平成 17 年度
海外環境ビジネスに関する調査研究報告書
~ メコン圏 4 ヶ国及びインドにおける環境ビジネス創出の可能性調査 ~
平成 18 年 3 月
序
本報告書は、日本自転車振興会の「自転車等機械工業振興資金」の交付を受けて、社 団法人日本産業機械工業会が実施した「海外環境ビジネスに関する調査研究」の成果を まとめたものである。
近年、経済のグローバル化が急速に進展しているなかで、自由貿易体制の維持強化を 図ることは重要であり、FTA(自由貿易協定)等を結ぶことは、日本の対外経済関係 の幅を広げる上で意味が大きい。
一方、近年我が国の製造業は厳しいコスト競争に打ち勝つため、生産拠点を海外(中 国、タイ、マレーシア等)にシフトし、現地の安い労働力等を活用してきた。しかし、
それらの国々ではここ数年経済発展が目覚しく、労働対価も高騰傾向にある。従って、
さらに安い労働力を確保できる国々(ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマー、イ ンド等)へ生産拠点をシフトすることが十分考えられる。
こうした貿易の自由化と投資の拡大を通じた、対象国における経済活動の拡大(経済 成長)によって、少なからず今後地域環境が悪化する可能性が大きい。
しかしながら、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマー、インド等における環境 技術は脆弱であり、専門的な技術者も育成されていない状況である。
従って、本事業では今後急速に経済成長が予想されるベトナム、カンボジア、ラオス、
ミャンマー、インド等において、環境装置・技術の普及を促進するためのわが国の支援 のあり方を検討し、対象国の環境産業の育成と市場の創出を図るための研究を行った。
本事業を実施するにあたり、格別のご指導をいただいた東洋大学教授 北脇委員長を はじめ委員各位及びご協力頂いた関連団体、関連企業に対し心から謝意を表するととも に、本報告書が対象国の環境産業の育成と以上の創出に些かでも貢献できれば幸甚であ る。
平成18年3月
社団法人日本産業機械工業会 会 長 相 川 賢 太 郎
平成17年度
海外環境ビジネスに関する調査研究委員会 委 員 名 簿
委 員 長 北脇 秀敏 東洋大学 国際地域学部 教授
幹 事 長 小林 康男 株式会社クボタ 環境エンジニアリング事業本部 統括部部長 幹 事 田米 智加之 株式会社 荏原製作所 環境事業カンパニー海外営業統括部 参事 幹 事 北岡 亮三 栗田工業株式会社 経営企画室 専門部長
幹 事 江崎 達也 住友重機械工業株式会社 水環境事業部環境衛生施設事業センター企画管理部 部長 委 員 酒井 拓司 独立行政法人 日本貿易振興機構 貿易開発部アジア支援課 課長
委 員 森 一晃 社団法人 海外環境協力センター 企画部長
委 員 長野 晃弘 三機工業株式会社 環境システム事業部エンジニアリング部 部長補佐
委 員 小濱 哲也 JFEメカニカル株式会社 総括営業部・開発営業部・環境事業部担当 取締役 委 員 小森 勲 新明和工業株式会社 産機システム事業部 水処理機器営業本部 営業推進部 部長 委 員 西川 仁 新明和工業株式会社 国際営業部 課長代理
委 員 小野塚敏彦 月島機械株式会社 環境事業部事業推進グループ グループリーダー
委 員 野田 勝 株式会社鶴見製作所 国内営業部プラント営業推進兼真空ポンプ営業推進 統轄 委 員 尾見 仁一 株式会社 日立製作所 電力グループ環境ソリューホンブ 本部 本部長
委 員 高浦 聡一 日立造船株式会社 営業本部環境輸出営業部 部長
委 員 谷川 博文 日立プラント建設株式会社 水処理システム事業本部水処理事業部海外グループ 課長補佐 委 員 青木 馨 三菱重工業株式会社 機械事業本部環境ソリューション部輸出グループ グループ長
調査委託先 大野 正人 株式会社 エックス都市研究所 環境開発本部 専務取締役
調査委託先 田中 忠男 株式会社 エックス都市研究所 第二研究本部海外プロジェクト室 主席研究員 調査委託先 菊原 淳也 株式会社 エックス都市研究所 第二研究本部地球環境対策室 研究員
海外環境ビジネスに関する調査研究 FTA調査分科会 委員名簿
FTA 調査分科会長 三野 禎男 日立造船株式会社 環境計画部 部長
委 員 古川 和雄 石川島播磨重工業株式会社 海外営業戦略部 渉外グループ部長
委 員 豊田 力 鉱研工業株式会社 海外本部 部長代理
委 員 井上 憲彦 スチールプランテック株式会社 環境管理部 部長
委 員 根津 求 住友重機械工業株式会社 営業統括室 部長
委 員 長谷川 豊 東芝機械株式会社
射出成形機輸出部 アジア輸出担当 課長
委 員 木田 祐輔 日揮株式会社 企画渉外本部
委 員 高浦 聡一 日立造船株式会社
環境事業本部 環境輸出営業部長
委 員 釜井 英行 三井造船株式会社 営業総括本部 課長
委 員 藤村 純 三菱重工業株式会社
海外事業管理部 業務グループ 課長代理
事 務 局 庄野 勝彦 社団法人日本産業機械工業会 常務理事
事 務 局 金子 理恵 社団法人日本産業機械工業会 海外業務部 部員
海外環境ビジネスに関する調査研究報告書 目 次
序章
...11
対象国の基礎情報の整理
...41.1
対象国の主要社会経済指標
...41.2
対象国の産業動向
...132
環境施設需要の想定
...242.1
需要想定の対象・方法
...242.2
ベトナム
...292.2.1
案件形成・資金供与実績の把握
...292.2.2
都市環境の現状
...342.2.3
今後の環境施設のニーズ
...372.2.4
今後の都市環境の見通しと環境施設の需要動向
...422.3
カンボジア
...462.3.1
案件形成・資金供与実績の把握...46
2.3.2
都市環境の現状
...482.3.3
今後の都市環境の見通しと環境施設の需要動向
...512.4
ラオス
...552.4.1
援助実績
...552.4.2
都市環境の現状
...562.4.3
今後の都市環境の見通しと環境施設の需要動向
...592.5
ミャンマー
...622.5.1
援助実績
...622.5.2
都市環境の現状
...642.5.3
今後の都市環境の見通しと環境施設の需要動向
...672.6
インドの可能性
...713
環境関連プロジェクトの可能性の検討
...803.1
分野別の需要特性とプロジェクトの見通し
...803.2
プロジェクトの実現化の特性
...863.3
プロジェクト形成の流れ
...905.4
プロジェクト形成に向けたアプローチ
... 1196
おわりに
...126参考資料Ⅰ
...1271
メコン圏
4ヶ国及びインドと日本の社会経済及び環境状況の概略
... 1292
各国の需要予測のまとめ
... 1353
工業団地リスト(主要都市)
... 1364
工業団地リスト(その他の都市)
... 1375
ベトナムへの援助実績
... 1386
カンボジアへの援助実績
... 1497
ラオスへの援助実績
... 1568
ミャンマーへの援助実績
... 166参考資料Ⅱ
...1711.FTA の解釈
...1731-1 FTA とは
...1731-2 EPA と FTA の違い
...1731-3 日本の対外経済政策のあり方
...1731-4 WTO と FTA の関係
...1742.各国をめぐる FTA の現状
...1752-1 今なぜ EPA(FTA)なのか
...1752-2 世界及び各国の動向
...1772-2-1 米国
...1782-2-2 欧州
...1792-2-3 中国
...1802-2-4 韓国
...1812-2-5 インド
...182
2-3 日本の経済連携のスケジュール
...1832-4 日アセアン包括的経済連携
...1862-5 原産地規則について
...1903.産業機械業界での取組み
...1943-1 現状
...1943-2 障壁となっている問題点
