• 検索結果がありません。

研究所今昔

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "研究所今昔"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

研究所今昔 (和光大学総合文化研究所十年誌 : 1995‑2005) (総合文化研究所の十年に思うこと)

著者 杉本 紀子

雑誌名 東西南北

2006

ページ 358‑359

発行年 2006‑01‑31

URL http://id.nii.ac.jp/1073/00003371/

(2)

 和光大学の総合文化研究所が十周年を迎える。もう十年かとも思い、まだ 十年かとも思う。一人で本を読んであれこれ考えるのは好きだが、何人かの 仲間を語らってグループを組み、研究をまとめ上げるといった組織化に格別 熱心ではなかった私が研究所に関わったのは全くの偶然であった。まだ研究 所ができる前の「共同研究機構」の時代のことである。

 どういう経緯であったのか、当時芸術学科に所属しておられた永澤氏の勧 めで「物語研究会」を立ち上げたのが今に至る研究所との縁の始まりであっ た。ひょんなことで始めた共同研究であった。続けているうちに面白くなっ た。しかし今回「十周年誌編集委員会」の方から要請されたのは所員として の関わりではなくて、二度にわたって仰せつかった研究所委員としてのそれ であるので、話をそちらに移すことにしよう。

 私が最初に研究所委員になったのは今から九年前だったと思うが水上研究 所長の時代であった。当時の杉山学長のリーダーシップで和光大学としては 長年の抱負であった研究所開設がついに実現しはしたものの、それを軌道に 乗せるために水上所長は四苦八苦なさっていた。研究所の規程作りから始ま って、研究所という新しい組織を既存の大学組織の中にどのように位置づけ るか、専任の研究員をそれほど置くわけにいかない台所事情もありながら、

研究所としての活動どのように促進していけばいいのか。それに研究所の生 命である紀要をこそ充実するには各研究グループの活動が活発でなければな らないが、そのためにはどのように限られた予算を効果的に配分すればよい のか、解決すべき問題は山積していた。お二人の助手が専任として日常の業 務を担当してくださってはいたものの所長のご苦労はいかばかりであったか、

一研究所委員など到底計り知れない量であったであろう。しかしあの時代が 今は妙になつかしい。新しいものを立ち上げる、それを軌道に乗せて和光大 学の新しい顔を作り上げるという作業が一刷毛一刷毛ごとに形を整えて行っ ているという実感があったからであろう。

 その後所長は経済学部の岡本氏に替わったが、まだまだ草創の時代だった

358 ―――

十年誌総合文化研究所の十年に思うこと

研究所今昔

杉本紀子 所員・表現学部教授

(3)

――― 359 という印象が私の中にある。岡本所長は立ち上がった建物を盤石のものにす るという役割を見事に果たされた。アジア研究と教育関係および象徴図像の 研究は研究所発足以前から実績はあったのであるが、それを一つの研究所と してまとめていくにはさまざまな微調整が必要であった。時には所長と委員 の間で意見が分かれてしまうこともあった。しかしそういったクリティカル な時を乗り越えることによって研究所は和光大学の身の丈に合った組織とし て定着して来たのだと思う。

 その後しばらく研究所委員を離れた期間を経て2003年の4月から2年間再 び委員を務めた。今回は初めての委員時代の同僚であったユ氏が所長をなさ っていた。ユ所長は研究所を真に「研究」所たらしめんと全身全霊を捧げて おられる。今までは名乗りを挙げたグループには全部予算がついていた。し たがって申請するグループが多いときは予算額が減らされた。そのような互 助会的な運営では成果は期待できないとして、研究プロジェクトの中身を審 査して予算の配分を決めるという制度が始まった。私も委員の一人としてそ の議論に加わっていた。確かに研究テーマがユニークで成算のあるグループ を優遇することはあるべき研究所の姿であろう。しかし最後に再び一研究者 の立場に戻って言わせていただくと、同好会的な感覚で研究会を運営してい た私のような人間の入れる場所はもう残されていないかも知れない。それが 少しばかり寂しいがそれも時の流れであろう。

(すぎもと のりこ)

参照

関連したドキュメント

本研究を行っている2013年時点から過去10年という期間で見ても,薄型テ レビの価格下落傾向は顕著である

「心理学基礎研究の地域貢献を考える」が開かれた。フォー

 本研究所は、いくつかの出版活動を行っている。「Publications of RIMS」

本稿で取り上げる関西社会経済研究所の自治 体評価では、 以上のような観点を踏まえて評価 を試みている。 関西社会経済研究所は、 年

 本研究では,「IT 勉強会カレンダー」に登録さ れ,2008 年度から 2013 年度の 6 年間に開催され たイベント

日時:2013 年 8 月 21 日(水)16:00~17:00 場所:日本エネルギー経済研究所 会議室 参加者:子ども議員 3 名 実行委員

世界規模でのがん研究支援を行っている。当会は UICC 国内委員会を通じて、その研究支

(独)土木研究所寒地土木研究所 ○正 員 角間 恒 (Ko Kakuma) (独)土木研究所寒地土木研究所 正 員 岡田慎哉 (Shinya Okada) 宮地エンジニアリング(株) 正 員