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山下嘉郎 論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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山下嘉郎 論文内容の要旨

主 論 文

Multicolor Flow Cytometric Analyses of CD4+ T Cell Responses to Mycobacterium tuberculosis-Related Latent Antigens

(結核潜伏期関連抗原に対する CD4 陽性 T 細胞反応の マルチカラーフローサイトメトリーを用いた解析)

山下嘉郎、星野仁彦、岡真優子、松本壮吉、有賀晴之、永井英明、

牧野正彦、有吉紅也、横田(恒次)恭子

Japanese Journal of Infectious Diseases 66 巻 3 号 p207−215 2013 年

長崎大学大学院医歯薬学総合研究科新興感染症病態制御学系専攻 (主任指導教員:有吉紅也教授)

緒 言

結核菌に潜伏感染した者のうち5〜10%が結核を発病する。発病リスクの高い潜伏感 染者を早期に診断出来れば、結核予防対策に大きく貢献することが期待される。近年 ツベルクリン反応検査より特異度の高いインターフェロン-γ(IFN-γ)遊離アッセ イ(Interferonγ releasing assays;IGRAs)が普及してきたが、発病する感染者の 早期同定は困難なのが現状である。IGRAsは、ESAT-6/CFP-10を結核菌特異抗原と して用いるが、AcrHBHAMDP-1など結核潜伏期に関与するとされるタンパクは 複数存在する。しかし、これらの抗原に対する免疫反応に関する知見は限られている。

また、IGRAsは、IFN-γの遊離により結核特異的免疫反応を評価するが、CD4陽性 T細胞には、Th1, Th2, Th17, Tregのサブセットがあり、それぞれに特徴的なサイト カインを分泌する。そこで本研究では、潜伏期抗原を含む多種類の結核関連抗原に反 応する血中CD4陽性T細胞サブセットを、サイトカインプロファイルを調べる事に より推定し、各臨床病期に特徴的な結核特異的CD4陽性T細胞反応を明らかにする ことを目的とした。

対象と方法

国立病院機構東京病院で喀痰培養またはPCRで診断された結核発病患者 7人(治療

(2)

2 人、治療後5 人)と、患者との濃厚接触者で IGRAs(クオンティフェロン)が 陽性となった潜伏感染者5人を結核感染者群とした。コントロールは結核既往がない 健常者8人とした。全血10〜15 mlを採取し、比重分離法にて末梢血単核細胞を抽出 した後、結核関連抗原(PPDESAT-6/CFP-10AcrHBHAMDP-1)を加え、イン キュベーター内にて 14~16 時間培養した。抗原刺激後、細胞表面マーカー(CD3 CD4)および細胞内サイトカイン(IFN-γ、IL-2、IL-10、IL-13、IL-17)を同時に 染色した。染色処理した細胞をマルチカラーフローサイトメトリーによって解析し、

各種抗原に対するCD4陽性T細胞反応を調べた。

結 果

結核感染者群において、潜伏期関連抗原を含む全種の抗原刺激で無刺激に比べ IFN- γ産生CD4陽性T細胞の有意な上昇が認められたが、健常者群においては、いずれ の抗原刺激に対しても有意差は認めなかった。HBHA 刺激に対する IL-2 産生 CD4 陽性 T 細胞の反応は治療後患者群で潜伏感染者群および健常者群に比較して有意に 高かった。ESAT-6/CFP-10刺激に反応したIFN-γ/IL-2を同時に産生する多機能CD4 陽性 T 細胞は、結核発病患者群において、健常者群に比較して有意に認められた。

HBHAMDP-1 に対するIL-17 産生 CD4陽性 T 細胞の反応も発病患者群で有意に 高かった。なお、Acrに対するIL-10の反応は治療後ではみられなくなった。

考 察

本研究により、結核感染者群においては、ESAT-6/CFP-10 に加え潜伏期関連抗原に 対しても反応するCD4陽性T細胞を有することが明らかになった。また、各種結核 関連抗原とサイトカインプロファイルを組み合わせる事により、結核発病患者群にい くつかの特徴的なCD4陽性T細胞反応があることが示唆された。本研究の限界はサ ンプル数であるが、さらに多くの臨床症例でデータを蓄積する事により結核発症前診 断に繋がる知見が得られることが期待される。

参照

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