Ⅰ.児童虐待防止対策を巡る最近の動き
1.児童虐待相談対応件数の増加
児童虐待相談対応件数は,児童虐待防止法施行(平 成12年)以降,増加を続けており,平成28年度も 122,578件と過去最多となっています。虐待には,身 体的虐待,ネグレクト,性的虐待,心理的虐待があり ますが,近年の特徴として心理的虐待の増加が著しい ということが挙げられます。DV の目撃による心理的 虐待が多く,主に警察および近隣,知人からの通報に より発見されます( 図1 )。
2.児童福祉法等の一部を改正する法律(平成28年法律 第63号)
平成28年に﹁児童福祉法等の一部を改正する法律﹂
(以下,28年改正法)が成立しました。28年改正法では,
児童虐待について,発生予防から自立支援まで一連 の対策のさらなる強化を図るため,家庭的養育の推 進などの理念を明確化するとともに,妊娠期から子
育て期までの切れ目ない支援を行う母子健康包括支 援センターの設置や,市町村,児童相談所の体制の 強化などを規定しています。以下にポイントを概説 します( 図 2 )。
ⅰ.児童福祉法の理念の明確化
児童が心身ともに健やかに養育されるためには,よ り家庭に近い環境での養育を図ることが必要ですが,
社会的養護を必要とする児童の約9割が施設に入所し ているのが現実です。このため,児童相談所が要保護 児童の養育環境を決定する際の考え方を法律において 明確化することが必要であると考えられました。そこ で28年改正法では,その理念として,(1)児童は,適 切な養育を受け,健やかな成長・発達や自立等を保障 されること等の権利を有することを明確化する,(2)
国・地方公共団体(都道府県・市町村)の責務として,
保護者を支援するとともに,家庭と同様の環境におけ る児童の養育を推進することが明確化されています。
具体的な対応としては,①まずは児童が家庭において 健やかに養育されるよう,保護者を支援する,②家庭
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図1
児童福祉法等の一部を改正する法律(平成28年法律第63号)の概要
全ての児童が健全に育成されるよう、児童虐待について発生予防から自立支援まで一連の対策の更なる強化等を図る ため、児童福祉法の理念を明確化するとともに、母子健康包括支援センターの全国展開、市町村及び児童相談所の体制の 強化、里親委託の推進等の所要の措置を講ずる。
1.児童福祉法の理念の明確化等
(1)児童は、適切な養育を受け、健やかな成長・発達や自立等を保障されること等の権利を有することを明確化する。
(2)国・地方公共団体は、保護者を支援するとともに、家庭と同様の環境における児童の養育を推進するものとする。
(3)国・都道府県・市町村それぞれの役割・責務を明確化する。
(4)親権者は、児童のしつけに際して、監護・教育に必要な範囲を超えて児童を懲戒してはならない旨を明記。
2.児童虐待の発生予防
(1)市町村は、妊娠期から子育て期までの切れ目ない支援を行う母子健康包括支援センターの設置に努めるものとする。
(2)支援を要する妊婦等を把握した医療機関や学校等は、その旨を市町村に情報提供するよう努めるものとする。
(3)国・地方公共団体は、母子保健施策が児童虐待の発生予防・早期発見に資することに留意すべきことを明確化する。
3.児童虐待発生時の迅速・的確な対応
(1)市町村は、児童等に対する必要な支援を行うための拠点の整備に努めるものとする。
(2)市町村が設置する要保護児童対策地域協議会の調整機関について、専門職を配置するものとする。
(3)政令で定める特別区は、児童相談所を設置するものとする。
(4)都道府県は、児童相談所に①児童心理司、②医師又は保健師、③指導・教育担当の児童福祉司を置くとともに、
弁護士の配置又はこれに準ずる措置を行うものとする。
(5)児童相談所等から求められた場合に、医療機関や学校等は、被虐待児童等に関する資料等を提供できるものとする。
4.被虐待児童への自立支援
(1)親子関係再構築支援について、施設、里親、市町村、児童相談所などの関係機関等が連携して行うべき旨を明確化する。
(2)都道府県(児童相談所)の業務として、里親の開拓から児童の自立支援までの一貫した里親支援を位置付ける。
