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ベ トナムの労働法 と人的資源管理

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研究論文

ベ トナムの労働法 と人的資源管理

丹 野 勲

はじめに

ベ トナム労働 法 は、1994年6月制定 され 、翌 95年か ら施行 された。その後、2002年、2006年、

お よび2007年 に一部改正 された。

本稿では、ベ トナム労働法 について、主要な 内容に関 して条文に基づいて詳細に分析す る(1)0 その際、 日本企業が実際に現地で どのよ うな人 的資源管理 を行 うか とい う視点 も加 えて考察す る。 また、必要な場合、 日本や他 国の労働 関連 法規 と比較 して、ベ トナム労働法の特徴 につい て も解 明す る。

なお、本論文は、文部科学省科学研究費補助 金基盤研究C 「アジア ・太平洋のフロンテ ィア 地域 の国際経営」 (課題番 号18530309)の研 究 成果でもある。

1

節 ベ トナム労働法の適用範囲

ベ トナム労働法は、すべての労働者、お よび すべての経済セ クター とすべての所有形態 にお いて労働契約 に基づいて雇用 してい る個人や組 織 に適用す る。

ベ トナム労働法が適応 され る労働者 は使用者 の範囲 として以下を規定 してい る。

労働法は、すべての労働者 、お よびすべての 経済セ クター とすべての所有形態において労働 契約 に基づいて雇用 してい る個人や組織 に適用 す る。また、労働法は、労働者 の研修員、見習 い、家事手伝 い、お よび労働法で規定 された他 の労働者 に適用す る。 (第

2

条)

外資で働 くベ トナム人、ベ トナム国内で海外

や 国際機 関で働 くベ トナム人、ベ トナム国内で ベ トナム企業 ・組織、外資で働 く外国人は、ベ

トナム労働法が適用 され る。 (第3条)

政府 ・地方の公務員、議員、軍人、警察官、

党の役員、協同組合の役員 な どは、他 の法律 に 従 う。ただ し、 この労働法の多 くの条項が、上 記 の者 にも適用 され る。 (第

4

条)

以上の よ うに、ベ トナム労働法での労働者の 適用範囲は、研修員、見習い、家事手伝 いな ど を含むすべての労働者 と規定 している。ただ し、

政府高官、国会議員、国有企業の社長 ・副社長 ・ 役員 ・会計責任者、企業の取締役、企業か ら賃 金 に支払 を受 けない企業内の共産党や労働組合 な ど専従幹部、賃金の支払 を受 けない協同組合 の組合員、軍人や警察官な どは労働者の範晴に 含 まれ まい としてい る (布告 (勅令)NO.44/

2003/ND‑CP第

2

(2))。 また、使用者 の適 用範囲は、すべての経済セ クター と所有形態で 労働契約 に基づいて雇用 してい る個人や組織 に 適 用す る。 具体的 な使 用者 につ いては、布 告 (勅令)NO.44/2003/ND‑CP第2条(3)で、以 下のよ うに規定 している。国営企業法、企業法、

外資法 によ り設立 ・運営 されている企業、政府 組織お よび社会政治組織、国や公共団体、管理 的 ・専門的組織、軍に属す る経済組織 ・企業、

協 同組合、労働者 を雇用 している家族世帯や個 人、教育 ・医療 ・文化 ・スポーツ機 関、ベ トナ ムでの外国 ・国際機 関な どである としてい る。

2

節 労働者 と使用者

労働者 となれ るのは、15歳以上で、労働契約 ベトナムの労働法と人的資源管理 27

(2)

を結んだもの (第6条) としている。労働者は、

労働組合 に加盟 し、活動す る権利 を持 ち、個別 労働契約 と集 団的労働協約 を結び、ス トライ キ をす る権利 を持つ (第7条)。

使用者 となれ るのは、企業、組織、お よび18 歳 以上 の個人 で、労働者 に賃金 を支払 え る者

(第6条) である。使用者 は、労働者 に対 して 最低賃金 の支払い、安全で衛生的な労働環境 、 法律 に基づいた休暇 ・休憩、社会保険、等 を行 わなければな らない。 (第7条)

3

節 雇用

(1)少数民族の雇用

国は少数民族 の労働者 の雇用の増大のために 優先的な政策 を実施す る (14条2項) とし、少 数民族 の雇用 を規定 してい る。ベ トナムには多 くの少数民族がい るが、経済的には貧 しく失業 者 も多い。それで、ベ トナム政府 は、以上の条 文の よ うに、少数民族 の雇用 を優先す るとい う 政策 を労働法 において規定 している。

ただ し、ベ トナム 日系企業の採用においては、

著者 の ヒア リングによると、特 に少数民族 の採 用 を優先 しているとい う状況ではない。ベ トナ ムの場合、他 の東南アジア諸国 と比較す ると、

民族 問題 があま りない とい う背景があるのであ ろ う。

(2)就職 ・採用の 自由

労働者 は、法律 に違反 しない限 り、いかな る 地域 にもいかなる雇用者 においてで も雇用 され る権利 を持つ。仕事 を求めている労働者 は、直 接雇用者 と接触 した り、職業紹介機 関に登録 し て 自分の希望、能力、特質、健康 に相応 した仕 事 を見付 けることができる。使用者 は直接労働 者 を募集 した り、職業紹介機 関を通 して雇用す ることができる。 また経営の状態 によ り法律 に 従い労働者 の数 を増滅できる。 (第16条)

ベ トナムでは、中国の よ うな農村戸籍 と都 市 戸籍 といった制度がないため、 どの地域で も仕 事す ることは可能である。16条の規定のよ うに、

28 国際経営論集 No.37 2009

いかなる地域においても仕事をす る権利 を持つ。

す なわち、採用の地域制限がないのである。 ま た、かつては、就職 について公的職業機 関によ る介入 ・制限が存在 したが、現在 では 自由に就 職活動 を行 うことが可能 である。

ベ トナムでは、外資系の合弁企業 を除いて外 資系駐在員事務所や100%外 国資本企業が現地 人従業員を直接採用する場合、以前は制限があっ たが、現在 では制限がな くな り自由に採用でき るよ うになった。

ベ トナ ムでは、外 資系駐在員事務所や100%

外国資本企業が現地人従業員 を直接採用す る場 合 、かつては公的労働者斡旋機 関を通 して採用 しなけれ ばな らなかった。 1994年 に労働法が制 定 され、職業斡旋機 関は雇用サー ビスセ ンター が改め られ、雇用サー ビスセ ンターか ら適 当な 人材 を得 られ なかった場合、外資系企業は直接 募集 して採用できることになった。ただ し、直 接採用 したベ トナム従業員 を採用後、雇用サー ビスセ ンターに登録義務があった。 しか し、以 上の外資系企業の採用制限は、2001年で廃止 さ れた。外国合弁企業の場合 は、従業員 を直接募 集 して採用できたが、大企業で現場 ワーカーを 多数必要 とす る場合 は雇用サー ビスセ ンターか らの援助やア ドバイスを受けていたよ うである。

