外国為替手形・小切手の実務論的展開
−法制・規格・様式の統一化への展望−
福島昌則
目 次
序 章 はじめに
第1章 手形・小切手の沿革
第1節 日本における手形・小切手の沿革 第2節 ヨーロッパにおける手形・小切手の沿革
1.手形の沿革
2.市場振出手形・市場決済手形 3.真書の推移
4.小切手の沿革
第2章 手形法・小切手法の推移 第1節 国別事情
1. フランス 2.ドイツ 3.イギリス 4.アメリカ
5.三法系
第2節 手形法・小切手法の統一運動 第3節 目本における手形法・小切手法の推移
第3章 改正手形法および小切手法に対する本邦銀行の対応 第4章 外国為替と手形・小切手
第1節 信用状取引の為替手形 第2節 送金小切手
第5章 統一化への問題点
終 章 おわりに
2 経 訂 と 経 済
序 章 は じ め に
手形・小切手について,その経済用具としての歴史的経緯と法制の推移を 辿り,各国それぞれに制定されていた手形法の統一経過とその到達点として の1 9 3 4 年のジュネープ統一法の採択により統一法と英米法の二法系時代を迎 えたこと,さらに本邦において1 9 6 5 年に統一手形用紙制度が採用された事情 をもり込み,法と実務の接点を校索しつつ,外国為替手形・小切手の統一化 の方向を探ることとする。
手形は本来外国為替手形的色彩を帯びて生れ出たといわれるが ( 1 ) ,まずそ の生い立ちから考察のこととしたい。
第 l章 手 形 ・ 小 切 手 の 沿 革
第 l節 目本における手形・小切手の沿草
カ ヱ セ ン
鎌倉時代に送金を目的とした「替銭」という証書が使用されていた。 r 替
セ ン カワE
銭」は両替を意味し,現在の「為替」の語源であるといわれている
o 特 イ ブ室町時代に「割符」となり,徳川時代には「為替手形 J r 預り手形 J r 振
コンニチ
手形」という証券に発達した。乙れは今日の為替手形,約束手形,小切手に 該当するものである
oわが国現行の手形・小切手制度は,乙れらの古来の制度が発展したもので はなく,明治以後において西欧諸国から受継いだものである
Dしたがって本邦現行制度の沿草を辿るにはヨーロツパにおける手形・小切 手制度の沿草を概観する必要がある
o第 2節 ヨーロッパにおける手形・小切手の沿草 1 . 手形の沿革
手形の起源についてはローマ法下の自筆証書, 8 世紀頃のアラビヤの制度 等諸説があり定説はない。
経済が或段階に達し需要が生ずればこれに応ずる技術が考えだされるのは 当然のことであり,手形類似の制度が古くから世界各地に行なわれていたで
カ エ セ ン
あろうことは,容易に想像されるところである
oわが国の「替銭」等もしか
りといえよう。
現在の制度にまで発展した歴史的過程についての通説は,概ね次のような ものである
o中世の地中海沿岸都市は,商業の中心地として世界の商人が集散し,乙乙 l
ζ両替商が発生した。貨幣の交換のほかに現金輸送の危険と費用をまぬかれ るため,両替商に当該地の貨幣を払いこんで書面の交付を受け,目的地でそ の書面と引換えにその地の貨幣で支払を受けるという仕組みが考えだされ た。乙の書面が手形の原型と考えられる
o乙れは,原因契約である両替契約を書面にしたものであり貨幣の相違を必 要とした。貨幣の現実の交換(両替)に対し書面による交換といわれ,
b i 1 l o f exchange も乙れから発したものである
D同地手形もあったが,ローマ教会の利息禁止の教理が強行され,同地手形 ば禁圧された。
最初の手形ば,約束手形形式のものであったといわれている
O両替商が一 定の金額を受領した乙とをあらわし(対価受領文言) ,支払地で支払人が書 面の呈示人に支払うという公正証書であった。
1 3 世紀頃から為替手形形式の私製証書が用いられはじめた。
乙の為替証書と約束手形形式の公正証書を結ひ、つける説がある。即ち両替 商は約束手形形式の公正証書作成と同時に支払人宛の支払依頼書を作成して いたが,次第にこの支払依頼書自体が効力を認められるようになったため作 成費用を要する公正証書が省略され支払依頼書のみで用が足りるようになっ たというゴールドシュミット・シヤウベの説がこれである
O乙れとは反対に,為替手形は約束手形とは関係なく発達したものであり,
振出人の担保責任は為替手形に書かれた対価受領文言にもとずくとするグリ ユーンブート・へックの説もあった。
結局, 1 9 1 0 年にラッテスが発見した古文書によって前者の約束手形為替手
