- 1 - 総括研究報告書
平成 25 年度厚生科学研究費補助金(地球規模保健課題推進)研究事業
医療機器規格の国際標準化を支援する体制構築に関する研究(H25‑地球規模‑指定‑008)
研究代表者 新見 伸吾 国立医薬品食品衛生研究所 医療機器部 研究分担者 蓜島 由二 国立医薬品食品衛生研究所 医療機器部 中岡 竜介 国立医薬品食品衛生研究所 医療機器部 大熊 一夫 日本歯科大学新潟生命歯学部歯科理工学講座
研究要旨
本研究では、「国際標準化機構(ISO)及び国際電気標準会議(IEC)における医療機器の各種国際規 格の策定に関する研究(H23‑地球規模‑指定‑003)」において策定した「医療機器規格・基準の国際標 準化戦略に係る政策的提言」を具体的に実行する体制の構築に資する施策として、幾つかの ISO/TC の活動をサポートする窓口を試験的に開設し、その実用可能性を検証すると共に、国際標準に関する 世界情勢を周知する啓蒙活動を行った。また、新規規格の提案や国際規格の改定作業を通じて国際標 準化に必要な戦略等に関する情報を収集することを目的として、材料開発分野、試験法分野及び歯科 分野においてケーススタディを実施した。
国際標準化戦略窓口の試験的設立については、ISO/TC194、TC198 及び TC150/SC7 の協力を得て再生 医療製品に関連する情報の収集と配信を行うための HP を開設した。また、ソフトウェアの品質評価と ネットワークに接続する医療機器のセキュリティ対策に係る規格は ISO/TC210、ISO/TC215 及び IEC/TC62 が担当しているが、各団体の情報を一元化する体制を整備した。啓蒙活動については、国際 標準化に係る認知度と考え方のほか、参画状況やエキスパートの待遇等を把握するため、国内企業の 経営陣を対象としたアンケート調査を実施した。また、産官学の専門家を講師として招き、医療機器 開発の留意点と国際標準化をテーマとした講演会を開催した。材料開発分野のケーススタディとして、
精巣への影響評価を中心とした DOTP のラット亜慢性毒性試験を実施した結果、DOTP が DEHP の有益な 代替可塑剤となり得る可能性を見出した。また、FGF2 捕捉型 RNA アプタマーの有用性評価については、
候補アプタマーの創製と PEG ブラシ表面の作製が完了した。試験法分野のケーススタディとして、
ISO/TC194/WG9 において実施されている溶血性試験ラウンドロビンテストを支援したと共に、処方を 改良した溶血性試験用陽性対照材料 Genapol X‑080 含有 PVC シートを同ラウンドロビンテスト用標準 品として提供した。歯科分野のケーススタディとしては、日本が提案した新規業務項目「Accuracy of machined indirect restorations – Test methods and marking」において規定された方法論をタイ と連携して検証した。また、2013 年 9 月に開催された ISO/TC106/SC9/ad‑hoc5 会議において討議した 結果、5 ヵ国によるインターラボラトリテストを実施することが決定されたと共に、本提案規格を CD ステージに進めることが承認された。
A.研究目的
近年、国際市場の拡大に伴い、医療機器 に関する各国の法規制を整合化する動き が活発化している。GHTF ではグローバル な整合作業が進められており、その他、
ISO や IEC では医療機器の性能や試験法等、
有効性と安全性に関する各種規格・基準 の国際整合化が行われている。医療機器 については、品質維持の観点から国内法 規への適合が求められると共に、主に通 商上の観点から国際規格への適合も要求 される。すなわち、我が国の優れた製品
- 2 -
を世界的に流通させるためには、日本の 国内法規における要求事項を反映した国 際規格を作成し、運用することが最適と 言える。また、日本は医療機器開発にお いて先進的な技術力を持つことから、国 際的な優位性を確立することが可能な状 況にある。例えば、製品や材料の性能評 価等に関する技術については、差別化に よる高付加価値化を狙い、新たな市場を 開拓していくことが重要である。このた め、研究開発段階から標準化を視野に入 れたプロジェクトを推進すると共に、国 際標準策定に必要なデータ取得、ラウン ドロビンテスト等を産業界と一体となり 推進することが必要である。
医療機器産業は急成長しており、世界 的競争が激化しているが、国内で使用さ れている医療機器は輸入が年々拡大して いる。2010 年では 0.6 兆円の貿易赤字と なっているのが現状であり、日本のモノ づくりの力が生かされていない。米国・
FDA/ANSI、ドイツ・DIN、フランス・AFNOR、
英国・BSI 等、主要国には国内・国際規格 に関与する国家機関が存在し、基礎デー タの収集や保持も行っている。日本には JISC/JSA があるが、諸外国の関連機関と 比較して実質的に対等の機能を果たして いないと思われる。また、デファクト標 準に頼っていた我が国の医療機器関連企 業はデジュール標準の時代が到来してい ることを認識する必要がある等、我が国 における国際標準化に係る環境や意識は 他国と比較して立ち後れているのが現状 である(図 1)。
このような背景の中、現在までに国内 の医療機器の評価手法、必要な基準の策 定、国際的な整合等に関する研究や活動 は行われて来ているが、日本発の良質な
医療機器を障壁なく国際的に進出させる 環境を整備する戦略的な研究は実施され ていなかったため、平成 23,24 年度厚生 労働科学研究費補助金(地球規模保健課 題推進)研究事業「国際標準化機構(ISO)
及び国際電気標準会議(IEC)における医 療機器の各種国際規格の策定に関する研 究(H23‑地球規模‑指定‑003)」において、
