戦後日本資本主義の格差系列=編成支配と労働者搾 取・農民収奪メカニズム
著者 涌井 秀行, WAKUI Hideyuki
雑誌名 明治学院大学国際学研究 = Meiji Gakuin review International & regional studies
巻 37
ページ 21‑65
発行年 2010‑03‑25
その他のタイトル Disparities and Exploitation ・ Expropriation of Postwar Capitalism in Japan
URL http://hdl.handle.net/10723/1464
【論 文】
戦後日本資本主義の格差系列=編成支配と 労働者搾取・農民収奪メカニズム
涌 井 秀 行
【要 約】
本稿は戦後日本資本主義を(賃)労働の面から分析したものである。戦後日本の蓄積(経済成長)を推 進した労働力(者)の質の核心部分は,零細な耕地での稲作労働によって培養された稠密労働力(者)[土 台=排出基盤]であり,この労働力が国外(主としてアメリカ)の生産手段(機械・技術・ソフトなどや 原料・材料など)と結合し,比類なき国際競争力を持つ製造業の生産力発展(高度成長と輸出大国)を生 み出した。特筆すべきことは外来技術の吸収にあたっては,対応できる労働力(者)の育成が企業内の訓 練(OJT)によって行われたことである。したがって労働者はヨーロッパ基準での職務(Job)を持てなかっ た(従順な企業内組合=終身雇用制度)。生産手段の核となる新鋭技術を吸収する際,労働力(者)は自発 的に日本・自社式に変化させ,生産に応用した。
この時,国外の新鋭技術を吸収できるのは大企業だけであり,それ以下の中小・小零細企業はその系列 化に下請として帰属する以外,企業・資本として生きる道は残されなかった。ここに大独占企業・中小・
小零細の規模別に系列化が進み,この系列がまた低廉稠密部品を提供する形で,食物連鎖の頂点に立つ大 独占・企業の競争力を支えるという相互連関を生みだした[三層格差=系列編成(今日の格差社会の淵源)]。
この相互連関の基礎にあって支えているものは,これまた
3
層に分かれた賃金と労働条件である。だがその大企業も,自動車
1200
万台の生産能力に対して,内需(国内販売)がその半分の600
万台とい うことが示すように,内需はるかに超える大生産(能)力からしてして輸出は必然的[従属の淵源=経済 的土台]となる。この【従属・三層格差=系列編成】こそは日本経済発展の源だったが,1991年以降の日本の「失われた
20
年」は,その機能不全の結末である。Ⅰ.はじめに
2007
年2
月22
日午前,衆議院予算委員会公聴 会が開かれた。この会に招かれた大野秀之さんは 長年にわたる職場の「偽装請負」を指摘するとと もに,非正規雇用の労働者の思いを次のように訴 えた。「私たち請負,派遣労働者は生身の人間です。正社員と同じ仕事をしているのであれば,同じ賃 金をもらいたい。安心して子供を産みたい。子供 に十分な教育を授けたい。育ててくれた親の面倒 を見たい。そして,自分自身も,社会に貢献しな がら幸せな老後を送りたい,そんな生活をしたい
です。こうした話をすると,そんなに非正社員が 嫌ならば正社員になればいいと簡単に言う人もい ますが,現実はそんなに甘くはありません。私の 年齢は
32
歳ですが,10年前は就職氷河期真った だ中で,どの企業も正社員採用には極めて消極的 でしたし,また,派遣,請負という雇用形態が多 い北関東という地域性などもあり,正社員になり たくてもなれず,やむを得ず非正社員という雇用 形態を選択せざるを得なかったというのが現実で した。私たちのように,一度非正社員の道に入り 込んでしまうと正社員の道を歩むのがとても困難 であるということを,どうか知ってください。そ のためには,派遣,請負,パートなど非正社員の長期的な雇用の安定の確保や正社員登用制度,正 社員との均等待遇など,具体的な待遇改善につな がる法的整備をしていただきたいと切に願いま す」(1)。こう述べて大野さんは陳述を締めくくっ た。
一部企業の業績好調が伝えられる中,
1991
年か ら始まった平成大不況は,国民には回復の実感が ないまま今日まで続いている。2006
年「格差社会」2007
年「ネットカフェ難民」2008
年「蟹工船」と 続く流行語が事態の深刻さを表している。とりわ け2008
年9
月15
日のリーマン・ブラザースの破 綻をきっかけとした世界金融恐慌は,日本経済を 完全に打ちのめした。対米輸出に依存して好調を 維持していた製造業は「生産・雇用調整」を余儀 なくされ,「派遣労働者」の解雇が相次ぎ,「派遣 切り」は世相を伝える流行語になった。事態が深 刻なのは,「金の卵」ともてはやされたのは遠い昔 のことだったとしても,かつては比較的に恵まれ ていた若年層の雇用状況が深刻な事態に陥ってい ることである。15