形関連説が正しいとされた由である
o4
経 営 と 経 済
2 . 市場振出手形・市場決済手形
ヨーロッパの主要都市の両替商は,市場が聞かれる日に商人等のためにそ の市場が支払地であり市日を期日とする市場手形の支払を行ない,また各 地あての手形を振出した。手形制度はとの市場を通じて進歩することとな る
O市場手形の支払は差額決済の方法で行なわれたがこれは現在の手形交換と みる乙とができるであろう
Oまた市場手形は満期日前に支払の承認を得ておくこととされたがとれまた 現在の手形の引受とみる乙とができる。
支払拒絶証書,手形保証の制度がはじまったのもこの頃のこととされてい る
o3 . 哀書の推移
1 2 " " ' 1 6 世紀の間は裏書という制度はなかったとされている
oしたがって当 時の手形当事者は,振出人(両替商) .送金人(依頼人) .支払人(両替 商) .呈示人(受取人)の四者であった。
17 世紀頃イタリー,フランスで手形に指図文句を記入して呈示人がイタリ ーでは手形表面下部に,フランスでは裏面に支払人あてに受取人を指定する 方法が行なわれるようになった。はじめの頃は取立のための受任者の地位し か認められなかったが,時の流れるにしたがって裏書人が対価受領文言を記 載した場合には独立した権利者と認められ,振出人同様手形の引受,支払に ついて担保責任を負うべきものとされることとなった。
裏書制度の普及に伴ない従来の両替商独占状況が崩れ一般商人の利用が増 えてくるとともに手形の満期日前の換金(今日の用語でいえば手形割引)が 行なわれるようになり,送金手段の手形が信用手段としての機能を発揮し得 ることとなった。特に国内取引においてこの信用機能が重視されることとな っ 7
こ。4 . 小切手の沿革
小切手の起源については,ギリシャ,ローマにその発生を説く人もいるが
さだかではない。金融業者ができて預金が行なわれるようになれば,この金
融業者あての預金者の書面(支払指図書)で支払を行なわせる方法がでてく るものと思われる
o1 3 世紀頃,イギリス, ドイツなどで王伎が支払を行なう場合に出納官吏あ てに支払命令書を発行した乙とを小切手のはじめと説く人もあるがこれに対
し公権にもとずくものであるからと反対する人もある
O諸説はともかくとして,小切手制度の本質は金融業者あての支払委託にあ ることから, 1 4 世紀にイタリーで両替商に支払委託をする方法がはじまり,
これが 1 6 世紀にオランダへ, 1 7 世紀にイギリスへと伝播し発達したものとい われている
oイギリスでは両替商兼金銀業者に現金を預けておいて,支払う必要がおこ るたびごとに支払委託書を発行していたがこの両替商兼金銀業者は逐次銀行 に発展して行った。一方受取人は受取った支払委託書をいちいち現金にかえ る手聞を省くためこれを自分の取引銀行に預け,その取引銀行が支払銀行と 決済していたようである
O具体的には受取人の取引銀行の使送者(いわゆる お使いさん)が支払委託書を支払銀行に持参して現金を受取り,乙れを持帰 って預け人の口座に入金するというプロセスを辿っていたということであ る。このことから容易に想像されるように,毎日多数の使送者が銀行聞を走 り廻って多忙を極めるといった時代が到来していた。走り廻るのに疲れた使 送者がコーヒーショップで一息いれているうちに同類が集まり相談のうえ,
お互いの銀行同志で貸借決済可能なぷんについては其場で交換し,差額につ いてのみ現金で決済するという仕組みが考え出され次第に発展して毎日同一
こんにち
時刻に同一場所に集まって一斉に交換するという今日の手形交換所が1 8 世紀 末に設置されるに至りその利便さのゆえに小切手の利用がますます盛んにな
ってきたとされている
o1 9 世紀中にこの制度がイギリスからヨーロッパ大陸へ逆上陸し漸次普及す
ることとなったと云われている
o( 2 )
6 経 灯 と 経 済
第 2 章 手 形 法 ・ 小 切 手 法 の 推 移
第 l 節 国 別 事 情 1 . フ ラ ン ス
近代手形法の鴨矢をなすといわれているのが 1 6 7 3 年の
jレ イ 1 4 世の商事勅令 . (Ordonnance s u r l e commerce) 第 5 I j ¥ : 3 3 ケ 条 お よ び 第 6 1 ? t 9 ケ 条の規定である