国際的に提案できる基準の選別や原案策 定過程への提案を含めて、国際標準化活 動を国家的にサポートする体制の構築や 戦略的な考え方等を取りまとめた「医療 機器規格・基準の国際標準化戦略に係る 政策的提言」を策定した。
本研究では、この政策的提言を具体的に 実行する体制の構築に資する施策として、
幾つかの ISO/TC の活動をサポートする窓 口を試験的に開設し、その実用可能性を検 証すると共に、国際標準に関する世界情勢 を周知する啓蒙活動を行った。また、新規 規格の提案や国際規格の改定作業を通じ て国際標準化に必要な戦略等に関する情 報を収集することを目的として、材料開発 分野、試験法分野及び歯科分野においてケ ーススタディを立ち上げ、検証データ等を 収集した(図 1)。
本研究においては、以下に示した 3 件 の分担研究課題を実施している。各課題 の方法、結果及び考察等の詳細について は、該当する分担研究報告書を参照して 頂きたい。
<サポート窓口の開設と啓蒙活動>
ISO/TC 共通窓口の試験的開設及び啓蒙活 動に関する研究(中岡、蓜島)
<歯科分野ケーススタディ>
歯科用 CAD/CAM によるセラミック加工法
- 3 -
等の国際標準化に関する研究(大熊)
<試験法・材料開発分野ケーススタディ>
医用材料規格の新規提案に向けた検証実 験に関する研究(蓜島)
B.研究方法
(1)ISO/TC 共通窓口の試験的開設及び啓 蒙活動に関する研究
1‑1.ISO/TC 共通窓口の試験的開設
ISO/TC194、TC198, TC276 及び TC150/
SC7 の協力を得て再生医療製品に関連す る国際規格作成状況情報を収集したと共 に、情報配信を行うための HP を構築した。
また、ソフトウェアの品質評価とネット ワークに接続する医療機器のセキュリテ ィ 対 策 に 係 る 規 格 は ISO/TC210 、 ISO/
TC215 及び IEC/TC62 が担当しているため、
各団体の情報を一元化する体制を整備し たと共に、関連する最新規格案の邦訳を 行った。
1‑2.国際標準化に対する医療機器関連企 業の意識調査
国際標準化に係る認知度と考え方のほ か、参画状況やエキスパートの待遇等を 把握するため、国内企業の経営陣を対象 としたアンケート調査を実施した。また、
我が国の国際標準化の現状を周知し、企 業経営陣の意識改革及びエキスパートの 待遇改善を主な目的として、産官学の専 門家 9 名を講師として招き、医療機器開 発における留意点と国際標準化をテーマ とした講演会を開催した。
(2)ケーススタディ
発信すべき医療機器・技術・手法の新 規提案及び現行の ISO 規格改訂に向けた
データ収集を行うため、以下に示したケ ースタディを実施した。
2‑1.歯科分野:歯科用 CAD/CAM によるセ ラミック加工法等の国際標準化に関 する研究
2‑1‑1.歯科用修復物の作製
Ⅰ級インレー、Ⅱ級インレー、クラウ ン及びブリッジの金型を作製し、タイと の連携のもと、2 種類の CAD/CAM システム を利用して上記の歯科用修復物を作製し た。
2‑1‑2.切削用三次元データの調整と修復 物の精度評価
CAD/CAM 装置により作製した各修復物 を対応する金型に装着し、ダジマチック インジケーター(精度:1/1000 mm)を使 用して基準面からの浮き上がり又は沈み 込み変位量を測定した。規格値と比較し て、作製した修復物の寸法が大きい又は 小さい場合は、CAM ソフトを利用して切削 用三次元データを修正し、再び修復物を 作製した。本操作を繰り返し行うことに より、変位量が 0 mm となる切削用三次元 データを決定し、修復物毎に 6 検体作製 した。
2‑1‑3.ISO/TC106/SC9/Ad‑hoc5 会議 Ad‑hoc5 会議(インチョン:韓国)に暫 定座長として出席し、新規業務項目に係 る検証データを提示したと共に、CD ステ ージに進めるための各種討議を行った。
2‑2.医用材料規格の新規提案に向けた検 証実験に関する研究
2‑2‑1.試験法分野:ISO/TC194/WG9 溶血性 試験ラウンドロビンテスト支援
- 4 -
ISO/TC194/WG9 から配布された 5 種類
( Polyethylene, Nitrile glove, Latex glove, EPDM rubber, Buna rubber)の材 料を使用した。各試験法のインキュベー ション時間は、ラウンドロビンテスト用 プロトコルに従い、ASTM 法(直接接触及 び抽出液法):3 時間、NIH 法(直接接触 法):1 時間、MHLW 法(抽出液法):4 時間 とした。Pilot Run は米国(Medtronic:
Santa Rosa 及び PRL)と日本(テルモ及 び食品薬品安全センター)の 4 施設にお いて実施した。また、処方を改良した溶 血性試験用陽性対照材料 Genapol X‑080 含有 PVC シートを作製し、常法に従って その溶血性能を検証した後、ラウンドロ ビンテスト用標準品として提供した。
2‑2‑2.材料開発分野:代替可塑剤の安全 性評価/DOTP のラット亜慢性毒性 試験
訓化した 5 週齢の SD 系雄ラット(8 匹/
群)に DEHP(5000 ppm)及び種々の量の DOTP(0, 5, 50, 500, 5000 ppm)を 13 週間混餌投与した。イソフルラン麻酔下、
断頭採血し、放血殺後の動物を用いて、
全身諸臓器の詳細な病理的検査を実施し た。精子数及び血中ホルモン量は常法に 従って計測した。
2‑2‑3.材料開発分野:RNA アプタマーを用 いた革新的医用材料の創製
陽性(bFA)及び陰性対照(40N)のほ か、合計 10 種の配列(1p01, 1p02, 1p03, 1p07, 1p41, 2p03, 2p04, 2p05, 2p10, 2p11)を試験管内転写法によって合成し た。合成標品はポリアクリルアミドゲル 電気泳動法によって精製した。
RNA アプタマー/bFGF/FGFR1 三者複合体
