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金融政策と株式収益率 : インパルス反応による分 析

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著者 北坂 真一

雑誌名 經濟學論叢

巻 61

号 1

ページ 61‑82

発行年 2009‑07‑20

権利 同志社大學經濟學會

URL http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000012475

(2)

【論 説】

金融政策と株式収益率

―インパルス反応による分析―

北 坂 真 一  

1 は じ め に

 近年,わが国を含めて世界経済において,株式市場を中心とする資産市場 の重要性が飛躍的に高まっている.1980年代以降,株価の急騰と下落に象徴 されるバブル経済の生成と崩壊が,わが国経済に大きな影響を及ぼしたこと も記憶に新しい.このような経済状況を受けて,株価や地価といった資産価 格がマクロ経済にどのような影響を及ぼすのか,という研究も盛んに行われ るようになった.

 しかし他方で,マクロ経済を安定化させる目的の金融政策が,株式などの 資産市場にどのような影響を与えるのか,という研究については,依然とし て十分な蓄積があるとは言えない.資産市場の影響力がこれほどまでに大き くなった経済では,金融政策と資産市場の関係を理解することは政策の波及 メカニズムを理解する上で,もっとも重要な課題の1つと言える.

 一般に株式市場では,金利の低下は株価の上昇要因とされる.したがっ て,金融政策の緩和,あるいは金利の引下げは,株価の上昇,あるいは株式 収益率の上昇,をもたらすと考えられる.しかし,金利の引下げによる将来 のインフレの可能性など,多様な要因を考慮すると確定的なことは言えない.

* 本稿は,平成19年度私立大学等経常費補助金特別補助高度化推進特別経費大学院重点特別経 費(研究科分)の助成を受けた研究成果の一部である.

(3)

貨幣と株式収益率の関係について,理論的にはmoney in the utility function model(MIU;例えば(LeRoy, 1984)やcash-in-advance model(CIA;例えば(Lucas, 1982),あるいはtransaction cost model(例えば(Marshall, 1992)などのモデル をベースに検討できるが,現実的な金融政策を考えると,必ずしも明確な関 係が得られるわけではない.

 これに関連して,Pearce and Roley (1983)をはじめ1980年代前半までの実証 分析では,マネー(貨幣量)と株価,あるいは株式収益率,の関係が主に分析 された.しかし,Sims (1980)の研究をきっかけにはたしてそのマネーが一体 何を表しているのか,はたしてそれを金融政策の指標と解釈できるのか,と いう疑問が示されるようになった.すなわち,金融政策の識別問題である.

 もう1つの問題は,金融政策について予想された変化と予想されない変化 を区別することの重要性である.政策当局による金融政策の変更が特定の変 数によって観察されたとしても,経済への影響は予想された変化と予想され ない変化で大きく異なることが指摘されている.例えば,Barro (1978)は予想 されないマネーの変化が,失業や生産に影響することを分析して注目された.

金融政策についても,Bernanke and Kuttner (2005)は予想された金融政策と予 想されない金融政策を区別することの重要性を指摘している.

 こうした金融政策の識別問題と予想の問題に対して,近年の実証分析では,

適切な変数の選択とモデルの設定,データの期種の選択,などによって対応 している.実証分析に用いる政策変数としては,マネーサプライのような量 的指標ではなく,金融政策における操作目標変数である短期金利,すなわち 米国ではフェデラルファンド・レートを使うことが多い.また,予想の問題 に対処するために,先物レートを使うことも行われている.

 計量経済分析のアプローチは,一般に構造型アプローチと誘導型アプロー チに分類できる.この分野における前者の例としては,マルチファクター・

モデルのような資産価格モデルがある(Craine and Vance, 2004ほか).後者の 例としては,日次データや時間単位のデータを使うイベント・スタディー

(4)

(Bernanke and Kuttner, 2005, Gurkaynak, Sack and Swanson, 2005ほか)や,長期の時 系列データを使うVARモデル(Thorbecke, 1997ほか),あるいは近年新たに開 発された不均一分散アプローチ(Rigobon and Sack, 2004ほか)などがある1).  わが国におけるこの分野の先行研究としては,Honda and Kuroki (2006)があ る.彼らは1989年7月から2001年3月の期間を対象に,イベント・スタディー の手法により日銀の目標金利水準の変更が日経平均株価(日経225)や東証株 価指数(TOPIX)に与える影響を分析している.それによると,1%の目標金 利の引下げが3%の株価の上昇をもたらす,という結果が報告されている.

 本稿では,金融政策の操作目標変数を含むVARモデルを推定し,そこから インパルス反応を計算することで,金融政策と株式収益率の関係を考察する.