Oその後1 8 0 7 年に商法典 (Codedu commerce) が制定され手形について は第 1 巻第 8 章1 1 0 条" ' 1 8 9 条に規定されたがこれは前述の勅令を踏襲し若干 修正したものに過ぎない。そののち, 1 8 9 4 年 , 1 9 0 4 年 , 1 9 2 2 年と部分的改正 が行なわれた
O小切手、法は子形法の制定にはるかにおくれ, 1 8 6 5 年 6 月1 5 日制定されたが 大陸諸国の中ではもっとも早く制定された。
2 . ド イ ツ
1 7 9 4 年のプロシヤ国法は 5 3 7 ケ条におよぶ手形に関する詳細な規定をもつ ものであった。しかしながら 1 9 世紀半ば頃までは各都市等がそれぞれの手形 法をもっているという状況であった
o1 8 4 3 年頃には手形法の数が5 6 を算する に至り取引上さまざまの支障が生じたことから手形法の統ーを熱望する声が 高くなった
Dこの声を受けて, 1 8 4 7 年普通ドイツ手形条例 1 0 0 ケ条がライプチッヒの会 議で成立し,大部分の都市等で採用され, 1 8 6 1 年ニュー
jレンベソレク、、新法 8 ケ 条が追加され, 1 8 7 1 年そのままドイツ帝国法となり, ドイツ共和国となった のちも継続した
O小切手法は, 1 9 0 8 年に至りようやく制定された
o3 . イ ギ リ ス
手形法は長い間慣習法として発達した。
1 8 8 2 年,慣習法,特別法令,判例約2500 を整理した手形法が制定され,小 切手も為替手形の l 種として規定された。(1 0 0 ケ条)
通称, B i 1 l s o f Exchange Act
正称, An Act t o c o d i f y t h e law r e l a t i n g t o b i 1 1 s o f exchange , cheques and p r o m i s s o r y n o t e s .
4 . ア メ リ カ
1 9 世 紀 末 ま で は 判 例 法 の ほ か , 各 州 そ れ ぞ れ の 別 個 の 法 律 を 制 定 し て い
︒ た
経済の発展に伴ない各州それぞれ別個の法律であることから生ずる不便が 甚だしく,この弊害を除去すべく統一州法委員会が解決に乗出し 1 8 9 6 年に 統 一 流 通 証 券 法 (Uniform N e g o t i a b l e I n s t r u m e n t s Law) が成立し,
1 8 9 7 年 ニ ュ ー ヨ ー ク 州 の 採 用 を 皮 切 り に 各 州 が 順 次 採 用 し て 統 ー が 実 現 し
7
こ。( 3 )
その後イギリスの S a l eo f Goods A c t をモデノレとして, Uniform S a l e s A c t が成立し, 1 9 0 7 年 の 3 つの州の採択を皮切りに 3 6 の州によって採択さ れた
Oついで船荷証券 B i l l so f Lading ,倉荷証券 WarehouseR e c e i p t , Trust R e c e i p t I 乙関する統一法案も制定された。
また, American Banker A s s o c i a t i o n は BankCa l 1 e c t i o n Code を 立 案し, 1 9 2 9 年にニューヨーク州で採択され, 1 8 州で部分的に或は全面的に採 択された。
これらの勤きは, 2 0 世 紀 初 頭 よ り 漸 次 活 発 と な っ た ア メ リ カ の 経 済 活 動 が,州際取引あるいは多州間取引の増大を招きそのための州問の商取引を統 一しようとする動きが必然的におこってきたととを背景としている。とくに 第一次大戦後のアメリカの国際的地位の向上がこの傾向に拍車をかけたと云 い得る。
とは云いながら, 1 9 3 0 年代のおわり頃,すなわち第二次大戦前夜の頃まで に 統 一 化 は 相 当 推 進 さ れ た と は い う も の の , す べ て の 州 で 採 択 さ れ た も の は
① N e g o t i a b l e I n s t r u m e n t s Act
② Warehouse R e c e i p t Act
③ S t o c k T r a n s f e r Act
8 経 営 と 経 済
