X線障碍の実験病理組織学的研究
一特に三管部特性の吟味
金沢大学医学部第二病理学教室(主任:石川太刀雄教授)
清 水 久 之
(昭和34年4月13日受付)
1.緒 言
従来教室同入は,臓器構築の理解に際し,化学的感 受体系統学説を提唱し,各臓器に現われる形態学的変
化を同学説に基いて統一一して来た1).今ここに一つの腺臓器を考えよう.同学説に従うな らば,腺腔的なものにおいては,腺主部と腺導管との 接続部位である血管部が注目される.この部位の機能 は,久しく未知の儘取残されてきたが,教室同人によ つて始めて各腺腔臓器に略ヒ共通しての一つの特徴的 性格が見出された.即ち分泌,吸収,高未分化性(従 って高再生能)等がそれである.例を肺に取ってみよ う.肺は肺胞を主部とし,気管を導管とする腺臓器と 考えることができる.とすれば,当然呼吸性細気管支 及び終末気管支の末梢部領域が腺潤管厚に相当する,
そしてこの潤膳部相当部位には,教室倉田等2)によっ て,吸収,分泌,未分化性の特徴が実験的に見出され ている.なお彼は,放射線性分管部炎を,大量連続レ 線照射海猿肺について見出しているが,これはこの部 上皮の未分化性との関連が当然考えられるべきであろ
う.同様な性格は他腺腔臓器についても考えられるは ずである.
入及び動物臓器形態に及ぼすレ線照射の影響につい ては,これまで多数の報告があり,系統的な実験及び 比較的詳細な記載もなされているが,しかしそれらは いずれも臓器構築乃至機能に関する一定の理解を持た ない観察であり,私共の共通の場である化学的感受体 系統学説に基づく理解においての観察が必要となる余 地を残している.殊にレ線の照射様式には無数の方法 があり,その様式の差によって生ずる形態変化の多様 性は実に大きく,更に一層の研究が蓄積されること が,放射線の生体に及ぼす影響の研究の面からのみな
らず,臓器構築と機能の理解のためにも望ましいこと に相違ない.
この報告はレ線被照射家兎の心,胃,小腸,膵,
肝,肺,腎,脾及び一部の大脳を取扱い,同一家兎の特 に内分泌臓器については,教室の三嶋3)が報告する.
1[.実験材料及び実験方法
実験動物は成熟家兎28匹を使用し,これを2群に分 けて,急性照射群及び慢性照射群とした.家兎の体重 とレ線感受性には相関があり,体重2kgを境にして それ以上のものは,以下のものに較べて感受性が低い という報告4)があるので,本研究に使用した家兎は 2kg以上でできるだけ体重を揃えるように撰定した.
食餌は豆腐のおから,クローバの葉及び青菜等を与 え,その他飼育に特別のことはしなかった.
照射には本学放射線科教室のレ線深部治療器を用 い,背虫に固定した家兎の上腹部に,焦点皮膚間隔 30cmを置き,フィルター0.5mm Cu十11nmAIを使 用してレ線を照射した.(二次電圧120kv.二次電流 3.OmA)照射野は直径約10cmで,照射野以外は鉛板 で覆った.表1は使用各動物とその照射条件を示して いる.寒中のレ線線量は,照射中心皮膚面における空
中線量を示す.最終照射の12時間後にエーテル麻酔下失血死させて 各臓器を採取し,型の如くスーザー固定及び10%フォ ルマリン固定,パラフィン切片,ヘマトキシリン・エ オジン(H−E)染色を行って鏡検に供した.但し大量 照射例にあっては,最終照射後工2時間を経ないで発死 するものがあり,死後直ちに固定できなかった例もあ った.その詳細については次章において各例に附記す
る.
Experimehtal patho−histological study on the biological action of hard Roentgen rays upon
the rabbit, especially on the character of the intercalary portion. Hisayuki Shimizu Depart−ment of Pathology(Director:Prof. T. Ishikawa), School of Medicine, Kanazawa University.
表1 実験条件一覧
障陣)
123456789101112
急性照射例︵1群︶ 34567890123456781111111222222222
慢性照射例︵皿群︶
3 2480
♀ 2400
8 2520
δ 2480$ 2610
♂ 2530
3 2880 8 2020
♀ 2460
♀ 2870
8 2700
♀ 2950
♀ 2430
♂ 2660
3 2830 3 2200 8 1990
δ 2100♀ 2780
♀ 2770
3 2980 8 1750
♀ 2330
♀ 2600
♀ 2890
♀ 2970
♀ 2520 ε 2710
照射総
量(f) 照射方式
後 旭
射+ 〃照で続二 連時 日 連 瞼鰍
15 P3
0 0 0 00 0 0 00 0 0 0
1 9β 00 4
4500 6000 7000 8500
10000 io50012000 15000 350 500 660
10002000 3000 6800 7500 7500 8300 8500 9000 10500 13500 16420 18700
1500r 〃 1500r 〃 1400r 〃 i500r 〃 1500r 〃 1500r 〃 1500f 〃 1500r 〃
h口 目日 〃日 隔3毎隔 伽儀肚㏄
570PO1
1 300r 〃 300r 〃 500r 〃 750r 〃 540r 〃
500r連 日 570r隔 日
500で 〃 750r 〃 850r 〃 400r 〃 630r 〃
存数
生日112334567780
144644060860482701111122221332376
皿.検 索 所 見 1.急性照射例
実験1 32480gr 1000r 1回照射
肝;肝細胞の配列は,小葉中心部で軽度に乱れ,
Disse腔(以下D腔)は相当拡張.肝細胞は全般に混 濁,核質粗大化.軽度の欝血.最小胆管上皮軽度増生 傾向,所により多層化.グリソン三内特に胆管周辺 に,偽好酸球,形質細胞,小円形細胞の軽度の浸潤.
実験2 ♀2400gr 2000r 1回照射
心:心筋混濁腫脹し,一部に硝子様変性.問質細
血管充盈し,水腫状.空腸=粘膜軽度萎縮し,腸腺も層薄くその核はや や濃縮状,胞体は淡明化.粘膜固有層に軽度の水腫及 び小円形細胞(主に形質細胞)浸潤.
結腸:粘膜上皮の軽度の脱落の外著変なし,
膵:腺細胞混濁腫脹.その配列は辺縁部において
若干乱れ,その部において核濃縮.ラ和島は数正常な るもやや小型化し,軽度の細血管充盈.島細胞胞体は 網状,その核質粗大化,
肝:細胞配列中等度に混乱し,その胞体網状とな り淡明化.核の崩壊をしばしば認め時にそれが集団 状.欝血中等度.グリソン皮内小円形細胞浸潤中等度 でそれが胆管上皮層に及ぶ.
肺:特に胸膜直下部に強度の無気肺.血管充盈,
所により肺胞出血.肺胞上皮やや膨化.気管支上皮は 潤管部を含めて淡明化.
腎:糸毬体血管充盈し,細尿管主部上皮混濁腫脹 相当度.それはより軽度にヘンレ係蹄及び集合管上皮 に及ぶ.ヘンレ係蹄の主に太い脚の上皮胞体は網状で
微細空胞を形成.脾:軽度の被膜蛇行.淋巴濾胞は僅:かに萎縮し,
その淋巴球軽度減少.破壊過程を示す淋巴球も散在.
中心動脈はその壁硝子化せるもの若干.濾胞周囲に僅
かに繊維増生.実験3 δ2520gr1500r宛連日2回照射 心:心筋混濁中等度.1その硝子様化も散在性に軽 度.稀に心筋崩壊.間質は水腫状,細血管中等度に充 盈し,稀に微細出血.心筋変性の強い場所にMyozyten 散見.血管間葉細胞の軽度増生.
空腸:腸線細胞はその胞体微細空胞形成強度.核 濃縮し塩基性に濃染する細胞が散在.粘膜筋板肥厚.
筋層の混濁が強い.
膵:腺細胞混濁腫脹.その辺縁部胞体は軽度解 離.導管上皮核濃縮を呈するもの散在.ラ氏島はその 数やや増加し島細胞が腺様配列をなすもの若干.島細 胞の胞体網状化,その核質疎大化せるもの多い.ラ陸
島は一般に小型化.肝:細胞配列は小葉中心部において軽度に乱れ,
その胞体網状・淡明化.所々に粟粒壊死巣散在.その 部に偽好酸球,好中球及び小円形細胞の浸潤強度.極 く軽度の轡血.グリソン鞘水腫及び小円形細胞の浸 潤,後者は胆管上皮層内に及ぶ.