歳から24
歳までの若年層のパー ト・アルバイト・派遣社員など非正規雇用労働者の割合は
46.4%
(2)で,二人に一人が不安定な就業状態におかれている。
かかる事態は景気の好不況による循環性のもの ではなく,「高度成長」・強蓄積によって覆い隠さ れていた戦後日本資本主義の労働面の構造矛盾=
雇用構造の脆弱性・前近代性が,今次の不況を きっかけとして表層にでたものである。パート・
アルバイト・出稼ぎ・日雇い・臨時工・季節工・
期間工・請負工・社外工・派遣・嘱託など,思い つくままに列挙しただけでも,戦後日本の労働者 の複雑な雇用構造,資本賃労働関係が浮かび上 がってくる。こうした雇用形態は大・中小・零細 のそれぞれの企業の中に織り込まれ,まるでモザ イク・タイルのような模様をなし,日本の雇用の 風景は複雑・錯綜したものとなっている。
もちろんこうした非正規雇用は日本だけのもの ではない。例えばドイツでも「非正規雇用」の比 率が高まってきており,ドイツ連邦統計局が
2008
年9
月に公表した調査結果(3)によれば,2007
年の 非正規労働者数は768
万人,全雇用労働者3018
万人の
25.5%に達しているという。こうした事態
はドイツだけではなく世界的な潮流でもある。ア メリカ下流社会の現実を描いたバーバラ・エーレ ンライクの『ニッケル・アンド・ダイムド』は
2001
年に出版されると部数は100
万部をこえた。同じ くアメリカで2005
年に出版されたThe Working Poor
は書名がそのまま日本に持ち込まれ,世相を 伝えるキーワードになった。筆者はすでに戦後日本資本主義を次のように規 定してきた。戦後日本資本主義の基本的性格は,
[基本構成]《(1)〔外生循環的性格――対米従属〕
(2)〔擬似封建的性格
1――土地の擬制資本化=
外資代替:資本面〕(3)〔擬似封建的性格
2
――三 層格差=系列編成支配:資本・賃労働面〕》を内容 とする【国内での内部応答的な再生産構造未確立=外需(輸出)を蓄積の必須条件】とする資本主 義(4)である,と。
この規定は間違ってはいないが,論述が資本面 に限られており,労働面からの分析が不十分であ る。一般的に言って,資本については再生産構造 に関しても,あるいは生成・発展・消滅の歴史に ついても巨細にわたって分析がなされている。経 済学が分析の対象としてきたものは,もっぱらこ の「資本」にほかならない。これに対して賃労働 は,資本の再生産過程の構成要素として,あるい は資本の対抗者=労働運動として現れる限りにお いてのみ論じられてきた,と言ってもよい。この ことは資本主義分析において構造を規定するもの が「資本」であるからで,無理からぬことではあ る。しかし資本と賃労働は資本主義社会を構成す るふたつの基本的要素であり,分析は資本・賃労 働の二面にわたっておこなわれて初めて,対象を 正確にかつトータルに把握することが出来る。と りわけ,日本の複雑・錯綜した雇用形態が戦後資 本主義の基底を貫く「構造」的なもので,欧米の それとは異なっていることを明らかにするために は,賃労働・雇用構造の分析は欠くことができな い事である。いずれにしても,戦後の日本は驚異 的な「経済成長」,生産力発展を遂げたのであるが,
その「成長」が国民(労働者・農民)にどのような 影響を与え,その中で国民はどう生きてきたのか
を考察することは,きわめて興味深いことである。
小稿は,戦後日本資本主義の第
2
の基本規定で ある「擬似封建的性格」としての「格差系列=編 成支配」のメカニズムを賃労働の面からも論じよ うとする試みである。その際に重要なことは,労 働者の暮らしの消費面=所得面の分析もさること ながら,生産面=労働面,すなわち労働過程の分 析が必要不可欠である。暮らしを支える仕事のあ り様,賃労働を考察することが重要なのである。そう考えていくと今日「派遣労働者」問題として 社会問題となっている雇用問題は,成長によって 隠れていたモザイク模様を描く特殊日本的な雇用,
資本賃労働関係が表層に現れてきたものであり,
その基層には(3)として掲げた〔擬似封建的性格
2
――三層格差=系列編成支配〕があるといえる。「格差社会」なるものは,「高度成長」によって隠 されていた戦後の特殊日本的「資本・賃労働」関 係が露呈したものとしてとらえられるのではない か。小稿の課題はここにある。
Ⅱ.労働力編成・三価値構成(c+v+m)から みた戦後日本資本主義の時期区分と収奪 メカニズム(従属・三層格差=系列編成 支配)の成立
1.
