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Working Paper Series (J)

No.15

国勢調査における後置番号別人口

林玲子

2017年5月

http://www.ipss.go.jp/publication/j/WP/IPSS_WPJ15.pdf

〒100-0011東京都千代田区内幸町2-2-3日比谷国際ビル6階 http://www.ipss.go.jp

(2)

本ワーキング・ペーパーの内容は全て執筆 者の個人的見解であり、国立社会保障・人 口問題研究所の見解を示すものではありま せん。

(3)

1

国勢調査における後置番号別人口

林玲子

国立社会保障・人口問題研究所国際関係部

1.

はじめに

国立社会保障・人口問題研究所では、1976 年からほぼ 5 年おきに「人口移動調査」を実施しており、

直近では2016年7月に第8回人口移動調査を実施した。この調査は、その他の「社会保障・人口問題基 本調査」と同様、厚生労働省が実施する「国民生活基礎調査」の後続調査であり、標本地区は国勢調査区 後置番号1(一般の調査区)と8(寄宿舎・寮等の区域)から抽出されている。第8回人口移動調査では、

都道府県別表章のために調査区を拡大し、都道府県毎に必要な標本数が得られるように抽出率を変えて おり、そのためのウェイトを、都道府県別人口から算出する必要があるが、そのためには都道府県別・後 置番号別(1・8)の人口が必要となる。

また、「国民生活基礎調査」および「社会保障・人口問題基本調査」の対象となっていない調査区のう ち、後置番号4調査区は社会施設・大きな病院のある区域に配されるが、著しい人口高齢化に伴い、後置 番号4人口は増加しており、後置番号4を調査対象としていないことによる影響を正しく計測する必要 がある。

そのため、国立社会保障・人口問題研究所一般会計プロジェクト「社会保障・人口問題基本調査 人口 移動調査」では、総務省統計局『国勢調査』1980年、1990年、2000年、2010年の調査票情報を統計法 第33条第1号に基づき利用申請し、後置番号、男女、年齢、地域別の人口を集計した。本ワーキングペ ーパーは、後置番号別の人口概要を記述し、集計結果を別添ファイルにて公表するものである。

2.

後置番号別人口の概略

国勢調査においては、一人の調査員が担当する区域として適当な規模の調査区が設定されており、平成 22年の国勢調査においては、1,010,340調査区が設定された。そのうちの95%(956,179調査区)は一般 調査区であり、一つの調査区におおむね50世帯が含まれるように設定されている。さらに53,854 の特 別調査区、307の水面調査区があるが、これらはさらに細かく区別され、後置番号が設定されている。一 般調査区は後置番号1、特別調査区のうち山岳・森林、埋立地、池・湖などで常住者が著しい区域は後置

番号2、面積がおおむね0.1km2以上の工場・学校、鉄道・港湾施設、テーマパーク・ゴルフ場などがあ

る区域は後置番号3、社会施設、病院(おおむね患者200人以上の収容施設を有するもの)がある地域は

後置番号4、刑務所・拘置所などのある区域は後置番号5、自衛隊区域は後置番号6、駐留軍区域は後置

番号7、おおむね50人以上の単身者が居住している寄宿舎・寮等のある区域は後置番号8、水面調査区

は後置番号9である。

1980年から2010年まで、後置番号のつけ方は変わっておらず、後置番号別の人口を示すと、表 1の 通りである。1980年では後置番号1の次に後置番号8(寮等)が多かったが、1990年では後置番号4人

(4)

口の方が多くなり、減り続ける後置番号8人口と対照的に、後置番号4人口は増加し続けている。これ は、後置番号8(寮等)は近年減少傾向にある若年層が多く、後置番号4(施設等)は近年増加傾向にあ る高齢層が多いことによる。後置番号5(刑務所・拘置所)人口も2000年、2010年に増加しているが、

その実数は後置番号4人口の5%程度である。

表 1 後置番号別人口(1980~2010年)

後置番号 19801990200020101.一般 114,553,436 120,983,888 124,361,762 125,337,681

2.森林 551,542 480,894 400,315 331,294

3.工場 60,446 58,996 52,457 42,967

4.施設 822,145 1,037,175 1,281,471 1,633,317

5.刑務所 52,979 52,259 63,278 76,280

6.自衛隊 119,073 123,189 95,206 86,313

7.駐留軍 655 736 881 17

8.寮 899,690 873,778 670,256 549,416

9.水面 430 252 217 67

117,060,396 123,611,167 126,925,843 128,057,352 出典) 国勢調査

3.

後置番号別人口と世帯の種類別人口

国勢調査には、後置番号とは別に、「世帯の種類」に関する情報がある。これは、調査員が各世帯訪問 時に、一般世帯か、学校の寮・寄宿舎か、病院・療養所か、老人ホームなどの社会施設か、その他の世帯 かを調査票に記入することにより集計される項目である。これら世帯の種類の分類は後置番号の分類と 類似しているが、表 2に示したように、後置番号と世帯の種類は全く一致するものではない。特に「病 院・療養所」、「社会施設」と後置番号の関係をみると、病院・療養所の入院者・社会施設の入所者のうち、

後置番号4である割合は3/4程度に過ぎず、後置番号1の一般世帯にも少なからず病院・療養所の入院 者や社会施設の入所者がカウントされている。これは、小規模な病院や社会施設が後置番号 1 の一般調 査区に含まれることによるものと考えられる。また同様に、世帯の種類が「寮・寄宿舎」であっても、す べてが後置番号8であるわけではない。一方このような「ゆらぎ」は、矯正施設と後置番号5、自衛隊営 舎と後置番号6には見られない。