この方法のメリットとしては,次の3点をあげることができる.第1に,長 期の時系列データを利用することで,イベント・スタディーのように特定の イベントに作用する特殊な要因の可能性を排除できることである.第2に,

VARモデルは多くの情報量を使い,特定の理論モデルに依存せず,比較的安 定した結果を得られることが知られている.特に本稿では,VARモデルの適 切な変数の選択によって金融政策の予想された変化と予想されない変化を識 別し,予想されない金融政策固有のショックが株式収益率に与える影響を分 析する.第3に,VARモデルについて1980年代から90年代にかけて多くの 研究が行われ,ラグ次数の選択や定常性の判定など計量経済分析の手法とし て多くの研究の蓄積があること,を挙げることができる.

 本稿のねらいは,VARモデルの手法を用いて,わが国の金融政策と株式収 益率の関係を分析することであるが,特に次の3点に注目する.第1は,バ ブルの前後で,金融政策と株式収益率の関係に変化が見られるかどうかであ る.金融政策について,バブル崩壊の前後でその有効性が大きく変化したと いう指摘が,例えば宮尾(2006)をはじめ,いくつかの研究で行われている.

具体的には,バブル形成の過程で日銀の低金利政策は一定の影響力を持った

1) この分野の選択的な先行研究の考察として,北坂(2007)を参照.

(5)

が,バブル崩壊の過程では金融政策の有効性が大きく低下した,という指摘 である.本稿で,金融政策と株式収益率の関係が,バブルの前後で異なるか どうかを検証することで,先の考察に関連する情報を得ることが出来る.

 第2は,近年のわが国の金融政策に関する注目すべき事項として,2001年 3月から2006年3月まで実施された量的緩和政策を挙げることができる.従 来の金融政策では,コールレートを操作目標変数とし,それを一定水準にコ ントロールするように日々の金融調節が行われた.しかし,バブル崩壊後の 景気の低迷や不良債権問題による金融不安などで長期にわたる金融緩和が実 施され,コールレートがゼロに達し,さらにそれ以上の金融緩和が求められ るようになった.そこで実施されたのが,日銀当座預金残高を一定水準にコ ントロールする量的緩和政策である.この政策の有効性については,Oda and Ueda (2005)やKimura and Small (2006)などが包括的に検討し,展望論文として 鵜飼(2006)や北坂・小塚 (2008)がある.量的緩和政策の実施に当たっては,ポー トフォリオ・リバランス効果に期待する声が強く,量的緩和政策と株式収益 率の関係を考察することはこの点からも重要である.

 第3は,本稿では集計された株式収益率とともに,28業種に分類された産 業別の株式収益率への影響についても考察する.日経平均やTOPIXのような 集計された株価や株式収益率だけではなく,業種別の分析もあわせて行うこ とで,金融政策が全業種の株式収益率に一様に影響するのか,あるいは金融 政策の影響が業種ごとに異なるのかなど,より詳細に金融政策の波及経路に 関する情報を得ることが出来る.

 本稿の構成は次のとおりである.まず第2節で,VARモデルの推定と利用 するデータについて検討する.第3節では,推定されたVARモデルから計算 されるインパルス反応について考察する.最後に第4節で,本稿のまとめと 今後の課題について述べる.

(6)

2 データとモデル

 VARモデルについては,その推定にあたり3つの問題に対処しなければな らない.第1は変数の選択であり,第2はモデルの定常性の確保,すなわち 単位根や共和分への対応であり,第3はラグ次数の決定である.

 まず変数の選択について,本研究の目的から金融政策の操作目標変数であ るコールレート,あるいは量的緩和期は当座預金残高と,被説明変数である 株式収益率が必須の変数になる.次に重要な変数は貨幣需要を表す変数であ り,マネタリー・ベースが家計や企業の貨幣需要を表すものとして適切であ ろう.本稿では,これら3つの変数を含むモデルを基本とする.これらの変 数に加えて,金融政策や株式収益率に影響するマクロ変数として,インフレ 率と生産を考えることが出来る.したがって,本稿で扱う最も包括的なモデ ルは,コールレート(または当座預金残高),株式収益率,マネタリー・ベース,

インフレ率,生産,の5変数で構成される.

 変数の出所と加工は,次のとおりである.コールレートは無担保翌日物レー ト(月中平均,%単位)を用いる.ただし,このデータは1985年7月以降しか 利用できない.そこで,それ以前の期間も利用できる有担保翌日物レート(月 中平均,%単位)に,両者のオーバーラップする期間から計算した平均的リスク・

プレミアムを加えて無担保翌日物レートに接続した.日銀当座預金残高(平均 残高)は伸び率(%単位)であり,マネタリー・ベースも準備率調整後の季節 調整値で平均残高の伸び率(%単位)である.以上3つのデータは,いずれも 日本銀行のホームページから取得した.