第 4節 解雇

従業員の解雇 に関 しては、以下のよ うな規定 がある。

1、会社の組織 の再編成、技術の変化の結果 と して、12ケ月以上勤 めている労働者 も解雇 できるが、使用者 はその労働者の解雇 を回 避す るために再訓練 し社 内の他の仕事を与 える貢任 を持つ。 しか し新 しい仕事 を与え ることができず解雇せ ざるを得 ないない場 合、使用者 は勤務年数1年 につ き1か月の 失業手 当を与 えなければな らない。 しか し 最低で も2か月分以上 とす る。

2、本条1項 に関 して大量の解雇者 を出す場合、

使用者 は仕事の必要性、勤務年数、能力、

(3)

家族状況、その他の要因に基づき、解雇者 リス トを作 り、会社の労働組合執行委員会 と協議 し同意 した後 に解雇 を行 う必要があ る。使用者 は、地方政府 の労働機 関に通知 した後に労働者 の解雇 が認 め られ る。

3、会社は、解雇者 に払 うべ き ときに解雇補債 金 を支払 うために、政府 の規定に従い解雇 資金の積み立てをす る必要がある。

4、労働者が良い条件で再就職できるよ うに、

政府 は国家雇用基金 を用いて職業訓練や再 訓練、低利貸 し付 けな どを行 う。政府 はま た構造的問題 、技術的問題 によ り失業率の 高い地域 には経済的援助 を行 う。 (第

1 7

条) 解雇 に関 しては、以上の条文 によ り、合理的 理 由がある場合、会社 は解雇 を行 うことができ るが、その手続 きを厳格 に規定 している。会社 の リス トラや技術革新 な どによ り、 1年以上勤 務 している解雇候補者 の労働者 については、再 訓練 を施 し、社 内に配置転換 した りして、でき るだけ解雇 を しない よ うす るとい う努力義務 が ある。解雇手当 として、解雇す る労働者 に勤務 年数1年 につき1か月分 (最低2か月分)支払 う必要がある。 また企業は解雇手 当を支払 うた めに解雇資金の積み立てをす る必要がある。 さ らに、大量の労働者 を解雇す る場合、企業内の 労働組合の執行委員会 と協議 し、同意 し、地方 の労働機 関に通知 しなければな らない。

ここで、問題 なのは、解雇 に関 して労働組合 と協議 し、労働組合が同意す る義務 があるとい う点であろ う。ベ トナム 日系企業の現地経営に おいて、解雇の問題 はセンシテ ィブであるので、

法律 に則 して労働組合 と協議 し、同意 した上で の解雇 の手続 きが必要である。安易 に解雇 を行 な うと、重大な労使紛争 に発展す る可能性 があ るので注意 を要す る。

なお解雇 に関 して労働組合が合意 しない場合 は、労働紛争解決の法的手続 き

( 3 8

2

項)の 規定に従 う。

労働者の罷免 による解雇 については、以下の よ うな規定がある。規律違反処分等による罷免 による解雇 については、下記の場合 にのみ適用

され る。 a)労働者 が、盗品、汚職 、技術 ・経 営上の機密漏洩、 もしくはその他企業の資産 ・ 利益に重大な損害をもた らす行為を犯 した場合、

b)昇給 の据 え置 き ・配置転換 の規律処分 を受 けた労働者 が、処分期間中に違反行為 を重ねた 場合、または解任規律処分 を受 け、違反行為 を 重ねた場合、C)労働者 が正 当な理 由な く1

月 に集 中 して合計5日、あるいは1年間に集 中 して合計20日、 自ら業務 を放棄 した場合。使用 者 は、労働者 を罷免 した後、省 ・中央直轄都市 級 の労働 に関す る国家管理機 関にこれ を通知 し なければな らない。 (第85条)

5

節 労働契約

ベ トナムでは、採用できるのは年齢が15歳以 上で、労働契約 を締結できる労働者である (第 5条)。 ベ トナ ムは

I LO

に加盟 してい ることか ら、 この労働者 になれ るのは15才以上 とい う規 定は

、I LO

1 3 8

号条約

( 1 9 7 3

年) 「就業の最低 年齢 に関す る条約」 を反映 した ものであろ う。

採用の際に法律的側面で重要である労働契約 について、ベ トナム労働法 に則 して考察 してみ よ う。労働契約 を、労働法では以下の よ うに定 義 している。

労働契約 は報酬、労働条件、労働 関係 におけ る両者の権利 と義務 を明記 した、労働者 と使用 者 間の契約である。 (第

2 6

条)

労働契約 に関す る条文で最 も重要なのが第27 条で、2002年 に27条は大幅に改正 された。労働 契約 は、以下の形態の1つに基づ き締結 されな ければな らない としてい る (第27条)。

① 契約期限を定めない労働契約。 これ は 「無 期限労働契約」である。

② 1年か ら3年 までの契約期間を定めた労働 契約。 これは 「期限付労働契約」である。

③ 1年未満 の期間による季節 または特定業務 に基づ く労働契約。 これは 「特殊労働契約」

である。

第27条の2002年 の改定で、労働契約 の更新 に 関 して以下のよ うな制約 を加 えた。

ベトナムの労働法と人的資源管理 29

(4)

この27条第1項②③で定め られてい る労働契 約 の期間終了後、労働者 が引き続 き仕事 を続 け てい る場合、労働契約 の終了 日よ り30日以内に 労使双方は新たな労働契約 に署名 しなければな らない。新たな契約 を締結 しない場合、既存 の 労働契約 は期間を確定 しない無期限労働契約 と 見なす。新たな労働契約の締結 を労使 が同意 し た場合、契約期間を定めた期限付労働契約 を締 結す ることができる。その後、労働者 が引き続 き就業を希望す る場合、期間を確定 しない無期 限労働契約 を締結 しなければな らない。

軍役服務、出産休暇、またはその他の暫定的 休暇のために労働者が一時休職す る場合 を除き、

12カ月以上の恒常的業務 に付かせ るために、 12 カ月未満 の季節労働 もしくは一定職務 に係 わ る 労働契約 を結ぶ ことはできない。 (第27条)

第27条で規定 してい る労働契約 について重要 なのは以下の点である。

第1は、契約期間を定めた期限付労働契約 の 終了 日か ら30日以内に、新たな労働契約 を締結 す るか、労働契約 を終了す るかの選択 を しなけ ればな らない ことである。 も し、新たな労働契 約 を締結 しないで、継続 して働 く場合 、無期限 契約 になる。 この規定は、労働契約終了後 にす みやかに企業は新たな労働契約 を締結す るこ と を義務づ けた ものであろ う。

第2は、使用者 は労働者 と2回のみ期限付 き 労働契約 を締結できるが、 3回 目の労働契約 は 自動的に無期限労働契約 になる点である。す な わち、 1年か ら3年 までの契約期間を定めた期 限付労働契約 を2回締結す る と、 2回 目の労働 契約終了後に労働者が引き続 き就業 を希望す る 場合、期間を確定 しない無期限労働契約 を締結 しなければな らない。 この規定は、企業が入社 時、 さらに1‑ 3年 の期限付 き労働契約が終 了 した時点で、労働契約 を更新す ると、その後 は 労働者が希望すれ ば無期限労働契約 とい う終身 雇用 になる。 この規定は、外資系企業 を含むベ トナム企業において、無期限労働契約 を増や し、

