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力のモーメントと角運動量

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Academic year: 2021

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¤

£

¡

高木I ¢は参考文献,“高木隆司,「力学(I)」(裳華房)”を示します。

¤

£

¡

高木II ¢は参考文献,“高木隆司,「力学(II)」(裳華房)”を示します。

¤

£

¡

戸田 ¢は参考文献,“戸田盛和,「力学」(岩波)”を示します。

¤

£

¡

佐本 ¢はテキスト,“佐川,本間,「力学」(丸善)”を示します。

オフィスアワー: 月曜6講時(1-513),木曜6講時(1-513) url: http://www.math.ryukoku.ac.jp/˜iida/lecture/lecture.html

(3)

1 1

次元の運動とエネルギー

¨

§

¥

高木I p.92¦¤

£

¡

戸田3-4¢¤

£

¡

佐本Lec. 5¢

ここではx軸上を動く質点の運動を考える。質点の質量をm,時刻tでの質点の位置をx(t),時刻tで質点に 働く力(のx成分)をFx(t)とする。運動方程式(の x成分)は

md2x(t)

dt2 =Fx(t) (1.1)

となる。

【注】物体の運動を記述するとき,その大きさが無視できる場合,その物体を 質点¨ (質量を持った点)と呼ぶ。

§

¥

高木I p.2¦

¨

§

¥

戸田p.25¦

¤

£

¡

¢

佐本3.1.1

【注】3次元の運動方程式

md2 dt2

x(t) y(t) z(t)

=

Fx(t) Fy(t) Fz(t)

(1.2)

x成分が(1.1)となる。質点がx軸上を動く場合はy(t) = 0, z(t) = 0なので,Fy(t) = 0, Fz(t) = 0と なっているはず。

簡単な力に対しては,運動方程式の解を式で表すことができる。

1.1 調和振動におけるエネルギー

・ 調和振動(単振動) :フックの法則に従う復元力がはたらく質点の運動

¤

£

¡

高木I4.1¢

¤

£

¡

戸田 図3.4¢

¤

£

¡

佐本 図4.5¢

xは,ばねの自然長からの伸び(x >0の場合),

または縮み(x <0の場合)を表す。

ばねの一端を固定し,他端に質量mの物体をつないで摩擦のない水 平な面上に置く。ばねの伸び(縮み)が小さい時は,ばねによる力の 大きさはばねの伸び(縮み)に比例する(フック(Hooke)の法則)。

ばねの力がちょうど0になるときの物体の位置(つりあいの位置)を 原点とし,ばねの伸びる向きをx軸の正の向きにとる。ばねの力Fx軸に平行であり(F~ = (Fx, 0,0))

Fx(t) =kx(t) ¨

§

¥

高木I (4.1)¦

¨

§

¥

戸田(3.25)¦

¨

§

¥

佐本(4.33)¦ (1.3) となる。kは ばね定数 と呼ばれるばねに固有の正の定数である。

ばねの力のように,物体をつりあいの位置(x= 0)に引き戻そうと する力を 復元力 と呼ぶ。運動方程式(1.1)

d2x(t)

dt2 =ω2x(t), ω=

k m

¨

§

¥

戸田(3.26)¦

¨

§

¥

佐本(4.35)¦(1.4) となる。ωを 角振動数 と呼ぶ。

(4)

.

【問2.1】t= 0での初期条件

x(0) =x0, dx(t) dt

¯¯¯¯

t=0

=v0 (2.1)

を満たす運動方程式(1.4)の解を求めなさい。ここで,dx(t) dt

¯¯¯¯

t=0

dx(t)

dtt= 0を代入するという意味。

【答2.1】

x(t) =x0cos(ωt) +v0

ω sin(ωt). ¨

§

¥

高木I (4.7)¦¨

§

¥

戸田(3.39)¦¨

§

¥

佐本(4.39)¦ (2.2)

【問2.2】調和振動で次の量

E= m 2

(dx(t) dt

)2

+k

2x(t)2 ¨

§

¥

戸田(3.73)¦ (2.3)

が 保存する (時間によらず一定になる)ことを示しなさい。ここで,

K(t) =m

2vx(t)2, vx(t) =dx(t) dt

¨

§

¥

高木I (5.24)¦

¨

§

¥

戸田(3.62)¦

¨

§

¥

佐本p.77¦ (2.4)

