曲線と曲面の幾何学
第 12 回追加資料 (12 月 23 日 )
曲線と曲面の幾何学第12回ですどうぞよろしくお願い致します
曲面のせいで曲がる縦の分は仕方ないけれども自分からは横に曲がらなかったら本来どうなるかを表す平行ベクトル場
接ベクトルの平行移動 曲線に沿って進んでも 曲がらない接ベクトル
平行ベクトル場を基準にして「偏角」つまり進行方向のずれを測るとその微分が測地曲率になります
平行ベクトル場が基準 曲面上の曲線の測地曲率も
「偏角」の微分
それでは曲面上の閉曲線に沿って測地曲率を積分してやるとどうなるかと言うのが残る課題でした
曲面上の閉曲線
の整数倍?
最大の問題は基準となる平行ベクトル場が一周で元に戻る保証が無いと言うこと
曲面上の閉曲線
?
一般の曲線ではわかりにくいので球面三角形の例で見てみましょう測地線は速度ベクトルが平行なので他の平行ベクトル場も測地線となす角が一定です
球面三角形に沿う平行移動
平行移動ではなす角が一定
角に来ると次の辺をなす測地線と一定の角度を保ち進みます
球面三角形に沿う平行移動
同様になす角は一定に
一周すると元には戻らないことは一目瞭然です
球面三角形に沿う平行移動
平行ベクトル場は元に戻らない!
この一周分のずれをグリーンの定理を用いて計算してやると実は閉曲線の内部のガウス曲率の面積分になると言うのが今回の講義ノートの内容です
平行移動一周分のずれは?
∫
����
�
ちなみに問4・1の解答例としては一周するのでなく一部逆に平行移動すればよく経路によって移り方が変わりますがずれは一周分と同じです
問 4.1 の解答例
経路によって移り方が 変わる!
これまでのことをまとめて振り返って見てみましょうまずは平面多角形から外角の和は2パイでした
平面多角形
外角の和=
2 �
平面上の単純閉曲線で領域を左回りに囲んでいる場合には一周分の曲率の線積分が進行方向の変化の総和を表しちょうど2パイでした
平面上の単純閉曲線
( 領域を左回りに囲むもの )
曲率の
(線
)積分=
2 �角のある単純閉曲線の場合には外角と組み合わせれば2パイになります
平面上の角のある単純閉曲線 ( 領域を左回りに囲むもの )
外角の和+曲率の
(線
)積分=
2�
さて曲面上の単純閉曲線では曲面自身が曲がっているせいで生じるずれを内部でのガウス曲率の面積分で補ってやれば2パイになると言うのが今回の結論です
曲面上の単純閉曲線
( 領域を左回りに囲むもの )
測地 曲率の
(線
)積分+ガウス曲率 の
(面
)積分=
2 �角のある場合に外角と組み合わせればよいのは平面上の場合同様です
曲面上の角のある単純閉曲線 ( 領域を左回りに囲むもの )
外角の和+測地曲率の
(線
)積分+ガウス曲率 の
(面
)積分=
2�
これが曲面上の測地線分で囲まれた多角形となると測地曲率の項が消えるので
曲面上の多角形
外角の和+ 測地曲率の
(線
)積分+ガウス曲率 の
(面
)積分=
2 �
外角の和プラスガウス曲率の面積分が2パイと言うことになります
曲面上の多角形
外角の和+ガウス曲率 の
(面
)積分=
2 �
特に単位球面の場合ガウス曲率はちょうど1なのでその積分は面積そのものですから外角の和プラス面積が2パイと言うことになります
球面多角形
( 単位球面の場合 )
外角の和+ 面積=
2 �
この公式を内角の和で書き直してみると…
球面n角形
( 単位球面の場合 )
∥
-内角の和
単位球面の場合には平面の場合の公式に面積を足せばよいことがわかります
球面n角形
( 単位球面の場合 )
内角の和=(
�-
2)
�+面積
具体的な球面三角形の例で見てみましょうまずは三直角三角形から…平面上ではありえない図形です
三直角三角形
, 面積
一般の二直角三角形でも内角の和から面積を引くと確かにパイつまり180度になっています
二直角三角形
, 面積
�
面積を限りなく小さくしてゆくと内角の和も限りなく180度に近付いてゆきますこれは球面上でも小さい範囲では平面で近似されることを示唆しています
面積が限りなく小さいと…
, 面積
なお円柱や円錐はガウス曲率が0なのでずれは発生しません展開図の平面上で測ったのと同じ結果になります
円柱、円錐
� ≡ 0