形成能は、ヘパリン存在又は非存在下、
BIAcore 2000 を用いた表面プラズモン共 鳴(SPR)法によって評価した。
bFGF の細胞内シグナル伝達状況は、常 法に従って、マウス線維芽細胞(NIH3T3)
を利用して解析した。FRS2 及び ERK のリ ン酸化状況はウェスタンブロッティング 法により確認した。
RNA アプタマー固定化用表面は、金コー トガラス板、2 官能性 PEG(5 kDa)及び Poly dT (30 nt)を利用して作製した。静 的接触角は ERMA 接触角測定器(G‑1‑1000)、 X 線光電子分光分析(XPS)は島津社製 ESCA3200 を利用して行った。
C.研究結果
(1)ISO/TC 共通窓口の試験的開設及び啓 蒙活動に関する研究
1‑1.ISO/TC 共通窓口の試験的開設 今年度行った情報収集により、再生医 療等製品及び医療機器ソフトウェアに関 する国際標準化活動状況を取りまとめた。
再生医療等製品分野においては、用語 や一般的要求事項に関する標準化の取り 組みが開始されることになっているほか、
無菌操作に関する国際標準化文書の作成 が進んでいること等が確認された。また、
基本的には、関連する TC 国内委員会の連 携が乏しいことも明らかとなった。
医療機器ソフトウェア分野においては、
医療機器とソフトウェアとの異なる視点 を統合して標準化を行わなければならな いため、非常に複雑な状況となっている ことが判明した。現在、医療機器の品質 管理(QMS)に関する国際規格(ISO 13485)
の改訂が進んでいるが、参照文書として ソフトウェアの製品及びプロセス規格が 明記されることになり、医療機器ソフト
- 5 -
ウェアが QMS の対象となりうることが明 らかになった。
今回取りまとめた調査結果等を発信す ることが、医療機器業界における国際標 準化活動を充実するためには必要と考え、
医療機器部のサーバーシステムを利用し、
本研究を紹介するホームページを開設し た(http://dmd.nihs.go.jp/ chikyukibo/
index.html)。
1‑2.国際標準化に対する医療機器関連企 業の意識調査
アンケート調査において回答が得られ た企業数は計 49 社であった。具体的な内 訳 は 、 日 本 画 像 医 療 シ ス テ ム 工 業 会
(JIRA)から 8 社(配布対象企業数 173)、 日本歯科商工協会から 11 社(配布対象企 業数 170)、日本医療機器テクノロジー協 会(MT JAPAN)から 30 社(配布対象企業 数 271)の回答を得た。調査結果を集計・
解析した結果、国際標準化に積極的な企 業が少ないこと、参画している企業の多 くでは何らかの形で担当者を評価する姿 勢があるが担当者にその評価が伝わって いない可能性等があることが明らかとな り、企業に対する啓蒙活動の必要性が示 唆された。そこで、啓蒙活動の一環とし て、2014 年 2 月 3 日に「医療機器開発に おける留意点と国際標準化に関する取り 組み」と題した講演会を長井記念ホール において開催し、168 名の参加者を集めた。
(2)歯科用 CAD/CAM によるセラミック加工 法等の国際標準化に関する研究 2‑1.加工精度の検証実験
CAD/CAM システムを利用して作製した
Ⅰ級インレー、Ⅱ級インレー及びクラウ ンを金型に装着後、基準面と修復物の変
位量を測定した結果、規格値と比較して、
各修復物の変動誤差は、それぞれ最大±
0.005 mm、±0.002 mm 及び±0.005 mm 以 下であり、各修復物の加工精度は本方法 により評価できることが確認された。ま た、Ⅰ級インレーとクラウンについては、
金型装着時にマーカを記す必要が無いこ とも判明した。
2‑2.ISO/TC/106/SC9/Ad‑hoc5 会議
新規業務項目について、各国から寄せら れたコメントに対する回答と検証データ を提示し、今後の方向性について討議した。
その結果、日本が 4 種類の金型を提供して、
日本、タイ、米国、ドイツ及びスウェーデ ンによるインターラボラトリテストを実 施することが決定された。また、WG 名称 は「Machined devices」とすることが決定 されたと共に、日本(日本歯科大/大熊一 夫)がコンビーナに就任し、作業原案を修 正して CD ステージに進めることが正式に 承認された。
(3)医用材料規格の新規提案に向けた検 証実験に関する研究
3‑1.ISO/TC194/WG9 溶血性試験ラウンドロ ビンテスト支援
陽性対照材料である Nitrile glove の 溶血性を ASTM 法により評価した結果、直 接接触法及び抽出液法ともに強い活性が 観察された。Nitrile glove は NIH 法(直 接接触法)においても 50%前後の溶血率を 示したが、NHLW 法(抽出液法)では顕著 な活性が認められなかった。Latex glove は NIH 法(直接接触法)において 14‑28%
程度の溶血率を示したが、ASTM 直接接触 法の検出感度は同 NIH 法に比較して顕著 に低下した。また、ASTM 抽出液法及び MHLW
- 6 -
法(抽出液法)による評価では溶血性陰 性と判定された。Buna rubber の溶血誘導 能は低く、ASTM 直接接触法及び NIH 法(直 接接触法)における溶血率はそれぞれ 6.8‑9.7%及び 3.7‑ 5.4%であり、ASTM 抽 出液法及び MHLW 法(抽出液法)では顕著 な活性を示さなかった。また、米国が実 施した 2 施設の試験においてもほぼ同様 の結果が得られた。
Genapol X‑080 含量の異なる 3 種の PVC シートの溶血誘導能を評価した結果、直 接接触法を利用した ASTM 法及び NIH 法で は、Genapol X‑080 添加量に比例して溶血 率が増加した。抽出液法を利用した場合、
