[1,2)
上のベータ変換により生成される 非再帰型擬似乱数の分布の研究
三重大学大学院教育学研究科 理数・生活系教育領域
西村美穂
2014年2月13日
目 次
1 序論 4
1.1 エルゴード性 . . . . 4
2 実数表現とそれらのエルゴード的な性質 6
2.1 f-展開の導入 . . . . 6 2.2 f-展開と諸定理 . . . . 7
3 β-展開と不変測度 8
4 Linear mod 1 変換 14
5 hβ,{β}の積分 23
5.1 k= 0のとき. . . . 24 5.2 k= 1のとき. . . . 25 5.3 k= 2のとき. . . . 30
序文
この論文では,([0,1)上の)β変換を拡張した[1,2)上のβ変換により生成される乱数の分布に ついての解析を行っている.[1,2)上のβ変換は,([0,1)上の)linear mod 1変換の特別な場合と して捉えられるが,β変換,linear mod 1変換はR´enyiやParryなど様々な数学者により研究さ れている.本論文ではこれらの研究結果を用いて乱数の分布を解析しようとするものである.本論 文の構成は以下のとおりである.
第1章では,序論として本論文を読み進めるにあたって必要な用語の定義を述べている.
第2章では,f-展開の定義やf-展開可能な条件について述べている.
第3章では,f-展開の考え方を用いたβ-展開とそれに伴うβ変換について述べ,β変換の不変 測度について新たにPerron-Frobenius作用素の不動点の概念を用いた直截的な証明を行っている.
第4章では,第3章で述べた不変測度についての証明をlinear mod 1変換に拡張して証明をし ている.
第5章では,乱数の分布を具体的な関数で表現するための解析を行っている.具体的には,各β に対して無限級数で表現される不変測度について,有限和をとり,それを正規化した関数を考え,
さらにその関数をβについて平均する.そしてこの関数と実際の乱数分布との比較を行っている.
最後に,本論文の作成にあたり指導してくださった谷口礼偉特任教授,そして6年間共に研鑽し 合った研究仲間の山口知也氏に深い感謝をし,序文とする.
1
序論
1.1 エルゴード性
Xを集合とする.写像T が∀x∈ Xに対して,T(x)∈X を満たすならば,T は変換(trans- formation)と言われる.T :X −→Xを変換とする.全単射である変換を可逆変換(invertible transformation)という.集合{Tn(x)}n≥0をxの正軌道と呼ぶ.また,Tが可逆変換のときx の全軌道{Tn(x)}∞n=−∞を考える.変換T :X −→Xに対して,∃n, Tn(x) =xならば,その点x を変換T の下での周期点と呼ぶ.そして,その整数nをxの周期と呼ぶ.言い換えると,最小周 期はそのような整数nの中で最も小さい整数である.全ての点がTの周期点であれば変換Tを周 期変換と呼び,全ての点が同じ周期を持てば狭義周期的であるという.
(X,S, µ)を測度空間とする.変換T :X −→X が,∀A∈ S, T−1(A)∈ Sを満たすならば,T を可測変換(measurable transformation)と言う.そして,可逆変換T についてT とT−1が 可測ならばTを可逆可測変換(inverse measurerable transformation)と言う.また,Tが可 測で,
∀A∈ S;µ(T−1(A)) =µ(A)
が成り立つばらば、変換Tは保測(measure-preserving)と言われる.このような場合,µをT に対する不変測度(invariant measure)と言う.このように,保測変換は可測である必要がある が,可測性を強調するために変換が可測かつ保測と記述することもある.可逆保測変換(invertible measure-preserving)は保測である可逆変換である.
T :X −→Xを変換とする.A⊂Xが,
∀x∈A;T(x)∈A
を満たすならば,Aを正不変(positively invariant又はpositively T-invariant)という.
Aが正不変のとき,T をAに制限すれば,Aに関して,T : A −→ Aが定義される.変換T をAに制限したものがAの変換となるならば,Aは正不変集合である.特にT−1(A) =A,つま りx∈A⇔T(x)∈Aならば,集合Aは,strictly T-invariantである.エルゴード理論では,
strictly invariant setを単にinvariant又はT-invariantと呼ぶ.
保測変換Tがstrictly T-invariantである集合Aに対していつでもµ(A) = 0又はµ(Ac) = 0を 満たすならば,保測変換T はエルゴード的(ergodic)であるという.