労働力編成・三価値構成(c+v+m)からの 時期区分第
2
次大戦後の世界は,米ソがそれぞれの体制 を維持するために,自陣営の管掌・支配・統合体 制(冷戦体制)を敷き,米ソがそれぞれの体制の第
1
図 戦後日本の労働力編成総括農林漁業
1,800 6,000
0 0
1,600
1,400
1,200
1,000
800
600
400
200
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000 雇用者・自営業者 単位:万人 各産業
単位:万人
50 55 60 65 70 75 80 85 90 95 00 05
販売従事者
金属工作・加工 専門技術職
機械器具 事務職
重工業 製造(重+軽)業
軽工業 銑鉄・製鋼・圧延等 雇用者
サービス 自営業者 以下右軸
就業者数
95年峰6418万→00年6303万→05年6151万人
雇用者5263万人→5356万人→5393万人
25 23 37 40 45 40 35 31 29 26 21 20
銑鉄製鋼圧延工等ピーク45万人 ↓
193 238
383 429
478 449
406 392
378 373
347 314
金属工作 274 機械工 金属工作機械工
↓
297 349
403
608 592 614 664
686 649 617
549
↑ 90年機械器具ピーク341万人
(一般・電気・輸送・精密機械工=従事者)
数は軽工業労働者数 数は重工業労働者数
サービス業従事者 自営業者
:右軸
重工業>軽工業 雇用者>
自営(農含)
雇用者(右軸)
自営業者
:右軸
事務職 製造業(重+軽)1057万人
製造業(重+軽)1059万人 1702万人
△171万人
△251万人 農林漁業1950~1970年694万人減
農林漁業 1970~1990年571万人減
雇用者数横ばい
製造業の自営業者ピーク70年代
注記) 第
1
表 労働力編成総括表をグラフ化した図。資料出所) 第
1
表に同じ。第
1
表 労働力1950(昭和25)年1955(昭和30)年 1960(昭和35)年1965(昭和40)年1970(昭和45)年1975(昭和50)年 1980(昭和55)年 1985(昭和60)年 人 口 8,411.5 9,007.7 9,430.2 9,920.9 10,466.5 11,194.0 11,706.0 12,104.9 A表 総 数 3,562.6 3,926.1 4,371.9 4,763.3 5,246.8 5,301.5 5,577.8 5,833.6 1 官僚・会社・団体役員 64.1 84.1 98.4 136.8 206.2 227.9 266.7 236.1 2 専門技術職 155.1 189.6 218.1 261.5 345.4 402.4 488.1 638.8 うち科学研究者 2.0 2.4 3.2 6.2 10.0 6.9 6.6 9.8 うち技術者 24.4 32.2 33.4 40.1 70.4 75.2 87.4 173.0
3 事務職 286.1 322.8 451.6 625.1 732.1 884.1 929.9 1,046.8
職員小計(1+2+3) 505.3 596.4 768.1 1,023.4 1,283.6 1,514.4 1,684.8 1,921.7 4 農林漁業 1,702.3 1,587.9 1,417.2 1,166.1 1,008.5 729.0 607.6 538.0
5 鉱業 41.1 34.9 36.2 21.9 13.9 8.3 7.3 6.0
6 金属材料製造 24.7 23.5 37.4 39.6 45.1 40.2 35.2 30.6 銑鉄・製鋼工 1.3 1.8 5.3 4.6 6.4 6.5 5.3 4.4 圧延工 2.7 4.4 4.2 4.9 5.8 5.9 5.9 5.3 鍛造・鋳造工 16.0 16.0 17.9 16.2 16.5 11.8 9.7 8.1 その他 4.7 1.3 10.0 13.9 16.3 15.9 14.3 12.8 7 金属工作・加工 62.0 93.3 148.5 182.8 228.1 210.1 199.5 202.0 金属工作機械工 18.3 27.6 39.9 44.9 51.9 38.8 32.6 39.4 金属プレス工 2.5 6.8 11.0 16.5 21.0 20.2 18.6 18.1 金属溶接工 4.8 8.6 17.3 29.9 48.2 46.1 34.4 32.8 鉄工,びょう打工,製缶工 4.0 5.9 10.3 12.5 13.0 12.9 12.8 11.1 金属彫刻・板金工 6.2 11.0 14.3 18.9 21.3 19.0 18.4 14.7 めっき工 1.8 2.9 4.6 5.4 6.0 5.1 4.8 4.9 その他 24.4 30.6 51.0 54.7 66.8 68.1 77.9 80.9 8 機械器具 60.5 64.6 114.2 160.5 227.7 235.2 271.2 322.7 一般機械器具組立・修理 33.1 17.3 27.9 38.8 52.0 61.6 69.4 80.2 電気機械器具組立・修理 5.8 15.8 39.1 54.7 93.8 85.7 106.0 150.4 輸送機械組立・修理 16.0 24.0 35.1 51.6 63.3 68.2 75.1 71.5 精密機械器具組立・修理 5.6 7.5 12.0 15.4 18.5 19.7 20.8 20.6 9 化学・プラスチック・ゴム 24.4 28.1 46.1 56.8 65.1 66.6 68.1 72.3 10 窯業・土石製品製造 21.3 28.5 37.0 38.4 42.1 40.0 39.9 36.7 重工業(6+7+8+9+10) 192.9 238.0 383.1 478.0 608.0 592.0 613.9 664.2 11 食料・飲料品製造 61.3 62.5 67.2 70.8 68.9 75.8 81.7 93.5
12 繊維 144.1 165.0 199.8 218.4 238.0 201.0 184.7 167.3
13 紙・パルプ・印刷・製本 21.9 34.0 46.3 56.3 58.7 55.6 57.6 59.8
14 その他 69.8 87.2 89.2 83.4 83.5 73.2 68.3 57.0