...1943-3 有益となると思われる点
...1953-4 最近の業績について
...1954.今後の展開(総括)
...1964-1 今後の取組み
...196序章
本調査の枠組みと調査内容の概略を整理する。
(
1) 調査の背景と目的
ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマーのメコン圏 4 ヶ国は、高い経済成長を 進めており、産業活動や都市活動に伴い環境対策の必要性が高まりつつあり、環境装 置への新たな需要が生じつつある。そこで、わが国環境装置産業のそれら需要への今 後のビジネス展開の可能性を検討するため、環境ビジネスニーズ、ビジネス創出に向 けた我が国及び各国の取組み、我が国環境装置産業における取組み等について整理し た。
また、それらを踏まえ、各国における具体的な環境装置需要の想定とその関連プロ ジェクトの可能性を検討するとともに、その案件形成のためのツール、その展開の方 向について検討することを目的に実施した。
また、今後の重要な市場として想定されるインドを対象に、今後の検討のための基 礎情報を収集した。
(
2) 調査研究の対象
調査研究対象とする環境装置としては、大気汚染装置、水質汚濁防止装置、ごみ処 理装置を対象とする。また、国によってはエネルギー分野を対象とする。
(
3) 調査研究の内容及び方法
①対象国の基礎情報の整理
前年度までの調査結果と統計資料から環境装置需要の検討に有益な基礎情報・デー タを整理する。
②環境装置需要の想定
主にベトナムを中心に、以下の四つの分野に分けて環境装置のニーズレベルを各国 の情報や統計資料などをベースに検討する。
a)水質分野
既に独立行政法人国際協力機構(JICA)での当該分野における開発調査、その 他の団体(日本プラント協会、国際建設技術協会等)の案件形成調査の実施事例 などがあり、また、国際協力銀行(JBIC)の円借款事例などの情報を収集し、具 体的な内容、日本の技術ニーズのウエイトなどを整理する。
c)廃棄物処理分野
廃棄物処理分野では、都市廃棄物、医療系廃棄物、産業・有害廃棄物、し尿が 対象になる。
ア.都市廃棄物
都市廃棄物については、どのような処理システムの導入の可能性があるかを整 理しておく。衛生埋立の浸出水処理施設等の適用技術の可能性分野を整理してお く。
イ.医療系廃棄物
医療系廃棄物に関しては、SARS の影響もあり焼却処理が進んでいるが、適切 な処理施設整備が課題になっていることから、政府の方針及び施策をレビューし、
その状況を把握する。
ウ.産業・有害廃棄物
海外企業の進出に伴い産業・有害廃棄物の処理が、常に問題になっていること から、当該国政府の方針及び施策を理解した上で、その対応状況を把握する。
エ.し尿
都市の周辺では、非水洗トイレが一般的であるが、そのし尿処理施設が未整備 であるため、この処理に対する需要の可能性について検討する。
d)エネルギー分野
エネルギーでは、特に発電が中心になるが、自然、廃棄物発電、バイオマス・
エネルギーに関連した施設の需要に関して検討する。また、CDMプロジェクトな どの需要状況もレビューする。
③関連プロジェクトの可能性の検討
上記分野別の需要特性を整理(民需、官需)した上で、ターゲットとなる事業主 体(顧客)、事業への関係機関について整理する。また、プロジェクト事例について もできるだけフォローし、そのプロジェクト化の流れを整理する。また、関連プロ ジェクトの民営化の方向や、官民のパートナーシップによる事業化、ファイナンス 化の方向についても整理しておく。
以上の検討を踏まえ、関連プロジェクトの可能性を検討する。
④案件形成のためのツール整理
官需に該当する関連プロジェクトを案件化するためには、企業単独の努力では困 難なこともあり、我が国としても様々なツールが用意されている。
ツールについてはそれぞれの特徴を整理し、実際に案件に結びついている例を把 握するとともに、上記の関連プロジェクトの案件形成において今後の適用が期待で きるツールを検討する。
⑤環境ビジネス展開の方向
今後の案件形成の検討対象となる関連プロジェクトの案件形成へのアプローチの ODA
案件形成に関わる関係機関との調整やダイアローグが重要である。
また、業界団体として、案件形成やビジネス展開のための企業努力をサポートす るためのアプローチの仕方についても検討する。
なお、今後の有力な市場として浮上しつつあるインドへの今後の展開方向につい ても検討する。
1
対象国の基礎情報の整理
1.1
対象国の主要社会経済指標
(1)調査対象国の所得レベル調査対象国、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマー及び追加的な調査対 象としたインドのGNI(一人当たり年間総所得)レベルに基づく分類は以下のとお りである。対象国全て、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマー、インドは貧 困開発国に分類されている。
表
1.1-1国の所得階層分類(国連、世界銀行分類による)
所得階層 一 人 当 り GNI
(2003年)
国
LDC
アフガニスタン、アンゴラ、イエメン、ウガン ダ、エチオピア、エリトリア、カンボジア、ガ ンビア、ギニア、ギニアビサウ、コモロ、コン ゴ民主共和国、サントメ・プリンシペ、ザンビ ア、シエラ・レオネ、スーダン、赤道ギニア、セ ネガル、ソマリア、ソロモン諸島、タンザニア、
チャド、中央アフリカ、ツバル、トーゴ、ニジ ェール、ネパール、ハイチ、バングラデシュ、
東チモール、ブータン、ブルキナ・ファソ、ブ ルンジ、ベナン、マダガスカル、マラウィ、マ リ、ミャンマー、モザンビーク、モーリタニア、
ラオス、リベリア、ルワンダ、レソト
貧困開発途上国~US$765
インド、ウズベキスタン、カメルーン、ガーナ、
キルギス、ケニア、コートジボアール、コンゴ 共和国、ジンバブエ、タジキスタン、ナイジェ リア、ニカラグア、パキスタン、パプアニュー ギニア、ベトナム、モルドバ、モンゴル
LDC キリバス、ジブチ、バヌアツ
低所得開発途上国
US$765~ US$1,465
アゼルバイジャン、アルメニア、イラク、イン ドネシア、ウクライナ、エジプト、ガイアナ、
グルジア、シリア、スリランカ、スワジランド、
中国、トルクメニスタン、パラグアイ、フィリ ピン、ホンジュラス、ボリビア、モロッコ
LDC カーボベルデ、サモア、モルジブ
中所得開発途上国 US$1,465~ US$3,035
アルジェリア、アルバニア、イラン、エクアド ル、エルサルバドル、カザフスタン、グアテマ ラ、コロンビア、ジャマイカ、スリナム、セル ビア・モンテネグロ、タイ、チュニジア、ドミ ニカ共和国、トルコ、トンガ、ナミビア、フィ ジー、ブラジル、ブルガリア、ベラルーシ、ベ リーズ、ペルー、ボスニア・ヘルツェゴビナ、
マケドニア、マーシャル諸島、ミクロネシア、
南アフリカ、ヨルダン、ルーマニア、ロシア
中進国
US$3,035~ US$5,295
アルゼンチン、ウルグアイ、エストニア、ガボ ン、グレナダ、コスタリカ、スロバキア、セン トビンセント・グレナディーン、セントルシア、
チリ、ドミニカ、パナマ、ベネズエラ、ボツワ ナ、ポーランド、マレーシア、モーリシャス、
ラトビア、リトアニア、レバノン
表
1.1-2対象国の主要な指標
ベトナム カンボジア ラオス ミャンマー インド 日本
面積 (万km2) 33.2 18.1 23.7 67.7 328.8 37.8
人口
(百万人:02年度) 80.3 13.5 5.5 52.2 1,550 127.6
(03年) GDP
(十億ドル)
35.1 (02年)
3.8 (02年)
1.8 (02年)
5.0 (01/02年)
474.3 (01/02年)
4,656.6 (03年) 一人当たりGDP
(ドル)
440
(02年) 297
(02年) 331
(02年) 160
(01/02年) 457
(01/02年) 36,704 (02年)
