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ノルディックウォーキングを取り入れたロ コモ予防運動の介入効果

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Academic year: 2021

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第15回 新潟医療福祉学会学術集会

ノルディックウォーキングを取り入れたロ コモ予防運動の介入効果

新潟医療福祉大学ロコモ予防研究センター 佐藤成登志,小林量作,古西勇,北村拓也 胎内市健康福祉課 金子千恵 胎内市市民生活課 河内佳子 東京工科大学理学療法学科 地神裕史 新潟医療福祉大学医療福祉学研究科 郷津良太

【背景・目的】厚生労働省は2025年を目途に,高齢者の尊 厳の保持と自立生活の支援を目的に,住み慣れた地域で自分 らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるような,

地域包括的ケアシステムの構築を推進している.特に要支 援・要介護1レベルの軽度障害の高齢者が対象となることか ら地域でロコモティブ症候群予防(以下,ロコモ予防)を展 開する必要性が求められている.ロコモ予防研究センターは,

数年に渡り,近隣の市町村において独自に開発したロコモ予 防運動やノルディックウォーキングを取り入れたロコモ予 防を実施してきている.

そこで本研究の目的は,ノルディックウォーキングを取り 入れたロコモ予防運動の介入効果を検証することである.

【方法】対象者は,胎内市が事前公募して「ロコモ予防事 業」に参加希望のあった胎内市在住の中・高齢者40名で ある.年齢は4182歳(平均年齢69.9±7.4歳)で,男 性3名,女性37名であった.なお,本研究は当大学の倫 理委員会の承認を得て,かつ,対象者には研究内容を十分 に説明し同意を得てから実施した.

介入期間は,平成26107日から122日までの 8週間とした.対象者には,膝痛・腰痛に関する講話とノ ルディックウォーキングを取り入れたロコモ予防運動を 行った.ノルディックウォーキングを取り入れたロコモ予 防運動は,①四肢・体幹のストレッチ,②ノルディックウ ォーキング,③運動後のケアとし,介入前後に以下の測定 を行った.①基礎身体データ(血圧・脈拍・体脂肪率・

BMI),②握力,③筋力(膝・体幹),④片脚立位時間,⑤ 椅子からの反復起立回数,⑥Timed Up & Go test(以下,

TUG),⑦骨量.なお,ノルディックウォーキングは,関 節痛の方や高齢者でも可能な日本式の方法を実施した.

【結果】

・基礎身体データ:介入前後における血圧,脈拍,体 脂肪率,BMIに有意な差はなかった.

・握力:介入前後における握力に有意な差はなかった.

・筋力(膝・体幹):屈曲,伸展の膝筋力に有意な差はな ったが,右の膝伸展に増加傾向があった(p=0.086).

体幹伸展には有意な差はなかったが,体幹屈曲に有意な 増加があった(p<0.01).

・片脚立位時間:片脚立位時間は,左右いずれも有意な差

はなかった.

・椅子からの反復起立回数:椅子からの反復起立回数には,

有意な増加があった(p<0.05).

TUGTUGには,有意な差はなかった.

・骨量:骨量には,増加傾向があった(p=0.052).

【考察】運動を行うことは,健康増進において大変重要であ り,誰もがその必要性を認識している.中でもウォーキング は,一人でも実施が可能で,費用もかからず,大変気軽に行 える運動である.しかし,悪い姿勢や関節に負担の掛かる姿 勢で歩くと,翌日以降に関節痛や違和感を持つことがある.

ましてや,既に膝痛や腰痛のある方は長く歩くことさえもで きなく,生活を大きく制限している.

そこで,今回我々は,「下肢にかかる負担軽減,体の左右 の動揺軽減,安定した重心移動や関節にかかる負担軽減の効 果がある」と言われている日本式ノルディックウォーキング を取り入れたロコモ予防運動を介入して,その効果を検証し た.結果,体幹の屈曲力と30秒間における椅子からの反復 起立回数に有意な改善が認められた.また,膝の伸展力およ び踵の骨量に増加傾向があった.

介入前後に実施したアンケートにおいて,「休まず歩ける 距離」では,介入前に500m以上歩ける方は,全体の68% で,500m以下が32%であった.介入後には,500m以上が 81%,500m以下が 18%であった.また,介入前に週に 2 回以上,130分以上の運動が行えていなかった方が全体 の50%であった.さらに,関節痛がある方は,全体の95% 以上であった.以上より,介入により環境や関節痛など何か しらの原因で歩く経験がなかった方の歩行距離が増加した ことが考えられる.このように定期的な運動による歩行距離 の増加は,特に歩行時に必要とされる股関節の屈筋である大 腰筋を強化したものと考えられる.大腰筋は,股関節前面に 位置し,腰椎と大腿骨に付着し,actuatorstabilizerの役 割を果たし,歩行や起き上がり,立ち上がりなど,動作に欠 かすことのできない筋である.大腰筋の強化が,体幹の屈曲 力を増加させ,椅子からの反復起立回数を増加させたと考え られる.さらに,歩行による踵接地頻度の増加によって,踵 の骨量増加の傾向が認められたと推測する.下肢の筋力の平 均は全体的に増加していたが,右下肢のみが増加傾向を示し た.今回,利き足は確認していないが,利き足に多い右側へ の影響が何かしらあったことも推測される.

今後は,さらに個々のデータの分析,関節痛の変化,等を 検討する必要がある.

【結論】ノルディックウォーキングを取り入れたロコモ予 防運動を介入した結果,体幹の屈曲力と椅子からの反復起 立回数に有意な改善が認められた.また,膝の伸展力およ び踵の骨量に増加傾向があった.

【謝辞】本研究の一部は2014年度新潟医療福祉大学研究 奨励金(研究センター推進費)の助成を受けて実施した.こ こに感謝の意を表す.

P−3

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