軽工業(11+12+13+14) 297.1 348.7 402.5 428.9 449.1 405.6 392.2 377.6 定置機関・建設機械運転作業者 8.5 12.4 16.9 20.9 26.5 32.2 35.1 35.8 電気作業者 18.0 21.7 31.0 43.0 51.2 57.4 63.3 59.6 その他の技能工,生産工程作業者 35.5 44.2 66.4 85.1 121.3 129.1 138.9 141.5 建設・倉庫・港湾・労務荷役 232.8 278.8 352.7 391.0 412.3 463.5 516.3 517.7 運輸・通信従事者 75.5 107.8 149.1 203.8 234.7 239.8 241.6 233.6 サービス 118.5 194.3 234.2 283.9 340.5 346.3 390.7 416.0 販売従事者 299.0 418.2 463.5 556.7 629.9 704.2 798.8 829.9 警察・海上保安・自衛官・鉄道公安官 33.2 43.0 49.7 57.3 65.2 73.6 77.3 82.1 分類不能の職業 2.9 0.0 1.2 3.4 1.9 6.0 9.9 9.8 B表 就業者総数 3,913.0 4,090.0 4,436.0 4,730.0 5,094.0 5,223.0 5,536.0 5,807.0
雇用者 1,528.0 1,647.0 2,228.0 2,718.0 3,143.0 3,449.0 3,770.0 4,108.0
自営業者 2,252.0 2,312.0 2,068.0 1,853.0 1,782.0 1,566.0 1,553.0 1,475.0 うち家族従業者 1,261.0 1,284.0 1,061.0 914.0 806.0 629.0 603.0 559.0 業種別農林漁業(家族従業者含) 1,405.0 1,404.0 1,179.0 987.0 814.0 589.0 502.0 436.0 製造業(家族従業者含) 182.0 193.0 148.0 158.0 234.0 207.0 232.0 218.0
存亡をかけて対抗する世界(冷戦構造)であった。
日本がアメリカの敷いた冷戦体制へしっかりと組 み込まれるようになったのは,朝鮮戦争以降のこ とである。朝鮮戦争=対社会主義体制との戦争で,
アメリカは戦略物資の供給を日本に求めた。だが 日本経済の脆弱性は白日の下に曝されることにな る。設備の食いつぶしで強行された戦時中の軍需 生産や戦後の生産放棄で,生産設備は極度に老朽 化し摩損していた。また戦争による断絶のために,
技術は世界水準から大幅に遅れていた。朝鮮戦争
を契機に資本家・経営者は,戦中戦後の技術的空 白を一気に取り戻すべく,政府の強力な保護育成 政策に依拠しつつ,アメリカの技術の消化・吸収 に勤めた。外国技術が鉱工業のほとんどといって よいくらいの分野に堰を切ったように導入された。
国内の工業生産の陣形を整えるために石炭から石 油へのエネルギー転換とともに,産業のコメ・基 礎素材である鉄鋼業を中心にして,工業基盤整備 のための建設・土木・電源開発・道路・港湾など の社会インフラが建設・整備されていく。1950年
編成総括表
単位:万人 1990(平成2)年 1995(平成7)年 2000(平成12)年2005(平成17)年 12,361.1 12,557.0 12,692.6 12,776.8
6,167.9 6,418.2 6,303.2 6,151.3
254.3 271.7 185.7 184.4
726.8 812.6 856.8 876.9
11.6 17.6 15.9 14.1
210.8 237.0 252.4 229.0
1,176.7 1,238.6 1,229.6 1,208.1 2,157.8 2,322.9 2,272.1 2,269.4
435.7 381.3 317.4 311.0
4.4 4.4 4.0 2.6
28.9 26.0 21.0 20.2
4.7 4.4 3.1 3.2
4.3 3.8 3.3 3.1
7.6 6.5 5.3 4.9
12.3 11.3 9.3 9.1
202.7 177.5 163.3 143.0
34.1 21.9 25.6 25.2
17.6 13.4 11.5 11.3
31.7 28.1 23.9 21.7
11.1 11.2 9.5 8.7
14.7 13.9 12.7 11.5
4.8 4.1 4.0 3.6
88.7 84.9 76.1 61.0
341.5 333.5 327.4 292.8
93.2 102.1 102.1 93.1
156.0 141.0 136.5 109.0
72.6 74.9 73.1 76.6
19.7 15.6 15.7 14.0
75.8 77.7 75.2 69.0
37.1 34.7 29.8 23.9
686.0 649.4 616.6 548.8
102.8 119.4 135.3 136.1
152.3 119.5 84.7 58.2
63.2 61.6 56.3 50.2
55.1 46.7 37.3 29.3
373.4 347.2 313.5 273.8
35.9 39.4 37.4 31.9
60.7 65.9 64.0 59.7
163.2 161.2 159.1 144.2
571.3 624.2 611.3 604.2
233.1 244.2 230.5 210.3
447.5 509.0 562.0 610.8
879.5 935.1 939.8 881.4
87.1 95.6 101.4 104.4
32.4 38.4 74.2 101.5
6,249.0 6,457.0 6,446.0 6,356.0 4,630.0 5,033.0 5,122.0 5,393.0 1,394.0 1,180.0 1,070.0 932.0
517.0 397.0 340.0 282.0
382.0 307.0 263.0 223.0
199.0 148.0 115.0 82.0
注記)
(1) A表については以下のとおり。
1950(昭和25)年から1960(昭和35年)年までの職業大分類では,Ⅰ専門的技術的職