(3)養子縁組里親を法定化するとともに、都道府県(児童相談所)の業務として、養子縁組に関する相談・支援を位置付ける。
(4)自立援助ホームについて、22歳の年度末までの間にある大学等就学中の者を対象に追加する。
(検討規定等)
○施行後速やかに、要保護児童の保護措置に係る手続における裁判所の関与の在り方、特別養子縁組制度の利用促進の在り方を検討する。
○施行後2年以内に、児童相談所の業務の在り方、要保護児童の通告の在り方、児童福祉業務の従事者の資質向上の方策を検討する。
○施行後5年を目途として、中核市・特別区が児童相談所を設置できるよう、その設置に係る支援等の必要な措置を講ずる。
改正の概要
平成29年4月1日(1、2(3)については公布日、2(2)、3(4) (5)、4(1)については平成28年10月1日)施行期日
(平成28年5月27日成立・6月3日公布)
図2
第 33 回小児保健 子 虐待─防止 早期発見・対応 ―
児童虐待防止対策を巡る最近の動き
―﹁居住実態が把握できない児童﹂に関する調査を含めて―
宮 腰 奏 子 (厚生労働省子ども家庭局家庭福祉課虐待防止対策推進室長)
における養育が適当でない場合,児童が﹁家庭におけ る養育環境と同様の養育環境﹂すなわち,養子縁組,
里親,小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)
において継続的に養育されるよう,必要な措置をとる,
③ ②の措置が適当でない場合,児童が﹁できる限り 良好な家庭的施設﹂,すなわち地域小規模児童養護施 設(グループホーム)や小規模グループケア(分園型)
で養育されるよう,必要な措置をとることが示されて います。また,親権者は,児童のしつけに際して,監 護・教育に必要な範囲を超えて児童を懲戒してはなら ない旨も明記されています( 図 3 )。
ⅱ.児童虐待の発生予防・発生時の迅速的確な対応・被 虐待児への自立支援
a.市町村の体制強化
子育て世帯包括支援センター(母子健康包括支援セ ンター)を含めた市区町村における児童等に対する必 要な支援を行うための体制整備については,①子育て 世帯包括支援センターにおいて,妊娠期から子育て期 にわたる総合的な相談や支援を実施し,すべての家庭 を把握できるようにし,②児童等に対する必要な支援 を行うための拠点では,子育て世帯包括支援センター で把握された支援が必要な児童に関して支援を行っ たり,児童相談所による指導委託を受けて行う指導を 行ったりします。①と②の機能については,一体的に 実施するなどにより,子どもの発達段階や家庭の状況 に応じて支援を継続して実施できるようにしていきま す。こうした枠組みにより,母子保健施策と子育て支 援施策を連携しながら,すべての家庭から支援が必要 な家庭への支援まで幅広く市町村が対応できる体制整 備を進めていきます。要保護児童対策地域協議会の調 整機関においても,専門職の配置等により専門性を強 化していきます( 図4, 5 )。
b.児童相談所の体制強化
児童相談所についても,虐待件数の増加等に対応す るため,制度面の強化としては,児童福祉法等の改正 に基づき,児童心理司,医師または保健師,他の児童 福祉司の指導・教育を行う児童福祉司(スーパーバイ ザー)などの専門職の配置を新たに義務付け,また弁 護士の配置またはこれに順ずる措置を実施するよう,
専門職配置の増強が図られています。また児童福祉司 の配置標準を区域内の人口などに加え,児童虐待相談 対応件数を考慮したものに見直すことや,児童福祉司
(スーパーバイザーを含む)について,国の基準に適 合する研修の受講の義務付けも行われています。実態 面の拡充としては,﹁児童相談所強化プラン﹂で,専 門職の配置について,平成31年度までに全国で配置す る人数の目標に向けて,計画的な人員増を進めていま す( 図 6 )。
c.関係機関等による調査協力
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改正法による対応
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家庭と同様の養育環境 家庭 良好な家庭的環境
図 3
対 応 現状・課題
