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才本明秀

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Academic year: 2021

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論文審査の結果の要旨

報告番号 博(工)甲第5号 氏 名 高 陽

学 位 審 査 委 員

主査 蒋 宇静

副査

才本明秀

副査

大嶺 聖

論文審査の結果の要旨

高陽氏は、2011年10月に長崎大学大学院工学研究科博士後期課程に進学し、現在に至って いる。同氏は、工学研究科博士後期課程に進学以降、当該課程の所定の単位を修得するとと もに、山岳トンネル覆工コンクリートの健全度の非破壊的評価手法に関する研究を行い、そ の成果を2014年7月に主論文「

Research on Health Assessment Technique of Mountain Tunnel LiningBased on the Microtremor method

」(常時微動計測に基づく山岳トンネル覆工コンクリー トの健全度評価技術の研究)として完成させ、参考論文として、学位論文の印刷公表論文5編

(うち審査付き論文4編)、学位の基礎となる論文2編(うち審査付き論文2編)を付して、博 士(工学)の学位を申請した。長崎大学大学院工学研究科教授会は、2014年7月16日の定例教 授会において論文内容等を検討し、本論文を受理して差し支えないものと認め、上記の審査 委員を選定した。委員は主査を中心に論文内容について慎重に審議し、公開論文発表会を実 施するとともに、最終試験を行い、論文審査及び最終試験の結果を2014年8月27日の工学研究 科教授会に報告した。

本研究は、道路トンネルを対象に、背面空洞の存在や表面ひび割れの発生による覆工コン クリート構造物の健全度変化を非破壊的に評価するために、常時微動計測に基づく評価手法 を提案し、実現場へ応用することを目的としたものである。

近年、供用年数が40年以上となるトンネル構造物が増加し、それに伴う覆工コンクリート

の劣化現象が顕在化してきており、道路構造物としての使用性と安全性に大きな影響を及ぼ

している。特に、覆工コンクリートの背面に空洞が存在する場合や覆工コンクリートの表面

にひび割れが発生すると構造物の健全度が大幅に低下する可能性がある。覆工コンクリート

の点検手法として、電磁波探査やレーダー計測、サーモグラフィック測定、打音等がよく用

(2)

いられているが、構造物の健全度が直接に推定できない限界がある。

本研究では、構造物の剛性を表す固有振動特性の変化に着目して、常時微動計測による健 全性評価の可能性を明らかにするために、拡張個別要素法(

EDEM

)による数値シミュレー ションを実施した。用いた数値解析手法では、既存のひび割れだけでなく、引っ張り破壊や せん断破壊による新規亀裂の発生と拡張を容易に表現できる特徴を有する。その妥当性を検 証するために、鉄筋コンクリート梁供試体を用いた室内曲げ実験との比較を行い、曲げ引っ 張り強度を超えた後の亀裂の発生状況と振動特性の変化について比較を行い、両者がほぼ一 致することから、提案手法の妥当性が検証された。

次に、背面空洞の規模や存在位置、覆工コンクリート表面のひび割れの性状が覆工コンク リート構造物の振動特性に与える影響度合いを詳細に考察するために、覆工背面の地山とコ ンクリートとの接触面の変形剛性をパラメータとして、卓越周波数と覆工コンクリートに作 用する応力分布との関係を上記の数値解析手法により詳細に考察した。特に、パワースペク トル密度(PSD)を新たに定義することにより、振動特性と構造物の健全度との相関関係を明 らかにした。

一方、覆工コンクリート構造物の振動特性を影響する要素として、背面空洞の深さや位置、

ひび割れの分布密度といった幾何学的パラメータのほか、地山の岩種および覆工コンクリー トの劣化状況が考えられるので、それらが特に卓越周波数とPSDに及ぼす影響についても考察 し、それぞれの相関関係を示した。

提案手法の実用性を検証するために、長崎県53号柚木三川内線に位置する里美トンネルを 対象に三つのスパン(健全、中程度損傷、損傷)を選定して、原位置での常時微動計測と評 価を実施した。振動計測結果をパワースペクトル密度(PSD)により分析し、覆工コンクリー トの健全度の相違による振動特性の変化を定量的に考察した。なお、実地計測では、周囲の 地盤から伝わってくる波を利用し、特別な加震を必要としないので、現場で容易に実施でき ることは今までの計測方法に比べれば優位である。

以上のように本論文は、道路トンネル覆工コンクリート構造物の健全度評価技術の確立に 関して、新規性と独創性があり、高い学術的価値を有するものと評価できる。

学位審査委員会は、高陽氏の研究が今後覆工コンクリート構造物の維持管理において極め て有益な成果を得るとともに、土木工学分野の進歩発展に貢献するところが大であり、博士

(工学)の学位に値するものとして合格と判定した。

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