肺・特に胸膜下は強度の無気肺.血管充盈,稀に 微細肺胞出血.気管支周囲に偽好酸球,小円形細胞の
浸潤中等度.腎:糸島体血管充盈強く,細尿管主部は混濁腫 脹.ヘンレの太い脚は軽度に微細空胞形成.稀に垂直 部のMacula densa増生.集合管上皮も軽度に混濁 腫張.間質細血管充盈.軽度の水腫.
脾:被膜蛇行極く軽度.淋巴濾胞は萎縮し,淋巴
球も減少.芽中心細胞は極く軽度に減少.中心動脈壁
は軽度硝子化.脾洞は軽度に拡張,欝血.
実験4 δ2480gr 1300r宛連日3回照射 心3心:筋混濁は,軽度の萎縮,硝子様変化を伴い,
稀に崩壊.間質細血管充盈し軽度の水腫.Myozyte豆 及び血管間葉細胞の極く軽度増生.
空腸=粘膜萎縮強度.粘膜上皮は大部分脱落消失 して,残存粘膜上皮は粘液細胞化.腸腺の配列は腺底 部においてやや乱れ,その胞体空胞形成し,網状,そ の核濃縮状.粘膜固有層の水腫強く,稀に微細出血.
二部に形質細胞を主とする円形細胞の浸潤若干.筋細
胞混濁強度.膵:腺房細胞混濁腫脹及び胞体解離が強い.ラ氏 島は小型化してその数やや多く,島細胞の胞体網状化 及び軽度の胞体解離.ラ氏島血管充盈し極く稀に微細
出血.
肝:細胞の配列は乱れ,混濁腫脹強度.肝細胞は しばしば核を消失し,濃染核も多い.その胞体は網状 で淡明化せるものが多い.グリソン鞘に水腫強く,ま た門脈壁軽度に硝子化.
肺:無気肺強く,血管充盈し,稀に肺胞出血,無 気肺は特に胸膜下に強い.潤項部上皮重層化せるもの 多くその周囲淋巴腔は軽度拡張.気管支上皮は粘液分 泌二進像を呈し,周囲に小円形細胞浸潤.
腎:糸毬体はやや腫大.血管充盈強度.ボーマン 腔に蛋白質性の滲出物若干,軽度の血管極の水腫.二 二細胞及びBecher−Goormaghtigh糸田胞「以後B(気 細胞」の極く軽度の増生.細尿管主部上皮混濁腫脹強
く,皮質の表層に近い二部は空胞形成を呈するものが 多い.ヘンレ係蹄も混濁腫脹,特にその太い脚に空胞 形成,核濃縮.集合管上皮も軽度の混濁腫脹.細血管 充盈は全般に強く,皮質に稀に小出血斑.
脾:被膜蛇行軽度.淋巴濾胞萎縮,淋巴球・芽細 胞減少が強い.中心動脈め壁硝子化し,淋巴濾胞周囲 に極く軽度の繊維増生.脾洞拡張・充盈.偽酸好球浸
潤.
実験5 ♀2610gr1500r宛連日3回照射 心=混濁,萎縮が中等度で稀に空胞形成.硝子 様化及び蝋様変性を呈する部分がある.水腫若干.
Myozyten及び血管間葉細胞の軽度の増生.
膵:腺房細胞混濁及び解離.導管の上皮稀に粘液 細胞化.ラ三島は数やや多く,小型化し島細胞の変性
は軽度ナビカミ, 角翠離やや弓蚕し).
肝:細胞の配列乱れ,混濁腫脹が強く胞体網状で 淡明化,核消失及び核濃染を散在性に認める.
肺:無気肺強度.肺水腫、肺胞上皮は軽度に膨 化.潤二部上皮多層化蛇行せるもの若干.その上皮稀 に淡明化,その周囲に偽好酸球,好中球及び小円形細
胞の浸潤を伴う.気管支上皮粘液分泌出島.気管支上 皮胞体内に硝子滴を含む.周囲に上記細胞の浸潤があ
る, /
腎:ボーマン腔に滲出物若干,主部細尿管混濁腫 脹中等度で,その核濃縮し稀に核破壊像を認めるも空 胞形成はない.ヘンレの係蹄はわずかに配列乱れ,混 濁腫脹,空胞形成及び核変性を認める.集合管上皮も 混濁腫脹し,軽度の核濃縮.
実験6 ε2530gr 1500r宛連日4回照射 心=心筋混濁強く,萎縮,硝子様化及び崩壊を伴
う.細血管充盈強く,稀に微細出血.
空腸=粘膜上皮粘液細胞化せるもの多く,腸腺の 配列混乱し萎縮を伴い,その胞体空胞形成したもの若 干,固有層に形質細胞を主とせる小円形細胞の浸潤.
小円形細胞浸潤は,時に粘膜上皮二二に及ぶ,粘膜筋 板は肥厚,筋層混濁軽度.
膵:二二混濁強く細胞境界不明の箇所もある.胞 体解離.その核は濃染したもの多く特に辺縁部におい て細胞配列混乱.導管上皮粘液細胞化せるもの若干.
ラ氏島は軽度腫大し,数やや多く,島細胞が腺二二配 列をなす傾向がある.ラ氏島細血管充盈軽度.
肝:細胞配列は小葉中心部で強く乱れ,混濁腫脹 強く網状化せるもの多く,核の消失及び濃染を行う.
粟粒壊死巣があり,その部に小円形細胞浸潤を伴う.
グリソン鞘水腫,胆管上皮三内小円形細胞浸潤を認 む.中等大の胆管上皮は萎縮状.
肺=無気肺強く特に胸膜下に肺水腫.血管充盈強 く,しばしば肺胞出血を伴う,所々に腫大せる肺胞上 皮が集団.潤管部上皮は淡明化せるもの多くジ時に脱 落,その周囲淋巴腔は拡大.その他の気管支上皮は更 に強く上皮淡明化し,アポクリン分泌冗進し,硝子滴 を含む.気管支周囲に円形細胞浸潤強度.大気管支粘
膜下水腫状.腎=糸毬体血管充盈軽度,滲出は相当度.細尿管 主部混濁腫脹,特に皮質表層部ではその胞体空胞化,
核濃縮.ヘンレの二二も混濁腫脹中等度でその胞体網 状,集合管上皮混濁中等度,皮質の細血管特に充盈.
脾:被膜極く軽度蛇行.淋巴濾胞萎縮及び淋巴球 減少.混血.ヘモジデリンの沈着軽度.
大脳:中等度の水腫及び細血管充盈.特にVir・
chow−Robin腔(以下ウ腔)拡張強い.
実験7 δ2880gr 1400r宛連日5回照射
胃:粘膜萎縮はないが,その上皮配列は乱れ門訴
は粘液細胞化.主細胞は配列混乱し,その胞体は空胞
形成し萎縮状.壁細胞は極く軽度に腫大せるも特記す
べき変性はない.粘膜下層は軽度の水腫及び細血管充
盈.
空腸:粘膜萎縮,その上皮は軽度脱落消失し,残 存せるものはやや異型化.腸腺は萎縮し,腺配列は底 部においてわずかに乱れ,その胞体空胞形成せるもの 若干.固有層の細血管充盈及び中等度の小円形細胞浸
潤.筋層混濁.肝:細胞配列中等度に乱れ,混濁腫脹強度.その 胞体は網状化して淡明,核消失及び濃染を呈し,粟粒 壊死巣散見.その部に偽好酸球,好中球及び小円形細 胞浸潤軽度.出血軽度.グリソン鞘水腫,小円形細胞 浸潤軽度,それは胆管上皮層内に及ぶ.
肺:無気肺最強度.血管充推,軽度の出血及び軽 く軽度の水腫.稀に肺胞内に気管支上皮脱落.潤管部 上皮重層化したものを時に認め,淡明化し脱落多い.
粘液分泌充血.周囲淋巴腔拡張,周囲に偽好酸球,好 中球及び小円形細胞浸潤軽度.その他の気管支は蛇行 の度強く,粘液分泌充進を示し,稀に硝子滴を含む,
気管支上皮剥離中等度で,周囲細胞浸潤.