工業分野GDP 38% 22% 23% 10% 26% 32%
一 人 当 た り エ ネ ル ギ ー消費量
(TOEkg:99年度)
192 N/A N/A 72 302 3,665
成人非識字率
(15歳以上:01年度) 7.3% 31.3% 34.4% 15.0% 42.0% 0.2%
幼児死亡率
(01年度) 3.0% 9.6% 8.7% 7.7% 6.7% 0.3%
安 全 水 源 へ の ア ク セ
ス率(00年度) 77% 30% 37% 72% 84% -
注:
1. 面積、人口、GDPデータは「THE WORLD 2004-世界各国経済情報ファイル」(財)世界経済情報サービス(ワイ ス)を参照
2. 工業分野GDP、安全水源へのアクセスは「WORLD DEVELOPMENT INDICATORS 03」World Bankを参照
エネルギー消費量、成人非識字率、幼児死亡率は「世界の統計2004」総務省統計局を参照
(2)各国の概況 1)ベトナム
1986 年に書記長に就任したリン(Lin)書記長は、計画経済を市場経済に転換す
る。特に 2000 年から施行された会社法により、民間企業の設立手続きが簡素化 された結果、企業設立が加速し、国内の景気回復に貢献して貿易収支の改善はみ られず、慢性的な貿易赤字が継続している。最近の統計を見ると、原油や農産物 など主要輸出産品の国際価格が低下し、2001 年では輸出額の最も多い原油価格 が低下したため、9.3 億ドルの赤字であり、2002 年は、輸出が約8%増加したも のの輸入が約18%増加したため、赤字幅は 23 億ドル以上に増加する見通しであ る。
1988 年から外国投資の導入を始め、1994 年以降は工業化促進のため、日本や
韓国から工業部門で多くの案件が許可された。しかし、投資環境が未整備なため、
1997 年から 1999 年まで 3 年連続で投資が減少した。政府は、二重価格の撤廃
(1999 年)や、許認可を必要としない事業登録制(2000 年)などを発表し、投資
環境改善に取り組んでいる。
2001 年の第9 回党大会では、2020 年までに工業国入りするため、2010 年の GDP を2000年の2 倍以上にするなどの目標が掲げられた。2001 年、米越通商 協定が発効した。これにより、アメリカのベトナム製品に対する関税が低減され、
2002 年以降対米輸出が増加している。
外資による投資の状況については、2001 年までの外国投資の状況を下表 に示 す。2001 年までに、約60 カ国から 3,772 件のプロジェクトがあり、総額411 億 ドルが投資されている。投資は、工業分野、観光分野、農林分野に集中している。
日本は、投資額でシンガポール、台湾に次いで3 番目である。
欧米諸国の投資額は、アジア諸国と比較してまだ少ない。2002 年の外国直接 投資は 754 件と前年比 50%増加したが、大型案件が少なかったため、金額は同 38%減の16 億ドルとなった。
表
1.1-3外国投資の状況投資額(単位:百万
US$)
2001
年
2002年
2003年
1988~
2003年累計
投資額 投資額 投資額 投資件数 投資額 シンガポール 271.5 42.3 59.9 328 6,152.00台湾 474.3 312.4 389.6 1,195 5,962.90
日本 163.5 102.0 119.5 430 3,722.40
香港 67.2 179.1 119.1 407 3,693.70
韓国 116.4 267.3 344.4 727 3,896.20
フランス 407.2 6.1 5.5 175 2,176.30
イギリス 69.1 155.0 323.3 280 4,307.30
アメリカ 118.0 142.7 65.8 206 2,297.30
オランダ 673.9 1.1 39.7 56 1,122.40
マレーシア 31.0 123.6 32.9 152 1,317.20
タイ 43.7 42.0 48.2 158 1,186.50
オーストラリア 19.5 10.0 111.0 125 1,001.70 フィリピン 2.2 6.0 40.8 32 272.40
中国 64.3 74.8 138.4 270 413.40
合計 2,529.10 1,557.70 1,914.30 5,093 43,430.10
出典:計画投資省の資料に基づきJETRO 作成
1988年から2003 年までの日本の対ベトナムへの投資実績の累積を見ると、対中
国、タイ、インドネシア、マレーシアなどと比較してまだ少ない。他のアジア諸国 と比較して、通信費、部品や原料価格が高いことや、外国人個人所得税が高く技術 者も不足していることなどの短所があるが、治安が良く優秀な人材、安価な人件費、
高い経済成長率、8,000 万人の大きな市場を持つ等の長所がある。
ベトナムにおける主要な経済指標によるとベトナムの貿易収支は慢性的な赤字が 続いている。
表
1.1-4ベトナムにおける主要な経済指標
項目 2001年 2002年 2003年
実質GDP成長率(%) 6.90 7.10 7.30
名目GDP総額(US$) 326億8512万 350億6411万 390億4588万 一人当たりGDP(名目) (US$) 393.230 428.007 454.200 消費者物価上昇率(%) 0.80 4.00 3.00
失業率(%) 6.30 6.00 5.80
経常収支 (国際収支ベース) (US$) 6億8200万 貿易収支 (国際収支ベース) (US$) 4億8100万
外貨準備高(US$) 36億7457万 41億2105万 62億2418万 対外債務残高(US$) 125億7800万
通貨供給量伸び率(%) 27.30 13.30
輸出額(US$) 150億2900万 167億610万 201億7600万
対日輸出額(US$) 25億980万 24億3690万 29億920万 輸入額(US$) 162億1800万 197億4560万 252億2690万 対日輸入額(US$) 21億8310万 25億470万 29億9390万 直接投資受入額(US$) 25億9200万 16億2100万 18億9960万
出典:JETRO, 2004 年9 月24 日海外情報ファイル
他の ASEAN 諸国との比較を下表 に示す。ベトナムは外貨準備高が少なく、経
済力と比較して外貨債務比率が高いことが判る。また、GDP 総額は 5 カ国の中で 一番低く、一人当たりのGDP も一番低い。
表
1.1-5ベトナムと
ASEAN 4ヶ国主要経済指数の比較
ベトナム タイ インドネシア フィリピン マレーシア 名目GDP総額(億US$) 390.5 1,431.7 2,432.9 804.3 1,037.4 一人当たりGDP (UD$) 454.2 2,230.0 953.5 978.0 4,128.0 対外債務残高(億US$) 125.78 517.83 808.55 573.95 98.12 外貨準備高 (億US$) 62.24 410.77 349.62 134.57 342.22
出典: JETRO, 2004 年9 月24 日海外情報ファイル
表
1.1-6国内総生産総額(名目)
出典: International Financial Statistics Yearbook 2002, 2004 and May 2005 (International Monetary Fund) Y ear 1980 1990 1995 2000 2001 2002 2003 2004 V ietnam (B illion D ong) - (41,955) (228,892) (441,646) (481,295) (535,762) (613,443) - (M illion U S $) - 6,472 20,737 31,172 32,686 35,063 39,551 -
2) カンボジア