のみであって,統一の成果としては満足すべきものではなかった。統一法案 の同一条文についても各州の裁判所が異なった解釈をし,また矛盾する判 決をくだす例が多いという事態を生じた。たとえば UniformN e g o t i a b l e I n s t r u m e n t s Act においても裁判所聞の意見不一致の例が 7 0 件にものぼっ たという乙とである
O統一性を保つために統一法案を修正しようという試み も行なわれたが,統一法案を採択しても修正案を無視する州が続出し何らの 進展も見られなかった。
1 9 3 9 年に Commerce & I n d u s t r y A s s o c i a t i o n o f New York (Merchants A s s o c i a t i o n ) は州際取引適用のための UniformS a l e s Act 改訂法案を作 成し,連邦法として採択するように提案した。ところがある取引が州内取引 であるのか州際取引であるのかという問題にからみ州法,連邦法の適用区分 が重大問題となり難関に逢着した。
一方 UniformN e g o t i a b l e I n s t r u m e n t s Act の 改 訂 に 着 手 し て い た 統 一州法委員全国会議 (The N a t i o n a l C o n f e r e n c e o f Commissioner on Uniform S t a t e Law) は乙の Uniform S a l e s Act の改訂について,
Commerce & I n d u s t r i a l A s s o c i a t i o n o f New York と協力することとな っ 7
こ。以上 2 つの法案の改訂作業を進めているうちに,某委員から,商品の仕入 れ,販売,受渡し,輸送,金融,保管,最終決済までの全過程を網羅した商 取引に関する法規を一つの統一法案としてまとめようという提案が行なわれ た。商事取引の各部分の法案が,個々に統一化の方向で検討されてきたもの をマクロ的観点から統一化し,乙の統一法案を各州に採択させようという画 期的提案であった
o第二次大戦も峠を越え,ノルマンディー上陸作戦も行なわれて連合国側の 勝利がほぼ確定的となった 1 9 4 4 年になり,アメリカ法協会 (AmericanLaw I n s t i t u t e ) i 判事,弁護士等の団体で 3 0 年間にわたって契約,信託,財産,
不法行為等の分野で法令改訂,統ーに貢献した団体」が単一法作成に協力す
ることとなった。
結局,統一州法委員全国会議とアメリカ法協会が商事取引法の統一の 2 大 推進母体となったわけである
oUniform C o m m e r c i a l Code の原案は一流メンパーが起草したが,これ を 2 団体の会員が詳細綿密に検討して,さらに各業界組合,組合の顧問弁護 士,銀行協会,倉庫業者,運輸業者等本案成立により影響を蒙る各団体の批 判を求めた。
長期かつ広範な検討の結果 1 9 5 2 年に「統一商法典」が成立し. 1 9 5 3 年にま ずペンシノレパニア州が採択し 1 9 5 4 年 7 月 1 日を発効日とした
o乙れが 1 9 5 2 年 版 O f f i c i a lD r a f t であるが,その後も検討が重ねられ. 1 9 5 8 年版. 1 9 6 2 年 版が作成されている
o各州議会は採択後も
i新 ら し い D r a f t による修正を実 施している。
「統一商法典」は,発効日,登記手数料,既存の法規の存続については何 等規定せず,また一部規定においては選択的規定が行なわれており,さらに 統一文言についても州により若干,あるいは大幅に変更した州もあり,統一 法として全面的に通用すると考えるわけにはし
1かないという面があることに 注意を要する。したがってその適用については当該州の文言を必ず参照する 要がある乙とはいうまでもない。
1 9 5 3 年のペンシノレパニア州の採択を皮切りに長い時聞をかけて逐次各州が 採択し,大部分の州において発効している
o統一商法典 UniformC o m m e r c i a l Code は全 1 0 章よりなっており,手 形,小切手については第 3 章に規定されている
o各章について簡単に述べて おく
o第 1 章 G e n e r a lP r o v i s i o n s
用語の定義および解釈上の原則を規定。
第 2 章 S a l e s
売買契約,売買契約中の保証,売買当事者の権利,救済関係について規
