• 検索結果がありません。

初期デューイ思想における学校環境論の成立過程

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "初期デューイ思想における学校環境論の成立過程"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

初期デューイ思想における学校環境論の成立過程

学校教育専攻 人間形成基礎コース 大 石 陽 子

本研究は、デ、ューイが著『学校と社会 (School andめciety)Jlの中で大成した学校構想、図を捉

え直し、その構想、図に至る経緯をデューイの環 境論を中心に考察する意図をもっている。

デューイ教育学が日本の教育学に影響を与え て百年が経つO 当時のアメリカにおける学校制 度を批判する形で生まれたデ、ューイの教育思想、

は、今日の教育制度にも多くの示唆を与えてい る。なぜならば、デ、ューイの批判した「教師が 教え、子どもが一斉に学ぶ」としづ特交の伝統 的な体質は今だ、存続し続け受験という目的の ために詰め込み式の学習形態が、固定されてい るからであるO わ れ わ れ は 、 デ ュ ー イ の iLearning by DoingJとし、う言葉のもとに、

子どもに環境に適応してしぺ力を身につけさせ、

子ども自身が自らの力で「成長」できる教育を 再考しなければならない。また、筆者はここに 新たな視点である図書館の重要性を加えたいじ

これは子どもたちの主体的な知識の拡充を促す と考えるからである。図書館を含め、デ、コ.ーイ は、子どもの成長過程において、人間性の浸み 渡った人的・物的環境を設定することが、教育 あるいは教育者の任務であると考えるのである。

このような「成長」を引き起こすように商白書、さ れた学校としづ社会的環境をよりよいものとす るためにも、本研究の中で、デ、ューイがどのよ うな経緯で、この学校環境論を導き出したのか を考察してし、くO

第1章では『学校と社会』におけるデ、ューイ の学関蕎想図の内実を明確にする。これは、以

指導教官 木 内 陽 一

下の第 2章、第 3章において、どのような点が 学校環境の重要性を持っているのかを知るため、

あるいはその特色を知るために必要なことと思 われる子ども中心主義」と称されたデュー イ教育学を明らかにし、子どもが生活する場で ある学校の意味付けを試みる。また、構想、図を 具体的に提示し、その設定の意義を捉え直すり

これは一つ一つの機関の役割とその相互作用 ( transaction)について考察する。社会の一 部である判交と、判交の内部で行われる有機的 な交流から、デ、コーーイの教育理論を知ることが できるのではないだろうか、また、この章では、

デ、ューイの真意を知るためにも『学校と社会』

を忠実に読み取ることで、考察を試みる。

第2章では、デューイの哲勃句な目覚めから、

人聞の普遍性と主体性に個人の内面カEらアプロ ーチしようとする心理学への移行を探る。生理 学の授業で有機体思想、を知った彼が、生物学的 心理学を表明するまでの期間である。彼はカン ト、あるいは直観主義を経て、新しし、心理学を 確立するのである。ここでも、原点である人体 組織モデルが根底にあり、その相互作用や、統 一体を模索する彼の姿を見ることができる。ま た、問題解決の方法論が見出せず、苦悩し、様々 な理論を展開していくのもこの時期である。ま ず、カント哲学をベースにして、唯物論に表れ る矛盾を批判的に解明しようとする。そして、

「統一的要求」をへーゲ、/レの理論によって満た そうとするのである、しかし ここでも彼のへ ーゲ、ル主義は解体に向かい、同時にプラグマテ

(2)

イズムの萌芽が現れてくるのである。

そして第3章においては、そのアプローチの 生き詰まりから生成した倫理学のネ見京に焦点を あてる。はじめに「倫理学と自然科学」、「精神 と身体J

r

民主主義の倫理」の三論文から倫理 学の形成過程を考察する、人聞を行為のレベル で把握しようとするデューイは、行為をその全 体性において論じようと試みる。自由で理念的 な 行 為 の あ り 方 を 「 倫 理 的 世 界 (ethical world) Jの中に求めたのである。一方、行為 は主体の心理的活動を含んでいるため、倫理学 が環境世界を切り拓く人聞の行為のあり方を把 握しようと思うならば、それは社会状況との関 わりだけでなく、心理的分析を不可欠な視点と して含まねばならない、とデューイは主張して しも。このような社会的状況だけではなく、心 理学的視点を包摂したデューイ倫理学を解明し、

その倫理学を基礎として確立された独自の教育 学を明らかにする〈彼の倫理学における「自我 実現の理想」は教育に適用される時、「成長」

環境への適応」として主張される。ここに 彼の教育学の誕生を見ることができるのである。

第4章においては、『学校と社会』に見られ るフレーベルとの関係と特交環境の目的と課題 につして探求する。材交とし、う意図的に設定さ れた環境と、教育あるし、は朝市の役割を考える。

「経験」を媒介として、「大人と子どもの相互 成長空間jを理想、としたデ、ューイの特交環境論 を跡付けることによって、今後の学校構築を考 えてし、くO

以上によって、デ、ューイ材交環境論を考察する ことによって、環境を整備することの重要性と その教育目的を再考したい まず、デ、ューイの 学校構想図における社会との結びつきについて である。現在、判:交はますます孤立化したもの となり、生活とかけ離れたものとなっている。

「なぜ、これを勉強するのか '?Jとし寸疑問が、

浮き彫りにされ、子どもたちにとっての学習は、

「生長」のためではなく、受験のためという目 的に変容してしまっている。しかし、本来学ぶ

ことはそれを生活に利用すーるためであり、社会 的、歴史的に蓄積された経験の束を身につける ことで、あったO それにも関わらず、産業の発達 に遅れをとった学校は、その儲JIを見失ってし まったので、あるO 家庭においても産新毒造の変 容に伴って、日常生活の場での知識の伝達が困 難になっているのが現状である。それ故に、今、

多様化・複雑化した社会に如、てデューイ教育 学を再考することは、重要な意味を持っている 用に思われる。暗記式に詰め込まれたものでは なく、経験から得た真の知識は自分を守り、ま た成長させるのである。そこで、教師、あるい は教育は環境を意図的に設定するという配慮を 要求される。設定された環境により、子どもた ちは主体的に学ぶ。そして、これは変容し続け る社会への適応力を生み出すーのではないだろう

次に図書室について注目したい。デ、ューイは 判交において図書室・博物室を中心に配置する とし寸画期的な発案をした。これは、子どもた ちの主体的な学習を促すための環境設定と思わ れる。すーなわち、校舎の内部において活動的な 仕事が実践的に展開され、その中心に濫命的に 研究される「場」である図書室を配置するとい うものである。学校教育の変革において、「教 える」から「学ぶ」への移行が行われるとすれ ば、これは子どもたちの知的好奇心を満足させ るためにも重要な儲IJを担ってくるのではない だろう。

参照

関連したドキュメント

副校長の配置については、全体を統括する校長1名、小学校の教育課程(前期課

8 地域巡り(地域探検) 実施 学校 ・公共交通機関を使用する場合は、混雑する ラッシュ時間を避ける。. 9 社会科見学・遠足等校外学習

[r]

ダイキングループは、グループ経 営理念「環境社会をリードする」に 則り、従業員一人ひとりが、地球を

小学校学習指導要領総則第1の3において、「学校における体育・健康に関する指導は、児

[r]

小・中学校における環境教育を通して、子供 たちに省エネなど環境に配慮した行動の実践 をさせることにより、CO 2

小学校における環境教育の中で、子供たちに家庭 における省エネなど環境に配慮した行動の実践を させることにより、CO 2