面積 18.1万km2(日本の約1/2弱)、人口 13.5百万人(02年)で90%がカ ンボジア人(クメール人)である。農林水産業(GDPの33.4%)、工業(GDP の 26.3%)(02年、計画省資料)、GDPは 約39.3億米ドル(02年、同上資料)、 一人当たりGNP 291米ドル(02年、同上資料)となっている。
カンボジアは、1970 年のクーデタ発生以降、約 20年にも及んだ内戦・混乱
が 1991年のパリ和平協定署名により終結し、1998年 7月には総選挙が実施さ れ、同年 11 月にフン・セン単独首相を首班とする新政府(第 2 次人民党-フン シンペック党連立政権)が成立した。1999 年 4 月には東南アジア諸国連合
(ASEAN:Association of Southeast Asian Nations)に正式加盟した。
経済面では、1991年のパリ和平協定締結後、国際社会の支援を得て国の再建 が本格化し、1994年から1996年にかけて平均6.1%のGDP成長率を達成する が、1997年7月の武力衝突事件、アジア経済危機により経済が悪化したが、1998 年の新政権成立により政治的安定を達成した後、1999 年には 6.9%の GDP 成 長を遂げ、その後も経済は上向きに推移している。
カンボジア経済が抱える問題としては、経済インフラと法制度が未だ十分に 整備されておらず、法の支配と透明性が脆弱で事前予測可能性が乏しいことに より外国投資を十分に呼び込めないこと、国際競争力のある輸出製品として縫 製品以外に目ぼしいものがないこと、国税も専ら関税が中心であり十分に徴収 されておらず国家財政が脆弱であること、内戦及びその後の経済制裁に基因す る人材の不足があげられる。
カンボジア政府もこれらの諸問題を解決するための努力を払っており、我が 国にも、こうしたカンボジア経済の基盤を強化するための支援が求められてい る(ODA国別データブックを基にまとめた)。
3)ラオス
ラオスはインドシナ半島に位置する内陸国で、面積 23.7 万 km2、日本の本 州とほぼ等しい。中国、カンボジア、ベトナム、ミャンマー、タイと国境を接 しており、国境線の総延長は5,080 kmに及ぶ。
国土は南北に 950 km、東西に 100~450 km の幅を持っている。ラオス全 土の約 80 %は山岳地帯であり、残り 20 %はメコン河及びその支流に沿った 平地である。標高が最も低いところはメコン河の 70 m、最も高いところが
政策(新経済メカニズム)を推進している。
1991 年には憲法を採択し、1992 年以降は国民議会選挙行われるなど、民
主化も進んでいる。
近年はタイ、中国など近隣諸国との関係の強化、西側諸国との対外関係拡大 にも努力しており、1997 年にはASEAN に正式加盟した。人口は2002 年現
在、推定 5,532 千人となっており、人口増加率は約2.5 %である。
経済的には、内陸国という不利な地理的条件や過去の長期にわたる内線の影 響によって、未だに後開発途上国(LLDC)の域にとどまっており、2000 年 の一人あたり GDP は 273 ドルである。主要産業は農林水産業で、1999 年 の統計ではGDPの 53 %を農林水産業が占めている。ラオス政府は 2020 年 までに最貧国からの脱出を意図し、一人あたり GDP 885 ドルを目標に、様々 な長期計画を策定している。
4)ミャンマー
面積は 68万km2で日本の約1.8倍である。人口は 5,217万人(ミャンマー 政府 Statistical Year Book 2002)で約70%がビルマ族である。
1988年、全国的な民主化要求デモにより26年間続いた社会主義政権が崩壊 したが、国軍がデモを鎮圧するとともに、国家法秩序回復評議会(SLORC: The State Law and Order Restoration Council)を組織し政権を掌握した
(1997 年 、SLORC は 国 家 平 和 開 発 評 議 会 (SPDC:State Peace and Development Council)に改組)。1990年には総選挙が実施され、アウン・サ ン・スー・チー女史率いる国民民主連盟(NLD)が圧勝したが、政府は民政移 管のためには憲法が必要であるとして政権移譲が行われないまま今日に至っ ている。
2003 年8 月、キン・ニュンSPDC第一書記(当時)が首相に任命され、そ の際の就任演説において、新憲法起草のための国民会議再開や総選挙実施を柱 とする 7段階からなる民主化のためのロードマップを発表した。ミャンマー政 府は、ロードマップの第一段階にあたる国民会議を 2004 年 5 月 17日より 7 月9日まで開催した。2004年11月末、次回会合についてミャンマー政府は2005 年 2 月に実施する旨発表した。また、2004 年 1 月には、ミャンマー政府と同 国 最 大 の 反 政 府 少 数 民 族 武 装 勢 力 で あ る カ レ ン 民 族 同 盟 (KNU:Karen
National Union)との間で和平交渉が行われ、暫定的な停戦合意に達した。2004
年 10 月には、政府内で穏健とも目されていたキン・ニュン首相が汚職事件の 責任を問われて解任され、ソー・ウイン SPCD第一書記が首相に就任した。
1962 年以来、農業を除く主要産業の国有化等社会主義経済政策を推進して きたが、その閉鎖的経済政策等により外貨準備の枯渇、生産の停滞、対外債務 の累積等経済困難が増大し、1987 年には国連より後発開発途上国(LLDC: Least among Less Developed Countries)の認定を受けるまでに至った。
1988 年に成立した現政権は、社会主義政策を放棄する旨発表すると共に、
民間貿易の自由化、外国投資法の制定、国境貿易の合法化等開放的経済政策を
推進してきた。このような経済政策を受けて 1992 年から 1995 年まで高い経 済成長率を達成したが、1997年のアジア通貨危機以降、経済成長が鈍化した。
同国経済は、非現実的な為替レートや硬直的な経済構造、電力、道路、通信等 の経済インフラの未整備、外国投資の低迷、先進国からの援助の停止、米国に よる経済制裁等多くの制約を抱えている。
他方、最近では、経済構造改革を通じて経済成長を実現しようとするミャン マー政府の新たな動きも見られる。2003 年には、コメの取引自由化を発表し たほか、空港における外貨兌換券(FEC:Foreign Exchange Certificate)へ の強制両替を停止し、公務員・軍人向けのコメ及び食料油配給制度を廃止した。
2003年 12月末には、バングラデシュと国境を接するラカイン州沖合の海中で 大規模なガス田が発見されている。また、タイ、中国、インド等の近隣諸国は ミャンマーに対して積極的に経済交流・経済協力を行う姿勢を明確にしている (ODA国別データブックを基にまとめた)。
(3)4ヶ国の比較
① 国内総生産総額
表
1.1-7国内総生産総額(名目)
Total GDP (Nominal)出典: International Financial Statistics Yearbook 2002, 2004 and May 2005 (International Monetary Fund) 注: 3 表中の公定為替レートは実勢レートとの乖離が大きすぎるため、公定レートによる米ドル換算は記載してい ない。
Year 1980 1990 1995 2000 2001 2002 2003 国/地域名
Country/Region
Cam bodia (Billion Riel) - - (8,294) (13,850) (14,574) (15,696) (16,451)
(M illion US$) - - 3,384 3,606 3,721 4,012 4,140
Laos (Billion Kip) - (612.6) (1,430.4) (13,669.0) (15,702.0) (18,390.0) (20,307.0)