は時刻t における質点の 運動エネルギー , U(t) =k

2x(t)2 ¨

§

¥

高木I (5.15)¦

¨

§

¥

戸田(3.71)¦

¨

§

¥

佐本(5.17)¦ (2.5)

は,時刻tにおける,ばねの力による 位置エネルギー または ポテンシャルエネルギー と呼ばれる。

また,E=K+U は 力学的エネルギー と呼ばれる。力学的エネルギーが運動の過程で一定になることを,

力学的エネルギーが保存する という。

【答2.2】

(2.3)(2.2)を代入すると E= m

2

(x0ωsin(ωt) +v0cos(ωt) )2

+k 2

(

x0cos(ωt) +v0 ω sin(ωt)

)2

= m 2 v20+k

2x20 (2.6) となり,E=一定 であることがわかる。

実は,力学的エネルギーが保存することは,運動方程式の解(2.2)を使わなくても,運動方程式(1.4)だけから 示すことができる:運動エネルギーの時間変化は

dK(t) dt = m

2 d

dtvx(t)2=mvx(t)dvx(t)

dt =kvx(t)x(t) (2.7)

となる。最後の等式で運動方程式(1.4)を用いた。一方,位置エネルギーの時間変化は dU(t)

dt = k 2

d

dtx(t)2=kx(t)dx(t)

dt =kx(t)vx(t) (2.8)

なので,dK(t)

dt =dU(t) dt より

d dt

(

K(t) +U(t) )

= 0 (2.9)

が得られる。この式はK(t) +U(t)t に対する変化率が常に0,つまりK(t) +U(t)が一定であることを意味 する。

(5)

力学.3

.

【問3.1】

初期条件(2.1)を満たす物体がx軸上のどの範囲を運動するかを求めなさい。

【答3.1】力学的エネルギー保存則を書き換えると

Ek

2x(t)2= m

2vx(t)2 (3.1)

となるが,この式の右辺は負にならないので,

Ek

2x(t)20 (3.2)

より

2E

k x(t)

2E

k (3.3)

という不等式が運動の過程で常に成り立っている。初期条件よりE= m 2v02+k

2x20なので,この物体は

x20+ v02 ω2 から

x20+ v02

ω2 の範囲を運動することがわかる。

x 0 v =

x 0 v =

vx =ᦨᄢ 図3.1

a=

x20+ v20

ω2

¤

£

¡

戸田 図3.9¢

¤

£

¡

佐本 図5.2¢

(2.2)をは次の形,

x(t) = x0cos(ωt) +v0

ω sin(ωt) =asin(ωt+δ) (3.4)

a =

x20+v022, sin(δ) =x0

a , cos(δ) = v0

, (3.5)

に書き換えることができるので,確かに物体が(3.3)の領域を全て運動することがわかる。

【注】一般には,力学的エネルギー保存則から得られる不等式(3.3)を満たす領域の全てを物体が運動するとは限 らない:

(物体が運動する領域)(力学的エネルギー保存則から得られる領域). (3.6)

しかし,この場合は(3.4)からわかるように物体は領域(3.3)を全て運動する。

(6)

1.2 重力による位置エネルギー

力学的エネルギーは他の運動でも保存する。

重力のみが働く鉛直線上の運動を考える。(¨

§

¥

高木I§2.3¦

¤

£

¡

佐本2.2¢)x軸を鉛直上向きにとると,運動方程式は md2x(t)

dt2 =mg (4.1)

となる。gは重力加速度の大きさを表す。重力による位置エネルギーを

U =mgx ¨

§

¥

高木I (5.13)¦

¨

§

¥

戸田(3.66)¦ (4.2)

とすると,力学的エネルギー

E=K+U =m

2vx(t)2+mgx(t) (4.3)

が保存する。

【問4.1】力学的エネルギー(4.3)が保存することを,運動方程式(4.1)から示しなさい。

【答4.1】運動エネルギーの時間変化は

dK(t) dt =m

2 d

dtvx(t)2=mvx(t)dvx(t)

dt =mgvx(t) (4.4)

となる。最後の等式で運動方程式(4.1)を用いた。一方,位置エネルギーの時間変化は dU(t)

dt =mgd

dtx(t) =mgvx(t) (4.5)

なので,dK(t)

dt =dU(t) dt より

d dt

(

K(t) +U(t) )

= 0 (4.6)

が得られる。この式はK(t) +U(t)が一定であることを意味する。

【問4.2】位置x= 0から,初速度の大きさv0で質量mの物体を鉛直上向きに投げ上げた。物体の到達する最大

の高さを求めなさい。

【答4.2】物体は

m

2 vx(t)2=Emgx(t) (4.7)

