水戸市新体育館整備構想
平成26年11月
<目 次>
第1章 構想策定の基本的事項 1 構想策定の背景と趣旨 ・・・・・・・・・・・・・・・P1 2 水戸市第6次総合計画の位置付け ・・・・・・・・・・・・・・・P2 3 検討の経過 ・・・・・・・・・・・・・・・P2 第2章 本市体育館の現状と課題 1 市内の主な体育館の現状 ・・・・・・・・・・・・・・・P4 2 市内の主な体育館の課題 ・・・・・・・・・・・・・・・P11 3 各施設に共通する課題 ・・・・・・・・・・・・・・・P12 第3章 新体育館整備の基本的な考え方 1 新体育館の目標像及び整備コンセプト ・・・・・・・・・・・・・P14 2 新体育館に備える基本的機能 ・・・・・・・・・・・・・・・P15 3 新体育館の位置付け ・・・・・・・・・・・・・・・P16 4 立地場所 ・・・・・・・・・・・・・・・P17 第4章 施設計画 1 想定競技種目 ・・・・・・・・・・・・・・・P19 2 フロアサイズ ・・・・・・・・・・・・・・・P20 3 メインアリーナ ・・・・・・・・・・・・・・・P21 4 サブアリーナ ・・・・・・・・・・・・・・・P27 5 強化拠点機能 ・・・・・・・・・・・・・・・P29 6 その他の施設 ・・・・・・・・・・・・・・・P30 7 想定施設規模 ・・・・・・・・・・・・・・・P31 8 館内動線計画及び施設概念図 ・・・・・・・・・・・・・・・P32 9 引き続き検討する項目 ・・・・・・・・・・・・・・・P33 第5章 敷地の利用計画 1 建物配置計画 ・・・・・・・・・・・・・・・P34 2 駐車場及び交通アクセス等の整理 ・・・・・・・・・・・・・・・P34 第6章 構造・設備計画 1 構造計画 ・・・・・・・・・・・・・・・P36 2 設備計画 ・・・・・・・・・・・・・・・P36 第7章 管理運営方針 1 施設管理方針 ・・・・・・・・・・・・・・・P39 2 施設運営方針 ・・・・・・・・・・・・・・・P39 第8章 事業計画に関する検討第1章 構想策定の基本的事項
1 構想策定の背景と趣旨 余暇時間の拡大や健康志向の高まりにより,近年,子どもから高齢者までの幅広い 年代において,スポーツを楽しむ人々が増えています。 平成 23 年にはスポーツ基本法が成立し,スポーツは世界共通の人類の文化として, スポーツ施策に関する国や地方自治体の責務を明らかにし,スポーツ立国の実現を目 指し,国家戦略として,スポーツに関する施策を総合的かつ計画的に推進するとして います。 また,同法においては,全ての人々は,スポーツに親しみ,スポーツを楽しみ,ス ポーツを支える活動に参画することのできる機会が確保されなければならないとさ れており,地域スポーツのより一層の充実が求められているところです。 本市においては,これまで,総合運動公園や市立競技場をはじめとしたスポーツ施 設の整備とともに,各種スポーツ大会等の開催を通じ,市民の体力づくりや様々なス ポーツの振興に努めてきました。一方で,近年の少子・高齢化,家族構成や地域社会, 生活環境の変化に伴い,市民運動会をはじめとした各種大会への参加者の減少や地域 スポーツを支える指導者不足など,新たな課題も生じており,地域や各種スポーツ団 体との連携を強化し,スポーツ指導者の養成や各種大会を開催するなど,市民が気軽 にスポーツを楽しむことができる環境づくりを進めることが必要です。 また,「するスポーツ」だけでなく,「見るスポーツ」についても伸展を図ることで, スポーツに触れる機会を増やし,市民のスポーツ意識を高めることは,競技力の向上 はもちろん,生涯スポーツを推進する上でも大変重要となります。そのため,全国大 会や国際規模の大会,プロスポーツを開催できる施設整備とともに,大規模大会等の 開催・誘致に力を入れていく必要があります。 そのため,水戸市第6次総合計画に新たな体育館の整備に向けた検討を進めること を位置付けたところであり,老朽化が進んでいる東町運動公園の有効活用について, 県との協議を進め,スポーツコンベンション型の体育館を整備することといたしまし た。 より一層のスポーツの振興とあわせ,にぎわいの創出や交流人口の増加にもつなが るスポーツコンベンションの推進に資する新体育館整備の実現に向け,必要な規模や 機能等,施設の基本的な考え方を整理するため本構想を策定するものです。2 水戸市第6次総合計画の位置付け まちづくりのビジョンである水戸市第6次総合計画にスポーツ・レクリエーション 活動の推進及び新たな体育館の整備について,次のように位置付けています。 (1) 基本的方向 誰もが生涯にわたって,気軽にスポーツに親しむことができるよう,各種スポー ツ教室の開催やスポーツ団体,指導者の育成を通した市民スポーツの振興に取り組 むとともに,国際的・全国的規模の大会の誘致等に努めるほか,スポーツ・レクリ エーション施設の機能充実を図ります。 (2)スポーツ施設の整備・充実 市民の競技力の向上に向け,大規模大会を開催・誘致することができるよう,新 たな屋内プールの整備や市民球場の再整備,市立競技場の機能強化整備を推進しま す。また,新たな体育館の整備に向け,その内容や効果等の検討を進めます。 [主要事業・ハード(整備計画)] 新たな体育館整備に向けた検討 3 検討の経過 (1)県との協議 平成 26 年第1回茨城県議会定例会の本会議答弁において,県知事から老朽化が 進んでいる東町運動公園のスポーツセンター(体育館)について,水戸市が県に代 わって建替えるとした場合の手厚い支援等について,前向きな見解が示されました。 これを受け,水戸市第6次総合計画との整合性,優れた立地条件,県の支援など により財政負担の軽減が図れることなど,総合的な検証を行いながら県との協議を 進めてきました。 ○ 協議に当たっての前提条件 次に掲げる事項を本市の基本的な考え方とし,県との協議を進めてきました。 ① 第 74 回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体」の会場として整備し,国の交 付金及び県の補助金を確保できること。 ② 東町運動公園用地については,県から無償譲渡を受けるものとし,県立歴史館 側からのアクセス道路の用地についても確保できること。
