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子どもの社会問題とカウンセリング −学校・家庭・地域との連携の教育−

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Academic year: 2021

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はじめに

社会環境が急激に変化し、 子どもの行動もここ数年著しく変わり、 種々の社会問題を起こしている。

不登校生が小中学校で約13万人、 高校中退者も約11万人、 学級崩壊・非行・援助交際・校内暴力・殺人・

自殺なども増えて教育はどうなっているのかが問われている。

その教育とは学校教育・家庭教育・地域社会教育がある。 ここでは学校・家庭・地域との連携に焦点 をあてて、 これからの子どもの教育問題について論述したい。 社会環境の変化によって家庭の問題も大 きく変容しているので、 学校教育と家庭の問題 家庭の変化 地域社会の問題 これからの学 校教育のあり方 これからの家庭教育のあり方 これからの地域社会教育のあり方 などについて 述べる。

1. 学校教育と家庭の問題

いじめ・非行の増加

望ましくない家庭から育った多くの子は学校でもいじめをしたり、 非行に走る。 幸せな子に嫉妬して いじめることもあり、 親に反抗して非行に走る子もいる。 特にいじめは筆者ら (1997) の研究によると、

同級生からのいじめ、 しかも比較的親しかった友人からのいじめが多い。 また女子のいじめも多い。 非 行問題では援助交際・暴力など女子の性非行が増えている。

不登校・家庭内暴力

いじめから不登校になる生徒も多い。 また、 非社会性・忍耐力不足から不登校になる生徒もいる。 特 に学校に行きたくなければ無理に登校させなくてもよいという親や先生がいると、 不登校は増える。 一 時、 文部科学省や教育相談所などの一部からもそうした意見が提示されて、 急速に不登校が増えた。

不登校で家にこもっていると、 親子の衝突が生じて家庭内暴力になることも散見される。 キレて親を 殺したり、 世間を驚かすような行為に走ることも稀にある。 小心な子は自殺をする子もいる。

教師とのコミュニケーションができない

家庭での人間関係が希薄化し親子の会話もなければ、 子どもも学校に来てから教師とのコミュニケー

子どもの社会問題とカウンセリング

−学校・家庭・地域との連携の教育−

松 原 達 哉

*1

*1 立正大学心理学部教授

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ションができない。 先生の指導を受けようとしない。 気にくわなければ教師に反発する子もいる。 また 友だちとの人間関係も未熟である。

学級崩壊

家庭で親が子どもの言うことに耳を貸さない、 子どもが親の言うことを聞かない等の会話不全の家庭 で育てば、 登校しても先生や友人の言うことを聞かないのは当然である。 最近学級崩壊が増えてきたの も家庭の問題が一つの原因である。 授業中に歩き回ったり、 しゃべったり、 教室から出たり、 勝手な行 動をしていては学級が成立しない。

家庭で自由放任にして、 しっかりしつけをしないのが原因でもあろう。

道徳意識の欠如

家庭での日常生活で善悪の判断をしつけておくべきであるが、 しつけていない家庭も多い。 挨拶、 人 に親切にする、 動植物を愛護する、 掃除をする、 老人に席を譲る……など当たり前のことができていな い。 道徳教育は家庭のしつけが中心である。

勤労意欲の欠如

家庭用品が電化され、 幼児期から家の手伝いをすることが少ない。 農作業、 大工仕事、 家事などもな い。 こうして育った子は勤労意欲に欠ける。 働くことの必要性、 楽しさも知らない。 そのためか、 不登 校・高校中退などからフリーターになる人も多い。 2002年版の労働白書によるとフリーターは151万人 もいる。 これは定職につかない大卒者が4人に1人、 高卒者では3人に1人いる勘定である。 将来が心 配である。

2. 家庭の変化

少子化

子どもの数が急激に減少し、 一人っ子または二人っ子が多くなった。 日本の出生率は1.34で戦後最低 の記録である。 なお主な国の出生率はアメリカ2.03,フランス1.75,イギリス1.70,スウェーデン1.51,ドイ ツ1.41,イタリア1.19である。 (平成14年6月30日付読売新聞)

結婚しても出産しない人もいるし、 適齢期になっても未婚の人も多い。 中国では一人っ子政策により 21歳以下はほとんど一人っ子で、 耐性欠如、 非協調性、 非社会性等の子が増え、 社会問題になっている。

