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@  @難羅竃醐驚第竃議籠計︵あ二八一九・マ広島市

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(1)

判例研究

  

@  @「 Y罰法規の明確性・広汎性と合憲限定解釈﹂

  

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@  @難羅竃醐驚第竃議籠計︵あ二八一九・マ広島市

  

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@渡邊︑一弘

蜜実の概要︼      例は二条に定義規定を設けており︑同七号において︑嘉走族L

  

@ ﹁型剖法規の明護.広汎性と△・讃定解釈﹂     ︵都法四+九⊥︶四三一

(2)

四三二

﹁前条第三第喜の行為が・本市の管理する公共の場所におい二審は墾・人の主張を退け︑本条例中の各規定の合璽を止目定し︑ 纂竃纂緬難談ぽ鰭雛被轍簿離=ハ奎項亘三条一九条の各潤

市長は・当馳為者に対し・当該行為の中止又は当該場所からの文面上も内容上も憲法三奎項︑三条に違反すると主張し

退去を命ずることができる︒﹂という命令規定が定められている︒圭口した︒

そして︑一九条に︑コ七条の規定による裏の命令に違反した ︻判旨︼

者は︑六月以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する︒﹂という

◎謝

難擁竃竃顯一肚竃雛竃竃卿械鷲竃露雛

鷲㌶翼竃霧罐嘉酋葦竃様竃藷誘竃竃熱⁝ニハ条  聾璽竃鐘竃矯卵曇酬霞鷲竃詩鑓難⇔翼藁

(3)

制に係る集会であっても︑これを行うことを直ちに犯罪として処   そして内容の合憲性をめぐり︑争われた事案である︒本条例につ

罰するのではなく︑市長による中止命令等を対象とするにとどめ︑いては︑これらの規定の適用対象を二条七号における﹁暴走族﹂

︑﹂の命令に違反した場△・に初めて処罰するべきものとするという についての定義に求めて限定しようとしてもこ三での︷疋義も社

事後的かつ段階的規制によっていること等にかんがみると︑その  会通念上の暴走族以外の集団も含むと解しうる内容となっており・

弊宝口を防止しようとする規制目的の正当性︑弊害防止手段として また︑この定義の内容は︑=ハ条垂号や一七条の文言と同義

の合理性︑この規制により得られる利益と失われる利益との均衡   のものであるため︑二条七号における﹁暴走族﹂の定義に依拠し

の観点に照らし︑いまだ憲法二一条一項︑三一条に違反するとま   ても規制対象を限定することは出来ないという問題も含んでいる︒ ではい・えない−−L        最高裁は最大判昭和五︒年九旦寵においてはじめて明確性

﹁なお︑所論は︑本条例=ハ条這喜︑三条︑一九条の各 の理論について明言し・また表現の自由を規制する法規に関する

規定の‡ ロが不明確であるとはいえないから︑所論は前提を欠広汎性の理論に三ては・最大判昭和五九年三月三配におい く︒﹂       て合憲限定解釈を行うための基準を示し・その後・最大判昭和六

︑﹂の判決には︑裁判官堀籠幸男︑同那須弘平の各補足意見︑裁・壬︒月三配において二般の刑罰法規に三ても明確性の

判官藤田宙靖︑同田原睦夫の各反対意見が付されている︒     理論とともに広汎性の理論との関係において限定解釈の基準を示

︻評釈︼       している︒これらの判決に見られるように︑最高裁は︑刑罰法規

 一.問題の所在      の文言それ自体が不明確で過度に広汎な内容を含むものであって

       も︑これをただちに違憲無効と判断することを避け︑規制対象を 本件は︑広島市暴走族追放条例が嘉走族L追放を目的とする 合憲的・合理的に絞り込むという合憲限定解釈の手法を採ること

条例であるにも関わらず︑被告人に適用された本条例一六条一項   により︑違憲判決を回避してきた︒

一︒万︑三条︑一九条の規定を文言どおりに適用すれば︑特異な 本判決においても集会の規制に関わる刑罰法規について・集会

服装をした者による集会等が公衆に不安又は恐怖を覚えさせるよ が規制される集団の対象および処罰対象の明確性と広汎性が問題

うなものであれば︑中止命令等の対象になり︑処罰の対象となる  となり︑条例による集会規制および処罰の対象を限定解釈し・そ

ように解し得ることについて︑これらの規定の明確性と広汎性︑  の解釈を前提として内容面の合憲性判断が行われており・その解

    ﹁刑罰法規の明確性.広汎性と合憲限定解釈﹂       ︵都法四十九ー一︶ 四三三

(4)