 株式収益率は,財団法人日本証券経済研究所の編集・発行する『株式投資 収益率2004年(CD-ROM版)』から取られており,対象は東京証券取引所の 第1部上場全銘柄である.株式収益率の基本的な計算方法は,前月末に買い,

当月末に売った場合の投資収益率(月率の%単位)であり,現金配当および株 配や株主割当増資による収益も含んでいる.集計は全銘柄の月間収益率の加

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重平均値であり,ウエイトは前月末の株式時価総額を用いている.

 インフレ率は,総務省統計局のホームページからダウンロードした消費者 物価指数の伸び率(%単位)で,持家の帰属家賃を除く総合(平成17年基準)

である.生産は経済産業省のホームページからダウンロードした鉱工業生産 指数の伸び率(%単位)で,季節調整済みの付加価値生産額ベース(平成12年 基準)である.

 なお,以上のデータセットは,株式投資収益率が1978年以降利用可能で あることから,1978年1月から2004年12月までの月次データでサンプル数 324である.

 ここで計量モデルの議論に入る前に,政策変数の動きを通じた金融政策の 概観と株価の動きをみておく.まず,第 1 図には金融政策の操作目標変数 であるコールレートと日経平均株価の動きが描かれている.コールレートは 1979年の第2次石油危機に対する金融引締めで12%前後まで急騰した後,80 年代に入って低下した.さらに86年以降は大きく低下し87年から88年は3%

第 1 図 コールレートと株価 出所: 日本銀行ホームページ.

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台を記録している.この金融緩和がバブルの生成を助長したと言われている.

実際,同じ第1図に描かれた日経平均株価は86年以降急騰し,90年12月末

に38,915円を記録している.これに先立って金融政策は89年春から引締め

に転じており,コールレートも91年初めまで上昇している.株価は90年末 をピークに急落し,90年代は日経平均15,000円から20,000円のレンジで一 進一退を繰り返したが,2001年から急低下し,2002年夏から2003年夏は日 経平均が1万円を割る期間が続いた.

 バブル崩壊後の1990年代は,コールレートの低下に見られるように金融緩 和が続いた.しかし,経済は本格的回復に至らず,不良債権問題による金融 不安もあって,99年2月にはコールレートをゼロにするゼロ金利政策が実施 された.さらに,2001年3月からは一層の金融緩和を目的として,金融調節 の操作目標をコールレートから日銀当座預金残高に変更するという量的緩和 政策が採用された.この結果,第 2 図にも描かれているように,日銀当座預 金としてピーク時には30兆円を上回る金額が積み上がった.この時期,株価

第 2 図 ゼロ金利と日銀当座預金残高 出所: 日本銀行ホームページ.

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は2003年を底に回復傾向に転じ,その後3年間は比較的堅調に推移した.

 次に,VARモデルを推定するときの2つ目の問題として,モデルを定常化 するための単位根(unit root)と共和分(cointegration)の問題を検討する.本稿 では政策当局が短期金利(コールレート)をコントロールするという想定の元 で,すべての変数を%単位に合わせてモデルを考えている.したがって,ま ず先ほど挙げたコールレート,日銀当座預金残高伸び率,株式収益率,マネ タリーベース伸び率,生産指数伸び率,インフレ率の6つの変数が定常性を 満たすかどうかを検討する.

 第 1 表には,各変数の単位根テストの結果が示されている.ここでは,単 位根を持つという非定常性を帰無仮説とするADFテストと,定常性を帰無 仮説とするKPSSテストの2つを試みた.ADFテストで帰無仮説を棄却し,

KPSSテストで帰無仮説を棄却できなければ,当該変数は定常性を持つと判断 される.もし,ADFテストで帰無仮説が棄却できず,KPSSテストで帰無仮 説が棄却できると当該変数が非定常であり,階差をとるなどの変換で定常化 する必要のあることを意味する.第1表の結果をみると,コールレート,マ ネタリーベース伸び率,株式収益率(東証1部上場),生産指数伸び率の4変数 ADFテスト(H0:単位根がある) KPSSテスト(H0:定常過程)

コールレート -3.648 0.140

マネタリーベース伸び率 -15.885** 0.0906 収益率(東証1部上場) -16.214** 0.0676 生産指数伸び率 -6.083** 0.0508

インフレ率 -2.853 0.102

日銀当座預金残高伸び率 -3.050 0.0441 第 1 表 単位根の検定

注: 対 象 期 間 は 日 銀 当 座 預 金 残 高 伸 び 率 は20013月 か ら200412月,そ れ 以 外 の 変 数 は す べ て19781月 か ら20012月.対 象 モ デ ル は 定 数 項 と ト レ ン ド 項 を 含 み,ADF

(Augnented Dickey-Fuller, 1979)テストはシュワルツ情報量基準でラグ次数を選択し,KPSS

(Kwiatkowski,Phillips,Schmidt and Shin, 1992)テストはNewey-West Bandwidthで選択された計算 値.統計量の臨界値はADFテストの場合,MacKinnon (1996)より1%で-3.991,5%で-3.426,

KPSS テストの場合,元論文より1%で0.216,5%で0.146である.統計量右肩のは有意水準5%

で,また**は有意水準1%で,それぞれ帰無仮説が棄却されることを示す.