そのため2003年、 国会で一人っ子政策は改善された。 わが国でも一人っ子が多く、 子どもの行動は中国 の子どもと類似した傾向にある。

核家族化

親子中心の生活で、 祖父母は別居の家庭が多い。 そのため母親は育児経験不足で育児不安になり、 虐 待に走る親が増えている。 特に若い母親は毎日が初体験の子育て生活でキレる親も増えているのである。

働く母親の増加

健康な母親の多くが社会に出て働くようになった。 従来のような育児専念・専業主婦は少なくなった。

そのために出産をしない女性が増えた。 出産しても保育施設が不足していて育児に苦労している母親も 多い。 また仕事をして疲れて帰ってからの育児にさらに疲れて、 育児放棄・虐待する親も増えてきてい る。 特に乳幼児の保育施設不足は大きな社会問題である。

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離婚・別居

日本では最近5組に1組の割合で離婚している。 別居、 家庭内離婚もあって、 子どもの心身の成長に かなり影響を与えている。 別居や離婚までには夫婦間のトラブルが次々と起こり、 子どももその現場を 見て育つことになるので心の傷も大きい。 最近はシングルマザーも増えてはいるが、 子どもは両親の後 姿を見て育つのである。 特に男児は父親をモデルに、 女児は母親をモデルとしている。 ところがそのモ デルが不適切であったり、 不在となると子どもの性格形成にも影響を与える。

父親が家庭教育に非協力的

父親はいても仕事中心で、 父と子の間に交流がない家庭も多い。 父親は朝早くから夜遅くまで働き、

土日はゴルフに出かけたりして、 家庭教育は母親が中心になっている場合がかなり多い。 そのためか子 どもはやや女性的で、 たくましさ・力強さに欠けてきたように思われる。 善悪のしつけを厳しくしない、

悪いことをしても叱れない母親が増えて、 わがままで自己中心的な子に育てやすい。

個室化で家庭のコミュニケーション不足

小さい時から子どもの部屋があって、 個室生活が中心になっている家庭が増えている。 テレビを見る 時と食事以外は一緒に生活しない家庭もある。 テレビも子ども部屋で見ている子すらいる。 一人っ子で 個室生活を中心にしていると、 人間関係がうまく形成できなくなる。 思春期になって重大な問題を起こ しても平素から親子のコミュニケーションができていないと、 話し合いができない。 結局キレて親子げ んかになってしまうこともある。

テレビ中心の生活

今の子どもは生まれた時からテレビを見て育っている。 テレビは生活の一部であり、 食事の時もテレ ビを見ながら食べている家族も多く、 家族の心の通った会話ができていない。 特に中学生くらいになる と、 テレビと食事を終えるとすぐ自分の部屋に入り、 家族の会話もない日々を過ごしている家庭が増え た。

基本的生活習慣の欠如

食事・睡眠・排泄・着脱衣・清潔・挨拶など基本的生活習慣がしっかり身についていない子どもが増 えてきている。 例えば食事もインスタント食品が多くなったり、 スーパーで購入して食べたりしている。

食後の片付けもしない。 睡眠も不規則で深夜までテレビを見たり、 テレビゲームをしたりしている子も いる。 排泄も不規則になっており、 着脱衣・清潔の習慣もできていない。 ありがとう・おはよう・さよ うならの挨拶もしない。 家庭生活が電化されて家事を手伝うこともほとんどしない。 勤労の尊さを知ら ない。 また社会生活も電化され、 買い物も切符もカードさえあれば購入できて挨拶の必要がない生活を している。 特に小さい時から我慢すること (耐性) がしつけられていない傾向がある。

3. 地域社会の問題

遊び場不足・地域住民との交流不足

高速道路が整備され、 自動車が氾濫して子どもの遊び場がなくなった。 たとえ公園・遊園地があって も誘拐やいじめを恐れて戸外遊びをさせない家庭も多い。 子どもは自然の中で多くの異年齢の子どもた ちの集団の中で競争したり、 協力したり、 助け合って社会性が育つのであるが、 そのような経験が非常

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に少ない。 これが人間関係づくりの経験不足につながっている。

虐待の増加

児童相談所の報告によると子どもの虐待は年々増加している。 しかも実母による虐待が55.1%、 実父 が27.6%である。 内容的には身体的虐待が53.0%、 保護の怠慢・拒否が30.4%と続く。 被虐待児の年令 は3歳以上の幼児が26.9%、 小学生が36.6%、 中学生が13.4%である。 虐待された人間はまたわが子を 虐待する傾向にあり、 そして思春期の援助交際など不適応行動に走りやすい。 また虐待された子は扱い づらく、 更なる虐待を受けやすい。 さらに虐待された子は 「キレる子」 になる傾向が強い。

