ホ テ ル 立 地 か らみ た サ ー ビス,時 間 距 離 お よ び 集 積 に 関 す る経 済 評 価
札 幌 市,横 浜 市,名 古 屋 市,京 都 市,
神 戸 市 お よ び福 岡 市 を 対 象 に して
神 頭 広 好
1は じ め に
環 境 を 経 済 学 的 に 評 価 す る 方 法 は,最 近 で は ヘ ドニ ッ ク ・プ ラ イ ス モ デ ル が あ る 。 こ の モ デ ル はJohanson(1993)お よ びKolstad(1999)等 に よ っ て 容 易 に 説 明 さ れ て い る 。 こ の モ デ ル の 応 用 例 に つ い て はHarrison お よ びRubinfeld(1978)は ボ ス ト ン の 住 宅 に 対 す る 大 気 汚 染 変 数 を 組 み 入 れ た ヘ ドニ ッ ク 関 数 を 推 計 し て い る 。 一 方 都 市 経 済 学 で は 同 モ デ ル は Rosen(1974)に 負 う と こ ろ が 大 き く,住 宅 の 地 代 を ヘ ドニ ッ ク ・プ ラ イ ス と し て 立 地 環 境 を 評 価 す る た め に 用 い ら れ て い る 。 と り わ け,同 モ デ ル はQuigley(1982)に よ っ て 公 共 住 宅 に 応 用 さ れ,Smith(1978), Diamond(1980),Diamondお よ びTolley(1984)に よ っ て,ア メ ニ テ ィ を 「地 域 特 有 の 財 」 と し て,こ れ を 推 計 す る た め の ヘ ドニ ッ ク モ デ ル が 構 築 さ れ て い る 。
こ こ で は,ヘ ドニ ッ ク ・プ ラ イ ス モ デ ル が 観 光 に 応 用 さ れ て い る 研 究 が あ ま り見 られ な い こ と に 鑑 み,ビ ジ ネ ス お よ び 観 光 の ホ テ ル 立 地 に 照 準 を あ て 旅 行 者 が 部 屋 数,ホ テ ル の サ ー ビ ス,最 寄 り駅 か ら の 時 間 距 離 お よ び
1
一1一都 心 の集 積 水 準 の 限 界価 値 を評 価 す る とい う観 点 か ら,ま ず ホ テ ル 料 金 か らな るヘ ドニ ッ ク ・プ ラ イ ス モ デ ル を構 築 す る。 つ い で 東 京 都 特 別 区 や 大 阪 市 の よ う に環 状 線 内 の集 積 が 連 接 して い る た め,駅 の 利用 圏 と企 業 数 と が 空 間 にお いて 区 別 す る こ とが 難 しい こ と や駅 へ の ア ク セ ス が何 通 り もあ り,複 雑 で あ る こ と な ど を考 慮 して,比 較 的 中心 部 が 単一 的 で あ り,あ る 程 度 の 集 積 の 経 済 と関 わ る集 積 水 準 は駅 の数 お よ び路 線 数 に比 例 す る と考 え,市 内 に お い てJR以 外 で 私鉄,市 電 な どを 含 めて3路 線 以Lを 有 して い る都 市 で か つ ビ ジネ ス と観 光 と の観 点 か ら人 口規 模100万 以 上 で あ る札 幌 市,横 浜 市,名 古 屋 市,京 都 市,神 戸 市 お よ び 福 岡 市 の 各都 市 に お け る ビジ ネ ス お よ び観 光 ホ テ ル を対 象 に して,ヘ ドニ ッ ク ・プ ラ イ スモ デ ル を 応 用 す る。 そ の際,限 界 効 用 が一 定 の ケ ー ス,限 界 効用 逓 増 の ケ ー ス,お
よ び 限界 効 用 逓 減 す る ケ ー ス,多 重共 線 性 を 考慮 した ケ ー ス に つ い て そ れ ぞれ 分 析 を行 い,そ れ ぞ れ適 合度 の 高 い ケ ー ス が採 用 され,そ の ケ ー スに お い て,宿 泊旅 行 者 の ホ テ ル サ ー ビ スお よ び ホ テ ル 周辺 の 集 積 水 準 な どに 対 す る 限 界 イ ンプ リ シ ッ ト価 格 を導 出 す る。 最 後 に 各 都 市 に お け るホ テ ル
の特 性 を考 察 し,都 市 間 の特 性 を比 較 す る。
皿 ホ テ ル の ヘ ドニ ッ ク ・プ ラ イ ス モ デ ル
こ こで は,旅 行 者iの ホテ ル に 関 す る効用 水準 は部 屋 の スペ ー スの選 択, ホ テ ルか らの景 観 駅 か らの ア クセ ス,お よ び駅 周 辺 の集 積 水 準 か ら成 る もの とす る と して,ヘ ドニ ッ ク ・プ ラ イ ス モ デ ル を 限 界 効 用一 定,限 界 効 用 逓 増 お よ び 限 界 効 用 逓 減 の パ タ ー ン と多 重 共 線 性 を考 慮 して,以 下 の4 つ の ケ ー ス につ い て分 析 を行 い,最 も適 合度 の 高 い 関 数 が採 用 され る。 ま
た 各 関数 は,ホ テ ル料 金 を被 説 明 変数 と して,ホ テ ル の スペ ー スの 選 択 機
1)こ こ で の 旅 行 者 は,宿 泊 旅 行 者 を 指 し,観 光 と ビ ジネ スの そ れ ぞ れ の 目的 を有 して い る。
一2一
2
ホテル立地か らみたサー ビス,時 間距離お よび集積 に関す る経済 評価
会 と して 部屋 数,景 観 水 準 と して の ホ テ ル の 高 さ(階 数),ホ テ ル の サ ー ビ ス,最 寄 り駅 か らの 時 間 距 離,お よ び最 寄 り駅 周 辺 の 集 積 水 準 と して 路 線 数 を 説 明 変 数 と して 推 計 され る。
ケー ス(a)限 界 効 用一 定 を 考 慮 した 線 形 モ デ ル
P=a+bR+cH+dS+eT+fA (1)
