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吉 井 健 治

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Academic year: 2021

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(1)

生活習慣とマインドフルネス傾向が精神的健康に及ぽす影響

人間教育専攻

臨床J心理士養成コース

田 井 伸 敬

1.開題と目的

大学生の精神的健康に関して,対人緊張を抱 える学生,疲労感や抑うつ感の強し、学生が増加 傾向にあることが指摘されている(一宮, 2003)。

また3 男女ともに学年が進むにつれて生活習慣 が苦Lれ,運動習慣,食習慣, H郵民習慣が望まし くない傾向になること9 寝付きゃ目覚めなどの 睡眠習慣や食習慣に問題がある者ほど疲労自覚 症状やストレスの訴え数が多いことも報告され ている(古谷@田中 a上里, 200sLこのよう な精神的健康の低い学生の増加は,休・退学者 の増加との関連で問題となっている。

さらに,家庭教育はすべての教育の出発点で ありp 子どもが基本的な生活習慣を身に付ける 上で、重要な僻JIを果たすもので、あるが,近年の 都市化や核家族化,少子化,地域におけるつな がりの希薄化など,家庭や家族を取り巻く社会 状況の変化の中で,家庭の教育力の低下が指摘 されている。このような背景があり,子どもが 基本的な生活習慣を身に付けることが難しくな っており,先行研究より基本的な生活習慣が精 神的な健康と関連していることが明らかになっ

ている中で,家庭以外の場所でも基本的な生活 習慣を身に付ける必要性が高まってきているの ではないだろうヵ、

ところで,近年抑うつや不安としりた精神疾 患への介入に関する概念としてマインドフルネ

指導教員

吉 井 健 治

スが注目を集めており,心身症的疾患明晶食な ど の 食 行 動 の 問 題 , 不 安 , パ ニ ッ ク 障 害

(Ka

bat‑Zinn, 1990春木訳, 1993), うつの 再発防止に効果的であることが検証されている (Segal‑Wiams‑Teasdale, 2002 越川監 訳, 2007)。このような背景から,筆者はマイ

ンド、フルネスを高めることで生活習慣の改善に 繋がり,精神的健康へ良い影響があるのではな いかと考えた。今回の研究で、マインドフルネス を高めることで基本的な生活習慣を改善するこ とができることが明らかになれば,道具や特別 な能力を必要とせず, ど、こで、も実施可能なマイ ンドフノレネストレーニシグは判交で、も活用する ことができ3大きな臨床的意義があると考えた。

以上のことから,本研究は,基本的生活習慣 (食事, tf郵民など)とマインド、フルネス傾向が 精神的健康に及ぼす影響を明らカ斗こすることを 目的とする。また,本有「究では,以下のような 仮説を定める。生活習慣が不良な人で、あっても,

マインドフルネスが高ければ精神的健康の悪化 は抑制される。

2.方 法

対象者:A大学の大学生・大学院生に調査を実 施し,そのうち分析対象者は男性55名,女性 77名,合計132名で、あった。調査時期は2018 年6月, 7月で、あった。心理学に関する授業の 時間を使って質問紙調査を実施した。質問紙を

EL

ワ 臼

(2)

~2高し,画時完了後教示を行い3 一斉に調査を 開始した。回答時間は15分程度であったO

使用尺度:①生活習慣尺度

D l H A L . 2

(徳永, 2004)を用いた。健康度 (12項目)ヲ運動 (8 項目),食事 (13項目),付議 (14項目)の4因 子9 計47の項目で構成されている。

②マインドフノレネス尺度

MAAS

藤野ら,

2015)を用いた。マインドフノレネス傾向の1因 子, 15項目で構成されている。

@精神的健康尺度 GHQ28(Goldberg, 1978)  を用いた。身体的症状,不安と不眠,社会的活 動障がい,うつ傾向の4因子,各7項目で構成

されている。

3.結果

(  1 

) 性 差 に つ い て :

D l H A L . 2

, 

MAAS

,  GHQ28の結果について記述統計量の算出およ び性差についての t検 定 を 行 っ た と こ ろ 運 動J•

r

身体的症状」の項目で性差が見られたO

(2) 相関について:生活習慣と精神的健康に つして,男性におし吋は,

r

健康度J•

r

付議jと 精神的健壊の相関があることが分かったO 女性 においては,

r

健康度」・「付護」パ運動」が精神 的健康と相関があることが分かったO マインド フルネスと精神的健康について,男性は相関が 見られたが,女性は相関が見られなかった。

(3)生活習慣不良群のマインドフノレネス傾向 における精神的健康度の比較:マインドフノレネ ス傾向が高いことが生活習慣が不良な人の精神 的健康へ影響を及ぼしていることを検討するた めに,生活習慣が不良な人の中で,マインドフ ルネス得点による高群ー低群に分類し t検定 を行なった。その結果,男女ともに有意でなか った。したがって9 生活習慣が不良な人がマイ ンドフルネス傾向の高低によって精神的健康の 良し悪しが決まっているわけでないことが明ら

かになった。

(4) 重回帰分析による比較:何が精神的健康 へ影響を及ぼしているのかを検討するために重 回帰分析を行った。結果,分散分析のF値の有 意確率が男性はp<.OOlとなり有意であり,女 性はp<.05となり有意だ、った。男性は,

r

マイ ンドフノレネス」の偏回帰係数が有意で、あった。

女性は,

r

健康度」の偏回帰係数が有意であった。

したがって,男性においてマインドフノレネス 傾向が精神的健康に影響を与えていることが示 された。また,女性においては,健康度が精神 的健康に影響を与えていることが示された。

4.

考察

本研究の目的は基本的生活習慣(食事, H郵民 など)とマインド、フノレネス傾向が精神的健康に 及ぼす影響を明らかにすることで、あったO 研究 の結果,男性において,基本的生活習慣よりも マインドフルネス傾向が精神的健康へ影響を与 えていることが明らかになったo (3)での結果 から9 仮説は支持されなかった3

また,男性において,マインドフノレネス傾向 が精神的健康に影響を与えていることが示され ており,マインドフノレネス傾向が精神的健康に 寄与していることが明らかになったO よって,

男性においてマインド、フノレネスを高めることで,

精神的健康を良好にすることができる可能性が 示唆された。

しかし,課題も残っている。いくつかの分析 を行った際に性差が見られたがその原因が明ら かにされていなし、。本研究においては,重回帰 分析において男女で差がみられたが,先行研究 においてマインドフルネス傾向の性差について 注目した研究はほぼなされていなし九性差に注 目した研究を行うことで,予防的介入を行う際 の重要な足がかりが得られると思われる。

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