業(従事者――以下省略),Ⅱ管理的職業,Ⅲ事務,Ⅳ販売,Ⅴ農林漁業,Ⅵ採鉱・採 石,Ⅶ運輸通信,Ⅷ技能工・生産工程および単純労働者,Ⅸサービス,Ⅹ分類不能の10 区分であったが,1965 年以降はこの大分類に保安サービス(自衛官,警察官など)が 加わり,大分類は11項目となった。本表では職業(小分類)によって,調整した。
各項目は就業者を国勢調査週間中その人が仕事をしていた事業所における職種あるい は職業活動(仕事の内容・状況)による区分である。
(2) A表は,資料出所(1)の(a)1950年~1965年のデータと(b)1970年のデータと(c)
1975年~2000年のデータと(d)2005年データを接続して作表した。また接続にあたっ ては,資料出所(2)のデータも参照した。
(3) B表は資料出所(1)の(d)(e)から作表した。データが「労働力調査年報」ベースな ので,A表の「国勢調査ベース」の就業者数と相違している。また,1950年は1953年 の数値。
資料出所)
(1) (a)日本統計協会『新版,日本長期統計総覧,CD-ROM版』(日本統計協会,2007年)
付録,産業・職業小分類別人口 産業・職業小分類別人口 付録表3-b 職業(小分類),
男女別15歳以上就業者数(沖縄を除く)(昭和5年~40年),(b)前掲CD-ROM職業
(小分類),男女別15歳以上就業者数(昭和5年~45年),(c)前掲CD-ROM,19-11-b 職業(小分類),男女別15歳以上就業者数(昭和50年~平成12年),(d)前掲CD-ROM,
19-8-a 産業,従業上の地位,男女別就業者数(昭和28年~平成14年)(e)前掲CD-ROM,
19-8-b 産業,従業上の地位,男女別就業者数(平成15年~17年) (f)総務省統計局
『平成17年国勢調査抽出速報集計結果』(日本統計協会,2006年)168-179頁。
(2) 総理府統計局『昭和25年,国勢調査報告(8)』(大蔵省印刷局,1955年)第48表(抽)
493頁,同局『昭和30年,国勢調査報告第2巻,1%抽出結果,その3職業』(大蔵省印 刷局,1957年)第4表148頁,同局『昭和35年,国勢調査報告第2巻,1%抽出結果,
その4職業』(大蔵省印刷局,1962年)第3表134頁,同局『昭和40年,国勢調査報告 第2巻,その3職業』(日本統計協会,1967年)第4表272頁,同局『昭和45年,国勢 調査報告第5巻その1第1部』(日本統計協会,1974年)第19表484頁,同局『昭和 50年,国勢調査報告第5巻その1全国編第1部』(日本統計協会,1978年)第10表486 頁,同局『昭和55年,国勢調査報告第4巻その1全国編第1部』(日本統計協会,1984 年)第6表402頁,総務庁統計局『昭和60年,国勢調査報告第4巻第3次基本集計結 果』(日本統計協会,1988年)第6表402頁,総務庁統計局『平成2年,国勢調査報告 第4巻第3次基本集計結果その1全国編』(日本統計協会,1993年)第2表10頁,同庁
『平成7年,国勢調査報告第4巻就業者の職業(大分類)世帯の型その1全国編』(日 本統計協会,1997年)第2表10頁,同庁『平成12年,国勢調査報告第4巻その1全国 編』(日本統計協会,2003年)第2表10頁,同庁『平成12年国勢調査最終報告,日本 人の人口,解説編』(日本統計協会,2005年)400-401頁。
(3) (参考)国勢調査における従業上の地位の定義と区分の変更は以下のとおり。
(イ)雇用者とは会社員・公務員・団体職員・個人商店の従業員・住み込みの家事手 伝い・日々雇用されている人・臨時雇いなど,会社・団体・個人や官公庁に雇用 されている人で,「役員」でない人。
(ロ)役員とは会社の社長・取締役・監査役,団体の理事・監事,公団や事業団の総 裁・理事・監事などの役員
(ハ)自営業者とは個人経営の商店主・工場主・農業主などの事業主や開業医・弁護 士,個人経営の商店主・工場主・農業主などの事業主や開業医・弁護士・著述家・
家政婦などで,個人又は家族とだけで事業を営んでいる人で,雇人がいるもしく はいない人である。
(ニ)家族従業者とは農家や個人商店などで,農仕事や店の仕事などを手伝っている 家族。家庭内職者一家庭内で賃仕事(家庭内職)をしている人
「従業上の地位」の区分は,各回調査で若干異なっている。昭和35年,45年~平 成12年「雇用者」,「役員」,「雇人のある業主」,「雇人のない業主」,「家族従業者」,
「家庭内職者」の6区分に表章できる。また,昭和25年は「雇用者」の3区分の み,昭和30年は「雇用者のある業主」「雇用者のない業主」,「家族従業者」,「民 間の雇用者」,「官庁の雇用者」5区分,昭和40年は「雇用者」「会社などの役員」
「自営業主」,「家族従業者」の4区分である。
から
1965
年までの間に鉱工業生産は7.7
倍(5)の 増加を示した。アメリカのアジア戦略のために移 植・創出された工業生産力は,もとより国内消費 を超えていたから,設備投資が一巡しそれが本格 的に稼働し始めると,たちまち消費の壁にぶつ かった(昭和37/40
年不況)。独占企業・資本もそ れなりに対応したが,最終的にその過剰を吸収・解消してくれたのがベトナム戦争特需であった。
これ以降
1970
年7
月まで日本は「いざなぎ景気」にわくことになる。
この間の事情を,国勢調査のデータ(第
1
図 戦 後日本の労働力編成総括図および第1
表)で労働 力編成の面からスケッチすると以下のようになる。まず①工業生産・社会インフラ整備に必要な労働 力が農林漁業から吸い出されていく。農林漁業人 口は
1950
年1702
万人から1975
年729
万人へと減 少し,約1000
万人が非農業部門へ流出する。これ に絡んで②製造業は1950
年490
万(重工業192.9
万人+軽工業297.1
万人)から1970
年1057.1
万 人(重工業608
万+軽工業449.1
万人)へとほぼ第
2
表 戦後日本資本主義の資本賃労働関係(cvm)単位:事業所数 カ所,従業者数 人,金額10億円 事業所数
(年末)
イ
従業者数
(年末)
ロ
原材料 使用額等
(Cz)ハ
固定資本 磨滅償却額
(Cf)ニ
現金給与 総額
(v)ホ
剰余価値額
(m)
ヘ
製造品出荷額等
(c+v+m)
ト
生産額 チ
(粗)付加 価値額
(v+m)リ
1948 100,286 3,677,397 426 238 162 191 825 n.a. 353