表 2 後置番号/世帯の種類別人口(2010年)

後置番号

世帯の種類 合計

一般の世帯 一人世帯

寮・寄宿 舎の学 生・生徒

病院・療 養所の入 院者

社会施設

の入所者 その他 自衛隊営 舎居住

矯正施設 入居者

1.一般 108,380,483 16,378,824 55,263 133,528 353,852 35,731 0 0 125,337,681

(5)

3

2.森林 294,482 31,117 307 820 3,486 1,082 0 0 331,294

3.工場 27,091 10,078 2,730 230 920 1,918 0 0 42,967

4.施設 35,305 15,620 3,106 487,818 1,089,969 1,499 0 0 1,633,317

5.刑務所 1,398 835 0 0 0 0 0 74,047 76,280

6.自衛隊 477 258 0 18 0 0 85,560 0 86,313

7.駐留軍 12 4 0 0 0 1 0 0 17

8.寮 21,842 347,760 174,960 258 1,678 2,918 0 0 549,416

9.水面 6 11 0 0 0 50 0 0 67

合計 108,761,096 16,784,507 236,366 622,672 1,449,905 43,199 85,560 74,047 128,057,352

4.

後置番号別人口の概要

後置番号別人口の性比(女性100人に対する男性の数)を見ると、後置番号3, 5, 6, 7, 8, 9で著しく性 比が高い(男性が多い)。一方、後置番号4は性比が低い。人口高齢化による女性化が後置番号4人口で 著しく生じていることがわかる。

表 3 後置番号別人口性比(2010年)

1.一般 2.森林 3.工場 4.施設 5.刑務所 6.自衛隊 7.駐留軍 8.寮 9.水面 合計

95 96 131 54 1,111 1,326 240 275 857 95

5歳階級別年齢構成をみると、後置番号4人口は85-89歳が最多で高齢者が多く、後置番号8人口は

20‐24歳が最多で若者が多いのが特徴的である(図 1)。

図 1 後置番号別年齢構造(2010年)

0 50 100 150 200 250 300 350

0-4 5-9

10-14 15-19 20-24 25-29 30-34 35-39 40-44 45-49 50-54 55-59 60-64 65-69 70-74 75-79 80-84 85-89 90-94 95-99 100-104 105-109 110+

千人 後置番号4

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180

5-9 10-14 15-19 20-24 25-29 30-34 35-39 40-44 45-49 50-54 55-59 60-64 65-69 70-74 75-79 80-84 85-89 90-94 95-99 100-104 105-109 110+

千人 後置番号8

(6)

5.

都道府県別後置番号別人口の地域差

ある程度人口規模の多い後置番号4と8について、都道府県別に総人口に対するそれぞれの後置番号 人口の割合を示したものが図 2、図 3である。後置番号4人口割合は、徳島県が一番大きく、次いで山 口県、鳥取県であり、東日本よりも西日本で大きい傾向がある。また一番小さいのは東京都であり、近隣 の千葉県、埼玉県や、大阪府、愛知県など都市部では小さい傾向がある。この傾向は、高齢人口割合が大 きいと後置番号4人口割合は大きい(r =0.723, 図 4)ことによりある程度説明されよう。後置番号8人 口割合は、愛知県が一番大きく、次いで東京都、滋賀県が大きく、一番小さいのは鳥取県で、次いで富山 県、福島県となっており、都市部で大きく、非都市部で小さい傾向がある。

図 2 後置番号4人口の割合(都道府県別、2010年)

図 3 後置番号8人口の割合(都道府県別、2010年)

0.0%

0.5%

1.0%

1.5%

2.0%

2.5%

北海道 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都

神奈川県 新潟県 富山県 石川県 福井県 山梨県 長野県 岐阜県 静岡県 愛知県 三重県 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県

和歌山県 鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県 徳島県 香川県 愛媛県 高知県 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県 全国

0.0%

0.1%

0.2%

0.3%

0.4%

0.5%

0.6%

0.7%

0.8%

0.9%

北海道 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都

神奈川県 新潟県 富山県 石川県 福井県 山梨県 長野県 岐阜県 静岡県 愛知県 三重県 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県

和歌山県 鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県 徳島県 香川県 愛媛県 高知県 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県 全国

(7)

5

図 4 後置番号4人口割合と65歳以上人口割合の関係(都道府県別、2010年)

< 参考文献 >

総理府統計局(1982)昭和55年国勢調査報告第2巻基本集計結果(1)その1全国編 総理府統計局(1992)平成2年国勢調査報告第1巻人口総数

総務省統計局(2002)平成12年国勢調査報告第1巻人口総数 総務省統計局(2012)平成22年国勢調査調査区関係資料利用の手引

< 別添ファイル >

IPSS_WPJ15_ANNEX_TABLE.xlsx

北海道 青森県

岩手県

宮城県

秋田県

山形県

福島県

茨城県栃木県

群馬県

埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県

富山県新潟県

石川県 山梨県 福井県

長野県

岐阜県 静岡県

愛知県

三重県

滋賀県

京都府 大阪府

兵庫県 奈良県

和歌山県

鳥取県 島根県

岡山県 広島県

山口県

徳島県 香川県

愛媛県

高知県

福岡県

佐賀県 熊本県 長崎県 大分県

宮崎県鹿児島県

沖縄県 全国

15 20 25 30

0.5% 1.0% 1.5% 2.0% 2.5%

%

後置番号4人口割合

r = 0.723

参照

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