四三四

釈基準および解釈方法に関し︑同種の事案におけるこれまでの最   ている︒本判決においては︑青少年保護の目的の合憲性が直接的

高裁判決との異同の有無が注目される︒       な論点として取り上げられたわけではないが︑本条例においては  また︑これまでに最高裁で刑罰法規の明確性および広汎性が問  随所に少年の健全育成を期すことを掲げる規定が設けられており︑

題とされ︑合憲限定解釈の手法により違憲判断が回避された事例  立法趣旨や条例全体からうかがえる条例の目的についての総合評

において見られたように︑本判決においても︑藤田宙靖裁判官︑  価の方法という観点からも︑従来の最高裁判決との関係も興味深

田原睦夫裁判官の各反対意見︑そしてこれを受けての堀籠幸男裁  い︒

判官・那須弘平裁判官の補足意見が付されており︑明確性および   なお︑本判決については︑本条例における﹁集会﹂の規制およ

広汎性の実質的な判断の当否という観点からも注目すべき判決で  び中止.退去命令違反に対する処罰規定をめぐり︑﹁刑罰法規の ある︒      明確性﹂および﹁表現規製規の躍性﹂の要請について︑とも

 他方・本条例については︑刑罰法規の明確性および広汎性をめ  に検討すべき問題を含むものであるが︑本評釈においては︑刑法

ぐる問題以外にも︑本条例の制定過程での議論や条例の目的規定  解釈論の見地から︑刑罰法規の明確性および広汎性の問題を中心

である第一条をはじめ︑第五条︑第六条︑第=一条︑第一四条な  に︑多数意見による限定解釈の判断構造の分析に取り組むことを

ど多数の規定において︑少年が健全に育成するに際しての暴走族  主眼とする︒

加入の悪影響が指摘されている︑﹂とから︑﹁少年の健会目成﹂と 二荊罰法規の明確性゜広汎性をめぐる問題と判例理論

いう目的も﹁市民生活の安全と安心が確保される地域社会の実

現﹂という目的の重要な要素として︑本条例に設けられた諸規定   刑罰法規の明確性および広汎性に関しては︑刑法解釈論におい

を基礎付ける重要な根拠となっていると思われる︒少年の健全育   ては︑罪刑法定主義の要請としての明確性の要請︑および﹁実体

成の要請が表現規制法規を基礎づける要因とされている点につい  的デュー・プロセス﹂の理論に関わる内容の適正との関係で問題

ては︑従来︑有害図書の規制とかかわりにおいて問題となってい  となる︒表現の自由の規制に関わる法規の明確性および広汎性も ︵誕・また・表現の畠の規制に関わる問題ではないが︑最大判昭 問題となる場合︑憲法学上の理論との関係も問題となる︒

和六〇年一〇月二三日においては青少年保護の観点から満一八歳   罪刑法定主義の要請は︑﹁法律なければ犯罪なし﹂︑﹁法律なけ

未満の青少年に対する淫行行為を禁じた規定の合憲性が論じられ  れば刑罰なし﹂という形式的意味での罪刑の法定を要求するにと

(5)