1.5 及び 10 パーツ添加標品は ASTM 法及び MHLW 法ともに完全溶血を惹起したが、1.0 パ ー ツ 添 加 標 品 の 溶 血 率 は そ れ ぞ れ 86.8%及び 49.9%であり、1.5 及び 10 パー ツ添加標品と比較して溶血性が低いこと が確認された。
3‑2.代替可塑剤の安全性評価/DOTP のラ ット亜慢性毒性試験
投与期間中の発育状況は全群ともに良 好であり、体重推移及び摂餌量について は各実験群間に有意差が認められなかっ た。
DOTP 投与群は、対照群(DOTP 0 ppm)
と比較して、全群ともに各臓器の絶対重 量及び相対重量に有意な変動を示さなか った。一方、DEHP 投与群では、相対重量 において、肝臓と腎臓にそれそれ 18%及び 14%程度の軽度な増加が観察された。
病理組織学的検査において、DEHP 群の 肝臓に軽度なびまん性肝細胞肥大が 8 例 中 7 例認められた。この肝細胞肥大は統 計学的に有意な増加であった。また、肝 細胞肥大を示す肝細胞は、やや顆粒状で
好酸性を呈していた。対照群(DOTP 0 ppm)
及び DOTP 5000 ppm 投与群においては異 常が認められなかった。精巣については、
いずれの群においても正常な精子形成像 が認められ、精子形成ステージの構成細 胞にも投与による異常は認められなかっ た。精巣上体については、精巣上体管腔 内に細胞残差が散見される個体が観察さ れたが、対照群と比較して有意な変化で はないことが確認された。腎臓について は、皮質及び髄質いずれの部位において も投与による変化は認められなかった。
比較的発生頻度の高かった病理組織学的 変化として、小葉周辺性の肝細胞脂肪化 等が観察されたが、いずれも対照群と同 程度の発生であり有意差は認められなか った。その他、精子数及び血中ホルモン 量にも対照群を含めた各実験群に有意差 は認められなかった。
3‑3.RNA アプタマーを用いた革新的医用 材料の創製
bFGF との相互作用を解析した結果、bFA 及び 1p01 に bFGF を添加することにより RU 値が増加したことから、これらのアプ タマーは bFGF に結合することが確認され た。また、これらの複合体に FGFR1 を添 加した際、RU 値が若干上昇したことから、
アプタマー/bFGF/FGFR1 三者複合体も形 成されることが確認された。ヘパリン存 在下での相互作用解析を行った結果、bFA 及び 1p01 ともに bFGF との結合能力が顕 著に低下した。FGFR1 を添加して三者複合 体形 成状況 を検討した結果、 bFA では FGFR1 添加による RU 値変動は観察されな かったが、1p01 では bFGF 添加前と同程度 まで RU 値が顕著に低下した。その他の RNA アプタマー候補についても同様の実験を
- 7 -
行った結果、いずれも 1p01 と類似した性 状を示した。
BIAcore を利用した bFGF/FGFR1 結合能 解析結果に基づいて、bFA、40N、1p01、
1p02、1p07、2p03、2p05 及び 2p11 の bFGF 細胞刺激阻害能の評価を行なった。その 結果、bFA、1p07、2p05 及び 2p11 では P‑FRS2 抗体と P‑ERK 抗体を用いたウエス タンブロットによりバンドが確認されな かったが、40N、1p01、1p02 及び 2p03 で は FRS2 と P‑ERK のリン酸化体が検出され た。これらの成績から、1p01、1p02 及び 2p03 は、bFGF の生理活性を保った状態で bFGF を補足する RNA アプタマーであるこ とが判明した。
金コートしたガラス板のほか、同基材 上に PEG5k 又は PEG5k‑poly dT を結合さ せた材料表面の静的接触角を測定した結 果、金表面は 86の接触角を有していたが、
PEG5k 及び PEG5k‑poly dT 固定化表面の接 触角はいずれも低下し、それぞれ 37及び 51を示した。XPS 解析を行った結果、リ ン元素のピークが PEG5k‑poly dT 固定化 表面のみに検出されたことから、PEG5k‑
poly dT が基板上に存在していることが確 認された。
D.考 察
(1)ISO/TC 共通窓口の試験的開設及び啓 蒙活動に関する研究
1‑1.ISO/TC 共通窓口の試験的開設 我が国では、従来の再生医療、具体的 には分化細胞や間葉系幹細胞を用いた再 生医療等製品で製造販売承認を得たもの は 2 品目のみであり、その他は未だに治 験や臨床研究の段階であることから、再 生医療等製品の国際標準化にまで目が行 き届かない面がある。しかしながら、実
用化までの時間はまだ必要なものの、iPS 細胞のような我が国発の万能細胞開発が 進んでいることから、知的財産権との効 率的な併用を考慮しつつ将来展開を見越 したデジュール規格の作成を戦略的に進 めていかなければならないと考える。作 成された国際規格が実際に規制当局に利 用されるか否かは別に議論しなければな らないが、少なくとも我が国がこの分野 で 主 導 権 を 握 っ て い く た め に は stakeholder 間で情報及び認識を共有し つつ、戦略的且つ統一的に再生医療等製 品の国際標準化に取り組んでいかなけれ ばならないことが明確となった。その一 環として、我々は、TC 150/SC 7、TC 194/SC 1、TC 198、TC 276 国内委員会関係者及び 関係省庁関係者との間で、再生医療等製 品に関する国際標準化に関して統一した 方向性と連動性を共有するための連携体 制構築に取り組み始めた。これにより、
今後の国際規格作成が戦略的な All JAPAN 体制となるような土台が出来上がること を期待している
医療機器ソフトウェアの標準化は米国 が主導権を握って素案の作成を行ってい ることが示唆される調査結果が得られた。
また、ISO 13485 の改訂に伴い医療機器ソ フトウェアが QMS の対象となりうること、
