生  ̄活 科 楽しさを求める中で自分のよさを感じ、
自ら生活をつくっていこうとする
子どもは、その子の心の内に、楽しみたいという思いをふっふっと沸き起こしている。そして、そ れはひとりひとり違うものであり、さまざまなものやこと、人に対し、「どうしたら楽しめるかな」
と自らの感性を積極的に働かせ、生き生きと生活している。
生活科でも、魅力ある対象に出会った子どもたちは、「楽しみたいな」と直接ふれ合っていく。直 接ふれ合うことで、「不思議だな」「すごいな」「おもしろいぞ」「こうなっているのか」などと感じる。
生活科では、対象と直接ふれ合うことが大切になる。直接ふれ合うからこそ、感じられたものは、そ の子の体を通した実感となり、その子ならではのものとなるからだ。これら直接ふれ合ったことから 生まれる実感は、「対象とふれ合いながらもっと楽しみたい」という思いをより大きくふくらめ、そ
の子自身が活動を生み出していこうとする力となっていく。
楽しみたいという思いをふくらめ、自ら活動を生み出していこうとし始めると子どもは、自分のし たいことを少しずつはっきりさせてくる。あるいは、対象とふれ合いながら、その時その時でしたい ことを生み出す子もいる。いずれにしても子どもは、「今よりも、もっと楽しみたい」という思いの もと自らどんなことをどんなふうにしていこうかと活動を生み出し、対象に求めるものを大きくして いくのである。対象に求めることが大きくなればなるほど、それを実現することは難しくな′る。しか し、自らの思いをもとにふくらんだ欲求だからこそ、困難なことにも自ら、自分の力で立ち向かって いこうとするのである。
「こんなことをしてみたい」という気持ちになると子どもは、ものやこと、人に「自分だったら」
という思いを強めながらはたらきかけるようになる。「こうしてみよう」「どうしたらいいかな」「ど んなふうになっているのだろう」と工夫をしながらいろいろ試してみたり、じっと様子を見つめたり
しながら、自分のしたいと思ったことをしていく。この時子どもは、何が大切か、どうしたらいいの かを自分で決めていく。そこに、その子の見方や感じ方・考え方がにじみ出てくるのである。
子どもたちは、自分なりのやり方で工夫をしたり、試したりしてきたことで、対象に対する思いを より大きくふくらめていく。そして、「もっとおもしろいやり方はないかな」「自分にはないやり方は ないかな」「どんな工夫をしているのかな」と友達のしていることに目を向ける。声をかけて、やり 方を教わることもある。あるいは、本人ははっきりと気づいていなくても友達のやり方や考え方など を取り入れていることもある。子どもたちは、同じところでそれぞれの楽しさを追い求める中で、互
いのしていることややり方を通して、見方や感じ方・考え方を響き合わせているのだ。
教師は、その子が夢中になっている世界を感じ、共に楽しみながら、その子がどんなことをどのよ うにしようとしているのかを見取る。そして、そのよさを伝えたり、認めたりしていく。自分の活動 のよさを感じ認めてもらうことで、子どもは、自分のしていることやそうできた自分に自信を強め、
やる気をふくらめていく。
直接体験から生まれた実感は、「対象とふれ合いながらもっと楽しみたい」という思いをより大き くふくらめていく。そして、自分がしてみたいと思ったことに、自分の力で「こうしたらいいかな」
と考えていく。考える中で何が大切か、どうしたらいいのかを自分自身で決めていく。こうして子ど もたちは、自分だから行えたことに喜びを感じる。さらに、自分だから行えたことやそうしてこれた 自分のよさを感じ「自分もやればできるぞ」と自分への自信を強めていくのだ。こう感じた子どもは、
これまでだったら躊跨するような場面でも人を頼らず、「こうすればできるかもしれないな」「なんと かしてみよう」と自分の力でやってみようとする。その時その時では、小さなことでも、自分で何と かやってみようとしていくことの積み重ねが、その子が自ら生活をつくっていくことになる。つまり 自立していくことになっていくのだ。楽しさを追い求やる中で、自分のよさや自信を感じ、自ら生活 をつくっていこうという姿勢をもつこと。それが生活科の学びである。
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