定理 1.1 (Birkhoff). Tがエルゴード変換のとき,可積分関数f に関して,
lim
N→∞
1 N
N∑−1 n=0
f(Tn(x)) =
∫
X
f(x)dµ a.e. x が成り立つ.[3]
A⊂Xに対して,
IA(x) =
1 (x∈A) 0 (x /∈A)
を満たす関数IAを集合Xにおける部分集合Aの特性関数と呼ぶ.Birkhoffのエルゴード定理で f(x) =IA(x)とおくと,
nlim→∞
1
N♯{n∈Z|Tn(x)∈A,0≤n≤N−1}=µ(A)a.e. x
を得る.これは,ほとんど全てのxに対して{Tn(x)}∞n=0の分布がµで記述されることを示して いる.したがって,T がエルゴード的なとき{Tn(x)}∞n=0の分布を知るためには,Tの不変測度µ を求めれば良いことが分かる.
2
実数表現とそれらのエルゴード的な性質
2.1 f-展開の導入
非負実数xをある単調な非負関数y=f(x)を無限に反復させることによって, x=ε0+f(ε1+f(ε2+· · ·)) (εnは非負の整数)
と表現することについて考える(f-展開).この表現では,桁部分εn =εn(x) (n∈N∪ {0})とそ の余り
rn(x) =f(εn+1+f(εn+2+· · ·)) は,次の帰納的な関係で定義される.
ε0(x) = [x] , r0(x) ={x}
εn+1(x) = [φ(rn(x))] , rn+1(x) ={φ(rn(x))}.
ただし,[x]はxの整数部分,{x}はxの小数部分,x=φ(y)はy=f(x)の逆関数とする.例え ば,f(x) = 1xとすると,
√2 = 1 + (f(2 +f(2 +f(2 +· · ·))))
= 1 + 1
2 + 2+11 2+···
と表現される(連分数展開).本論文ではfが単調増加である場合を扱う.
f(x)を定義域が∪k
i=0[ai, bi) (
k≥1,[ai, bi)⊂[i, i+ 1),∪k
i=0[ai−i, bi−i) = [0,1)
),値域が[0,1) となるような狭義単調増加関数とする.Tをf(x)の集まりとする.X = [0,1),BをX上のBorel 集合族,λをLebesgue測度,f ∈Tに対して,
T(x) =f−1(x) mod 1 (={f−1(x)})
とすると,確率系(X,B, λ, T)を定義できる.系(X,B, λ, T)をf によって生成される表現過程と 呼ぶ.fをf の定義域[0,∞),値域[0,1]への一意的な単調拡張とする.すなわち,
f(x) = sup{f(t)|t≤x, t∈
∪k i=0
[ai, bi)} (2.1)
とする.∀x∈[0,1)
xn=[
f−1(Tn(x))]
(n= 0,1,2, . . .) ならば,
x=f(
x0+f(x1+. . .))
が成り立つとき,表現過程は有効である,又はf-展開は有効であるという.
2.2 f-展開と諸定理
単調増加関数fに関するf-展開は以下のような場合に有効になる(R´enyi[4]).
定理 2.1 (表現定理). f(x)について以下を仮定する.
(A1) f(0) = 0.
(A2) 1< S≤+∞とする.0≤t≤Sでf(t)は連続で狭義単調増加であり,t≥Sでf(t) = 1で ある.(S= +∞はlimt→∞f(t) = 1を意味する.)Sについて3つの場合に分ける.
(A21) S= +∞.
(A22) 1< S <+∞(S∈Z).
(A23) 1< S <+∞(S /∈Z).
いずれの場合でも,次の条件を満たす.
(A3) 0≤∀t1<∀t2に対して,f(t1)−f(t2)
t1−t2 <1が成り立つ.
(A1)∼(A3)が満たされるとき,f-展開は任意の実数xについて有効である.