その際の引用規格が非常に多くなること から医療機器ソフトウェアの製造工程管 理が非常に複雑化する可能性が示唆され た。これは、ソフトウェアを必要とする 医療機器にとっても非常に大きな変更に なることから、医療機器分野全体の課題 として改訂される ISO 13485 の運用をフ ォローしていく必要があると思われる。
1‑2.国際標準化に対する医療機器関連企
- 8 -
業の意識調査
今回の回答社数は 49 件であり、国際標 準化に積極的に関与している企業はあま り多くないことが予想される。今回、国 際標準化に積極的に参加している企業の 割合は、従業者数に比例して増加する傾 向がみられたことから、国際標準化に興 味を持つ企業であっても、その活動に参 加するか否かは企業規模、すなわち人員 的に余裕があるかどうかに左右されるこ とが示唆された。
今回のアンケートでは、企業は国際標 準化活動に関わっている従業員を何らか の形で評価しているとの回答が多く寄せ られたが、実際に活動を行っている方と の意見交換を行ったところ、社内でその 活動が正当に評価されていないと感じて いる方が多かった。これは、回答企業の 中で、給与等にその評価を反映させてい る企業が 4 社のみであったことから、具 体的に目に見える形で「評価している」
企業が少ないことが原因だと思われる。
企業からの国際標準化活動参加を活発化 させて国際市場における日本企業の優位 性を確保するためには、企業上層部の理 解は不可欠であることが改めて明らかと なった。この問題を解決する一つの手段 として、国が企業上層部を対象とした啓 蒙活動を行うことが重要な因子となる。
その一環として、政策的提言やアンケー ト調査結果の公表を兼ねて講演会を開催 したが、160 名を超える参加者があったこ とから、潜在的には国際標準化の重要性 を感じている方々が多いことが示唆され た。よって、来年度以降も同様の取り組 みを行って行く必要があると考えられる。
それと同時に、企業上層部に直接国際標 準化の必要性を訴えていく等の活動が来
年度以降必要になると思われる。
(2)歯科用 CAD/CAM によるセラミック加工 法等の国際標準化に関する研究 歯科用修復物の測定精度を向上させる ためには、修復物を一定の圧力で金型に 圧接することが重要であるため、本研究 においては、各金型に修復物を圧着し、
測定精度を向上させるための治具を考案 した。
クラウンの作製と比較して、精度の高 いブリッジの作製は難易度が増す。幾つ かの CAD/CAM マシンでは、ブリッジが作 製できない事例も存在するため、ブリッ ジの標準化に関しては、次年度にドイツ で開催される全体会議において検討する こととした。
スウェーデンは国から大きな経済的バ ックアップを受けており、CAD/CAM 関連企 業がエキスパートを選出して、組織的に ISO 活動に参画している。同国のエキスパ ートは CAD/CAM システムの利用経験に乏 しく、提案規格の本質と異なる内容のコ メントが大量に寄せられたが、新規業務 項目を標準化するためには、このような 点においても多くの労力が必要となる。
これらの経験を通して、新規業務項目を 国際標準化するためには、会議前のロビ ー活動が非常に重要であることを再確認 した。
現在、国際標準化作業を進めている新 規業務項目については、インチョン会議 の討議内容を反映させた修正版を 2014 年 5 月末までに SC9 事務局に送付した後、CD 投票が行われる予定である。
(3)医用材料規格の新規提案に向けた検 証実験に関する研究
- 9 -
3‑1.ISO/TC194/WG9 溶血性試験ラウンドロ ビンテスト支援
血液に接触する医療機器には安全性上 の不具合を生じないよう、ISO 10993‑4 に おいて規定される血液適合性評価が求め られているが、具体的且つ標準化された試 験法が明記されていない点が大きな課題 となっている。今回実施した Pilot Run に おいては、溶血性の異なる 5 種類の試料を 用いて各試験法の性能が評価されたが、試 験法毎に得られるデータが相違し、中でも MHLW 法の検出感度が比較的低い成績が得 られた。これは試料の特性に由来すること が懸念されたため、我々が開発した溶血性 試験用陽性対照材料 Genapol X‑080 含有 PVC シートの処方を改良し、その基本性能 を検証した。その結果、同陽性対照材料は Genapol X‑080 添加量に応じて弱溶血性又 は強溶血性を示すことが確認されたこと から、ラウンドロビンテスト用標準品とし て提供した。
3‑2.代替可塑剤の安全性評価/DOTP のラ ット亜慢性毒性試験
SD 系雄ラットを用いて DOTP 及び DEHP を 13 週間混餌投与した結果、投与による 影響は、肝臓に肝相対重量の増加に対応 し、びまん性の肝細胞肥大として DEHP 群 にのみ観察された。対照群及び DOTP 投与 群には同様の変化は認められなかったが、
飼料に起因すると思われる肝臓脂肪化が 観察された。今回の実験では、DEHP 及び DOTP 投与群ともに、精巣及び精巣上体に おける病理組織学的変化は観察されなか った。また、その他の各臓器に認められ た病理組織学的変化については、対照群 と同程度であり有意差は認められなかっ たことから、DOTP は比較的安全性の高い
代替可塑剤となり得ることが判明した。
我が国において定められた DEHP の経 口摂取 TDI 値は 40‑140
g/kg/day であり、
その上限値と下限値はそれぞれ Poon ら及 び Lamb らの報告に基づいて決定された。
本研究は Poon らの報告に準拠して実施し たが、DEHP が精巣/生殖毒性を発現する用 量は報告毎に異なっているため、今後実 施する代替可塑剤の毒性試験においては、
Lamb らの報告に従って投与量を設定する。
3‑3.RNA アプタマーを用いた革新的医用 材料の創製