高層建築住宅生活で社会生活能力や体力の不足

都会には8階・10階・15階という高層建築住宅が増えている。 建築学者の調査によれば、 3階以上に 生活している子どもと1〜2階で生活している子どもとを比較すると、 社会生活能力や体力の発達に差 があることが報告されている。 3階以上で幼児期から生活した子は、 幼稚園や小中学校から帰宅しても、

戸外遊びをする経験が少ない。 帰宅してもテレビを見る等、 室内での生活が多く地域の仲間と遊ばない。

戸外での運動もあまりしない。 そうした生活習慣が社会生活能力の発達に影響しているし、 運動をしな いので体力不足となる。

性情報の氾濫と性の価値観の変化

テレビ・マンガ・週刊誌などで性の情報が氾濫し、 親も子も性に対する価値観が大きく変化している。

マンガや週刊誌などには驚くような性描写がなされて、 青少年に性刺激を誘発している。 女子中学生の 援助交際や性非行も増加している。 母親の性の価値観も変化して、 子どものモデルになれない親も増え てきた。

成人のモラル低下

成人の倫理観・価値観が変化し、 社会的モラルも低下して、 それが子どもたちの社会的モラルにも影 響している。 例えば週刊誌・テレビ・スポーツ誌・マンガなどに反道徳的な行為が掲載されている。 特 に性行為なども興味本位に報道され、 子どもたちにも影響している。 また、 駅前の駐車禁止区域に堂々 と自転車が駐輪されている。 女子中高生の援助交際も、 成人男性が金で彼女たちを相手にしているから である。 子どもが被害に遭う誘拐・殺人なども報道される。 また学校の教師のセクハラや警察官や国会 議員なども犯罪を起こして子どもの手本になっていない。

4. これからの学校教育のあり方

学級担任は楽しい学級作りを

子どもたちが学校に楽しく喜んで登校するか、 学校がおもしろくなくて学校嫌いになってしまうかは、

担任の学級経営能力が大きく影響する。 例えば学級内に不良がかったボスがいて、 いじめたり学級崩壊 の中心になっていたりすると、 多く子どもたちにとって学校は楽しくないものとなる。 しかし担任が、

早期に人間関係を把握し、 うまく対応すれば学級の居心地もよくなる。

学級担任が育てるカウンセリングの技法を体得し、 普段から学級活動などで実践して学級内の人間関 係づくりをしていれば、 学校は楽しいところになるのであり、 問題生徒もあまり出ないであろう。

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学級担任の人柄が大切

学級担任がどのような人柄であるかが、 楽しい居心地のよい学級作りに影響してくる。 明るく、 優 しく、 ユーモアがあり子どもたちが親しみやすい先生であると、 子どもたちも学校が楽しくなる。 子ど もの長所を認めて、 よいところをすぐほめたり、 叱る時も優しく諭すように指導すれば、 子どもたちも 先生に親しんでくる。 えこひいきがなく、 だれにも公平に扱い、 自慢したり威張ったりすることもない 先生であれば、 子どもたちからの信頼感も厚いものとなる。

授業はていねいでわかりやすく、 時々ユーモアを交えて子どもたちを楽しくさせる先生、 答案の採点 も早くていねいで、 間違いをすぐ気づくように指導できるような先生であれば、 学校生活の毎日が楽し くなるだろう。

学級担任の教育観・価値観が影響する

学級担任が学力優秀な子ばかりを高く評価して大げさにほめたり、 有名高校に何人進学させたなどと 自慢したりすると、 勉強の得意でない子どもなどから反感を買いやすい。 また、 英語・数学・国語など の学力の高い子どもばかりをほめ、 体育や音楽、 図工・美術に秀でた子どもを、 進学にあまり関係がな いからといって軽視したりする先生なども生徒からは嫌われ、 子どもは学校が楽しくなくなる。

ひいきにされなかった生徒はもちろん、 ひいきにされた子どもも、 友達から白い眼で見られて学校が 楽しくなくなるだろう。 ある若い男性教師が特定の女子をかわいがりすぎ、 その子は周りからねたまれ ていたたまれず不登校となったケースも報告されている。

教師の教育観・価値観が偏りすぎると、 子どもは学校嫌いになりやすい。 また、 校長、 教頭や同僚教 師を授業中に批判したりすると、 子どもたちも先生と学校にいや気がさしてしまう。

学級のいじめる子・暴力をふるう子の早期指導

学級内に意地が悪く、 乱暴で、 友達をいじめたり、 暴力をふるったりする子がいると、 同じ学級の子 どもたちは学校が楽しくなくなる。 そうした問題のある子どもに担任教師が早期に適切な指導をして、