【改正法】
・調整機関に専門職の配置が義務化
(平成29年4月施行)
・調整機関の専門職について、研修受講が義務 化(平成29年4月施行)
【予 算】
・義務研修を受講する職員の代替職員の配置に 必要な経費の補助を創設
・関係機関職員に支援内容のアドバイス等を行 う虐待対応強化支援員(仮称)又は心理担当 職員の配置に必要な経費の補助を創設
・都道府県等が要対協調整機関職員向けの研修 を実施する経費の補助を創設
【改正法】
・市町村が、児童等に対する必要な支援を行うための拠点の整備に努めることが規 定(平成29年4月施行)
・児童相談所による指導措置の委託先として市町村を追加(公布日施行)
・一義的な児童相談や子育て支援により対応すべき事案について、児童相談所から 市町村への送致を新設(平成29年4月施行)
【予 算】
①市町村における児童等に対する必要な支援を行うための拠点(仮称)の創設
・市町村が、児童等に対する必要な支援(実情の把握、情報提供、相談、調査、
指導、関係機関との連絡調整)を行うための拠点を運営する費用(人件費等)
の補助の創設及び既存の施設の修繕等に要する費用の補助を拡充。
②市町村へのスーパーバイザーの配置
・児童相談所による指導措置の委託等に対応するため、市町村にスーパーバイ ザーを配置するための補助を創設
③訪問型支援の拡充(子ども・子育て支援交付金の養育支援訪問事業)
・公的な支援につながっていない児童のいる家庭や、妊娠や子育てに不安を持ち 支援を希望する家庭について、養育支援の対象として明確化
・「育児家事援助」について、民間団体に委託して事業を行う場合、運営に必要 となる事務費に係る補助を創設
市町村の体制強化
(1) 在宅支援の強化
・児童相談所が相談対応等を行った児童のうち9割強は、在宅支援となってい るが、その後に親子の状況が変化し、重篤な虐待事例が生じる場合が少なく
・市町村が、身近な場所で、児童・保護者に寄り添って継続的に支援し、児童ない 虐待の発生を防止するため、市町村を中心とした在宅支援を強化する必要
・地域社会から孤立しがちな子育て家庭が存在しておりアウトリーチ(訪問型)
支援の強化が必要
※健診の谷間にある児童や、保育所・幼稚園等に通っていない児童等のいる家庭
・要保護児童対策地域協議会が設置されている 市町村であっても、深刻なケースで連携の漏 れがあり、責任をもって関係機関の対応を統 括することが必要
・調整機関が、個々のケースに応じて関係機関 の対応を統括し、実効ある役割を果たすため には、児童の問題に通じた専門性を有する人 材が必要
(2) 要対協の機能強化
図 4
市区町村における児童等に対する必要な支援を行う体制の関係整理(イメージ案)
○実情の把握、○情報の提供
○相談対応、サービス調整、調査、アセスメント、
支援計画の作成等、支援及び指導等、児童相談所に よる指導措置の委託を受けて市町村が行う指導
○関係機関との連絡調整
○その他の必要な支援
・一時保護又は措置解除後の児童等が安定して生活していくための継続的な支援他
○相談、養育環境等の調査、専門診断等(児童や家族への援助方針の検討・決定)
○一時保護、措置(里親委託、施設入所、在宅指導等)
○市町村援助(市町村相互間の連絡調整、情報提供等必要な援助) 等
○妊娠期から子育て期にわたる総合的相談や支援を実施
・妊産婦等の支援に必要な実情の把握 ・妊娠・出産・育児に関する相談に応じ、必要な情報提供・助言・保健指導
・関係機関との連絡調整 ・支援プランの策定
児童相談所(一時保護所)
要保護児童対策地域協議会 調整機関
・責任をもって対応すべき支援 機関を選定
→主担当機関が中心となって 支援方針・計画を作成
・支援の進行状況確認等を 管理・評価
・関係機関間の調整、協力要請 等
地域子育て支援拠点・児童館 医療機関 保育所・幼稚園 学校・教育委員会
民生児童委員
里親 乳児院
児童養護施設 児童心理治療施設 警察 児童相談所 利用者支援機関
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弁護士会
ԥൟ½༫ځǚইǒƬƬ¹ഁƳ҃ƠƮ௪ƟƮࠊѬǚࡑࠍ 民間団体
・実施主体は市区町村(業務 の一部委託可)
・複数の市区町村による共同 設置可