どまらず︑現在は﹁実体的デュー・プロセス﹂の理論の影響も受  合には︑ただちに違憲無効と判断することは避け・﹁合憲限定解

け︑実質面においても︑規定された法規の内容が明確かつ適正な  釈﹂の手法により適正な処罰を実現してきている︒最高裁は・最

ものであることを要求するものと解されている・ヌ体的デ大判昭和三五年万二七配において・憲法三条は何人も公共の

ユー.プロセス﹂の理論は︑刑罰法規の﹁内容の適正﹂の問題に  福祉に反しない限り職業選択の自由を有することを保障している

ついて︑不明確で適正を欠く内容の刑罰法規を裁判所が憲法三一  ので︑﹁⁝⁝医業類似行為を業とすることが公共の福祉に反する

条違反として違憲︑無効とするとするものであるが︑我が国の刑   のは︑かかる業務行為が人の健康に害を及ぼす虞があるからであ

法学においては︑﹁刑罰法規の明確性﹂の要請も憲法三一条に基  る︒それ故前記法律が医業類似行為を業とすることを禁止処罰す

づ三実体堕アユ!プロセス﹂︵⑰器に関連づけられ︑その内るのも人の鷹に害を及ぼす虞のある業務行為に限局する趣旨と

容の;として広く受容されている︒      解しなければならないLという限定解釈を行い・形式的には構成

 刑罰法規の明確性の要請については︑国民に対して刑罰の対象   要件に該当する行為であっても︑処罰対象から外したほか・最大

となる行為について公正な告知を与︑えることと︑法執行者の恣意  判昭和五〇年九月一〇日において︑﹁およそ・刑罰法規の定める

的な裁量権を制限することを目的とすると解されているが︑明確  犯罪構成要件があいまい不明確のゆえに憲法三一条に違反し無効

性の要請に三ては︑表現の自謹保障するための法理としても︑であるとされるのは︑その規定が零の判断能力を有す三般人

弱確性の原則﹂が唱︑えられている︒刑罰法規の丙容の適正L に対して︑禁止される行為とそうでない行為とを識別するための

をめぐっては︑刑罰法規の明確性に加︑え︑法文は明確でも︑規制  基準を示すところがなく︑そのため︑その適用を受ける国民に対

範囲が規制の目的に照らしてあまりにも広汎の場合には︑国民の  して刑罰の対象となる行為をあらかじめ告知する機能を果たさず・

自由を侵害するものとして禁止する﹁過度に広汎な刑罰法規の禁  また︑その運用がこれを適用する国又は地方公共団体の機関の主

止﹂︑定められた犯罪に対して︑均衡な罰則を法定刑として定め  観的判断にゆだねられて恣意に流れる等・重大な弊害を生ずるか

ることを要求する﹁罪刑の均衡﹂などが問題となる︒       らである﹂と述べ︑明確性の理論を承認し・その判断方法として・

我が国の裁判所は︑条文が不明確ないし広汎な適用範囲を対象 ﹁通常の判断能力を有す三般人が理解可能か否か﹂という基準

とするものであっても︑これを限定的に解釈することにより・法 が示されてお・

文の内容を明確にし︑A口憲の範囲にとどめることが可能である場   その後も最高裁はこの基準をふまえ・最大判昭和六〇年一〇月

    ﹁刑罰法規の明確性.広汎性と合憲限定解釈﹂       ︵都法四十九ー一︶ 四三五

(6)

四三六

二一二日において︑その判断が﹁規定の文理解釈から導き出され得  かの判断を可能ならしめるような基準をその規定から読みとるこ

る解釈の範囲内である.﹂と﹂︑及びその限定解釈の結果が﹁覇とができる三よびコ般人よる予測可能性﹂とい︑つ二つの要件

確﹂でも﹁過度に広汎﹂でもないことという二つの要件を示した︒  が示されるのみで︑その解釈方法や判断基準にまでは触れられて

そして︑最一小決平成一〇年七月一〇日においても︑﹁通常の判  はいない︒

断能力を有す三般人の理遷﹂の墓に基づき︑刑罰法規の明確三本判決多数意見による限定解釈と解釈方法

性に関する判断を示している︒また︑表現の自由規制法規の広汎

性が問題となる事例において限定解釈を行うことが認められるた   本判決の多数意見は︑本条例一六条一項一号︑一七条︑一九条

めの条件については︑最高裁は最大判昭和五九年一二月一二日に  の適用対象については︑規定方法が適切ではないと指摘し︑規定

おいて・﹁その解釈により︑規制の対象となるものとそうでない  の文言どおりに適用されることになると︑規制対象が広汎に及び︑

ものとが明確に区別され︑かつ︑合憲的に規制し得るもののみが  憲法二一条および三一条との関係で問題があるとの認識を示した

規制の対象となることが明らかにされる場合でなければならな  うえで︑︵一︶本条例の各条文の文言から解しうる内容︑︵二︶本

い﹂︑および﹁一般国民の理解において︑具体的場合に当該表現  条例の全体から読み取ることができる趣旨︑︵三︶本条例施行規

物が規制の対象となるかどうかの判断を可能ならしめるような基  則の規定等を総合したうえで︑本条例が規制の対象としている

準をその規定から読みとることができるものでなければならな  ﹁暴走族﹂は︑本条例二条七号の定義にもかかわらず︑暴走行為

い﹂との二つの要件を示し︑最大判昭和六〇年一〇月二一二日もこ  を目的として結成された集団である本来的な意味における暴走族

れを引いている︒       の外には︑服装︑旗︑言動などにおいてこのような暴走族に類似

 これら一連の最高裁判決については︑限定解釈の結果について  し社会通念上これと同視することができる集団に限られるとの見

は﹁規制の対象となるものとそうでないものとが明確に区別され︑ 解を示し︑市長において本条例による中止.退去命令を発し得る

かつ︑合憲的に規制し得るもののみが規制の対象となることが明  対象も︑被告人に適用されている﹁集会﹂との関係では︑本来的

らかにされること﹂が要求されていることについては共通の理解  な意味における暴走族及び上記のようなその類似集団による集会

であろうが︑この明確な規制対象を導くための限定解釈の要件に  が︑本条例一六条一項一号︑一七条所定の場所及び態様で行われ

関しては・﹁具体的場合に当該表現物が規制の対象となるかどう   ている場合に限定されるとの解釈を示している︒これについては︑

(7)