この定理において整数εnのとり得る値は,
(A21)の場合は,0,1,2,· · ·, (A22)の場合は,0,1,2,· · · , S−1, (A23)の場合は,0,1,2,· · · ,[S],
である.有限列ε1, ε2,· · ·, εnは定理2.1で(A1) ∼ (A3)の条件を満たすf に関して,εk(x) = εk(k= 1,2,· · ·, n)となるようなx(0≤x <1)が存在するとき,fに関するcanonical列と言わ れる.Sが整数あるいはS = +∞のときはcanonical列の値は独立に選ぶことができるが,Sが 有限で整数でないときにはcanonical列の要素の間に従属性がある.この意味で(A21)あるいは (A22)を満たす展開を独立桁を持つf-展開と呼ぶ.(A23)の条件を満たしているとき,そのf-展 開を従属桁を持つf-展開と呼ぶ.本論文で扱うβ変換,linear mod 1変換は従属桁を持つf-展開 である.
定理2.1は,Parry[2]により次のように拡張される.
定理 2.2. f ∈Tが,0<∀t2<∀t1に対して,
f(t1)−f(t2) t1−t2 <1 を満たすならば,f-展開は有効である.
この定理は,4章で扱うlinear mod 1変換が有効であることを示すときに使われる.次の定理 もParry[2]による.
定理 2.3. f ∈Tとする.このとき,f-展開が有効であることと,x̸=yならば,
x0, x1, . . .̸=y0, y1, . . . であることは同値である.
3 β-
展開と不変測度
βを整数でない1より大きい数とし,f(x) = β1xとする.このf(x)は定理2.1の (A1)を満た し,x≥βのときは,f(x) = 1と定めれば,S=βで(A23)を満たす.また、f′(x) =β1 であるか ら,(A3)も満たされる.したがって,∀x≥0に対して,非負の整数ε0, ε1, ε2,· · · により,xを
x=ε0+ε1
β + ε2
β2+· · ·+ εn
βn +· · ·
と展開することができる(β-展開).定理2.3により,このような展開は一意である.εn=εn(x), rn(x) は次の帰納的な関係で定義される.
ε0(x) = [x] , r0(x) ={x},
εn+1(x) = [β(rn(x))] , rn+1(x) ={β(rn(x))}.
ここで,[0,1)上の変換TをT(x) ={βx}で定める.Tはβ変換と言われる.X = [0,1)上のBorel 集合族をB,(X,B)上のLebesgue測度をλとする.(X,B, λ)は確率空間になる.R´enyi[2]は,Tに 対してLebesgue測度λとequivalentでT(x) ={βx}のもと不変で一意的な正規化された測度νが 存在することを示した.ここでνがλとequivalentであるとは,.∀A∈ S, ν(A) = 0⇐⇒λ(A) = 0 を満たすことをいう.一般に,(X,S)を可測空間,µ, νを(X,S)上の測度とするとき,νがµに ついて絶対連続であるとは,任意のA∈ Sについて,
µ(A) = 0 =⇒ν(A) = 0
が成り立つことをいう.(記号はν ≪µ).したがって,νがµにequivalentであるとは,ν ≪µ かつµ≪νと同等である.ν≪µのとき以下の定理が成り立つ.
定理 3.1(Radon-Nikodym). µ, νをS上のσ-有限な測度とするとき,ν ≪µ =⇒∃ϕ(X上での µ可積分関数),
∀A∈ S; ν(A) =
∫
A
ϕ(x)dµ(x).
この定理から,ν ≪λのとき,可積分関数hν(x)が測度0を許して一意に定義され
∀E∈B; ν(E) =
∫
E
hν(x)dx (3.1)
となる.
以下便宜上,
T0(x) =x と定義する.したがって任意のn∈Nに対して,
Tn(1) ={βTn−1(1)} あるいは,
Tn(1) =Tn−1({β}).
また,
β=ε0(β) +ε1(β)
β +ε2(β)
β2 +· · ·+εn(β)
βn +· · ·, (3.2) εn(β) = [βTn−1({β})] = [βTn(1)] (3.3) である.
(X,B, λ)上の可積分関数全体のなす空間をL1とおく.X上の区分的に単調なC1級の写像T に対応するPerron-Frobenius作用素L:L1−→L1を以下で定義する.f ∈L1に対しLf ∈L1 は,
(Lf)(y) = ∑
x∈T−1(y)
f(x)
|T′(x)|
となる関数である.Lについてもう少し説明を付け加えると,Tは各区間Ji=⟨bi, bi+1⟩上で単調,
その内点で微分可能,かつX =∪iJiとする.ただし,Ji =⟨bi, bi+1⟩はbi, bi+1を端点とする区 間であり,各端点はその区間に属しても属さなくてもよい.また,端点における微係数は,その端 点が属する区間の内点からの微分を意味する.このときT の各Jiの制限をTiと記し,
hi(y) =|Ti′(Ti−1(x))|−1ITi(Ji)(x) (3.4) とおくとき,
(Lf)(x) =∑
i
hi(x)f(Ti−1(x)) (3.5)
となる.Lfについては次の定理がある.