(10)

については,ADFテストで帰無仮説を棄却し,KPSSテストで帰無仮説を棄 却できないので,いずれも定常変数と判断できる.インフレ率と日銀当座預 金残高伸び率については,いずれの検定でも帰無仮説を棄却できない.これ は検定のパワーの問題や,サンプル数の不足などによるものと思われる.こ れら2変数については,検定結果から判断できないが,データの動きなどか らここでは定常変数として扱うこととする.また株式収益率については,28 業種の収益率についても定常性を検討したが,いずれも定常性を満たすと判 断した.

 また,共和分の検定ついては,もともと想定したモデルの変数がいずれも 定常性を満たすと判断されたので行わなかった.

 次に,VARモデルのラグ次数について検討する.ラグ次数の選択には,様々 な方法が提案されている.具体的には,シュワルツの情報量基準やAIC(Akaike の情報量基準)など特定の統計量に基づく方法,尤度比検定など仮説検定に基 づく方法,残差に系列相関が残っているかどうかを検討する方法,などが挙 げられる.当初いくつかの情報量基準を計算したが,多くの場合に1次から 5次の短いラグが選択され,残差に系列相関が散見された.他方で,長すぎ るラグ次数は,相対的な情報量の不足から不安定なパラメータを増やし,サ ンプル数も減少する.ここでは総合的な判断により,サンプル数の多いコー ルレート・コントロール期の推定には10次のラグを仮定し,サンプル数の少 ない量的緩和期のラグ次数には4次を仮定した.いくつかのケースについて,

ラグ次数を変更して計算しなおしたが,次節の考察結果が大きく変わること はなかった.

 VARモデルの推定は,変数の選択,定常化のための変数の特定化,ラグ次 数の決定,で可能になる.しかし,経済的に解釈を行うには,さらにインパ ルス反応を計算する必要がある.インパルス反応は,推定された誘導形VAR モデルから構造形VMAモデルを導出することで計算できる.この導出には,

VARモデルのパラメータ推定値以外にも,識別制約と呼ばれる付加的な条件

(11)

が必要になる.ここでは,その識別制約を,推定されたVARモデルの共分散 行列をコレスキー分解することで求める方法を採用する.このコレスキー分 解を用いる識別方法は,「逐次的な同時点制約」という構造を想定するが,そ れはショックの波及する順序を仮定するもので,変数の順序づけを事前に決 めなければならない.

 本稿では,VARモデルの変数と経済的構造を考慮して,次のモデルAから モデルFの6つのパターンを想定する.

コールレート・コントロール期(バブル前1978/1~89/12,バブル後1990/1

~2001/2)

モデルA:①コールレート,②マネタリー・ベース,③株式収益率

モデルB: ①生産指数,②コールレート,③マネタリー・ベース,④株式収益 率

モデルC: ①生産指数,②インフレ率,③コールレート,④マネタリー・ベー ス,⑤株式収益率

量的緩和期(2001/3~2004/12)

モデルD:①日銀当座預金,②マネタリー・ベース,③株式収益率

モデルE: ①生産指数,②日銀当座預金,③マネタリー・ベース,④株式収益 率

モデルF: ①生産指数,②インフレ率,③日銀当座預金,④マネタリー・ベー ス,⑤株式収益率

 各モデルにおけるコレスキー分解の順序づけは,上記の変数の順である.

 簡単にモデルの考え方を説明する.モデルAは,本稿の基本モデルである.

金融政策の操作目標であるコールレートに生じるショックをもっとも外生的 と考え,そのショックが金融市場の需要サイドを表すマネタリー・ベースに

(12)

波及し,最終的に株式収益率に波及すると考える.モデルAでは,最初のコー ルレートに生じるショックを政策当局の判断に基づく一般には予想されない 政策ショックとみなすが,この中には当局,すなわち日銀がインフレや景気(生 産)の変化を受けて政策を変更する部分も含まれる.

 モデルBは,コールレートに先立ち,生産指数に発生するショックを想 定する.この場合,コールレート・ショックは生産ショック以外の要因で構 成されることになる.モデルCは,コールレートに先立ち,インフレ率と生 産指数に発生するショックを想定する.この場合,インフレと生産のショッ クはコールレートのショックとは独立に取り出されており,コールレート・

ショックはインフレ・ショックと生産ショック以外の要因によるものと解釈 できる.モデルの想定から,モデルAのコールレート・ショックがもっとも 広義の金融政策ショックであり,モデルB,モデルCとなるに従い,金融政 策固有の一般には予想されないショックとしてその大きさは小さくなる.モ デルDからモデルFは,量的緩和期を対象に推定するモデルであり,政策変 数としてコールレートではなく日銀当座預金残高を用いる点を除くと,モデ ルAからモデルCと同様の想定である.