が非負の範囲を運動する。初期条件より力学的エネルギーは E= m

2v20 (4.8)

なので,物体の運動する範囲は

m

2v02mgx(t)0 (4.9)

となる。従って,物体の到達する最高点xm

xm= v20

2g (4.10)

となる。

(7)

1.3 1次元の運動における位置エネルギー

運動エネルギーの形は常にm

2v2xだが,位置エネルギーの形は働く力によって異なる。

物体に働く力(のx成分)が,物体の位置(x)の関数である場合,つまり

Fx(t) =Fx(x(t)) (5.1)

である場合,位置エネルギーU(x)を,等式

dU(x)

dx =Fx(x) ¨

§

¥

高木I (5.35)¦¨

§

¥

戸田(3.60)¦¨

§

¥

佐本(5.12)¦ (5.2)

を満たす関数とする。このとき,力学的エネルギーE=K+U は保存する:

m

2vx(t)2+U(x(t)) =時間に依らず一定. ¨

§

¥

戸田(3.64)¦¨

§

¥

佐本(5.14)¦ (5.3)

U(x)は 力のポテンシャル とも呼ばれる。

【問5.1】1次元の運動の力学的エネルギー保存則(5.3)を,位置エネルギーの定義(5.2)と運動方程式(1.1)から示し なさい。

【答5.1】運動エネルギーの時間変化は

dK(t) dt = m

2 d

dtvx(t)2=mvx(t)dvx(t)

dt =vx(t)Fx(x(t)) (5.4)

となる。最後の等式では,運動方程式(1.1)と,力がxを通して時刻 t に依存すること(5.1),を用いた。一方,

位置エネルギーの時間変化は

dU(x(t))

dt = dU(x) dx

¯¯¯¯

x=x(t)

dx(t)

dt =Fx(x(t))vx(t) (5.5)

となる。最後の等式で,(5.2)を用いた。dK(t)

dt =dU(t) dt より d

dt (

K(t) +U(t) )

= 0 (5.6)

が得られる。この式はK(t) +U(t)が一定であることを意味する。

U(x)(5.2)の積分

U(x) =

x x0

Fx(x0)dx0 ¨

§

¥

戸田(3.64)¦

¨

§

¥

佐本(5.14)¦ (5.7)

によって得られる。ただし,(5.7)ではU(x0) = 0となるように位置エネルギーの基準点を選んだ。

【注】U(x)に定数を加えても(5.2)を満たすので,位置エネルギーには定数だけの不定性がある。

【問5.2】位置xの物体に働く力(のx成分)が

Fx(x) =4x3+ 4x (5.8)

となる場合の,力のポテンシャルU(x)を求めなさい。ただし,x= 1を位置エネルギーの基準点U(1) = 0 とする。

(8)

【答5.2】(5.7)より

U(x) =

x 1

(

4(x0)34x0 )

dx0 =[

(x0)42(x0)2]x0=x

x0=1 =x42x2+ 1. (6.1)

【問6.1】

x軸上を力(5.8)を受けて運動する質量mの物体を 考える。時刻t= 0での初期条件が

x(0) = 1, vx(0) =v0 (6.2) である場合,物体は x軸上のどの範囲を運動する かを答えなさい。

-2 -1 1 2

1 2

1 E>

1 E<

x ( )

U x

A B

C D E F

【答6.1】

力学的エネルギーE

E= m

2 v20+U(1) = m

2v02 (6.3)

が保存するので,任意の時刻t

m

2vx(t)2+U(x(t)) =E (6.4)

が成り立つ。

運動エネルギーは負にならないので,物体が運動する範囲は,不等式

U(x)E (6.5)

を満たす領域の内部となる。

(6.5)で決まる領域の端点では運動エネルギーが0,すなわち,物体の速度が0となり,物体は折り返す。この

位置は

U(x) =E (6.6)

より求めることができる;

x42x2+ 1 = (x21)2=E (6.7)

より,E >1の場合は

x=±

1 +

E (6.8)

となる(図の点A,B)。また,0E <1の場合は x=±

1 +

E , ±

1

E (6.9)

となる(図の点C,F,D,E)。従って,物体の運動する範囲は

E= m

2v20>1の場合,

1 +

Ex

1 +

E (6.10)

E= m

2v20<1の場合,

1

Ex

1 +

E (6.11)

となる。

(9)