合憲限定解釈の手法が採られたものといえる︒      とも相当の無理があるものと言わなければならない︒﹂と指摘す

 多数意見の限定解釈に対しては︑藤田︑田原両裁判官による反  る︒田原反対意見においては︑﹁形式的には法律︵条例︶が憲法

対意見が付されており︑ともに本条例の規定については︑通常の  二一条︑三一条等の諸原則に抵触するにかかわらず・それを限定

判断能力を有する一般人にとって︑法文の規定そのものから多数  解釈によって合憲と判断できるのは︑その法律︵条例︶の立法目

意見のような解釈を導くことには︑少なくとも相当の無理がある  的︑対象とされる行為に対する規制の必要性︑当該法律︵条例︶

と指摘する︒具体的には︑藤田反対意見においては︑表現の自由   の規定それ自体から︑通常人の判断能力をもって限定解釈をする

を規制する法令の規定について合憲限定解釈をすることが許され   ことができる可能性︑当該法律︵条例︶が限定解釈の枠を外れて

るのは﹁⁝その解釈により規制の対象となるものとそうでないも  適用される可能性及びその可能性が存することに伴い国民︵市

のとが明確に区別され︑かつ合憲的に規制し得るもののみが規制  民︶に対して生じ得る萎縮的効果の有無︑程度等を総合的に考慮

の対象となることが明らかにされる場合でなければならず︑また︑ し︑限定解釈をしてもその弊害が生じ得ないと認められる場合に

一般国民の理解において︑具体的場合に当該表現行為等が規制の  限られるべきであると考える︒﹂との視点が示された上で︑﹁本条

対象となるかどうかの判断を可能ならしめるような基準を︑その  例については︑その規定の文言からして︑通常の判断能力を有す

規定自体から読み取ることができる場合でなければならないとい  る一般人にとって︑多数意見が述べるような限定解釈をすべきも

うべきである︒﹂と述べたうえで︑多数意見の解釈については︑  のと理解することは著しく困難﹂であり︑また︑﹁その保護法益

﹁⁝広島市においてこの条例が制定された具体的な背景・経緯を  ないし侵害行為と規制される自由との間に合理的均衡を著しく欠

充分に理解し︑かつ︑多数意見もまた﹃本条例がその文言どおり  いているものと言わざるを得ない﹂と述べられている︒

に適用されることになると︑規制の対象が広範囲に及び︑憲法二   これに対し︑堀籠補足意見においては︑合憲限定解釈が可能で

一条一項及び三一条との関係で問題があることは所論のとおりで  あるか否かについては︑﹁⁝条例の規定についてその表現ぶりを

ある﹄と指摘せざるを得なかったような本条例の粗雑な規定の仕  個々別々に切り離して評価するのではなく︑条例全体の規定ぶり

方が︑単純に立法技術が稚拙であることに由来するものであると  等を見た上で︑その全体的な評価をすべきもの﹂であるとされ・

の認識に立った場合に︑初めて首肯されるものであって︑法文の  本条例全体の規定や本条例施行規則も検討したうえで︑﹁本条例

規定そのものから多数意見のような解釈を導くことには︑少なく  による処罰対象行為は合理的な限定解釈が十分に可能であり・限

﹁刑罰法規の明確性.広汎性と合憲限定解釈﹂       ︵都法四十九ー一︶ 四三七

(8)