腎:糸毬体血管充盈中等度.細尿管上皮は一般に 混濁腫脹し,主部においては胞体空胞形成,それは特 に皮質表層に強い.ヘンレ係蹄では特にその太い脚に おいて核の崩壊がある.集合管の上皮細胞不整.
脾:被膜蛇行軽度.濾胞はやや小型化.脾洞欝血
強度.
実験8 ♂2020gr約1500r宛連日6回照射 心:心筋混濁強度.限局性に硝子様化し空胞形成 を伴う.心筋核に核質配列の乱れたもの,崩壊像若 干.間質は水腫状で細血管充盈強く,所により出血,
Myozytenがやや多い.外膜は水腫状で軽度の細血管 充盈及び小円形細胞浸潤.
肺:強度の無気肺を特に胸膜下部に認あ,血管充 盈し,稀に出血.肺胞上皮は所々に巨細胞化せるもの が集る.潤管部気管支上皮は蛇行して増殖傾向を示 し,胞体淡明化.一般に気管支周囲及び血管周囲に偽 好酸球及び小円形細胞の中等度浸潤.気管支上皮は粘 液分泌元進を示し硝子滴を含む.
腎=糸同体血管中等度充盈し軽度の血管極の水腫 及びB.G.細胞の増生.細尿管上皮は全般に混濁腫脹 し,主部胞体は特に皮質表層部において空胞形成,ヘ ンレの特に太い脚では,細胞配列は混乱し,その胞体 は合胞化してエオジンに濃染,核濃縮を呈する.集合 管はやや細胞不整で配列もわずかに乱れ,解離する.
皮質細血管充盈.
実験9 ♀2460gr約1500r宛連日7回照射 心:心筋混濁強度で部分的に硝子様化.問質細血 管充盈,稀に出血.血管間葉細胞増生.外膜に軽度水
腫.
胃:粘膜上皮配列やや不整.主細胞ぽ配列混乱 し,胞体空胞形成し萎縮状.壁細胞に殆んど変化な し.粘膜の一部に小出血巣。そこでは腺細胞が異型化 している.
結腸:軽度の粘膜萎縮.
直腸3殆んど変化なし.
膵:腺房細胞は混濁し配列やや不整,解離を伴 う.腺細胞胞体は空胞形成し,核消失せるもの若干.
島隠部導管上皮核大小不同.ラ氏島は数正常なるも小 型化し,島細胞は胞体網状稀に解離.ラ氏島間質やや 硝子様.
肝:細胞の配列やや不整で,混濁腫脹.小葉中心 部軽度脂肪変性.D腔拡張.最小胆管は軽度の増生.
グリソン鞘に小円形細胞浸潤中等度,それが胆管上皮
層内に及ぶ.肺:無気肺中等度.血管充盈強く肺胞出血をしば しば認める.肺胞上皮は軽度膨化.潤筆部気管支上皮 は軽度に淡明化.その周囲淋巴腔軽度拡張.その他の 気管支上皮は腫大し著明に淡明化.周囲細胞浸潤を伴
う.
腎:糸毬体やや腫大し係蹄細胞やや増生,血管腔 拡大の傾向.Q細胞軽度増生し血管極水腫を伴う.
細尿管上皮は一般に混濁腫脹し特に主部に強い.主部 胞体は空胞形成せるもの若干.ヘンレ係蹄は中等度に 配列混乱し特に太い脚において胞体空胞形成せるもの 多い.潤管部Macula densa軽度増生,空胞形成し,
やや淡明化.集合管上皮中等日照列不整,空胞形成.
硝子円柱を認める.間質水腫,細血管充盈及び軽度の
小円形細胞浸潤.脾=被膜蛇行極く軽度.淋巴濾胞萎縮,淋巴球減 少.中心動脈壁硝子化.寝癖拡張及び些細強度,洞中 に巨細胞出現.ヘモジデリン沈着強度.
実験10 ♀2870gr 1500r宛連日7回照射 心:心筋混濁強度.所々に硝子様化乃至蝋様変性 を認め,空胞形成も若干.聞底盤血管充盈中等度.血 管間葉細胞わずかに増加.外膜水腫,細血管充盈.
胃:粘膜萎縮極く軽度.主細胞は胞体網状化し萎 縮.壁細胞は軽度腫大.稀に粘膜内出血あり水腫を伴
う.
肝:肝細胞配列は特に小葉中心部で強く乱れる.
肝細胞は混濁腫脹強く,胞体網状化し,核の消失及び 濃染を伴うことが多い.稀に粟粒壊死巣を認め,偽好 酸球,好中球及び小円形細胞浸潤.轡血.グリソン鞘 水腫,軽度の小円形細胞浸潤があり胆管上皮層面に及
ぶ.
肺:無気肺中等度.他の部分に軽度の肺気腫.血 管充盈強く肺胞出血.潤財部気管支上皮は特に肺胞変 化の強い箇所に軽度破壊及び上皮多層化を認める.そ の他の気管支上皮は淡明化し,硝子滴を含むもの多
い.
腎:糸毬体血管充盈,血管極軽度水腫.B・G・細 胞増生.細尿管上皮は強く混濁腫脹.その胞体は特に 皮質表層部において,空胞形成をなすもの多い.ヘン レの係蹄は上皮配列混乱,混濁腫脹.その核濃縮状.
潤管部はMacula densa増生軽度,その上皮はやや 淡明化.集合管上皮配列混乱し混濁腫脹及び空胞形 成.間質は強い細血管充盈,稀に出血.
脾:脾膜蛇行中等度.淋巴濾胞萎縮・淋巴球減少・
中心動脈壁は肥厚し硝子化.淋巴濾:胞周囲に繊維成分 軽度増生.欝血強度,脾洞拡張,ヘモジデリンの沈着
強度.
実験11 82700gr 1500r宛連日8回照射 心:心筋混濁及び萎縮強く稀に硝子様化.細血管 充盈強く時に出血を伴う.外膜に軽度の本腫,細血管
充盈及び出血.小腸=粘膜萎縮強度.粘膜上皮若干脱落消失し,
残存せるものは粘液細胞化または異型化.腸腺の配列 は全く乱れ腺細胞胞体空胞形成強い.粘膜内小出血.
粘膜上皮層内に小円島細胞の浸潤.筋層混濁.十二指 腸では,十二指腸腺の分泌充血像. .
肝:肝細胞配列特に小葉中心部に混乱強い.混濁 腫脹強く,その胞体網状淡明化.その核消失せるもの 多い.小葉辺縁部に粟粒壊死巣あり,破壊核を多数含 む.その近傍の肝細胞は強く腫大混濁.壊死巣に接す る最:小胆管上皮は重層化したものがある.偽好酸球の
浸潤.響血.腎=糸毬体細血管充盈.細尿管主部の胞体心に皮 質の表層部において空胞形成せるもの多い.ヘンレ係 蹄は上皮配列混乱しその核濃縮したもの多い.集合管 上皮配列混乱し,その胞体空胞形成をなすもの多く,
細胞不整.間質細血管充盈強く稀に出血.
肺=無気肺最強度.血管充盈,時に肺胞出血.広 戸部気管支上皮ぼ核濃縮多く,胞体網状周囲淋巴腔軽 度拡張淡明化.その他の気管支上皮は軽度腫大し,淡 明化.周囲に小円形細胞の浸潤.
脾3被膜わずかに蛇行.濾胞淋巴球は消失,芽細 胞も減少.中心動脈壁軽度硝子化.濾胞周囲性に繊維 成分増生.響血強い.ヘモジデリン沈着多い.
実験12 ♀2950gri500r宛連日10回照射 心=心筋混濁萎縮強く所々硝子様化.血管充盈強
く軽度の出血,
胃:粘膜上皮粘液細胞化やや強く上皮わずかに配 列不整.主細胞は配列混乱,その胞体強く網状化して 萎縮,その核濃縮乃至破壊.壁細胞はわずかに腫大,
胞体粗大穎粒状.粘膜内小出血,小円形細胞若干(主 として形質細胞).粘膜下層に中等度の細血管充盈及
び軽度の水腫,出血及び小円形細胞の浸潤.