ベ トナム人労働者 の長期間雇用 を促進す る とい う意図があろ う。 中国において も、中国労働契 30 国際経営論集 No.37 2009

約法において同様 な規定があることは注 目すべ きであろ う。

第3は、 1年以上の恒常的業務 に付かせ るた めに、 1年未満 の期間による季節 または特定業 務 に基づ く特殊労働契約 を締結す ることを禁止 してい る点である。 この規定は、 1年以上の恒 常的業務 につかせ る場合は、期限付 き労働契約 を締結す る必要がある とい うことである。

外資系企業が雇用す るベ トナム人従業員の場 合、工場労働者 ではかな りの割合が、契約期間 を定めた労働契約 である期限付労働契約 に基づ く労働者である。これに対 して、ホワイ トカラー としての一般事務職、管理職 、技術職 において は、契約期間を定めない労働契約 である無期限 労働契約 による労働者が一般的 となっている。

なお、中国において も、期限付労働契約労働者 がまだ一般的である。

労働契約書には、仕事の内容、労働 時間、休 日 ・休憩、賃金、労働場所、契約期間、並びに 労働者 に対す る安全、労働衛生及び社会保険に 関す る条件 の主要内容 を含 まなければな らない (第29条)。

使用者 と労働者 は、試用期間の設定について 合意 しなければな らない。 この試用期間内の労 働者 の賃金 は、当該業務 にお ける正式従業員の 賃金 の少 な くとも70%に相 当す る金額 でなけれ ばな らない。試用期間は、高度 な専門技術 の労 働 については60日を、その他の労働 については 30日を超 えない もの とす る。 この試用期間にお いては、各 当事者(使用者 と労働者)は、事前の 通知 を必要 とせず に試用労働 の合意 を解除す る ことができる。労働者が試用期間で的確 である と判断 された とき、使用者 は、 この労働者 を正 式従業員 として雇用 しなけれ ばな らない (第32 条)0

実際にベ トナムにおいて外資系企業が現地人 を雇用す る場合、 このよ うな試用期間を設 けて の採用が一般的 となっているO

企業の合併、分割 な どが行われた場合、新た な使用者 は、引き続 き労働者 に対 し労働契約 を 実行する責任 を負わなければならない (第31条)0

(5)

6

節 労働契約の終了と解雇

労働契約は、以下に掲 げる場合 には終了す る (第36条)。

1.労働契約 の期間が満 了 した とき。

2.労働契約 に基づ く業務が完 了 した とき。

3.当事者双方が労働契約 の終了を合意 した と き。

4.労働者が懲役 の判決 を言い渡 され、または 裁判所の決定に従 って現業務 に就 くことを 禁止 され るとき。

5.労働者が死亡 した とき、または裁判所によっ て失蹟宣告 された とき。

ベ トナム外資系企業では、期限付労働契約 に 基づ く労働者 については、勤務成績が良好 な従 業員 については、労働契約 の終了後 も再雇用で 労働契約 を締結す るが、良好でない従業員 につ いては、契約終了で再雇用 しない とい う形が一 般的の よ うである。 また、会社 の業績 が悪い場 合は、再契約 しない よ うである。 この よ うな期 限付労働契約 に基づ く労働者雇用形態 は、企業 に とっては解雇せず に従業員 を調整 できるとい う利点がある。だが、期限付労働契約 は従業員 に とっては雇用安定が脆弱であ り、会社 に対す る貢献意欲が希薄にな りやすい とい う点 も指摘 できよ う。

期限付労働契約 または特殊労働契約 に基づ く 労働者 は、次の各号に掲 げる場合 において期間 満 了前 に契約 を解除できる (第37条)。

1.契約の業務 もしくは作業場所 に配置 されて いない、または契約 で合意 した雇用条件が 保障 されていない とき。

2.十分に賃金 を支払われていない、または賃 金の支払いが契約 の期限に従 っていない と き。

3.虐待 され、または労働 を強制 された とき。

4.本人または家族 が困難 な状況にあるために 契約の履行 を継続 できない とき。

5.選挙によって責任 ある地位 に選 ばれ る、ま たは国家機構 において公式ポス トに任命 さ

れた とき。

6.妊娠 している女性労働者が医師の指示に従っ て休暇 を取得 しなければな らない とき。

7.疾病又は事故のため3ケ月以上治療 してい る場合。

前記の場合 において、労働契約 を解除す る労働 者 は、期限に従 って使用者 に対 して事前に通知

しなければな らない。

無期限労働契約 に基づ く労働者 は、使用者 に 対 して45目前までに通知す ることによ り、労働 契約 を解除できる。

なお、 日本 の労働基準法では、使用者 が労働 者 を解雇 しよ うとす る場合、少 な くとも30目前 にその予告 を しなければな らず、それ を しない 場合は、30日分以上の平均賃金 (予告手当) を 支払 わなけれ ばな らない と規定 してい る。 (日 本労働基準法第20条1項)

ベ トナム労働法では、使用者側 は、以下の場 合 にお いて労働 契約 を解 除す る こ とがで きる

(同労働法38条第1項)0

1.労働者が 日常的に契約 に基づ く業務 を完成 しない とき。

2.労働者が紀律違反行為 によ り免職処罰 に該 当す るとき。

3.労働者が疾病 を患い、治療 を受 けたにもか かわ らず、労働能力が未だ回復 しない とき。

4.天災、火災またはその他 の不可抗力が発生 し、使用者側がかかる災害 を克服す るため の措置 を講 じたにもかかわ らず、生産の縮 小、または職場の縮小 を実施 しなければな

らない とき。

5.企業がその活動 を終了す るとき。

使用者側 は、前記1、 2または3に基づいて 労働契約 を解除す る前に、企業の労働組合執行 委員会 と協議の上、合意 に達 しなければな らな い。合意に達 しない場合 には、労働機 関に対 し て報告 しなければな らない。使用者側 は、労働 機 関に対 して報告 した 目か ら30日後 に解除を決 定できる。 しか し、 この場合 において、労働組 合 と労働者 は、雇用側 の決定に同意 しない場合 には、労働紛争解決 の法的手続 きを行使できる ベトナムの労働法と人的資源管理 31

(6)

(第38条第2項)。

使用者側 は、前記2の場合‑紀律違反 による 免職‑ を除いて、労働契約 を解除す る場合には、

労働者 に対 して、期限に従 って事前に通知 しな ければな らない (第38条第3項)。

使用者側 は、以下の場合 において、労働契約 を一方的に解除 してはな らない (第39条)。

1.原則 として、労働者が疾病 を患い、労働 災 害 を被 り、または職業病 を患い、かつ医師 の指示 に従 って治療 を受 け、または療養 し ているとき。

2.労働者が雇用側の許可 した年休、私事理 由 による休暇、またはその他の休暇 を取得 し ているとき。

3.結婚、妊娠、 もしくは出産の休暇、または 1歳未満 の養育の理 由による休暇 を取得 し てい る女子労働者。

なお、ベ トナムの 日系企業の場合、労働者 の 紀律違反、 日常的に契約 に基づ く業務 を完成 し ない とき、窃盗、横領 、企業の技術 も しくは営 業秘密 の漏洩の行為、等の理 由がある場合は労 働契約満 了以前 に契約 を解除 し、解雇処分 に し

