思の尊重 おょび自己 決定 を尊重す ることなど,実践 において高齢者
のエ ンパ ワーメン トに向けた関わ り方について 学んでいた と言 える。 これ らは,近年の施設 ケ
アのなかに,高齢者ので きることに注 目したプ ランの立案や実践が導入 されていることが関連 してい ると考 える。そ ういった高齢者ケアのあ り方 を体験す ることによ り,学生の援助におけ る学びが深 まっていると考 える。
【生活行為への援助の理解1では,学びの内
加藤 真紀 容 と して は共通 して い る もの もみ られ たが,施
設 ご との特徴 もみ られ た カテゴ リで あった。福 祉施設 は,2000年4月か ら施行 され た介護保険 法 に基づ き,可能 な限 り在宅復帰 を 目指 す施設 と して も位置 づ け られ たが,入所 して い る多 く の高齢者 に とっては,未だ終 の棲 家 とな る場 で あ り,そ こで他の高齢者 と集 団生活 を している。
また,急性期 ・回復期 にある高齢者 とは異 な り,
機能低下 や障害 が あって もその マ イナスの状態 を取 り戻 す とい う状況 にす ることがで きるとは 限 らない。学生 は,その状況 を捉 えることによっ て,高齢者の生活 を物 的 。人的な環境調整 によっ て支 えることや今 までの生 活習慣 を尊重 す ると いった学び につ なが ってい たので はないか と考 える。一方,老健施設で は,在宅 へ の復帰 を目 指す高齢者 に とって,排泄行 動 をいか に 自立 さ せ るか とい う点 において その比重 は大 き く,介
入の頻度 も高 い。 その ため,現在 の援助 の先 に ある在宅復帰 とい う目標 を意識 した学 びや,在
宅生活 を意識 した排泄行動 へ の介 入の実践 か ら の学び が多 くみ られ てい る。
〔施設 ケアにおける看護師 に求 め られ る力・
役割】では,福祉施設 におけ る体制の 中では,
利用者の実際の援助 を実施 してい く上で直接指 導 を受 けた り,共に援助行為 を行 うのは,介護
職員が中心 となる。そのため,学生 が看護師 と 直接関わる機会 が少ないのが現状である。その 中で,オ リエ ンテーシ ョン時に看護師か ら直接,
施設看護師の役割 につ いて話 を聞いた り,オプ シ ョンとして看護実習 を半 日行 う中で得 られる 施設看護師の役割機能について学び を得ている。
老健施設での看護師 は, 日常生活の支援 を介 護職 ・看護職が協働 した体制の 中で行われてお り,看護師 と介護 ス タッフの業務のおよそ 8〜
9割は重複 していると言われている (古田,20
00)。 そのため,ど こか らどこまでが看護で と い う線引 きは困難な状況 にある。福祉施設で実 習 した学生に比べて老健施設で実習 した学生は,
看護師 と共 にケアを展開す る機会 は多いが,反
面 日常的に行われているケアの 中で看護師 と介 護職の役割機能の違いを捉 えることに困難 さが
ある。
その中で も学生の学び として共通 していた内 容は,高齢者の健康管理,異常の早期発見・対
梶谷みゆき
応 で きる力で あった。両施設 の看護師 の役割 と して,健康 管理 や疾患看護,と りわ け緊急時の 対応 は,的確 な判 断 や応急処置 な どを,場合 に よって は一 人で行 わ なければな らず,その役割 は重 要 で あ る (古田,2000)(渡辺,2000)と
述 べ られて お り,業務体制 は異 な る中で も介護 職 との協働 の場 で ある施設 ケアにおけ る看護師 に求 め られてい る役割 は共通 してい る もので あ り,学生 の学 び か らもその ことが同様 に見出 さ れ た。
【施設 ケアにおける他職種 との連携の意義 ・ 必要性】は,福祉施設か らのみ抽出 されたカテ ゴ リである。渡辺 は,福祉施設での看護の概念
として,疾病 と日常生活 に障害 を持 っている入 所者 に対 して,個々の生活スタイル を支持 しな が ら,年をとり死 に至 ることにつ いて一緒に考 え!対処 してい くことであり,入所者のすべて をマネジメン トす るとい う考 えが必要であると 述 べている (渡辺,2000)。 しか し,介護保険 における指定基準では,介護老人福祉施設の看 護職 の配置 人数 は入所者100人に対 し3人で あ り,看護師 だけではすべての援助 を担 うことが で きず,業務体制 も明確 に分け られていること が多い。入所者の生活や健康 を支 えてい くため には,他職種 との連携 ・協働 が不可欠 となる。