定理 3.2. (1) 有界可測関数gに対して,
∫
X
g(T(x))f(x)dx=
∫
X
g(y)(Lf)(y)dy (3.6)
が成り立つ.
(2) 測度µ(µ≪λ)は,T の不変測度である.
⇐⇒
Lf =fを満たすf ∈L1が存在して,
µ(A) =
∫
A
f(x)dx.
この定理の証明は,久保,矢野[7]などにあるが重要であるので証明を記しておく.
証明. (1) y=Ti(x)と変数変換する.両辺をxで微分すると,
dy=Ti′(x)dx, dx= 1
Ti′(x)dy= 1
Ti′(Ti−1(y)) (3.7)
となる.式(3.6)の左辺を変形すると,
∫
X
g(T(x))f(x)dx=∑
i
∫
Ji
g(T(x))f(x)dx
=∑
i
∫
Ti(Ji)
g(y)f(Ti−1(y))· 1
|T′(Ti−1(y))|dy
=
∫
X
g(y)∑
i
ITi(Ji)(y)· 1
|T′(Ti−1(y))|f(Ti−1(y))dy
=
∫
X
g(y)∑
i
hi(x)f(Ti−1(y))dy
=
∫
X
g(y)Lf(y)dy.
以上より(1)は成り立つ.
(2) (=⇒)測度µ(µ≪λ)がTの不変測度と仮定する.定理3.1より,
∃f ∈L1,∀A∈B;µ(A) =
∫
X
IA(x)f(x)dx (3.8)
となる.また,式(3.6)でg(x) =IAとすれば,
∫
X
IA(T(x))f(x)dx=
∫
X
IA(y)(Lf)(x)dy (3.9)
を得る.式(3.9)の左辺は,
∫
X
IA(T(x))f(x)dx=
∫
X
IT−1(A)(x)f(x)dx=µ(T−1(A)) (3.10) である.µが不変測度であるので,∀A∈Bに対して,µ(A) =µ(T−1(A))を満たすが,これ は,式(3.8),(3.9),(3.10)により,∀Aに対して,
∫
X
IA(x)f(x)dx=
∫
X
IA(y)(Lf)(y)dy,
すなわち, ∫
X
IA(x){f(x)−(Lf)(x)}dx= 0 を意味する.これから,f(x) = (Lf)(x)a.e. x,を得る.
(⇐=)任意のA∈Bに対して,
µ(A) =
∫
X
IA(x)f(x)dx
=
∫
X
IA(x)(Lf)(x)dx
=
∫
X
IA(T(x))f(x)dx (式(3.6)より)
=
∫
X
IT−1(A)(x)f(x)dx
=µ(T−1(A)).
したがって,µは不変測度である.
Parryは[3]で
hβ(y) = ∑
y<Tn(1)
1 βn
がT の不変測度を与えることを証明しているが,その証明は長くて見通しが悪いので本論文では,
定理3.2の(2)のLf =fを直接示す新たな証明をつけておく.
定理 3.3. T(x) = {βx}とする.LをT に対するPerron-Frobenius作用素とすれば,hβ(y) =
∑
y<Tn(1) 1
βnはT の不動点関数である.すなわち,hβ(y) = (Lhβ)(y)a.e. y.
証明.
hβ(y) = ∑
y<Tn(1)
1 βn
= 1 +
∑∞ n=1
1
βnI[0,Tn(1))(y) と表されるので,
β(hβ)(y) =β+
∑∞ n=1
1
βn−1I[0,Tn(1))(y)
=β+
∑∞ n=0
1
βnI[0,Tn+1(1))(y) (3.11) である.Tに対するPerron-Frobenius作用素は,
(Lf) (y) = 1 βf
(y β
) + 1
βf (y
β + 1 β
)
+· · ·+ 1 βf
(y
β +[β]−1 β
) +1
βf (y
β +[β]
β )
I[0,T(1))(y) であるので,f =hβとおくと,
(Lhβ) (y) = 1 βhβ
(y β
) +1
βhβ (y
β +1 β
)
+· · ·+1 βhβ
(y
β +[β]−1 β
) +1
βhβ (y
β +[β]
β )
I[0,T(1))(y) となる.hβ(y) = (Lhβ) (y)を証明する代わりに,βhβ(y) =β(Lhβ) (y)を証明する.