本研究では、特許戦略を考慮した製品 開発に係るケーススタディとして、RNAア プタマーを用いた革新的医用材料の創製 を目指し、生理活性を保持した状態で増 殖因子であるbFGFを補足するRNAアプタ マーを選定すると共に、材料表面への適 切な固定化法を確立することを試みた。
生体内において、bFGF/FGFR1 間の相互 作用にはヘパリンが重要な役割を果たし ているため、RNA アプタマーの機能解析は 実験レベルでもヘパリン存在下で行うこ とが重要となる。bFA はヘパリン存在下に おいても bFGF/FGFR1 間の相互作用を阻害 したが、今回選定した RNA アプタマー候 補と bFGF との相互作用は、bFGF/FGFR1 相 互作用よりも弱く、RNA アプタマー/bFGF 複合体に FGFR1 を添加した際、bFGF から RNA アプタマーが解離した。本来の目的と しては、RNA アプタマー/bFGF/FGFR1 三者 複合体が安定して形成されることが理想 的であるが、RNA アプタマー/bFGF 複合体 形成によって材料表面に補足された bFGF が細胞膜上に存在する FGFR1 と結合した 後に RNA アプタマーから解離した場合で も、bFGF シグナル伝達が正常に稼働する
- 10 -
環境であれば機能性材料としての性能は 確保される。NIH3T3 細胞に対する bFGF の 細胞刺激阻害試験を行った結果、bFGF/
FGFR1 相互作用を阻害することが知られ ている bFA のほか、1p07 及び 2p1 も FRS2 及び ERK のリン酸化を強く阻害した。一 方、1p01、1p02 及び 2p03 は FRS2 及び ERK のリン酸化を阻害しないことが確認され た。これらの結果は BIAcore 解析におい て得られた成績とも一致していることか ら、今後、この 3 種類の RNA アプタマー を利用して機能性材料の開発を進めて行 く。
E.結 論
(1)ISO/TC 共通窓口の試験的開設及び啓 蒙活動に関する研究
1‑1.ISO/TC 共通窓口の試験的開設 再生医療等製品分野については、製品 開発に先行してデジュール規格の作成取 り組みが活発化していることが判明した。
また、関連情報を配信するための HP を開 設した。医療機器ソフトウェア分野にお いては、その標準化が QMS をも巻き込み 複雑化していると共に、関連規格の改訂 作業が急ピッチで進行しているため、今 後、我が国も積極的に関与していかなけ ればならないことが示唆された。
2)国際標準化に対する医療機器関連企業 の意識調査
国際標準化に積極的な企業は多くない と共に、国際標準化に積極的に参画して いる企業であっても、目に見える形で担 当者を評価している企業は少ないことが 判明した。医療機器分野の国際標準化活 発化のためには、国を挙げてのサポート のみではなく、企業上層部の意識改革を
目的とした啓蒙活動を行う必要があると 思われる。
(2)歯科用 CAD/CAM によるセラミック加工 法等の国際標準化に関する研究
日本が提案した新規業務項目「Accu‑
racy of machined indirect restorations
– Test methods and marking」において
規定された方法論をタイと連携して検証 した結果、CAD/CAM システムにより作製さ れた歯科用修復物の加工精度は本規格に より正確に測定できることが確認された。インチョン会議における討議の結果、5 ヵ 国によるインターラボラトリテストを実 施することが決定されたと共に、本提案 規格を CD ステージに進めることが承認さ れた。
(3)医用材料規格の新規提案に向けた検 証実験に関する研究
3‑1.ISO/TC194/WG9 溶血性試験ラウンド ロビンテスト支援
Pilot Run において配布された各種材料 は、陰性対照を除き、ASTM 法、NIH 法及 び MHLW 法によりそれぞれ異なる溶血挙動 を示した。一方、我々が開発した Genapol X‑080 含有 PVC シートの性能は良好であり、
いずれの試験法においても類似した溶血 性が観察されたことから、同 PVC シート をラウンドロビンテスト用標準品として 提供した。
3‑2.代替可塑剤の安全性評価/DOTP のラ ット亜慢性毒性試験
代替可塑剤の安全性を評価する一環と して、SD 系雄ラットを用いて DOTP 及び DEHP を 13 週間混餌投与した結果、投与に よる影響は、DEHP 投与群の肝臓にのみ観
- 11 -
察された。DOTP については、いずれの臓 器においても投与による影響は認められ ず、その無毒性量は 297±12 mg/kg/day 以上と判定された。
3‑3.RNA アプタマーを用いた革新的医用 材料の創製
RNA アプタマーを用いた革新的医用材 料の創製を目指し、生理活性を保持した 状態で bFGF を補足する RNA アプタマーを 選定した結果、1p01、1p02 及び 2p03 が機 能性材料として利用できることが確認さ れた。本研究においては、金コートした ガラス板上への RNA アプタマー固定化法 も確立した。
F.健康危険情報 特になし。
G.研究発表等
<誌上発表>
1)Haishima Y, Hasegawa C, Nonura Y, Kawakami T, Yuba T, Shindo T, Sakaguchi K, Tanigawa T, Inukai K, Takenouchi M, Isama K, Matsuoka A, and Niimi S. Development and performance evaluation of a posi‑
tive reference material for hemoly‑
sis testing. J. Biomed. Mater. Res.
Part B, in press (2014).