ケ ー ス(b)限 界効 用 逓 増 を考 慮 した 非線 形 モ デ ル
P一 α+わR2+C〃2+dS2+2T2+fAz (2)
ケ ー ス(c)限 界 効 用 逓 減 を考 慮 した2重 対数 線 形 モ デ ル
logP=α 十blogR十clogH十dlogS十elogT十flog/1(3)
た だ し,P:ホ テ ル 料 金,R:部 屋 数,H:ホ テ ル の 高 さ(階 数),S:ホ テ ル の サ ー ビ ス 水 準,T:最 寄 り駅 か ら の 時 間,A:ホ テ ル 周 辺 の 集 積 水 準,α,b,c,d,eお よ び.f:係 数
ケ ー ス(d):多 重 共 線 性 を 考 慮 した ヘ ドニ ック ・プ ラ イ ス モ デ ル
こ こで は,都 市 に よ ってR,H,S,Tお よ びAが そ れ ぞ れ 相 関 が 強 い こ とが 予 想 され る た め,各 ケ ー ス の適 合度 が低 い場 合,す な わ ち推 計 時 の 多 重共 線 性 を考 慮 す る と,一 種 の2段 階 の最 小 二乗 法 を 採 用 す る た め に,ま ず 供 給 サ イ ドか らホ テ ル料 金 は建 設 費 と部屋 数 に比 例 的 で あ る と考 え て, 限 界 効 用 逓 減 の 仮 定 を 踏 まえ た 以 下 の 関 数 が 設 定 され る。な お,(b)の ケ ー スに お い て計 算 お よび 交 差弾 力 性 の解 釈 な どが難 し くな る ため に省 略 す る。
3‑3一
logP=a十blogR(4)
ま た,部 屋 数 は ホ テ ル の 階 数,ホ テ ル の サ ー ビ ス 水 準 と 周 辺 の 集 積 水 準 に よ っ て 決 定 さ れ る と す れ ば,
logR=c十dlogH十elogS十flogA(5)
で 表 さ れ る 。
ホ テ ル の サ ー ビ ス 水 準 お よ び 集 積 水 準 限 界 イ ン プ リ シ ッ ト価 格 は,推 計 さ れ た(4)式 に 推 計 さ れ た(5)式 を 代 入 す る と,
logP=a十b(c十dlogH十elogS十flogA)
=a十bc十bdlogH十belogS十bflogA (6)
こ こ で,(6)式 に お け る 係 数 の 意 味 を 考 え て み よ う 。 ま ず 旅 行 者 の 宿 泊 に 関 す る 効 用 関 数 を 以 ドの よ う に 表 す 。
u=u(Z,S,A)(7)
ま た,予 算 制 約 式 は,
y=PzZ十P(S,A)(8)
で 表 さ れ る 。 た だ し,y:旅 行 予 算,P,:旅 行 合 成 財 価 格,Z二 旅 行 合 成 財2に こ で,ラ グ ラ ン ジ ュ 乗 数 λ を 用 い て 予 算 制 約 の も と で 効 用 最 大 化 を
2)こ こ で は,旅 行 に 関 す る 消 費 財 の バ ス ケ ッ トを 指 す 。
‑4一 4
ホ テ ル 立地 か らみ た サ ー ビ ス,時 間 距 離 お よ び 集 積 に 関 す る経 済 評 価
考 え る と,ホ テ ル サ ー ビ ス お よ び ホ テ ル 周 辺 の 集 積 水 準 の 限 界 イ ン プ リ シ ッ ト価 格 は そ れ ぞ れ,
÷ 器 一aPas(9)お よ び ÷ 藷 一aPas(1・)
で 表 さ れ る 。 さ ら に 旅 行 者 の 限 界 効 用 逓 減 を 仮 定 す る と一 般 に 以 下 の2重 対 数 線 形 の 予 算 制 約 式
logy=logPAZ十logP(S,A)(11)
で 表 さ れ る こ と か ら,ホ テ ル 料 金 に つ い て(6)式 に 着 目 す る と,こ の 場 合 で の ホ テ ル サ ー ビ ス お よ び ホ テ ル 周 辺 の 集 積 水 準 の 限 界 イ ン プ リ シ ッ ト 価 格 は そ れ ぞ れ,
÷ 器 一aP=aas・PSお よ び ÷ 藷 一aPaA一 βη晋
で 表 され る。 な お,上 記 関数 の適 合性 に 関 す る推 計 方 法 につ いて は付 録 を 参 照 せ よ。
皿 実 証 分 析
上 記 の 各 モ デ ル を札 幌 市,横 浜 市,名 古 屋 市,京 都 市,神 戸 市 お よ び福 岡市 の6大 都 市 の ホ テ ル に 応 用 す る と,相 関 係 数 お よ びt値 を 考 慮 して以 一 ドの分 析 結 果 が 得 られ た
。 た だ し,こ こで は 『ホ テ ル ガ イ ド全 国 版 』 昭 文 社,2001年 に 掲 載 さ れ て い る ホ テ ル31を 研 究 対 象 と して,ホ テ ル の サ ー
3)こ こで の ホテ ルは 駅 か ら歩 いて 行 け る範 囲(15分 以 内)に あ る。
5‑5一
ビ ス に つ い て は そ こ で の デ ー タ に も と つ い て,① レ ス トラ ン ・バ ー,② 喫 茶 ・ラ ウ ン ジ,③ ル ー ム サ ー ビ ス,④ 売 店 ・自 販 機,⑤ 会 議 室,⑥OAサ ー ビ ス,⑦ ク リー ニ ン グ,⑧ コ イ ン ラ ン ド リー,⑨ サ ウ ナ,⑩ 駐 車 場,の 有 す る 数 を サ ー ビ ス 水 準 と し た 。 ま た 企 業 や 商 店 な ど の 集 積 水 準 は 最 寄 り駅 の 路 線 数 に 比 例 的 と 考 え て,各 ホ テ ル か ら最 も 近 い 駅 の 路 線 数Pを 集 積 水 準 と し た 。
1札 幌 市 の ホ テ ル(サ ン プ ル 数=78)
各 ケ ー ス の う ち ケ ー ス(a),(b)お よ び(d)の 適 合 度 が 比 較 的 高 い51。