1949 108,731 3,394,975 847 318 278 233 1,442 n.a. 511
1950 156,173 3,860,333 1,466 487 341 390 2,294 n.a. 731
1951 166,347 4,237,200 2,727 834 467 712 4,028 n.a. 1,179
1952 168,059 4,305,438 3,165 894 557 743 4,616 n.a. 1,300
1953 172,564 4,657,654 3,844 1,197 667 1,019 5,708 n.a. 1,686
1954 184,432 4,736,649 3,948 1,361 745 1,150 6,054 n.a. 1,896
1955 187,101 4,958,038 4,249 1,521 792 1,307 6,562 n.a. 2,099
1956 195,566 5,506,291 5,690 1,844 940 1,603 8,474 n.a. 2,544
1957 215,015 6,041,879 6,982 2,125 1,120 1,897 10,227 10,505 3,017
1958 212,725 6,111,682 6,386 2,323 1,171 1,694 9,881 9,844 2,865
1959 216,417 6,750,319 7,679 2,849 1,361 2,285 11,889 12,021 3,646
1960 238,320 7,601,963 9,845 3,753 1,695 3,142 15,294 15,553 4,837
1961 244,390 8,188,498 12,054 4,538 2,113 3,850 18,705 19,110 5,963
1962 248,786 8,445,306 12,905 5,131 2,473 4,136 20,508 20,742 6,609
1963 563,206 9,727,261 14,574 6,277 2,970 5,096 23,822 22,555 8,066
1964 554,375 9,900,764 17,204 7,061 3,418 5,843 27,683 26,453 9,261
1965 558,106 9,921,002 18,204 7,513 3,773 5,893 29,489 26,162 9,665
1966 594,832 10,291,578 21,071 8,853 4,278 7,178 34,202 30,201 11,457
1967 598,958 10,554,058 25,388 10,822 4,953 9,257 41,162 36,751 14,210
1968 602,388 10,862,735 29,581 12,814 5,884 10,879 48,279 43,047 16,763
1969 646,926 11,412,033 35,333 15,596 7,178 13,362 58,107 51,612 20,540
1970 652,931 11,679,680 42,178 18,279 8,578 15,994 69,035 61,783 24,572
1971 642,952 11,463,756 43,814 19,325 9,755 15,979 72,895 64,539 25,734
1972 702,586 11,783,439 47,851 21,924 11,187 18,005 80,962 70,371 29,192
1973 708,447 11,961,133 62,211 27,325 13,827 24,109 103,362 90,606 37,936
1974 696,795 11,486,778 80,950 29,192 17,166 27,628 127,308 114,541 44,794
1975 735,970 11,296,209 79,891 28,831 18,711 23,634 127,433 110,339 42,345
1976 727,427 11,173,842 91,110 33,760 20,488 28,446 145,359 119,713 48,934
1977 415,014 10,246,052 97,584 35,696 21,663 29,723 154,943 128,498 51,387
1978 431,102 10,232,308 99,086 40,562 22,946 32,987 162,594 131,951 55,933
1979 430,439 10,211,055 112,044 45,350 24,448 39,000 181,841 149,774 63,448
1980 429,336 10,291,918 137,322 48,574 26,229 43,610 212,124 178,032 69,838
1981 436,463 10,567,601 143,532 52,581 28,599 44,569 224,712 185,940 73,167
1982 427,998 10,480,985 144,528 55,551 29,855 46,368 229,934 190,415 76,223
1983 446,942 10,650,971 146,039 58,303 31,185 47,961 235,527 193,916 79,146
1984 428,998 10,733,413 157,118 63,204 32,707 53,231 253,030 211,235 85,938
1985 438,518 10,890,000 162,970 67,681 34,670 55,853 265,321 265,949 90,523
1986 436,009 10,893,000 151,187 67,725 35,777 53,428 254,689 253,620 89,205
1987 420,804 10,738,000 146,309 71,338 35,868 56,957 253,515 252,793 92,825
1988 437,574 10,911,000 158,479 78,185 37,737 64,992 274,401 275,611 102,729