いじめをしないよう、 暴力を振るわないようにしないと学級から学校嫌いな子が出てくる。 登校しても 楽しくないので、 不登校生徒や保健室登校の子どもが増えることになるだろう。

しかし、 いじめる子、 暴力を振るう子にも、 何らかの理由がある。 一人一人の子どもの家庭環境、 友 人関係、 成績、 長所短所、 性格などを十分に理解して、 担任教師が適切な生徒指導をするとともに、 ス クールカウンセラーなども早目に適切なカウンセリングをして問題行動を軽減したり、 なくすようにし てどの子どもも学校が楽しくなるような関りを持つことが望まれる。

学級内に仲良しの子どもをつくる

学級内に仲良しの子どもがいると、 登校への意識は大きく高まる。 特に内気な子ども、 孤独になりが ちな子どもなどは、 隣に気のあう子、 親切な子がいることによって学校生活の気分が大きく変わってく る。

このように学校を楽しくするのに席順は大きく影響する。 不登校気味の子どもには特別な配慮が必要 である。 近くに仲の悪い子ども、 意地悪な子どもがいるだけでも気持ちが萎えてくるものである。 反対 に、 隣の席に親切で世話好きで仲良しの子がいると学校は楽しいものとなる。

部活動を楽しくする

中学生であればどの子どもも体育系、 芸術系、 文科系どれかの部活動に所属し、 学級以外の友達をつ

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くったり、 先輩・後輩が親しい関係を作る事は、 人格形成に重要な影響を与える。 学校は全校挙げて努 力し応援することは望ましい。 学級担任や学級の仲間と気があわず、 勉強が手につかなくなって成績が 低下したり、 落ち着かない子どもでも、 部活動の顧問の先生や友達が親切で気が合っていれば、 学校が 楽しくなる。 顧問の先生が好きで、 尊敬し、 生涯交流する子どももいるだろう。 そのためにそれぞれの 先生ができるだけ得意とする部活動の顧問になって、 厳しすぎず、 楽しく活発な活動を展開することが 望ましい。

学校行事を楽しくする

運動会・学芸会・音楽会・文化祭・水泳大会・授業参観・ボランティア活動・修学旅行・宿泊学習な ど、 学校行事に充実感を与えるような指導をすれば、 楽しい学校生活ができる。 子どもたちのアイデア を生かし、 自主性を尊重し、 楽しく思い出になる学校行事の機会を与える事は、 一般に考えられている 以上に大きな効果を生む。

ただ、 学校週5日制になって時間が減り、 学校行事も減少する傾向にある。 しかし子どもたちにとっ て学校は勉強だけのところではない。 学級全体で行う演劇・応援・合唱・合同製作など様々な学校行事 を通じて、 人間関係づくりや思い出づくりができるのである。

学校に誇りをもたせる

自分の学校に誇りを持てるような特色を持たせる。 伝統のある古い学校にはそれぞれの特色があり誇 りがある。 しかし、 新しい学校でも優れた教師の努力や指導力によって、 学校の歴史をつくり上げるこ とができる。 学校の歴史のページを塗り替え、 伝統を積み重ねていくことで子どもたちに学校への誇り をもたせ、 学校への関心を高めることができる。

個性豊かな先生が絵画指導などを行って、 一躍有名になる場合などは、 よい一例であろう。 音楽の先 生が合唱団をつくったり、 太鼓部を組織し、 学校の特色をつくる。 スポーツ・ボランティア活動・IT 教育などで特色を出して、 全生徒が自分の学校に誇りをもつようにすると、 きっと学校に来るのが楽し くなる。

保護者との連携を密に

問題のある生徒の保護者は、 保護者会があっても参加しない事が多い。 教師はどの保護者も気楽に学 校に来て、 子どもの問題、 勉強のこと、 家庭内のことなどもフランクに話せる雰囲気づくりをする必要 がある。 問題のある生徒の場合、 親の考え方、 言動が変わることによって、 子どもが大きく変化するこ とも多々あるのである。

5. これからの家庭教育のあり方

聴き上手な親に

家庭では、 母親も父親も子どもと会話する時間を多くして、 聴き上手な親になって欲しい。 子どもの 言葉に耳を傾けて聴く、 傾聴できる親になって欲しい。 平素から親子の会話があれば子どもも親の言う ことを聞くし、 先生の言うことも聞くようになる。 思春期になってからも親子の交流は続く。