(1)‑1:ケ ー ス(a)の 推 計 結 果
P=2535.19+1078.55S+420.35T‑1210.96、4(相 関 係 数=0.42) U.06)(2.34)(1.96)(‑2.06)
(1)‑2:ケ ー ス(a)の 限 界 イ ン プ リ シ ッ ト価 格
aPaPaPP
S=asニ1079,PT=∂T=420お よ び2・=as=‑1211
(2)‑1:ケ ー ス(b)の 推 計 結 果
P=4373.68+81.05S2+39.39TZ(相 関 係 数=0.43) (324)(2.74)(2.22)
(2)‑2:ケ ー ス(b)の 限 界 イ ン プ リ シ ッ ト価 格
平 均 料 金:8770円,平 均 部 屋 数:202,ホ テ ル サ ー ビ ス7,平 均 時 間:
4)た だ し,方 向 が 同 じ く駅 を通 過 す る路 線 で,路 線 名 だ け が 異 な る もの は1つ と した 。 また,近 隣 の 駅 で 分 岐 す る路 線 につ い て は含 まれ て い な い。
5)こ こで は,各 係 数 のt値 が2以 上 で あ り,相 関 係 数 が3以 上 の 関 数 が 示 され る。(以 下 同様)
一6一 6
ホ テ ル 立地 か らみ た サ ー ビ ス,時 間 距 離 お よ び集 積 に 関 す る経 済 評 価
3.8分,平 均 路 線 数:2か ら,
亮 = aPaP
as=ll35お よ びP・=∂T=299
(3)‑1:ケ ー ス(d)の 推 計 結 果
logP=7.7十 〇.2510gR
(20.54)('1.9)
(相 関 係 数=o.32)
お よび
logR=3.14十1.0710gS (7.'18)(4.61)
(相 関 係 数=0.48)
(3)‑2:ケ ー ス(d)の 限 界 イ ン プ リ シ ッ ト価 格
PSas‑0.27saPP
平 均 料 金:8770円,平 均 部 屋 数:202,ホ テ ル サ ー ビ ス7,平 均 時 間 3.8分,平 均 路 線 数:2
興=338
2横 浜 市 の ホ テ ル(サ ン プ ル 数=40)
各 ケ ー ス の う ち ケ ー ス(a),(b)お よ び(c)の 適 合 度 が 比 較 的 高 い 。 (1)‑1:ケ ー ス(a)の 推 計 結 果
P=‑9653.14十21.24R十1788.37S十864.87T (‑1.7)(4.68)(2.34)(3.64)
(相 関 係 数=0.74)
7 一7一
(1)‑2:ケ ー ス(a)の 限 界 イ ン プ リ シ ッ ト 価 格
aPaPaPP
R=ax‐21,Ps=∂S=1788お よ び 島=∂T=865
(2)‑1:ケ ー ス(b)の 推 計 結 果
P=‑482.24+0.02R1+155.67S2+70.36Tz(相 関 係 数=0.68) (…1.7)(3.49)(2.45)(2.97)
(2)‑2:ケ ー ス(b)の 限 界 イ ン プ リ シ ッ ト価 格
平 均 料 金:11865円,平 均 部 屋 数:195,ホ テ ル サ ー ビ ス:7,平 均 時 間:
5.1分,平 均 路 線 数:3か ら,
aPP
R‐ax‑8,Ps‑aP=2179asお よ びaPPT‐aT‑718
(3)‑1:ケ ー ス(c)の 推 計 結 果
logP=5.69+0.310gR+0.9210gS+0.2110gT(相 関 係 数=0.68) (7.82)(3.6)(2.59)(2.89)
(3)‑2:ケ ー ス(c)の 限 界 イ ン プ リ シ ッ ト価 格
こ こ で は 集 積 水 準 のt値 が 低 い た め に 除 い て 推 計 さ れ た 。
aPP̲aP̲̲̲PaPP
∂R=0.3R,PS=as=0・92Sお よ びPT=∂7,=0.217,
PK=
平 均 料 金:11865円,平 均 部 屋 数1195,ホ テ ル サ ー ビ ス:7,平 均 時 間:
5.1分,平 均 路 線 数:3か ら,
PR=18,P,=1559お よ びPT=489
‑88
ホ テ ル 立 地 か らみ た サ ー ビ ス,時 間 距 離 お よ び集 積 に関 す る経 済 評 価
3名 古 屋 市 の ホ テ ル(サ ン プ ル 数=85)
各 ケ ー ス の う ち ケ ー ス(c)の 適 合 度 が 比 較 的 高 い 。 (1)推 計 結 果
logP=7.53+0.・:(相 関 係 数:0.45) (24.73)(4.54)
お よ び
logR=2.78+1.0610gS+0.2710gA(相 関 係 数:0.44)
(5.34)(4.03)(2.94)
(2)限 界 イ ン プ リ シ ッ ト価 格 関 数
aPP.̲..̲aP‑一 一P
PS=as=0.3Sお よ びP,,=as=11:
平 均 料 金:8041円,平 均 部 屋 数:179,ホ テ ル サ ー ビ ス:6,平 均 時 間 3.6分,平 均 路 線 数:4
Ps=402,お よ び 君1=161
4京 都 市 の ホ テ ル(サ ン プ ル 数=68)
各 ケ ー ス の う ち ケ ー ス(c)の 適 合 度 が 比 較 的 高 い 。 (1)ケ ー ス(c)の 推 計 結 果
logP=7.85+0.2310gR(相 関 係 数:0.54) (34.83)(5.16)
お よ び
9 一g一
logR=1.02+2.0410gS十 〇.310gA(相 関 係 数:0.64)
(1.44)(5.34)('1.86)
(2)ケ ー ス(c)の 限 界 イ ン プ リ シ ッ ト価 格 関 数
aPP
S‐as‑0.47Sお よ び 馬 器 一 〇.・7PA
平 均 料 金:8606円,平 均 部 屋 数:190,ホ テ ル サ ー ビ ス:7,平 均 時 間3.