膵:腺細胞混濁腫脹,胞体解離.間質の細血管充 盈.ラ氏島はその数やや減少し,島肺胞はその胞体網
状で,わずかに解離.空腸=粘膜萎縮著しく強く,上皮消失した部分が 多く一部異型化した上皮残存.腸腺も殆んど萎縮消 失.粘膜に小出血.筋層萎縮強度,混濁.闘質水腫及
び軽度の小円形細胞浸潤.十二指腸:粘膜上皮に著変ない.腸腺萎縮は中等 度,その核濃縮,胞体は空胞形成し淡明化,萎縮状の もの多い.十二指腸粘液腺に著変ない.筋層萎縮及び
筋軽度混濁.粘膜内に小出血,小円形細胞浸潤強く粘
膜上皮層内に及ぶ.肝:細胞配列はやや乱れ,混濁腫脹.核消失若 干.欝血軽度,D腔拡張.最少胆管が強度に増生して
いる部位がある.肺=無気肺.肺血管充盈,潤管下気管支はやや拡 張してその上皮が多層化しているものが稀にある.そ の胞体は軽度に網状化し,一部上皮剥離.周囲淋巴腔 拡張,細胞浸潤を伴う.他の気管支上皮は軽度に腫大 し,核濃縮を呈するもの多く淡明化強い.
腎3歯腔体血管充盈強い.細尿管上皮は一般に混 濁腫脹,主部の胞体は空胞形成せるもの多く,ヘンレ 隠士上皮は胞体エオジン好性を増し,合胞化の傾向あ り且つ微細空胞形成.その核は濃縮.上記の変化は特 に太い脚に多い.集合管上皮は中等再配列混乱しその 胞体空胞形成をなすもの多い.間質細血管充盈.皮質
に小出血斑散在.脾:被膜やや厚くわずかに蛇行.淋巴濾胞萎縮・
淋巴球減少強度.中心動脈壁軽度硝子化.繊維成分が 不規則に増生.脾洞拡張,海賦強い.ヘモジデリン沈
着.
2. 慢染生貝翼身寸f列
、 実験13 ♀2430gr 50r宛隔日7回照射.生存日
数14日.
胃:粘膜萎縮.その上皮配列軽度に混舌し粘液細 胞化したもの若干.粘膜固有層軽度の水腫,細血管充 盈.粘膜内に出血.粘膜下層にも出血.筋層筋混濁し 萎縮.漿膜下細血管充盈及び出血.
空腸=粘膜萎縮軽度.その上皮稀に異型化.腸腺
の萎縮は軽度だが配列やや乱れ,腺細胞強度空胞形
成.固有層水腫及び細血管充盈.相当度の出血.粘膜 層に偽好酸球,好中球及び形質細胞の浸潤.一部空腸 の粘膜層が中層程まで破壊し,破壊核が散在する.孤 立淋巴小節は淋巴球破壊減少,強度の出血を伴う.
結腸:軽度の粘膜萎縮のほか著変ない.
膵:腺細胞は軽度に混濁腫脹し,チモーゲン穎粒 は減少.それは特に小葉辺縁部に著しい.腺細胞胞体 は微細空胞を含み,その核はやや濃縮状,腺房中心細 胞は醜く軽度に増生.潤管部軽度増生.間質水腫強く 結合織膨化。細血管充盈軽度,稀に出血,血管周囲に 組織球性細胞増生.ラ庄島は数やや増し小型化,水腫 状.その細胞は強く胞体解離し核濃縮.L
肝:細胞配列中等度に乱れ,特に小葉中心部にそ れが強い.全般に混濁腫脹中度度,特に小葉中心部は 核濃縮,胞体解離し,好エオジン性を増し且つ微細空 胞を含み,一部に壊死巣を作る.諺血及びD腔拡張,
わずかの胆汁を認める.中心静脈はやや拡張.最小血 管は軽度に増生.グリソン鞘の水腫,小円島細胞の浸
潤.
肺:わずかに無気肺状.肺胞出血及び肺水腫。肺 胞上肥膨化して集団する部位がある.肺胞内に偽好酸 球の軽度浸潤.潤管部気管支上皮増生.その上皮淡明 化して脱落化せるものもかなりある.その周囲淋巴腔 拡張,小円形細胞浸潤.他の気管支上皮も軽度に剥離 し周囲細胞浸潤中等度.気管支及び血管周囲は水腫
状.
腎:糸立体軽度血管充盈し,係蹄細胞やや増生.
細尿管主部上皮混濁腫脹しその核やや濃縮状.ヘンレ 係蹄は軽度配列混乱し混濁腫脹は強くないが,その胞 体好エオジン性を増し合胞化傾向,軽度の解離を伴 う.それは特に太い脚に著明.潤管部Macula densa の増生軽度に認められ,その胞体やや淡明化.集合管 に著変ない.皮質に散在性の小出血斑.
脾・被膜に変化ない.脾材は結合織増生.淋巴濾 胞萎縮,淋巴球減少及び芽細胞減少中等度.淋巴濾胞 周囲繊維成分中等度増生.脾洞拡張.脾細胞が極く軽 度に増生.
大脳:ウ腔拡張.所々にノイロノファギ一廓あ
り.
実験14 ♂2660gr約70r宛隔日7回照射生存日
数14日.
胃・粘膜萎縮強度,上皮は融解消失.主細胞は胞 体やや網状,壁細胞は萎縮,胃腺基底部細胞は萎縮 状.固有層に軽度の水腫及び円形細胞浸潤。粘膜層に 軽度出血,粘膜下層に軽度の水腫,細血管充盈及び小 円形細胞浸潤.筋層水腫,筋混濁萎縮,小円形細胞浸
潤.
膵:細葉中心域の腺細胞は解離濃縮及び消失,チ モーゲン穎粒消失.辺縁部はチモーゲン量正常で核も 変化が少ない.間質は粗で水腫強く細血管充盈中等 度.ラ氏島は数やや多く小型化し,不整型.その核は 濃縮,胞体は網状となって強く解離.ラ面谷水腫,軽 度の出血をしめすものがある.満管部上皮は核質融 解.導管思囲に水腫及び小円形細胞浸潤中等度.
肝:細胞の配列強く混乱.混濁腫脹.小葉辺縁部 肝細胞は胞体好エオジン性を増し核濃縮状,中心部は 胞体網状淡明化し,解離,核の消失及び濃染を伴う.
Kupffer細胞軽度増量.肝動脈壁硝子様化.胆汁を軽 度に認む.グリソン鞘永腫,偽好酸球浸潤.
肺:軽度無気肺.細血管充盈及び肺胞出血強い.
肺水腫.肺胞上皮膨化し好塩基性を増す。潤曲部気管 支腔内に気管支上皮細胞が充満しているものあり,そ の周囲淋巴腔拡張,細胞浸潤軽度.軽度の潤管部増生 を認む.気管支上皮の脱落せるもの若干,周囲細胞浸
潤.
腎・糸幅体血管充盈軽度なるも,ボーマン嚢内に 蛋白質性の滲出物を認む.細尿管は主部,ヘンレ係蹄 を通じて混濁腫脹,主部は核濃縮多い.ヘンレの太い 脚は配列軽度に混乱,胞体空胞形成し,わずかに解 離.集合管の混濁腫脹は極く軽くわずかに濃縮核があ る.糸毬体近傍の細血管拡大,充盈.間質細血管一般
に充盈し稀に出血.脾:被膜蛇行軽度,わずかに萎縮.山気繊維効く 軽度増生.淋巴濾胞萎縮,淋巴球及び芽細胞減少,濾 胞の消失せるもの散見.胚中心水腫状.濾胞周囲軽度 の繊維成分増生.脾細胞わずかに増生.軽度のヘモジ
デリン沈着.大脳:軽度の水腫.小出血巣あり.神経細胞変性
せるもの若干.実験15δ2830gr約100r宛3日目毎6回照射.
生存日数16日間.最終照射後肇死,翌朝剖検.死後変 化若干.
膵:線細胞は混濁し,チモーゲン顯粒は小葉辺縁 部にのみわずかに残存.線細胞核は濃縮状,胞体やや 解離.房中心細胞極く軽度増生.導管上皮は粘液細胞 化せるものやや多い.ラ氏島は小型化してその数やや 増加.その細胞体は核濃縮し,胞体網状化して強度に 解離せるもの多く水腫状.附属淋巴腺は,淋巴濾胞殆 んど消失.周辺洞に著明な出血を伴う.