(2)市の考え方の整理 県との協議を踏まえ,次に掲げる事項を総合的に判断し,「東町運動公園を市有 施設とし,スポーツコンベンションの推進に資する新たな体育館を整備する」とい う結論に達したところであり,整備の条件等について,県との協議を進めることと しました。 ① 県営の施設として,約 60 年もの長きにわたり利用されており,多くの市民に とって認知度が高く,親しみやすい場所であること。 ② 中心市街地に隣接しているため,公共交通機関の利便性が高く,子どもからお 年寄りまで多くの市民が利用しやすい場所であること。 ③ 偕楽園や歴史館などの回遊性に優れており,にぎわいの創出や中心市街地の活 性化への波及効果が期待できること。 ④ 隣接する北消防署と連携を図ることにより,災害時の防災拠点としての活用が 期待できること。 ⑤ 国の交付金及び県の支援により,市の財政負担の大幅な軽減が図れること。 (3)県との合意事項 (2)の市の考え方のもと,県との協議をさらに進め,合意に至った事項は次の とおりです。 ① 新たな体育館については,第 74 回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体」に おいて,レスリング及びフェンシング競技の開催会場とする。 ② 運動公園内の既存施設は解体し,新たな体育館及び駐車場の整備地として活用 を図り,アーチェリー場及び相撲場については,県において,移転を検討する。 ③ レスリング,フェンシングの強化拠点施設及びボクシングの競技拠点施設につ いては,新たな体育館整備後においても,その機能を継続できるように,市にお いて整備する。 ④ 県は,①から③を踏まえ,新体育館整備事業について,市にできる限りの支援 を行う。そのため,財源として,社会資本整備総合交付金の確保に努めるととも に,できる限りの財政的支援を行う。 ⑤ 県は,東町運動公園用地について,市に無償譲渡する。 ⑥ 県は,県立歴史館側から東町運動公園までのアクセス道路の用地を確保する。
第2章 本市体育館の現状と課題
1 市内の主な体育館の現状 (1)青柳公園市民体育館 昭和 49 年に開催された茨城国体を契機に建設され,以来,各種大会の会場とし て,また,スポーツ教室の開催や市民利用を通し,市民スポーツの場として親しま れてきました。 市内の体育館の中では,施設規模が最も大きく,利用者数も最も多い施設でした が,東日本大震災において,被災したことから,平成 23 年度から施設の復旧及び 耐震補強工事等を実施し,平成 26 年度から供用を開始したところです。 【施設概況】 構 造 ( 竣 工 ) 鉄筋コンクリート造一部鉄骨3階建(昭和 49 年3月) 延べ(建築)面積 8,017.88 ㎡(5,203.10 ㎡) 主競技場床面積 1,824.00 ㎡(48m×38m) 観客席 約 1,700 席(2Fスタンド) 主競技場の使用例 バスケットボール 2面, バレーボール 3面 補助競技場床面積 714.00 ㎡(33.7m×21.6m)H19年度 H20年度 H21年度 H22年度 一般 41,683 40,211 40,452 47,292 学生 23,129 27,017 26,630 29,998 幼児 4,676 4,600 4,141 2,838 4,676 4,600 4,141 2,838 23,129 27,017 26,630 29,998 41,683 40,211 40,452 47,292 0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 80,000 90,000 利用者数(人) 青柳公園市民体育館利用状況青柳公園市民体育館利用状況青柳公園市民体育館利用状況青柳公園市民体育館利用状況 69,488 71,828 71,223 80,128
【大会開催状況等】 種 目 平成 22 年度 平成 21 年度 備 考 卓球 27 回 21 回 バレーボール 21 回 18 回 ドッジボール 4回 7回 バドミントン 4回 4回 ソフトバレーボール 3回 4回 ハンドボール 2回 2回 体操 2回 1回 ソフトテニス 1回 2回 運動会・レクリエーション 6回 5回 その他 - 4回 綱引き,パワーリフティング, ダンス,空手 合 計 70 回 68 回 個人利用 36% スポーツ少 年団利用 2% 教室利用 16% 大会利用 40% 会議室 利用 6% 青柳公園市民体育館利用区分内訳(H22年度)
(2)総合運動公園体育館 市制施行 90 周年事業の一つとして建設され,市内唯一の総合運動公園の中核施 設であることから,各種大会の会場としての利用が多い傾向にあります。 また,市民スポーツの場として,親しまれているとともに,コミュニティづく りの場としても重要な役割を果たしているほか,市産業祭や展示会の会場として も利用されています。 【施設概況】 構造(竣工) 鉄筋コンクリート造一部鉄骨2階建(昭和 56 年6月) 延べ(建築)面積 4,423.29 ㎡(3,312.56 ㎡) 主競技場床面積 1,794.52 ㎡(47.6m×37.7m) 観客席 818 席(2Fスタンド) 主競技場の使用例 バスケットボール 2面 , バレーボール3面
H19年度 H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度 H25年度 一般 21,575 19,590 21,720 18,560 27,307 28,393 29,537 学生 13,357 16,677 11,472 12,719 21,832 20,344 15,326 幼児 5,709 6,734 5,871 4,147 3,416 6,080 6,111 5,709 6,734 5,871 4,147 3,416 6,080 6,111 13,357 16,677 11,472 12,719 21,832 20,344 15,326 21,575 19,590 21,720 18,560 27,307 28,393 29,537 0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 利用者数(人) 総合運動公園体育館利用状況 40,641 43,001 39,063 35,426 52,555 54,817 50,974
【大会開催状況等】 種 目 平成 25 年度 平成 24 年度 備 考 卓球 15 回 15 回 バレーボール 13 回 13 回 バドミントン 6回 9回 ソフトバレーボール 7回 4回 バスケットボール 3回 7回 ミニバスケットボール含む ドッジボール 4回 3回 剣道 3回 3回 空手 1回 1回 ソフトテニス 1回 1回 インディアカ 1回 1回 球技大会・運動会 5回 7回 合 計 59 回 64 回 個人利用 21% 教室利用 23% 大会利用 54% 会議室 利用 2% 総合運動公園体育館利用区分内訳(H25年度)
