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学位論文審査の結果の要旨

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Academic year: 2021

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(1)

( 共 生 環 境 学 専 攻 長 立 花 義 裕 ( 副 専 攻 長 酒 井 俊 典

学位論文審査の結果の要旨

氏 名 千 団 員 喜 子

主 査

審 査 委 員

副 査 副 査 副 査 副 査

授 授 授 授 師 教 教 教 教 講

葛 葉 泰 久

立 花 義 裕 松 村 直 人 福 崎 智 司 松 尾 奈 緒 子

論 文 題 目 │環境水のイオン成分や微量金属の動態及び窒素汚染と除去に関する研究 (題目変更の有無) I  ( S t t 均 ont h e  b e h a v i o r  o f  i o n  c o m p o n e n t s  and

廿

a c em e t a l s  i n  w a t e r  e n v i r o n m e n t s , 

有 ・ ⑮ I and t h e  p o l l u t i o n  and r e m o v a l  o f  n i t r o g e n )   (論文審査の結果の要旨)

1 . 論文の概要

水は人聞にとって生活する上で必要で,重要な資源である.健全な水環境・飲料水に至る水の安 全を目指すうえで, N03

N (硝酸態窒素)等の窒素の移動を解明することが極めて重要である.環 境負荷の原因を探り,水の安全に役立つ環境負荷削減や窒素除去について研究することは意義があ る.本論文では,降水から水域環境水を経て飲料水に至る水の安全に着目し, 1) 降水中の各イオ ン成分と微量金属の動態, 2) 日本の河川水中の窒素動態(琵琶湖・淀川流域における硝酸態窒素 移動の解析) , 3) 海外の環境水と水道水(雨季のミャンマーの南デルタ地帯の水環境) , 4) 飲 料水の安全と塩素消毒(有機物が含まれる水の窒素汚染と塩素消毒との関係)について研究を行っ たものである.

1 ) 降水中の各イオン成分と微量金属の動態

大気汚染,降水汚濁の特徴,汚染源の起源,黄砂の降水への影響を解明するために,津市の三 重大学において降水中のイオン成分や金属濃度の時間的変化や, Pb/Zn の濃度比とバックトラジエ クトリ解析から検討した. ( 1 ) 相関係数・主成分分析の結果より,降水中のイオンや微量金属を,

S S I グループ(海塩が主な発生源のイオン:C l ‑ ,  Na   , + K 七 Mg

2+

,s s

S04

2

・ ),  ASI グループ(人為 的汚染や土壌が主な発生源のイオン: F ‑ ,  N03 , ・ NH4    , + n s s ‑ S O i ‑ ,  n s s ‑ C a

2

+ )   ,  ASM グループ(人 為的汚染や土壌が主な発生源の微量金属: A   , l Fe ,  M n ,   P b ;   Z n ) の 3 つに分類した. ( 2 ) 風速が 大きいほど, S S I グループの濃度が高くなる傾向であり,風速が大きいと 海水が大気中に飛散し やすくなること"と 海塩イオンが輸送され降水中で増加すること"が示唆された. ( 3 ) 降水の イオン成分と微量金属の濃度は 一般的に時間経過とともに減少し,大気中の汚染物質は,降水 イベントの初期に取り除かれた.降水中のPb/Zn の濃度比は 雨雲が日本列島を通過した時の報告 値とほぼ同じであることを確認した.一日だけ汚染物質の高い事例があり,これは 黄砂"では

,なく, 津市の北・東の工業地帯"の影響と推定された.

(2)

氏 名 千 団 員 喜 子

2 ) 日本の河川水中の窒素動態一琵琶湖・淀川流域における硝酸態窒素移動の解析一

淀川の N03‑N の濃度の代替として水道水中の N03‑N 濃度を測定し,官公庁から得られたデータと 合わせ, N03‑N 濃度の変動特性について検討した. (1)淀川での N03

N 濃度は瀬田堰の流量に依存 する.すなわち,瀬田堰の流量が増加した時, N03

N 濃度は減少する. N03

N 濃度が比較的低い琵 琶湖の水が,淀川の N03‑N 濃度の減少に寄与している. ( 2 ) 一方,流量が増加すると,淀川におけ る N03‑N の負荷量は多くの場合増加する.多量の流量増加は, N03‑N の負荷量の増加に寄与する.