【注】E=m

2v02<1 の場合に,点Cと点Dの間の領域は,不等式(6.5)を満たし,エネルギー的には運動が可 能。しかし,出発点x= 1からCDの領域に到達するには点Dと点Eの間の領域を通らなければならな いので,実際にはこの領域には物体は到達できない。

【注】力はU(x)が減少する向きにはたらく。

(参考) E=m

2v02= 1の場合は,lim

t→∞x(t) = 0となる。

1.4 力学的エネルギーが保存しない場合の例

【問7.1】力のポテンシャル U(x)から導かれる力Fx(x) =dU(x)/dxに加えて,速度の大きさに比例する空気 抵抗

Fx0 =bvx, ¨

§

¥

高木I (3.12)¦

¨

§

¥

戸田p.55¦

¨

§

¥

佐本(8.1))¦ (7.1)

が働く場合には,力学的エネルギーE = m

2vx(t)2+U(x(t))が時間とともに減少することを示しなさい。bは物 体の形によって決まる正の定数である。

【答7.1】運動方程式は

mdvx(t)

dt =Fx(x(t))bvx(t) (7.2)

となる。力学的エネルギーの時間変化を計算する:

dE

dt = m 2

d

dtvx(t)2+dU(x(t))

dt =mvx(t)dvx(t)

dt + dU(x) dx

¯¯¯¯

x=x(t)

dx(t) dt

= vx(t) (

Fx(x(t))bvx(t)

)Fx(x(t))vx(t) =bvx(t)2. (7.3)

従って,物体が運動している限り(vx6= 0),力学的エネルギーは減少する。

【問7.2】x軸上の位置xを速度(のx成分)vxで運動している物体にはたらく力(のx成分)が

Fx=4x3+ 4xbvx (7.4)

であるとする。時刻 t= 0での初期条件が

x(0) = 1, vx(0) =v0 ただし,m

2v02<1 (7.5)

である場合,時間が十分経過した後の物体の位置xe= lim

t→∞x(t)を求めなさい。

【答7.2】時刻tの力学的エネルギーをE(t)とする。

E(t)U(x(t)) = m

2vx(t)20 (7.6)

より,時刻t で物体は領域

(10)

U(x)E(t) (8.1) の中に存在することがわかる。tとともに E(t)は減少するので,物体の存在できる領域の範囲は狭まり,物体は 位置エネルギーU(x)が極小となる位置に近づいていく。E(0)<1より,時刻t= 0で物体の運動できる領域内 にU(x)の極小は1つしかないので,xe= 1であることがわかる。尚,E(0)>1の場合は,時刻t= 0 で物体の 運動できる領域内にU(x)の極小が2つ(x=±1)あるので,時間の経過とともに物体がどちらの極小に近づくか はエネルギーの考察だけからはわからない。

(参考) 空気抵抗や摩擦力が働く場合には,力学的エネルギーは保存しないが,熱エネルギーまで含めて考えると エネルギー保存則が成り立っている。¨

§

¥

高木I (5.33)¦

¨

§

¥

佐本p.96¦

1.5 1次元の運動における仕事

質量mの質点が力Fx(t)を受けてx軸上を運動しているとする。運動エネルギーK= m

2vx(t)2の時間変化は dK

dt =mvx(t)dvx(t)

dt =Fx(t)vx(t) (8.2)

なので,時刻t=t1 からt=t2 までの運動エネルギーの変化は K(t2)K(t1) =

t2 t1

Fx(t)vx(t)dt (8.3)

となる。(8.3)の右辺

W =

t2 t1

Fx(t)vx(t)dt ¨

§

¥

佐本(5.26)’¦ (8.4)

を時刻t=t1からt=t2 までの間に 質点に力Fxがした 仕事 という。つまり,

K(t2)K(t1) = W

(質点の運動エネルギーの変化) = (質点になされた仕事) ¨

§

¥

佐本(5.31)¦ (8.5)

が成り立つ。後に,(14.4)で説明するように,この関係式は3次元の運動においても成り立つ。

Fx(x)が力のポテンシャル(位置エネルギー)U(x)から得られる場合は,(5.2)から,仕事は

W =

t2 t1

dU(x) dx

¯¯¯¯

x=x(t)

vx(t)dt=

t2 t1

dU(x) dx

¯¯¯¯

x=x(t)

dx(t) dt dt=

t2 t1

dU(x(t)) dt dt

= U(x(t1))U(x(t2)) ¨

§

¥

佐本(5.32)¦ (8.6)

となり,出発点(時刻t=t1の位置)の位置エネルギーと終点(時刻t=t2の位置)の位置エネルギーの差となる。

(8.5)(8.6)よりエネルギーが保存することがわかる;

K(t2) +U(x(t2)) =K(t1) +U(x(t1)). (8.7)

(11)

2017力学.9

.