(3)内原ヘルスパーク体育館 旧内原町のスポーツ・健康づくりの拠点として整備され,体育館をはじめ,トレ ーニング室,健診室,保健指導室などを備えた施設です。 個人利用が多く,気軽にスポーツを楽しむことができる体育館として,親しま れています。 【施設概況】 構造(竣工) 鉄骨鉄筋コンクリート造一部2階(平成5年 11 月) 延べ(建築)面積 4,637.73 ㎡(3,781.02 ㎡) 主競技場床面積 1,433.10 ㎡(42.15m×34.0m) 観客席 432 席(2Fスタンド) 主競技場の使用例 バスケットボール 2面,バレーボール 2面 補助競技場床面積 288.00 ㎡(18.0m×16.0m) H19年度 H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度 H25年度 一般 30,821 33,610 34,597 30,880 28,834 32,477 32,732 学生 14,954 14,326 12,389 12,591 16,481 16,753 15,011 幼児 1,797 1,575 1,699 2,173 1,968 3,322 2,271 1,797 1,575 1,699 2,173 1,968 3,322 2,271 14,954 14,326 12,389 12,591 16,481 16,753 15,011 30,821 33,610 34,597 30,880 28,834 32,477 32,732 0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 利用者数(人) 内原ヘルスパーク体育館利用状況 47,572 49,511 48,685 45,644 47,283 52,552 50,014
【大会開催状況等】 種 目 平成 25 年度 平成 24 年度 備 考 バスケットボール 25 回 11 回 ミニバスケットボール含む インディアカ 3回 7回 剣道 5回 7回 ダンス 3回 6回 ドッジボール 4回 5回 バドミントン 3回 3回 バレーボール 1回 3回 ソフトバレーボール 4回 3回 体操 - 2回 柔道 4回 1回 球技大会・運動会 2回 3回 その他 3回 2回 合 計 57 回 53 回 個人利用 64% スポーツ少 年団利用 5% 教室利用 3% 大会利用 27% 会議室利用 1% 内原ヘルスパーク体育館利用区分内訳(H25年度)
(4)東町運動公園スポーツセンター(体育館) 年間約 100 日間,全国あるいは県レベルの大会が開催されているほか,NBL2014 -2015 シーズンの公式戦も数試合開催されています。 また,体育館と一体的に整備されている練習場は,レスリング及びフェンシング 競技の選手強化の拠点施設となっています。 【施設概況】 構造(竣工) 鉄筋コンクリート造2F(昭和 38 年8月) 延べ(建築)面積 5,417.00 ㎡(4,055.83 ㎡) 主競技場床面積 1,219.24 ㎡ 観客席 1,440 席(2Fスタンド) 主競技場の使用例 バスケットボール 2面 , バレーボール 2面 0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度 H25年度 東町運動公園体育館利用状況 東町運動公園体育館利用状況 東町運動公園体育館利用状況 東町運動公園体育館利用状況 利用者数(人) 48,869 58,153 44,967 45,797 58,208 51,921
【大会開催状況等】 種 目 平成 25 年度 平成 24 年度 備考 バレーボール 3回 2回 バスケットボール 29 回(2) 17 回 バドミントン 19 回 19 回(1) レスリング 5回(1) 5回(1) フェンシング 1回(1) 1回(1) ボクシング 1回(1) 1回(1) 卓球 - 1回(1) その他 10 回 9回 プロレス,空手,なぎなた等 合 計 68 回(5) 54 回(4) ※( )内は,大規模大会(東日本大会以上)の開催回数 2 市内の主な体育館の課題 (1)青柳公園市民体育館 ① 水戸駅からのアクセスに優れていますが,敷地内の駐車スペースが 162 台であ り,大規模大会開催時には駐車場が不足している状況にあります。 ② 市内の体育館ではアリーナ面積が最も大きい施設ですが,近年建設されている 体育館においては,バスケットボールコートが3面確保できる施設が多くなって おり,全国大会等大規模な大会の誘致に当たり不利な状況にあります。 ③ 館内動線に階段が多く,エレベーターも設置されていないなど,バリアフリー 化への対応ができていないことから,多くの観客を集めるスポーツイベントや障 害者スポーツの開催は難しい状況にあります。 (2)総合運動公園体育館 ① 観客席は個別席になっているものの,競技場の長辺片側部のみに設置されており, 十分な観覧環境にありません。 ② サブアリーナがなく,諸室も十分でないため,出場選手のウォーミングアップ場所 や大会開催時の本部及びミーティングルームの確保が難しい状況にあります。
③ 観客席への動線が階段のみとなっており,バリアフリー化への対応ができていない ことから,多くの観客を集めるスポーツイベントや障害者スポーツの開催は難し い状況にあります。 (3)内原ヘルスパーク体育館 ① 観客席は,個席になっているものの 430 席程度と少ないため,十分な観覧環境にあ りません。 ② 補助競技場が設置されていますが,狭小であるために,球技等に活用することがで きません。 ③ 観客席への動線が階段のみとなっており,バリアフリー化への対応ができていない ことから,多くの観客を集めるスポーツイベントや障害者スポーツの開催は難しい状 況にあります。 (4)東町運動公園スポーツセンター(体育館) ① 昭和 38 年に建設され,すでに 50 年以上が経過し,施設・設備の老朽化が進ん でいます。バリアフリー化への対応も十分でなく,耐震基準も満たしていない状 況にあります。 ② 中心市街地に隣接して立地していることから,公共交通の利便性など交通アク セスに優れているものの,敷地面積が狭小で,駐車場も不足しており,大規模な 大会やイベントの開催が難しい状況にあります。 3 各施設に共通する課題 (1)施設規模が小さいため,本市において,全国大会等大規模な大会を誘致するに は,不利な状況にあります。 ※ 全国規模の大会を開催するためには,バスケットボールの公式コート4面(サ ブコート1面含む。)以上の施設が望ましいと言われています。 (2)観客席が少ないため,トップアスリートが出場する試合を誘致できない状況にあ ります。 ※ バレーボールVリーグ開催のためには 3,500 席以上(臨時設置席含む。),プロ