定。従来の U n i f o r mS a l e s A c t に相当する部分である
o1 0
将~' l ; S と 経 済
第 3 章 CommercialPaper
本章が N e g o t i a b l eI n s t r u m e n t s Law (流通証券法)に相当する部分で,
N o t e s , d r a f t s , c h e c k s , b i 1 1 1 s o f exchange , c e r t i f i c a t e o f d e p o s i t I 乙 適用される。
第 4 章 BankD e p o s i t s and C o l l e c t i o n s
従来, American Bankers A s s o c i a t i o n が制定した Bank C o l l e c t i o n Code が適用されていた分野であり,銀行業務の預金,送金,取立につい て詳細に規定している。
第 5 章 L e t t e r so f C r e d i t
New York C i t y Banks は,当初 ICC の統一規則があるという理由で 本章を設けることに反対したが, 1 0 2 条の ( 4 ) に次の c l a u s e を入れるとい
うことで本章が規定された。
実質的に C l e a nLjC と一部 D o m e s t i cLjC I C:適用される
oU n l e s s o t h e r w i s e a g r e e d , t h i s A r t i c l e s d o e s n o t a p p l y t o a l e t t e r o f c r e d i t o r a c r e d i t i f by i t s t e r m s o r by agreement , c o u r s e o f d e a l i n g o r u s a g e o f t r a d e s u c h l e t t e r o f c r e d i t o r c r e d i t i s s u b j e c t i n w h o l e o r p a r t t o t h e Uniform Customs and P r a c t i c e f o r Comme‑
r c i a l Documentary C r e d i t s f i x e d by t h e T h i r t e e n t h o r by any s u b s e q u e n t C o n g r e s s o f t h e I n t e r n a t i o n a l Chamber o f Commerce.
第 6 章 BulkT r a n s f e r
Bulk S a l e s の統一性をはかった規定である
o第 7 章 WarehouseR e c e i p t s , B i l 1 s o f Lading and o t h e r Documents o f T i t l e
従来の Uniform B i 1 l s o f Lading A c t , Uniform Warehouse R e c e i p t A c t にかわる章である
o第 8 章 I nv e s t m e n t S e c u r i t i e s
S t o c k s , Bonds 等 の I nv e s t m e n t S e c u r i t i e s の n e g o t i a t i o n , t r a n s f e r
を扱っている。従来の UniformS t o c k T r a n s f e r A c t にかわるものであ
る
o第 9 章 SecuredT r a n s a c t i o n s
次の各法令で規定されてでた動産担保権について統一化したものである
o( 1 ) Uniform C o n d i t i o n a l S a l e s A c t . ( 2 ) Uniform Trust R e c e i p t A c t , ( 3 ) C h a t t e 1 Mortgage A c t . 第 1 0 章
発効日および経過規定 5 . 三 法 系