肺・無気肺特に胸膜下にやや強い.血管充盈,出
血及び肺水腫所によって強く,肺胞上皮膨化して,所
々に集団する.細気管支上皮は剥離傾向を示し,特に
潤管絃は蛇行してその上皮多層化を示すことやや多 い.その周囲淋巴腔拡張し,偽好酸球,好中球及び小 円形細胞の浸潤がある.血管周囲にも上記細胞の軽度 の浸潤.
腎:糸瓜体血管充盈及びボーマン遥任内滲出.軽 度の血管極水腫.細尿管主部上皮混濁腫脹,核濃縮多 く,ヘンレ係蹄は軽度に配列乱れて濃濁腫脹,その胞 体空胞形成し,好エオジン性を増し,わずかに解離 極く軽度のMacula densa増生.集合管上皮は腫脹著
しくないが,その胞体微細空胞を含む.間質細血管充 盈強く,皮質に小出血斑を散見.
実験16$2200gr約150r宛,隔日7回照射.生
存日数14日.
心:心筋軽度に混濁萎縮,その胞体粗大空胞形 成.所々硝子様化して崩壊.間質は軽度水腫,細血管 充;盈,出血.MyOZyten及び血管間葉細胞軽度に増量.
偽好酸球がわずかに浸潤.出血部位に上記変性,変化
強い.
空腸=粘膜上皮は軽度の解離及び異型化を来た す.腸腺萎縮強度,その配列混乱,特にその基底部細 胞はやや膨化して空胞を形成.固有層水腫,形質細胞 及び偽好酸球の浸潤相当度.孤立淋巴小節は,わずか に出血し,淋巴球破壊減少.
膵=線細胞ごく軽度に混濁腫脹し,チモーゲン穎 粒は膵辺縁部のみ残存し,大部分は著明に減少.一部 腺細胞はその胞話好エオジン性を増し,核濃縮乃至破 壊像を示す.潤管部導管上皮は胞体不整形で混濁し,
核のクロマチン構造粗で濃縮乃至融解状,細胞配列の 乱れも相当.より太い潤管部は随伴静脈側にその上皮 配列密度高く,多層化し,且つその随伴静脈の内競細 胞配列が乱れて,一部解離.一般導管上皮は粘液細胞 化せのもの多く,その内感に蛋白性の滲出物が充盈す ることも多い.周囲は水腫状で,軽度の偽好酸球浸 潤.ラ高島は小型化してその数やや多く,不整形.島 細胞は胞体また解離,配列混乱,核濃縮乃至崩壊,
肝:肝細胞は特に小葉中心部に強く解離,配列混 乱.軽度に混濁.中心部島細胞は萎縮状で胞体やや好 エオジン性を増し,核濃縮乃至消失.島細胞胞体は,
びまん性に小空胞形成(脂肪変性).最小胆管上皮は 一部配列が乱れて,周囲間質への遊出が見られる.グ
リソン氏鞘は水腫状、
肺:肺胞は巣状に水腫。一部は小葉性の無気肺を 示す.肺胞には肺胞上皮の集団,赤血球及び偽好酸球 集団が混在.広範な胸膜下肺胞出血.中等大気管支腔 内に赤血球,脱落せる肺胞上皮,脱落気管上皮及び偽 好酸球が充満しているものを散見.その粘膜上皮は軽
度に腫大.間質は特に血管を中心にして水腫状.所々 小円形細胞と強い偽好酸球の浸潤を伴う.曲管部気管 支上皮は,山隠状増殖,微小腺管形成,乃至多層化を 示すこと多く,他にその上皮配列不整となり,剥離し て荒廃せる部位あり.周囲淋巴腔は拡張して,偽好酸 球・小円形細胞浸潤.潤管船上皮下に軽い出血のある 所がある.肺門淋巴節は淋巴球の核濃縮,破壊.濾胞 の境界が不分明.出血はない.
腎=ボーマン嚢内滲出物.Q細胞及びB.(弘細胞 の軽度増生.軽度の血管極水腫.細尿管主部上皮は混 濁・腫脹・解離,その核濃縮.ヘンレ画面は配列強く 乱れ,混濁腫脹も強く,特にその太い脚の上皮は,核 強く濃縮乃至崩壊し,その胞体好エオジン性を増し て,合胞化せるもの多く,時に重層化.副管部上皮は Macula densa増生し,その胞体軽度に網状化.集合 管上皮もわずかに配列不整,内腔に上皮性円柱を認め る.全般に細血管充盈強く,特に中間層及び皮質の輸 入細動脈の近傍においてそれが著明で,小出血を伴
う.
脾・被膜はやや薄い。淋巴濾胞の萎縮及び淋巴球 減少は軽度なるも,芽細胞はやや強く減少.膵細胞轟
く軽度増量.
大脳: ウ腔軽度拡張.水腫.しばしば神経細胞チ グロリーゼ.
結腸:軽度の粘膜萎縮.固有層に軽度の水腫.
実験17 61990gr約300r宛隔日7回照射.生存
日数14日.
心=心筋混濁及び萎縮軽度.稀に硝子様化をなす 部分あり.細血管充盈,軽度の水腫を伴う.MyOZyte鎮 やや増量し,軽度の血管間葉細胞増生,小円形細胞の
浸潤.
胃:胃底部粘膜萎縮中等度,粘膜上皮は配列不整 となり粘液細胞化したもの多い.胃腺配列軽度に乱 れ,細胞境界やや不明瞭,基底部細胞は淡明化.固有 層は水腫状,巣状の出血がある.粘膜筋板軽度肥厚.
粘膜下層は水腫と軽度の小円形細胞浸潤.筋層萎縮 し,筋混濁.幽門部は粘膜萎縮し,粘膜上皮下に出 血.腺基底部細胞は萎縮,崩壊,解離して配列乱れ核 破壊像強い.筋層しばしば硝子様.全般に水腫.噴門 部は粘膜萎縮強く,上皮細胞,腺細胞の配列著しく混 乱,上皮は解離脱落し,細胞不正形となり,且つ合胞 性で核大小不同著しく,核質構造も乱れる.粘膜下層 は組織球性細胞やや増量,水腫.
空腸・粘膜萎縮強く,しばしば上皮消失し,残存
したものは異型化.腸腺は萎縮強く,細胞著しく混
乱.その腺腔は拡張して,これを囲卜する腺細胞は不
規則に胞体偏平化,合胞化し,その核も濃縮,一部破 壊,消失し,内腔には偽好酸球,好中球,形質細胞な どが種々の程度に充満し,丁度微細嚢胞状に見える.
以下(拡張腺と略記する),一部に小粘膜潰瘍を認め,
粘膜上皮の異型増殖により,被覆修復されている.腺 基底部は拡張腺形成が少ないが,胞体著しく空胞を含
み,脂肪細胞状.筋層は軽度に:筋混濁し,所々硝子様.膵:腺細胞の配列やや乱れ,混濁腫脹し,濃縮核 が多い.チモーゲン虚血は膵辺縁部のみに正常量,他 の部分では強く減少.巣状の小壊死像を認める.房中 心細胞は臨く軽度増生,潤頬部導管はラ氏島と近接す る部位が拡張蛇行の傾向あり.その他の導管上皮は粘 液細胞化せるもの多い.その間質細血管充盈,出血及 び偽好酸球及び小円形細胞浸潤.ラ氏島は小型化し て,数やや増量し,島細胞は散乱性で,その胞体軽度 に網状化して解離せるもの多い.附属淋巴腺は,淋巴 球破壊減少し,辺縁洞に出血,
肝:肝細胞配列乱れ,混濁腫脹は特に小葉中心部 において強い.エオジン好性を増す肝細胞が散在性に 認められ,融く軽度の解離を伴う.肝細胞核は,濃 縮,及び消失を来たすもの多く,時にそれが集団化し ている.更にその胞体は特に核周囲性に空胞形成をな すもの多い.興廃は特に小葉中心部に強い.D腔拡 張.グリソン鞘血管充盈強く,水腫,
肺:肺毛細血管充盈強く,特に胸膜下に肺胞出血 多く,偽好酸球,及び小円形細胞混在.肺水腫.肺胞 上皮集団.潤恥部気管支は,蛇行増殖傾向強く,その 上皮配列は乱れて,腔内に脱落上皮を充満させるもの あり.その周囲に偽好酸球及び小円形細胞浸潤.他の 気管支も中等大気管支に至るまで,その上皮は腔内性 に不規則に多層化傾向を示し,その周囲に上記細胞浸
潤.