四三八

定解釈の下においては︑本条例による規制が憲法一二条一項︑三  分析が有効であろう︒

一条に違反するものでないことは多数意見が述べるとおりであ    一つは︑明確な事前告知という罪刑法定主義の要請として︑

る︒﹂とされる︒また那須補足意見においては︑本条例が規制の  ﹁言葉の可能な意味﹂の範囲を形式的に理解し︑また︑﹁国民の予

対象とする﹁暴走族﹂につき︑暴走行為を目的として結成された  測可能性﹂の要件については︑﹁行為時に当該法規から通常の判

集団である本来的な意味における暴走族の外には︑服装︑旗︑言  断能力を有する一般人が当該解釈にいたることが可能か﹂という

動などにおいてこのような暴走族に類似し社会通念上これと同視   問題として理解し︑規定の解釈においては行為時において一般人

する.﹂とができる集団に限られるものと解する立場を採る本件多が条文から魂導きやす三明確な解釈Lが要求されていると解

数意見の解釈について︑﹁﹃規制の対象となるかどうかの判断を可  する立場である︒

能ならしめるような蒙をその規定から読みとる.﹂とができるか 他方は︑明確性については︑裁判官の螺を通じて法規の内容

どうか﹄の判断は︑定義規定だけに着目するのではなく︑広く本   が明らかにされるべきと理解する立場である︒これによれば︑も

条例中に存在するその他の関連規定をも勘案して決すべきもので  ちうんその規定の文言から一般人が導き得ない範囲にまで解釈が

あり︑そのような広い視点から判断すれば︑本条例における﹃暴  広がってはならないが︑条文に対する裁判官の解釈については︑

走族﹄につき多数意見のように限定解釈をすることは大法廷判決  規定の文言以外の立法趣旨や立法背景なども参考にしつつ︑合理

の示す要件にも合致し︑十分に合理性を持つと考える︒﹂と述べ  的・目的的な解釈により具体的な処罰範囲の探求をすることが許

られている︒このように︑堀籠・那須両補足意見とも︑多数意見  容されることとなる︒ここでは︑コ般人の予測可能性﹂の要件

の解釈については︑条例の規定自体から読み取ることができるも   については︑一般人が条文から最も導き易い﹁明確な解釈﹂が解

のであると述べられている︒      釈基準となることを意味するのではなく︑裁判官が具体的に妥当

 このような反対意見および補足意見との間に見られる見解の相   な処罰範囲を規範的に探求する際の解釈基準を提供するものと理        ︵14︶ 違を分析するに際しては︑これまでの最高裁判決において示され  解される︒この立場においては︑明確性の基準については︑規定

てきた不明確ないし過度に広汎な刑罰法規について限定解釈が許   の文言が解釈の根拠となりうる程度の実体をそなえて裁判官に対

容されるための要件について︑改めて検討が求められる︑﹂とになする解釈の指針遥える機能を果たしているかζつかとい︑つ.﹂と

るであろう︒そして︑これについては︑以下の二つの立場からの  に求めることになり︑﹁裁判官があらゆる合理的な方法を用い︑

(9)

行為者の立場に立って法文を解釈しても︑なお不明確性が残って  の原則が適用される刑罰法規といえども︑解釈は複数可能なので

法的確実性を害する場合﹂に不明確性を理由に無効とされること  あり︑通常の法解釈の手法が用いられ︑立法者意思や立法の経緯︑  ︵16︶      ︵20︶ になる︒      保護法益等もふまえ︑妥当な結論の探求が要求されることもふま

 この二つの立場をから︑本判決の補足意見と反対意見との間で  えれば︑一連の最高裁判決で示された判断基準から導かれる刑罰

見解が分かれた点を検討してみると︑前者の立場においては︑明  法規の解釈方法については︑少なくとも過度に広汎な刑罰法規に

記されていない立法経緯などに立ち入って解釈を行えば︑一般人   ついての限定解釈の場面においては︑限定解釈の目的は合理的な

は当該限定解釈には行き着けないので︑藤田反対意見が主張する  解釈により︑不当な処罰範囲を除去することにその主眼があると

ように︑規定以外の諸要件を解釈の根拠とすることは認められな  の認識に立った上で︑裁判官には︑その文言から一般人がおよそ

いことになる︒さらに︑この立場に立てば︑本件で問われた集会  導き得ない内容を含めることは許容されないが︑一般人が条文か

活動規制および中止・退去命令違反による処罰の対象の解釈に関  ら最も導きやすい﹁明確な解釈﹂のみが要求されるのではなく︑

しては︑定義規定の存在を重視すべきことになり︑多数意見のよ  条文以外の立法趣旨や立法背景なども参考にしつつ︑合理的・目        ︵17︶ うな限定解釈については︑許容しづらいものとなるであろう︒他  的的な解釈により妥当な処罰範囲の探求が許容されると解すべき

方︑後者の立場からは・罪刑法定王義の原則が適用される刑罰法 で藪抱・

規においても︑立法者意思や立法の経緯︑保護法益等もふまえた   問題はここでの解釈の妥当性であるが︑実際には妥当な結論が

妥当な結論の探求が許容される︒      要求されるためには︑当該規定の文理解釈から導かれる内容から

 現実的には︑条文に規範的要素を多分に含む刑罰法規に関して  離れた解釈については妥当性を欠くことになるので︑旦ハ体的事案

は︑誰もが用意に解しうる文言の条文を要求することは不可能と   における一般人の予測可能性の射程をどのように画するかが最大

いえる︒特に︑罰則規定に関しては解釈がかなり技術的になって  の問題となる︒特に本判決において主として検討された広汎性の

おり︑一般人が処罰範囲を認識しうるかについては実際上問題が  理論については明確性の理論とは異なり︑処罰の妥当性という実 甦・そして・事後的になされる三疋の解釈﹂によっても・奪体的黎を内容とする点を認識する必要もゑ摺・広拒性に関し