その特徴が,学生の学びに現れていたと言 える のではないかと考 える。
【維持期 リハ ビリテーシ ョン実践の技術〕及 び 【ヘルスアセスメン トに求められる技術】は,
考 健施設 か らのみ抽 出 されたカテゴ リで ある。
自立支援 を基本理念 とした老健施設で実習を行っ た学生は,自立に向けてどのようなリハビリテー シ ョンが必要であるかを学び,さ らに起 こりう る危険 を予測 した予防的なケアが求め られるこ とを学んでいた。
また,現状の維持 だけでな く,高齢者の抱 え るさまざまな疾患や生活障害などを踏 まえた上 で,一人ひ とりの高齢者が自立性 をもった 日常 生活 を確立 してい く方法 を模索 してい く状況 を 実習で体験 してい く中で,自立のためのヘルス アセスメ ン トの展開技術の必要性 を学び とって いると言 える。
以上,老年看護実習 Iの 学びの内容 を概観 し その背景や意義 について検討 した。社会的な役
老年看護施設実習 における学生 の学び と指導上の課題 の検討
割や機 能 の異 なる2種類 の実習施設 で実習 を展 開 してい るが,それ らの実習 で得 る学生 の学び は,多くの共通性 があることがわか った。特 に,
【生活史・体験世界の祝点か らの老年期の理解
】 【老年看護 における倫理 的態度】 【コ ミュニ ケーションを築いていく際の技術】 【エ ンパワー メン トを促進する援助の理解】 【生活行為への 援助の理解】で表現 され る内容 は,高齢者 が居 る場や生活の場が異なった としても,老年看護 として必要な基本的な要素ではないかと考 える。
2.老年看護実習 │における学びの構造化の試 案 と今後の実習上の課題
学生の学びか ら抽出 したカテゴ リの関連性 を 検討 し,老年看護実習Iでの学びの構造 を試案
した。
学生が高齢者 との コ ミュニケーシ ョンをはか る過程で,生活史や体験世界 につ いての語 りを 引 き出す アプローチを試みてい る。高齢者 が人 生 を通 して築いて きた価値観 や信念 にふれ るこ とがコ ミュニケーシ ョン能力 を形成 していくう えで重要 な鍵 となる。 さらに,高齢者 自身が大 事に している価値観や信念,高齢者 が持 ってい る強みを理解 し,それ らを活 か したエ ンパ ワー メン トを促進する援助や,生活 を支 える援助が,
高齢者の満足感や 自己効力感 につ なが り,生活
の質の保証 と向上につながってい く介入に深化 していくと考 える。そしてこれ らが統合 されて,
人生の統合期 にある高齢者のQOLを支 えると
い う老年看護 としての 目指す ところへつながっ てい く状況 を,一連の学習過程のモデル図 とし て構造図に表 した。
しか し,学生の学びは,この試案の 目指す と ころまで現状では到達 していない。構造図を明 確 に してい くことは,学生 それぞれの学びの意 義 を示 した り,老年看護の 目指す もの としての 全体像 をイメージ化 し学び を発展 。統合化 させ てい くことにつながると考 える。その意味で今 回作成 した構造図の検討 を重ね学習 内容 と学習 過程 を明確 に しなが ら,実習 における学生の学
びの統合化 を図ってい くように教育 を改善 して い く必要があると考 える。
また,学生 は高齢者の語 りを聴 くための関係 作 り,高齢者の価値 ・信念 にふれ る語 りを引 き
出す コ ミュニ ケー シ ョン能 力 につ いて,その具 体 的 な技法 の獲得 には到 達 で きていない と思 え る。具体 的 な コ ミュニ ケー シ ョン技法 や どの よ うに して学生 の コ ミュニ ケーシ ョン能 力 を高 め てい くか とい う教育方法の具体化が課題 で ある。