(M illion US$) - 866 1,778 1,733 1,754 1,829 1,921
M yanm ar (M illion Kyat) (38,609) (151,941) (604,729) (2,552,733) (3,548,472) (5,625,255) (7,716,616)
(M illion US$)
3- - - - - - -
Vietnam (Billion Dong) - (41,955) (228,892) (441,646) (481,295) (535,762) (613,443)
(M illion US$) - 6,472 20,737 31,172 32,686 35,063 39,551
② 一人当たりの国内総生産額
1980年、90年、95年及び2000年から2003年までの4ヶ国における一人当 たりの国内総生産の推移は以下のとおりである。
表
1.1-8一人当たり国内総生産総額(名目)
GDP Per Capita (Nominal)出典: International Financial Statistics Yearbook 2002, 2004 and May 2005 (International Monetary Fund) 注: 3表中の公定為替レートは実勢レートとの乖離が大きすぎるため、公定レートによる米ドル換算は記載していない。
Year 1980 1990 1995 2000 2001 2002 2003
国/地域名 Country/Region
Cam bodia (Thousand Riel) - - (722.47) (1,053.23) (1,081.16) (1,136.57) (1,163.44)
(US$) - - 294.79 274.22 276.07 290.53 292.81
Laos (Thousand Kip) - (147.61) (304.99) (2,588.83) (2,907.78) (3,325.50) (3,587.81)
(US$) - 208.57 379.01 328.21 324.73 330.69 339.46
M yanm ar (Kyat) (1,147.71) (3,749.78) (13,715.79) (53,696.53) (73,619.75) (115,153.63) (155,922.73)
(US$)3 - - - - - - -
Vietnam (Thousand Dong) - (633.47) (3,142.39) (5,651.98) (6,076.96) (6,673.67) (7,538.01)
(US$) - 97.72 284.69 398.93 412.70 436.76 486.01
1.2 対象国の産業動向 (1) 産業構造(4ヶ国)
対象 4 ヶ国は、GDP に占める農業分野のウエイトがまだ非常に高い。製造業 のウエイトは大きくなくその規模は小さい。その意味で産業公害問題の発生はあ るものの、その影響度合は相対的に小さいレベルに留まっている。
表
1.2-1経済活動別国内総生産(
2003年)(市場価格)
国名 C am bodia
2,3Laos
4M yanm ar
5V ietnam
項目 C ountry
Item 農業
A griculture ① 37.2 48.6 57.2 21.8
鉱業
M ining ② 0.5 1.7 0.5 9.4
製造業
M anufacturing ③ 19.3 19.2 7.8 20.8
電気・ガス・ 水道業
Electricity, G as and W ater ④ 0.5 2.8 0.1 3.8 建設業
C onstruction 6.4 2.3 2.2 5.9
商業
Trade 14.2 10.3 24.3 13.8
運輸・通信業
Transport & C om m unications 6.6 6.3 5.4 3.7 金融業
Finance ⑤ 6.0 0.4 0.1 1.8
行政
P ublic A dm inistration ⑥ 2.8 3.6 1.3 8.9 その他
O thers ⑦ 6.3 4.8 1.4 10.0
Total 100.0 100.0 100.0 100.0
国内総生産 15,770.8 22,296,225 3,523,515 605,586
G D P 10億リエル 100万キップ 100万チャット 10億ドン
B illion R iel M illion Kip M illion K yat B illion D ong
出典: Key Indicators of Developing Asian and Pacific Countries 2004 (Website of Asian Development Bank) 注:2)暫定値、3)基準価格、4)要素価格、5) 2001財政年度(4月~翌年3月)統計
(2)ベトナム
ベトナムにおける産業動向の概況は次のとおりである。
表
1.2-2ベトナムにおける産業動向
主要産業 農林水産業、鉱業GDP 390億米ドル(2004年IMF資料)
一人当りGDP 483米ドル(2004年IMF資料)
経済成長率 7.6%(2004年暫定値)
物価上昇率 3.0%(2003年)
失業率 5.78%(都市部のみ、2003年)
貿 易 額 (2003 年
(暫定値))
(1)輸出 198.7億ドル
(2)輸入 249.5億ドル 主 要 貿 易 品 目
(2003年)
(1)輸出 原油、縫製品、履物、水産物
(2)輸入 機械、石油製品、織物・縫製品・皮革材料
(2002 年 度 の 貿 易金額が多い順、
IMF資料)
(1)輸出 米国、日本、中国
(2)輸入 中国、日本、台湾 通貨 ドン(Dong)
為替レート 1ドル=15,740ドン(2004年 12月)
外国からの投資実 績
407.9億ドル(1988年から 2003年まで)
経済概況 (1)89年頃よりドイモイの成果が上がり始め、95~96年には 9% 台の高い経済成長を続けた。しかし、97年に入り、成長率の鈍化等 の傾向が表面化したのに加え、アジア経済危機の影響を受け、外国 直接投資が急減し、また、輸出面でも周辺諸国との競争激化に晒さ れ、99年の成長率は4.8%に低下した。
(2)2000年の成長率は6.7%、2001年は6.8%、2002年は7.0%、2003 年は 7.2%を記録し、2004 年も 7.6%(暫定値)の成長率を達成。
しかし、慢性的貿易赤字、未成熟な投資環境等、懸念材料も依然残 っている。
表
1.2-3国・地域別の投資(対ベトナム)
出典: ベトナム計画投資省(Ministry of Planning and Investment, Vietnam)
注:1)認可ベース、2)国/地域別統計の「-」は、未発表のもの。
Year
国/地域名 件数 金額 件数 金額
Country/Region No. of Cases Value No. of Cases Value
Taiwan 180 367.18 159 460.75
S.Korea 175 332.35 166 365.09
Japan 51 119.92 64 254.38
Hong Kong 43 117.06 38 198.12
British Virgin Islands 28 210.14 25 176.68
Canada 7 25.46 12 154.96
Singapore 17 52.25 48 123.95
Malaysia 17 55.42 27 90.80
China 61 147.40 68 79.06
U.S.A 26 57.70 30 74.94
Cook Islands
- -
1 50.00Netherland 8 39.06 4 48.20
Mauritius
- -
6 39.50Australia 17 163.78 15 38.43
Samoa 1 3.00 8 36.90
Russia 3 10.10 5 28.37
Denmark 8 6.50 6 16.38
Dominica
- -