腎=糸毬体血管充盈強い.軽度のQ細胞及びB.一 G.細胞増生.主部細尿管上皮混濁腫脹及び核の濃縮.
ヘンレ係蹄はその上皮配列著しく混乱し,混濁強く,
好エオジン性,合胞化し一部巨細胞化し,その核は強 く濃縮・破壊.上記の変化は特に太い脚において著 明.店回部Macula densa増生,その胞体軽度に網状 化.集合管上皮は配列軽度に乱れわずかに解離.間質 細血管充盈強く,水腫,小出血巣.
脾3被膜蛇行中等度.脾索に軽度の繊維増生.淋 巴濾胞萎縮,その淋巴球及び芽細胞の減少中等度.厘 毛動脈わずかに充盈.全般に不規則な繊維増生軽度.
軽度の脾洞拡張及び脾細胞の増生.
大脳・ウ腔拡張.細血管充盈,粟粒小出血多発.
神経細胞はチグロリーゼ乃至網状変性,しばしば核酒
失.
実験18 $2100gr 300r宛隔日10回照射.生存日 数20日間.:最終照射後約10時間後南瓜.死後約9時間 後固定.死後変化がかなりある.
胃:粘膜上皮融解消失.粘膜萎縮中等度.主細胞 は胞体萎縮,壁細胞は,解離して配列乱れ,基底部細 胞は淡明化.固有層は水腫強度,稀に出血を認め,軽 度の小円形細胞浸潤.粘膜下層に水腫.筋層の筋混濁 強く,巣状に硝子様化.漿膜下に細血管充盈強く,出
血及び小円形細胞の浸:潤.空腸:粘膜萎縮強い.粘膜上皮は消失傾向,残存 上皮は粘液細胞化乃至異型化.腸腺の配列はやや乱 れ,稀に拡張腺形成.腺基底部細胞は胞体空胞形成,
時に粘液化,解離.固有層に水腫強く,形質細胞,偽 好酸球など浸潤中等度.
膵:チモーゲン頼粒は殆んど消失.潤管部導管 は,蛇行分岐傾向強く,時に上皮重層化.問質水腫及 び細血管充盈,稀に出血.ラ直島は数正常,不正形で 島細胞配列は腺管的配列をなすものが大部分である.
その胞体はやや好エオジン性を増し,稀に解離,合帯 化の傾向.
肝・肝細胞の配列乱れ,混濁腫脹軽度.肝細胞大 小不同で,核の濃縮及び消失を伴う.駆血及びD腔拡 張.Kupffer細胞は黄褐色の色素を含む.胆汁わずか に出現.最小胆管は分岐増殖して所謂偽胆管形成.グ リソン鞘水腫及び血管充盈,軽度の小円形細胞浸潤.
肺:特に胸膜下は無気肺.血管充盈強く,肺胞出 血.肺胞上皮稀に集団化.気管支粘膜アポクリン分泌 充進。撮管部気管支上皮は軽度に剥離.
腎・糸毬体やや腫大,血管充盈強く極く軽度の滲 出.軽度の極水腫.細尿管主部は混濁腫脹し,その上 皮核濃縮多い.ヘンレ係蹄はやや変化弱い.潤管部は Macula densa増生多く時に多層化.集合管は軽度混 濁腫脹,その胞体微細空胞形成.一般に間質細血管充
盈強く小出血,水腫.脾:被膜蛇行強く軽度肥厚.脾索結合繊軽度増 生.淋巴濾胞は淋巴球及び芽細胞減少強く濾:胞の消失 も多い.中心動脈壁わずかに硝子化.脾洞の構造粗帯 化,混乱.
大脳:水腫強く,神経細胞変性中等度.
実験19 ♀2780gr約500r宛隔日13回照射.生存
日数26日間.
胃=粘膜上皮殆んど粘液細胞化して配列不整.粘
膜萎縮軽度.胃腺の配列は軽度に乱れ特に主細胞は萎
縮して,時に消失し,核濃縮多い.壁細胞膨化しやや
配列粗.基底部腺細胞やや淡明化.粘膜水腫中等度,
偽好酸球及び小円形細胞浸潤中等度.稀に粘膜内包出 血.筋層水腫,筋混濁強く,萎縮状.漿膜下水腫,細 血管充盈及び小円形細胞浸潤.
空腸:粘膜上皮軽度萎縮,粘液細胞化.腸腺は配 列不整,粘膜上半に拡張腺若干形成.腺基底部細胞は 空胞形成.
結腸=粘膜軽度萎縮,腺細胞は濃縮核混在.粘膜 水腫状で小円形細胞軽度浸潤.
膵:腺細胞混濁腫脹し,チモーゲン穎急信んど消 失.潤管部導管やや分岐蛇行傾向.ラ氏島数正常なる
も島細胞すべて潤管部的腺様配列,その胞体ややエオ ジン性を増す.附属淋巴節は濾胞萎縮乃至消失.辺縁
洞一部出血.肝:肝細胞配列乱れ,特に小葉中心部に混乱の傾 向大.混濁腫脹し,小葉中心部は胞体網状,核は崩壊 各過程を示す.時に壊死巣を作り,小円形細胞,偽好 酸球の浸潤を伴う.小葉辺縁部は胞体やや好エオジン 性を増す.諺血及びD腔拡張軽度.K:upffer細胞軽度 増生.最:小胆管中等度増生.グリソン素読円形細胞若
干.
肺;胸膜下は無気肺状.他は軽度の肺気腫,血管 充盈及び肺胞出血.肺胞上皮は膨化,集団.品品部気 管支は蛇行してその上皮一部重層化し,その胞体軽度 淡明化.その周囲淋巴腔拡張.細気管支粘膜アポクリ
ン分泌冗濡し周囲に小円形細胞,偽好酸球の浸潤.
腎:品品体やや腫大し血管充盈は強いものが多 い.血管係蹄細胞やや増生.ボーマン嚢内に軽度の蛋 白性滲出物しB,G.細胞増量.細尿管主部は軽度に混 濁腫脹.ヘンレ係蹄は配列中等度に混乱し,混濁腫 脹し且つその上皮増生して細胞大小不同,三管部は Macula densa増生中等度.集合管上皮は核濃縮状,
内腔に硝子円柱若干.細血管充盈軽度,稀に小出血.
脾:被膜蛇行並びに肥厚中等度.脾索繊維増生.
濾胞は強く萎縮.中心動脈壁やや硝子化し,全般に繊 維成分増生,特に濾胞周囲にそれが強い傾向.脾洞や や拡張してその構造粗懸化.ヘモジデリン沈着著し
い.
大脳:水腫状.神経細胞変性なし,ノイロノファ ギーを認む.細血管充盈中等度.
実験20 ♀2770gr 750r宛隔日10回照射.生存日 数20日間.最終照射後発死,固定まで約12時間経過.
死後変化かなり.
胃:粘膜上皮は配列不整,粘液細胞化せるもの多 い.粘膜萎縮強く,胃腺各細胞は正常配列を失い,各 成分の分別困難となり・拡張腺形成・粒膜は水腫状で 稀に出血,結合織増生.粘膜筋板軽度肥厚.粘膜下層
水腫.筋層に水腫,小円前細胞,偽好酸球及び好中球 の浸潤.
空腸=粘膜萎縮強く粘膜上皮はすべて消失し,腸 腺は正常構造を失って拡張腺形成強く,その内袖に偽 好酸球,好中球,形質細胞及び他の小円形細胞を種々 の程度に充満.粘膜水腫及び軽度の結合織増性.
十二指腸:粘膜萎縮著しく,殆んど腸腺消失.十 二指腸腺は壊死状,散在性に残存する腺細胞は異型
化,
膵・腺細胞混濁,一部微細空胞形成,一・部は胞話 好エオジン性を増して膨化,チモーゲン頬粒は所によ ってむしろ増量.潤管部五は附属静脈側においてその 上皮核淡明イヒ膨化し,その反対側では核濃縮している 像が多い.一般に導管は胞体好エオジン性を増し,核 濃縮,内腔に無構造物質を満すこと多い.間質細血管 充盈.死後変化のためラ氏島所見不明.