3 分 析 結 果

3. 1 東証1部上場全産業の結果

 ここでは,VARモデルから計算されるインパルス反応について検討する.

まず第 2-A 表には,コールレート・コントロール期(1978年1月から2001年2月)

を対象に推定されたVARモデルから計算されたインパルス反応が示されてい る.ここで示されるインパルス反応は,1期目にコールレートにプラスのショッ ク(金融引締めショック)が発生したとき,東証1部企業の株式投資収益率(加 重平均)に引き起こされる各期の累積的な影響度である.VARモデルが定常 性を満たせば,VMAモデルも定常性を満たすので,インパルス反応は十分に 長い期間をとると一定値に収束する.

(13)

(コールレート→株式収益率,累積値,全産業)

バブル崩壊前:1978/1~1989/12  バブル崩壊後:1990/1~2001/2 当 月 6ヵ月 1 年 当 月 6ヵ月 1  年 モデルA -0.343

(0.345) -1.694

(0.959) -0.933

(1.292) -0.479

(0.557) -1.006

(1.492) -1.632

(1.696)

モデルB -0.257

(0.348) -1.166

(1.007) -0.216

(1.351) -0.288

(0.573) -1.066

(1.563) -1.547

(1.807)

モデルC -0.264

(0.349) -0.279

(0.994) 0.429

(1.368) -0.858

(0.574) -1.232

(1.699) -1.788

(2.005)

第 2-B 表 コールレート・コントロール期のインパルス反応関数

注: ( )内は標準誤差.

(日銀当座預金→株式収益率,累積値,全産業)

2001/3~2004/12

当 月 6ヵ月 1 年

モデルD -0.508

(0.712) 1.001

(2.198) 0.909

(2.334)

モデルE -0.423

(0.720) 1.716

(2.162) 2.194

(2.264)

モデルF 0.161

(0.722) 2.417

(2.207) 2.692

(2.132)

第 2-C 表 量的緩和期のインパルス反応関数

注: ( )内は標準誤差.

(コールレート→株式収益率,累積値,全産業)

1978/1~2001/2

当 月 6ヵ月 1 年

モデルA -0.405

(0.330) -1.231

(0.913) -0.887

(1.292)

モデルB -0.384

(0.333) -1.234

(0.942) -0.741

(1.317)

モデルC -0.397

(0.334) -0.835

(0.953) -0.232

(1.318)

第 2-A 表 コールレート・コントロール期のインパルス反応関数

注: ( )内は標準誤差.

(14)

 モデルAについて通期の結果をみると,コールレート・ショック,すなわ ち金融政策ショックにプラスのショックが発生した同じ月(1期目)に,収益 率はマイナスの影響を受けている.これは,金利の引き上げという金融引締 めのショックにより,株式収益率が低下することを示しており,一般に株式 市場で考えられている影響と一致する.この金融引締めの影響は,その後の 月もマイナスで累積し,半年後(6期目)には1期目の3倍以上になる.しかし,

その後反対方向の動きも生じ,1年後(12期目)には1期目の2倍程度にまで 影響度が落ちる.ただし,インパルス反応の標準誤差は,期間が長くなると 大きくなる.

 モデルをB,Cと拡張したケースについてみると,ショック発生後の累積 的影響度のパターンに大きな変化はないものの,特にモデルCでは6期目以 降の影響度が大きく低下している.このことは,モデルCのようにインフレ 率のショックを除くそれ以外の要因による金融政策ショックは,中長期的に 見ると株式収益率に与える影響は大きくないことを示唆している.

 次に,コールレート・コントロール期をバブル前とバブル後に分割した計測 を行った.その結果が,第 2-B 表に示されている.バブル前のモデルAについて,

インパルスのパターンは第2-A表の通期とほぼ同じであるが,1期目がやや小 さく半年後が大きく出ている.これに対してバブル後では,半年後,1年後と 単調に累積効果が高まっており,インパルスのパターンがバブル前と異なる.

インパルスの計算値だけをみると,バブル後の方が金融政策の長期的効果は大 きいようにみえる.ただし,標準誤差が大きいことにも注意が必要である.

 生産ショックを取り出したモデルBと,インフレショックも独立させたモ デルCについて,バブル前とバブル後ともにインパルスの傾向はモデルAと ほぼ同様である.ただし注意してみると,モデルB,モデルCともにバブル 前では金融政策ショックの長期効果の低下が大きく,モデルCではバブル前 の1年後の効果はプラスになっており,金融引締めの収益率へのマイナス効 果は消失する.これに対して,バブル後はいずれのモデルでも,金融引締め

(15)

の効果が時間の経過とともに累積してマイナスに効いている.