バスケットボールリーグ開催のためには 2,000 以上の観客席を備えた施設が必要 であると言われています。 (3)冷暖房設備がないため,夏季及び冬季における大会開催や市民利用に支障をきた しています。 ※ 近隣市町村には,冷暖房設備が完備された施設が増えています。 (4)ユニバーサルデザインへの対応が十分でないために,障害者が自らスポーツに親 しむことができる機会を制限している状況にあります。
第3章
新体育館整備の基本的な考え方
1 新体育館の目標像及び整備コンセプト 新体育館は,前章で整理した現状と課題を踏まえ,将来にわたって,子どもからお 年寄りまで広く市民がスポーツや健康づくりに親しむことができる施設として,また, トップアスリートのプレーを間近で見ることができ,感動や夢を与えることができる 本市のスポーツコンベンションの拠点として,機能面の充実を図るとともに,中心市 街地に隣接している立地を生かしたにぎわいの創出や中心市街地の活性化に資する 多目的な利用が可能な施設として整備します。 その実現に向け,施設の目標像を次のとおり定め,4つの整備コンセプトを掲げる ものとします。 ◎ 新体育館の目標像 ※スポーツコンベンション:スポーツの分野において,大規模な大会やイベント等を開 催することにより,交流人口の増加を図る取組 ○ 整備コンセプト (1)屋内での多様な「するスポーツ」が展開できる施設 ① 子どもから高齢者まで,目的に応じてすべての人々が,生涯にわたり,スポー ツ活動と健康づくりに親しむことができる施設 ② 屋内スポーツ全般の競技力向上の拠点となる施設 (2)トップアスリートのプレー観戦等の「見るスポーツ」を開催できる施設 ① 国内トップアスリートの公式戦の開催に必要となる観客席数を確保するとと もに,臨場感にあふれ,快適に観戦できる施設 ② 国内トップアスリート等のプレーの観戦を通して,スポーツのすばらしさ,楽 生涯スポーツ,競技スポーツ,スポーツコンベンションの振興に資する交 流拠点施設 ・ 屋内での多様な「するスポーツ」が展開できる施設 ・ トップアスリートのプレー観戦等の「見るスポーツ」を開催できる施設 ・ 全国大会等の会場に選ばれる,運営しやすい施設 ・ 防災拠点やイベント等の拠点としても活用できる施設しさ,感動を実感することができ,市民のスポーツ参加への意識を高めることが できる施設 (3)全国大会等の会場に選ばれる,運営しやすい施設 ① 全国規模の大会を想定し,同時に多くの試合ができる施設 ② 大規模な大会の開催時には,選手と観客の動線が交錯しないような施設の配置 計画を行うなど,主催者が円滑に大会を運営できる施設 ③ 他の利用団体との同時利用が可能な中規模の大会開催時には,大会開催ゾーン と一般利用ゾーンとの区分が可能な配置計画とし,一般利用者も快適に利用でき る施設 (4)防災拠点やイベント等の拠点としても活用できる施設 ① 災害時には,隣接する北消防署との連携による防災拠点として,また,大規模 な避難所や救援物資の一時保管,配布拠点としても活用できる施設 ② 大規模な会議や展示会等のイベント会場としても活用できる施設 2 新体育館に備える基本的機能等 新体育館の目標像及び整備コンセプトを実現するために必要な機能は次のとおり です。 (1)メインアリーナ 【備えるべき規格・規模】 ① 多くの種目の公式施設基準を満たすフロアサイズ ② 複数の団体が同時に利用できる分割可能で自由度の高いフロア ③ トップアスリートのプレーを臨場感にあふれ快適に観戦できる観客席 (2)サブアリーナ 【備えるべき規格・規模】 ① ウォーミングアップ会場として,また,同時に多面使用が必要な大会会場とし て,メインアリーナを補完できるフロア ② 小規模大会や練習試合等を行うことができるフロア
(3)強化・競技拠点施設 既存施設の機能を引き継ぐレスリング,フェンシング及びボクシングの各強化・ 競技施設 (4)その他 多目的室やトレーニング室,ランニングロード,用具庫,大会開催時の大会役員 室や審判室,放送室,選手控え室,事務室や医務室などの管理諸室,更衣室,シャ ワー室,トイレ等 3 新体育館の位置付け 新体育館を本市の中核施設と位置付け,市内の既存体育館と連携し,適切に役割の 分担を行うことで,市民の「するスポーツ」の充実を図ります。また,新体育館に前 項目で整理した機能を備えることで,市内の既存体育館において実現できなかったス ポーツイベント等を開催することが可能となり,「見るスポーツ」の伸展を図ります。 【新体育館等の位置付け(主な機能と役割のイメージ)】 施 設 名 新体育館 青 柳 公 園 体 育館 総 合 運 動 公 園体育館 内 原 ヘ ル ス パ ー ク 体 育 館 常 澄 ト レ セ ン,小吹運動 公園体育館 小・中学校体 育館 機 能 と 役 割 大 会 等 「するスポーツ」を展開する拠点 全国大会等 (メイン会場) 全 国 大 会 等 (サテライト会場) 学校・任意団体主催大会等 防災拠点 (広域避難所) 広域避難所 「見るスポーツ」 を開催する拠点 トップアスリ ート出場試合 県大会等 市大会 イベント トップアスリート出場試合 避難所
4 立地場所 (1)立地場所の概要 東町運動公園は,中心市街地に隣接しており,水戸駅からバスで 10 分程度と公 共交通機関の利便性が高く,子どもからお年寄りまで,すべての市民が利用しやす い場所に立地しています。 また,偕楽園や歴史館などの回遊性が高いことに加え,宿泊施設からのアクセス にも優れていることから,スポーツをはじめ各種コンベンションの誘致に優位性が あり,スポーツコンベンションの拠点施設の立地場所として好条件にあると言えま す。
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北消防署北消防署北消防署北消防署 那珂川 整備地 整備地 整備地 整備地 ※ 部分は,水戸市第6次総合計画における都市核(中心市街地)の区域概略 【立地場所の概要(イメージ)】(2)敷地の概要 所 在 地 水戸市緑町2丁目3番 10 号 敷地面積 47,790.12 ㎡ 区域区分 市街化区域 用途地域 第一種低層住居専用地域 防火指定 指定なし 日影規制 適用建築物 地上3階以上または軒高7m超え 算 定 面 1.5m 日影時間 5~10m 3時間 10m超 2時間 そ の 他 常磐風致地区 このため,建築計画においては,以下の項目に掲げる事項について,留意する必 要があります。 ① 建築基準法関係 整備地の用途地域は,第一種低層住居専用であるため,用途地域における建築物 の制限の許可(法第 48 条)及び高さ制限の許可(法第 55 条)を受ける必要があり ますが,計画段階から整備地周辺の住民の皆様へ丁寧な説明を行い,新体育館の整 備に理解が得られるよう,住環境に十分に配慮した建築計画とします。 ② 景観等への配慮 整備地は,東側から南側にかけて,世界に誇る偕楽園公園に,北側は住宅地に, それぞれ隣接しています。そのため,歴史と自然が豊かな周辺景観と調和する建築 計画とするとともに,良好な周辺住環境を保全するためにも,騒音や夜間の照明な どについて十分に配慮した建築計画とします。