肝:細胞配列軽度混乱し混濁・解離.核の濃染及 び消失軽度.D腔拡張し,響血軽度.最小胆管は分岐 蛇行強く,微細腺腔形成多い.グリソン鞘に小円形細
胞浸潤中等度.肺:無気肺,血管充盈中等度.気管支肺炎と合 併.潤管弦気管支はその上皮配列乱れ,一部重層化.
腔内に赤血球を認め脱落気管支上皮と混在,周囲淋巴 腔は拡張.細気管支アポクリン分泌充進.気管支上皮 胞体内に硝子滴を少量.気管支腔内に赤血球を認め
る.
腎:糸蔵体血管充盈し,係蹄細胞軽度増量.軽度 の血管極水腫,細尿管主部は配列混乱し上皮混濁腫 脹,核濃縮多い.ヘンレ藩命は(特に太い脚におい て),強度に胞体空胞形成.潤建部は増生中等度.集 合管混濁腫脹し,内腔に硝子円柱若干.
大脳=水腫状.神経細胞変性強く,ノイロノファ
ギー像散見.
実験21 32980gr約540r宛隔日14回照射.生存 日数28日間,垂死約6時間後固定.
胃:粘膜上皮殆んど脱落消失し,粘膜強度に萎縮 して主細胞はその胞体好塩基性を増し核消失多い.壁 細胞は変化が少ない.基底部腺細胞やや淡明化.粘膜 水腫が強い,筋層は筋混濁萎縮強い.
膵=書房は萎縮状,解離,配列乱れ,一部線細胞 は網状化,チモーゲン穎粒は相当量残存.散在性に胞 体強く好エオジン性に融解し,核濃縮した細胞が認め られる.潤管部導管は軽度に増生を示し,配列乱れ,
胞細評エオジン性を増している,他の導管はその上皮
若干粘液細胞化し,その内腔に好エオジン性液を満す
もの多い.聞質水腫,細血管充盈中等度.偽好酸球及
び小円形細胞の浸潤若=F.ラ広島は強く萎縮小型化.
附属淋巴節は濾胞殆んど消失,洞の構造粗ぞう化,偽
好酸球浸潤.肝:肝細胞配列混乱し,細胞の大小不同が激し く,核濃縮及び消失を伴う.塗盆中等度.K:upffer細 胞軽度増生.最小胆管増生強い.グリソン鞘血管充 盈,結合織軽度増生し,小円形細胞浸潤を伴う,
肺:強度の無気肺を呈する部分と,軽度の肺気腫 を呈する部分とある.血管充盈強く,稀に肺胞出血.
潤蹴出気管支の上皮円柱状に高さを増し,多層化の傾 向あり,またその上皮は淡明化,周囲淋巴腔拡張し,
偽好酸球及び小円形細胞の浸潤を伴う.他の気管支上 皮も腫大して,粘液細胞化せるもの多い.アポクリン 分泌充進.周囲水腫,上記細胞浸潤.
腎=密接体血管充盈,滲出軽度,細尿管主部は配 列やや乱れ,混濁腫脹著しい.皮質表層に近いもの は,胞体空胞形成,核濃縮が強い.ヘンレ係蹄は上皮 配列乱れ,混濁画竜,空胞形成及び核濃縮,胞体やや 好エオジン性を増す.潤管部はMacula densa増生乃 至多層化強い.集合管はその内応拡大.上皮扁平化,
核濃縮,硝子様円柱わずか.間質細血管充盈強く,軽
度:の出血を皮質輸入細動脈の近傍及び中間層に認め,水腫及び軽度の小円形細胞浸潤を伴う,
脾:被膜蛇行,軽度の結合織増生.脾索の繊維や や増加傾向.濾胞萎縮強くしばしば,消失,軽度の繊 維増生,
大脳:水腫状,神経細胞変性過程を示し,ノイロ
ノファギー散見.実験22 δ1750gr約500r宛連剛6回照射.生存 日数16日間.最終照射の翌朝るいそう全身衰弱状態で
発死,直ちに固定.胃:粘膜上皮は配列強く混乱し,核大小不同,ク ロマチン配列不整,しばしば巨大細胞化して不整形に 伸張.粘膜萎縮中等度,主細胞は配列乱れ好塩基性を 増し,胞体網状,空胞形成,核消失破壊を示すもの多 い.壁細胞は染色性を失って合胞化の傾向,基底部腺 細胞は大小不同で核濃縮.胃腺は表層部で拡張腺形 成.粘膜水腫強く,粘膜筋板軽度肥厚.粘膜下層水 腫,小円形細胞浸潤.筋層水腫筋混濁中等度,軽度の
小円形細胞浸潤.空腸:粘膜上皮は粘液細胞化乃至異型化.腸腺軽 度萎縮し,その一部は正常構造を失って拡張腺形成.
一部腺細胞は合胞化.腺基底部腺細胞は空胞形成して 淡明化.固有層の結合織増生,粘膜筋板軽度肥厚.筋
層筋混濁軽度.膵:腺細胞胞体微細空胞状で解離,チモーゲン穎
粒殆んど消失,腺細胞核消失せるもの混在.潤恥部導 管申高度増生し,胞体ややエオジン好性を増す.間質 水腫及び細血管充盈.ラ氏島は数やや多く,島細胞は 腺管的配列をとり,胞体好エオジン性を増し,あたか
も潤感動導管上皮様.
肝3肝細胞配列混乱し,びまん性の脂肪変性.粟 粒壊死巣をしばしば認め,これに偽好酸球,好中球,
及び小円形細胞浸潤.D腔拡張強く,響血中等度.
:Kupffer細胞軽度増生.最小胆管中等度増生し,他の 胆管上皮は剥離,淡明化せるもの若干.グリソン鞘の 血管充盈強く,水腫状で小円島細胞軽度浸潤.
肺:強い無気肺と軽度の肺気腫を呈する部分混 在.血管充盈及び肺胞出血.カタール性肺炎像合併.
肺胞上皮はやや腫大して,増加傾向.潤管部気管支は 周囲性に軽度の増殖(蜜腺腔形成)及び管内性に重層 化の傾向,一部は剥離.周囲に偽好酸球及び小円形細 胞浸潤.アポクリン分泌充進.気管支上皮内に硝子滴 を含む,
脾:被膜蛇行と肥厚軽度.軸索の結合織軽度増 生.淋巴濾胞萎縮,淋巴球減少強く,芽細胞は残存.
中心動脈わずかに充盈し,その壁軽度硝子化.不規則
に繊維増生.欝血強い.大脳= ウ腔拡張.水腫状.神経細胞変性傾向.
実験23 ♀2330gr約570r宛隔日15回照射.生存
日数30日間,
胃:粘膜萎縮強度,粘膜上皮消失し,胃腺の各細 胞成分分別困難,配列極度に乱れ,各細胞は萎縮,解 離,核濃縮破壊せるもの多い.拡張腺は形成せず.粘 膜水腫.稀に粘膜内に出血.固有層の結合織増生.粘 膜筋板肥厚.粘膜下層軽度の水腫.筋層萎縮し,筋軽 度混濁.
空腸:粘膜上皮消失多く,残存せるものは異型 化,腸腺の配列混乱し,その基底部細胞は壊死状,著 しく淡明化.粘膜萎縮は軽く,拡張腺形成なし,粘膜 血管充盈,偽好酸球乃至小円形細胞の軽度の浸潤.固 有層に軽度の結合織増生,筋層の筋混濁強い.
肝:肝細胞配列混乱.肝細胞黄褐色色素沈着した もの散在.小葉辺縁部に粟粒大壊死巣あり,その一部 は繊維化している.その他の肝細胞も核の濃縮及び消 失せるものを混在,響血中二度.Kupffer細胞軽度増 生.上記壊死巣の近傍に特に偽好酸球,好中球,小円 形細胞の浸潤.最小胆管強く増生,グリソン鞘血管充 盈,小円形細胞の浸潤,それは特に胆管周囲性.その
結合織増生.肺:無気肺.血管充盈及び肺胞出血.極く軽度の
肺水腫.肺胞上皮膨大し,わずかに増生.潤管部気管
支上皮わずかに増生し,剥離せのもの若干.
腎=糸幅体血管充盈強い.B. G.細胞増生.細 尿管主部軽度に配列混乱し,混濁腫脹強度.皮質表層 に近いものは,空胞形成,核濃縮.ヘンレ係蹄は混濁 腫脹,特にその太い脚では,細胞増生し,胞体空胞形 成せるもの多い.Macula densa増生し,その胞体は 核周辺に空胞帯を形成するものが多い.集合管より乳 頭管まで上皮増成して,腔をうずめ,一部剥離して上 皮円柱.乳頭層の一一部に小出血巣と好中球の浸潤.間 質細血管充盈強く,水腫.