1989 421,757 10,963,000 173,542 85,440 39,911 71,082 298,893 300,417 110,993
1990 435,997 11,173,000 189,046 91,672 42,655 76,373 323,373 325,163 119,028
1991 430,414 11,351,000 198,630 96,746 45,459 80,289 340,835 342,976 125,748
1992 415,112 11,157,000 189,186 94,198 46,137 74,999 329,521 329,513 121,136
1993 413,670 10,885,000 176,295 89,232 45,672 69,302 311,199 310,345 114,974
1994 387,537 10,502,000 167,903 87,998 44,950 68,122 300,851 299,929 113,072
1995 387,726 10,321,000 170,828 90,274 44,928 72,276 306,030 306,731 117,204
1996 369,612 10,103,000 175,442 92,541 45,085 74,219 313,068 313,645 119,304
1997 358,246 9,937,000 183,868 93,849 45,355 74,518 323,072 324,038 119,873
1998 373,713 9,837,000 171,996 89,019 44,825 68,368 305,840 305,801 113,193
1999 345,457 9,378,000 161,997 86,860 42,593 65,267 291,450 290,094 107,860
2000 341,421 9,184,000 169,733 89,016 41,729 68,514 300,478 300,285 110,243
2001 316,267 8,866,000 162,886 83,516 40,265 63,040 286,667 286,016 103,305
2002 290,848 8,324,000 152,082 80,171 37,109 60,350 269,362 232,242 97,459
2003 293,911 8,228,000 156,577 81,505 35,652 63,006 273,734 237,842 98,658
2004 270,906 8,113,676 164,756 83,516 35,491 63,040 283,967 248,912 101,519
2005 276,716 8,159,364 174,938 80,171 35,739 60,350 295,800 287,581 104,236
注記)(1) 固定資本摩滅償却額の算出式は,ニ(固定資本摩滅償却額;cf)=ト(出荷額;c+v+m)-ハ(原材料使用額;cz)-ホ(現金給与 総額;v)-ヘ(剰余価値;m)であり,剰余価値の算出式は,ヘ(剰余価値;m)=リ((粗)付加価値額;v+m)-ホ(v;現金給与 総額)である。
(2) 資料出所(1)に(2)を接続。
(3) 原注記は日本統計協会『日本長期統計CD-ROM』(日本統計協会,2007年)8-6表の注記を参照。
資料出所)(1) 「8-6表 製造業の産業中分類別事業所数,従業者数,現金給与総額,原材料使用額等,製造品出荷額等,生産額,製造品在庫 額及び付加価値額(昭和23年~平成15年)」日本統計協会『日本長期統計CD-ROM』(日本統計協会,2007年)。
(2) 「2.従業者規模別統計表」『平成17年工業統計表「産業編」データ』(経済産業省経済産業政策局調査統計部,平成19年7月 20日)
倍増する。1959年頃に雇用者(労働者)数が農業 を含む自営業者数を上回り,
1960
年代前半に重工 業労働者数が軽工業労働者数を上回る。日本資本 主義は,明治以来はじめて「重化学工業」化を達 成した,といえよう。だが③1970年に製造業労働 者数はほぼピーク(1057万人)に達したのち,全 体としては1990
年(1059万人)まで横ばいで推 移する。これを産業別に見てみると,生産(労働 手段)の要である金属工作機械,基礎素材(労働 対象)である鉄鋼(銑鉄・製鋼・圧延等)の労働 者数は,1970年以降減少に転ずる。ただし,その 後輸出と内需の主力になる電気・輸送などの機械 器具労働者数は1990
年(341万人でピーク)まで 増加するが,この年以降これらの産業の労働者数 も減少に転ずる。これに対して専門技術職・事務職・サービス業に従事する労働者数は伸び続け,
この伸びに牽引されて雇用者数も増加する。だが
1990
年代以降雇用者数は横ばい,ないしは微増に とどまっている。この労働力編成から言えることは,①1970年ま でに基本構成を整えた戦後日本資本主義は,②
1970
年代以降ほぼ1990
年までの20
年間,マイク ロ・エレクトロニクス技術の応用利用(ME自動 化=「合理化」)と下請系列の利用によって,労働 者数を増やさず生産性を上昇させた(この点は後 段で述べる)。内需もさることながらアメリカに向 かって「集中豪雨」とまで言われる輸出攻勢をか けた。この外需を主導因とする「成長」によって,日本は「JAPAN as No1」を達成したのである。だ が③その「奇跡」も平成バブル(景気)崩壊を契
第
2
図 戦後日本の資本賃労働関係50 140
120
100
80
60
40
20
0
120
100
80
60
40
20
0
55 60 65 70 75 80 83 85 88 90 93 95 98 00 03 05
給与総額 付加価値額 総従業員数 出荷額
2 2
10 9
18 26
31
35 38
43
46 45 45
42 36
0
36
4 24
41 70
79 91
103 119
115 117
113 92 110
82 99
82 104 300兆円
200兆円
100兆円 出荷額
総給与と付加価値額,単位:兆円 従業員総数,単位:10万人
v(賃金)の伸び
v(賃金)減少 縮小再生産