第 4 章 施設計画
1 想定競技種目 本市における大会開催の状況や大会の誘致が見込まれる競技を抽出し,性質の分類 を行った上で,新体育館を利用することが想定される競技種目を下表にまとめ,競技 団体へのアンケート調査を実施するなど,利用者ニーズの把握に努めながら,施設計 画についての検討を進めました。 分 類 新体育館を利用する想定競技種目 球 技 バスケットボール 卓球 バレーボール6人制 ハンドボール バレーボール9人制 ドッジボール ソフトバレーボール インディアカ バドミントン フットサル 体操 体操競技 床運動 平行棒 あん馬 鉄棒 つり輪 段違い平行棒 跳馬 平均台 新体操 ロープ クラブ フープ リボン ボール 武道・格闘技 柔道 合気道 剣道 少林寺拳法 レスリング なぎなた フェンシング 銃剣道 ボクシング 武術太極拳 空手道 その他 スポーツダンス2 フロアサイズ 我が国におけるスポーツ施設の整備基準については,旧文部省の保健体育審議会が 平成元年 11 月に「21 世紀に向けたスポーツ振興方策について」を答申し,都道府県 及び市町村がスポーツ施設の計画的な整備を図るに当たっての参考となる指針を示 しています。その指針において,「市区町村域施設」の区分で,「市区町村全域に機能 する施設」の「総合体育館」における標準的な規模としては,床面積 3,000 ㎡以上と されています(下表参照)。 【スポーツ施設の整備の指針(体育館関連部分のみ一部抜粋)】 施設の 区分 施設の機能 主な施設 の種類 施設の標準的 な規格・規模 具備すべき主 な附帯施設・設 備 備 考 地 域 施 設 地 域 住民 の 日 常 的な ス ポ ー ツ活 動 の た めの 身 近な施設 地域体育館 床面積 720 ㎡ 程度(バレーボ ール,バスケッ ト ボ ー ル バ ド ミ ン ト ン , 卓 球,体操等がで きる体育館) ト レ ー ニ ン グ ルーム,会議室 市区町村は,人口 や小・中学校区な どをもとに,その 実 情 に 即 し て 地 域 の 範 囲 を 設 定 するものとする。 幼 児 の 遊 び 場 に つ い て は 別 途 考 慮 す る 必 要 が ある。 市 区 町 村 域 施 設 市 区 町村 全 域 に 機能 す る施設 総合体育館 床 面 積 3,000 ㎡以上 ト レ ー ニ ン グ ルーム,体力・ ス ポ ー ツ 相 談 室,スポーツ資 料室 都 道 府 県 域 施 設 都 道 府県 全 域 に わた る 事 業 を実 施 す る ため の 施設 総 合的 な競 技 施設 (体 育 館, 柔剣 道 ,プ ール 等 の屋 内施 設) 公 式 競 技 が で きる 観覧席,レスト ラン,談話室, 夜間照明 「 主 な 施 設 の 種 類」欄に揚げられ た施設は,有機的 な 関 連 を 持 っ て 設置,運営される ことが望ましい。 また,国民体育大会の施設基準においては,東町運動公園で開催が予定されている レスリング及びフェンシングのほか,バスケットボール,バレーボール,体操,バド ミントン,卓球,ハンドボール等のフロアサイズが,次のとおり定められています。
【国民体育大会における施設基準】 競技種目 長辺 短辺 必要面積 必要天井高 備考 レスリング 44.0m 42.0m 2,024.00 ㎡ - マット 4面の場合 フェンシング 36.0m 32.0m 1,152.00 ㎡ - ピスト 8 面 バスケットボール 69.0m 38.0m 2,622.00 ㎡ 7m以上 コート3面 の場合 バレーボール (6人制,9人制女子) 57.0m 34.0m 1,938.00 ㎡ 12.5m以上 コート3面 の場合 バレーボール(9人制 男子) 61.5m 37.0m 2,275.00 ㎡ 12.5m以上 コート3面 の場合 体操 体操競技 - - 2,500.00 ㎡ - - 新体操 50.0m 30.0m 1,500.00 ㎡ 14m以上 - バドミントン 34.4m 32.8m 1,128.32 ㎡ 12m以上 コート8面 の場合 卓球 48.0m 36.0m 1,728.00 ㎡ 5m以上 コート 12 面 の場合 ハンドボール 55.0m 46.0m 2,530.00 ㎡ 7m以上 (10m以上 が望ましい) コート2面 の場合 3 メインアリーナ メインアリーナは,大規模なスポーツ大会の主会場として,また,スポーツイベン ト等の興業での会場として利用するほか,市民の一般的な日常スポーツ活動の利用を 想定し,「スポーツ施設の整備の指針」や「国体施設基準」などを勘案し,以下の規 格・規模を確保するものとします。 (1)床面積及び天井高 ① 床面積 長辺寸法でバスケットボールコート3面,短辺寸法でハンドボールコート2面 を配置することができる規模とし,有効寸法で 69m×46mを確保し,有効面積を 約 3,200 ㎡程度として計画するものとします。 この際の各競技種目の配置レイアウトについては,次のとおりとなります。
【有効寸法 69m×46mでの各競技種目の使用例】 54m 38m 2m 14m 4m 14m 4m 6m 2m 6m 14m 2m 7.5m 4m7.5m 4m 6m 2m 6m 2m 2m 6m フェンシング国体施設基準 36m 42m 38m 44m 3m 12m 4m 12m 4m 12m 4m 12m 4m 4m 1m 1m 13.5m 3m 13.5m レスリング国体施設基準 5m 15m 7m 15m 7m 15m 5m 28m 5m 5m 4m バスケットボール国内公式規格
2.75m 2.5m 2.5m 2.5m 2.5m 2.75m 6.1m 6.1m 6.1m 6.1m 6.1m 13.4m 13.4m 13.4m 7.2m 7.2m 7.2m 7.2m 3m 19m 3m 19m 3m 19m 3m 9m 8m 18m 8m 6m 6m 5m 5m バレーボール(6人制)国内公式規格 2m 20.5m 1.75 20.5m 1.75 20.5m 2m 10.5m 8m 21m 8m 4.5m 4.5m 5m 5m バレーボール(9人制)国内公式規格 バドミントン国内公式規格
3m 3m 8m 8m 8m 8m 8m 3.5m 14m 2 14m 2 14m 2 14m 3.5m 卓球国内公式規格 7m 2m 20m 2m 7m 2m 20m 2m 7m 3m 40m 3m ハンドボール・フットサル国内公式規格 4.5m 16m 16m 5m 4.5m 3.5m 26m 10m 26m 3.5m 3m 10m 10m 3m 8m ドッジボール国内公式規格