@ Ay

Az

A×@ By

Bz

A=@ Az BxAxBz

AxByAyBx

A

2 3

次元の運動とエネルギー

¨

§

¥

高木I p.92¦

¤

£

¡

戸田3-5¢

¨

§

¥

佐本Lec. 6,7¦

質量mの質点の運動方程式は

md2 dt2

x(t) y(t) z(t)

=

Fx(t) Fy(t) Fz(t)

(9.1)

となる。F(t) = (

Fx(t), Fy(t), Fz(t) )

は時刻tに物体にはたらく力を表す。

2.1 3次元の運動における位置エネルギー

位置r= (x, y, z)にある 物体にはたらく力が物体の位置の関数である場合,つまり

F(t) =F(r(t)) = (

Fx(r(t)), Fy(r(t)), Fz(r(t)) )

(9.2) である場合を考える。3つの関数Fx(r),Fy(r),Fz(r)が1つの関数U(r)から次式

Fx(r) =∂U(r)

∂x , Fy(r) =∂U(r)

∂y , Fz(r) =∂U(r)

∂z

¨

§

¥

高木I (5.38)¦

¨

§

¥

戸田(3.153)¦

¨

§

¥

佐本(7.1)¦ (9.3) によって導かれるとき,U(r)を位置エネルギーあるいは力のポテンシャルと呼び,力学的エネルギー

E= m

2|v(t)|2+U(r(t)) (9.4)

は保存する。(運動の過程で一定の値をとる。)関係式(9.3)を満たすUが存在するような力を 保存力 と呼ぶ。

【注】ベクトルの形をした微分演算子(ナブラ演算子)= (

∂x,

∂y,

∂z )

を用いると,(9.3)はまとめて次のよ うに書ける:

F(r) =−∇U(r). (9.5)

U(r)U(r)の 勾配(gradient) と呼ばれ, gradU(r) とも書かれる。

【注】力F が位置rの関数であっても,いつでも保存力になるわけではない。

位置rの関数である力F(r)が保存力である(,つまり,力のポテンシャルを持つ)ための必要十分条件は

∂Fx(r)

∂y =∂Fy(r)

∂x , ∂Fy(r)

∂z = ∂Fz(r)

∂y , ∂Fz(r)

∂x =∂Fx(r)

∂z

¨

§

¥

佐本(7.25)¦ (9.6)

である。

【注】∇を用いると,条件(9.6)

×F(r) =0 (9.7)

と書ける。∇×F(r)F(r)の 回転(rotation) と呼ばれ, rotF(r) とも書かれる。

【問9.1】位置の関数である力が

F(r) = α

r3 r (9.8)

であるとき,力のポテンシャルを求めなさい。ただし,αは定数,r=|r|=(

x2+y2+z2)1/2

である。

(12)

【答9.1】(9.3)を積分する。まず,∂U

∂x =αx

r3xについて積分する:

U =α

x

r3dx . (10.1)

積分変数をxからr=(

x2+y2+z2)1/2

に変換しよう。

∂r

∂x =

∂x

(x2+y2+z2)1/2

= ds1/2 ds

¯¯¯¯

s=x2+y2+z2

∂(x2+y2+z2)

∂x =

(1 2

) s1/2¯¯

¯¯s=x2+y2+z2

2x= x

r (10.2) より,

U =α

x r3

1

∂r

∂x

dr=α

r2dr=αr1+C1(y, z) (10.3) が得られる。ここで,C1(y, z)xの積分に対する積分定数なので,yやzの関数である可能性がある。次に,上 式を∂U

∂y =αy

r3 の左辺に代入する:

∂U

∂y =α∂r1

∂y +∂C1(y, z)

∂y =αr2∂r

∂y+∂C1(y, z)

∂y =αy

r3 +∂C1(y, z)

∂y . (10.4)

ここで,∂r

∂y = y

r を用いた。これより,C1(y, z)が満たすべき条件

∂C1(y, z)

∂y = 0 (10.5)

が得られる。この式をyについて積分して

C1(y, z) =

0dy=C2(z) (10.6)