労働者数減少
212兆円
39 50
76 95
労働者数 急増
労働者数の伸び 112
107 103
107 109 109
112 109
103 98 出荷額ピーク:323.4兆円
51・10
朝鮮戦争特需 消費→投資景気
54・1 54・11
②
③ 57・6
58・6 なべ底
(神武)
④62・10
(37年不況)
61・12
(岩戸)
64・10 オリンピック
いざなぎ景気 ベトナム特需
⑤ 65・10
(40年不況)
⑥ 70・7
71・12
⑦ 73・11
75・3
⑧ 77・1
77・10
⑨ 80・2
83・2
⑩
91・2
86・11
⑪
97・5
⑫
⑬ 02・1
⑭ 08・9 07・11 輸出景気
リーマン・ショック
85・6
99・1
29兆円
~
日米個別協議
派遣期間1→3年 04年製造業への派遣解禁 99年派遣法原則自由化
94年米年次改革要望書 93年日米包括経済協議 90年日米構造障壁協議
430+
(第二の黒船) 200兆円公共投資
01年小泉内閣「聖域なき 構
造改革」
(経済同友会) 97年「市場主義宣言」 95年
日
経連派遣容認
雇
用柔軟型へ
村山内閣閣議決定 95年「規制緩和推進」 94年 緩和」推進 11月経団連「規制 ステークスホルダー論 は誰のためにあるか」 94年2月舞浜会議「企業
終
身雇用の終焉
株
主重視=雇用
「
多様」=非正規化
( 90年「含み益」経営絶頂
56年~) 平成バブル景気
79年ジャパン・アズ№1 75年終身雇用擁護論
v+m付加価値伸び 86年労働者派遣法
成
立
05年非正規労働者 1633万人(33%)
v+m(付加価値減少) cvm( 出荷額)減少 90年非正規労働者
881万人(20%)
93・10
注記) 第
2
表をグラフ化したもので,第2
表 注記参照。資料出所) 第
2
表と同じ。機に終わりを迎え,
1990
年代以降製造業の労働者 数の減少が示すように,日本資本主義は縮小再生 産,停滞状態にある。以上の
3
点を今度は第2
図 戦後日本の資本賃 労働関係〔労働者数・付加価値額(6)(v+m)・給与(賃金)総額(v)・出荷額(c+v+m)〕から見て 確認しておこう。①図中
1950
年~1970年の期間 は生産性〔付加価値〕の上昇(7)もさることながら,なによりも長時間労働(8)を前提とした労働者数の 急速な増大を見て取ることができる。これは経済 の規模の拡大・量的拡大による「成長」であり,
これが第
1
次高度成長(1954年12
月~1961年12
月:神武・岩戸景気)と第2
次高度成長(1965年11
月~1970年7
月いざなぎ景気)と2
度にわたる 成長・生産力発展の内容である。次に②1970年~1990
年の期間であるが,労働者数がおおむね頭打 ち(製造業1970
年1116
万人,1990年1117
万人)となる中で,(粗)付加価値と出荷額の急伸が顕著 である。とりわけ緩やかな丘のように伸びる賃金 上昇の線と付加価値の急伸が描く線の間の三角形 は企業・資本の利潤〔剰余価値(m)〕の増大を示 しており,
1970
年代初頭から開始したME
自動化=「合理化」による生産性の上昇の効果を顕著に 表わしている。これが輸出競争力=国際競争力を 背景にした対米集中豪雨的輸出を実現し,日本的 経営,トヨティズムなどの日本礼賛論を巻き起こ した。③最後に
1990
年~2005年そして現在に至 る期間は日本の停滞,労働者には回復実感のない「景気上昇」のなかで,労働者数・(粗)付加価値 額・賃金ともに減少傾向を示すようになる。低賃 金労働力の排出基盤であった農村はもはやその機 能を果たせず,大独占企業・資本は相次いで低賃 金稠密労働力を求めて,それにひかれて下請・中 小企業資本もアジアに生産拠点を移し,国内「産 業の空洞化」が進んだ。今も縮小再生産の過程が 進行している。
資本賃労働関係からみると戦後日本資本主義は 以下のように時期区分することができる。これは 資本面からの分析の結果とも符合するが,
5
年刻 みというデータ集計を資本面からの区分と突き合 わせてみると以下のようになる。第
1
期 1950年―1971年 基本構成(構造)成立 第2
期 1971年―1991年 基本構成のアジア進出・ME
自動化=「合理化」第
3
期 1991年― 第1
期で成立した基本構成の機 能不全以下各期の資本賃労働関係からの戦後日本の分 析にとりかかろう。
2.基本構成の国内機構[「従属=三層格差系列編
成」(収奪・搾取メカニズム)]の成立1950
年という年は戦後日本の方向性が決まっ た年であったが,この年の元日,朝日新聞はマッ カーサー司令官の年頭の辞を掲載した。マッカー サーは日本国民に「自衛権を否定せず憲法の線で 進め」と呼びかけ,「経済自立の日近し」と激励し た。国勢調査(「第1
表A
表・職業小分類」)によ れば1950(昭和 25)年,日本の人口は 8411.5
万 人,就業者3562.6
万人, 就業者のおよそ半分(48%)の
1702
万人は農業・漁業従業者であった。同時に同調査(第
1
表B
表)の「従業上の地位」によれば,雇用者(≒労働者;サラリーマン・会 社勤め)は
39%,非雇用(農業・自営業)者は 61%
である。工業における構成も重工業従事労働者
192.9
万人に対して軽工業従事労働者が297.1万人
で,衣料生産が工業生産の主役でしかも第一の輸 出品でもあった。確かに敗戦直後の混乱は沈静化 したものの,戦前日本資本主義の痕跡は色濃く 残っていた,といえよう。だがそれから
10
年後の1960
(昭和35)年,労働人口中労働者数(雇用者:
2228
万人)が農業・自営業者数(非雇用者:2068 万人)をうわまわった。重工業労働者数と軽工業 労働者数もほぼ拮抗し,近代以降,日本は初めて 重化学工業国への移行を開始した,といえよう。その後の重化学工業を主軸とした「高度成長」は 周知のとおりである。だがこの第
1
次の「高度経 済成長」は,「オリンピック景気」をはさみながら,昭和
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年・40年の過剰生産恐慌となって現れた。なぜなら,アメリカが冷戦体制の下でアジア戦略 に必要とした生産力の規模・水準は日本にとって は過大で,とりわけ鉄鋼部門の設備投資は国内の 各産業部門とのバランスを欠いていた。製鉄所や