② 天井高 天井高は,新体操が最も高く 14m以上必要となり,次にバレーボールが 12.5 m以上必要です。近年計画されている他都市の体育館は,フロアセンターの天井 部に大型映像装置の設置を検討する事例が多くなっており,この場合,フロアか ら障害物までの高さが,14m以上必要となるため,天井高はその分の余裕をもっ て計画する必要があります。 (2)観客席 観客席は,各種大会やプロスポーツの試合等の応援席及び観覧席としての利用の ほか,大会に出場する選手の控え席としての利用が想定されます。 ① 想定観客席数 観客席数については,開催する大会のレベルに応じて,その必要規模を定めて いる競技種目があり(下表参照),「見るスポーツ」の伸展を図る上で,重要な要 素となります。 大会名 必要観客席数 バスケットボール 世界選手権(男子) 15,000 席以上 世界選手権(女子) 世界選手権(男子予選ラウンド等) 8,000 席以上 世界選手権(女子予選ラウンド等) 4,000 席以上 bjリーグ 2,000 席以上 バレーボール 世界選手権予選 5,000 席以上 Vリーグ 3,500 席以上 (望ましい) Vリーグやbjリーグのホームチームが,安定的な経営状態を保つためには, 2,000 人以上の観客数が望ましいと言われており,ホームチームを持たない本市 においても,これらの公式戦を誘致する際には,興業の採算性という視点から, 最低でも 2,000 席以上確保する必要があります。 本市で計画しているメインアリーナの有効面積 3,200 ㎡と同等規模で,近年計 画又は整備されている他都市の体育館では,固定席と可動席を合わせて,概ね 2,000 席から 4,000 席となっており,これらの状況や本市における今後の大規模
な大会やスポーツイベント誘致の取組等を考慮すると,2,000 席から 3,000 席程 度の席数を確保し,大規模なイベント開催時には,仮設席を設置することにより, それ以上の集客能力を可能とする施設とすることが望ましいと考えられます。 また,車いす専用の観覧スペースを入り口付近に設置します。 ② 観客席の形態 近年整備されている他都市の体育館においては,可動席を設置している事例が 多くなっています。電動の可動式観客席は,設置準備時間が 10 分程度のものも あり,準備の時間短縮を図ることで,前日から会場の利用を制限するようなこと が避けられます。このことに加え,プレイエリアから近い,臨場感あふれる観客 席を設けることができることから,「するスポーツ」と「見るスポーツ」双方の 充実を図るためにも,可動席を設置することが望ましいと考えられます。 (3)その他 ① 床材 メインアリーナにおいては,スポーツの場としての利用に加え,展示会など様々 なイベント等を開催することも想定されます。そのため,各競技団体で認められ た床材とすることはもちろん,運搬用の機材や車両が入ることも想定し,適切な 耐荷重のある計画とします。 ② 用具庫 バレーボールのネットをはじめ,バスケットやハンドボールのゴールなどを収 納する用具庫をメインアリーナに面して設置することが必要となります。 メインアリーナの床面積が本市の計画面積と同等程度の他都市の事例による と,複数の用具庫の合計が 600 ㎡~650 ㎡程度となっており,本市においても, 同程度以上のスペースの確保を目指し,用具の多様化に対応できるように設置す ることとします。 また,外部からの機材搬入路についても確保するものとします。
③ ランニングコース 観客席の後方周囲には,ランニングコースを整備し,大会開催時のウォーミン グアップや市民の健康づくりが天候に左右されずに行うことのできる環境を整 備します。 4 サブアリーナ サブアリーナは,大規模なスポーツ大会の第2会場やウォーミングアップ会場とし て,また,小規模な大会の会場や市民の一般利用の場として利用し,メインアリーナ との効率的な配置を考慮し,同一フロアとすることが望ましいと考えられます。 (1)床面積及び天井高 ① 床面積 バスケットボールの公式コート1面を配置する規模とし,有効寸法で 25m× 38m,有効面積を約 1,000 ㎡程度として計画するものとします。 この際の各競技種目の配置レイアウトについては,次のとおりとなります。 【有効寸法 25m×38mでの各競技種目の使用例】 フェンシング国内公式規格 バスケットボール国内公式規格
バレーボール 6 人制国内公式規格 バレーボール 9 人制国内公式規格
② 天井高 サブアリーナにおいては,バレーボールにおける 12.5m以上として計画するも のとします。 (2)観客席 小規模な大会の観覧席としての利用に加え,メインアリーナで開催する大規模大 会での選手の控え席として活用するため,200 席程度の固定席を設置するものとし ます。 5 強化拠点機能等 今回の施設整備に当たり,既存施設が有するレスリング,フェンシングの強化拠点 機能及びボクシングの競技拠点機能を引き継ぐこととしています。 既存施設においては,レスリング場とボクシング・トレーニング室が,それぞれ 372 ㎡,フェンシング場が 207 ㎡となっており,新体育館においても,同等程度の強化拠 点機能等を整備するものとします。 ドッジボール国内公式規格
6 その他の施設 (1)多目的室 卓球をはじめ,ダンスやヨガ,市民の健康づくりに資する事業を開催できるよう, 壁面には鏡とバレエバーを設置します。 また,大会開催時の監督者会議や各種研修を開催できるよう,可動間仕切りで, 分割して多目的に使用できるよう,自由度の高いつくりとします。 (2)会議室 可動間仕切りで,3室~4室に分割できるようにし,通常の会議室としての使用 以外に,大会開催時には,記者会見の会場や審判等関係者の控室としても利用でき るように整備します。 (3)大会本部室・放送室 大会本部室と放送室は隣接して整備し,メインアリーナを一望できる配置としま す。 (4)選手控室 Vリーグ等のトップアスリートの試合や大規模な大会等の開催を考慮し,4室確 保できるように整備します。また,メインアリーナへの動線が観客と交錯しないよ うに配置するとともに,選手用のトイレやシャワーの設置を検討します。 (5)更衣室・トイレ 更衣室に備えるロッカーとシャワーは各運動施設の利用に対応できる十分な数 を整備します。 トイレは,スポーツ観戦時の集中利用に対応できる数を整備し,特に女性用につ いては,十分な数を確保します。 (6)管理関係諸室 事務室,応接室,貴賓室,倉庫,機械室等については,管理動線を考慮した配置 とします。