てい るよ うである。

一年以上継続 して雇用 された労働者 との労働 契約 を解除す る場合 は、使用者 は勤続年数1年 につ き0.5ケ月分 の退職 手 当を支払 わなけれ ば な らない (第42条)。

以上のよ うに、ベ トナム労働法では労働者 と 使用者 の間で労働契約 の締結が必要であるが、

現実にはベ トナム資本の民間企業 を中心 として 正式な労働契約 を締結 しないケースがまだ多い。

外資系企業 において も、労働法 に沿った適法 な 労働契約 を締結す ることが必要である。

7

節 労働協約

ベ トナムの労働法において、労働協約 につい ての規定がある。

労働協約は、労働者 の代表 と使用者 が労働 条 件、労働力の使用、労使 関係 にお ける労使双方 の権利や義務 に関 して文書によ り同意 した もの 32 国際経営論集 No.37 2009

である。労働協約 は、 自由意志、平等、公開の 原則 に基づいて労働者の代表 と使用者が交渉 し、

合意 され る。労働協約の内容 は、労働法や他 の 法の規定に反 してはな らない。国は、法律で規 定 した もの よ り良い条件 を労働者 に与 えるよ う な労働協約 を奨励す る。 (第44条)

労働協約 の協議 を行 うのは、労働者 の代表が 労働組合 も しくは臨時組合の執行部、使用者側 が企業支配人な どである。労働協約交渉の双方 の人数 は双方の同意 による。労働協約 の締結は 当該労働者 の50%以上がその内容 に同意 した場 合 のみ署名できる。 (第45条)

労働協約 の主要な内容 は、①雇用 と雇用の保 証、②労働時間 と休憩、③給与、ボーナス と手 当、④仕事の ノルマ、⑤仕事の安全 と衛生、⑥ 労働者 の社会保 障 を含む (第46条)。締結 され た労働協約 は、10日以内に国の管理機 関に送付 し登録す る (第47条)。 労働協約 は、その中に 法律の規定に反 してい るときは、その部分は無 効である (第48条)0

労働協約 の規定 を完全 に履行 しないか、それ に違反 している と判断す る場合、相手方が協約 を完全に守 るよ うに要求す る権利 を持つ。話 し 合いで解決できなかった場合 、法律 に定める手 続 きに従 って労働紛争 の解決 を請求す る権利 を 持つ。 (第49条)労働協約 は原則 として1年 か ら3年有効 とす るが、新規の労働協約 は1年以 下で もかまわない (第50条)。 労働協約 の延長 は可能である (第51条)。

ベ トナム労働法 において労働協約で重要なの が、労使 の同意 による労働協約 の締結 を要求 し てい ること、労働協約 は従業員の50%以上の同 意が必要であること、 さらに締結 した労働協約 は国の管理機 関に登録す る必要があること、 と い う点がある。ベ トナム 日系企業の現地経営に おいて、労働協約 は従業員の人的資源管理の基 本 となるものであるので、その内容 は慎重に検 討すべ きであろ う。 また、 日系企業は優秀な従 業員 を採用 し、定着化、育成 、活用す るために も、労働協約の内容 は、労働法で規定 している 水準 よ りかな り上位 であることが望ま しい。

(7)

8

節 就業規則 とその違反

ベ トナム労働法において、就業規則 に関す る 規定がある。就業規則 は、従業員の管理 に関す る社 内規定であ り、就業規定は労働法関連法に 違反 してはな らない。 10人以上の労働者 を雇用 す る企業は文書による就業規則 を作成 しなけれ ばな らない。就業規則 を公表す る前に、使用者 は社 内の労働組合役員 と協議 しなけれ ばな らな い。使用者 は、その就業規則 を地域の労働 主管 機 関に登録 しなければな らない。就業規則 は、

登録 した ときか ら効力 を持つ。 (第82条)就業 規則 には、①労働 時間 と休憩、②会社規則 、③ 職場の安全 ・衛生、④企業の財産 ・技術 ・経営 上の機密保護、⑤労働規律違反行為 と処分形式、

物的責任 である。就業規則 の内容 は、労働者 に 通知 した上で、企業の適 当な場所 に掲示 しなけ ればな らない。 (第83条)

以上の就業規定において重要なのは、10人以 上の労働者 を雇用す る企業は文書 による就業規 則 を作成 しなけれ ばな らない こと、就業規則 の 作成の段階で、労働組合役員 と協議す ること、

就業規則 を地域の労働主管機 関に登録 しなけれ ばな らない ことである。外資系企業は、 コンプ ライアンスの視点か ら、就業規則 の作成 を法律 に基づいて行な う必要がある。特 に注意す る点 は、就業規則 の作成の際、企業の労働組合執行 委員会か ら意見聴取が必要であることである。

就業規則 の違反 についての労働者 の処分 に関 しての規定がある。就業規則違反の処分 として、

①謹責、②6ケ月 を限度 とす る昇給停止 または 賃金の低い他業務‑の配置換 え、現職 の解任 、

③懲戒解雇 である。 (第84条)

最 も重い処分である懲戒解雇 については、 こ の処分 を適用できる場合 を列挙 してい る。

①窃盗、横領 、 もしくは技術上、経営上の機密 の漏洩、又は企業の財産や利益に重大な損害 を与える行為。

②昇給停止 も しくは賃金水準低い他業務‑の配 置換 え処分期間中、解任処分後の再度 の規律

違反。

③1ケ月に5日もしくは1年 に20日の正 当の理 由なき欠勤。

具体的な処分の手続 きについての規定がある。

規律違反処分 に関す る審議 は、使用者 、当該労 働者、お よび企業労働組合執行委員会の代表の 出席 によ り行 わなければな らない。審議 におい ては、使用者 は当該労働者 の過失の存在 を証明 しなけれ ばな らない。労働者 には弁明の機会が 与 え られ る。弁明は、労働者が 自ら行 うことも できるし、弁護士な どの依頼す ることもできる。

審議の過程は文書 に記録 しなければな らない。

(第87条) 処分 を不服 とす る労働者本人又 は 企業労働組合執行委員会は、使用者、所管機 関 に対 して申 し立てを行い、法の規定 (後述す る 労働争議 の解決 に関す る規定) によ り当該紛争 の解決 を要求す ることができる。 (第93条)

以上の よ うに、ベ トナム労働法では懲戒解雇 については、特 に適用できる場合 を列挙 してい ること、規律違反処分に関す る審議は、使用者、

当該労働者、お よび企業労働組合執行委員会の 代表の出席 によ り行わなければな らない こと、

さらに審議 においては使用者 は当該労働者 の過 失の存在 を証明 しなけれ ばな らない こと、な ど が定め られてい る。 この よ うに、懲戒解雇 に関 して厳 しい制約が存在す ることか ら、特 に 日系 企業が懲戒解雇 を行 う場合、安易に行 うのでは な く、労働法規の規定に従い懲戒の理 由を客観 的に証明できるよ うな手立てが必要であろ う。