9分,平 均 路 線 数:2
Ps=1229,お よ び24=301
5神 戸 市 の ホ テ ル(サ ン プ ル 数=40)
各 ケ ー ス の う ち ケ ー ス(c)の 適 合 度 が 比 較 的 高 い 。 (1)ケ ー ス(c)の 推 計 結 果
logP=8.02+0.1910gR(相 関 係 数:0.5) (29.6)(3.53)
お よ び
logR=2.62+1.3110gS(相 関 係 数:0.52)
(4.26)(3.8)
(2)ケ ー ス(c)の 限 界 イ ン プ リ シ ッ ト価 格 関 数
PS=aS=0.25S
aPP平 均 料 金:8213円,平 均 部 屋 数:183,ホ テ ル サ ー ビ ス:6,平 均 時 間5.
1分,平 均 路 線 数:4
‑10‑10
ホ テ ル 立 地 か らみ た サ ー ビ ス,時 間 距 離 お よ び 集積 に関 す る経 済 評 価
PS=342
神 戸 市 の ケ ー ス で は 集 積 水 準 に 対 す るt値 が2以 下 で 低 か っ た た め に,こ の 変 数 を 本 モ デ ル か ら除 外 し た 。 こ れ は,路 線 数 を 集 積 水 準 と して い る た め に 神 戸 ポ ー トラ イ ナ ー 沿 い に 比 較 的 規 模 の 大 き な ホ テ ル が 立 地 して い る
こ と に よ る 。
6福 岡 市 の ホ テ ル(サ ン プ ル 数=63)
各 ケ ー ス の う ち ケ ー ス(a)(b)お よ び(c)の 適 合 度 が 比 較 的 高 い 。 (1)‑1:ケ ー ス(a)の 推 計 結 果
P=2801.98+934.83S‑175.84T(相 関 係 数=0.56)
(2.14)(4.93)(…L92)
(1)‑2:ケ ー ス(a)の 限 界 イ ン プ リ シ ッ ト価 格
aPaPP
S=as=935お よ びPT=∂T=‑176
(2)‑1:ケ ー ス(b)の 推 計 結 果
P=4675.02+84.33S1+11.39T'(相 関 係 数=0.59)
(6.09)(5.37)(‑L8)
(2)‑2:ケ ー ス(b)の 限 界 イ ン プ リ シ ッ ト価 格
平均 料 金:7945円,平 均 部 屋 数:230,ホ テ ル サ ー ビ ス:6,平 均 時 間:4.
5分,平 均 路 線 数:3
aPaP
= 鳥
as=1012お よ びPT=∂T=‑103
11
一11一(3)‑1ケ ー ス(c)の 推 計 結 果
logP=7.37+0.2110gR+0.3210gS+0.1210gT(相 関 係 数=0.63)
('10.8)(3.02)(3.13)(‑2.96)
(3)‑2ケ ー ス(c)の 限 界 イ ン プ リ シ ッ ト価 格 関 数
Pk=aR=0.21R,Ps‑0.32Sお よ びPT‑aPaT‑‑0.12T
平 均 料 金:7945円,平 均 部 屋 数230, 5分,平 均 路 線 数:3
ホ テ ル サ ー ビ ス:6,平 均 時 間:4.