1 8.00Others 85 169.02 60 66.22
Total 727 1,876.34 743 2,310.73
2003 2004
100万米ドル Million US$
表
1.2-4業種別投資(対ベトナム)
100
万米ドル
Year業種 件数 金額 件数 金額
Industry No. of Cases Value No. of Cases Value
重工業
Heavy Industry 221 554.88 253 816.94
軽工業
Light Industry 243 595.88 205 491.34
農業・林業
Agriculture & Forestry 79 138.50 93 363.21
ホテル・観光
Hotels & Tourism 20 156.42 22 209.18
オフィスリース
Office for Leasing 1 130.00 6 201.78
食品加工
Food Stuff Processing 20 78.21 21 48.32
建設
Construction 32 80.76 29 37.83
運輸・通信
Transportation & Telecommunication 12 17.52 25 35.22
金融
Finance & Banking
- -
2 30.00その他のサービス
Other Services 56 37.16 50 27.56
文化・医療・教育
Culture, Health and Education 23 22.24 29 26.98
石油・ガス
Oil & Gas Industry 1 16.00 1 11.50
水産
Aquatic 17 30.81 7 10.87
EPZ & IZ工業団地建設
EPZ & IZ Infrastructure Construction 2 17.95
- -
Total 727 1,876.34 743 2,310.73
2004 2003
Million US$
出典: ベトナム計画投資省(Ministry of Planning and Investment, Vietnam)
注:1)認可ベース、2)国/地域別統計の「-」は、未発表のもの。
(3)カンボジア
カンボジアにおける産業動向の概況は次のとおりである。
表
1.2-5カンボジアにおける産業動向
主要産業 農林水産業(GDP の 33.4%)、工業(GDP の 26.3%)(02 年、計画省資料)
GDP 約39.3億米ドル(02年、同上資料)
一人当たりGNP 291米ドル(02年、同上資料)
物価上昇率 3.2%(02年、同上資料)
失業率 不明
貿易総額
(02年、IMF資料)
(1)輸出 17.4億米ドル
(2)輸入 24.8億米ドル
主要貿易品目 (1)輸出 縫製品、肉・野菜類、天然ゴム・ゴム製品
(2)輸入 縫製用布、機械・車両、燃料 主要貿易相手国
(2002 年 度 の 貿 易 金額 が多い順、IMF資料)
(1)輸出 米、独、英、シンガポール、日本
(2)輸入 タイ、シンガポール、香港、中国 通貨・為替レート リエル(1米ドル=約4,000リエル、04年)
経済概況
97年7月の武力衝突及びアジア経済危機の影響で外国投資や 観光収入が減少し、一時経済成長率が鈍化(98年の経済成長 率は1.0%)したものの、その後は5%後半から7%台の安定 した成長率を保っている。04年7月に発足した第3次連立政 権も引き続き経済発展と産業育成を最重要政策目標と位置付 けているが、海外直接投資の誘致が今後の鍵と言える。
表
1.2-6地域別投資状況(対カンボジア)
1,000米ドル Thousand US$
Year 2003 2004
国/地域名 金額 金額
Country/Region Value Value
China 14,180 23,810
Malaysia 3,650 7,825
Taiwan 1,000 4,600
S. Korea 1,050 4,170
U.S.A. 2,100
表
1.2-7業種別投資状況(対カンボジア)
1,000米ドル Thousand US$
Year
業種 件数 金額 件数 金額
Industry No. of Cases Value No. of Cases Value 農業
Agriculture 2 2,000 2 2,000
農産業
Agro-Industry 1 1,000 2 2,000
農業
Agriculture 1 1,000 - -
工業
Industries 29 28,890 48 53,500
衣類
Garment 19 18,900 36 41,900
プラスチック
Plastic - - 3 2,600
エネルギー
Energy - - 2 2,000
食品加工
Food Processing 2 1,590 1 1,000
木材加工
Wood Processing 2 1,300 1 1,000
セメント
Cement - - 1 1,000
石油
Petroleum - - 1 1,000
靴
Shoe - - 1 1,000
靴下
Sock - - 1 1,000
タバコ
Tobacco 1 1,000 1 1,000
その他
Others 5 6,100 - -
サービス
Services 6 17,500 5 5,000
建設
Construction - - 3 3,000
インフラ設備
Infrastructure - - 1 1,000
水道
Water Supply 1 1,500 1 1,000
通信
Telecommunication 1 10,000 - -
その他
Others 4 6,000 - -
観光
Tourism 10 26,000 5 5,500
観光
Tourism 1 1,000 3 3,000
ホテル
Hotel 9 25,000 2 2,500
Total 47 74,390 60 66,000
2003 2004
出典: カンボジア投資委員会(Cambodian Investment Board)、注:認可ベース
(4)ラオス
ラオスにおける産業動向の概況は次のとおりである。
表
1.2-8ラオスにおける産業動向
主要産業 農業、林業木材加工及び水力発電GDP 2,335百万ドル(2003-04年)
一人当たりGDP 402ドル(2003-04年)
GDP成長率 6.5%(2003-04年)
消費者物価上昇率 12.5%(2003-04年)
失業率 不明
総貿易額(2003-04年) (1)輸出 374.3百万ドル
(2)輸入 561.8百万ドル
主要貿易品目 (1)輸出 電力、木材、縫製品、コーヒー
(2)輸入 燃料、日用品、繊維原料 貿易相手国
(2002 年度の貿易金額 が多い順、IMF資料)
タイ、ベトナム、中国、日本 通貨 キープ(Kip)
為替レート 1ドル=10,800キープ(2005年7月現在)
経済概況 (1)75年以来の計画経済が行き詰まり、86年に「新経済メ カニズム」とよばれる経済改革に着手、銀行制度、税制、外 国投資法の制定、国営企業の民営化等幅広い分野での措置を 通じ、市場経済の導入、開放経済政策を推進中。
(2)アジア経済危機の際、国内マクロ経済運営のまずさか ら、高率のインフレ及び為替レートの下落に直面。現在は緩 やかな回復基調。
(3)第7回党大会(2001年)において2020年までのLDC 脱却、国民生活水準3倍増等を目指した長期目標を策定。
(4)外国投資の促進。
表
1.2-9地域別投資状況(対ラオス)
1,000米ドル Thousand US$
Fiscal Year
国/地域名 件数 金額 件数 金額
Country/Region No. of Cases Value No. of Cases Value
Australia 1 1,500.0 4 292,700.0
Vietnam 9 8,660.4 19 63,277.8
Thailand 30 96,337.2 33 57,220.1
Switzerland 2 300.0 2 30,000.0