第9節 賃金

ベ トナム労働法では、55条か ら67条 に賃金 に 関す る規定が詳細 に明記 されている。

労働者の賃金は国が決めた最低賃金以下であっ てはな らない (第55条) と、最低賃金規定が明 記 されている。

最低賃金は、生活 コス トをベース として、正 常な労働条件の下で単純労働 を行 う労働者 を対 象 として定め られ る。最低賃金は、単純労働者 以外の労働者 においてもその賃金のベース とす ベトナムの労働法と人的資源管理 33

(8)

べ きであるとしてい る。政府 の最低賃金 の決定 は 、 ベ トナ ム総 労働 連 合(Vietnam General Federation ofLabour)と使用者 の代表 との協議 の後 に一般最低賃金、地域最低賃金、産業別最 低賃金 として決定す る としてい る (第56条)。

また、政府 は、ベ トナム総労働連合 と使用者 の 代表 との協議 によ り、賃金等級 と賃金表 を公表 す るとしてい る(4)(第57条)。

ベ トナム 日系企業において、最低賃金はブルー カラー従業員の賃金決定、賃上げの基準 となっ てお り、現実には最低賃金 よ りかな り上位 の水 準になっているのが一般的である。

使用者 は、時給、 日給、週給、月給 あるいは 出来高払いの支払い方法のいずれかを選択でき るが、その支払い方法については労働者 に通知 しなけれ ばな らない。賃金 は、直接労働者 にそ の全額 を、一定の期 日に支払 う (第58条)。 何 らかの事 由によ り賃金の支払いが遅れ る場合 、 1ケ月 を超 えてはな らない。 この場合は、使用 者は、遅配分の利息 も払 う必要がある (第59条)0

著者の調査によると(5)ベ トナム 日系企業では、

実際の賃金支払い形態は、月給 とい う型が一般 的である。

労働者 は、賃金の控除の事 由を知 る権利 を有 す る。使用者は、労働者の賃金控除を行 う前に、

これ に関 して労働組合執行委員会 と話 し合わな ければな らない。控除は月給の30%を超 えては な らない。使用者 は、制裁 として労働者 の賃金 を差 し引 くことを禁止す る。 (第60条)0

時間外労働賃金 は、①通常 日の時間外労働 賃 金 は、通常労働 日の時間給 の少 な くとも150%

相 当、②週給 日の時間外労働賃金 は、通常労働 日の時間給の少 な くとも200%相 当、③祭 日又 は有給休暇の時間外労働賃金は、通常労働 日の 時間給 の少 な くとも300%相 当、 と規定 してい る。深夜時間外労働 は、昼間労働賃金の時間外 労働手当に加 えて、少 な くとも30%増 しの付加 給 とされ てい る (第61条)。祭 日又 は有給休 暇 での300%の割増賃金 の規定は、2002年 の労働 法の改正で導入 された。

ベ トナム 日系企業では、この法定時間外賃金 34 国際経営論集 No.37 2009

の割 り増 し率で、時間外手 当、休 日手当 として 支払われてい る型で一般的である。

休業 中の賃金支払いは、(丑休業が使用者 の責 による場合 は、賃金の全額支払い、②休業が労 働者の責に よる場合、賃金は支払われない、③ 休業が停電、断水、その他不可抗力による場合、

当事者双方の合意 によ り賃金 を支払 うが、最低 賃金 を下回ってはな らない (第62条)。

手 当 ・賞与 ・昇給制度お よびその他報償制度 は、労働契約 、労働協約 、または事業体の定款 で定 める (第63条)。企業の年度末の生産 ・経 営成果お よび労働者 の業務達成度の基づ き、使 用者 は賞与 を支給 し、賞与の規定は労働組合執 行部の意見を求めた上で使用者 が決定す る (第 64条)。ベ トナ ム労働法 では、賞与 に関す るこ のよ うな規定が明文化 されてい る。

派遣社員 を使用す る場合、事業主である使用 者は これ ら派遣社員の氏名 ・リス トを所持 しな ければな らない。派遣会社が、労働者 に賃金の 全額支払いを怠 った場合、あるいはその他 の労 働者 の権利 を保障 しない場合、事業主である使 用者 は、労働者 に対す る賃金支払い とその他権 利 を保証す る責任 を有す る。 この場合、事業主 は派遣会社 に補償 を要求す る権利、または所轄 国家機 関に法律 に定める争議解決 を要求す る権 利 を有す る (第65条)。

企業の吸収、合併、分割 、所有権 ・経営権ま たは企業の財産使用権 の移転があった場合、当 該企業を継承す る事業者 は、労働者の賃金支払 いな らびにその他 の権利 を保障す る責任 を有す る。企業破産 した場合、締結済みの労働協約 に 基づ く労働者の賃金、退職手当、社会保険お よ びその他 の権利 は、事業体の債務清算の最優先 事項である (第66条)0

労働者 またはその家族が困難 な状況に遭遇 し た場合、労働者 は、当事者双方の合意す る条件 で賃金の前払いを請求できる。労働者が公民 と

しての義務 を履行す るた めに労働 を一時停止 (休暇)しなけれ ばな らない ときは、賃金の前払 いを しなけれ ばな らない (第67条)0

(9)

第10節 労働時間 と休 日

ベ トナムの法定労働時間は、労働法によると、

原則 として1日8時間、週48時間以内 とされて いる。重労働 、有害な労働 、危険な労働お よび その他 の労働 ・傷病兵 ・社会問題省 が発行 して いる リス トに記載 されてい る作業 については、

1日の労働 時 間が1、 2時間短縮 され てい る (第68条)。ただ し、公務員、国営企業の従業員 については、1999年の9月30日に出 された第18 8号決定1条 に よ り週40時間労働制 が施行 され た。 この決定によ り行政機 関、国営企業な どで 働 く公務員や労働者 は、 1週間の労働時間が40 時間に短縮 された。 この決定は、公務員や国有 会社で働 く幹部や従業員 に対 して適用 し、それ 以外の所で働 く者、例 えば外資系企業の労働者 な どにも適用す るよ うに奨励 した。そのため、

低賃金のためベ トナムに進 出 した外資系企業か ら反発 を招いた。

著者 のベ トナム 日系企業調査(6)による と、週 の所定内労働 時間は、48時間 とす る企業が最 も 多 く、次は44時間 とす る企業が多かった。また、

ベ トナム 日系企業において、完全週休

2

日制 を 採用 している企業はほ とん どな く、多 くの企業 は週休1日制ない し隔週週休2日制であった。

時間外労働 については、企業 と労働者の合意 に よるが、 1日4時間を超 えず、 1年 で200時 間を超 えない もの とす ると規定 されている。 た だ し、ベ トナム労働総連盟 と使用者側代表者 の 意見を参照 して政府が規定す る一部の特別 な場 合 のみ年 間300時間を超 えず に時間外労働 がで きる。 (第69条)。

休憩時間 としては、 8時間労働 の場合、少 な くとも勤務時間 と見なす30分間の休憩 を与 えな ければな らず、 この休憩時間は労働時間に含 め る。深夜勤務 の休憩時間については、少 な くて も45分間与えなければな らず、 この休憩時間は 労働時間に含 める。交替制で働 く労働者 は次の 勤務 まで少な くも12時間の休憩 を取 る権利 があ る。 (第71条)