Pk=7,PS=424お よ びPT=‑212
rv結 果 の 考 察
まず,表1お よ び表2か ら都 市別 の限 界 イ ンプ リ シ ッ ト価 格 に つ い て は 以 下 の よ う に考 察 され る。
(1)札 幌 市 につ いて は,表1か ら他 の大 都 市 と比 較 す る と比 較 的 高 い 料 金 で,部 屋 数 が 多 く,ホ テ ル の サ ー ビス水 準 も高 い ホ テ ル を有 して い る。
ま た図1か ら駅 周 辺 に関 わ らず 比 較 的 均 等 に立 地 して い る傾 向 に あ る。
表2か ら 限 界 効 用 の一 定 の ケ ー ス(a)お よ び 逓 増 の ケ ー ス(b)で は ホ テ ル サ ー ビス に対 す る限 界 評 価 額 は あ ま り変 わ らな い が,限 界効 用逓 減 の ケ ー ス(d)で は 極 端 に低 くな る。(約3分 の1)ま た時 間距 離 に 対 す る限 界 評 価 額 は ケ ー ス(b)よ り も ケ ー ス(a)の 方 が 大 き い 。 さ ら に,ケ ー ス(a)で は集 積 水 準 につ て の 限界 評 価 額 は か な り低 い。 一 方, 限 界 効 用 の 形 態 に 関 わ らず 部 屋 数 に つ い て は 有 意 な 水 準 は得 られ な か っ
一12一
12
ホ テ ル 立地 か らみ た サ ー ビス,時 間 距 離 お よ び集 積 に関 す る経 済 評 価
表1都 市別 データの平 均値および標準偏差
札 幌市 横浜市 名古屋市 京都市 神戸市 福 岡市
ホ テ ル 料 金 8770 11865 8041 8606 8213 7945 (標 準 偏 差) 4518.1 7535 4425.2 3576.9 2646.16 3030.5部屋数
202 195 179 190 183 230(標準偏差)
145.69 190.62 129 141.08 152.95 168.65ホ テ ル サ ー ビ ス
7 7 6 7 6 6(標 準 偏 差) 1.38
1.1
1.31 1.12 1.62 1.71時間距離
3.8 5.1 3.6 3.9 5.1 4.5(標 準 偏 差) 2.39 3.38 2.3 3.33 3.79 3.53
路 線数 2 3 4 2 4
3
(標 準 偏 差) 0.88
1.77 2.37
.. 2.651.27
注)時 間 距 離 の 単 位 は分 で あ る。 ま た,イ タ リ ックの 数 字 は 上 記 変 数 の 標 準 偏 差 を 指 す。
表2都 市 別 の限 界 イ ンプ リ シ ッ ト価 格(円)
札幌 市 横浜 市 名古屋市 京都市 神戸 市 福 岡市
(a)部 屋 数
218(b)部屋 数 8
(cXd)部 屋 数
187
(a ホ テ ル サ ー ビ ス
1079 .. 935(b)ホ テ ル サ ー ビ ス 1135
2179 1012(cXd)ホ テ ル サ ー ビ ス 338 1559
402 1229 342 424(a}時間距 離
420 865
一176(b}時間距 離 299 718 一103
(cXd時 間距 離 489 一212
(a)路 線 数
一1211 (b)路線 数(cXd)路 線 数
161 301注1)空 白 の 部 分 に つ い て は,相 関 係 数 の低 い 関 数 や 多 重 共 線 性 の た め に 適 合 度 が 低 い 変 数 を 除 外 した こ と に よ る。 ま た部 屋 数 に つ い て は,ケ ー ス(d)と そ れ 以 外 の ケ ー ス で は,モ デ ル の 解 釈 が 異 な るた め に掲 げ られ て い な い。
2)上 記(a),(b),(c)お よび(d)は それ ぞ れ 限 界 効 用 タ イ プの ケ ー ス に対 応 して い る。 た だ し,(c)お よ び(d)は,と も に 限 界 効 用 逓 減 の ケ ー ス で あ る た め に 一 緒 に 掲 げ られ て い る。
13 一13一
1 一 心 ー r 4
注)Hは ホ テ ル を,一 は鉄 道 を,一 一 一 は地 下 鉄 を,● は駅 を そ れ ぞ れ 示 す。(以 下 の 図 同 様) 図1札 幌 市 に お け る 主 要 観 光 ホ テ ル立 地 図
ホ テ ル立 地 か らみ た サ ー ビ ス,時 間距 離 お よ び 集 積 に 関 す る経 済 評 価
た。
こ れ らの こ とか ら,部 屋 の スペ ー スに 対 す る選 択 肢 ま た は 景観 と して 代 表 さ れ る で あ ろ う部屋 数 に つ い て は 限 界 評 価 額 は有 意 で な く,ホ テ ル サ ー ビス に 対 して比 較 的 大 き く評 価 され,特 に限 界 効 用 一 定 の旅 行者 に つ いて は駅 か らの時 間 や路 線 数 と して の 集積 水 準 は負 に評 価 され て い る。
この こ とは,札 幌 を 訪 れ る旅 行 者 の 多 くは観 光旅 行 者 で札 幌 市 内 の 観 光 を 見 て 歩 くか,観 光 バ スま た は レ ンター カ ー に よ って観 光 す る行 動 が 見 て取 れ る。
(2)横 浜 市 に つ い て は,表1か ら他 の 大 都 市 と比 較 す る と最 も平 均 ホ テ ル 料 金 が 高 く,ホ テ ル 料 金 の バ ラ ツキ も大 きい 。 さ らに最 寄 り駅 か らの 平 均 時 間距 離 が神 戸 市 と同 様 に 長 い。 ま た 図2か ら比 較 的 横 浜 港 よ りに ホ テ ルが 立地 して い る傾 向 に あ る。 表2か ら各 ケ ー ス と もに部 屋 数,ホ テ ル の サ ー ビス,お よ び 時 間距 離 が そ れ ぞ れ 有 意 で あ り,部 屋 数 につ い て の 限 界 評 価 額 は ケ ー ス(a)と(c)は そ れ ほ ど変 わ らな いが,限 界効 用 逓 増 の ケ ー ス(b)で は 限 界 評 価 額 か な り低 くな る。 一 方 ホ テ ル サ ー ビ ス につ い て は ケー ス(b)が 最 も高 い 限 界 評 価 額 を 示 して い る。 また 時 間 距 離 に つ い て は ケ ー ス(c)が 最 も低 い もの の 最 寄 りの 駅 か ら離 れ る ほ ど限 界 評 価 額 が 高 くな る。