China 35 119,858.2 45 28,197.8
S. Korea 10 13,745.0 15 14,200.7
Japan 9 3,340.6 6 4,525.0
Taiwan
- -
1 4,000.0Malaysia 8 70,776.0 5 3,250.0
Singapore 5 36,150.0 1 3,170.0
U.S.A. 4 1,223.0 7 2,820.0
France 11 17,613.0 6 2,520.0
Russia 2 3,000.0 2 1,100.0
Netherlands
- -
1 1,000.0Canada 3 40,100.0 1 1,000.0
Sri Lanka
- -
1 200.0Germany 1 100.0 1 100.0
U.K. 4 376.5 1 100.0
Norway 1 12,800.0
- -
India 1 200.0
- -
Sweden 2 150.0
- -
Spain 1 28.1
- -
Cambodia 1 20.0
- -
Laos * 39,709.1 * 14,767.5
Total * 465,987.1 * 524,148.8
2002 2003
表
1.2-10業種別投資状況(対ラオス)
1,000米ドル Thousand US$
Fiscal Year
業種 件数 金額 件数 金額
Industry No. of Cases Value No. of Cases Value
鉱業
Mining 25 20,728.7 24 312,109.7
農業
Agriculture 16 17,321.8 19 75,704.0
手工業
Industry & Handicraft 45 80,805.2 37 35,375.5 通信
Telecommunication - - 2 27,000.0
商業
Trading 21 140,098.4 19 19,000.0
金融
Banking - - 1 10,000.0
建設
Construction 3 3,247.8 7 9,991.1
木工業
Wood Industry 5 5,502.3 8 8,988.7
サービス
Services 33 60,297.6 23 8,479.1
ホテル・レストラン
Hotel & Restaurant 11 48,795.3 8 7,000.0 発電
Electricity Generation 6 85,800.0 6 5,500.0 衣料
Garment 9 2,770.0 3 3,100.0
コンサルティング
Consultancy 4 620.0 4 1,900.7
Total 178 465,987.1 161 524,148.8
2002 2003
(5)ミャンマー
ミャンマーにおける産業動向の概況は次のとおりである。
表
1.2-11ミャンマーにおける産業動向
主要産業 農業
実質 GDP 113億ドル(2000年度推定)
一人当たりGDP 180ドル(2003年度 IMF World Economic Outlook 2003) 経済成長率 10%以上(2002年度 政府発表)
物価上昇率 57.2%(2002年 12月時点で、前年同月比)
失業率 約 4.7%(2002年度推定)
総貿易額(2003年) (1)輸出 約24億ドル
(2)輸入 約22億ドル
主要貿易品目 (1)輸出 天然ガス、チーク、豆類、米、エビ
(2)輸入 機械類、金属/工業製品、原油、電気機械、紙類 主要貿易相手国
(2002 年度の貿易金 額が多い順、IMF 資 料)
(1)輸出 タイ、中国、インド、米、シンガポール、日本
(2)輸入 シンガポール、中国、マレーシア、タイ、日本
通貨 チャット(Kyat)
為替レート 1ドル=5.73チャット(公定レート)(2005年5月現在)
経済概況 1962 年以来農業を除く主要産業の国有化等社会主義経済政 策を推進してきた。しかし閉鎖的経済政策等により外貨準備の 枯渇、生産の停滞、対外債務の累積等経済困難が増大し、1987 年 12 月には国連より後発開発途上国(LLDC)の認定を受け るに至った。88 年 9 月に国軍が全権を掌握後、現政権は社会 主義政策を放棄する旨発表すると共に、外資法の制定等経済開 放政策を推進。92年から95年まで経済は高い成長率で伸びて いたが、最近は非現実的な為替レートや硬直的な経済構造等が 発展の障害となり、外貨不足が顕著となってきている。
特に、2003 年 2 月には、民間銀行利用者の預金取付騒ぎが 発生し、民間銀行や一般企業が深刻な資金不足に見舞われたほ か、為替市場にも影響が出ている。さらに、2003 年 5 月のス ー・チー女史拘束を受けて、米国が対ミャンマー制裁法を新た に制定したことが国内産業への打撃となり、経済の鈍化を招い ている。
また 2004年 10月には、EUがミャンマーの民主化状況に進 展が見られないとして、ミャンマー国営企業への借款の禁止等 を含む制裁措置の強化を決定した。
表
1.2-12地域別投資状況(対ミャンマー)
100
万米ドル
Million US$Year
国/地域名 件数 金額 件数 金額
Country/Region No. of Cases Value No. of Cases Value
U.K.*
- -
1 27.00Thailand
- -
2 22.00Malaysia 4 44.00 1 18.25
Hong Kong 1 1.52 2 15.88
Singapore
- -
1 6.10S. Korea
-
0.3 1 2.60Brunei Darussalam
- -
1 2.04Canada
- -
1 1.45Switzerland 1 3.38
- -
Total 6 49.20 10 95.32
2002 2003
表
1.2-13業種別投資状況(対ミャンマー)
100万米ドル Million US$
Year
業種 件数 金額 件数 金額
Industry No. of Cases Value No. of Cases Value
運輸
Transport
- -
2 30.00漁業
Fisheries
- -
4 28.99石油・ガス
Oil & Gas 4 44.00 2 22.00
製造
Manufacturing 1 1.82 1 12.88
鉱業
Mining 1 3.38 1 1.45
Total 6 49.20 10 95.32
2003 2002
出典: Selected Monthly Economic Indicators January 2003 (Central Statistical Organization, Ministry of
2
環境施設需要の想定
2.1
需要想定の対象・方法
(1) 前提条件の整理都市活動、生産活動に伴い発生する汚染物質の排出による環境汚染、公害発生は、
それぞれの地域の活動量と活動の密度、影響を受ける生活者の人口とその密度が大 きなファクターとなる。それらが自然環境の浄化能力を超えた時に環境汚染が発生 し、さらに汚染が人間の受忍限度(環境基準)を超えたレベルが環境の容量を超え た事態と評価されている。
環境基準を超える事態が発生した場合、様々な被害を防止するため、公害防止装 置や関連対策が取られるようになるが、汚染者レベルで取られるものと、汚染者の 対策のみでは対応しきれない場合に公的機関による対策が取られる。
本調査では、個々の汚染者が取る対策を調査研究の対象とせず、公的機関が取る 環境対策を対象とする。
都市からの汚染物質は多種、多量に排出されており、都市の代謝系の健全性を維 持するために下水処理、廃棄物処理があり、またエネルギー利用による廃熱、排ガ スの処理が行われている。上記の二つの分野については、市民が汚染者であること もあり公的機関がその処理システムを整備するのが一般的であるが、エネルギー関 係の廃熱処理・排ガス処理は、規制的な手法が一般的である。
表
2.1-1都市活動に伴い必要となる環境施設の例
分野 区分 環境(対策)装置