(7)医務室,授乳室 観客動線を考慮し,わかりやすく,利用しやすい配置とします。 (8)エントランス,ロビー等 エントランスやロビーは,明るく開放的な空間とし,大会開催時の選手の集合場 所等として活用できるよう十分なスペースを確保します。 プロスポーツやイベント開催時においても,観客が安全に入退場することができ, 仮設店舗等を設置することができるよう配慮したものとします。 (9)災害備蓄庫 災害発生時には,避難所として機能できるよう,生活必需品や避難活動に必要な 備品類を備蓄できる十分なスペースを確保し,車両からの搬入出が可能な配置を検 討します。 7 想定施設規模 これらの機能を有する施設全体の規模としては,他都市の事例を参考に,延べ面積 で 13,000 ㎡~15,000 ㎡程度となることが想定されます。 なお,利用者や観客の動線に配慮したレイアウトとすることとあわせ,事業費抑制 の視点から,設計段階でさらなる検討を行い,面積の縮減に努める建築計画とします。 【他都市の事例】 施設名 都市名 人口 延べ面積(㎡) (建築面積) アリーナ面積(㎡) 備考 メイン サブ 函館アリーナ 函館市 272千人 15,693 (10,058) 2,860 1,000 H27 開設予定 高崎市新体育館 高崎市 371千人 ※15,953 (13,145) 3,570 1,031 H27 開設予定 所沢市 市民体育館 所沢市 342千人 14,692 (10,895) 3,360 800 H16 開設 松江市新体育館 松江市 206千人 13,549 (9,224) 2,747 1,394 H28 開設予定 ※高崎市新体育館については,地下階(駐車場等)を除いた延べ面積
8 館内動線計画及び施設概念図 (1)館内動線計画 館内の動線については,通常の一般利用における利便性を確保するとともに,大 会やイベントの開催時には,観客と選手,関係者の動線を明確に分けることができ るよう十分に配慮するものとします。 また,プロスポーツの試合等有料での入場となる場合にも,入退場の混雑時にお いてもスムーズな動線が確保できるよう,有料ゾーンを明確に区分できるように計 画するものとします。 (2)施設概念図 これまで検討してきた施設計画を図として示すと次のとおりとなります。 なお,施設内のレイアウトについては,イメージであり,具体的な施設のレイア ウトについては,設計段階において検討するものとします。 1 階 2階 メインアリーナ サブアリーナ 管理関係諸室 医務室・授乳室 会議室 選手控室 更衣室等 用具庫・災害備蓄庫 用具庫 一般利用・観客 メインアリーナ 観客席・ランニングコース 大会本部 室 ・放 送室 多目的室 強化拠点機能等 ロビー エントランス 会議室
9 引き続き検討する項目 (1)ステージ形式 メインアリーナにおいて,講演会や大規模な集会などのイベントを開催する際に は,ステージが必要となります。 アリーナにおけるステージ形式としては,移動式ステージ,壁面収納式ステージ, 床収納式ステージが挙げられ,本市が計画するアリーナにとって,最も使用しやす い形式について検討を進めます。 (2)大型映像装置の設置 近年計画されている他都市の体育館には,メインアリーナの天井中央部に多面型 の大型映像装置の設置を検討する事例が多くなっています。スコアボードの機能に 加え,出場メンバーの紹介や表示,ハーフタイムや試合の中断時間にリプレイ等の 映像を流すことも可能となるため,見るスポーツの充実を図るためには,設置する ことが望ましい設備でもあります。 設置については,使用頻度やコスト等を勘案しながら検討を進めます。
第5章 敷地の利用計画
1 建物配置計画 東町運動公園内の既存施設については,すべて解体のうえ撤去するものとし,体育 館に特化した施設として整備します。施設の配置については,アクセスや敷地内の動 線等を考慮し,最適な計画とします。 なお,当運動公園敷地は,南側に向かって低くなっていることから,高低差を生か した施設整備の検討も必要となります。 2 駐車場及び交通アクセス等の整理 (1)新体育館へのアプローチ 現在,整備地へは,国道 50 号のスポーツセンター入口交差点からのアプローチ に限定されることから,新体育館において,大規模な大会やスポーツイベント等を 開催した場合,深刻な交通渋滞が発生することが予測されます。 このため,隣接する県立歴史館敷地を活用し,体育館の新たな進入・退出路とし て整備し,円滑な交通アクセスを確保することとします(下図点線表示部分)。 新体育館 ※新体育館のレイアウトについては,イ メージであり,敷地内の動線等を精査 し,設計段階で決定するものとします。新たなアクセス路については,車両の対面通行が可能で,歩行者が安全に通行で きるようにするために歩道を設けます。そのため,幅員 10m程度を確保することが 必要となります。 (2)駐車場等 現在の施設における駐車場は 250 台であり,大会開催時には,慢性的に駐車場が 不足し,施設運営に当たっての大きな課題となっていました。 新体育館においては,課題の解決に向け,駐車スペースを可能な限り多く計画す るとともに,周辺施設と連携を図ることにより,800 台から 1,000 台程度の駐車ス ペースを確保することとします。 体育館入口付近には,障害者等用駐車場を設置するほか,大会開催時の参加選手 のバス利用に対応し,大型バスの乗降や荷物の積み下ろしができる停車スペースを 設けます。 また,歩行者の安全に配慮し,歩行者と車両の動線を考慮した駐車場とします。 (3)公共交通機関 整備地は,中心市街地に隣接していることから,バス等の公共交通機関の利便性 が高い状況にあります。この特性を生かし,さらなるPR等によって,公共交通機 関を利用したアクセスについても一層の促進を図ります。
第6章 構造・設備計画