( 3 ) 水道水の N03

N 濃度,すなわち淀川の濃度は,温度が比較的高い場合に減少する.考えられる 要因として,温度が高い場合には植物および脱窒菌が活性化することが挙げられる.

3 ) 海外の環境水と水道水一雨季のミャンマーの南デルタ地帯の水環境一

海外の環境水と f i l t e r e dw a t ぽ(水道水)について,雨季のミャンマーのデルタ地帯の水環境での 安全な水供給のために,特に化学成分の健康への危険性に注目して,試料水を水質のタイプに分 類し,その汚染物質と汚染起源を検討した. (1)一部の t u b ew e l l  w a t e r ・ dugw e l l  w 剖ぽ・ f i l t e r e d w a t e r は,汚染されており,飲用・生活用水に適さない. ( 2 ) 標高約 1 0 メートル未満にある水は,汚 染されている可能性が高かった. ( 3 ) 健康のための WHO の飲用水ガイドライン値を超えた成分は,

N02‑ ,  N03‑ ,  Pb ,  Mnで、あった. ( 4 ) ポンフ場から遠く標高が低い地点での f i l t e r e dw a t e r は,その蛇 口に地理的に近い t u b ew e l l  w a t e r が浸入している事例がいくつかあった.そとで,水供給システム の望ましい改善を提案した.最も可能性の高い改善策は,低汚染源の水を用いた汚染水の希釈で ある.また,他の改善策として, r 配管経路の衛生的な維持・管理J, r  t u b e  w e l l   への汚染物質の 侵入防止」が挙げられる.

4 ) 飲料水の安全と塩素消毒一有機物が含まれる水の窒素汚染と塩素消毒との関係一

有機物が含まれる水の窒素汚染と塩素消毒との関係を検討するため,窒素含有量の多いほうれ ん草を取り上げ,そのジュースの貯蔵中の窒素 (N02‑N (亜硝酸態窒素) ,  N03

N , NH4

N (アン モニア態窒素) )汚染と次亜塩素酸ナトリウムの遊離型残留塩素の関係,収穫後の貯蔵条件と野 菜中の N02‑N , N03

N , NH4 羽生成の関係を検討した. ( 1 )   N02

N 生成の観点から, N03

N が多い野 菜類は, 新鮮なものの選択"や 冷蔵保存"すると安全である. ( 2 )   N02

N 生成に対する抑止効果と して,冷蔵貯蔵とともに,次亜塩素酸ナトリウムの遊離型残留塩素は極めて効果的である. ( 3 ) メ

トヘモグロビン血症の外因説(窒素汚染)を再確認し,その動態を定量的に示し,それを遊離型 残留塩素で抑止できる可能性を示した. ( 4 ) 収穫後の貯蔵温度が低い方がほうれん草の窒素汚染が 抑制された. ( 5 ) 遊離型残留塩素による N02

N の除去効果を確認した.

本研究の成果は,降水から水域環境水を経て飲料水の安全に関して明らかにした.健全な水環 境・水の安全を目指すことに貢献している.

2 . 審査の要旨

研究成果の主要部分をまとめた学術論文4 編(和文2 編,英文2 編)は筆頭著者として,査読制度

が確立されている学術雑誌(土木学会論文集 Bl (水工学) ,  J o u m a l  o f  JSCE ,日本家政学会誌)に

投稿され,掲載されている.申請論文が,この学問分野で充分な新規性があるものか否か,また

充分に信頼性がある内容か否か,博士の学位を与えるに足りる内容か否か,等について審査を行っ

た.その結果,本論文は,これらについて,いずれの条件も満たした,学位授与に値する論文であ

ることが,主査・副査の総意で認められた.

参照

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