○関係機関が情報を共有し、連携して対応 要保護児童対策地域協議会
児童等に対する必要な支援を行うための拠点(仮称)
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リス ク の程 度
低 子育て世代包括支援センター(母子健康包括支援センター)
高
保健機関
図5
行うにあたっては,関係機関からの情報提供を含めた 的確な情報把握が重要であることから,医療機関や学 校等について,児童相談所等から求められた場合に,
被虐待児童等に関する資料等を提供できるよう,規定 を整備しています。これにより,個人情報保護法では,
本人の了解を取らずに情報提供できる場合として, ﹁法 令の定めがあるとき﹂等が規定されており,この﹁法 令の定めがあるとき﹂に該当するため,本人の同意を 得ないで情報提供しても個人情報保護法違反となりま せん。
このほか,養子縁組に関する相談・支援の法定化や 自立援助ホームの対象者の拡大などを行っています
( 図 7 )。
d.司法関与の強化
28年改正法の附則において,﹁要保護児童の保護措 置に係る手続における裁判所の関与の在り方について 検討を進めること﹂とされており,これを受け,平成 29年には,﹁児童福祉法及び児童虐待防止等に関する 法律の一部を改正する法律﹂(以下,29年改正法)が
成立しました。
29年改正法では,児童相談所長等が行う一時保護 について,親権者等の意に反して 2�月を超えて行 う場合には,家庭裁判所の承認を得なければならな いことと司法関与の強化に関連する内容を改正して います( 図8, 9 )。
e.新しい社会的養育ビジョン
28年改正法に規定された実親による養育が困難であ る場合に,里親などで養育されるよう,家庭養育優先 の理念を具体化するため,本年8月に﹁新しい社会的 養育ビジョン﹂が策定されました。これについては特 に子どもの権利保障のために最大限のスピードをもっ て実現する必要があるものとして位置づけられ,具体 的事業の目標年限なども示されています。具体的には,
就学前の子どもは,家庭養育原則を実現するため原則 として施設への新規措置入所を停止し,このため,遅 くとも平成32年度までに全国で行われるフォスタリン グ機関事業の整備を確実に完了すること,愛着形成に 最も重要な時期である 3 歳未満については概ね 5 年以
児童相談所の体制強化
○ 児童虐待への迅速・的確な対応のため、児童相談所の体制強化・専門性向上が重要。
○ 児童福祉法改正により制度面で強化するとともに、「児童相談所強化プラン」を策定し、実体面に おいても、各自治体の積極的取組を推進。
※ 併せて、児童福祉に関する業務に従事する者の資質の向上を図るための方策を検討。
<専門職配置の増強>
○児童心理司、医師又は保健師、他の児童福祉司の指導・
教育を行う児童福祉司(スーパーバイザー)などの専門 職の配置を新たに義務付け。(法律)
○弁護士の配置又はこれに準ずる措置を実施。(法律)
<児童福祉司の配置標準・任用要件見直し>
○児童福祉司の配置標準を、区域内の人口等に加え、児童 虐待相談対応件数を考慮したものに見直し。(法律・政 令)
※ 現在は、人口概ね4万から7万までを標準として担 当区域を設定。
○児童福祉司(スーパーバイザーを含む。)について、国 の基準に適合する研修の受講を義務付け。(法律)
・社会福祉士等の基礎資格に応じて、必要な研修を受講。
・社会福祉主事(2年以上児童福祉事業に従事)を任用 する場合には、任用前の指定講習会受講を義務付け。
児童福祉法等の改正(制度面の強化)
<プランの位置付け>
○「すべての子どもの安心と希望の実現プロジェク ト」(平成27年12月子どもの貧困対策会議決定)に 基づき、厚生労働省において、「児童相談所強化プ ラン」を策定(平成28年4月)。
<プランの主な内容>
○改正児童福祉法に基づく専門職の配置について、平 成31年度までに全国で配置する人数の目標を設定。
※プランの目標達成に向けた職員配置の充実について、必要な交付税措置 が講じられる。
※平成28年度は、児童福祉司の増員に対して、この10年で最も手厚い水準 の地方交付税措置(標準団体(人口170万人)当たり3人増員)が講じ られる。(児童心理司・保健師についても、拡充予定。)