 次に,2001年3月から2004年12月の量的緩和期の計測結果を行った結果が,

第 2-C 表に示されている.ここで示されるインパルス反応は,1期目に日銀 当座預金残高にプラスのショック(金融緩和ショック)が発生したとき,株式 投資収益率に生じる各期の累積的な影響度である.

 まずモデルDについてみると,1期目(同時点)の効果はマイナスである.

金融緩和に対して株式収益率がマイナスで反応するのは予想に反するが,半 年後,1年後と時間が経つに従いプラス効果ははっきりする.ただし,イン パルス反応の標準誤差は大きい.生産指数のショックを取り出したモデルE の場合も同時期の影響はマイナスで,その半年後,1年後となるに従いプラ ス効果が明確になる.その傾向は,モデルAよりも大きい.さらにインフレ・

ショックを独立させると,同時期の金融政策の緩和効果が明確になり,収益 率にプラスで影響し,その後の累積効果も大きくなる.

 以上の考察を,推定値に注目してまとめると,次のようになる.

 1. コールレート・コントロール期について,金融引締めショックは同時期 の株式収益率にマイナスで影響し,半年程度までその効果は累積するが,

その後低下する.

 2. コールレート・コントロール期について,インフレ・ショックを独立さ せると,金融政策ショックの株式収益率への影響は低下する.この傾向 は,長期になると顕著である.

 3. バブル崩壊の前後を比較すると,金融政策ショックが株式収益率に与え る影響のうち,1年後でみる長期効果はバブル前よりもバブル後の方が大 きい.

 4. 量的緩和期の日銀当座預金でみる金融政策ショックは,同時点の効果は ないものの半年から1年後の影響は明確であり,生産ショックやインフレ・

ショックを独立させるとより金融政策ショックの効果ははっきりする.

(16)

3. 2 東証1部上場28業種の結果

 ここでは,金融政策のショックが業種別の株式収益率に与える影響を検討 する.モデルはこれまでと同様であり,VARモデルを推定し,コレスキー分 解にもとづく識別制約を課してインパルス反応を計算する.

(コールレート→株式収益率,累積値)

バブル崩壊前1978/1~1989/12 バブル崩壊後1990/1~2001/2

当 月 6ヵ月 当 月 6ヵ月

水産・農林業 -1.581(0.546) -3.726(1.322) -0.241(0.659) -0.528(1.589)

鉱業 -0.495(0.772) -0.935(2.058) 0.095(0.830) 0.198(2.095)

建設業 -0.777(0.496) -1.556(1.479) -0.632(0.745) -0.699(1.578)

食料品 -1.011(0.369) -1.248(1.266) -0.222(0.523) -1.176(1.113)

繊維製品 -0.920(0.413) -1.886(1.023) 0.097(0.614) 0.542(1.337)

パルプ・紙 -0.605(0.432) -2.177(1.134) -0.150(0.661) -1.123(1.515)

化学工業 -0.888(0.377) -1.767(1.008) -0.267(0.555) -1.016(1.144)

石油・石炭製品 -0.857(0.726) -1.345(1.969) 0.086(0.746) -0.401(1.814)

ゴム製品 -0.921(0.431) -2.754(1.012) -1.153(0.634) -2.090(1.562)

ガラス・土石製品 -0.660(0.372) -1.762(1.167) -0.258(0.690) -1.903(1.722)

鉄鋼 -0.380(0.612) -3.958(1.733) -0.159(0.714) 0.091(1.668)

非鉄金属 -0.402(0.526) -0.976(0.980) -0.316(0.764) -1.999(1.994)

金属製品 -1.153(0.494) -0.359(1.409) -0.321(0.657) -0.236(1.618)

機械 -0.282(0.349) -1.436(1.005) -0.521(0.662) -0.903(1.611)

電気機器 -0.013(0.593) -0.368(1.459) -1.018(0.708) -2.149(1.914)

輸送用機器 -0.035(0.502) -2.325(1.239) -0.360(0.579) -1.069(1.272)

精密機器 -0.053(0.575) -0.741(1.626) -0.697(0.622) -1.763(1.614)

その他製品 -0.255(0.391) -1.225(1.271) -0.145(0.513) -0.149(1.276)

商業 -1.025(0.354) -1.815(1.003) -0.652(0.637) -1.322(1.950)

金融・保険業 -0.027(0.602) -1.893(1.830) -0.193(0.672) 0.224(1.774)

不動産業 -1.141(0.691) -1.605(1.853) -0.228(0.773) -0.995(1.879)

陸運業 -0.958(0.561) -1.904(1.523) -0.518(0.555) -1.222(1.397)

海運業 -1.559(0.666) -4.738(1.520) -0.608(0.876) -1.069(1.986)

空運業 -0.829(0.596) -0.905(1.621) -0.231(0.752) 0.379(1.891)

倉庫・運輸関連業 -0.188(0.485) -0.820(1.231) 0.199(0.690) -0.481(1.646)