水 下水 下水処理場(水処理施設、汚泥処理施設)
工場廃水 工場廃水処理施設、共同処理施設
廃棄物 都市廃棄物 収集機材、中継施設、処分場、浸出液処理施 設、中間処理施設、リサイクル施設
医療廃棄物 収集装置、無害化処理施設
産業・有害廃棄物 収集装置、中継施設、処分場、浸出液処理施 設、無害化処理施設、
製品廃棄物 処理・リサイクル施設
し尿 バキューム、し尿・汚泥処理施設 大気 自動車排ガス (排ガス装置)、モニタリング施設
工場排ガス (排ガス処理装置)、モニタリング施設 温暖化 化石燃料 バイオマス発電
環境装置需要として顕在化するためには、ⅰ被害の深刻度、ⅱ住民の意識・抗議 の度合、ⅲ行政・その首長の意識レベル、ⅳ行政の財政能力の相互作用が不可欠で ある。
これらの要素のなかで、一般にⅱの「住民の意識・抗議の度合」は、他の要素の 中でも特に重要である。住民の意識は、国民の所得レベル=経済的な余裕=教育レベ
ルなどの向上等との相関性が高いことが知られている。開発途上国では、所得レベ ルが低いため住民の環境意識が低く行政当局の対応も鈍いといった相関が生じてい る。
しかし、開発途上国であっても人口が集中する都市部では状況は異なり、海外か らの圧力や良好な対外関係の維持のために、先進国並の環境対策を指向する動きも 見られる。途上国イコール低レベルな環境対策のニーズとは必ずしも言えなくなっ ている。
また、仮に行政の長が環境対策への意欲があったとしても、ⅳの「行政の財政能 力」が阻害要因となることがある。財政負担能力がないと、都市施設を持続的に運 転することが困難であり、負担の能力の範囲内だけで、施設整備が行われる傾向が ある。この財政負担能力では、国から都市(地方自治体)への投資的な経費への助 成の仕組みを持っている国で進む傾向がある。ただし、その際も施設の運転維持管 理経費は地方自治体の自己負担になるためその負担能力内にないと持続的な運転が 確保されない。
以下、上記の要素を考慮しながら、対象国での環境対策装置の需要について検討 していくものとする。
上記の要因から環境装置による対策が必要になってくるのは、都市の人口が大き く、所得水準が高いことである。したがって、先ずは各国で都市がどの程度、存在 しているかが、第 1のポイントになる。第 2のポイントは、所得レベルである。こ れにより環境対策ニーズが異なってくる。
需要の想定は、主にこの二つの軸から行うものとする。
(2) 所得レベルと環境装置ニーズの想定
主要国の大都市別の所得レベルと施設整備の現状を踏まえて、所得レベルと環境 装置需要の相関を整理すると次表のとおりである。貧困開発途上国に位置するベト ナム、カンボジア、ラオスでは、廃棄物の衛生処分場と医療系廃棄物処理施設の整 備のニーズはあるが、その他の分野についてはニーズがあっても財政的な負担が困 難である。
対象国では、一般に公的な環境装置の導入は非常に限られてくるが、それぞれの 国及び都市の環境問題の状況、観光開発との関係、経済成長の動向を考慮して、今 後の需要を想定していく必要がある。
表
2.1-2所得階層分 類と環境対 策レベル (首都ない しはそれに 準ずる都市 を対象) カテ ゴリ 貧困 開発 途 上 国 低 所 得 開発途 上国 中 所 得 開発途 上国 中進 国
ベトナム、 ラオス、カ ンボ ジア フィリピン 、インド ネ シア タイ マレ ーシ ア 水分 野 下水 未整 備 未整 備・ 計 画 観光地での 整備 下水 道 施 設 の整備が進 行中 下 水道施 設 の整備がか なり 進ん だ 状 態 工場 廃水 工業団地で 汚水処理施 設整 備 工業団地で 汚水処理 施 設整 備 工業団地で 汚水処理 施 設整 備 工業団地で 汚水処理 施 設整 備 廃棄 物 都市 廃棄 物 (衛生)処 分場 中継施設 衛生処分場 中継施設 衛生処分場 コン ポ ス ト 、メタン醗 酵施設整備
中継施設 衛生処分場 焼却施設( 計画) 医療 廃棄 物 一部焼却施 設 一部焼却施 設 焼却施設 焼却施設 産 業 ・ 有害廃 棄物 未整 備 熱処 理な し 有害専用処 分場整備 熱処 理な し 有害専用処 分整備 熱処理あり 有害専用処 分整備 製品 廃棄 物 なし なし なし 課 題 に なりつ つあ り し尿 未整 備 未整 備 汚泥 回収 個別浄化 槽による 処 理、汚泥バ キューム 回 収し下水処 理場にて 下 水と とも に 処 理 大気 モニ タリ ン グ 未整 備 自動 観 測 ス テーション の整備中 テレ メ ー タ 、自動観測 ステーショ ン テレ メ ー タ 、自動観測 ステーショ ン
(3) 需要予測に係る根拠
各国の主要都市における人口から、潜在的な汚水、廃棄物、し尿等の発生量を以下 の原単位を用いて算定する。その上で、環境施設の事業規模を原単位当たりの建設費 を用いて概算する。
①発生量原単位
排水分野について、下水は下水処理対象人口を都市人口の50%と想定し、下水発 生原単位は日本の400 l/日の半分として200 l/日として算出する。
工業廃水については、ベトナム・ホーチミンにある 14 工業団地の敷地面積
(2,714ha)と廃水発生量(144.3千m³/月)の平均から算定した53 m3/haを用い る。
廃棄物について、都市廃棄物は一人当たり0.5kg/日の発生とし、そのうち50%が 生ごみの発生であると仮定した。医療廃棄物については、人口1万人当たりのベッ ド数を、日本の数値 164の半分と仮定し80として、ベッド当たりの発生量原単位
を 0.25kg/日と仮定した。また、産業・有害廃棄物については、ベトナム・ホーチ
ミン、ドンナイ省の有害廃棄物発生量(76千t/年)を基に工業団地当たりの平均値 を 3,000 t/年と仮定した。
し尿の発生量は、非下水道人口(し尿収集対象人口)を人口の20%と想定し、発 生原単位を1 l/人/日と仮定した。
表
2.1-3分野別の環境施設の需要予測に係る根拠
分野 潜在発生量 施設の原単位
下水 都市人口×普及率(50%)×発生原単 位(200 l)=下水発生量(m3/日)
2万円/m³/日
排水
工業廃水 工 業 団 地 敷 地 面 積 × 発 生 原 単 位(53m3/ha)=工業廃水発生量(m³/ 月)
(試算せず)
都市廃棄物 都市人口×原単位(0.5kg/人・日)=
都市廃棄物発生量(t/日)
― 生ごみ 都市廃棄物発生量×50%=生ごみ発
生量(t/日)
× 生 ご み 処 理 プ ラ ン ト単位建設費:1,000 万円/t/日
医療廃棄物 人口 1 万人当たりのベット数(80) × 医 療 廃 棄 物 処 理 施
廃棄物
②施設費用の原単位
下水道施設においては、下水処理場の土木・建築を除外した機械・電気設備の事業費 を算出することとする。算出方法は、日本における下水道事業費から下記の手法で推定 する。
・ 日本における1987年から2001年までの14年間の下水道総事業費の合計(40兆円)
及び、その間で下水道普及増加人口(3,280万人)、及び1人当たりの下水量(400l/
人・日)から、1m3/日あたりの下水道施設建設費を計算すると、3,050 千円/m3/
日となる。
・ この費用には、管渠および下水処理場の土木建築工費費を含まれているので、管渠 と下水処理場との比を8:2、処理場での土木・建築と機械電気設備との比を1:1、さ らに、現地での機械・電気設備費を日本の 1/3 として、原単位を算出すると、m3/
日あたりの現地での機械・電気設備費は、
3,050千円/m3/日x2/10x1/2x1/3=102千円/m3/日 → 10万円/m3/日。
工場廃水に関しては、廃水の種類により大幅に異なるので、ここでは算出しない。
都市廃棄物に関しては、焼却ではなく、コンポストなどの生ごみ資源化施設を想定し、
1,000万円/t/日と想定する。
医療廃棄物に関しては、小型による焼却処理として、3,000万円/t/日と想定する。
し尿処理施設は、日本の平均建設費の1/3として、1,000万円/kL/日と想定する。