※弁護士の配置についても積極的に推進。
○児童福祉司の資質の向上
○関係機関との連携強化等
「児童相談所強化プラン」(実体面の拡充)
平成27年度実績 平成31年度目標 増員 児童福祉司 2,930人 3,480人 +550人
スーパーバイザー 470人 580人 +110人 児童心理司 1,290人 1,740人 +450人
保健師 90人 210人 +120人
合計 4,310人 5,430人+1,120人
図 6
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<調査協力のイメージ>
図 7
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・安全確認
・受理会議
児童虐待対応の基本的な流れ(改正後イメージ)
:裁判所が関与
:今回改正により裁判所の関与を導入
:勧告は必要に応じて実施(任意)
親権者等の 意に反する場合 親権者等の意に反しない場合
承認
承認 却下
却下 施設入所等
必要に応じて
・立入調査
・臨検・捜索
(児福
§28①)
(児福
§33①②)
(児福
§27①3)
(児福§25① 児虐§6①)
(児福
§26①2
§27①2)
*
*一時保護又は里親委託・施設入所等の措置が採られている場合、必要に応じて
・面会・通信制限(児虐§12①)
・接近禁止命令(児虐§12の4①)を実施
(今回改正により、一時保護、親権者等の意に反しない施設入所等の措置の場合にも 接近禁止命令の対象を拡大)
平成27年度 17,801件
平成27年度 4,570件
平成27年度 児童相談所における
児童虐待相談対応
103,286件 (児福
§26①2
§27①2)
(児福
§28④)
★勧告
★勧告
臨検・捜索
★勧告
★
*
図 9
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図 8
内に,それ以外の就学前の子どもについては概ね7年 以内に里親委託率75%以上を実現し,学童期以降は概 ね10年以内を目途に里親委託率50%以上を実現するこ と,施設での滞在期間は原則として乳幼児は数�月以 内,学童期以降は1年以内にすることなどが示されて います。また,概ね5年以内に現状の約2倍である年
間1,000人以上の特別養子縁組成立を目指しています
( 図 10 )。
Ⅱ. 居住実態が把握できない児童 に関する調査
﹁居住実態が把握できない児童﹂については,特に 支援を必要としている場合があることから,乳幼児健 診が未受診等で電話や家庭訪問等による連絡が取れな い状況にある児童については,早急に所在および安全 確認を行うことが必要であることから,平成26年から 調査を実施しています。
平成28年6月1日時点で市町村が所在等の確認が必 要と判断した調査対象児童数は,全国で1,630人。こ のうち,平成29年5月31日までに所在が確認できた 児童数は1,602人(98.3%)であり,同年6月1日時点 で居住実態が把握できない児童数は28人となっていま す。所在地が確認できた児童については,目視により 確認できた児童が最多ですが,出国が確認できた児童 もほぼ同程度の割合となっています。
<調査の経緯・目的>
○居住実態が把握できない児童(※1)やその家庭は特に支援を必要としている場合があり、平成26年11月、関係府省庁(内閣府、
総務省、法務省、文部科学省、厚生労働省、警察庁)による「児童虐待防止対策に関する副大臣等会議」において、児童の所在確認の ための市町村間の情報共有と連携のあり方について申し合わせがなされた。
○更に、今後の対応策の検討の参考とするため、児童の所在及び安全確認のための市町村における取組状況等について、平成26年度、
27年度(※2)に引き続き、調査を実施。
(※1)当該市町村に住民票はあるが、乳幼児健診が未受診等で、電話や家庭訪問等による連絡が取れない児童(以下の①〜③のいずれかに該当)
であって、市町村が引き続き所在及び安全の確認を行ったにもかかわらず、所在等が確認できない児童。
(※2)平成26年度調査:平成26年5月1日時点で市町村が所在等の確認が必要と判断した児童について、同年10月20日時点の状況を調査。