休 日に関 しては、以下の規定がある。労働者

は、毎週少 な くも一 日(連続24時間)の休み を取 る権利 がある。使用者 は休み を 日曜 日あるいは 他 の 目に決 めることができる。仕事の性質上、

週 に一度の休みが取れない場合、使用者 は労働 者 が月

に4

度休 みが取れ るよ うな計画 を作 る必 要がある。 (第72条)

有給休 日に関 しては、以下の規定がある。 12 か月以上雇用 された労働者 は、通常の作業労働 者 は12日の年次有給休暇、重労働 な どの労働者 と18才未満 の労働者 は14日の年次有給休暇、非 常な重労働や危険な作業 を行 うな ど労働者 は16

日の年次有給休暇 を取 る権利がある。 (第74条) 年次有給休暇の 目数 は雇用期 間が

5

年 につ き

1

日増 える。(第75条)、年次有給休暇を取 らなかっ た場合、通常賃金で払い戻 しを受 けることがで きる (第77条)0

なお、 日本の労働基準法では、 6ケ月以上勤 務 し8割以上出勤 した労働者 は、年 に10日以上 の年次有給休暇 を与 えなけれ ばな らない と規定 してい る。 さらに勤務件数が1.5‑2.5年未満 の 場合 11日、2.5‑3.5年未満の場合12日、3.5‑4.5 年未満 の場合14日、4.5‑5.5年未満の場合16日、

5.5‑6.5年未満 の場合18日、6.5年以上の場合20 日、少 な くても年次有給休暇 を与えな くてはな らない。 (日本労働 基準法第39条)未消化 の年 次休暇については、 1年 に限 り繰 り越 し (2年 の消滅時効のため)が認 め られている (日本労 働基準法第115条)0

1

1節 社会保険に関する法的制度

労働法の社会保険(140条か ら152条)に関す る 条項 によると、以下の よ うに規定 してい る。国 は労働者 が疾病 ・妊娠 ・定年 ・労働災害 ・職業 病 ・失業 ・事故な どの物質的保証 ・看護 ・健康 の回復 ・その家族の生活安定な どの拡大 ・向上 のために、社会保険政策 を制定す る。社会保険 には強制 、 または任 意 の保 険が適用 され る。

(第140条)強制社会保険は、 3ケ月以上期間を 確定 した労働契約 または期限の定めのない労働 契約 に基づいて労働者 を雇用す る企業 ・機 関 ・

ベトナムの労働法と人的資源管理 35

(10)

組織 に適用 され る。使用者 と労働者 は、定 め ら れ た社会保 険料 を納 めなけれ ばな らない。社 会 保 険が支払 われ るのは、疾病 、労働 災害、職 業 病 、妊娠 、定年退職お よび死亡の場合 である。

(第

1 41

条)。

女性 労働者 では満

5 5

才に達 し杜会保 険料 を

2 5

年 間納入 した場合 、男性労働者 では満60才に達

し社会保険料 を30年 間納入 した場合 、政府 の規 定に よる定年退職年金 の最高額 で毎月給付 を受 けるこ とがで きる。 (第

1 4 5

条)

社会保 険基金 の財源 は、①使 用者拠 出(労働 者 月額賃金 の

1 5 %)

、② 労働者拠 出(月額賃金 の 5%)、③政府拠 出、 そ の他 で あ る。 社会保 険 基金 は、国の財政制度 と独 立採算制度 に従 い、

統一的 に運営 され る。

第12節 労働組合 と労使関係

(1)ベ トナムの労働組合 の歴史

ベ トナムの労働組合 の歴 史 と概況 についてみ てみ よ う(7)

ベ トナムに労働組合 が結成 され たのは第2次 世界大戦後 の ことである。北ベ トナ ムにおい て 共産勢力 の強い影響 下で労働者 の全 国組織 とし てベ トナ ム労組 連盟

( VCTU)

が設 立 され た。 一 方 、南ベ トナムでは

1 9 4 9

年 にベ トナム労働連盟

( CTV)

が結成 され た。 両組織 はベ トナ ム戦争 が 終結す る

1 9 7 5

年 までそれぞれ南、北ベ トナムの 唯一の労組ナ シ ョナルセ ンター として活動 を続 けたが、戦争 終結 とともに

VCTU

cTV

傘 下 の 労組 を吸収 し、事実上

、cTV

は消滅 した。

VCTU

1 9 8 8

年 、名称 をベ トナ ム労働総 同盟

( Vi e t n a mGe n e r a lCo n f e d e r a t i o no fLa b o u r : VGC

L)

と改め、公共サー ビス部 門、国営企業、民間企 業 の多 くの労働者 を傘 下に擁 し、社会主義政権 下で労働法 に よって特別 な地位 を与 え られ てい る

。VGCL

の特別 な地位 とは、労働 問題 に関す る国家管理 を法 に従 って監督 、監視す る権 限の こ とであ る

。VGCL

は 中央本部 の下 に省 、県 、 市町村単位 に地方組織 として労働総 同盟 を組織 してお り、中央では党本部 、労働 ・傷病兵 ・社 36 国際経営論集 No.37 2009

会 問題省 の支援 を受 けなが ら、また地方 におい て は省 、 県 、 市 町村 の各 レベル で人 民委員 会 (党組織)、地方 労働 事務 所(行 政機 関)の支援 を 得 て、労働 問題 の国家的管理 に責任 を負 う機 関 ともな ってい る。 さ らに

VGCL

は政府 の労働政 策立案 に関与す るのみ な らず 、労働 ・傷病兵 ・ 社会 問題省 、保健省 と並んで労働政策 に関す る 命令 、通達 、規則 を独 自に発令 してい る。す な わち

、VGCL

は労働 者 の 中央組織 であ る ととも に、行政機 関 としての機能 も有 してい る。 なお、

VGCL

は法的 に唯一 の 中央労働組織 であ るが、

実際 には南部 に小規模 の労働組織 がい くつかあ り

、VGCL

傘 下に入 った組織 もあ るが独 立 して い る組織 もなお存在す る。

(2)労働組合 と労使 関係 の法

労働組合 は国家や社会組織や経済団体 ととも に、労働者 の権利 と利害 を保護 し、労働 法の規 定が守 られ てい るか確認す る。 (第

1 2

条)

労働組合 は、新設事業体の場合 、操業後6ケ 月以 内に結成 され なけれ ばな らない。企業での 労働組合設 立お よび活動 を妨害す る行為 を厳重 に禁止 してい る。 (第

1 5 3

条)使用者 は、労働者 が組合活動 を した ことを理 由に不 当に扱 っては な らず、組合活動 を妨 げてはな らない。(第

1 5 4

条)

以上の よ うに、ベ トナム労働法 では、企業内 に労働組合 の設立 を義務づ けてい ることか ら、

日系企業 において も、ほ とん どの企業 に労働組 合 が存在 してい る型 になってい る。

ベ トナ ム労働 総 同盟

( VG

CL) と各 レベル の 労働組合 (単位 労働組合 :企業 な どの職場単位 で組織 され る労働組合 の末端組織) は、政府や 雇用者代表 と協議 を して、労使 関係 の問題 を解 決す る。 (第