β(Lhβ) (y) =hβ
(y β
) +hβ
(y β +1
β )
+· · ·+hβ
(y
β +[β]−1 β
) +hβ
(y β +[β]
β )
I[0,T(1))(y)
= 1 +
∑∞ n=1
1
βnI[0,Tn(1))(y) + 1 +
∑∞ n=1
1
βnI[0,Tn(1))
(y β + 1
β )
+ 1 +
∑∞ n=1
1
βnI[0,Tn(1))
(y
β +[β]−1 β
)
... + 1 +
∑∞ n=1
1
βnI[0,Tn(1))
(y β +[β]
β )
= 1 + 1 βI[0,T(1))
(y β
)
+· · ·+ 1
βnI[0,Tn(1))
(y β
)
... + 1 + 1
βI[0,T(1))
(y β + 1
β )
+· · ·+ 1
βnI[0,Tn(1))
(y β + 1
β )
+· · · + 1 + 1
βI[0,T(1))
(y
β +[β]−1 β
)
+· · ·+ 1
βnI[0,Tn(1))
(y
β +[β]−1 β +· · ·
)
+ {
1 + 1 βI[0,T(1))
(y β +[β]
β )
+· · ·+ 1
βnI[0,Tn(1))
(y β +[β]
β )
+· · · }
I[0,T(1))(y)
= 1 + 1
βI[0,βT(1))(y) +· · ·+ 1
βnI[0,βTn(1))(y) +· · · + 1 + 1
βI[0,βT(1))(y+ 1) +· · ·+ 1
βnI[0,βTn(1))(y+ 1) +· · · ...
+ 1 + 1
βI[0,βT(1))(y+ [β]−1) +· · ·+ 1
βnI[0,βTn(1))(y+ [β]−1) +· · · +
{I[0,T(1)(y) + 1
βI[0,βT(1))(y+ [β])I[0,T(1))(y) +· · · + 1
βnI[0,βTn(1))(y+ [β])I[0,T(1))(y) +· · ·} . ここで,I[0,βTn(1))(y+ [β]) = 1とする.[β]≤βTn(1)< βより,[β]
β ≤Tn(1)< ββ = 1である.
今I[0,βTn(1))(y+ [β]) = 1より,0≤[β] +y < βTn(1)< β,つまり,[β]≤[β] +y < βTn(1)< β となる.両辺から[β]を引いて,0≤y < β−[β] =T(1)となるから,I[0,T(1))(y) = 1)である.以 上より,I[0,βTn(1))(y+ [β]) = 1ならば,I[0,T(1))= 1が成り立つので,任意のn(∈N)に対して,
I[0,βTn(1))(y+ [β])I[0,T(1))(y) =I[0,βTn(1))(y+ [β]) が成り立つ.これをふまえて書きなおすと,
β(Lhβ)(y) = 1 + 1
βI[0,βT(1))(y) +· · ·+ 1
βnI[0,βTn(1))(y) +· · · + 1 + 1
βI[0,βT(1))(y+ 1) +· · ·+ 1
βnI[0,βTn(1))(y+ 1) +· · · ...
+ 1 + 1
βI[0,βT(1))(y+ [β]−1) +· · ·+ 1
βnI[0,βTn(1))(y+ [β]−1) +· · · +
{I[0,T(1)(y) + 1
βI[0,βT(1))(y+ [β]) +· · ·+ 1
βnI[0,βTn(1))(y+ [β]) +· · ·}
= 1 + 1 + 1 +· · ·+I[0,T(1))(y) + 1
β
(I[0,βT(1))(y) +I[0,βT(1))(y+ 1) +· · ·+I[0,βT(1))(y+ [β])) ...
+ 1 βn
(I[0,βTn(1))(y) +I[0,βTn(1))(y+ 1) +· · ·+I[0,βTn(1))(y+ [β])) ...