が得られる。C2(z)yの積分に対する積分定数なので,zの関数である可能性がある。さらに,得られた結果 U =αr1+C2(z)∂U

∂z =αz

r3 の左辺に代入すると

∂U

∂z =α∂r1

∂z +∂C2(z)

∂z =αr2∂r

∂z +∂C2(z)

∂z =αz

r3 +∂C2(z)

∂z (10.7)

となる。ここで,∂r

∂z = z

r を用いた。従って ∂C2(z)

∂z = 0,つまりC2は定数になることがわかる。以上より,力

のポテンシャルは

U(r) = α

r +C (10.8)

となる.(Cは定数。)

(参考) α=Gm1m2の場合,(9.8)は,原点に固定された質量m2[kg]の物体が,位置rにある質量m1[kg]の物体に及ぼす 重力 ( 万有引力 )を表す。Gは 万有引力定数 で以下の値を持つ:

G= 6.67· · · ×10−11m3/(s2kg).

¨

§

¥

高木I (5.7)¦

¨

§

¥

戸田(4.50)¦

¨

§

¥

佐本(10.2)¦ (10.9)

また,α = q1q2

4πε0

の場合,(9.8)は,原点に固定された電荷q2[C]を持つ物体が,位置rにある電荷q1[C]を持つ物体に及ぼ す クーロン力 を表す。ε0は 真空の誘電率 で以下の値を持つ:

ε0= 8.85· · · ×1012C2kg1m3s2, (10.10)

C (クーロン)は電荷の単位。

(13)

【注】中心力 ¨

§

¥

高木I (6.1)¦

¨

§

¥

戸田(3.144)¦

¨

§

¥

佐本p.136¦ 位置の関数である力が

F(r) =f(r) r

r, r=(

x2+y2+z2)1/2

(11.1) で与えられるとき,力は常に原点(中心)の方向を向いている。このような力を 中心力 と呼ぶ。力のポテ ンシャルは

U(r) =g(r), ただしg(r)dg(r)

dr =f(r)を満たす関数, (11.2) となる。

【問11.1】¨

§

¥

佐本p.103¦

以下に与えられる力が保存力かどうかを判定しなさい。また,保存力の場合は力のポテンシャルを求めなさい。

(1) F(r) =

(

7yz ,7zx+ 5z ,7xy+ 5y+ 6z )

, (11.3)

(2) F(r) =

(

ky ,kx , 0 )

, kは定数. (11.4)

【答11.1】

(1)

×F(r) =

(∂(7xy+ 5y+ 6z)

∂y ∂(7zx+ 5z)

∂z , ∂(7yz)

∂z ∂(7xy+ 5y+ 6z)

∂x , ∂(7zx+ 5z)

∂x ∂(7yz)

∂y )

= (7x+ 57x5, 7y7y ,7z7z) =0 (11.5)

となるので,この力は保存力である。

次に,力のポテンシャルを求める。まず,∂U

∂x =7yzxについて積分する:

U =7

yzdx=7xyz+C1(y, z) (11.6)

が得られる。ここで,C1(y, z)xの積分に対する積分定数なので,yやzの関数である可能性がある。次 に,上式を∂U

∂y =7zx5zの左辺に代入する:

∂U

∂y =7xz+∂C1(y, z)

∂y . (11.7)

これより,C1(y, z)が満たすべき条件

∂C1(y, z)

∂y =5z (11.8)

が得られる。この式をy について積分して C1(y, z) =

5z dy=5yz+C2(z) (11.9)

が得られる。C2(z)yの積分に対する積分定数なので,zの関数である可能性がある。さらに,得られた 結果U =7xyz5yz+C2(z)∂U

∂z =7xy5y6zの左辺に代入すると

図 33.1 重心の放物運動と,重心のまわりの回転運動 「物理」 ( 啓林館 ) 【問 33.1】2 つの質点 m 1 ,m 2 の質量中心は m 1 から m 2 に引いた直線を m 2 : m 1 に内分する点となることを示 しなさい。 【答 33.1】 r G = m 1 r 1 + m 2 r 2 m 1 + m 2 = r 1 + m 2m1+ m 2 ( r 2 − r 1 ) (33.1) なので,右図の −→ AG = m 2 m 1 + m 2 ( r 2 − r 1 ) = m 2m1+
図 40.2 ボールの速さによるはねかえり係数の値の変化 40 mph (時速 40 マイル) ≈ 時速 64km ≈ 18 m/s

参照

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