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氏名 池口

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Academic year: 2021

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(1)

氏 名 池口

イ ケ グ チ

佳子

ヨ シ コ

所 属 人間健康科学研究科 人間健康科学専攻 学 位 の 種 類 博士(看護学)

学 位 記 番 号 健博 第

170

号 学位授与の日付 令和元年

9

30

課程・論文の別 学位規則第4条第1項該当

学 位 論 文 題 名 実習経験の振り返りによる新人看護師の態度に関する現象学的研究 論 文 審 査 委 員 主査 教授 西村 ユミ

委員 教授 斉藤 恵美子 委員 特任教授 武井 麻子

委員

教授 鈴木 智之(法政大学)

【論文の内容の要旨】

背景

看護学生は、実習を通して看護実践能力を養われるとされている。しかし、看護実践能 力の基盤となる看護師の態度がどのように養われるかということは、十分に議論されては いない。学生は、実習を終えた後に、実習での経験を振り返っていた。学生にとって実習 経験での経験は、新人看護師となった時の態度にどのような意味をもたらしているのだろ うか。

目的

看護学生が実習での経験を仲間や研究者と振り返った時に、それがどのような意味を帯 びて立ち現れ、彼らの新人看護師となった時の態度にどのように位置づけられていったの かを、明らかにする。

研究方法

研究参加者( 以下、学生) は、

A

看護系大学の

4

年生

6

名であった。調査方法は、非

構造化インタビューとし、グループインタビューと個人インタビューを、

4

年次秋・卒業

時・新人看護師となった

2

ヶ月半後の時期に行った。研究者の教員としての先入見を棚上

げし、学生が意識する手前から彼らの経験を文脈において捉えるために、現象学的看護研

究方法を用いた。解釈は、

van Manen

1990,1997/2011

) の方法を参考に行なった。本

研究は、首都大学東京の研究安全倫理審査委員会の承認( 承認番号

16080

)、及び研究協

(2)

力機関の承認(

17-A031

) を得て実施した。

結果

結果は、

4

部構成とした。グループの語りは、学生による看護に対する問いと、それへ の応答となっていたため、結果の最初と最後に配置した。前半のグループの語りでは、看 護師という職業選択を肯定するに至った実習経験が語られ、看護とはなにかという問いが 議論された。そして、後半のグループでの語りでは、なにが看護でなにが看護ではないか を仲間と議論し、看護師として大切な態度を了解し合った。

グループの語りの間に、学生が個々の実習経験を振り返った個人の語りを

2

つの場面に 分けて配置した。個人の語りの前半は、

4

年間の実習を振り返り、新人看護師に繋がる脈絡 が語られた。学生は実習で歩んできた軌跡を辿った時に、実習の最中には分からなかった こととして、卒業の時点から振り返ると階段になっていたと語った。個人の語りの後半で は、学生は「濃かった」と感じた、言葉にし難い総合実習の経験を具体的に振り返ること で、その意味を捉え直していった。そして新人看護師になった時点での語りでは、患者の 姿から、自分の態度への応答が映し出されていることを感じ取り、自分の態度が看護にな っていたかどうかを見て取り、自らの看護師としての態度を決定していた。それは、看護 を思考して態度を決めるという水準ではなく、患者の状況に巻き込まれながら意識をする 手前で振る舞われていた。

考察

言語化することが難しい実習経験を振り返ったことが,学生にもたらした意味を検討し た。実習での経験を長期的な視点で振り返ったことで、学生が予め決められた実習カリキ ュラムとは異なる、学びの道筋を辿っていたことが明らかとなった。また、「濃い」と表現 された言葉にし難い経験は、学生に何かを志向し続けた時間の長さとして語り直され、重 層化された時間として、他の実習とは異なる差異を生んでいた。学生は、振り返る中で、

その経験の意味を捉え直していった。グループの語りでは、個々の経験に通底した看護の 良さを了解し合い、看護とはなにかを仲間と議論をしながら、自分達のある一定の見解を 導いていった。

新人看護師には、実習での経験を通して、患者のその都度の状況に応じて看護師として の態度を決定する身体の志向性が具わっていた。しかし、患者の姿に自らの看護が問われ るが故に、彼らは看護とはなにかを問われ続けていた。その看護を問われ続ける患者に向 かう態度が、彼らを看護師として存在させていた。振り返られた実習経験は、その都度の 自分の成長と、自分の看護師としての態度を省みる契機となっていた。

結論

実習での経験を、それを共にした者たちと振り返ることは、インタビュー時点の自分の

(3)

実践と実習とを比較することになり、新人看護師としての成長を確認する機会になってい

た。そして、実習の時とは異なる自分の態度を省みることで、その時の立ち位置を自らに

示す機会となっていた。

参照

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