われた行為時の予測可能性を回復し︑萎縮効果を拭い去ることな   て問題を含む刑罰法規に対する限定解釈については︑限定解釈の

どは出来ないことも認識する必要が甦・そして・罪刑法定主義目的は合理的な解釈によ亘不当な処罰範囲を除去することにそ

﹁刑罰法規の明確性・広汎性と合憲限定解釈﹂       ︵都法四十九−一︶ 四三九

(10)

四四〇

の主眼があるものとの認識に立った上で︑裁判官には︑条文以外  び同施行規則の規定自体にのみ解釈の根拠を求めたうえでも︑十

の立法趣旨や立法背景なども参考にしつつ︑合理的・目的的な解  分到達可能なものと評価しえよう︒

釈により妥当な処罰範囲を探求することが許容されると解すべき       四.限定解釈による規制対象の明確化

であろう︒

 このような理解に立てば︑仮に本判決の多数意見による限定解   先述の通り︑本判決多数意見の限定解釈の方法については妥当

釈が︑本条例制定の具体的な背景・経緯を充分に理解し︑規定方  なものと評価しうるが︑最大判昭和五九年一二月一二日および最

法に関し本条例が有する問題点を認識した上のものであるとして  大判昭和五〇年九月一〇日においては︑限定解釈により規制対象

も︑本条例が規制の対象としている﹁暴走族﹂を暴走族および暴   及び処罰対象が明確化され︑具体的場合に当該行為がその適用を

走族類似集団に限定し︑集会規制対象も︑これらの集団により本  受けるか否かの判断を可能ならしめるような基準が読み取れるこ

条例一六条一項一号︑一七条所定の場所及び態様で行われている  とが要求されている︒

場合に限定されていると解した本判決多数意見については︑合理   明確性の解釈については︑どの程度まで対象が明確化されるこ       ︵23︶ 的・目的的な解釈により不当な処罰範囲を除去したものであるの  とが要求されるかが問題となる︒明確性の判断方法という点に関

で︑解釈方法として問題はないと評価しえよう︒もっとも︑多数  しては︑これまでの最高裁判例においては︑最大判昭和五〇年九

意見による限定解釈については︑本条例一条の目的規定をふまえ   月一〇日や最大判昭和五九年一二月一二日においてコ般国民の

て本条例施行規則も含めた各条文の内容を精査すれば︑本条例の  理解において︑具体的場合に当該表現物が規制の対象となるかど

規制対象については本来的暴走族および暴走族類似集団を想定し  うかの判断を可能ならしめるような基準をその規定から読みとる

たものと解することは十分可能であると思われる︒そして︑多数  ことができるものでなければならない﹂との要件が示されたのみ

意見も︑こうした理解に基づき︑本条例における集会規制の対象   で︑この要件の判断基準は示されていない︒

および中止・退去命令違反に対する処罰の対象を︑本来的暴走族   明確性の判断基準を検討するに際しては︑現実的には︑条文に

および暴走族類似集団に限定して解釈することにより︑違憲とな  規範的要素を多分に含む刑罰法規に関しては︑誰もが用意に解し

る可能性のある適用対象を外したものである︒那須︑堀籠両補足  うる文言の条文を要求することは不可能といえ︑一般人が処罰範

意見が述べるように︑多数意見のような限定解釈は︑本条例およ  囲を認識しうるかについては実際上問題があることをふまえれば︑

(11)