現在 の看護 過程 の展 開 は,ロイの適応看護理 論 を基礎 と して展 開 してい る。 しか し,近年 で は,2000年にWHOか ら示 され たICF(国 際 生活機 能分類)に立 った高齢者の 自立支援 の あ り方 (大川,2004)や施設利 用者 の ケアプ ラン にス トレング スモデル を活用 してい くことの有 用性 が示 唆 され て きて い る (白澤 ,2006)。 伊 藤 も老年看護 の特性 を踏 まえた考 え方 を基礎 と
した老年看護過程教育 の検 討 の必要性 につ いて 述 べ て お り (伊藤 他,2005),老年看 護 学 の看 護過程教育 の 内容 と方 法 が確立 され,臨地実習 において も高齢者 ケアの看護過程 と して系統 的 に実践 され るよ う努 力 してい く必要 が ある。
今 回試案 と して示 した構 造図 は学生 の学 び を 研究者 が系統 立 て整理 した もので あ り,個々の
学生 が これ らすべて を学 んでいる状況 ではない。
また,抽出 され た学 びの内容 は,老年看護 にお け る基本 的 かつ重 要 な要 素 が含 まれて い たが,
施設 間で共通 して い る学 び と共通 して いない施 設特有 の学 び が あ ることが明 らかになった。今 後 は試案 と して作成 した学 びの構造図の検討 を 続 けなが ら,老年看護 実習 における到達 目標の 全体像 とその学習過程 を学生 に明確 に示 す こと,
学習 目標 と対 象理解 や看護 過程 の展 開が よ り整 合 す る理論枠組 み を選択 す ること,施設 間での
学 びの違 いや学生 間での学びの違 い を補完 す る ことを孜育 的 なかかわ りと して改善 し強化 して い きたい。
Ⅵ。ま と め
老年看護実習I終了後 レポー トか ら抽 出 した 学生 の学びの 内容 を分析 し,福祉施設 及び老 健
施 設の施設 間 での学び を明 らかに した。 その学 びの構造化 を試 み,今後 の実習指導上 の課題 を 検 討 した結果,以下 の よ うな結論 を得 た。
1.福祉施設実習の学びとして,〔 生活史・体 験世界の視点からの老年期の理解】 【コミュ ニケーションを築いていく際の技術】 【エ
ンパ ワーメン トを促進す る援助の理解】
【生活行為への援助の理解】 【老年看護に おける倫理的態度構築の必要性】 【施設ケ アにおける看護師に求められる力と役割】
【施設ケアにおける他職種との連携の意義 。 必要性】の 7カ テゴリに分類できた。
老健施設実習の学びとして,【生活史・体 験世界の視点からの老年期の理解】 【コミュ ニケーションを築いていく際の技術】 【エ ンパ ワーメン トを促進する援助の理解】
【生活行為への援助の理解】 【老年看護に おける倫理的態度構築の必要性】 【施設ケ アにおける看護師に求められる力と役割】
【維持期 リハビリテーション実践の技術】
【ヘルスアセスメン トに求められる技術】
の 8カ テゴリに分類できた。
上記それぞれの実習施設の学びから6項目 のカテゴリが共通 していた。これ らは,高
齢者が居る場や生活の場が異なったとして も,老年看護 として必要な基本的な要素 と して学びが得 られている。 しかし,福祉施 設の 【施設ケアにおける他職種 との連携の 意義・必要性】,老健施設の 【維持期 リハ ビリテーション実践の技術】 【ヘルスアセ スメン トに求められる技術】は,施設特有
の学びとして得 られていることが明 らかと なった。
抽出した学びのカテゴリ間の関連を検討 し,
学生の実習の学びの構造図を試案 した。学 びの構造化は、実習の全体像や学習内容お よび学習過程を明らかにする上で有効であ り,洗練するよう継続 して検討する必要が ある。
今後の課題 として,①高齢者の理解や関係 形成に重要となる,高齢者とのコミュニケー シ ョンカを強化するための教育方法の明確 化②老年看護の看護過程教育の基礎が確立 され,系統的に看護が実践できる教育の検 討③実習の展開において,施設間や学生間 で異なる学びを補完 し合える場の設定④学 生の学びが老年看護の目指す全体像へ と統 合化 されるような教育の検討が示唆された。
加藤 真紀 ・梶谷みゆき
本研 究の主 旨 を理解 して,研究 に協 力 して い ただい た看護 学生 の皆 さまに感謝 い た します 。
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