これ らの こ とか ら,ど の ケ ー ス に つ い て も景 観 水 準 と して の 部 屋 数 に 対 して 僅 か なが ら も限 界評 価 して お り,つ い で 横 浜 市 は東 京 都 心 部 に比 較 的近 い こ とか ら交 通 の 利 便性 が良 く,観 光 と して の需 要 が 高 い た め に, 旅 行 者 は駅 周 辺 の 集 積 水 準 か ら くる 集 積 の経 済 よ りも観 光 の ア メニ テ ィ を 享受 しよ う とす る た め,時 間距 離 に つ い て は 表1か ら他 の 大 都 市 と比 較 して 平均 の 時 間 距 離 が 最 も高 い と こ ろ か ら も分 か る よ う に,駅 か ら離 れ た 観 光 地(お そ ら く横 浜 港 周 辺)に 近 づ く こ とに 対 して あ る程 度 の 限 界 評 価 を 示 して い る と言 え よ う。 最 後 に 東京 経 由 の 国 外 観 光 旅 行 者 も見
15 一15一
r 一 Φ 1
﹂軌図2横 浜市 にお ける主要観光ホ テル立地 図
ホ テ ル 立地 か らみ た サ ー ビ ス,時 間 距 離 お よ び集 積 に関 す る経 済 評 価
込 ま れ る こ と も あ り6),ホ テ ル の サ ー ビ ス に 対 し て 最 も大 き な 限 界 評 価 が 示 さ れ た と考 え ら れ る 。
(3)名 古 屋 市 につ い て は,表1か ら他 の 大 都 市 と比 較 す る と最 も最 寄 りの 駅 か らの 平均 時 間距 離 が 短 く,最 も平 均 部 屋 数 が 少 な い。 一・ 方 比 較 的路 線 数 が 多 く,そ の バ ラ ツキ も大 きい 。 また 図3か ら比 較 的路 線 数 の 多 い 駅 が 見 られ,駅 周辺 に ホ テ ル が 立 地 して い る傾 向 に あ る。 表2か ら限 界 効 用 逓 減 の ケ ー ス(d)だ け が 有 意 な 限 界 評 価 額 を 示 して お り,そ の う ちホ テ ル サ ー ビ ス と駅 周辺 の 集 積 水 準 と して の 路 線 数 が 該 当 して い る。
これ らの こ とか ら,同 市 は 観 光 とい う よ りも ビジ ネ ス 中心 の旅 行 者 が 多 く,駅 周辺 の 集 積 の経 済 を 享 受 す る こ と と,ホ テル に お け る レス トラ ンや会 議 室 な どの必 要 性 が 限 界 評 価額 に反 映 して い る もの と考 察 され る。
(4)京 都 市 に つ い て は,表1か ら他 の 大 都 市 と比 較 す る と部 屋 数 の バ ラ ツ キ が最 も小 さい。 ま た 図4か ら ホテ ル は空 間 的 に均 等 に立 地 して い る よ うに 見 え る。 表2か ら名 古 屋 市 同 様 に限 界 効 用 逓 減 の ケ ー ス(d)だ け が 有意 な 限 界 評 価額 を 示 して お り,そ の う ち ホ テル サ ー ビス と駅 周 辺 の 集 積 水 準 と して の路 線 数 が該 当 して い る。
これ らの こ とか ら,同 市 は 精 密 機 器 な どの 製 造 も盛 ん で あ り,ビ ジネ スに 関 す る機 会 も多 い こ と,ま た 歴 史 的 観 光 資 源 が 市 内 お よ び そ の 周辺 部 に豊 富 に 立地 して い る こ とな どを 示 唆 して い る。 した が って,旅 行 者 に よ って は 観 光 サ ー ビ ス と ビ ジ ネ スの た め の サ ー ビス を強 く要 望 す る こ とか ら,ホ テ ル サ ー ビ ス に対 す る限 界 評 価 額 が 比 較 的高 く,つ い で 商 談 の た め には 集 積 水 準 の 高 い駅 周 辺 部 に対 して 限 界 評 価 額 が 有意 に 作 用 し
6)こ れ に つ い て は,神 頭(2001)で は国 外 観 光旅 行 者 に よ る大 都 市 の 体 験 ・観 光 が 強 く作 用 して い る主 成 分 に神 奈 川 県 が 含 ま れ て お り,そ こへ 訪 れ る の は東 南 ア ジア や フラ ンス の 観 光 客 が 関 わ って い る こ とを 示 唆 して い る。
17
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1 8
図3名 古屋市 にお ける主要観光ホテル立地図
ホテル立地からみたサービス,時間距離および集積に関する経済評価
区署 伺ミ 応艇 果 騒 臨州 ゆむ 紹"
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寸 図
19一19一
た も の と 考 え ら れ る。
(5)神 戸 市 に つ い て は,表1か ら他 の 大 都 市 と比 較 す る と路 線 数 が 多 い も の の 横 浜 市 と 同様 に最 寄 り駅 か らの平 均 時 間距 離 が最 も長 く,同 市 内 に お け る時 間 距 離 のバ ラ ツ キ も最 も大 き い。 ま た 図5か ら路 線 沿 い で,神 戸 港 周 辺 に ホ テ ルが 立 地 して い る傾 向 に あ る。 表2か ら名 古屋 市 お よ び 京 都 市 同 様 に限 界 効 用逓 減 の ケ ー ス(d)だ けが 有 意 な 限 界 評 価 額 を 示
して お り,そ の うち ホ テ ル サ ー ビス だ け が該 当 して い る。
これ につ い て は,同 市 は 大 阪 都心 部 に比 較 的近 く,交 通 の 利 便性 が 高 い駅 周 辺 よ り観 光 施 設 や 観 光 資 源 な ど が あ る海 岸 沿 い に高 級 な ホ テ ル (料 金 が 高 く,部 屋 数 が 多 い)が い くつ か 立 地 して い る こ と な ど に よ り, 部 屋 数,時 間距 離 お よ び路 線 数 が有 意 に作 用 しな か った と考 え られ る。