この問題についても︑基本的には裁判官による合理的・目的的な  意味については︑オートバイなどを集団で乗り回す集団を指すと

解釈により︑妥当とされる明確性の程度についての検討が行われ  ともに︑騒音や威圧的な言動などで周囲に迷惑を与える若者たち

るべきと思われる︒そして︑明確性に対する裁判官の解釈につい  とのイメージは広く国民の中に定着しているといってよいであろ

ては︑明確性が争われたこれまでの最大判昭和五〇年九月一〇日  う︒この後者の要件は︑まさに本条例二条七号の定義に該当する

や最大判昭和五九年一二月一二日︑最大判昭和六〇年一〇月二三  ものであり︑この要件に該当する集団を﹁暴走族類似集団﹂とし

日などにおいて述べられているように︑一般的に明確性か否かを   て理解し︑これを﹁暴走族﹂の用語の射程にとらえることについ

論じるのではなく︑﹁具体的場合に︑行為者の具体的行為が当該   ては︑社会通念︑一般的な言語用法からも許容されうる範囲の解

構成要件に該当するか否かが明確であるか﹂を検討することが重  釈であるといえよう︒そして︑﹁暴走族﹂集団をこのように解釈

要であろう︒      すれば︑合憲的に規制し得るもののみが規制の対象となることが

 本判決においては︑明確性の点については︑﹁⁝所論は︑本条  明確化されたと評価出来よう︒また被告人に適用されている﹁集

例一六条一項一号︑一七条︑一九条の各規定が明確性を欠き︑憲  会﹂との関係では︑﹁特攻服﹂を着用するなど威勢を示して︑公

法二一条一項︑三一条に違反する旨主張するが︑各規定の文言が  衆に不安又は恐怖を覚えさせるような集会を行い︑広島市長の権

不明確であるとはいえないから︑所論は前提を欠く﹂と述べるに  限を代行する同市職員から︑上記集会を中止して広場から撤去す

とどまっており︑具体的な解釈は示されていないため︑その判断  るように命令を受けたが︑これに従わず︑引き続き同所において

構造の分析は困難であるが︑本判決において︑本条例二条七号の  集会を継続した被告人の行為が︑本条例一六条一項一号︑一七条︑

定義にもかかわらず︑本条例が規制の対象としている﹁暴走族﹂  一九条の規定による規制の対象となることは明確であるといえる︒

の内容に︑本来的暴走族のみならず︑暴走族類似集団を含めて理   本条例の各規定の文言が不明確であるとはいえないとした本判

解している点については︑やはり明確性の要請という観点から︑  決の結論は妥当である︒

分析が求められよう︒

本判決において二暴走族Lの内容として・本来的暴走族のみ五.結語

ならず暴走族類似集団を含めて理解した点を検討するにあたって   本条例については︑本件でも問題とされた集会規制および罰則

は︑那須補足意見において述べられているように︑﹁暴走族﹂の  適用の対象の設定という点について︑明確性および広汎性に関す

﹁刑罰法規の明確性・広汎性と合憲限定解釈﹂       ︵都法四十九ー一︶ 四四一

(12)