脾:被膜蛇行軽度,詮索の結合織やや増生.淋巴 濾胞萎縮,淋巴球及び芽細胞減少強く,時に濾胞消 失,濾胞周囲性に繊維成分軽度増生,脾細胞も軽度増 生.ヘモジデリン沈着著しい.
実験24♀2600gr約500r宛隔日17回照射.生存 日数34日間,最終照射後5時間にて,失血死させる.
胃:粘膜上皮は配列不整,強く粘液細胞化.粘膜 萎縮,胃腺の各細胞成分は分別困難となり,拡張腺形 成.粘膜水腫,稀に粘膜出血.固有層の結合織軽度増 生.偽好酸球,好中球,小円形細胞浸潤強い.粘膜筋 板強く肥厚.粘膜下層水腫及び小円形細胞浸潤.筋層 水腫,筋混濁,軽度の小円形細胞浸潤.
空腸:粘膜萎縮強く,上皮一部消失し,大部は粘 液細胞化,腸腺は所謂拡張腺形成.腺基底部は強く空 胞形成.淡明化.筋層筋の混濁強い.
十二指腸:粘膜萎縮軽度.腸腺は胞体空胞形成せ るもの多く淡明化.十二指腸腺は著明な変化なし.
肝:細胞配列不整,特に小葉中心に混乱強く,び まん性に軽度の脂肪変性.核の濃縮・消失,肝細胞の 大小不同あり.最小胆管上皮増生して集団化,一部は 偽胆管形成,接する肝細胞は,高度の退行変性を示 し,形質細胞及び赤血球混在.それに近接する肝細胞
は空胞変性.肺:強い無気肺.血管充盈時に肺胞出血.潤底部 気管支はやや拡張,蛇行,その上皮は一部多層化,淡 明化,一部脱落.周囲淋巴腔拡張.他の気管支粘膜 は,やや腫大しその上皮は強く淡明化.
腎:糸毬体血管充盈強い.B. G.細胞増生.細尿 管主部軽度配列混乱し,混澗腫脹,核軽度に濃縮.ヘ
ンレ係蹄は上皮配列軽度混乱し,混濁腫脹,胞能わず かに空胞形成.Macula densaやや増生.時にそれが 重層化.集合管上皮に著変なく,その内腔に硝子円柱 若干.全般に細血管充盈強く,小出血斑が皮質の糸毬 体の近傍,中間層及び乳頭層に散見される.
脾:被膜蛇行.淋巴濾胞の萎縮,淋巴球・芽細胞 減少強く,しばしば濾胞消失.
大脳:水腫.神経細胞変性強く,しばしば網状変 性を呈し,ノイロノファギー像散見,細血管充盈.
実験25 ♀2890gr約750r宛隔日14回照射.生存 日数28日間.最:終照射日の夕刻発死,死後約3時間に て固定.
胃・粘膜萎縮,粘膜上皮消失.胃腺前細胞分別困 難,正常構造失われ,拡張腺形成.粘膜水腫強く,出 血.固有層結合織増生,粘膜の一部に粘膜潰瘍を形成 し,合胞性の粘膜上皮が被覆修復している.粘膜筋板 軽度肥厚.粘膜下層血管充盈し,小円形細胞浸潤.筋 層も小円形細胞浸潤し,筋混濁.
空腸:粘膜萎縮強く,その上皮大部分消失し,残 存せるものも異型化乃至粘液細胞化.腸腺の配列不 整,拡張腺形成若干.腺基底部細胞は強く空胞形成.
一部空腸は粘膜消失して,結合織のみ残存.筋層に小 円形細胞浸潤及び軽度の水腫.
膵=腺混濁腫脹,胞体解離傾向を示し,一部細胞 は配列混乱する.チモーゲン頼粒はやや増量傾向.腺 房中心細胞は軽度増生.潤管部増生中等度でその胞体 好エオジン性を増す.他の導管上皮は核質融解,胞意 わずかに解離し,粘液細胞化せるもの若干,その内腔 に好エオジン性の滲出物を種々の程度に充満.間質は 細血管充盈,水腫状.ラ曲面は数正常で,島細胞に潤 管部的配列をなし,その胞体やや好エオジン性.
肝:細胞配列混乱,混濁腫脹軽度なるも,しばし ば変性核を含み,(濃縮,消失)その胞体は好エオジン 性を増して,解離せるもの若干.欝血及びD腔拡張軽
度.
肺=強い無気肺を呈する部分(特に胸膜下部)と 肺気腫とを呈する部分がある.血管充盈し,稀に肺胞 出血.潤管網気管支は分岐蛇行して,微小腺腔形成乃 至重層化,その上皮は淡明化.周囲淋巴腔拡張.他の 気管支上皮は強く淡明化し,その内腔に赤血球を少量
入れるものあり,腎:糸無体血管充盈.その係蹄細胞は,軽度増 生,その核やや濃縮.血管極水腫中等度.軽度のQ細 胞・B.G.細胞増生を認む.細尿管主部配列混乱し,
混濁腫脹強く,核変性を伴う,ヘンレ係蹄は,上皮配 列混乳し,混濁腫脹強し,その胞体は好エオジン性を 増す.潤管部はMacula densa増生軽度,その胞体 空胞形成なすものがあり,一部配列が乱れる.集合管 上皮は,軽度混濁腫脹し,硝子円柱をわずかに入れ
る,曲管部近傍の細血管は強度に拡張充盈.
大脳:水腫状.神経細胞変性相当度で,ノイロノ
ファギー像が散見される.実験26♀2970gr約850r宛隔日16回照射.生存
日数32日蘭.
胃:粘膜上皮配列不整,胃腺の各細胞分別困難,
拡張腺形成.粘膜水腫及び出血.粘膜筋板肥厚.粘膜 下層軽度水腫及び細血管充盈,小円形細胞の浸潤.筋
層萎縮混濁,水腫状,腔腸=粘膜萎縮強く,上皮大部分消失し,残存せ るものは強く異型化.腸腺正常構造失われ,拡張腺形 成強い.残存腸腺上皮は空胞形成著しい.粘膜水腫 状,細血管充盈.一部粘膜は結合織強く増生,粘膜筋
板強く肥厚.膵=腺細胞混濁,チモーゲン穎粒やや多い.腺の 配列軽度混乱,潤民部増生中等度.導管腔,液充満.
間質細血管充盈.ラ氏島の数やや低下し,島細胞やや 好エオジン性で潤管山導管的配列.
肝・肝細胞配列軽度混乱し,混濁腫脹解離.びま ん性の脂肪変性.肝細胞核濃縮乃至消失せるもの混 在.響血座く軽度.最小胆管増生,グリソン鞘やや水
腫状.
肺:無気肺強度,血管充盈稀に肺胞出血.潤管部 気管支は,管周囲性に微細鼻腔形成,管内性に重層 化.上皮淡明化せるもの若干.一部剥離.周囲偽好酸 球及び小円形細胞浸潤.他の気管支は,粘膜分泌充濾 し,その上皮内に硝子滴を含み,その周囲に軽度細胞 浸潤,その内腔に少量の赤血球及び好中球.
腎=糸毬体血管充盈.係蹄細胞軽度増生.Q細胞 軽度増生.細尿管主部混濁主卜し,核濃縮.その内腔 に硝子鉢を含む.ヘンレ係蹄はやや上皮増生し,混濁 腫脹及び胞体空胞形成且つ扁平化せるもの多い.潤管 部増生極く軽度.集合管上皮軽度に配列混乱し,その 上皮に石灰沈着せるものあり.内腔に硝子円柱軽度.
間質細血管充盈稀に出血.
脾:淋巴濾胞の萎縮,淋巴球・芽細胞減少強度で,
しばしば濾胞消失.中心動脈壁軽度硝子化.繊維わず かに増生.脾細胞やや膨化してわずかに増生.
大脳:水腫状.神経細胞変性,ノイロノファギー
散見.
実験27 ♀2520gr約400r宛隔日39回照射.総量 16420r生存日数77日間.最終照射後夜間発死(冬季).
死後約12時間で固定,