2)Haishima Y, Kawakami T, Hasegawa C, Tanoue A, Yuba T, Isama K, Matsuoka A, and Niimi S. Screening study on hemolysis suppression effect of an alternative plasticizer for the development of a novel blood con‑
tainer made of polyvinyl chloride.
J. Biomed. Mater. Res. Part B, in
press (2014).
3)Haishima Y, Isama K, Hasegawa C, Yuba T and Matsuoka A. A develo‑
pment and biological safety evalu‑
ation of novel PVC medical devices with surface structures modified by UV irradiation to suppress plasti‑
cizer migration. J. Biomed. Mater.
Res. Part A, 101:2630‑2643 (2013).
4)Sawada R, Kono K, Isama K, Haishima Y and Matsuoka A. Calcium‑incorpo‑
rated titanium surface influence the osteogenic differentiation of human mesenchymal stem cells. J.
Biomed. Mater. Res. Part A, 101:
2573‑2585 (2013).
5)Hoshino T, Narukawa Y, Haishima Y, Goda Y and Kiuchi F. Two new sul‑
fated oleanan saponins from Achy‑
ranthes root. J. Nat. Med, 67:386‑
389 (2013).
6)中岡竜介.ISO/TC 150/SC 7 の現状と 課題.セラミックス,48(10):819‑823 (2013).
7)中村里香, 酒井信夫, 蓜島由二, 福井 千恵, 鈴木孝昌, 中村亮介, 蜂須賀曉 子, 安達玲子, 手島玲子.ショットガ ンプロテオミクスによる加水分解小 麦とその原料であるグルテンに含ま れるタンパク質の網羅的解析.国立医 薬品食品衛生研究所報告, 131:50‑57 (2013).
<学会発表>
8)蓜島由二,福井千恵、山﨑佳世、野村 祐介、小園 知、熊田秀文,藤澤彩乃,
井上 薫,森川朋美,市村亮平,前田 潤,
高橋美和,河上強志,伊佐間和郎,柚
- 12 -
場俊康,浜田信城,鄭 雄一,小川久 美子,新見伸吾,吉田 緑.DEHP 代替 可塑剤を利用した新規血液バッグの 開発:ラット精巣に及ぼす DOTP の影 響評価.日本薬学会第 134 年会(2014 年 3 月・熊本).
9)蓜島由二,福井千恵,澤田留美,河野 健,野村祐介,新見伸吾.ヒト骨髄由 来間葉系幹細胞の増殖能に対する抗 酸化剤の影響評価.第 13 回日本再生 医療学会総会(2014 年 3 月・京都). 10)中岡竜介.再生医療分野における国際
標準化の現状とその展望について.第 13 回日本再生医療学会総会(2014 年 3 月・京都)
11)Uematsu M, Haishima Y, Nakaoka R, Niimi S, Segawa K, and Nakano T. A novel evaluation methodology of materials for medical devices based on molecular dynamics simulation.
The 15th International Conference on Biomedical Engineering (Dec., 2013 in Singapore).
12)蓜島由二,福井千恵,長部真博,上野 良之,菅谷博之,棚橋一裕,野村祐介,
松岡厚子,新見伸吾.ポリスルホン材 料表面に吸着する蛋白質の網羅的比 較定量解析:PVP 含量と血液適合性の 相関性について.第 35 回日本バイオ マテリアル学会大会(2013 年 11 月・
船堀).
13)蓜島由二,福井千恵,田中 賢,野村 祐介,松岡厚子,新見伸吾.HEMA/MEA ランダム共重合体表面に吸着する蛋 白質の網羅的比較定量解析:血液適合 性評価マーカの選定について.第 35 回 日 本 バ イ オ マ テ リ ア ル 学 会 大 会
(2013 年 11 月・船堀).
14)野村祐介,河上強志,福井千恵,柚場 俊康,新藤智子,坂口圭介,谷川隆洋,
犬飼香織,竹ノ内美香,伊佐間和郎,
松岡厚子,新見伸吾,蓜島由二.溶血 性試験用陽性対照材料 Genapol X‑080 含有 PVC シートの性能評価.第 35 回 日本バイオマテリアル学会大会(2013 年 11 月・船堀).
15)加藤玲子,蓜島由二,福井千恵,澤田 留美,宮島敦子,新見伸吾.生体親和 性高分子材料によるヒト骨髄由来間 葉系幹細胞の機能への影響(2):タ ンパク質発現の網羅的解析.第 35 回 日本バイオマテリアル学会大会(2013 年 11 月・船堀).
16)植松美幸,蓜島由二,中岡竜介,新見 伸吾,瀬川勝智,中野達也.血液適合 性評価のための中間水同定シミュレ ーション.第 35 回日本バイオマテリ アル学会大会(2013 年 11 月・船堀).
17)中岡竜介,比留間 瞳,蓜島由二,新 見伸吾.SAM を利用したベタイン構造 模倣表面調製とその構造に関する研 究.第 35 回日本バイオマテリアル学 会大会(2013 年 11 月・船堀). 18)中村里香,蓜島由二,福井千恵,鈴木
孝昌,中村亮介,安達玲子,手島玲子.
加水分解小麦(グルパール 19S)に特異 的に発現するペプチドの探索及び同 定.第 50 回全国衛生化学技術協議会 年会(2013 年 11 月・富山).
19)Nakaoka R. Activities of standa‑
rdization for tissue‑engineered medical products in Inter‑ national Organaization for Standardization (ISO), Termis‑AP 2013 Annual Con‑
ference, Wuzhen, China (2013.10).