四四二

る問題を含むものであるが︑この点については︑多数意見による     佐藤幸治ほか編﹃現代社会における国家と法ー阿部照哉先生喜

限定解釈の方法により︑﹁暴走族﹂集団は限定的に解釈され︑集     寿記念論文集﹄︵成文堂︑二〇〇七︶二三〇頁以下参照︒

会規制および中止・退去命令違反に基づく処罰の対象についても︑   ︵6︶もっとも︑﹁明確性の原則﹂は︑ヨーロッパ流の罪刑法定主義

合憲的に規制の対象となるものが明確化されたと評価できる︒そ     の理論からも導かれ︑厳密には︑この﹁明確性の原則﹂と﹁実

して︑本件における被告人の行為が︑限定的に解釈された処罰範     体的デュー・プロセスの理論﹂とでは︑その根底にある法理念

囲に含まれるとした本判決の結論は︑妥当なものである︒        は異なる︒前者は︑まずは構成要件が明確か否かを問題にする

 本判決の解釈方法の評価については︑従来の最高裁判決におい     ものであり︑行動予測可能性や法解釈における客観性の保持が

て示された合憲限定解釈が認められるための基準をそのまま引く     問題となるが︑後者は︑構成要件が明確なものであっても︑そ

ものではなく︑また特に明確性の理論については︑解釈方法に関     の処罰の必要性がない場合には︑罪刑法定主義に反するとの結

する具体的判断を示したものではないが︑反対意見の主張も含め︑    論を引き出そうとするのであって︑処罰の必要性や罪刑の均衡

これまでの最高裁判決で示された要件についての解釈方法に関し︑    を問題にするものである︒日高義博﹁刑罰法規の明確性﹂西田

判断時や判断対象の設定︑そして明確性の基準といった点につい     典之ほか編﹁刑法の争点﹂︵有斐閣︑二〇〇七︶六頁︒

ての解釈のあり方を考えるうえで︑注目すべき判決であるといえ    ︵7︶この表現の自由保障法理としての﹁明確性の原則﹂について

よう︒       は︑憲法学における多くの学説において︑罪刑法定主義から導

       かれる﹁刑罰法規の明確性﹂の延長線上に位置づけ︑両者を並

 ︵1︶ 最大判昭和五〇年九月一〇日︵刑集二九巻八号四八九頁︶︒       列的に理解しているが︑両者の判断基準についてはそれぞれ異

 ︵2︶最大判昭和五九年一二月一二日︵民集三八巻一二号一三〇八     なる基準で判断すべきとの指摘もある︒木下・前掲︵注五︶二

   頁︶︒      三一頁︑同二四九頁︒

 ︵3︶最大判昭和六〇年一〇月;二日︵刑集三九巻六号四二ご頁︶︒    ︵8︶最大判昭和三五年一月二七日︵刑集一四巻一号三三頁︶︒

 ︵4︶ 最三判平成元年九月一九日︵刑集四三巻八号七八五頁︶︒      ︵9︶ この判決に対しては︑本来︑表現規制法規の明確性の問題が

 ︵5︶ ﹁刑罰法規の明確性﹂と﹁表現規制法規の明確性﹂の関係をめ     論じられるべき事案であったが︑最高裁の多数意見は︑明確性

   ぐる議論について︑木下智史﹁明確性の原則について−覚書−﹂     の問題をもっぱら憲法三一条に基づく刑罰法規の明確性として

(13)

  論じたとの批判もある︒木下・前掲︵注五︶二三二頁︒         学セミナー六三七号︵二〇〇八︶一一五頁︒

︵10︶ 芝原邦爾﹁刑罰法規の明確性および広汎性ー福岡県青少年保    ︵18︶ 罰則規定の明確性については︑罰則自体について︑一般的・

  護育成条例事件﹂別冊ジュリスト刑法判例百選−総論︵第五版︶     抽象的に判断されねばならないとされる山口教授もこの点を認

  ︵二〇〇三︶七頁︒       め︑﹁この意味で︑さほど厳格な明確性が要求されうるものでは

︵11︶ 最一小平成一〇年七月一〇日︵刑集五二巻五号二九七頁︶︒       ないことを認めざるをえないであろう︒﹂と述べられている︒山

︵12︶ 大谷博士は︑明確性の原則を認める根拠を︑刑罰法規の国民     口厚﹃刑法総論︵第二版ご︵有斐閣︑二〇〇七︶一八頁︒

  に対する告知機能の確保と法執行機関の恣意的適用の防止にあ    ︵19︶ 前田・前掲︵注=二∀七二頁以下︒

  るとした上で︑特に前者の点が重要と述べられる︒大谷實﹃刑    ︵20︶ 山口厚編﹃ケース&プロブレム刑法総論﹄︵弘文堂︑二〇〇

  法講義総論︵新版第二版︶﹄︵成文堂︑二〇〇七︶六〇頁以下︒      四︶一三頁︵島田総一郎執筆部分︶︒

︵13︶ 荘子邦雄﹃刑法総論︵第三版︶﹄︵青林書院︑一九九⊥ハ︶二一   ︵21︶ 同旨の見解として︑前田・前掲︵注二二︶七七頁︒

  頁以下︑前田雅英﹃刑法総論講義︵第四版ご︵東京大学出版局︑   ︵22︶ 田宮裕﹁刑罰法規の不明確性と広汎性ー福岡県青少年保護育

  二〇〇六︶七七頁︒佐藤文哉﹁法文の不明確による法令の無効     成条例事件﹂別冊ジュリスト憲法判例百選︵第三版︶︵一九九

  ︵一︶﹂司法研修所論集通巻三七号︵一九六七︶五六頁︒         四︶二三七頁︒

︵14︶前田・前掲︵注=二︶七七頁︒なお︑前田教授はさらに﹁⁝    ︵23︶ この問題について︑前田教授は︑﹁⁝そこでは︑①明確な文言

  ⁝条文の示した枠内で︑具体的に妥当な処罰範囲を探求する場     によって得られる国民の行動の自由の利益と︑刑罰権の濫用が

  合はもとより︑憲法的視点などから条文の形式的文言と離れて     防止される利益に対し︑②現代社会において当罰性の高い行為

  処罰範囲を限定する場合等は︑国民が条文から当然に導けない     を処罰することにより得られる国民の利益が比較衡量されるの

  ﹃解釈﹄を示すことも許される﹂と述べられている︒前田・同七      である︒﹂と説明されている︒前田・前掲︵注=二︶七二頁︒

  七頁︒

︵15︶ 荘子・前掲︵注二二︶二二頁以下︒

︵16︶ 佐藤・前掲︵注=二︶五六頁︒

︵17︶定義規定の存在を重視するものとして︑豊田兼彦﹁判批﹂法

﹁刑罰法規の明確性.広汎性と合憲限定解釈﹂       ︵都法四十九ー一︶ 四四三

参照

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