(※2)平成27年度調査:平成27年6月1日時点で市町村が所在等の確認が必要と判断した児童について、平成28年4月1日時点の状況を調査。
<調査の対象>
全国の市町村(1,741市町村。特別区を含む。)
<主な調査内容>
平成28年6月1日時点で市町村が所在等の確認が必要と判断した児童(以下「調査対象児童」という。)について、平成28年6月2日 から平成29年5月31日までの間に所在等が確認できた児童(*1)と、平成29年6月1日時点で居住実態が把握できない児童(*2)の 詳細な状況等を確認し、各市町村の取組状況を把握するもの。
平成28年度「居住実態が把握できない児童」に関する調査結果【概要】
(*1)「所在等が確認できた児童」に関する主な調査項目 (*2)「居住実態が把握できない児童」に関する主な調査項目
・所在等が確認できた方法
・所在等が確認できた際に虐待または虐待の疑いに関する情報の有無 等 ・調査対象児童住所地への訪問調査回数、所在等確認のための調査先
・要保護児童対策地域協議会へのケース登録の状況、児童相談所との情報 共有・連携に係る以来の状況、警察への通報(相談)の状況 等
調査の概要
① 乳幼児健康診査、予防接種、新生児訪問、乳児家庭全戸訪問事業等の乳幼児等を対象とする保健・福祉サービスを受けておらず、電話、文 書、家庭訪問等を実施しても、連絡・接触ができない児童
② 市町村の児童家庭相談、保育の実施事務、児童手当、児童扶養手当等の児童を対象とした手当の支給事務、その他児童福祉行政の実施事務 の過程で把握されている児童のうち、電話、文書、家庭訪問等を実施しても連絡・接触ができず、必要な届出や手続が行われていない児童
③ 市町村教育委員会が、学校への就園・就学に係る事務(注)の過程で把握した児童のうち、市町村教育委員会が学校と連携しても、電話、
文書、家庭訪問等により連絡・接触ができない児童
(注)就園奨励費補助、就学時健診、就学説明会等の就園・就学前後の諸手続に係る事務も含む。
図 11
0 50 100 150 200
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1.全体の状況
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○ 平成29年6月1日時点で居住実態が把握できない児童数は28人。
(※) 平成28年6月1日時点で市町村が所在等の確認が必要と判断した調査対象児童数は全国で1,630人。
このうち平成29年5月31日までに所在等が確認できた児童数は1,602人(98.3 %)。
○ 平成27年度調査から引き続き居住実態が把握できない児童は、平成29年6月1日時点で11人。
(※)平成28年6月1日時点で18歳に達した者2名を除いているが、2名については、警察へ通報・相談を実施済み。
調査結果
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図 12
取組事例①
1.所在等の確認が必要な児童として判断した経緯等 䂾 ታῳ䇮ታᲣ䇮ᧄఽ䋨䋳ᱦ䋩䈱Ꮺ䇯 ĝᐕ㦂䈲ᐔᚑ28ᐕ䋶䋱ᣣᤨὐ
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2.所在等の確認のための取組
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3.所在等の確認後の児童への支援
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所在等の確認の取組事例
図 13
取組事例②
1.所在等の確認が必要な児童として判断した経緯等
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2.所在等の確認のための取組
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4.本事例から得られた取組のポイント
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図 14
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