子どもに我慢すること (耐性) を教える

世の中はすべて、 子どもの思いのままに自由にはならない。 学校には校則があり授業があり体育もあ

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る。 つまり集団生活をしなければならないのである。 特に基本的生活習慣は6歳までにきちんと形成さ せることは重要である。 食事・睡眠・清潔などの習慣は特に大事である。 お互いに自然に挨拶すること もしつけておきたい。 さらに、 善悪の判断も身につけさせておきたい事柄である。

父親は男児のモデルに、 母親は女児のモデルに

「子どもは親の後姿を見て育つ」、 あるいは 「子どもは親の言うようには育たない。 子どもは親のす るように育つ」 と言われる。 父親は男児のモデルであり、 力仕事をしたり、 スポーツをしたり力強く行 動して欲しい。 母親も女児のモデルになって、 やさしく意欲的に生きて欲しい。 特に最近の子は男女と もに父性的態度の力強さに欠ける子が多い。 不登校などもその一例かもしれないが、 たくましさ、 力強 さ、 ファイトが欲しい。

親の一方的な価値観を押しつけない

時代は刻々と変化している。 親の古い一方的な価値観、 人生観を押しつけず、 子どもの心理を理解し た対応をして欲しい。

親の挫折体験を話す

子どもと同じ年頃に、 親がどんな挫折をしてそれをどのように克服してきたかについて謙虚に正直に 話すことは、 子どもにとって大きな贈り物である。

ボランティア活動を薦める

保育園、 障害者施設、 老人ホームなどに出かけて、 ボランティア活動をする機会を学校と協力して作 ること等が望まれる。

6. これからの地域社会教育のあり方

最近は地域の教育力が低下してきたといわれている。 やはり子どもは地域環境からの影響も大きく受 けるので、 改善が望まれる。

安全な遊び場の確保

こどもがのびのびと安全で楽しく遊べる公園、 遊園地、 広場を作ることが望ましい。 最近は田舎も都 市化して、 高速道路ができるなど自然破壊も進んでいる。 野や山で魚をとり、 昆虫を採集し、 動物と遊 ぶこともできなくなった。 子どもの心もすさんできた。 交通事故がなく、 誘拐もない安全な地域環境を 作ることが望まれる。

子どもの虐待の減少を

子どもが虐待されないように子育てを地域全体で協力しあって行う必要がある。 また保育所や幼稚園 などの保育施設の充実も必要である。 子育てを両親だけの仕事ではなく、 地域ぐるみで協力して行うこ とによって、 虐待も減少すると期待される。

性情報の規制と正しい性教育を

マンガ・雑誌・テレビ・スポーツ誌などの興味本位の性情報を子どもに見せないよう規制する必要も あろう。 「赤信号みんなで渡れば怖くない」 という群集心理で、 これだけ性情報が氾濫していると、 性 の価値観が変化して性非行が低年齢化していく。 これを抑止するには成人のモラルも必要である。 なお、

性教育は学校でも、 家庭でも、 地域でもあまりなされていない。 放任状態である。 性教育は相手の異性

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を幸せにすることが第一目標ではないかと思う。 正しい性教育の活性化が必要である。

成人が子どもの手本になる

成人の中には平気で非道徳的な行為をする人もいる。 やはり成人は子どものモデルになるような行動 をして欲しい。 親も教師も警察官も代議士も、 新聞に載るような行動をとらないようにすることが大切 である。 ニュースにならないで、 社会道徳・家庭のしつけの手本になって欲しいと思う。

7. 終わりに

子どもの心が病み、 社会問題も多くなってきた。 しかし、 子どもだけを責めることはできない。 子ど もの問題は学校・家庭・地域が密接に連携して防止しなければならない。 勿論カウンセラーも、 治療的 カウンセリングと平行して予防的カウンセリングにも力を注ぐ必要がある。 また、 カウンセラー養成を 充実し、 カウンセラーを国家資格に制度化し 、 子どものこころの問題解決に役立たせることも重要で はないかと思う。 ここでは、 それらの問題提起をした。

参考文献

氏原 寛他 2001年 コミュニティ心理学とコンサルテーション・リエゾン 培風館 岡田 隆介 2002年 児童虐待と児童相談所 金剛出版

松原 達哉 1997年 いじめの実態とその対策に関する研究 立正大学石橋湛山記念基金研究費助成費 研究成果報告書

松原 達哉 2000年 学校・学級不適応に対応するカウンセリング 学事出版 松原 達哉 2002年 スクールカウンセラーと連携した指導 教育開発研究所

参照

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