⑥ 福 岡 市 につ い て は,表1か ら他 の 大 都市 と比 較 す る と平 均 で は あ るが 最 もホテ ル 料 金 が低 く,ホ テ ル の サ ー ビス に対 して バ ラ ツキ が 見 られ る。
ま た 図6か らホ テ ル は沿 線 周 辺 に 見 られ る もの の比 較 的 空 間 的 に 均 等 に 立 地 して い る傾 向 に あ る。 表2か らケ ー ス(a),ケ ー ス(b)お よ び ケー ス(c)は そ れ ぞ れ ホ テ ル サ ー ビ ス に対 す る 限 界 評 価 額 高 く,時 間距 離 に対 して は マ イ ナ ス の 限 界評 価 額 が示 され て い る。 と りわ け ケ ー ス(a) の場 合 ホ テ ル サ ー ビス お よ び時 間距 離 に対 す る 限 界評 価 額 が そ れ ぞ れ最 も高 い。 ま た,ケ ー ス(c)に お いて は 部屋 数 に対 して 若 干 の 限 界 評 価 額 が 示 され て い る。
これ よ り,ホ テ ル の サ ー ビス と駅 へ の ア クセ ス が そ れ ぞ れ 限 界評 価 さ れ て い る こ とか ら福 岡市 へ は ビ ジネ ス の た め の旅 行 者 が 主 で あ る こ とが 考 察 され る。
一20一 20
ホテル立地からみたサービス,時間距離および集積に関する経済評価
区製 伺ミ 眺任 碧琿 聞州 ゆむ 紹12 脚 笹 低 ゆ 図 21
一21一
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図6福 岡市 における主要観光 ホテル立地図
ホテ ル 立地 か らみ た サ ー ビス,時 間 距 離 お よ び集 積 に 関す る経 済 評 価
(7)総 合 的 に は,① どの 限 界 効 用 形 態 で も部屋 数 に 対 して 限 界 評 価 が な さ れ て い るの は 横 浜 市 で あ り,観 光 サ ー ビス と して の 港 湾 の 景 観 が 関 わ っ て い るの で は な い か と考 察 され る。 ま た② ホ テ ル サ ー ビス に対 す る 限 界 評 価 に つ い て は ケ ー ス(a)お よ び(b)で は 比 較 的 高 い が,と りわ け 横 浜 市の ケ ー ス(b)が 最 も高 い。 ま た ケー ス(c)お よ び(d)で は比 較 的 他 の ケ ー ス よ りは低 い 限界 評 価 を 示 して い る。 ③ 時 間 距 離 につ い て は ケ ー ス(a)お よ び(b)で 札 幌 市,横 浜 市 お よ び 福 岡 市 に お い て 有 意 な 限 界 評 価額 が 示 され て い る。 た だ し,福 岡 市 は マ イナ スの 方 向 に評 価 され て お り,同 市 は ビ ジ ネ スが 主 で交 通 の 利 便性 に 引 っ張 られ,札 幌 市 お よ び横 浜 市 は 観 光 資源 の方 向 に引 っ張 られ て い る こ とが うか が え る。
限 界 評 価 額 を比 較 す る と,特 に横 浜 市 は そ の傾 向 が 強 い よ う に見 え る。
④ 集 積 水 準 と して の 路 線 数 に つ い て は,ケ ー ス(a)で は札 幌 市 だ けが 限 界 評 価 額 が示 され て お り,同 市 の 他 の 限 界 評 価 額 の 中 で は 絶 対 値 と し て は最 も高 い。 この こ とは 同 市 に お い て 観 光 資 源 が均 等 に 立 地 して い る か,バ ス ま た は車 利 用 の 観 光 が 多 い か に よ る もの と 考 え られ る。 また,
ケー ス(d)で は名 古 屋 市 お よ び 京 都 市 に お い て 有 意 な 限 界 評 価 額 が 示 され て い る。 それ ぞれ ホ テ ル サ ー ビ スの 約4分 の1で あ る。 名古 屋 市 は ビジ ネ ス,京 都 市 は観 光 と ビ ジネ スが駅 周 辺 の 集 積 水 準 に 関 わ って い る こ とを 示 唆 して い る。
Vお わ り に
こ こで は,比 較 的 人 口規 模 が 大 き く,都 心 部 に路 線 が 集 中 して い る わ が 国 の6つ の 大 都 市 を 対 象 にヘ ドニ ッ ク ・プ ラ イ スモ デ ル を 応 用 した。 そ の 結 果,各 都 市 の 厳 密 に は 都 心 部 が 有 して い る特 徴 が旅 行 者 の 限 界 評 価 額 か ら考 察 す る こ とが で きた。 と りわ け名 占屋 市,京 都 市 お よ び 神 戸 市 で は比 較 的 ホ テ ル サ ー ビス が 評 価 され て い る こ と,全 体 と して横 浜 市 に お いて は
23 一23一
限 界効 用 逓 増 タ イ プ の 関数 の適 合度 が 高 く,他 の 都 市 で は 限 界 効 用逓 減 の タ イ プ の適 合 度 が比 較 的 高 か った こ とな どが分 か った。
今 後,旅 行 者 の効 用 関 数 を トラ ンス ログ 型 な ど に つ い て も分 析 を 行 い, 国 際 都 市 を 対 象 に して ホ テ ルの 限 界 イ ンプ リシ ッ ト価 格 を推 計 す る こ と に よ って,国 際 間 の ホ テル 環 境 の 評 価 を分 析 す る こ とが 今 後 の課 題 で あ る。
実 際 観 光 ホ テル よ ビジ ネ ス ホ テ ル を分 け る こ とが 難 しい。
本 論 文 は愛 知 大 学 研 究 助 成 を受 け た。 ま た拙 著 『 駅 の空 間経 済 分 析 』 の 一 部 につ い て も同大 学 の研 究 助 成 を受 け た こ と を記 して お く 。
付 録:ヘ ドニ ッ ク ・プ ラ イ ス モ デ ル に 関 す る 適 合 度 の 推 計 方 法