20)風間‑小出未来,大熊一夫,小倉英夫,
- 13 -
三吉 愛,宮川行男.Nd:YVO4レーザ ーを用いたジルコニアコーピングの 新しい加工法 ―被照射面のラマン分 光分析―.第 62 回日本歯科理工学会 学術講演会(2013 年 10 月,新潟). 21)植松美幸,蓜島由二,中岡竜介,瀬川
勝智,中野達也.医用高分子材料表面 の水和状態に関する分子動力学的解 析(第 2 報).第 42 回医用高分子シン ポジウム(2013 年 7 月・青海). 22)Sawada R, Kono K, Isama K, Haishima
Y, and Matsuoka A. The effect of calcium‑incorporated titanium sur‑
faces on the osteogenic differen‑
tiation of human mesenchymal stem cells. International Society for Stem Cell Research 11th Annual Meeting (Jun., 2013 in Boston).
23)風間‑小出未来, 大熊一夫, 海老原善 則 三吉 愛,小倉英夫. Nd‑YVO4レー ザーを用いたジルコニアコーピング の新しい加工法 ―プログラム修正し た時の加工精度―. 第 61 回日本歯科 理工学会学術講演会(2013 年 4 月,東 京).
<知的財産権>
24)特許第 5454887 号(平成 26 年 1 月 17 日).発明者:小倉英夫,大熊一夫.
25)特願 2013‑104082(平成 25 年 5 月 16 日)「血液バッグ」.発明者:蓜島由二, 河上強志,福井千恵,田上昭人,伊佐間 和郎,松岡厚子,柚場俊康.
参照資料 特になし
- 14 -
医療機器規格の国際標準化を支援する体制構築に関する研究
我が国企業における 標準担当者数 (人/社)
(出展:H19年度知的財産 活動調査に基づく)
0.6 3全体 0.32建設 0.35食品 0.32繊維 1.48 医
薬 0.90 化
学 0.67石油 0.43鉄鋼 0.49金属
0.70機械 1.22電気 0.88輸送 0.73業務 0.61其他 0.42情報 0.16 卸
売 0.17其他 1.53教育 我が国企業における 標準担当者数 (人/社)
(出展:H19年度知的財産 活動調査に基づく)
0.63全体 0.32建設 0.35食品 0.32繊維 1.48 医
薬 0.90 化
学 0.67石油 0.43鉄鋼 0.49金属
0.70機械 1.22電気 0.88輸送 0.73業務 0.61其他 0.42情報 0.16 卸
売 0.17其他 1.53教育
各国企業における標準担当者事例例
○シーメンス(同社役員発言)
「シーメンスは売上げの0.1%を国際標準化に 投入し、コーポレートの標準化統括組織は24 名、全社で2,000人が標準化にかかわってい る。」
(※同社の2009年度の売上げの0.1%は7670万ユーロ)
(経団連の国際シンポジウムでのシーメンス社講演より)
○サムスン(日本企業ヒアリング)
「サムスンは標準化部門(研究も含む)に150 名を配置し、7200万ドルを使用
」
(一般社団法人情報処理
学会運営委員会での講演より)
各国企業における標準担当者事例例
○シーメンス(同社役員発言)
「シーメンスは売上げの0.1%を国際標準化に 投入し、コーポレートの標準化統括組織は24 名、全社で2,000人が標準化にかかわってい る。」
(※同社の2009年度の売上げの0.1%は7670万ユーロ)
(経団連の国際シンポジウムでのシーメンス社講演より)
○サムスン(日本企業ヒアリング)
「サムスンは標準化部門(研究も含む)に150 名を配置し、7200万ドルを使用
」
(一般社団法人情報処理
学会運営委員会での講演より)
実質的に国際市場で採用 しているいわゆる「世界標 準」。法的根拠はないが市 場での競争力で勝ち抜い た標準。 品質勝負
デファクト標準
公的な機関で明文化され 公開された手続きによっ て作成された標準。
ISO、IEC等
デジュール標準
「標準を制する者が市場を制する」
〜 標準化に失敗すれば、技術で勝っても市場で負ける時代の到来 〜
従来型(日本) 世界 情勢(諸外国)
他国の規格等の情報収集及び整理・解析、事故・ヒヤリハット事例 の 情 報 収 集 、 医 療 行 政 へ の 標 準 化 の 反 映 や ガ イ ド ラ イ ン へ の 標準化のフィードバック、国際幹事及びコンビーナの取得等を実施。
米国 FDA/ANSI
ドイツ DIN
フランス AFNOR 英国
BSI 日本
JISC/JSA
共通窓口 共通窓口
諸外国の機関と同等 に機能していない?
日本の医療機器分野における国際標準化に関する環 境や意識は他国と 比較して立ち後れている (特に、企業の認識不足と共通窓口の欠如)。
国際標準化に関する世界 情勢 (現 状 )
産官学連携のもと、平成24年度に医療機器規格策定戦略 研究班 (H23- 地球規模-指定-003)が国家戦略 として策定した政策的提言を実施可能 な項目から具現化する。
【政策的提言の内訳】 製品開発分野3項目,国内環 境分野7項目 国際活動分野8項目,公的予算分野5項目
解決策:諸外国と同等レベルに引き上げるには?
企業経営陣への啓蒙活動 ・標準化担当者数の増員
・成果の正当評価
・担当者のモチベーション向上 等
共通窓口の試験的設立 ・情報の収集、整
理
、提供
・規格作成補助
・戦略 的支援 等
ケーススタディの実施 新規提案及び改訂作業支援を通じて、
国際標準化を成功させるための諸因 子について考察する。
①
②
③
+
+
本研究において実施する項目
材料開発分野、試験法分野、歯科分野
国際会議への参画 や基準作成に向けた戦略 的な方策等を支援することに より、医療機器関連規格の更なる国際整合を図る。また、我が国の医療機器 に端を発する規格をISO/IEC等に積極的に導入することにより、日本発の良 質な医療機器を障壁なく国際的に進出させる環 境を整備することに寄与する。
期待される効果
図 1. 本研究の概要