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電動車椅子サッカー用フットガードの製作
○中島 哲史A)
A) 独立行政法人国立高等専門学校機構 津山工業高等専門学校 教育研究支援センター
概要
津山工業高等専門学校では体育授業で学生に障害者スポーツを体験させている。その1つである「電動車 椅子サッカー」(1)を新たに実施するため電動車椅子を購入し、それに取付けるフットガードの設計製作を行 った。
「電動車椅子サッカー」とは障害者が電動車椅子に乗ってプレーする「足を使わないサッカー」(図1)で ある。選手たちの多くは、自立した歩行ができない障害を持った選手が多く、ジョイスティック型のコント ローラーを手やアゴなどを使って巧みに操りプレーするも
のである。試合形式は4対4で行うため、合計8台の電動車 椅子とフットガードが必要となる。しかしフットガードは業 者に特注で製作してもらわなければ手に入れる事ができな い。
そこで本校は工業高専であり「ものづくり教育」の一環と して、学生の研究活動の中でフットガードの製作をすること にした。今回は電動車椅子サッカー用フットガードの設計か ら製作、そして競技の体験までを紹介する。
図1 電動車椅子サッカー
1 電動車椅子サッカー用フットガードの設計
まず設計のベースとしたのは電動車椅子サッカーの公式 戦で使用されているフットガード(図2)である。写真から 形状、材質などを分析した。その結果、金属製のパイプで各 接合部は溶接であることがわかった。学生が製作する事が前 提であったため比較的難易度の高い溶接や金属パイプの曲 げ加工は避けて設計した。その結果接合はボルト締結とし、
またフロント部はボールの当たり具合や安全性を考慮し、部 分的に伸縮性のある耐衝撃性硬質ポリ塩化ビニル管を取り
入れた。 図2 公式のフットガード 次にフットガードを車椅子本体に取付けるため、購入した電動車椅子を調査したところ、既存の穴などを 利用しいくつか部品を作製すれば車椅子本体の改造をしなくても取付ける事が可能であると判断し、部品の 設計を進めた。
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2 フットガード試作
設計図面が完成し、本校実習工場においてフットガードの試 作を開始した。1台目は数名の技術職員で手分けして作業を行 った。設計図通りに加工する事はさほど困難ではなかったが、
残りの7台分は学生の研究活動で製作するということであっ た為、加工方法の簡単化を模索したり、作業上での注意事項を 作成しながらの作業となり、予想より長い時間を要する事とな ったが何とか完成した。(図3)
完成後、体育館にて検査的に使用したが、問題点は無かった ので技術職員が指導しながら学生に同じ物を製作させる事と
した。 図3 試作品
3 学生によるフットガード製作
当初、学生が実習工場で作業する時間は週1単位時間であったが、50分程度の時間では作業も思う様に 進まなかった。そこで作業時間を増やす様に促したところ、自発的に週3~4時間ほど作業する様になった ため、ほぼ毎日フットガード製作の指導にあたった。製作途中(図4)は改善点もあり、マイナーチェンジ を施しながらの作業であったが無事年度中に全台完成することができた。(図5)
図4 実習工場での作業風景 図5 学生の製作したフットガード
4 現在の状況
完成したフットガードを使用して、今年度から体育 授業で「電動車椅子サッカー」を行っている。(図6)
今後はマイナーチェンジや補修等が必要となってくる ことが予想される。その際にスムーズに対応できるよ うに、補修部品や素材の在庫を確保し「電動車椅子サ ッカー」を全面的にバックアップしていく考えである。
参考文献 図6 「電動車椅子サッカー」の試合風景
(1)JPFA 日本電動車椅子サッカー協会、http://www.web-jpfa.jp/