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新病院建設に思う 利用統計を見る

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〆亀、

 瞬六魂〜

可欝欝

新病院建設に思う

名誉院長 五十嵐 丈 記

 この度、年来の望みの一つであった年報発刊の運びに至った由、病院の充実ぶりを物語り喜ばしい ことで、関係者のご尽力に敬意を表したい。

 私の当院院長在職は平成7年4,月から13年3月までの6年間で、就任早々の最大の課題は新病院の 建築にあった。以来、新病院建築準備(拡大)委員会、基本問題委員会および医療機器委員会の委員 長として職員各委員の方々と真剣に試行錯誤の日々を過ごすことになった。

 ご存じのように当院は結核療養所を基盤として設立されたため、長らく慢性疾患が得意分野の病院 として活動していた。平成7年頃は医療を取り巻くあらゆる環境は激変し、政府管掌健康保険の窮状 もあり、病院も時の医療状況に順応しなければ生き残れないことが目に見えていた。今・元院長のご 尽力もあり、病院立て替えの話は可なり煮つまってはいたが、この件で山田・前事務部長と屡々上京

したことを思い出します。平成7年7月、病院新築OKのゴーサインが社会保険庁から出された。当 院の命運を分けた決定であっただけに喜びも一入で、病院職員一同と喜びを分かち合った。積極的に バックアップしてくださった全社連と北海道社会保険事務局の関係各位には深く感謝したい。当時の 市場調査では1.5キロほど離れた同じ豊平区内にある幌南病院(共済)は急性疾患病院として、当院 は慢性疾患病院として評価されていると聞いていた。そして確かに気がつくと、札幌周辺で結核病棟 を抱えている病院は札幌郊外・簾舞にある国立療養所札幌南病院と当院のみになっていた。結核病棟 廃止の意見も出たが、諸般の事情から暫定的に存続ということになった。しかし将来的には国立医療 機関が担うべきとの意見が多かった。新築時の病院のかかえる診療科の選択に悩んだのもこの頃でし

た。その際、当時の大池・全社連副理事長から急性疾患も慢性疾患も両方でも構わないのでないか、

との示唆をいただいたことは大きな支えとなった。350床の病院に併設して、すでに健康管理センタ ー(100名可能)および看護専門学校(1学年20名)を有していたが、病院新築に伴って介護老人保 健施設(定員100名)を新設することにもなっていたので、自然に守備範囲は急性期から慢性期にわ

たることになる。急性疾患患者に対応する新設の診療科が必要となるから、既設の診療科には、ある 程度我慢してもらわなければならないのは辛いものがあった。当時、優雅な時代はすでに去り、病院 経営の重要性が厳しく叫ばれており、経営改善会議なるものも診療陣を集めて行われていた。また

「患者を主体とした、質の高い医療サービスを効率的に提供する」という病院基本理念が至極当然と いう世相であった。この観点から、当院では内科の充実が最重要課題となった。遅ればせながら診療 科の「内科」をとりあえず呼吸器科、消化器科、循環器科、糖尿病・代謝科の各専門科に分け、外来 部門より開始、新病棟完成時には入院部門についても実施することにした。伝統的に呼吸器内科は当 院の看板であったが、循環器内科と消化器内科の一層の充実が院内からも要請されていた。なかでも 地域医療との連携上、CCU(ICU)を含む循環器内科の充実が焦眉の急となった。シンチグラフィー の更新、ヘリカルCTスキャン、シネアンギオグラフィーの新設などの高度医療機器の導入、 MRIな

ど新病棟開設に連動しての購入決定など、既設診療科の希望にも配慮しての作業が行われた。決定か ら着工までの約2年間は定期的に、石本建設事務所および北海道社会保険事務局の担当の方々と当院 各部署のメンバーとの意見交換会が精力的に続けられていた。そして9年9月に地下1階地上8階建 ての新病院(老建施設を含む)建築の工事が14年度の6年計画で始まった。工事期間が長期にわたる

ことは、日進月歩の医学・医療にある程度対応して微調整が可能となるメリットもあった。後任の木 村事務部長(現局長)の精力的活動に感謝している。その他の将来構想として、血液内科と血液透析 部門の新設が提案された。

 透析には外科、泌尿器科および循環器内科が合同して参加するというユニークなものであったと思 う。構想が一段落すると「仏作って魂入れず」にならないように、医療活動に最も大切な人材を集め ることに一時期狂奔することになった。循環器内科には人を得て、その活躍は当院の地位を確固たる

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ものにした。また循環器内科の発展にも欠かせない心臓血管外科の創設にあたっては、北大循環器外 科の安田教授のご好意に恵まれた。時期的に少し遅れたが、関係者のご理解により消化器内科の充実 についても道筋をつけることができた。その時点で望みうる最良のメンバーを擁し、診療部門の進む べき方向が明確となったことは幸運であった。しかしながら、昭和36年開設以来幾多の逸材を輩出し た併設の看護専門学校を、平成16年3月をもって廃校せざるをえなかったことは、時代の流れとはい えまことに残念であり心残りであります。学生の皆さんは、優秀な先輩看護婦を持ったことを誇りに、

21世紀の看護師として活躍していただきたいと思います。

 近代化にむけ病院業務の効率化、迅速化、正確化を図るべく、院外処方箋への転換、医療事務およ び給食の委託化、検査科のFMS方式の採用などを順次実施し、磁気レセプト化にも踏み切った。また、

オーダリングシステムの段階的導入に向かって早くから委員会が活動を始めていた。新病院は社会保 険病院という立場から、保健(健康管理センター)、医療(病院)、福祉(老健施設)の 総合施設

して、地域の住民の方々の要望に応えねばならない義務があると思います。平成!3年3月には、社会 保険庁長官と幸田・全社連理事長のご出席をいただき、新病棟と老健施設の落成式に漕ぎつけること ができたことは幸運でありました。新築の機会に病院名を「北海道社会保険中央病院」から「北海道 社会保険病院」に改めました。日常診療のかたわら、病院新築の完遂に長年にわたり尽力された職員 の方々には感謝の言葉もありません。その後、岸・現院長の指導のもに着々と成果をあげていること は頼もしいかぎりです。また来年には新外来棟が完成するようです。新しい革袋には新しい酒を盛る べく、すべての診療部門と事務部門が同じ歩調で一層ステップアップし、地域医療に密着した札幌の 中核病院として益々貢献されるよう心から願っております。豊:平川の河畔から新病院を遠望するとき、

「天の時、地の利、人の和」に恵まれたことに感謝の念を禁じ得ません。新病院の建築にかかわった 責任者の一人として、病院紀要の紙面をお借りして当時を追想させていただきました。

参照

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