1 5 6

条)ベ トナ ム労働法では、ベ ト ナム労働総 同盟 が労働組合 を代表す る組織 とし て認 め られてい る。

ベ トナ ム労働 法の

1 5 7

条か ら

1 7 9

条 に労働争議 の解決 に関す る条項 がある。

労働争議 とは、雇用 、賃金 、収入 、その他労 働条件 に関す る権利 お よび利益、労働契約お よ び労働協約 の履行 な らびに実習訓練期 間中に発

(11)

生す る問題 に関す る紛争である。労働争議 には、

①労働者 と使用者 間の個人的争議 、お よび② 労 働組合 と使用者 間の団体争議 、がある。 (第157 条)

労働争議の解決は、① 当事者 間の交渉 と協議 、

② 当事者双方 の権利 と利益の尊重、社会 の共通 利益 の尊重お よび法 に基づ く調停お よび仲裁 、

③公開的、客観 的、迅速な、法 に準拠 した解決、

④争議解決 に労使双方の参加 を得 ること、を原 則 に して行 われ る。 (第158条)

個別 労働争議解決 の権 眼 を有す る機 関は、① 企 業 単位 労働 調停 協議会 、 また は(企 業 単位 労 働 調停 協議会 が ない場合)県級 の労働機 関の労 働調停委員、②人民裁判所 、である。 (第162条)

団体労働争議解決の権 限を有す る機 関は、① 企業単位 労働調停協議会 、または県級 の労働 局 労働調停委員 、②省級労働 仲裁協議会 、③人民 裁判所 、である。 (第168条)

労働組合 は労働 仲裁協議会の裁決 に同意 しな い場合 、争議解決 を人民裁判所 に要請す るかま たはス トライ キを行 うことができる。 (第172条)

ス トライ キは、労働者 の投票や署名 (組合員 の過半数以上の賛成 が必要)の後 、企業単位 労 働組合執行委員会 によ り決定 され る。 (第173条) ただ し、ス トライ キが、国民経済または公共安 全 を著 しく危 うくす るおそれがある と判定 され る場合 は、首相 はス トライ キの延期 も しくは中 止 を命 じることがで きる。公共セ クター、国民 経済 も しくは国家 の安全保 障 ・防衛 に不可欠 な 事業体 については、ス トライ キを禁止 され る。

(第174条)

違法ス トとされ るのは以下の場合 であ る。

(a)団体 労働 争議 か ら発 生 した もので ない場 合 、または労使 関係 の範 囲 を超 える場合。

(b)事 業体 の範 囲 を超 え る場合 、労働 調停 協 議会 または労働仲裁協議会 が労働争議解決 を 図 ってい る間に実行 され た場合。

(C)労働組 合 の労働 者 の賛成 を得 てい ない場 合 、ス トライ キが合法か ど うかの判断決定権 限は、人民裁判所 に属す る。 (第176条) 労働争議 の解決 に関 して、人民裁判所 が決定

権 を有す る としてい る。 (第177条)

以上の よ うに、ベ トナムでは、労働紛争処理 の制度 が定め られ てお り、ス トライ キに関 して も、組合員 の過 半数以上の賛成 の後 、企業単位 労働組合執行委員会 に よ り決定 され るとい う手 続 きや違法 ス トライ キについて も決 め られ てい る。 しか し、現実 には、近年 国内資本企業のみ な らず外資系企業 において も、 山猫 ス トと呼ぶ べ き違法ス トライ キが頻発 してい る(8)。 ス トラ イ キが山猫 ス トとな る主要な原 因 としては、単 位 労働組合 が組織化 され ていない職場単位 がま だ多い こと、基礎 労働組合 ない し上級組合 がス トライ キ に対 して消極 的 なケー スが あ る こ と (労働組合役員 の調整 能力 の欠 如 を 自 ら認 め る こ とに繋 が るた め)、法 定 のス ト権行使 手続 き が煩雑 であ ること、労働者や企業単位 労働組合 役員 の法律知識 が不十分であること、な どが挙 げ られ る。外資系企業でのス トライ キに関 して は、外資系企業で起 こったス トライ キの内、台 湾資本企業 と韓 国資本企業で約6割 を占めてお り、台湾 と韓 国企業 にス トライ キが特 に多い。

結‑ベ トナム労働法 と日本労働法 ・中国労 働法 との比較

ベ トナ ムの労働法 は、同 じ社会主義国である 中国の労働法 と共通す る ところが多い。 た とえ ば、労働組合 の影響力が大 きい、労働者 の権利 をかな り重視 してい る、労働 契約 の更新 につい ての規定、な どの点である。ベ トナ ム労働 法の 特徴 について、主 に 日本 の労働法 と比較 しなが ら、場合 によっては中国の労働法 と比較 しなが ら考察す る。

第1に、ベ トナム労働法 においては、労働期 限付 き労働 契約 更新 についての制約 、す なわち 使 用者 は労働者 と

2

回のみ期 限付 き労働契約 を 締結 で きるが3回 目の労働契約 は 自動的に無期 限労働契約 になる規定が存在 している点である。

中国労働契約法で も同様 な規定がある。

これ に対 して、 日本 の労働 関連法規では、ベ トナム労働法や 中国労働契約法の よ うな労働期 ベトナムの労働法と人的資源管理 37

(12)

限付 き労働契約更新 についての制約 は存在 しな い(9)。ベ トナム と中国の労働法では、契約従業 員が2回労働契約 を締結 した場合、期限の定 め のない従業員 (別の言葉では終身雇用 になる) にす る とい う、不安定な契約労働者 の正社員化 によ り、労働者 を保護す ることを 目的 とした法 制度であろ う。

第2は、ベ トナム労働法では、労働者の就職 ・ 採用の 自由が明確 に規定 されていることである。

労働者 は、法律 に違反 しない限 り、いかなる地 域 にもいかなる雇用者 においてで も雇用 され る 権利 を持つ、使用者は直接労働者 を募集 した り、

職 業紹介機 関 を通 して雇 用す るこ とがで き る (労働法16条) と規定 してい る。

中国では、農村戸籍 と都市戸籍 といった制度 があるため、実質的に都市部での就労に対 して 制限を加 えてい る。 これ に対 して、ベ トナムで は戸籍 による区別 がないため、 どの地域 で も仕 事す ることは可能である。ベ トナムでは、労働 法第16条の規定で、いかなる地域 において も仕 事 をす る権利 を持つ と、明確 に規定 した。

第3は、ベ トナム労働法では、労働者の解雇 に関 して明確 に規定 されてい ることである。従 業員の解雇 に関 しては、以下の よ うな規定があ る。解雇 に関 しては、労働法第