1 構造計画 新体育館は,多くの市民が安全に利用できる建物とすることはもちろん,災害発生時 には,近接する北消防署との連携による防災拠点として,また,大規模な避難所や救援 物資の一時保管,配布拠点としても活用できる施設とするために,十分な耐震安全性の 確保に努めます。 2 設備計画 (1)電気設備 電気設備は,省エネルギーや長寿命に配慮し,ライフサイクルコストの低減を図る とともに,維持管理がしやすく,将来の設備増設に対応できる計画とします。 照明設備はLED照明などを採用することにより,省エネルギー化を図るほか,メ インアリーナとサブアリーナにおいては,屋内競技の種目ごとに照度基準が定められ ていることから(下表参照),バスケットボールやバレーボールの公式大会にも対応 できる 1,500 ルクスの照度を確保するものとし,用途に応じて照度を制御できるよう にします。 また,メインアリーナの分割貸し出しにも対応できるような点灯回路とします。 【各競技種目の照度基準】 競技種目 照度基準 レスリング 基準なし フェンシング ピスト上1mの高さで 500 ルクス以上が望ましい。 バスケットボール コート面上1mの高さで 700 ルクス以上とし,コートの競技者に直接 日光が当たらないよう採光することが望ましい。 公式大会はコート上 1.5mで 1,500 ルクス以上,補助照明なしでTV 放送可能なものとする。 バレーボール コートの表面から1mの高さで,1,000~1,500 ルクスの範囲とする。 Vリーグは 1,500 ルクス以上 体操 1,000 ルクス以上が望ましい。国際大会においては,最低 1,500 以上 で,選手の目から見てまぶしくないもの。 バドミントン 各コートともネットの中央上において 1,200 ルクス以上とする。 卓球 プレーイングサーフェスの高さで測った照度は,競技領域全面にわた って 1,000 ルクス以上でなければならない。 ハンドボール 800 ルクス以上が望ましい。(2)機械設備・給排水設備 電気設備と同様に,省エネルギーや長寿命に配慮し,ライフサイクルコストの低減 を図るとともに,維持管理がしやすく,将来の設備更新を考慮した計画とします。 また,給排水設備は,省資源化を考慮し,節水対策や雨水利用などを検討します。 (3)空調設備 空調設備は,「するスポーツ」と「見るスポーツ」双方の充実を図る上で欠かせま せん。 アリーナ部分は,大空間に適したもので,かつバドミントンや卓球競技等に影響の ないおだやかな気流を形成する空調方式とし,観客席においても快適な観戦環境を確 保できるようにします。 エントランスやロビー,管理諸室,多目的室,会議室,強化拠点機能等については, アリーナとは運転条件が異なるため,利用状況に応じ,効率的で快適に施設を利用で きるよう,単独運転が可能な方式とします。 なお,空調設備は,施設全体のラニングコストの約半分を占めると言われているこ とから,施設計画に最適な省エネルギー設備を採用することとします。 (4)熱源システム 熱源機器のイニシャルコスト及びランニングコストのトータルコストをはじめ,環 境負荷の低減等を考慮し,最適な熱源を選定します。 (5)エコデザイン エネルギー損失の少ない断熱効果等に優れる外装材,断熱材,高性能ガラス等を導 入することにより,熱効率と蓄熱効果の向上を図るほか,太陽光発電設備を設置し, 発電した電力を活用することにより,施設のランニングコストの縮減に努めます。 (6)ユニバーサルデザイン 誰もがするスポーツ及び見るスポーツを快適に楽しむことができる環境を整備す るため,ユニバーサルデザインを導入し,高齢者,障害者等の移動等の円滑化の促進 に関する法律(バリアフリー法)に沿った建築計画とします。
(7)避難所を想定した設備 災害発生時には,隣接する北消防署との連携による防災拠点として,また,大規模な避 難所や救援物資の一時保管,配布拠点としても活用できる施設とするために,非常用のバ ックアップ電源を確保するとともに,雨水利用についても検討します。 (8)コンベンション施設としても活用できる設備 大規模な会議や展示会等様々な用途に対応できる多目的な施設とするために,メイ ンアリーナはもちろん,サブアリーナについても消防法上の「観覧場」として整備し ます。また,講演会等に対応できる音響システムを配備します。
第7章 管理運営方針
1 施設管理方針 利用者が安心して快適に利用できる施設として,施設・設備の適切な点検や計画的 な修繕を行うとともに,防犯・防災体制の整備など,リスクマネジメント体制を確立 します。 年間の維持管理費については,他都市の同等規模の施設を参考にすると,人件費を 除いて年間約 1.5 億円程度と見込まれることから,効率的な施設管理を行い,施設管 理経費の縮減に努めます。 2 施設運営方針 利用者のサービス向上に努めるとともに,子どもからお年寄りまで,多くの方に利 用していただけるよう,市民ニーズの把握にしながら,参加しやすいプログラムやイ ベントを開催するなど,施設の利用促進を図ります。 また,市内の既存体育館との連携により,全国大会等の大規模大会を本市において 集中開催することも可能となります。近隣市町村の施設を大会会場の一つとして使用 する場合に比べ,会場間の移動に係る時間を短縮できる等,効率的な大会運営が可能 となることから,大会を誘致する際の大きなアドバンテージとなります。 そのため,この利点を効果的にPRすることで,大規模大会の誘致・開催に努め, スポーツコンベンションンの推進を図ります。 総合運動公園体育館 青柳公園体育館 内原ヘルスパーク体育館 新体育館 新体育館 新体育館 新体育館 連携 連携 連携 既存施設との連携イメージ第8章 事業計画に関する検討
1 概算事業費及び財源 (1)概算事業費(想定) 新たな体育館の概算事業費については,他都市の同等規模の施設を参考に,現在想定 している施設の規模や機能を実現した場合,80 億円程度と想定します。 なお,事業費は資材価格や労務費の高騰など社会情勢により変動することが考えられ ますが,設計段階において事業内容を十分に精査し,本市の将来の財政運営への影響を 見据え,可能な限り事業費の縮減に努めます。 (2)財源確保策 健全な財政運営のもとで事業を推進するため,第 74 回国民体育大会「いきいき茨城 ゆめ国体」の会場として整備することで,国の社会資本整備総合交付金や県の補助金を 確保します。また,地方債についても,普通交付税措置のある有利な条件の合併特例債 や公共事業等債を活用します。 これらの国・県補助の確保及び交付税措置によって,実質的な市の一般財源負担額は, 約 28 億~35 億円に抑えることができるものと見込まれます。2 事業スケジュール 新たな体育館は,平成 31 年の秋に開催される第 74 回国民体育大会「いきいき茨城ゆ め国体」のレスリング及びフェンシング競技の会場として使用するため,それまでに供 用を開始できるように整備を進める必要があります。 このため,設計業務(基本設計及び実施設計)については,平成 26 年度末から 18 か 月で行います。本体建設工事については,平成 28 年度末から着手し,他都市の同等規 模の施設を参考に,外構工事を含め約 28 か月を想定し,平成 31 年度初めの供用開始を 目指します。 (年度) H26 H27 H28 H29 H30 H31 基本・実施設計 (18 か月) 解体工事Ⅱ (8か月) 本体建設・外構工事 (28 か月) 解体工事Ⅰ (5 か月) 設計者 選定等 施工者 選定等 供用 供用 供用 供用 開始 開始 開始 開始