情報・通信業 -0.229(0.552) -0.287(1.660) -0.775(0.869) -3.064(2.769)

電気・ガス業 -0.008(0.724) -0.922(1.945) -0.633(0.509) -1.738(1.283)

サービス業 -0.621(0.460) -0.639(1.471) -0.130(0.603) -1.644(1.806)

第 3 表 モデルAによるインパルス反応

注: ( )内は標準誤差

(17)

 コールレート・コントロール期を対象に推定したモデルAから計算された 各業種のインパルス反応が第 3 表に示されている.元データを時系列でみる と分かるが,個々の業種の収益率は実際のところかなりバラバラに変動して いる.しかし,第3表を見ると分かるように,業種ごとに推定されたVARモ

第 4 表 量的緩和期(2001/3~2004/12)のインパルス反応

注: ( )内は標準誤差

(日銀当座預金→株式収益率,累積値)

モデルD モデルF

当 月 6ヵ月 当 月 6ヵ月

水産・農林業 -0.388(0.745) -1.474(2.153) -0.844(0.712) -1.153(1.697)

鉱業 -1.357(1.038) 0.994(2.812) -1.919(1.118) 0.652(2.472)

建設業 -0.521(1.050) -1.633(2.724) -1.095(1.076) -1.338(2.533)

食料品 -0.706(0.570) -0.942(1.675) -0.949(0.589) -0.790(1.690)

繊維製品 -0.975(0.777) 1.281(2.691) -0.966(0.770) 0.990(2.492)

パルプ・紙 -1.779(0.932) 1.068(2.478) -2.065(0.912) -0.113(2.173)

化学工業 -0.609(0.568) 0.544(1.323) -0.214(0.600) 1.116(1.303)

石油・石炭製品 -1.745(1.177) 0.480(2.900) -2.481(1.047) -0.962(2.680)

ゴム製品 -1.687(1.062) 4.172(2.233) -0.382(1.109) 3.214(1.999)

ガラス・土石製品 -1.797(1.100) 0.116(2.708) -0.854(1.140) 2.050(2.692)

鉄鋼 -2.438(1.262) 0.153(3.133) -2.478(1.275) 0.949(3.183)

非鉄金属 -0.794(1.297) 4.033(3.556) 0.892(1.301) 5.889(3.578)

金属製品 -2.131(0.905) 0.071(2.472) -1.780(0.932) 0.771(2.163)

機械 -0.895(0.880) 1.854(2.460) 0.347(0.868) 3.821(2.591)

電気機器 -0.979(0.943) 3.482(2.691) 0.788(0.916) 4.452(2.532)

輸送用機器 -2.421(0.707) 0.058(2.140) -1.229(0.669) 1.613(2.071)

精密機器 -2.131(0.788) 1.418(1.961) -1.992(0.810) 1.720(1.948)

その他製品 -0.940(0.821) 1.570(2.564) -0.416(0.836) 1.907(2.494)

商業 -0.907(0.951) 0.349(2.402) -0.690(0.996) 1.328(2.246)

金融・保険業 -0.988(1.088) 0.020(3.937) -0.969(1.072) 0.822(4.024)

不動産業 -1.294(1.003) -4.060(3.883) -2.644(0.986) -3.557(3.885)

陸運業 0.358(0.607) -0.816(1.776) -0.133(0.574) -0.916(1.594)

海運業 -2.942(1.158) -0.274(3.068) -2.441(1.108) 1.692(2.910)

空運業 -2.004(1.074) 3.105(2.838) -1.088(1.081) 4.215(2.710)

倉庫・運輸関連業 -0.931(1.010) -2.469(2.578) -2.432(0.967) -3.015(2.567)

情報・通信業 0.471(1.101) 1.885(2.027) 1.931(1.121) 2.728(1.988)

電気・ガス業 0.080(0.499) -2.233(1.525) -0.212(0.442) -2.355(1.479)

サービス業 -0.924(0.891) 2.493(2.736) -0.179(0.843) 2.567(2.577)

(18)

デルから計算されたインパルス反応は,金融政策ショックが大半の業種に同 方向の影響を与えていることが分かる.バブル崩壊前では,金融政策の引締 めショックは28の全業種の収益率にマイナスで作用している.業種別に当月 の影響度(マイナス効果)が大きい順に並べると,①水産・農林業,②海運業,

③金属製品,④不動産業,⑤商業,となり,6ヵ月後では,①海運業,②鉄鋼,

③水産・農林業,④ゴム製品,⑤輸送用機器となる.

 第3表のバブル後をみると,金融政策の引締めショックは28業種中,当月 で24業種,6ヵ月後では23業種,の収益率にマイナスで作用している.業 種別に見ると,当月では,①ゴム製品,②電気機器,③情報・通信業,④精 密機器,⑤商業,へのマイナス効果が大きく,6ヵ月後では,①情報・通信業,

②電気機器,③ゴム製品,④非鉄金属,⑤ガラス・土石製品,へのマイナス 効果が大きい.

