調査区周辺の様子(北から)
※大極殿院から南方を望む
東面回廊検出状況(北から)
※棟通りと東側柱通りの礎石据付穴がよく残る
礎石据付穴と礎石移動痕跡(南西から)
※瓦堆積の上面に橙褐色土が堆積する 調査位置図
※調査地は大極殿院東北部
藤原宮
大極殿院 の調査
飛鳥藤原第 205 次調査 現地見学会資料
(独)国立文化財機構奈良文化財研究所 都城発掘調査部
藤原宮 大極殿院の調査
(飛鳥藤原第 205 次調査現地見学会資料)
2020.11.7
独立行政法人 国立文化財機構 奈良文化財研究所 都城発掘調査部
〒 634-0025 奈良県橿原市木之本町 94-1 https://www.nabunken.go.jp Edited by T.Suzuki・M.Kuriyama
東面回廊から大極殿、畝傍山を望む
(北東から)
2020 年 9 月 24 日撮影
70 70
16 16
21 21
20 20
195 195
200 200 198 198
148 148
189 189
153 153 163 163
160 160
179 179 117北 117北
117南 117南
4 4
58 58 2 2
100 100
107 107 190 190
120 120
125 125
132 132
144 144
142 142
128 128 136
136
61 61 55 55
182 182 186 186
22 22
11 11
174 174 169 169 70
70 70
16 16 16
21 21 21
20 20 20
195 195 195
200 200 200 198 198 198
148 148 148
189 189 189
153 153 153 163 163 163
160 160 160
179 179 179 117北 117北 117北
117南 117南 117南
4 4 4
58 58 58 2 2 2
100 100 100
107 107 107 190 190 190
120 120 120
125 125 125
132 132 132
144 144 144
142 142 142
128 128 128 136
136 136
61 61 61 55 55 55
182 182 182 186 186 186
22 22 22
11 11 11
174 174 174 169 169 169
0
0 100m100m
今回の調査区 今回の調査区
大極殿院 大極殿院
朝 堂 院 朝 堂 院
東面回廊付近の瓦堆積(北東から)
※回廊基壇を中心に多量の瓦が堆積する 礎石据付穴(北から)
※拳大の礫を根石として詰める
土坑1 土坑1
土坑2 土坑2
土坑3 土坑3 南側溝落込み
南側溝落込み 礫 敷
礫 敷
土坑4土坑4 南北溝1南北溝1南北溝2南北溝2
先行四条条間路
北側溝
南側溝
先行四条条間路
北側溝
南側溝 東 面 回 廊
飛鳥藤原第205次調査遺構平面図
0 10m
礎石据付穴 基壇(推定) 凝灰岩粉堆積
礫 敷 瓦堆積
礎石移動痕跡 藤原宮大極殿院東面回廊および内庭東北部を調査し、回廊
の柱位置や先行四条条間路の側溝などを確認しました。今回 の調査により、大極殿院回廊東半部のほぼ全域の調査を終え、
回廊の柱配置や造営から廃絶に至る経緯を明らかにすること ができました。大極殿院東面回廊および内庭東北部の様相が 解明されたことは、藤原宮大極殿院の構造および古代宮都の 今後の調査研究に関して、重要な成果です。
大極殿院は藤原宮の中心部に位置し、その中央には即位や 元日朝賀などの儀式の際に天皇が出御する大極殿があります。
大極殿院の調査は、1934 年の日本古文化研究所による調査に 始まり、1977 年以降は奈良文化財研究所が継続的に進めてき ました。これらの調査により、回廊は礎石建ち、瓦葺きの複廊 で四面には門が開くことが判明しています。2019 年度の調査で は、東面回廊に取付く大極殿後方東回廊を発見しました。今回 は大極殿院東北部の東面回廊および内庭を調査しました。
東面回廊 礎石建ち、瓦葺きの複廊形式の回廊で、基壇は橙 褐色粘質土を版築状に積み上げて造成しています。棟通りお よび東側柱通りにおいて、桁行 7 間分、礎石据付穴 16 基を あらたに検出しました。柱間寸法は、桁行 3.8 ~ 4.0 m(13.0 ~ 13.5 尺)、梁行約 2.9 m(10 尺)です。
今回の調査により、東面回廊のうち、大極殿後方東回廊と 北面回廊の間は桁行総長約 47.1 m、12 間であることが明ら かになりました。当該部分の桁行寸法は 13.5 尺を基本とし、
大極殿後方東回廊より南方の東面回廊が、約 4.1 m(14 尺)
を基本としているのと異なります。
内庭 大極殿院内庭では、直径3~ 15㎝大の礫を敷いている ことを確認しました。
回廊基壇裾の南北溝 回廊基壇の東西で、南北溝1・2を検 出しました。回廊基壇造成時に掘られた溝です。
宮造営時の土坑 東面回廊東方で土坑1・2・3を検出しま した。埋土に瓦を多く含みます。
先行四条条間路 調査区の北部を東西に通る道路です。北側 溝と南側溝を検出しました。藤原京の条坊道路が藤原宮造 営以前に施工されていることを示しています。
宮廃絶後の瓦堆積 東面回廊基壇を中心に、多量の瓦が堆積 する状況を確認しました。
礎石移動痕跡 東面回廊棟通りの1.5~2.0m西方において、
前述の瓦堆積の上面に、基壇土由来と考えられる橙褐色土 が堆積し、その表面に花崗岩粉が固着している状況を3か 所で確認しました。基壇が削平され、その上面に瓦が堆積 した段階においても、回廊の礎石のうち、いくつかが当初 位置に残っており、後に、それらの礎石を移動させた場所 を示す痕跡と考えられます。
宮廃絶後の土坑 調査区の中央部において土坑4を検出しま した。埋土に瓦などを含みます。