一 般 に ヘ ドニ ッ ク ・プ ラ イ ス モ デ ル に 関 す る 適 合 度 はBox‑Coxモ デ ル に よ っ て 説 明 さ れ る 。
ま ず,つ ぎ の 関 数 が 設 定 さ れ る 。
Ya‑1 λ
一 α+β( xl‑1
λ
)+・iた だ し,λ=1の 時,Y‑1=α+β(X、‑1)+ε, (1)
で あ り,(1)式 は 線 形 の 推 計 モ デ ル を 示 し て い る 。 し か し,λ=0の 時, 耳λ一1/λ は 不 定 の よ う に 見 え る が,つ ぎ の よ う にYaに 対 し て テ ー ラ ー 展 開 を 試 み る こ と が で き る 。
罵λ一 ・xp(λ1・gY)‑1+λ1・gY+(12)(λ1・gY)2+…
こ れ は ま た,
一24一
24
ホ テ ル 立 地 か らみ た サ ー ビ ス,時 間 距 離 お よ び集 積 に関 す る経 済 評 価
㌃Ll・gY+(2)(1・gY)・+…
で 表 さ れ る 。 ま た,λ=0に 対 して,
耳 λ一1=logY λ
と な る 。 し た が っ て,λ=0の 時Box‑Coxモ デ ル は
logY=α+/310gXt+E̲ (2)
で 表 さ れ る 。 こ こ で,つ ぎ の 最 尤 推 定 法 を 用 い る こ と に よ っ て,λ=0お よ び λ=1の 時 の 最 尤 値 を 比 較 し て(1)お よ び(2)式 の ど ち ら が ベ ス
トで あ る か を 決 め る こ と が で き る 。
L‑(λ 一1)ΣlogY‑(N2)lo9(2π)一(N2)lo9(σ2)
1
2Q2Σ[】 グf'一 α一X]2
(3)
一 方 ,(1)お よ び(2)式 共 に最 小 二 乗法 を 用 い て係 数 を 推 計 で き るが, (1)お よ び(2)式 の ど ち らが ベ ス トで あ るか を 決 め る場 合,変 数 を 正 規 化 す る必 要 が あ る。 こ こ で は幾 何 平均 を 用 い て 正 規 化 す る と,
(logY,) logYx=N
正 規 化 され た 変 数 は,
25
一25一
琴1一
で 表 さ れ る 。 こ こ で 誤 差 の 正 規 分 布 を 仮 定 す る と,(1)お よ び(2)式 は そ れ ぞ れ
耳'=α'+β'Xノ+ε ノ(4)
お よ び
logY"=a+(310gXt'+E(5)
で 表 さ れ る。 す な わ ち(4)お よ び(5)式 は,直 接 比 較 す る こ と が で き る 。 な ぜ な ら ば,
ΣIOg}r一 Σ(109}つ 一 Σ[IOgθ Σ(1°K}7)!N]
一 Σlo9}ト ノVΣl°gY N‑0(6)
で あ る こ と か ら,非 線 形 の 場 合(3)式 の 右 辺 の 第1項 は ゼ ロ で あ り,線 形 の 場 合 で あ っ て も λ=1の た め に,そ れ は ゼ ロ と な る 。 し た が っ て, そ れ ら の 比 較 は 最 小 平 方 誤 差,決 定 係 数 に よ っ て ベ ス トな 関 数 が 決 定 さ れ る 。 上 記 の 説 明 に つ い て は,Pyndyckお よ びRubinfeld(1991)に し た が っ て い る 。
一26一
26ホ テ ル立 地 か らみ た サ ー ビス,時 間 距 離 お よ び集 積 に関 す る経 済 評 価
参 考 文 献
Diamond,D.B.,Jr.,TheRelationshipbetweenAmenitiesandUrbanLand Values,LandEconomics,56,pp.1‑32,1980.
Diamond,D.B.,Jr.,andTolley,G.S.,TheEconomicsofUrbanAmenities, AcademicPress,1982.
Harrison,D.Jr.andRubinfeld,D.L.,HedonicHousingPricesandthe DemandforCleanAir,JournalofEnvironmentalEconomicsand Management,5,pp.81‑102,1978.
Johanson,P.O.,Cost‑BenefitAnalysisofEnuironm,entChange,Cambridge UniversityPress.,1993.
Kolstad,C.D.EnvironmentalEconomics,OxfordUniversityPress,1999(細
江 守 紀 ・藤 田 敏 之 監 訳 『環 境 経 済 学 入 門 』 有 斐 閣,2001年) Pyndyck,R.S.andRubinfeld,D.L.EconometricModelsandEconomic
Forecast,3rded.,McGraw‑Hill,Inc,1991.
Qigley,J.L.,NonlinearBudgetConstraintsandConsumerDemand:An ApplicationtoPublicProgramsforResidentialHousing,JournalofUrban Economics,12,pp.177‑201,1982.
Rosen,S.,HedonicPricesandImplicitMarkets:ProductDifferentiationin PerfectCompetition,Journal(ゾPoJὲεcαZEcoηo而cs,82,pp.34‑55,1974.
Smith,B.,MeasuretheValueofAmenities,JournalofUrbanEconomics,5, pp.370‑387,1978.
神 頭 広 好 「第3一 章 観 光 立 地 と 空 間 行 動 」(西 岡 久 雄 編 『観 光 と 地 域 開 発 』 内
外 出 版,1996年)
神 頭 広 好 『都 市 と 地 域 の 立 地 論 』 古 今 書 院,2001年
神 頭 広 好 「国 際 交 流 に 関 す る 動 向 分 析 一JNTO国 際 観 光 白 書2001年 版 を 参 考 に
し て 」 第84回 日 本 観 光 学 会 発 表 論 文,2001年,12月