 バブルの前後を比較すると,バブル前には海運や鉄鋼への効果が大きかっ たのに対して,バブル後には新たに情報・通信や電気機器への効果が大きく,

一部で業種が変化していることが分かる.

 次に,量的緩和期の推定結果が第 4 表に示されている.ここでは,全産業 を対象にした先の推定結果の考察から,モデルDとモデルFの結果を示した.

全産業に関する第2-C表の結果から予想されるように,日銀当座預金残高に プラスのショックが生じた当月に株式収益率がプラスの影響を受ける業種は,

モデルDで3業種,モデルFで4業種にすぎない.すなわち,量的緩和は業 種別に見てもすぐに株式収益率にプラスの効果を与えるわけではない.

 この点は,コールレート・コントロールがすぐに影響するのとは対照的で あり,その傾向が業種別のデータでも確認された.しかし,6ヵ月後には多 くの業種で金融緩和による株式収益率上昇の効果がみられ,モデルDでは28 業種中20業種,モデルFでは19業種がプラスで計測されている.6ヵ月後 のプラス効果の大きい業種は順に,モデルDで,①ゴム製品,②非鉄金属,

③電気機器,④空運業,⑤サービス業であり,モデルFで,①非鉄金属,②

(19)

電気機器,③空運業,④機械,⑤ゴム製品,となっている.このうち,ゴム 製品はバブル前から,また非鉄金属や電気機器はバブル後から金融政策の影 響を強く受けており,その特徴は継続している.

 以上の業種別の考察をまとめると,次のようになる.

 1. 金融政策ショックは,多くの業種の株式投資収益率に同方向の影響を与 える.ただし,その傾向はコールレート・コントロール期のバブル前に 顕著だったが,バブル後,量的緩和期,と最近になるにしたがって低下 しており,業種により金融政策の影響にばらつきが見られるようになっ ている.

 2. 量的緩和は,業種別株式収益率で見ても同時期に緩和効果を持たず,あ る程度時間を経た半年後あたりから緩和効果が現れる.

 3. ゴム製品や非鉄金属,電気機器の株式収益率は,金融政策の操作変数に 関係なく,金融政策ショックの影響を比較的強く受けている.

4 ま と め

 本稿では,VARモデルから計算されるインパルス反応を検討することで,

金融政策のショックが株式収益率に与える影響を分析した.

 結果は,市場で予想されるように,金融の引締めショックは多くの業種の 株式収益率にマイナスの影響を与えることが観察された.さらに細かく見る と,コールレート・コントロール期には同時点で影響があったが,量的緩和 期には同時点での効果はなく金融政策の効果に半年程度のタイムラグが生じ ることや,バブル経済の前と後では予想に反してバブル後の方が1年後の累 積効果で見るとその影響度は大きいこと,また金融政策のショックからイン フレ・ショックを独立させると残りの予想されないショックはコールレート・

コントロール期では弱まるものの,量的緩和期には逆に強まる,ことなどが 観察された.

(20)

 以上の考察結果は,バブル後の金融政策や量的緩和政策の有効性を検討す る上で興味深い視点を与えるが,残された課題も多い.まず1つ目は,どの ようなメカニズムにより金融政策が株式収益率に影響を与えるのか,その要 因を検討する必要がある.それには,資産価格モデルのような構造形モデル を検討することや,企業の財務データを利用することが考えられる.2つ目 は,本稿では金融政策の影響について引締めと緩和を対称的に扱ったが,北 坂(2003)や粕谷・福永(2003)は金融政策について引締めと緩和でその影響 が異なる非対称的な効果を指摘している.金融政策から株式収益率への影響 についても,そうした非対称性を考慮する余地がある.3つ目は,本稿で検 討した金融政策から株式収益率への影響は,数多くある金融政策の波及経路 の1つにすぎず,また波及経路の途中でもある.株式市場以外の資産市場を 通じた経路や,資産市場から先の消費や投資といった需要サイド,また場合 によっては生産性のような供給サイドへの影響も含めて検討することが考え られる.

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(きたさか しんいち・同志社大学経済学部)

(23)

The Doshisha University Economic Review Vol.61 No.1 Abstract

Shinichi KITASAKA, Monetary Policy and Stock Market Returns: Impulse Response Analysis

  We investigate the effects of monetary policy innovations on stock market returns by using the impulse response method. Impulse response functions are estimated using a VAR model including the call rate (or current account balance), monetary base growth, stock returns, industrial production growth, and the inflation rate. The sample periods are January 1978–February 2001 and March 2001–December 2004. We find that monetary expansion resulted in increased stock returns in Japan not only for the period of the call rate targeting policy but also for the period of the quantitative easing policy.

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○鈴木部会長