1 7

条で、合理的 理 由がある場合、会社 は解雇 を行 うことができ るが、その手続 きを厳格 に規定 している。会社 の リス トラや技術革新な どによ り、 1年以上勤 務 してい る解雇候補者 の労働者 については、再 訓練 を施 し、社 内に配置転換 した りして、で き るだけ解雇 を しない よ うす る とい う努力義務 が ある。解雇手当 として、解雇す る労働者 に勤務 年数1年 につ き1か月分 (最低2か月分)支払 う必要がある。 また企業は解雇手 当を支払 うた めに解雇資金の積み立てをす る必要がある。 さ らに、大量の解雇者 を出す場合、使用者 は仕事 の必要性、勤務年数、能力、家族状況、その他 の要因に基づ き、解雇者 リス トを作 り、企業内 の労働組合の執行委員会 と協議 し、同意 し、地 方の労働機 関に通知 しなけれ ばな らない。 ここ で、重要なのは、解雇 に関 して労働組合 と協議

3 8

国際経 営論集

No . 3 7 2 0 0 9

し、労働組合が同意す る義務があるとい う点で ある。

これ に対 して、 日本 の解雇 に関す る労働 関連 法では、労働契約法16条 によると 「解雇 は、客 観 的に合理的な理 由を欠 き,社会通念上相 当で あると認 め られ ない場合は、その権利 を乱用 し た もの として、無効 とす る」 と規定 されてい る が、 日本 の労働法関連法規では解雇 に関 しては この条文が代表的なものである。 また、判例 と して、 日本では解雇権乱用法理がある。 この解 雇権乱用法理 とは、判例 によると、客観的に合 理的理 由があ り、社会通念上相 当であると認 め られ る場合に解雇 を認 めるとい う考 え方である。

さらに、 日本の判例では、整理解雇の場合、人 員整理の必要性、解雇回避努力、人選の合理性、

手続 きの妥 当性 とい う、整理解雇 の4要件が設 定 されている。 しか し、 日本の労働関連法では、

解雇 に関す る厳密 な要件や手続 き、補償 な どの 規定がない。その意味で、 日本はやや解雇 につ いてあいまいな部分が多い といえるか もしれな い。

第4は、ベ トナムの労働法では、時間外労働 賃金の割増率がかな り高 く設定 されていること である。ベ トナムでの時間外労働賃金 は、①通 常 日の時間外労働賃金 は、通常労働 日の時間給 の少 な くとも

1 5 0%

相 当、②週給 目の時間外労 働賃金は、通常労働 日の時間給の少な くとも

2 0 0

%相 当、③祭 日又 は有給休暇の時間外労働賃金 は、通常労働 日の時間給の少 な くとも

3 0 0%

相 当、 と規定 している。深夜時間外労働 は、昼間 労働賃金 の時間外労働手 当に加 えて、少な くと も

3 0 %

増 しの付加給 とされている (労働法第

61

条)0

日本 の労働 関連法規では、時間外労働賃金の 割増率は、通常の労働 時間又 は労働 日の賃金の

2 5%

以上

5 0%

以下の範囲で政令 において定める (労働基準法第

3 7

条) としてい る。現在 、 日本 での割増率は、時間外労働 については

2 5 %

、休 日労働 については

3 5 %

(割増賃金令)である。

日本の法定での時間外労働賃金割増率は、ベ ト ナムのみな らず 国際的に見て も極 めて低いもの

(13)

になってい る。 日本 の時間外労働 での低割増率 は、 日本の労働者 の残業時間を多 くし、 さらに 他 の労働者‑仕事 を代替す るイ ンセ ンテ ィブを 低 める とい う効果 を持つ。現在 の 日本 の労働状 況 を見 る と、国際的水準‑割増率 を高 める とい

う方 向での早急 の改革 が必要であろ う。

第5は、ベ トナムの法定労働 時間は、原則 と して1日8時 間 、週48時 間以 内 と され てい る (労働 法第68条) こ とで る。 ただ し、公務員 、 国営企業の従業員 については、週40時間労働制 が施行 されてい る。ベ トナ ムの 日系企業では、

まだ週48時間労働制 を実行 してい る企業が多い。

他 のアジア諸 国の労働 時間についてベ トナム と比較 してみ よ う。 アジア諸 国の中で、法定労 働 時間が最 も少 ない国は、 日本 を除 くと中国で ある。 中国は、原則 として1週 間の法定労働 時 間は40時間である。 中国で、週40時間労働制が 採用 され てい る理 由 としては、労働 時間短縮 に よるワー クシェア リングの意味合 い もあろ う。

他 のアジア諸 国では、ほ とん どの国が依然 とし て法定労働 時間は48時間 とい う国が圧倒 的であ る。 ただ し、 これ らの国の 日系企業や外資系企 業の場合 、週48時間以下 を所定内労働 時間 とし てい る企業 もかな り存在す る。

第6は、ベ トナ ムでは、社会主義 国である と い うことか ら労働組合や労使 関係 に特有 な点が ある とい うことである。ベ トナムでは、企業 に 労働組合 の設置義務 があ る。 労働組合 は、新設 事業体 の場合 、操業後6ケ月以 内に結成 され な けれ ばな らない (労働 法153条) と規 定 してい る。 中国で も同様 な労働組合設置 に関す る規定 が存在す るが、ベ トナムでは現実に外資系企業、

国営企業、民間企業 でかな りの割合 で労働組合 が存在 してい る。特 に 日系企業では、ほ とん ど の企業 に労働組合 が存在 してい る。

さらに、ベ トナムではス トライキに関す る規 定が明確 に定 め られ てい る。 労働組合 は労働仲 裁協議会の裁決 に同意 しない場合、争議解決 を 人民裁判所 に要請す るかまたはス トライ キを行 うことができる。 (労働 法第172条) ス トライ キは、組合員 の過 半数以上の投票や署名 での賛

成 の後 、企業内の単位 労働組合執行委員会 によ り決 定 され る。 (労働法第173条) この よ うな手 続 きを経 ないス トライ キは、違法ス トとなる。

以上の よ うに、ベ トナム労働法の規定は、諸 外 国に比較 して もかな り進 んだ労働者 の保護規 定 を設 けてい ること、また労働組合 の影響力 が 大 きい とい う特徴 がある。

(1)ベ トナ ム労働 法 については、 CAT VAN THANH(2006),LE TU GIANG(2008),PHAN DAO NGUYEN(2005),NGUYEN DINH THIEM(2005)に 英語の翻訳が、小林貞一朗 (1994)に 日本語の翻 訳ある。

(2)LE TU GIANG(2008)、pp.546

(3)LE TU GIANG(2008)、pp.545

( 4)

外国企業、輸出加工区 ・工業区、外国機 関 等で働 く労働者の最低賃金は、政府が別に定めて いる。

(5)丹野 ・原 田 (2005)75‑76ページ。

(6)丹野 ・原 田 (2005)93‑96ページ。

(7)ベ トナムの労働組合の歴史については、堀 田芳郎編著 (2002)を参考にした。

(8)斉藤 善久 (2007)26‑27ページ。

(9)日本の労働関係法で、派遣労働者に関 して は、労働契約に関す る以下の規制がある。派遣可 能期間に制限のない業務については、派遣先が3 年 をこえる期間継続 して同一業務に同一の派遣労 働者 を受け入れ る場合において、当該同一業務に 労働者 を雇い入れ よ うとす るときは、当該派遣労 働者 に対 して雇用契約の申し込みをしなければな

らない (労働者派遣法40条の5)。

参考文献

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40 国際経営論集 No.37 2009

参照

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