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ソフトウェア実行環境の特定機能のユーザレベルでの実現と高速化 1180300

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Academic year: 2021

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平成29年度 学士学位論文梗概 高知工科大学 情報学群

ソフトウェア実行環境の特定機能のユーザレベルでの実現と高速化

1180300 大西 史洋 【 分散処理OS研究室 】

1 はじめに

広域分散システムでは,効率的な運用のために別の計 算機へ応用アプリケーション(以下APと呼ぶ)の実行 環境を移送する技術が重要となっている.実行環境を移 送する方法として,実行環境を特定する方法が提案され ているが,OSアップデートへの対応が困難となる問題

がある[1].また,移送対象が増加すると,実行環境の

特定時間が増加する問題もある.

上記問題を解決するために,本研究では特定機能を ユーザレベルで実現する方法を提案する.また,移送対 象を特定する追跡機能の高速化を図る.

2 提案手法

2.1 特定機能のユーザレベルでの実現

提案する特定機能は,監視機能と追跡機能からなる.

1は特定機能の処理の流れを表している.

監視機能は,APopen関数を実行するとき,シス テムコールライブラリのopen関数が呼び出されること に着目し,open関数内部でファイルアクセスを監視す る.APがファイルをオープンするとき,システムコー ルライブラリのopen関数が呼び出され,openするた めに必要なデータが渡される.そこで,open関数内で AP名とファイル名およびオープンフラグを取得し,名 前付きパイプを介して監視追跡プロセスへファイルアク セスのデータを送信しデータを蓄積する.一定数データ が蓄積されると,データをログファイルへ書き出す.

追跡機能は,追跡プロセスに対して外部からの追跡 開始命令により実行される.このとき,移送対象のAP 名が与えられる.追跡プロセスはログファイルからデー タを取得し,取得データより,移送する必要のあるAP とファイルを特定する.

2.2 追跡機能の高速化

既存手法[1]では,データの入力数に対して追跡機能 の実行時間が大きく増加する問題があるため,追跡機能 の改善を行った.

1 特定機能の処理の流れ

2 追跡機能の実行時間

追跡機能の改善点として,ログファイルからデータを 取得後,データのソートを実行し,APがどのファイル openしているかを高速に追跡できる.追跡が終了し APのファイルのアクセス履歴を削除することによ り,再度追跡対象となることを避け,追跡回数の減少を 実現している.

3 評価

監視機能を実現していないopen関数と監視を実行し ているopen関数のオーバヘッドおよび追跡機能の実行 時間を計測した.

監視機能のオーバヘッドの計測結果は,監視機能を 実行していないopen関数の処理時間は25.6μsec,監 視機能を実しているopen関数のオーバヘッドは72.4μ secとなった.計測結果より,実行しているときのオー バヘッドは,実行していないときより約2.8倍大きいこ とがわかる.これは,本来のopen処理のほかに,名前 付きパイプをopenする処理のオーバーヘッドが影響し ていると考えられる.追跡機能の実行時間の計測結果 は図2となった.図2より,AP10000個のとき,約 0.13秒となることがわかる.既存手法[1]では,約20 秒ほどの実行時間だった.実験データが異なるため,単 純に比較はできないが,約150倍の速度向上となる.

4 おわりに

本研究では,特定機能をユーザレベルで実現する手法 を示した.また,特定機能内の追跡機能を改善し,追跡 処理の高速化に成功した.

参考文献

[1] 畑 翔太,谷村 直哉,横山 和俊,“ファイルの共有関 係に着目した移送するプログラムと実行環境の特定 方法”,情報処理学会研究報告,Vol.2015-DPS-164,

No.11,pp.1-6,2015.

参照

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