フランス,ドイツ,イギリスの手形法はもっとも模範的であった乙とか ら,世界各国はこの三国のいずれかを範として手形法を制定した。
したがって世界各国の手形法は ドイツ法系
フランス法系 イギリス法系
の三法系にわかれることとなった。
フランス法系
オランダ,ベノレギー,スペイン,ポルトガノレ,ラテンアメリカ諸国 ドイツ法系
オーストリー,スイス,イタリー,ハンガリー,スカンジナヴィア諸国,
日本 イギリス法系
アメリカ,カナダ,インド,オーストラリア,南ア連邦,イギリス植民地 へーグ統一規則準拠…ドイツ法系と考えられる
oロシヤ,チェコスロヴァキア,ポーランド,ユーゴスラヴィア, トルコ,
中国
第 2 節 手 形 法 , 小 切 手 法 の 統 一 運 動
各国それぞれの手形法,小切手法が存在することは,国際的に流通する手
形,小切手の取引に非常な障碍をもたらしたため, 1 9 世紀後半以降,手形
法,小切手法を国際的に統ーする必要がとなえられた。
1 2 経 営 と 経 済
国際法協会 I n t e r n a t i o n a lLaw
Association が 1876年 ~1878年に国際法学会 I n s t i t u td e d r o i t I n t e r n a t i o n a l が 1 8 8 2 年 , 1 8 8 5 年 に統一手形法案を発表した。
1 9 1 0 年と 1 9 1 2 年にオランダ政府主宰のもとへーグで手形法統一会議が開催 され「為替手形及び約束手形の統ーに関する条約 J3 1 カ条
「為替手形及び約束手形統一規則 J 8 0 カ条
「小切手法統一規則草案 J 34 カ条 を可決した。
これを 2 7 カ国が調印したが,イギリス,アメリカは調印を保留し,日本も 調印せず,また調印した国も批准未了のうちに第一次大戦が勃発したため統 一事業は中断のやむなきに至った
o第一次大戦終了後, 1 9 2 0 年のプラッセル財政会議の提唱で、国際連盟の経済 委員会が研究を開始し, 1 9 2 7 年 , . . . . . , 1 9 2 8 年に法律専門委員を集め統一規則ジュ ネープ案を作成せしめた。
1 9 3 0 年 I 為替手形,約束手形及び小切手に関する法律統ーのための国際 会議」の第一回目がジュネーブで開催され, 3 1 カ国の代表委員によって三つ
の条約が成立した。
( 1 ) 為替手形及び約束手形に関し統一法を制定する条約ならびに第一,第 二附属書
各締約国が第一附属書の定める統一規則 7 8 カ条を原文(英文及び仏 文)か又は自国語で各国領域において施行することを約束したもので第 二附属書は留保事項を定めた
o統一規則はおおむねへーグ条約を踏襲した。
( 2 ) 為替手形及び約束手形に関し法律の若干の抵触を解決するための条約 国際手形法の統ーに関する条約である
o( 3 ) 為替手形及び約束手形についての印紙法に関する条約
手形行為の効力又はこれから生ずる権利の行伎を印紙法の道守にかか
らしめないことを約束した口
1 9 3 1 年第二回ジュネープ会議が開催され次の三条約が成立した。
( 1 ) 小切手に関し統一法を制定する条約
( 2 ) 小切手に関し法律の若干の抵触を解決するための条約 ( 3 ) 小切手についての印紙法に関する条約
以上に返べた手形法,小切手法のそれぞれ三条約は, 1 9 3 4 年(昭和 9 年) 1 月 1日から効力を発生した。
イギリス,アメリカは最初から条約参加の意思はなく,統一条約に参加し たのはフランス法系, ドイツ法系に属する諸国であった
o手形法に関する三条約に署名し批准した国(1 6 カ国)
ドイツ,オーストリー,ベソレギー,デンマーク,ダンチッヒ,フィンラン ド,フランス,イタリー, 日本, )レクセンプ
jレク,ノーノレウエー,オラン ダ,ポーランド,ポノレトガ
jレ,スウェーデン,スイス
署名したが批准しなかった国 (9 カ国〉
ブラジ
jレ,コロンピヤ,エクアドル,スペイン,ハンガリー,ペ
jレー,チ ェコスロパキヤ, トノレコ,ユーゴスラピア
あとから条約に加入した国 (2 カ国) モナコ,ソビエト連邦
印紙法以外の二条約のみに加入した国 ギリシャ
印紙法のみに加入した国 イギリス
小切手法に関する三条約に署名,批准した国(1 5 カ国)
ドイツ,デンマーク,ダンチッヒ,フィンランド,フランス,ギリシャ,
イタリー,日本,モナコ,ノルウエー,オランダ,ポーランド,ポノレトガ
j